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JP4849133B2 - エジェクタ式冷凍サイクル - Google Patents
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Description

本発明は、エジェクタを有するエジェクタ式冷凍サイクルに関する。
従来、冷媒減圧手段の機能および冷媒循環手段の機能を果たすエジェクタを有するエジェクタ式冷凍サイクルが知られている。例えば、特許文献1、2には、圧縮機吐出冷媒を放熱器にて室外空気と熱交換させることで放熱させ、放熱した高圧冷媒をエジェクタのノズル部にて減圧するエジェクタ式冷凍サイクルが開示されている。
例えば、特許文献1のエジェクタ式冷凍サイクルでは、エジェクタのディフューザ部下流側に低圧冷媒の気液を分離する気液分離器を配置し、気液分離器の気相冷媒出口を圧縮機吸入口側へ接続するとともに液相冷媒出口を吸引側蒸発器の入口へ接続し、吸引側蒸発器の出口をエジェクタの冷媒吸引口に接続している。
この種のエジェクタ式冷凍サイクルに適用されるエジェクタでは、エジェクタのノズル部にて高圧冷媒を減圧膨張させて噴射し、この噴射冷媒の圧力低下によって冷媒吸引口から蒸発器下流側の冷媒を吸引することで、ノズル部における減圧膨張時の運動エネルギの損失を回収している。
そして、回収した運動エネルギ(以下、回収エネルギという。)を、エジェクタのディフューザ部にて圧力エネルギに変換して、圧縮機吸入冷媒の圧力を上昇させている。これにより、圧縮機の駆動動力を低減させてエジェクタ式冷凍サイクルの成績係数(COP)を向上させている。
また、特許文献2には、熱交換対象流体である室内送風空気を冷却する冷却運転モードの冷媒流路と、室内送風空気を加熱する加熱運転モードの冷媒流路とを切替可能に構成されたエジェクタ式冷凍サイクルが開示されている。
特許第3322263号公報 特開2002−327967号公報
しかしながら、この種のエジェクタ式冷凍サイクルでは、ノズル部を通過する冷媒(以下、駆動流という。)の流量低下に伴って、エジェクタの吸引能力が低下してしまうので、回収エネルギ量も減少してしまう。このため、駆動流の流量低下に伴って、上述のCOP向上効果が低減してしまう。
例えば、特許文献1のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、外気温の低下に伴って高圧冷媒の圧力が低下すると、高圧冷媒と低圧冷媒との圧力差が縮小して、エジェクタの駆動流の流量が低下してしまう。
このような駆動流の流量低下が生じると、エジェクタの吸引能力が低下して、回収エネルギ量が減少するだけでなく、気液分離器から蒸発器へ液相冷媒が供給されにくくなり、サイクルが発揮できる冷凍能力も低下してしまう。その結果、駆動流の流量低下に伴って、COPが大幅に低減してしまう。
さらに、エジェクタの吸引能力が低下して、蒸発器へ冷媒が供給されなくなってしまうと、低圧冷媒が蒸発器にて吸熱作用を発揮できなくなり、サイクルが破綻してしまうという問題を引き起こす。
このことを図5により詳細に説明する。図5は、特許文献1のエジェクタ式冷凍サイクルの冷媒の状態を示すモリエル線図である(特許文献1の第2図参照)。なお、図5の実線は、通常運転時の冷媒の状態を示し、破線は、上述のサイクル破綻が生じた際の冷媒の状態を示している。
図5から明らかなように、外気温の低下等によって高圧冷媒と低圧冷媒との圧力差が縮小すると(図5の白抜矢印X5)、エジェクタの吸引能力が低下する。これにより、蒸発器に冷媒が供給されなくなると、低圧冷媒が蒸発器にて吸熱作用を発揮できなくなる(図5の白抜矢印Y5)。
このため、図5の破線に示すように、放熱器にて冷媒が放熱できる熱量は、圧縮機の圧縮仕事量相当になってしまう。その結果、実質的に、冷媒を介して低圧側から高圧側へ熱量を移動させることができなくなり、サイクルが破綻してしまう。
また、特許文献2のように、冷却運転モードと加熱運転モードを切替可能に構成されたエジェクタ式冷凍サイクルでは、少なくともエジェクタを冷媒減圧手段として用いる冷媒流路に切り替えた際に、同様の問題が生じる。
本発明は、上記点に鑑み、エジェクタの駆動流の流量変動が生じても、エジェクタ式冷凍サイクルを安定して作動させることを目的とする。
上記の目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明では、冷媒を圧縮して吐出する第1、第2圧縮機構(11a、21a)と、冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器(41)と、冷媒と熱交換対象流体とを熱交換させる利用側熱交換器(51)と、冷媒を減圧膨張させるノズル部(13a)から噴射する高速度の噴射冷媒の流れによって冷媒吸引口(13b)から冷媒を吸引して、噴射冷媒と冷媒吸引口(13b)から吸引された吸引冷媒との混合冷媒をディフューザ部(13d)にて昇圧するエジェクタ(13)と、冷媒を減圧膨張させる高圧側減圧手段(12)と、ディフューザ部(13d)から流出した冷媒あるいは高圧側減圧手段(12)から流出した冷媒の気液を分離して、分離された気相冷媒を第1圧縮機構(11a)吸入口側へ流出させる気液分離器(14)と、気液分離器(14)にて分離された液相冷媒を減圧膨張させる低圧側減圧手段(15)と、熱交換対象流体を冷却する冷却運転モードの冷媒流路、および、熱交換対象流体を加熱する加熱運転モードの冷媒流路を切り替える冷媒流路切替手段(31、32、33、34)とを備え、
冷媒流路切替手段(31〜34)は、冷却運転モードおよび加熱運転モードのうち一方の運転モード時に、室外熱交換器(41)および利用側熱交換器(51)のうち第1圧縮機構(11a)吐出冷媒を放熱させる熱交換器から流出した冷媒を、ノズル部(13a)へ流入させるとともに、室外熱交換器(41)および利用側熱交換器(51)のうち低圧側減圧手段(15)流出冷媒を蒸発させる熱交換器から流出した冷媒を、第2圧縮機構(21a)に吸入させて冷媒吸引口(13b)側へ吐出させる冷媒流路に切り替え、
冷却運転モードおよび加熱運転モードのうち他方の運転モード時に、室外熱交換器(41)および利用側熱交換器(51)のうち第1圧縮機構(11a)吐出冷媒を放熱させる熱交換器から流出した冷媒を、高圧側減圧手段(12)へ流入させるとともに、室外熱交換器(41)および利用側熱交換器(51)のうち低圧側減圧手段(15)流出冷媒を蒸発させる熱交換器から流出した冷媒を、第2圧縮機構(21a)に吸入させて第1圧縮機構(11a)吸入口側へ吐出させる冷媒流路に切り替えるエジェクタ式冷凍サイクルを特徴とする。
これによれば、一方の運転モード時に、室外熱交換器(41)および利用側熱交換器(51)のうち放熱器として機能する熱交換器から流出した冷媒をエジェクタ(13)のノズル部(13a)にて減圧させ、室外熱交換器(41)および利用側熱交換器(51)のうち蒸発器として機能する熱交換器から流出した冷媒をエジェクタ(13)の冷媒吸引口(13b)から吸引するエジェクタ式冷凍サイクルが構成される。
そして、この一方の運転モード時には、第2圧縮機構(21a)が、室外熱交換器(41)および利用側熱交換器(51)のうち蒸発器として機能する熱交換器からエジェクタ(13)の冷媒吸引口(13b)側へ冷媒を吐出するので、エジェクタ(13)の駆動流の流量低下に伴ってエジェクタ(13)の吸引能力が低下するような運転条件であっても、エジェクタ(13)の吸引能力を補助することができる。
従って、エジェクタ式冷凍サイクルが構成される一方の運転モード時には、駆動流の流量変動が生じてエジェクタ(13)の吸引能力が低下するような運転条件であっても、サイクルを安定して作動させることができる。
しかも、2つの第1、第2圧縮機構(11a、21a)およびエジェクタ(13)のディフューザ部(13d)の昇圧作用によって冷媒を昇圧できるので、1つの圧縮機にて冷媒を昇圧する場合に対して、第1、第2圧縮機構(11a、21a)の駆動動力を低減させてCOPを向上できる。
つまり、ディフューザ部(13d)の昇圧作用によって、第1圧縮機構(11a)の吸入圧力を上昇させることで、第1圧縮機構(11a)の圧縮機駆動動力を低減させることができるのみならず、それぞれの第1、第2圧縮機構(11a、21a)の吸入圧力と吐出圧力との圧力差を縮小できるので、第1、第2圧縮機構(11a、21a)の圧縮効率を向上できる。
一方、他方の運転モード時には、放熱器として機能する熱交換器から流出した冷媒を高圧側減圧手段(12)にて減圧して気液分離器(14)へ流入させ、気液分離器(14)にて分離された気相冷媒と第2圧縮機構(21a)吐出冷媒とを混合して第1圧縮機構(11a)へ吸入させるサイクルを構成できる。
この他方の運転モードでは、冷媒を多段階に昇圧させることができるので、単一の圧縮手段にて冷媒を昇圧する場合よりも、第1、第2圧縮機構(11a、12a)のそれぞれにおける吸入冷媒圧力と吐出冷媒圧力との圧力差を縮小させて、それぞれの圧縮機構の圧縮効率を向上させることができる。
さらに、第1圧縮機構(11a)に、気液分離器(14)にて分離された気相冷媒および第2圧縮機構(21a)吐出冷媒を合流させた冷媒を吸入させることができるので、第2圧縮機構(21a)吐出冷媒のみを吸入させる場合に対して、第1圧縮機構(11a)にて冷媒を等エントロピ的に圧縮する際の圧縮仕事量を低減させて、COPを向上できる。
従って、他方の運転モード時には、エジェクタ(13)を冷媒減圧手段として用いるサイクルは構成されないものの、高いCOPを発揮させながら、サイクルを安定して作動させることができる。
このように、高いCOPを発揮させながら、エジェクタ式冷凍サイクルを安定して作動できることは、高圧冷媒と低圧冷媒との圧力差が大きい冷凍サイクル装置、例えば、冷却運転モード時に庫内温度を極低温(例えば、−30℃〜−10程度)まで低下させ、加熱運転モード時に吸熱源としての外気が極低温となる環境で使用される冷温保存庫等に適用した際に、極めて有効である。
さらに、請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、冷媒流路切替手段(31〜34)は、冷却運転モード時に、第1圧縮機構(11a)吐出冷媒を室外熱交換器(41)へ流入させて放熱させるとともに、低圧側減圧手段(15)流出冷媒を利用側熱交換器(51)へ流入させて蒸発させる冷媒流路に切り替え、加熱運転モード時に、第1圧縮機構(11a)吐出冷媒を利用側熱交換器(51)へ流入させて放熱させるとともに、低圧側減圧手段(15)流出冷媒を室外熱交換器(41)へ流入させて蒸発させる冷媒流路に切り替えるようになっていればよい。
これにより、具体的に、冷却運転モード時に、利用側熱交換器(51)にて熱交換対象流体を冷却することができ、加熱運転モード時に、利用側熱交換器(51)にて熱交換対象流体を加熱することができる。
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、第1圧縮機構(11a)の冷媒吐出能力を変更する第1吐出能力変更手段(11b)と、第2圧縮機構(21a)の冷媒吐出能力を変更する第2吐出能力変更手段(21b)とを備え、第1吐出能力変更手段(11b)および第2吐出能力変更手段(21b)は、それぞれ独立して第1圧縮機構(11a)および第2圧縮機構(21a)の冷媒吐出能力を変更可能に構成されていることを特徴とする。
これによれば、第1圧縮機構(11a)の冷媒吐出能力と第2圧縮機構(21a)の冷媒吐出能力とを独立に調整して、第1、第2圧縮機構(11a、21a)のいずれも高い圧縮効率を発揮させながら作動させることができる。従って、エジェクタ式冷凍サイクル全体としてのCOPを、より一層、向上させることができる。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、第1圧縮機構(11a)および第2圧縮機構(21a)は、同一のハウジング内に収容されて、一体的に構成されていることを特徴とする。これによれば、第1圧縮機構(11a)および第2圧縮機構(21a)の小型化が可能となり、エジェクタ式冷凍サイクル全体としての小型化を図ることもできる。
請求項5に記載の発明のように、請求項1ないし4のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクルにおいて、第1圧縮機構(11a)は、冷媒を臨界圧力以上となるまで昇圧させるようになっていてもよい。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
一実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 (a)は、一実施形態の冷却運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図であり、(b)は、一実施形態の加熱運転モードの冷媒の状態を示すモリエル線図である。 (a)は、他の実施形態における冷媒流路切替手段の構成図であり、(b)は、他の実施形態における別の冷媒流路切替手段の構成図である。 他の実施形態における更に別の冷媒流路切替手段の構成図である。 従来技術のエジェクタ式冷凍サイクルの冷媒の状態を示すモリエル線図である。
図1、2により、本発明のエジェクタ式冷凍サイクル100を、庫内温度を低温または高温に保つ冷温保存庫に適用した一実施形態を説明する。図1は、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル100の全体構成図である。
このエジェクタ式冷凍サイクル100は、熱交換対象流体である庫内空気を冷却する冷却運転モードと、庫内空気を加熱する加熱運転モードを切替可能に構成されている。なお、図1における実線矢印は、冷却運転モード時における冷媒の流れを示し、破線矢印は、加熱運転モードにおける冷媒の流れを示している。
エジェクタ式冷凍サイクル100において、第1圧縮機11は、冷媒を吸入し、圧縮して吐出するもので、吐出容量が固定された第1圧縮機構11aを第1電動モータ11bにて駆動する電動圧縮機である。第1圧縮機構11aとしては、具体的に、スクロール型圧縮機構、ベーン型圧縮機構等の各種圧縮機構を採用できる。
第1電動モータ11bは、後述する制御装置から出力される制御信号によって、その作動(回転数)が制御されるもので、交流モータ、直流モータのいずれの形式を採用してもよい。そして、この回転数制御によって、第1圧縮機構11aの冷媒吐出能力が変更される。従って、本実施形態の第1電動モータ11bは、第1圧縮機構11aの冷媒吐出能力を変更する第1吐出能力変更手段を構成している。
第1圧縮機11(第1圧縮機構11a)の吐出口側には、電気式四方弁31が接続されている。電気式四方弁31は、上述の冷却運転モードにおける冷媒流路と加熱運転モードにおける冷媒流路とを切り替えるもので、制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される冷媒流路切替手段である。
より具体的には、電気式四方弁31は、第1圧縮機11吐出口側と室外熱交換器41入口側との間および後述する低圧側固定絞り15出口側と後述する利用側熱交換器51入口側との間を同時に接続する冷媒流路(図1の実線矢印で示す回路)と、第1圧縮機11吐出口側と利用側熱交換器51入口側との間および低圧側固定絞り15出口側と室外熱交換器41入口側との間を同時に接続する冷媒流路(図1の破線矢印で示す回路)とを切り替える。
図1の実線矢印で示す冷媒流路のように、冷却運転モードにおける第1圧縮機11吐出口側には、電気式四方弁31を介して、室外熱交換器41が接続されている。室外熱交換器41は、その内部を通過する冷媒と送風ファン41aにより送風される室外空気とを熱交換させる熱交換器である。送風ファン41aは、制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。
従って、室外熱交換器41は、室外熱交換器41内に外気温よりも高温の第1圧縮機11吐出冷媒が流通する場合には、冷媒を放熱させる放熱器として機能する。また、室外熱交換器41内に外気温よりも低温の低圧側固定絞り15流出冷媒が流通する場合には、冷媒を蒸発させる蒸発器として機能する。
なお、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル100では、冷媒として通常のフロン系冷媒を採用し、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成している。このため、本実施形態において放熱器として機能する熱交換器は、冷媒を凝縮させる凝縮器として作用する。
また、この冷媒には第1、第2圧縮機構11a、21aを潤滑するための液相冷媒に対して溶解性を有する冷凍機油が混入されており、冷凍機油は冷媒とともにサイクルを循環している。
さらに、冷却運転モードにおける室外熱交換器41の出口側には、第1電気式三方弁32の冷媒入口側が接続されている。第1電気式三方弁32は、上述の冷却運転モードにおける冷媒流路と加熱運転モードにおける冷媒流路とを切り替えるもので、電気式四方弁31とともに本実施形態における冷媒流路切替手段を構成している。また、第1電気式三方弁32は、制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
具体的には、第1電気式三方弁32は、室外熱交換器41出口側とエジェクタ13のノズル部13a入口側との間を接続する冷媒流路(図1の実線矢印で示す回路)、および、室外熱交換器41出口側と後述する第2圧縮機21(第2圧縮機構21a)吸入口側との間を接続する冷媒流路(図1の破線矢印で示す回路)とを切り替える。
また、第1電気式三方弁32と第2圧縮機21吸入口側との間には、第1三方継手17aが配置されている。この第1三方継手17aは、互いに連通する3つの冷媒流入出口を有する冷媒配管継手部材である。さらに、第1三方継手17aの別の冷媒流入出口には、後述する第2電気式三方弁33の一方の冷媒流出口が接続されている。
エジェクタ13は、冷媒を減圧膨張させる冷媒減圧手段であるとともに、高速で噴出する冷媒流の吸引作用によって冷媒の循環を行う冷媒循環手段でもある。
より具体的には、エジェクタ13は、冷却運転モード時に室外熱交換器41から流出した高圧冷媒の通路面積を小さく絞って、高圧冷媒を等エントロピ的に減圧膨張させるノズル部13a、ノズル部13aの冷媒噴射口と連通するように配置されて第2圧縮機21から吐出された冷媒を吸引する冷媒吸引口13b等を有して構成される。
さらに、ノズル部13aおよび冷媒吸引口13bの冷媒流れ下流側部位には、ノズル部13aから噴射する高速度の冷媒流と冷媒吸引口13bからの吸引冷媒とを混合する混合部13cが設けられ、混合部13cの冷媒流れ下流側には昇圧部をなすディフューザ部13dが設けられている。
ディフューザ部13dは冷媒通路面積を徐々に大きくする形状に形成されており、冷媒流れを減速して冷媒圧力を上昇させる作用、つまり、冷媒の速度エネルギを圧力エネルギに変換する作用を果たす。さらに、ディフューザ部13dの出口側には、第2三方継手17bを介して、アキュムレータ14が接続されている。
アキュムレータ14は、ディフューザ部13dから流出した冷媒の気液を分離して、サイクル内の余剰液相冷媒を溜める気液分離器である。アキュムレータ14の気相冷媒流出口には、第3三方継手17cを介して、第1圧縮機11の吸入口が接続され、液相冷媒流出口には、低圧側固定絞り15を介して、電気式四方弁31が接続されている。
第2、3三方継手17b、17cは、第1三方継手17aと同様の構成の冷媒配管継手部材である。さらに、第2三方継手17bの別の冷媒流入出口には、後述する高圧側固定絞り12の冷媒出口側が接続され、第3三方継手17cの別の冷媒流入出口には、後述する第3電気式三方弁34の一方の冷媒流出口が接続されている。
低圧側固定絞り15は、アキュムレータ14から流出した冷媒をさらに減圧膨張させる低圧側減圧手段である。この低圧側固定絞り15としては、具体的に、オリフィスやキャピラリチューブを採用できる。
利用側熱交換器51は、その内部を通過する冷媒と送風ファン51aにより循環送風される熱交換対象流体である庫内空気とを熱交換させる熱交換器である。送風ファン51aは、制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。
従って、利用側熱交換器51は、利用側熱交換器51内に庫内空気よりも低温のアキュムレータ14流出冷媒が流通する場合には、冷媒を蒸発させる蒸発器として機能し、利用側熱交換器51内に庫内空気よりも高温の第1圧縮機11吐出冷媒が流通する場合には、冷媒を放熱させる放熱器として機能する。
利用側熱交換器51の冷媒出口側には、第2電気式三方弁33の冷媒流入口が接続されている。第2電気式三方弁33の基本的構成は、第1電気式三方弁32と同様である。さらに、この第2電気式三方弁33も、電気式四方弁31等とともに本実施形態の冷媒流路切替手段を構成している。
具体的には、第2電気式三方弁33は、利用側熱交換器51出口側と第1三方継手17aとの間を接続する冷媒流路(図1の実線矢印で示す回路)、および、利用側熱交換器51出口側と高圧側固定絞り12入口側との間を接続する冷媒流路(図1の破線矢印で示す回路)とを切り替える。
前述の如く、第2電気式三方弁33の一方の冷媒流出口には、第1三方継手17aの1つの冷媒流入出口が接続され、さらに、他方の冷媒流出口には、高圧側固定絞り12冷媒入口側が接続されている。高圧側固定絞り12は、加熱運転モード時に利用側熱交換器51から流出した高圧冷媒を中間圧となるまで減圧膨張させる高圧側減圧手段である。この高圧側固定絞り12としては、具体的に、オリフィスやキャピラリチューブを採用できる。
第2圧縮機21は、冷媒を吸入して圧縮して、第3電気式三方弁34の冷媒流入口側へ吐出するもので、その基本的構成は第1圧縮機11と同様である。従って、第2圧縮機21は、固定容量型の第2圧縮機構21aを第2電動モータ21bにて駆動する電動圧縮機である。さらに、本実施形態の第2電動モータ21bは、第2圧縮機構21aの冷媒吐出能力を変更する第2吐出能力変更手段を構成している。
第3電気式三方弁34の基本的構成は、第1、第2電気式三方弁32、33と同様である。さらに、この第3電気式三方弁34も、電気式四方弁31等とともに本実施形態の冷媒流路切替手段を構成している。
具体的には、第3電気式三方弁34は、第2圧縮機21吐出口側とエジェクタ13の冷媒吸引口側との間を接続する冷媒流路(図1の実線矢印で示す回路)、および、第2圧縮機21吐出口側と第1圧縮機11吸入口側との間を接続する冷媒流路(図1の破線矢印で示す回路)とを切り替える。
なお、上述した第1〜第3電気式三方弁32〜34では、一方の冷媒流路に切り替えられると他方の冷媒流路は閉塞された状態となる。従って、冷媒が他方の冷媒流路を流通することも、冷媒がサイクル内部から外部へ漏れ出ることもない。
図示しない制御装置は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。この制御装置は、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行って、上述の各種電気式のアクチュエータ11b、21b、31、32、33、34、41a、51a等の作動を制御する。
従って、この制御装置は、第1吐出能力変更手段である第1電動モータ11bの作動を制御する第1吐出能力制御手段としての機能、第2吐出能力変更手段である第2電動モータ21bの作動を制御する第2吐出能力制御手段としての機能、および、流路切替手段である電気式四方弁31、第1〜第3電気式三方弁32〜34の作動を制御する冷媒流路切替制御手段を兼ね備えている。もちろん、第1吐出能力制御手段、第2吐出能力制御手段、および、媒冷媒流路切替制御手段を異なる制御装置で構成してもよい。
また、制御装置には、外気温を検出する外気センサ、庫内温度を検出する庫内温度センサ等の図示しないセンサ群の検出値や、冷温保存庫を作動させる作動スイッチ、庫内空気を冷却する冷却運転モードと庫内空気を加熱する加熱運転モードとのモード切替スイッチ等が設けられた図示しない操作パネルの各種操作信号が入力される。
次に、上記構成における本実施形態の作動を図2のモリエル線図に基づいて説明する。なお、図2(a)は、冷却運転モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図であり、図2(b)は、加熱運転モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図である。
まず、冷却運転モードについて説明する。冷却運転モードは、操作パネルの作動スイッチが投入された状態で、モード切替スイッチにより冷却運転モードが選択されると実行される。冷却運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51aを作動させるとともに、電気式四方弁31、第1〜第3電気式三方弁32〜34を実線矢印で示す回路に切り替える。
従って、第1圧縮機11(第1圧縮機構11a)にて圧縮された冷媒(図2(a)のa2a点)は、電気式四方弁31を介して、室外熱交換器41へ流入し、送風ファン41aから送風された送風空気(外気)と熱交換して放熱して凝縮する(a2a点→b2a点)。つまり、本実施形態の冷却運転モードでは、室外熱交換器41が放熱器として機能する。
室外熱交換器41にて放熱した冷媒は、第1電気式三方弁32を介して、エジェクタ13のノズル部13aへ流入して等エントロピ的に減圧膨張する(b2a点→c2a点)。そして、この減圧膨張時に冷媒の圧力エネルギが速度エネルギに変換されて、冷媒がノズル部13aの冷媒噴射口から高速度となって噴射される。
この噴射冷媒の冷媒吸引作用により、冷媒吸引口13bから第2圧縮機21(第2圧縮機構21a)から吐出された冷媒(j2a点)が、第3電気式三方弁34を介して、吸引される。
さらに、ノズル部13aから噴射された噴射冷媒と冷媒吸引口13bから吸引された吸引冷媒がエジェクタ13の混合部13cにて混合され、ディフューザ部13dに流入する(c2a点→d2a点およびj2a点→d2a点)。ディフューザ部13dでは通路面積の拡大により、冷媒の速度エネルギが圧力エネルギに変換されるため、冷媒の圧力が上昇する(d2a点→e2a点)。
ディフューザ部13dから流出した冷媒は、第2三方継手17bを介して、アキュムレータ14へ流入して気相冷媒および液相冷媒に分離される(e2a点→f2a点およびe2a点→g2a点)。そして、アキュムレータ14の気相冷媒出口から流出した気相冷媒は、第3三方継手17cを介して、第1圧縮機11に吸入されて圧縮される(f2a点→a2a点)。
一方、アキュムレータ14の液相冷媒出口から流出した液相冷媒は、低圧側固定絞り15にてさらに等エンタルピ的に減圧膨張されて、その圧力を低下させる(g2a点→h2a点)。低圧側固定絞り15にて減圧膨張された冷媒は、電気式四方弁31を介して、利用側熱交換器51へ流入し、送風ファン51aにより循環送風された庫内空気から吸熱して蒸発する(h2a点→i2a点)。
これにより、熱交換対象流体である庫内空気が冷却される。つまり、本実施形態の冷却運転モードでは、利用側熱交換器51が蒸発器として機能する。そして、利用側熱交換器51から流出した冷媒は、第2電気式三方弁33および第1三方継手17aを介して、第2圧縮機21に吸入されて圧縮される(i2a点→j2a点)。
この際、制御装置は、エジェクタ式冷凍サイクル全体としてのCOPが略最大に近づくように、第1、第2電動モータ11b、21bの作動を制御する。具体的には、第1、第2圧縮機構11a、21aの機械効率を向上させるために、第1、第2圧縮機構11a、21aの昇圧量が略同等となるように制御する。
なお、圧縮効率とは、第1、第2圧縮機11、21にて冷媒が等エントロピ圧縮された際の冷媒のエンタルピの増加量をΔH1としたときに、この増加量ΔH1を、実際に第1、第2圧縮機11、21にて冷媒が昇圧された際の冷媒のエンタルピ増加分ΔH2で除した値である。
例えば、第1、第2圧縮機11、21の回転数や昇圧量(吐出圧力と吸入圧力との圧力差)が増加すると、その摩擦熱によって冷媒の温度が上昇して実際のエンタルピ増加分ΔH2が増加するため、圧縮効率も低下することになる。
さらに、第2圧縮機21から吐出された冷媒は、前述の如く、第3電気式三方弁34を介して、冷媒吸引口13bからエジェクタ13内へ吸引される(j2a点→d2a点)。
次に、加熱運転モードについて説明する。加熱運転モードは、操作パネルの作動スイッチが投入された状態で、モード切替スイッチにより加熱運転モードが選択されると実行される。加熱運転モードでは、制御装置が、第1、第2電動モータ11b、21b、送風ファン41a、51aを作動させるとともに、電気式四方弁31、第1〜第3電気式三方弁32〜34を破線矢印で示す回路に切り替える。
従って、第1圧縮機11にて圧縮された冷媒(図2(b)のa2b点)は、電気式四方弁31を介して、利用側熱交換器51へ流入し、送風ファン51aから循環送風された庫内空気と熱交換して放熱して凝縮する(a2b点→b2b点)。つまり、本実施形態の加熱運転モードでは、利用側熱交換器51が放熱器として機能して、庫内空気が加熱される。
利用側熱交換器51にて放熱した冷媒は、第2電気式三方弁33を介して、高圧側固定絞り12へ流入して中間圧となるまで等エンタルピ的に減圧膨張する(b2b点→c2b点)。高圧側固定絞り12にて減圧膨張した冷媒は、第2三方継手17bを介して、アキュムレータ14へ流入して気相冷媒および液相冷媒に分離される(c2b点→f2b点およびc2b点→g2b点)。
アキュムレータ14の液相冷媒出口から流出した液相冷媒は、低圧側固定絞り15にてさらに等エンタルピ的に減圧膨張されて、低圧冷媒となる(g2b点→h2b点)。そして、低圧側固定絞り15にて減圧膨張された冷媒は、電気式四方弁31を介して、室外熱交換器41へ流入し、送風ファン41aにより送風された送風空気(外気)から吸熱して蒸発する(h2a点→i2a点)。
つまり、本実施形態の加熱運転モードでは、室外熱交換器41が蒸発器として機能する。そして、室外熱交換器41から流出した冷媒は、第1電気式三方弁32および第1三方継手17aを介して、第2圧縮機21に吸入されて中間圧となるまで圧縮される(i2b点→j2b点)。
第2圧縮機21吐出冷媒は、第3電気式三方弁34を介して、第3三方継手17cへ流入して、アキュムレータ14から流出した気相冷媒と合流する(j2b点→f’2b点およびf2b点→f’2b点)。第3三方継手17cにて合流した冷媒は、第1圧縮機11へ吸入されて圧縮される(f’2b点→a2b点)。
その他の作動は、冷却運転モードと同様である。従って、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル100を作動させると以下のような優れた効果を得ることができる。
まず、冷却運転モードでは、室外熱交換器41を放熱器として機能させ、室外熱交換器41にて放熱した冷媒をエジェクタ13のノズル部13aへ流入させるととともに、利用側熱交換器51を蒸発器として機能させ、利用側熱交換器51にて蒸発した冷媒をエジェクタ13の冷媒吸引口13bから吸引するエジェクタ式冷凍サイクルが構成される。これにより、冷温保存庫内の庫内空気を冷却できる。
そして、この冷却運転モードでは、第2圧縮機構21aを備えているので、例えば、低外気温時等のように、高圧冷媒と低圧冷媒との圧力差が低下して、エジェクタ13の駆動流が流量低下するような運転条件、すなわち、エジェクタ13の吸引能力が低下するような運転条件となっても、エジェクタ13の吸引能力を、第2圧縮機構21aの吸入吐出作用によって補助することができる。
さらに、本実施形態の冷却運転モードでは、第2圧縮機構21aの吸引作用によって、アキュムレータ14から利用側熱交換器51へ確実に液相冷媒を供給することができる。その結果、エジェクタ式冷凍サイクルが構成される冷却運転モードでは、エジェクタ13の駆動流の流量低下を抑制して、エジェクタ式冷凍サイクル100を安定して作動させることができる。
さらに、2つの第1、第2圧縮機構11a、21aおよびエジェクタ13のディフューザ部13dの昇圧作用によって冷媒を昇圧できるので、1つの圧縮機構にて冷媒を昇圧する場合に対して、第1、第2圧縮機構11a、21aの駆動動力を低減させてCOPを向上できる。
つまり、ディフューザ部13dの昇圧作用によって、第1圧縮機構11aの吸入圧力を上昇させることで、第1圧縮機構11aの駆動動力を低減できる。さらに、それぞれの第1、第2圧縮機構11a、21aにおける吸入圧力と吐出圧力との圧力差を縮小できるので、それぞれの第1、第2圧縮機構11a、21aの圧縮効率を向上できる。
この際、第1、第2圧縮機構11a、21aの冷媒吐出能力を第1、第2電動モータ11b、21bが独立に変化させることができるので、エジェクタ式冷凍サイクル100全体としてのCOPを効果的に向上させることができる。
また、加熱運転モードでは、利用側熱交換器51を放熱器として機能させ、利用側熱交換器にて放熱した冷媒を高圧側固定絞り12にて減圧してアキュムレータ14に流入させるとともに、アキュムレータ14にて分離された気相冷媒と第2圧縮機構21a吐出冷媒とを合流させて第1圧縮機構11aへ吸入させている。
つまり、この加熱運転モードでは、冷媒を多段階に昇圧させる、いわゆるエコノマイザ式冷凍サイクルが構成され、冷温保存庫内の庫内空気を加熱できる。さらに、エコノマイザ式冷凍サイクルを構成することで、単一の圧縮手段にて冷媒を昇圧する場合よりも、第1、第2圧縮機構11a、12aのそれぞれにおける吸入冷媒圧力と吐出冷媒圧力との圧力差を縮小させて、それぞれの圧縮機構の圧縮効率を向上させることができる。
さらに、第1圧縮機構11aに、アキュムレータ14にて分離された気相冷媒および第2圧縮機構21a吐出冷媒を合流させた冷媒を吸入させることができるので、第2圧縮機構21a吐出冷媒のみを吸入させる場合に対して、第1圧縮機構11a吸入冷媒のエンタルピを低下させることができる。従って、第1圧縮機構11aにて冷媒を等エントロピ的に圧縮する際の圧縮仕事量を低減させてCOPを向上できる。
従って、加熱運転モードにおいても、高いCOPを発揮させながら、サイクルを安定して作動させることができる。
このように、高いCOPを発揮させながら、エジェクタ式冷凍サイクルを安定して作動できることは、高圧冷媒と低圧冷媒との圧力差が大きい冷凍サイクル装置、例えば、冷却運転モード時に庫内温度を極低温(例えば、−30℃〜−10程度)まで低下させ、加熱運転モード時に吸熱源としての外気が極低温となる環境で使用される冷温保存庫等に適用した際に、極めて有効である。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、冷却運転モード時に、エジェクタ式冷凍サイクルを構成する冷媒流路に切り替え、加熱運転モード時に、エコノマイザ式冷凍サイクルを構成する冷媒流路に切り替える例、すなわち、冷却運転モードが特許請求の範囲に記載した一方の運転モードに対応し、加熱運転モードが特許請求の範囲に記載した他方の運転モードに対応する例を説明したが、逆のサイクル構成に切り替えるようにしてもよい。
つまり、冷却運転モード時に、エコノマイザ式冷凍サイクルを構成する冷媒流路に切り替え、加熱運転モード時に、エジェクタ式冷凍サイクルを構成する冷媒流路に切り替える、すなわち、加熱運転モードが特許請求の範囲に記載した一方の運転モードに対応し、冷却運転モードが特許請求の範囲に記載した他方の運転モードに対応する構成にしてもよい。
(2)上述の実施形態では、第1、第2圧縮機11、21として、それぞれ別体で構成された圧縮機を採用した例を説明したが、第1、第2圧縮機構11a、21aおよび第1、第2電動モータ11b、21bを一体的に構成してもよい。
例えば、第1、第2圧縮機構11a、21aおよび第1、第2電動モータ11b、21bを同一のハウジング内に収容して一体的に構成してもよい。この場合には、第1、第2圧縮機構11a、21aの回転軸を共通化して、共通する駆動源から供給される駆動力によって双方の圧縮機構を駆動するようにしてもよい。
これにより、第1、第2圧縮機構11a、21aを小型化して、エジェクタ式冷凍サイクル全体としての小型化を図ることができる。
(3)上述の実施形態では、第1、第2圧縮機11、21として、電動圧縮機を採用した例を説明したが、第1、第2圧縮機11、21の形式はこれに限定されない。
例えば、エンジン等を駆動源として、吐出容量の変化により冷媒吐出能力を調整できる可変容量型圧縮機を採用してもよい。この場合は、吐出容量変更手段が、吐出能力変更手段となる。また、電磁クラッチの断続により駆動源との接続を断続的に変化させて冷媒吐出能力を調整する固定容量型圧縮機を使用してもよい。この場合は、電磁クラッチが、吐出能力変更手段となる。
さらに、第1、第2圧縮機11、21に、同一の形式の圧縮機構を採用してもよいし、異なる形式の圧縮機構を採用してもよい。
(4)上述の実施形態では、エジェクタ13としてノズル部13aの絞り通路面積が固定された固定式のエジェクタ13を採用しているが、ノズル部の絞り通路面積を変更可能に構成された可変エジェクタを採用してもよい。また、上述の各実施形態では、高圧側減圧手段として、高圧側固定絞り12を採用しているが、もちろん、可変絞り機構を採用してもよい。
(5)上述の実施形態では、冷媒として通常のフロン系冷媒を採用した例を説明したが、冷媒の種類はこれに限定されない。例えば、炭化水素系冷媒、二酸化炭素等を用いてもよい。さらに、本発明のエジェクタ式冷凍サイクルを、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超える超臨界冷凍サイクルとして構成してもよい。
さらに、超臨界冷凍サイクルを構成する場合、高圧側減圧手段として、放熱器として機能する熱交換器の出口側冷媒温度に基づいてCOPが略最大となるように決定される目標高圧に調整する圧力制御弁を採用してもよい。
このような圧力制御弁としては、具体的に、放熱器として機能する熱交換器出口側に設けられた感温部を有し、この感温部の内部に放熱器として機能する熱交換器出口側冷媒の温度に対応した圧力を発生させ、感温部の内圧と放熱器として機能する熱交換器出口側の冷媒圧力とのバランスで弁開度を機械的機構により調整する構成を採用できる。
(6)上述の各実施形態では、冷媒流路切替手段として、電気式四方弁31、第1〜第3電気式三方弁32〜34を採用した例を説明したが、冷媒流路切替手段は、これに限定されない。
例えば、図3(a)に示すように、電気式四方弁31の代わりに、2つの電気式三方弁31aを組み合わせて構成してもよいし、図3(b)に示すように、4つの開閉弁(電磁弁)31bを組み合わせて構成してもよい。また、図4(a)に示すように、第1〜第3電気式三方弁32〜34の代わりに、3つの開閉弁(電磁弁)32bを組み合わせて構成してもよい。
(7)上述の実施形態では、高圧側減圧手段および低圧側減圧手段として、固定絞りを採用しているが、高圧側減圧手段および低圧側減圧手段として、冷媒を体積膨張させて減圧させるとともに、冷媒の圧力エネルギを機械的エネルギに変換して出力する膨張機を採用してもよい。
このような膨張機としては、具体的に、スクロール型、ベーン型、ローリングピストン型といった容積型圧縮手段を採用できる。そして、容積型圧縮手段を圧縮手段として用いる場合の冷媒流れに対して逆流させるように冷媒を流すことで、冷媒を体積膨張させて減圧させながら、機械的エネルギを出力させることができる。
(8)上述の各実施形態では、本発明のエジェクタ式冷凍サイクル100を冷温保存庫に適用した例を説明したが、本発明の適用はこれに限定されない。例えば、エジェクタ式冷凍サイクルを、空調装置、その他の定置型の冷凍サイクル装置、車両用冷凍サイクル装置等に適用してもよい。
11、21 第1、第2圧縮機
11a、21a 第1、第2圧縮機構
11b、21b 第1、第2電動モータ
12 高圧側固定絞り
13 エジェクタ
13a ノズル部
13b 冷媒吸引口
13d ディフューザ部
14 アキュムレータ
15 低圧側固定絞り
31 電気式四方弁
32〜34 第1〜第3電気式三方弁
41 室外熱交換器
51 利用側熱交換器

Claims (5)

  1. 冷媒を圧縮して吐出する第1、第2圧縮機構(11a、21a)と、
    冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器(41)と、
    冷媒と熱交換対象流体とを熱交換させる利用側熱交換器(51)と、
    冷媒を減圧膨張させるノズル部(13a)から噴射する高速度の噴射冷媒の流れによって冷媒吸引口(13b)から冷媒を吸引して、前記噴射冷媒と前記冷媒吸引口(13b)から吸引された吸引冷媒との混合冷媒をディフューザ部(13d)にて昇圧するエジェクタ(13)と、
    冷媒を減圧膨張させる高圧側減圧手段(12)と、
    前記ディフューザ部(13d)から流出した冷媒あるいは前記高圧側減圧手段(12)から流出した冷媒の気液を分離して、分離された気相冷媒を前記第1圧縮機構(11a)吸入口側へ流出させる気液分離器(14)と、
    前記気液分離器(14)にて分離された液相冷媒を減圧膨張させる低圧側減圧手段(15)と、
    前記熱交換対象流体を冷却する冷却運転モードの冷媒流路、および、前記熱交換対象流体を加熱する加熱運転モードの冷媒流路を切り替える冷媒流路切替手段(31、32、33、34)とを備え、
    前記冷媒流路切替手段(31〜34)は、
    前記冷却運転モードおよび前記加熱運転モードのうち一方の運転モード時に、前記室外熱交換器(41)および前記利用側熱交換器(51)のうち前記第1圧縮機構(11a)吐出冷媒を放熱させる熱交換器から流出した冷媒を、前記ノズル部(13a)へ流入させるとともに、前記室外熱交換器(41)および前記利用側熱交換器(51)のうち前記低圧側減圧手段(15)流出冷媒を蒸発させる熱交換器から流出した冷媒を、前記第2圧縮機構(21a)に吸入させて前記冷媒吸引口(13b)側へ吐出させる冷媒流路に切り替え、
    前記冷却運転モードおよび前記加熱運転モードのうち他方の運転モード時に、前記室外熱交換器(41)および前記利用側熱交換器(51)のうち前記第1圧縮機構(11a)吐出冷媒を放熱させる熱交換器から流出した冷媒を、前記高圧側減圧手段(12)へ流入させるとともに、前記室外熱交換器(41)および前記利用側熱交換器(51)のうち前記低圧側減圧手段(15)流出冷媒を蒸発させる熱交換器から流出した冷媒を、前記第2圧縮機構(21a)に吸入させて前記第1圧縮機構(11a)吸入口側へ吐出させる冷媒流路に切り替えることを特徴とするエジェクタ式冷凍サイクル。
  2. さらに、前記冷媒流路切替手段(31〜34)は、
    前記冷却運転モード時に、前記第1圧縮機構(11a)吐出冷媒を前記室外熱交換器(41)へ流入させて放熱させるとともに、前記低圧側減圧手段(15)流出冷媒を前記利用側熱交換器(51)へ流入させて蒸発させる冷媒流路に切り替え、
    前記加熱運転モード時に、前記第1圧縮機構(11a)吐出冷媒を前記利用側熱交換器(51)へ流入させて放熱させるとともに、前記低圧側減圧手段(15)流出冷媒を前記室外熱交換器(41)へ流入させて蒸発させる冷媒流路に切り替えることを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  3. 前記第1圧縮機構(11a)の冷媒吐出能力を変更する第1吐出能力変更手段(11b)と、
    前記第2圧縮機構(21a)の冷媒吐出能力を変更する第2吐出能力変更手段(21b)とを備え、
    前記第1吐出能力変更手段(11b)および前記第2吐出能力変更手段(21b)は、それぞれ独立して前記第1圧縮機構(11a)および前記第2圧縮機構(21a)の冷媒吐出能力を変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  4. 前記第1圧縮機構(11a)および前記第2圧縮機構(21a)は、同一のハウジング内に収容されて、一体的に構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  5. 前記第1圧縮機構(11a)は、冷媒を臨界圧力以上となるまで昇圧させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
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