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JP4849029B2 - 電力増幅器 - Google Patents
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Description

本発明は、主電力増幅器と補助電力増幅器を切り替える際における出力電力の立ち上がり遅延を改善することができる電力増幅器に関するものである。
現在、CDMAをはじめとする携帯電話用電力増幅器として、GaAs−HBT(Heterojunction Bipolar Transistor)電力増幅器が広く用いられている。図22は、従来のGaAs−HBT電力増幅器を示す回路図である。点線枠内がGaAsチップであり、それ以外の回路素子はモジュール基板上にチップ部品や線路によって形成されている。
図中において、Tr1,Tr2はそれぞれ前段増幅素子,後段増幅素子である。Bias1は前段増幅素子を駆動する前段バイアス回路、Bias2は後段増幅素子を駆動する後段バイアス回路である。
Vc1,Vc2はそれぞれ前段,後段増幅素子用のコレクタ電源端子、Vcbはバイアス回路Bias1,Bias2の電源端子、Vrefはバイアス回路Bias1,Bias2に制御電圧を印加する端子である。INはRF信号入力端子、OUTはRF出力信号端子、R1〜R4は抵抗、C1〜C10は容量、L1,L2はインダクタである。L3〜L8は特定の電気長を有する線路でインダクタとして作用する。なお、最近では、モジュールの小型化のために、入力整合であるC1、C2、L1や、段間整合であるC3、C4、L2もGaAsチップ上に集積化する場合が多い。
図23は、従来のバイアス回路を示す回路図である。このバイアス回路は、上記の前段バイアス回路Bias1又は後段バイアス回路Bias2である。図中において、Vrefは外部から制御電圧が印加される端子、Trb1〜Trb3,Trb7,Trb8はGaAs−HBT、Trは増幅素子、Rb1〜Rb3,Rb5〜Rb8は抵抗である。
Trb1を含むエミッタフォロワ回路は、対応する増幅素子Trのベース(入力端子)に制御電圧に応じた電圧を入力する。そして、端子RFinから入力されたRF信号は、入力整合回路の容量Cを介して増幅素子Trのベースに入力される。そして、増幅されたRF信号が、増幅素子Trのコレクタから端子RFoutに出力される。
このバイアス回路は、電力増幅器の前段増幅素子及び後段増幅素子のアイドル電流を温度変化に対して一定に保つように動作する(例えば、特許文献1参照)。ここで、アイドル電流とは、RF入力電力が無い場合の電力増幅器のバイアス電流である。
図24は、従来のCDMA用HBT電力増幅器の入出力特性を示す図である。入力電力Pinが増加すると、アイドル電流Ictqは一定であるが、出力電力Poutが増加し、総動作電流Ictが増加する。
図25は、従来のCDMA用HBT電力増幅器の歪み特性を示す図である。歪み特性は、隣接チャネル漏洩電力(ACLR)で表される。出力電力Poutの増加と共にACLRが増加する。この時の出力電力Pout、電力利得Gp、及び効率PAEで電力増幅器の特性の良否が決まる。
図26は、郊外におけるCDMA端末機内の電力増幅器の出力電力について確率分布を示す図である。0dBm付近の低出力である確率が最も高く、27dBm付近の最大出力である確率は低い(例えば、非特許文献1参照)。このため、出力電力が低い時にはアイドル電流を低く抑え、出力電力が高い時にはアイドル電流を増加させて、歪み特性を満足しやすくすることが望まれる。
そこで、アイドル電流が大きい主電力増幅器と、アイドル電流が小さい補助電力増幅器とを切り替えて動作させる電力増幅器が提案されている。図27は、主電力増幅器と補助電力増幅器の出力・利得特性を示す図である。主電力増幅器は、図中(H)で示すように、出力電力が高い時に高効率且つ低歪み特性を有する。一方、補助電力増幅器は、図中(L)で示すように、出力電力が低い時に高効率且つ低歪み特性を有する。主電力増幅器と補助電力増幅器の切り替えは、出力電力PoutがPout2程度の時に行われる。
図28は、主電力増幅器と補助電力増幅器を切り替えて動作させる従来の電力増幅器のチップレイアウトを示す図である。モジュール基板31上にGaAsチップ32がダイボンド材を介して搭載されている。そして、GaAsチップ32上に、主電力増幅器(入力整合回路11、前段増幅素子12、段間整合回路13、後段増幅素子14、出力整合回路15、前段バイアス回路16及び後段バイアス回路17)と補助電力増幅器(入力整合回路21、前段増幅素子22、段間整合回路23、後段増幅素子24、出力整合回路25、前段バイアス回路26及び後段バイアス回路27)が形成されている。前段増幅素子12、前段増幅素子22後段増幅素子14及び後段増幅素子24は、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)である。
特開2004−343244号公報 B. Sahu and G.A.Rincon-Mora,"A high-efficiency linear RF power amplifier with a power-tracking dynamically adaptive buck-boost supply,"IEEE Trans.MTT vol.52、No.1, pp. 112-120,Jan. 2004
図29は、主電力増幅器と補助電力増幅器を切り替えて動作させる従来の電力増幅器の出力電力特性を示す図である。主電力増幅器と補助電力増幅器を切り替える際における出力電力の応答は緩やかであり、パワーレベルの安定までに時間がかかる。具体的には、当該時間として数十μsec程度が要求されるのに対して、従来は数百μsec〜数msec程度であった。従って、随時パワーレベル調整を行うCDMA用電力増幅器として従来の電力増幅器を用いた場合に大きな問題となっていた。
この原因調査のために行ったシミュレーション及び実験から、発明者らが得た知見は以下の通りである。
図30は、ベース電圧駆動時におけるHBTのコレクタ電流のステップ応答を示す図であり、図31は、ベース電流駆動時におけるHBTのコレクタ電流のステップ応答を示す図である。HBT自身が、コレクタ電流Icとコレクタ−エミッタ間電圧Vceの積で表される熱を発生する。この自己発熱により、ベース電圧駆動時におけるコレクタ電流Icの過渡応答は非常に遅い(数百μsec〜数msec)。一方、ベース電流駆動時におけるコレクタ電流Icの応答は非常に早い(数μsec以下)。従って、図23に示すようなベース電圧駆動に近い状態で動作するエミッタフォロワ回路をバイアス回路として用いた場合、HBTのコレクタ電流Icの過渡応答は遅い。
また、チップ内における回路ブロック間の相互熱干渉によって、HBTのコレクタ電流Icの過渡応答がさらに遅れる場合がある。これについて以下に説明する。
図32は、主電力増幅器の後段増幅素子の発熱量に対する補助電力増幅器の後段バイアス回路の出力電圧特性を示す図である。後段バイアス回路の構成は上記図23に示す通りである。主電力増幅器の後段増幅素子と補助電力増幅器の後段バイアス回路の距離を、Type1では約700μmとし、Type2では約200μmとしている。このデータから、主電力増幅器の後段増幅素子の発熱量Pdが大きいほど、補助電力増幅器の後段バイアス回路の出力電圧Vboが低下することが分かる。
ここで、主電力増幅器の動作中に主電力増幅器の後段増幅素子で発生した熱は、補助電力増幅器の動作中に放熱される。しかし、モジュール基板及びチップの熱容量の影響により放熱に要する時間は長い。従って、補助電力増幅器の後段増幅素子のアイドル電流が徐々に増加し、図32に示すように補助電力増幅器の後段バイアス回路の出力電圧Vboが徐々に増加する。このため、主電力増幅器から補助電力増幅器に切り替える際に、図29に示すように補助電力増幅器の出力電力の立ち上がりが遅れる。また、補助電力増幅器から主電力増幅器に切り替える際にも、同様に主電力増幅器の出力電力の立ち上がりが遅れる。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、主電力増幅器と補助電力増幅器を切り替える際における出力電力の立ち上がり遅延を改善することができる電力増幅器を得るものである。
本発明に係る電力増幅器は、主電力増幅器と、主電力増幅器よりもアイドル電流が小さい補助電力増幅器とを切り替えて動作させる電力増幅器であって、主電力増幅器及び補助電力増幅器は、それぞれ、RF信号を増幅する前段増幅素子と、前段増幅素子の出力信号を増幅する後段増幅素子と、前段増幅素子を駆動する前段バイアス回路と、後段増幅素子を駆動する後段バイアス回路とを有し、主電力増幅器の後段増幅素子と補助電力増幅器の後段増幅素子との間隔は100μm以下であり、主電力増幅器の後段増幅素子と補助電力増幅器の後段バイアス回路との間隔は200μm以上である。本発明のその他の特徴は以下に明らかにする。
本発明により、主電力増幅器と補助電力増幅器を切り替える際における出力電力の立ち上がり遅延を改善することができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る電力増幅器を示すブロック図である。この電力増幅器は、主電力増幅器10と、主電力増幅器10よりもアイドル電流が小さい補助電力増幅器20とを切り替えて動作させる電力増幅器である。端子INから入力されたRF信号は主電力増幅器10又は補助電力増幅器20で増幅される。そして、主電力増幅器10と補助電力増幅器20の出力電力は、電力合成回路30により合成され、端子OUTから出力される。なお、電力合成回路30の代わりにスイッチ等を用いて両者の経路を切り替えてもよい。
主電力増幅器10において、入力整合回路11と、前段増幅素子12と、段間整合回路13と、後段増幅素子14と、出力整合回路15とが直列に接続されている。前段増幅素子12はRF信号を増幅し、後段増幅素子14は前段増幅素子12の出力信号を増幅する。前段バイアス回路16は、端子Vrefmから入力された制御電圧に応じて前段増幅素子12を駆動する。後段バイアス回路17は、端子Vrefmから入力された制御電圧に応じて後段増幅素子14を駆動する。
一方、補助電力増幅器20において、入力整合回路21と、前段増幅素子22と、段間整合回路23と、後段増幅素子24と、出力整合回路25とが直列に接続されている。前段増幅素子22はRF信号を増幅し、後段増幅素子24は前段増幅素子22の出力信号を増幅する。前段バイアス回路26は、端子Vrefsから入力された制御電圧に応じて前段増幅素子22を駆動する。後段バイアス回路27は、端子Vrefsから入力された制御電圧に応じて後段増幅素子24を駆動する。
補助電力増幅器20は主電力増幅器10よりもアイドル電流が小さいため、主電力増幅器10は出力電力が高い時に高効率で動作し、補助電力増幅器20は出力電力が低い時に高効率で動作する。そして、端子VrefmからHighの制御電圧が入力されると主電力増幅器10が動作し、端子VrefsからHighの制御電圧が入力されると補助電力増幅器20が動作する。ただし、両端子からLowの制御電圧が入力されて両電力増幅器がOFFになることはあるが、両端子からHighの制御電圧が入力されることはない。このように外部からの制御電圧によって主電力増幅器10と補助電力増幅器20を切り替えて動作させる。
図2は、本発明の実施の形態1に係る電力増幅器のチップレイアウトを示す図である。モジュール基板31上にGaAsチップ32がダイボンド材を介して搭載されている。そして、GaAsチップ32上に、入力整合回路11,21、前段増幅素子12,22、段間整合回路13,23、後段増幅素子14,24、出力整合回路15,25、前段バイアス回路16,26、後段バイアス回路17,27が形成されている。前段増幅素子12,22及び後段増幅素子14,24は、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)である。
本実施の形態では、主電力増幅器の後段増幅素子14と補助電力増幅器の後段増幅素子24との間隔S1は100μm以下であり、主電力増幅器の後段増幅素子14と補助電力増幅器の後段バイアス回路27との間隔S2は200μm以上である。
図3は、本発明の実施の形態1に係る電力増幅器の出力電力を測定した結果を示す図である。ただし、モジュール基板31上面のダイパッド部とGaAsチップ32下面のGND電極との間の熱抵抗を2〜10℃/W、GaAsチップ32上面の増幅素子とGaAsチップ32下面のGND電極との間の熱抵抗を20〜50℃/W、ダイボンド材の上面(GaAsチップ32の下面)とダイボンド材の下面(モジュール基板31の上面)との間の熱抵抗を2〜20℃/Wとした。この測定結果から、補助電力増幅器の出力電力の立ち上がりが数μsec程度に改善されることが分かった。
上記のように主電力増幅器の後段増幅素子14と補助電力増幅器の後段増幅素子24を近接配置することで、主電力増幅器10から補助電力増幅器20に動作が切り替わった際に、主電力増幅器の後段増幅素子14の放熱が遅いことによって補助電力増幅器の後段増幅素子24が予熱され、コレクタ電流の立ち上がりが改善される。また、主電力増幅器の後段増幅素子14と補助電力増幅器の後段バイアス回路27を遠ざけることで、主電力増幅器の後段増幅素子で発生した熱が補助電力増幅器の後段バイアス回路27に及ぼす影響を小さくすることができる。その結果、補助電力増幅器20の出力電力の立ち上がり遅延を改善することができる。
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2に係る電力増幅器のチップレイアウトを示す図である。本実施の形態では、主電力増幅器の前段増幅素子12と補助電力増幅器の前段増幅素子22との間隔S3は50μm以下であり、主電力増幅器の前段増幅素子12と補助電力増幅器の前段バイアス回路26との間隔S4は100μm以上である。その他の構成は実施の形態1と同様である。
図5は、本発明の実施の形態2に係る電力増幅器の出力電圧を測定した結果を示す図である。ただし、モジュール基板31上面のダイパッド部とGaAsチップ32下面のGND電極との間の熱抵抗を2〜10℃/W、GaAsチップ32上面の増幅素子とGaAsチップ32下面のGND電極との間の熱抵抗を20〜50℃/W、ダイボンド材の上面(GaAsチップ32の下面)とダイボンド材の下面(モジュール基板31の上面)との間の熱抵抗を2〜20℃/Wとした。この測定結果から、補助電力増幅器の出力電力の立ち上がりが数μsec程度に改善されることが分かった。
上記のように主電力増幅器の前段増幅素子12と補助電力増幅器の前段増幅素子22を近接配置し、主電力増幅器の前段増幅素子12と補助電力増幅器の前段バイアス回路26を遠ざけることで、実施の形態1と同様に、補助電力増幅器20の出力電力の立ち上がり遅延を改善することができる。ただし、前段増幅素子12の発熱量は、後段増幅素子14の発熱量に比べて小さいので、出力電力の立ち上がり遅延の改善効果は実施の形態1よりも小さい。
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3に係る電力増幅器のチップレイアウトを示す図である。本実施の形態は、実施の形態1と実施の形態2を組み合わせたものである。即ち、主電力増幅器の後段増幅素子14と補助電力増幅器の後段増幅素子24との間隔S1は100μm以下であり、主電力増幅器の後段増幅素子14と補助電力増幅器の後段バイアス回路27との間隔S2は200μm以上であり、主電力増幅器の前段増幅素子12と補助電力増幅器の前段増幅素子22との間隔S3は50μm以下であり、主電力増幅器の前段増幅素子12と補助電力増幅器の前段バイアス回路26との間隔S4は100μm以上である。
図7は、本発明の実施の形態3に係る電力増幅器の出力電圧を測定した結果を示す図である。ただし、モジュール基板31上面のダイパッド部とGaAsチップ32下面のGND電極との間の熱抵抗を2〜10℃/W、GaAsチップ32上面の増幅素子とGaAsチップ32下面のGND電極との間の熱抵抗を20〜50℃/W、ダイボンド材の上面(GaAsチップ32の下面)とダイボンド材の下面(モジュール基板31の上面)との間の熱抵抗を2〜20℃/Wとした。この測定結果から、補助電力増幅器の出力電力の立ち上がりが数μsec程度に改善されることが分かった。
上記のように主電力増幅器の後段増幅素子14と補助電力増幅器の後段増幅素子24を近接配置し、主電力増幅器の前段増幅素子12と補助電力増幅器の前段増幅素子22を近接配置し、主電力増幅器の後段増幅素子14と補助電力増幅器の後段バイアス回路27を遠ざけ、主電力増幅器の前段増幅素子12と補助電力増幅器の前段バイアス回路26を遠ざけることで、実施の形態1,2よりも補助電力増幅器20の出力電力の立ち上がり遅延を改善することができる。
実施の形態4.
図8は、本発明の実施の形態4に係る電力増幅器のチップレイアウトを示す図である。本実施の形態は、実施の形態3の構成に加えて、主電力増幅器の後段増幅素子14と主電力増幅器の前段バイアス回路16との間隔S5を100μm以下としたものである。
図9は、本発明の実施の形態4に係る電力増幅器の出力電圧を測定した結果を示す図である。ただし、モジュール基板31上面のダイパッド部とGaAsチップ32下面のGND電極との間の熱抵抗を2〜10℃/W、GaAsチップ32上面の増幅素子とGaAsチップ32下面のGND電極との間の熱抵抗を20〜50℃/W、ダイボンド材の上面(GaAsチップ32の下面)とダイボンド材の下面(モジュール基板31の上面)との間の熱抵抗を2〜20℃/Wとした。この測定結果から、補助電力増幅器の出力電力の立ち上がりだけでなく、主電力増幅器の出力電力の立ち上がりも数μsec程度に改善されることが分かった。
上記のように主電力増幅器の後段増幅素子14と主電力増幅器の前段バイアス回路16を近接配置することで、補助電力増幅器から主電力増幅器に動作が切り替わった際に、主電力増幅器の後段増幅素子で発生した熱により主電力増幅器の前段バイアス回路が加熱される。これにより、図10に示すように、前段バイアス回路の出力電圧が低下する。これに対応して、図11のように、主電力増幅器の前段増幅素子12の出力電力も時間と共に低下する。一方、図12に示すように、主電力増幅器の後段増幅素子14の出力電力は、自己発熱によって時間と共に増加する。その結果、出力電力の遅延が相殺されるため、主電力増幅器の出力電力の立ち上がり遅延を改善することができる。
実施の形態5.
図13は、本発明の実施の形態5に係る電力増幅器の補助電力増幅器の前段バイアス回路を示す回路図である。主電力増幅器の後段増幅素子を第1の後段増幅素子14aと第2の後段増幅素子14bに分割している。そして、第1の後段増幅素子14aと第2の後段増幅素子14bの間に、補助電力増幅器の後段増幅素子24が配置されている。
第1,第2の後段増幅素子14a,14bと補助電力増幅器の後段増幅素子24との間隔S11,S12はそれぞれ100μm以下であり、第1,第2の後段増幅素子14a,14bと補助電力増幅器の後段バイアス回路27との間隔S2は200μm以上である。その他の構成は実施の形態1と同様である。
上記のように主電力増幅器の後段増幅素子14a,14bと補助電力増幅器の後段増幅素子24を近接配置することで、実施の形態1と同様に、補助電力増幅器の出力電力の立ち上がり遅延を改善することができる。
図14は、本発明の実施の形態5の変形例に係る電力増幅器の主電力増幅器の後段増幅素子と補助電力増幅器の後段増幅素子のチップレイアウトを示す図である。6×7のマトリックス状に並べられたトランジスタセル41は、主電力増幅器の後段増幅素子又は補助電力増幅器の後段増幅素子である。41は主電力増幅器のRF入力端子、43は主電力増幅器のRF出力端子、44は主電力増幅器のベースライン、45はエミッタライン(接地)、46は主電力増幅器のコレクタラインである。47は補助電力増幅器のRF入力端子、48は補助電力増幅器のRF出力端子、49は補助電力増幅器のベースライン、50は補助電力増幅器のコレクタラインである。51はスルーホール、52はバラスト抵抗である。
図15は、図14の回路におけるトランジスタセルの配置を示す概略図である。主電力増幅器の後段増幅素子Mと補助電力増幅器の後段増幅素子Sとが混載配置され、かつ近接配置されている。これにより上記と同様の効果を得ることができる。
実施の形態6.
図16は、本発明の実施の形態6に係る電力増幅器のチップレイアウトを示す図である。主電力増幅器の前段増幅素子12、補助電力増幅器の前段増幅素子22、主電力増幅器の後段増幅素子14、補助電力増幅器の後段増幅素子24、主電力増幅器の前段バイアス回路16及び主電力増幅器の後段バイアス回路14などをGaAsチップ32b(第1のチップ)上に形成している。
一方、補助電力増幅器の前段バイアス回路26と補助電力増幅器の後段バイアス回路27を他の回路とは別のGaAsチップ32b(第2のチップ)上に形成している。このように熱的相互干渉が補助電力増幅器の出力電力遅延に影響する回路をまとめて別チップに形成することで、補助電力増幅器の出力電力の立ち上がり遅延を改善することができる。
実施の形態7.
図17は、本発明の実施の形態7に係る電力増幅器のチップレイアウトを示す図である。主電力増幅器の前段増幅素子12、補助電力増幅器の前段増幅素子22、主電力増幅器の前段バイアス回路16、補助電力増幅器の前段バイアス回路26、主電力増幅器の後段バイアス回路17及び補助電力増幅器の後段バイアス回路27などをGaAsチップ32b(第1のチップ)上に形成している。
一方、主電力増幅器の後段増幅素子14及び補助電力増幅器の後段増幅素子24を他の回路とは別のGaAsチップ32b(第2のチップ)上に形成している。このように発熱量が大きい回路を別チップに形成することで、補助電力増幅器の出力電力の立ち上がり遅延を改善することができる。
実施の形態8.
図18は、本発明の実施の形態8に係る電力増幅器のチップレイアウトを示す図である。主電力増幅器の前段増幅素子12、補助電力増幅器の前段増幅素子22、補助電力増幅器の前段バイアス回路26、主電力増幅器の後段バイアス回路17及び補助電力増幅器の後段バイアス回路27などをGaAsチップ32b(第1のチップ)上に形成している。
一方、主電力増幅器の後段増幅素子14、補助電力増幅器の後段増幅素子24及び主電力増幅器の前段バイアス回路16を他の回路とは別のGaAsチップ32b(第2のチップ)上に形成している。このように発熱量が大きい主電力増幅器の後段増幅素子14とそれとの近接配置が望ましい補助電力増幅器の後段増幅素子24及び主電力増幅器の前段バイアス回路16をまとめて別チップに形成することで、補助電力増幅器の出力電力の立ち上がり遅延を改善することができる。
実施の形態9.
図19は、本発明の実施の形態9に係るバイアス回路を示す回路図である。このバイアス回路は、主電力増幅器又は補助電力増幅器の前段バイアス回路又は後段バイアス回路である。バイアス回路以外の構成は実施の形態1〜8と同様である。
バイアス回路として抵抗Rbが設けられている。抵抗Rbは、対応する増幅素子Trのベース(入力端子)に、端子Vrefから入力された制御電圧に応じた電流Ibを入力する。そして、端子RFinから入力されたRF信号は、入力整合回路の容量Cを介して増幅素子Trのベースに入力される。そして、増幅されたRF信号が、増幅素子Trのコレクタから端子RFoutに出力される。
本実施の形態に係るバイアス回路はベース電流駆動のバイアス回路である。これにより、バイアス回路として図23に示すようなエミッタフォロワ回路を用いる場合に比べて、コレクタ電流の遅延がない分だけ電力増幅器の出力電力の立ち上がり遅延を改善することができる。
実施の形態10.
図20は、本発明の実施の形態10に係るバイアス回路を示す回路図である。このバイアス回路は、主電力増幅器又は補助電力増幅器の前段バイアス回路又は後段バイアス回路である。バイアス回路以外の構成は実施の形態1〜8と同様である。
Vrefは外部から制御電圧が印加される端子、Trb1〜Trb6はGaAs−HBT、Tr,Tr2は増幅素子、Rb1〜Rb14は抵抗である。
Trb1のエミッタはRb1を介してTrのベースに接続されている。Trb1のベースはRb2,Rb3を介して端子Vrefに接続されている。Trb1のコレクタは電源端子Vcbに接続されている。Trb1を含むエミッタフォロワ回路は、対応する増幅素子Trのベース(入力端子)に制御電圧に応じた電圧を入力する。
Rb4の一端子は端子Vrefに接続され、他端はRb1を介してTrのベースに接続されている。即ち、Rb4はTrb1と並列に接続されている。Rb4は、対応する増幅素子Trのベース(入力端子)に制御電圧に応じた電流Ib4を入力する。これにより、端子Vrefに印加される制御電圧がTrb1の動作電圧より低いアイドル状態においても、Trのベースに電流を供給することができる。
Trb2のコレクタはRb5を介してTrb1のエミッタに接続されている。Trb2のエミッタは接地されている。Trb3のベースはRb2,Rb6を介して端子Vrefに接続されている。Trb3のコレクタはRb7を介して電源端子Vcbに接続されている。Trb3のエミッタは、Trb2のベースに接続され、抵抗Rb8を介して接地されている。Trb3はTrb2のベースに制御電圧に応じたバイアス電流を供給する。
Trb4のコレクタは、Rb2,Rb9を介して端子Vrefに接続されている。Trb4のエミッタは接地されている。Trb5のベースはRb2,Rb10を介して端子Vrefに接続されている。Trb5のコレクタは電源端子Vcbに接続されている。Trb5のエミッタは、Rb11を介してTrb4のベースに接続され、Rb12を介して接地されている。これにより、高温におけるアイドル電流を抑制し、アイドル電流の温度依存性をほぼ一定に保つことができる。
Trb6のベースはRb13を介してTrb5のエミッタに接続されている。Trb6のコレクタは電源端子Vcb2に接続され、エミッタは接地されている。これにより、Trb6にTrの動作を模倣させることができるため、アイドル電流の変動を更に正確に抑制することができる。
エミッタサイズが小さいTr2のコレクタは、Trのコレクタに接続されている。Tr2のベースは、容量C2を介してTrのベースと接続されている。Rb14の一端は端子Vrefに接続され、他端はTr2のベースに接続されている。Rb14は、対応する増幅素子Tr2のベースに制御電圧に応じた電流Ib14を入力する。このように増幅素子Trと並列に、電流駆動だけで動作する増幅素子Tr2が設けられていることにより、入力電力に対する電力利得のばらつきを小さく抑えることができる。
本実施の形態に係るバイアス回路は、端子Vrefから入力される制御電圧を増幅素子の障壁電圧の2倍未満(例えば2.4V程度)まで低下させても、低温から高温までほぼ一定のアイドル電流を保ちながら、所望の増幅動作を可能とすることができる。そして、アイドル電流付近ではベース電流駆動だけになっている。そのため、図23のようなベース電圧駆動のバイアス回路に比べて、電力増幅器の出力電力の立ち上がり遅延を改善することができる。ただし、本実施の形態に係るバイアス回路は、出力電力の増大に応じてベース電流駆動からベース電圧駆動に変わり、出力電力の立ち上がり遅延が若干残る。従って、実施の形態1〜8の構成と本実施の形態の構成を組み合わせることで、出力電力の立ち上がり遅延を有効に改善することができる。
実施の形態11.
図21は、本発明の実施の形態11に係るバイアス回路を示す回路図である。このバイアス回路は、実施の形態10の構成に加えて、ダイオードDLと抵抗RLからなるリニアライザを有する。これにより、対応する増幅素子の入力端子に入力される信号の歪を緩和することができる。ただし、歪み特性に余裕がある場合は、リニアライザがない実施の形態10の方が、増幅素子Trのベース電圧の熱的応答が改善されるため有利である。
本発明の実施の形態1に係る電力増幅器を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る電力増幅器のチップレイアウトを示す図である。 本発明の実施の形態1に係る電力増幅器の出力電力を測定した結果を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る電力増幅器のチップレイアウトを示す図である。 本発明の実施の形態2に係る電力増幅器の出力電圧を測定した結果を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る電力増幅器のチップレイアウトを示す図である。 本発明の実施の形態3に係る電力増幅器の出力電圧を測定した結果を示す図である。 本発明の実施の形態4に係る電力増幅器のチップレイアウトを示す図である。 本発明の実施の形態4に係る電力増幅器の出力電圧を測定した結果を示す図である。 前段バイアス回路の出力電圧特性を示す図である。 主電力増幅器の前段増幅素子の出力電力特性を示す図である。 主電力増幅器の後段増幅素子の出力電力特性を示す図である。 本発明の実施の形態5に係る電力増幅器の補助電力増幅器の前段バイアス回路を示す回路図である。 本発明の実施の形態5の変形例に係る電力増幅器の主電力増幅器の後段増幅素子と補助電力増幅器の後段増幅素子のチップレイアウトを示す図である。 図14の回路におけるトランジスタセルの配置を示す概略図である。 本発明の実施の形態6に係る電力増幅器のチップレイアウトを示す図である。 本発明の実施の形態7に係る電力増幅器のチップレイアウトを示す図である。 本発明の実施の形態8に係る電力増幅器のチップレイアウトを示す図である。 本発明の実施の形態9に係るバイアス回路を示す回路図である。 本発明の実施の形態10に係るバイアス回路を示す回路図である。 本発明の実施の形態11に係るバイアス回路を示す回路図である。 従来のGaAs−HBT電力増幅器を示す回路図である。 従来のバイアス回路を示す回路図である。 従来のCDMA用HBT電力増幅器の入出力特性を示す図である。 従来のCDMA用HBT電力増幅器の歪み特性を示す図である。 郊外におけるCDMA端末機内の電力増幅器の出力電力について確率分布を示す図である。 主電力増幅器と補助電力増幅器の出力・利得特性を示す図である。 主電力増幅器と補助電力増幅器を切り替えて動作させる従来の電力増幅器のチップレイアウトを示す図である。 主電力増幅器と補助電力増幅器を切り替えて動作させる従来の電力増幅器の出力電力特性を示す図である。 ベース電圧駆動時におけるHBTのコレクタ電流のステップ応答を示す図である。 ベース電流駆動時におけるHBTのコレクタ電流のステップ応答を示す図である。 主電力増幅器の後段増幅素子の発熱量に対する補助電力増幅器の後段バイアス回路の出力電圧特性を示す図である。
符号の説明
10 主電力増幅器
20 補助電力増幅器
12,22 前段増幅素子
14,24 後段増幅素子
16,26 前段バイアス回路
17,27 後段バイアス回路
32a GaAsチップ(第1のチップ)
32b GaAsチップ(第2のチップ)
Rb,Rb4 抵抗
Trb1 GaAs−HBT(エミッタフォロワ回路)
DL ダイオード(リニアライザ)
RL 抵抗(リニアライザ)

Claims (9)

  1. 主電力増幅器と、前記主電力増幅器よりもアイドル電流が小さい補助電力増幅器とを切り替えて動作させる電力増幅器であって、
    前記主電力増幅器及び前記補助電力増幅器は、それぞれ、RF信号を増幅する前段増幅素子と、前記前段増幅素子の出力信号を増幅する後段増幅素子と、前記前段増幅素子を駆動する前段バイアス回路と、前記後段増幅素子を駆動する後段バイアス回路とを有し、
    前記主電力増幅器の後段増幅素子と前記補助電力増幅器の後段増幅素子との間隔は100μm以下であり、
    前記主電力増幅器の後段増幅素子と前記補助電力増幅器の後段バイアス回路との間隔は200μm以上であることを特徴とする電力増幅器。
  2. 主電力増幅器と、前記主電力増幅器よりもアイドル電流が小さい補助電力増幅器とを切り替えて動作させる電力増幅器であって、
    前記主電力増幅器及び前記補助電力増幅器は、それぞれ、RF信号を増幅する前段増幅素子と、前記前段増幅素子の出力信号を増幅する後段増幅素子と、前記前段増幅素子を駆動する前段バイアス回路と、前記後段増幅素子を駆動する後段バイアス回路とを有し、
    前記主電力増幅器の前段増幅素子と前記補助電力増幅器の前段増幅素子との間隔は50μm以下であり、
    前記主電力増幅器の前段増幅素子と前記補助電力増幅器の前段バイアス回路との間隔は100μm以上であることを特徴とする電力増幅器。
  3. 前記主電力増幅器の前段増幅素子と前記補助電力増幅器の前段増幅素子との間隔は50μm以下であり、
    前記主電力増幅器の前段増幅素子と前記補助電力増幅器の前段バイアス回路との間隔は100μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の電力増幅器。
  4. 前記主電力増幅器の後段増幅素子と前記主電力増幅器の前段バイアス回路との間隔は100μm以下であることを特徴とする請求項3に記載の電力増幅器。
  5. 主電力増幅器と、前記主電力増幅器よりもアイドル電流が小さい補助電力増幅器とを切り替えて動作させる電力増幅器であって、
    前記主電力増幅器及び前記補助電力増幅器は、それぞれ、RF信号を増幅する前段増幅素子と、前記前段増幅素子の出力信号を増幅する後段増幅素子と、前記前段増幅素子を駆動する前段バイアス回路と、前記後段増幅素子を駆動する後段バイアス回路とを有し、
    前記主電力増幅器の後段増幅素子は、第1の後段増幅素子と第2の後段増幅素子を有し、
    前記第1,第2の後段増幅素子と前記補助電力増幅器の後段増幅素子との間隔はそれぞれ100μm以下であり、
    前記第1,第2の後段増幅素子と前記補助電力増幅器の後段バイアス回路との間隔はそれぞれ200μm以上であることを特徴とする電力増幅器。
  6. 主電力増幅器と、前記主電力増幅器よりもアイドル電流が小さい補助電力増幅器とを切り替えて動作させる電力増幅器であって、
    前記主電力増幅器及び前記補助電力増幅器は、それぞれ、RF信号を増幅する前段増幅素子と、前記前段増幅素子の出力信号を増幅する後段増幅素子と、前記前段増幅素子を駆動する前段バイアス回路と、前記後段増幅素子を駆動する後段バイアス回路とを有し、
    前記主電力増幅器の前段増幅素子、前記補助電力増幅器の前段増幅素子、前記補助電力増幅器の前段バイアス回路、前記主電力増幅器の後段バイアス回路及び前記補助電力増幅器の後段バイアス回路を第1のチップ上に形成し、
    前記主電力増幅器の後段増幅素子、前記補助電力増幅器の後段増幅素子及び前記主電力増幅器の前段バイアス回路を第2のチップ上に形成することを特徴とする電力増幅器。
  7. 前記前段バイアス回路又は前記後段バイアス回路は、対応する増幅素子の入力端子に制御電圧に応じた電流を入力する抵抗を有することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の電力増幅器。
  8. 前記前段バイアス回路又は前記後段バイアス回路は、前記抵抗と並列に接続され、対応する増幅素子の入力端子に制御電圧に応じた電圧を入力するエミッタフォロワ回路を更に有することを特徴とする請求項7に記載の電力増幅器。
  9. 前記前段バイアス回路又は前記後段バイアス回路は、対応する増幅素子の入力端子に入力される信号の歪を緩和するリニアライザを更に有することを特徴とする請求項8に記載の電力増幅器。
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