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JP4848543B2 - 風力発電装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、弱風領域の風においても効率のよい発電を行うことができる風力発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境問題や化石エネルギーの枯渇問題を背景として風力発電装置が注目されるようになってきた。風力発電装置は、風力によってブレード(風車)を回転させ、このブレードに接続された発電機が発電を行う装置である。大型の風力発電装置は、ブレードの角度を調整して風力を有効利用できるピッチ制御が用いられている。
【0003】
また、小型の風力発電装置は身近な電源としての利用拡大が期待されている。小型の風力発電装置は、バッテリ(蓄電池)が補助電源として接続されている。図6に示すように、ブレードが回転し発電を開始する風速をカットイン風速aという。風速が増して定格運転が可能になる風速を定格風速aという。この領域では発電電圧がバッテリ電圧v(定格電圧)に固定される。更に風速が増すと風力発電装置を保護するためにブレードを倒して停止させる。この風速はカットアウト風速aである。なお、風力発電装置の大型や小型の区別は、風力発電装置の発電量によって区別される。一般に、数W(ワット)から数百Wを小型、数kW以上を大型と区別している。
【0004】
しかし、小型の風力発電装置では、ブレードのピッチ制御がスペース的に困難である。これは、小型の風力発電装置はブレードの形状が小型になってしまい、ブレードの角度を変えるためのモーターなどを機械的に組み込むことができないからである。従って、ブレードの角度は、通常の発電が行える強風に応じた角度に固定されたままであり、小型の風力発電装置ではカットイン風速a付近の弱風領域で風力の有効利用ができていない。カットイン風速a付近の弱風は、風速約2から4m/sec程度の風であり、日本国内では多く吹く風である。この付近の風を有効利用することは、小型の風力発電装置での発電効率を上昇させるための大きな課題である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、カットイン風速付近の弱風領域の風速で発電効率を高めた小型の風力発電装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の風力発電装置の要旨とするところは、ブレードが回転することによって、該ブレードに接続された発電機が発電を行い、負荷に電力を供給する風力発電装置において、前記発電機の出力電圧を検出して三角波を発生する三角波発生部と、前記発電機から負荷に供給される出力電流の所定時間内での最大値を検出し、ホールド信号を発生する制御信号発生部と、前記三角波及び前記ホールド信号が入力され、前記ホールド信号が入力されたときの前記三角波の電圧値に応じたパルス幅を有するパルスを発生するパルス発生部と、前記パルスが入力され、前記発電機からの出力電流に他の電流を加える電力変換部と、を含むことにある。三角波発生部で発生させた三角波と制御信号発生部で発生させたホールド信号が、パルス発生部に入力されて、ホールド信号が入力されたときの三角波の電圧値に応じたパルス幅を有するパルスが発生される。このパルスは電力変換部に入力される。パルスが入力されていない間、発電機からの出力電圧に他の電圧を加える。
【0007】
前記三角波発生部は、前記発電機の出力電圧を検出する電圧検出回路と、該電圧検出回路で所定電圧が検出されたときに三角波を発生する三角波発生回路と、を含む。
【0008】
前記制御信号発生部は、前記発電機から負荷に供給される電流を検出する電流検出回路と、該電流検出回路が検出した電流の所定時間内での最大値を検出する比較回路と、該比較回路で電流の最大値が検出されたときに前記ホールド信号を発生する制御信号発生回路と、を含む。
【0009】
前記パルス発生部は、前記三角波の電圧値に応じてパルスのパルス幅を変化させるPWM(pulse width modulation)コンパレータと、前記ホールド信号が入力されたときに該PWMコンパレータのパルスのパルス幅を固定するサンプルホールド回路と、で構成される。
【0010】
前記電力変換部は、前記パルスが入力されるFET(field effect transistor)と磁気エネルギーを蓄積するコイルとで構成される。コイルに蓄積された磁気エネルギーが、発電機からの出力電圧にプラスされて、発電機からの電圧値が増加される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る風力発電装置の実施の形態について図面を基に説明する。
【0012】
図1に示すように、本発明の風力発電装置10は、風力によって回転するブレード12に発電を行う発電機14が接続されている。発電機14の出力電圧を検出して三角波(三角波パルス)を発生する三角波発生部16と、発電機14から出力される電流値の所定時間内での最大値を検出し、ホールド信号を発生する制御信号発生部18と、三角波及びホールド信号が入力され、ホールド信号が入力されたときの三角波の電圧値に応じたパルス幅を有するパルスを発生するパルス発生部20と、パルスが入力され、発電機14からの電力を増加させる電力変換部22と、を含んでいる。その他、電流の逆流防止を行うダイオード56、電流のリップルを取り除くコンデンサー52,54、蓄電池50、過電圧を検出する過電圧検出回路62、FET64及び抵抗66を含む。
【0013】
三角波発生部16は、発電機14の出力電圧を検出する電圧検出回路24、三角波の発生のタイミングを調節するタイマー回路26、及び電圧検出回路24で所定電圧が検出されたときに三角波を発生する三角波発生回路28を含む。
【0014】
制御信号発生部18は、発電機14から出力される電流値を検出し、電圧信号に変換する電流検出回路32と、電流検出回路32が検出した電流に対し、所定時間内での最大値を検出する比較回路30と、比較回路30で電流値の最大値が検出されたときにホールド信号を発生する制御信号発生回路40と、を含む。比較回路30は、電圧信号を増幅させる増幅回路34、電圧信号の最大値を保持するピークホールド回路36、及び増幅回路34とピークホールド回路36との電圧信号を比較する比較器38で構成される。電流検出回路32は、シャト抵抗58に流れる電流を測定する回路である。
【0015】
パルス発生部20は、三角波の電圧値に応じてパルスのパルス幅を変化させるPWM(pulse width modulation)コンパレータ44と、ホールド信号が入力されたときにPWMコンパレータ44のパルスのパルス幅を固定するサンプルホールド回路42と、で構成される。
【0016】
電力変換部22は、パルスが入力されるFET(field effect transistor)46と磁気エネルギーを蓄積するコイル48とで構成される。FET46の種類としては、例えばパワーMOSFET(metal oxide semiconductor FET)を使用する。FET46のゲートにパルスが入力されている間、コイル48に磁気エネルギーを蓄積する。パルスが入力されていない間、この磁気エネルギーによって逆起電圧(他の電圧)が発生し、逆起電圧が発電機14からの出力電圧に加えられ、発電機14からの出力電圧が増加(昇電圧)して負荷に供給される。
【0017】
次に、本発明の風力発電装置10の作用について説明する。図6に示すカットイン風速a以上の風がブレード12に吹き付けられると、風力によってブレード12が回転し、機械的エネルギーが発生する。ブレード12と発電機14は接続されており、機械的エネルギーは電気的エネルギーに変換される。即ち、発電が行われる。
【0018】
発電後、図2に示すフローチャートに従って出力電流の出力点追尾及びパルス幅変調を行い、負荷に供給する電力の増大を図っている。電流検出回路32は、シャント抵抗58に流れる電流を計測し(ステップ1)、この電流を電圧信号に変換する。増幅回路34で電圧信号を増幅させる(ステップ2)。増幅された電圧信号はピークホールド回路36と比較器38とに送られる。ピークホールド回路36には、最大の電圧信号が保持されている。比較器38でピークホールド回路36の電圧信号と増幅回路34から送られてきた電圧信号を比較する(ステップ3)。増幅回路34から送られてきた電圧信号が高ければ、比較器38に電圧信号を送ると同時にピークホールド回路36に送った電圧信号をピークホールド回路36に記憶させる。即ち、ピークホールド回路36は、新たに最大の電圧信号を保持する。ピークホールド回路36の電圧信号が高ければ、信号制御回路40がホールド信号を生成し(ステップ4)、サンプルホールド回路42に入力する。ステップ1乃至4の工程によって、最大電流の出力点追尾を行っている。
【0019】
一方、電圧検出回路24が、発電機14の出力電圧が所定値になったのを検出すると(ステップ5)、PWMコンパレータ44及びタイマー回路26に、PWMコンパレータ44及びタイマー回路24が起動するための信号(パルス信号)を送信する。タイマー回路24は起動すると、所定時間ごとに三角波発生回路28に信号を送り、三角波発生回路28はその信号に合わせて、三角波を発生させる(ステップ6)。この三角波は、サンプルホールド回路42を介してPWMコンパレータ44に入る。PWMコンパレータ44では、三角波の電圧値に応じてデューティ(duty)比を変化させながらパルスを生成する(ステップ7)。言い換えると、三角波の電圧値に応じてパルス幅を変化させながらパルスを生成する
【0020】
ステップ4で生成されたホールド信号が、サンプルホールド回路42に入力されると、図3a,b,cに示すように、PWMコンパレータ44でデューティ比が変化させられているパルスのデューティ比を固定する(ステップ8)。デューティ比の固定方法について説明する。図3aで示す時間tでホールド信号が入力されると、三角波の電圧はVであり、図3bに示すように、このVに応じたパルス幅tを有するパルスになる。また、図3aで示す三角波の時間tでホールド信号が入力されると、電圧はVであり、図3cに示すように、このVに応じたパルス幅tを有するパルスになる。図3aに示すように、V<Vであるので、t<tである。
【0021】
デューティ比が固定されたパルスは、MOSFET46のゲートに入力される(ステップ9)。パルスが入力されている間、コイル48には磁気エネルギーが蓄積される。コイル48に蓄積される磁気エネルギーは次式のようになっている。
【0022】
【式1】
Figure 0004848543
【0023】
上記の式で、wは磁気エネルギーであり単位はジュールである。また、eは電圧(V)、i,Iは電流(A)、Lはコイルのインダクタンス(H)である。電圧eは次式で表される。
【0024】
【式2】
Figure 0004848543
【0025】
MOSFET46のゲートにパルスが入力されないとき、コイル48に蓄えられた磁気エネルギーが負荷60及び蓄電池50の方へ流れる。即ち、磁気エネルギーによって式2で示した逆起電圧eが発生し、発電機14で発電された出力電圧と共に負荷60及び蓄電池50に供給される。発電機14で発電された出力電圧は、コイル48に蓄えられた磁気エネルギーによって昇電圧される。
【0026】
上記の工程によって、発電機14で発電された以上の電圧が負荷60及び蓄電池50に供給される。電力は電流と電圧の積であり、電圧が増加することによって電力も増加する。MOSFET46のゲートにパルスが入力されていない間だけ電圧が増加されてしまうので、コンデンサー54によって平滑を行っている。また、発電機14の発電量よりも大きな電圧を負荷60及び蓄電池50に供給することになるので、ダイオード56が電流の逆流を防止している。なお、本明細書では蓄電池50も負荷と見なす。
【0027】
本発明の風力発電装置10は、従来の風力発電機に図1に示したような各回路を接続するだけで、発電機14から負荷60に供給する電流の最大値を追尾し、常に最大の電力を負荷60に供給できるようになった。
【0028】
更に、所定値以上の電圧が蓄電池50にかかると蓄電池50が故障する。従って、過電圧検出回路62で電圧を検出すると、所定値を検出するとFET64のゲートをオンにし、抵抗66に電圧をかける。抵抗66で電力が消費されるため、蓄電池50に過電圧をかけることはない。
【0029】
ステップ1からステップ9の工程は所定時間ごとに行われる。新たな所定時間になると制御信号発生回路40が、ピークホールド回路36、サンプルホールド回路42及びタイマー回路26にリセット信号を入力し、ステップ1から新たに上記の工程が行われる。MOSFET46のゲートにパルスが入力される間は、コイル48に磁気エネルギーが蓄積され、MOSFET46のゲートにパルスが入力されない間、磁気エネルギーは発電機14の出力電圧にプラスされる。
【0030】
本発明者の実験によって、本発明の風力発電装置10で発電された電力と従来の風力発電装置で発電された電力は、図4及び図5に示すように、カットイン風速の付近での発電量が多くなっている。図4及び図5において発電量の違いが少しであるが、これは小型の風力発電装置で、最大約15m/sの風速で約30Wの発電量の風力発電装置を使用したためであり、大型の風力発電装置では大きな違いになる。発電量の違いは、風力発電装置の最大発電量の約1.7パーセントであるが、カットイン風速の付近の風が日本では多く吹くため、日本で長期にわたって本発明の風力発電装置を使用すれば、多大な発電量の違いが生じるのは明らかである。
【0031】
上記に示したように本発明の風力発電装置10によって、カットイン風速の付近の弱風であっても、ブレード12のピッチ制御を行わずに効率よく電力を得ることができる。ブレード12のピッチ制御を行わないので、ブレード12を機械的に制御する機構を組み込む必要はなく、ブレード12の機械的な耐久性などを落とすことはない。
【0032】
以上、本発明の風力発電装置の実施の形態について記載したが、本発明の風力発電装置は、上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば、三角波を発生させる風速はカットイン風速付近の風速に限定されることはなく、任意の風速で三角波を発生させることができる。従って、地域によってよく吹く風の風速を利用し、効率よく発電を行うことができる。
【0033】
ブレードのピッチ制御ができない小型の風力発電装置に限定されることはなく、大型の風力発電に、本発明の風力発電装置の構成を使用してもよい。また、ブレードを水車に変更し、水車を用いた水車発電装置に使用してもよい。
【0034】
その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々なる改良、修正及び変形を加えた態様で実施できるものである。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、いずれかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。更に、一体に構成されている発明特定事項を複数の部材から構成しても、複数の部材から構成されている特定事項を一体に構成した形態で実施しても良い。
【0035】
【発明の効果】
本発明の風力発電装置によれば、三角波及びホールド信号によってパルスを発生させることによって、このパルス幅で決定される時間だけ、発電機からの電流値を増加させることができる。三角波を発生させる風速をカットイン風速の付近にすることによって、よく吹く弱風でも、風力発電装置は効率よく発電を行うことができる。
【0036】
三角波を発生させる風速、即ち電圧検出回路が検出する電圧は自由に設定が可能であり、地域によって異なる多く吹く風速の風を自由に選択することができる。
【0037】
また、発電機からの電流値を計測し、最大の電流値において風力発電装置から負荷へ流れる電流を増加させる最大点追尾を行っているので、常に最大の電流を負荷へ供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の風力発電装置の回路構成を示す図である。
【図2】出力点追尾及びデューティ比の固定を行うためのフローチャートである。
【図3】デューティ比の固定の方法を示した図であり、(a)は三角波の図であり、(b)は時間がtの場合のパルスであり、(c)は時間がtの場合のパルスである。
【図4】本発明の風力発電装置と従来の風力発電装とのカットイン風速の付近での発電量の違いを示す図である。
【図5】風力発電装置に負荷を接続した場合の発電量を示す図である。
【図6】風力発電の動作を示す図である。
【符号の説明】
10:風力発電装置
12:ブレード
14:発電機
16:三角波発生部
18:制御信号発生部
20:パルス発生部
22:電力変換部
24:電圧検出回路
26:タイマー回路
28:三角波発生回路
30:比較回路
32:電流検出回路
34:増幅回路
36:ピークホールド回路
38:比較器
40:制御信号発生回路
42:サンプルホールド回路
44:PWMコンパレータ
46:MOSFET
48:コイル
50:蓄電池
52,54:コンデンサー
56:ダイオード
58:シャント抵抗
60:負荷
62:過電圧検出回路
64:FET
66:抵抗

Claims (4)

  1. ブレードが回転することによって、該ブレードに接続された発電機が発電を行い、負荷に電力を供給する風力発電装置において、
    前記発電機の出力電圧を検出し、該出力電圧が所定値になったことを検出すると三角波を発生する三角波発生部と、
    前記発電機から負荷に供給される出力電流の最大値を検出し、ホールド信号を発生する制御信号発生部と、
    前記三角波及び前記ホールド信号が入力され、前記ホールド信号が入力されたときの前記三角波の電圧値に応じたパルス幅を有するパルスを発生するパルス発生部と、
    前記パルスが入力され、前記発電機からの出力電圧に他の電圧を加える電力変換部と、
    を含み、
    前記制御信号発生部が、
    前記発電機から負荷に供給される電流を検出する電流検出回路と、該電流を検出してから前記パルスが入力されるごとに、電流検出回路が検出した電流の最大値を検出する比較回路と、該比較回路で電流の最大値が検出されたときに前記ホールド信号を発生する制御信号発生回路と、
    を含む風力発電装置。
  2. 前記三角波発生部が、前記発電機の出力電圧を検出し、該出力電圧が所定値になったことを検出すると信号を発する電圧検出回路と、該電圧検出回路で発した信号が入力されると起動し、三角波を発生させるための信号を発するタイマー回路と、該タイマー回路が発した信号に合わせて三角波を発生する三角波発生回路と、を含む請求項1に記載の風力発電装置。
  3. 前記パルス発生部が、前記三角波の電圧値に応じてパルスのパルス幅を変化させるPWM(pulse width modulation)コンパレータと、前記ホールド信号が入力されたときに該PWMコンパレータのパルスのパルス幅を固定するサンプルホールド回路と、で構成された請求項1または2に記載の風力発電装置。
  4. 前記電力変換部が、前記パルスが入力されるFET(field effect transistor)と磁気エネルギーを蓄積するコイルとで構成された請求項1乃至3のいずれかに記載の風力発電装置。
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