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JP4848765B2 - 鋼矢板の製造方法。 - Google Patents
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鋼矢板の製造方法。 Download PDF

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本発明は、仕上げ圧延後、所定の寸法とするため熱間鋸断される鋼矢板の製造方法に関する。
鋼矢板はスラブ、ブルームあるいはビレットを粗圧延後、所定の断面形状に仕上げ圧延し、所望の長さに切断後、複数のテーブルローラを有する搬送ライン上を搬送され出荷される。
鋼矢板製造の生産性を向上させる場合、仕上げ圧延後の鋼矢板を、速やかに、熱間鋸断により製品長に切断し、搬送ラインに搬出し、仕上げ圧延機から搬送ラインまでの生産ラインを連続的に使用することが望ましい。
鋼矢板は仕上げ圧延後の冷却過程における変形によって、搬送に障害を生じる場合があり、製品寸法によっては熱間鋸断前や、熱間鋸断後、搬送までに待機時間を必要とし、生産性が低下する。
すなわち、図3に示すように、鋼矢板1は断面係数を確保させるため、ウエブ2の板厚をその端部に継手4を有するフランジ3の板厚より厚くするので、仕上げ圧延後の冷却過程において、両者の冷却速度が相違し、この冷却速度差によって、まず、板厚の薄いフランジ3が変態(Ar変態)し、フランジ3が変態膨張して「上反り」を生じ、次にウエブ2が変態(Ar変態)し、ウエブ2が変態膨張して「下反り」、最終的にウエブ2とフランジ3の板厚差に起因する「上反り」を生じる。
鋼矢板の「下反り」時は、鋼矢板がその長手方向の両端部を搬送ラインに接する弓なりの形状となるもので、鋼矢板が短尺の場合は、テーブルローラーの支持本数が少なくなり、その先端がテーブルローラー間の空隙に入り込み搬送不能となりやすく、「下反り」の状態で、搬送することは避けることが望ましい。
従って、鋼矢板が短尺の場合は、ウエブの変態後、下反りが解消した後に熱間鋸断を行うか、ウエブの変態完了前に熱間鋸断を行い、下反りが解消した後、搬送を行う。いずれの場合でも、ウエブの変態完了までの時間が長いと生産ラインの連続使用が損なわれ、生産性が低下する。
前者の場合は、熱間鋸断前において、長時間待機させることが必要で、仕上げ圧延の連続性が損なわれ、また、熱間鋸断の鋸断速度も低下する。後者の場合は、熱間鋸断後、下反りが解消するまで搬送を待機しなければならず、熱間鋸断の連続性が損なわれ、生産性が著しく低下する。
特許文献1は、U形鋼矢板の圧延後の冷却方法に関し、反りを軽減するため、フランジやウエブにおける反りを拘束したり、加熱や冷却することが記載されている。
特開昭55−92225号公報
しかしながら、特許文献1記載の方法では、拘束する冶具や、冷却装置が必要となり設備的付加が大きく、操業条件の調整も煩雑となり、生産性は低下する。
そこで、本発明は、短尺な製品寸法であっても生産性に優れる鋼矢板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の課題は以下の手段により達成可能である。
1.仕上げ圧延後、熱間鋸断により製品寸法とする鋼矢板を製造する際、前記鋼矢板の仕上げ圧延後のウエブのAr変態完了温度が前記熱間鋸断の鋸断温度±20℃となるように成分設計を行なうことを特徴とする鋼矢板の製造方法。
2.1記載の鋼矢板の製造方法において、前記鋼矢板の仕上げ圧延後のウエブのAr変態完了温度に達した段階で前記熱間鋸断を行なうことを特徴とする鋼矢板の製造方法。
3.1または2記載の鋼矢板の製造方法において、前記熱間鋸断位置で前記鋼矢板の仕上げ圧延後のウエブのAr変態完了温度に達するように冷却することを特徴とする鋼矢板の製造方法。
4.仕上げ圧延後、熱間鋸断により製品寸法とする鋼矢板の製造方法において、鋼矢板の製品長さと、前記鋼矢板の搬送に用いる搬送ラインのテーブルローラの間隔を比較して、前記熱間鋸断後の鋼矢板製品に下反りが生じた時に該鋼矢板製品が搬送ラインのテーブルローラ上を搬送可能か判定し、搬送不能に至る時、前記鋼矢板の仕上げ圧延後のウエブのAr変態完了温度が前記熱間鋸断の鋸断温度±20℃となるように成分設計を行なうことを特徴とする鋼矢板の製造方法。
5.4記載の鋼矢板の製造方法において、搬送不能になると判定された場合は、前記鋼矢板の仕上げ圧延後のウエブのAr変態完了温度に達した段階で前記熱間鋸断を行なうことを特徴とする鋼矢板の製造方法。
6.4または5記載の鋼矢板の製造方法において、搬送不能になると判定された場合は、前記熱間鋸断位置で前記鋼矢板の仕上げ圧延後のウエブのAr変態完了温度に達するように冷却することを特徴とする鋼矢板の製造方法。
本発明によれば、ウエブ変態が完了した直後、熱間鋸断となるので、ウエブが変態膨張して「下反り」」状から「上反り」へ移行する段階、すなわち、「下反り」が解消した後、直ちに搬送するので、仕上げ圧延から搬送までの各工程において連続的に鋼矢板が通過し、生産性を向上することが可能となる。
本発明は、仕上げ圧延後、熱間鋸断により製品寸法とする鋼矢板を製造する際、前記鋼矢板の仕上げ圧延後のウエブのAr変態完了温度が前記熱間鋸断の鋸断温度となるように成分設計を行うことを特徴とする鋼矢板の製造方法である。
本発明において鋸断温度とAr変態終了温度の関係は、生産性を低下させない範囲に調整されていれば良く、鋸断温度±20℃を鋸断温度と規定する。
仕上げ圧延後のウエブのAr変態完了温度が前記熱間鋸断の鋸断温度±20℃となるように成分設計されているため、仕上げ圧延後の鋼矢板の前記熱間鋸断を、仕上げ圧延後のウエブのAr変態完了温度とすることができ、前記熱間鋸断位置でウエブのAr変態が完了していないときでも、わずかの待機時間で前記熱間鋸断を開始できることになる。
また、前記熱間鋸断位置で前記鋼矢板の仕上げ圧延後のウエブのAr変態完了温度が完了していない場合でも、わずかに鋼矢板のウエブのAr変態完了温度に達するように、ウエブに冷却を施すことにより、前記熱間鋸断を行うことができる。
さらにまた、本発明では、前記鋼矢板の仕上げ圧延後のウエブのAr変態完了温度が前記熱間鋸断の鋸断温度となるように成分設計する際、鋼矢板の製品長さと、前記鋼矢板の搬送に用いる搬送ラインのテーブルローラの間隔を比較して、前記熱間鋸断後の鋼矢板製品が搬送ラインのテーブルローラ上を搬送可能か判定し、搬送不能に至る時、前記鋼矢板の仕上げ圧延後のウエブのAr変態完了温度が前記熱間鋸断の鋸断温度近傍となるように成分設計を行うことを特徴とする鋼矢板の製造方法である。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明は、鋼矢板製造に際し、鋼矢板の製品長さと搬送ラインにおけるテーブルローラの間隔を比較し、製品において下反りが生じた場合、テーブルローラによる搬送に支障が生じるかどうかを判定する(ステップ1)。
図1は鋼矢板の製品長さが、下反りが生じた場合に、その自重により下反りが矯正若しくは軽減される長さの場合(以下、長い場合)、図2は矯正若しくは軽減されない場合の長さ(以下、短い場合)において、搬送ラインにおけるテーブルローラの間隔によって搬送が影響される様子を模式的に示した説明図を示す。
鋼矢板1の搬送ラインが、テーブルローラー5と、該ローラー間にガイド板6を有する場合(図1(A),図2(A))、鋼矢板1の搬送不能は、鋼矢板1の「下反り」時に、ガイド板6の上に鋼矢板1が乗り上げ、テーブルローラー5が矢印bの方向に空転して搬送不能に至る。
また、鋼矢板1の搬送ラインが、テーブルローラー5のみで構成されている場合(図1(B),図2(B)),鋼矢板1の「下反り」時に、鋼矢板の先端部がテーブルローラー5と干渉して搬送不能に至る。
図1(A)、(B)とも鋼矢板1の「下反り」が大きい場合、搬送不能に至ることになるが、鋼矢板1の製品長さが長いので、矢印aで示す自重によるたわみにより、搬送不能になる状態は回避される。従って、「下反り」量は、自重によるたわみで矯正若しくは軽減されるので、鋼矢板製品長さが短い場合より大きくても許容し得る。
図2は、鋼矢板製品長さが短い場合の説明であり、図2(A)は、鋼矢板1の搬送ラインが、テーブルローラー5と、該ローラー5間にガイド板6を有する場合において、鋼矢板1の「下反り」時に、ガイド板6の上に鋼矢板1が乗り上げ、テーブルローラー5の空転により搬送不能に至る場合を示す。
図2(B)は、鋼矢板1の搬送ラインが、テーブルローラー5のみで構成されている場合において、鋼矢板1の「下反り」時に、鋼矢板1の先端部がテーブルローラー5と干渉して搬送不能に至る場合を示す。
鋼矢板製品長さが短い場合は、長い場合に搬送不能が緩和される、矢印aで示す自重によるたわみが生じないため、鋼矢板の仕上げ圧延後のウエブのAr変態完了に達しない段階で熱間鋸断を行うと、搬送不能に至る。
すなわち、本発明では、前記前記鋼矢板の仕上げ圧延後のウエブのAr変態完了温度が前記熱間鋸断の鋸断温度となるように成分設計する際、鋼矢板の製品長さと、前記鋼矢板の搬送に用いる搬送ラインのテーブルローラの間隔を比較して、前記熱間鋸断後の鋼矢板製品が搬送ラインのテーブルローラ上を搬送可能か判定する。
そして、搬送不能に至る時、前記鋼矢板の仕上げ圧延後のウエブのAr変態完了温度
が前記熱間鋸断の鋸断温度近傍となるように成分設計を行うのである。鋸断温度近傍とは
鋸断温度±20℃を指し、この範囲内では、わずかの待機時間でウエブAr変態完了後、熱間鋸断を行うことが出来、鋼矢板製造時の生産性に大きな影響を与えない。
また、冷却を加えウエブAr変態完了温度に達しめた後、熱間鋸断を行うことにしても、前記冷却による影響を鋼矢板に与えない軽度の冷却で、熱間鋸断ができる利点が生じる。好ましくは鋸断温度±15℃である。
この鋼矢板の製品長さと、前記鋼矢板の搬送に用いる搬送ラインのテーブルローラの間隔を比較して、前記熱間鋸断後の鋼矢板製品が搬送ラインのテーブルローラ上を搬送可能か判定するステップ1において、支障が生じると判定された場合、次に、該製品寸法の鋼矢板の仕上げ圧延後におけるウエブの冷却速度を求め、該冷却速度におけるAr変態終了温度が熱間鋸断温度となるように成分設計を行う(ステップ2)。
以下、各ステップを詳細に説明する。
[ステップ1]
鋼矢板の全長が短い場合において、鋼矢板に下反りが生じると、支持するテーブルローラの本数が少なくなり、搬送される鋼矢板の先端がテーブルローラ間に挟みこまれ、搬送不能となる(図1,2)。
通常の操業において、搬送される鋼矢板を支持する搬送テーブルのテーブルローラの本数がn本以下、または搬送される鋼矢板の全長が、テーブルローラ間の間隙長さのn倍以下となると搬送不能となる。
この関係は、鋼矢板製品毎に予め求めておけばよい。また、予め求めておくことにより、製造が開始される鋼矢板で生産上の問題が事前に判明することになり、搬送不能になると判定された場合は、鋼矢板の下反りが解消するまで、搬送ラインに載荷することができず、生産性が著しく低下するため、本発明ではステップ2により鋼矢板の成分設計を行う。
[ステップ2]
本ステップでは、ウエブのAr変態了温度が熱間鋸断温度となるように鋼矢板の成
分設計により調整する。
鋼矢板の製造ラインでは、粗圧延機、仕上げ圧延機や熱間鋸断装置の配置は固定され、各設備間の移動速度も固定されているので、仕上げ圧延温度、仕上げ圧延後の鋼矢板の冷却速度(通常、空冷)が規定されると熱間鋸断の鋸断温度が求まる。
鋼矢板はフランジとウエブの板厚が異なるので、仕上げ圧延後のウエブの冷却速度を求める。
下反りはウエブのAr変態中の現象であり、ウエブのAr変態終了後は解消するの
で、ウエブのAr変態了温度が熱間鋸断温度となるように鋼矢板の成分設計すると、
熱間鋸断後、速やかに搬送することが可能で、鋼矢板の製品長が長く、下反りによる搬送
待機の必要がないものと比較して生産性が低下しない。
また、鋼矢板の成分設計による、変更したウエブのAr変態了温度と熱間鋸断温度
との差が生じた場合は、わずかな待機時間、あるいは冷却を加えることにより調整が可能
となる。
以下、熱間鋸断温度を700℃、鋼矢板を製品規格SY295として本発明を具体的に説明する。鋼矢板の製品長は6mで、一方、搬送ラインのテーブルローラ間隔は1.5mなので、下反りが生じている状態では搬送できない。
従って、鋼矢板のウエブにおけるAr変態了温度が熱間鋸断温度の700℃となるように成分設計を行う。尚、熱間鋸断温度は、ウエブの製品板厚(mm)は18mmで冷却速度は0.5℃/s、ウエブの仕上げ圧延終了温度は760℃、仕上げ圧延機から熱間鋸断装置まで120m、仕上げ圧延機から熱間鋸断装置までの移動速度は1.0m/sとして求めた。
表1はSY295の成分検討の一例を示し、Si−Mn系、Nb系、Cu系についてA
変態了温度を求めた。冷却速度0.5℃/s前後におけるAr変態了温度はA
e(℃)=810−273×C(%)+27×Si(%)−74×Mn(%)−56
×Ni(%)−16×Cr(%)−9×Mo(%)−5×Cu(%)−1620×Nb(
%)で求めらる。
Figure 0004848765
表1よりAr変態了温度はNo.3およびNo.9のAr変態了温度が687
℃と最も高く、No.5の656℃が最も低い。
鋸断温度は700℃なので、鋼矢板の成分組成をNo.3またはNo.9とすると熱間鋸断後、下反りが解消するまで13℃降下するまで待機すれば搬送開始できるのに対し、No.5では44℃降下するまで待機させなければならない。
空冷速度は約0.5℃/sであるため、本発明によれば88sec(44/0.5)の待機が不要となり生産性を向上させることが可能となる。
搬送ライン上の鋼矢板を示し、下反りにより搬送不能となった状態を説明す る図。 搬送ライン上の鋼矢板を示し、下反りにより搬送不能となった状態を説明す る図。 鋼矢板断面を示す一例。
符号の説明
1 鋼矢板
2 ウエブ
3 フランジ
4 継手
5 テーブルローラ
6 ガイド板

Claims (6)

  1. 仕上げ圧延後、熱間鋸断により製品寸法とする鋼矢板を製造する際、前記鋼矢板の仕上
    げ圧延後のウエブのAr変態完了温度が前記熱間鋸断の鋸断温度±20℃となるように成分設計を行なうことを特徴とする鋼矢板の製造方法。
  2. 請求項1記載の鋼矢板の製造方法において、前記鋼矢板の仕上げ圧延後のウエブのAr
    変態完了温度に達した段階で前記熱間鋸断を行なうことを特徴とする鋼矢板の製造方法
  3. 請求項1または2記載の鋼矢板の製造方法において、前記熱間鋸断位置で前記鋼矢板の
    仕上げ圧延後のウエブのAr変態完了温度に達するように冷却することを特徴とする鋼
    矢板の製造方法。
  4. 仕上げ圧延後、熱間鋸断により製品寸法とする鋼矢板の製造方法において、鋼矢板の製品長さと、前記鋼矢板の搬送に用いる搬送ラインのテーブルローラの間隔を比較して、前記熱間鋸断後の鋼矢板製品に下反りが生じた時に該鋼矢板製品が搬送ラインのテーブルローラ上を搬送可能か判定し、搬送不能に至る時、前記鋼矢板の仕上げ圧延後のウエブのAr変態完了温度が前記熱間鋸断の鋸断温度±20℃となるように成分設計を行なうことを特徴とする鋼矢板の製造方法。
  5. 請求項4記載の鋼矢板の製造方法において、搬送不能になると判定された場合は、前記
    鋼矢板の仕上げ圧延後のウエブのAr変態完了温度に達した段階で前記熱間鋸断を行な
    うことを特徴とする鋼矢板の製造方法。
  6. 請求項4または5記載の鋼矢板の製造方法において、搬送不能になると判定された場合
    は、前記熱間鋸断位置で前記鋼矢板の仕上げ圧延後のウエブのAr変態完了温度に達す
    るように冷却することを特徴とする鋼矢板の製造方法。
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