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JP4849549B2 - 無線式センサシステム、生体の健康管理システム - Google Patents
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JP4849549B2 - 無線式センサシステム、生体の健康管理システム - Google Patents

無線式センサシステム、生体の健康管理システム Download PDF

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Description

本発明は、無線式センサシステム、生体の健康管理システムに関する。
近年、無線による通信技術、送受信デバイスの進化に伴い、無線を用いた各種のシステムが用いられている。
このようなシステムを用い、各種の動物の生態を観察あるいは監視することも行われている。動物の生態を調べる従来の方法としては、GPS端末による渡り鳥の位置探査や、牛の歩行頻度から発情期を検出する試みが知られている。
我が国におけるBSE発生や鳥インフルエンザ流行などを契機に、最近「食の安全」に対する関心が急速に高まっている。このような食用に供する動物の健康管理は、オフラインのバイオ的検査手法が主に開発されてきた。しかしこれらの方法では、検査を迅速に行うことができず、かつ高コストであり、一般に普及させることができるものではなかった。そこで、このような動物の健康管理を、動物にセンサを装着し、無線によりセンサからの情報を収集することで行えないか、という検討が行われつつある。
このような動物の健康管理を、無線を用いて行うシステムでは、課題の一つとして、測定対象に取り付けた状態でのセンサの電源の確保がある。また、センサにおける測定値はアナログデータであり、これを無線で送信するためにはデジタルデータに変換する必要がある。このためのA/Dコンバータによっても電力が消費される。
このような無線式のセンサにおいて、消費電力を抑え、センサを使用できる期間を少しでも長期化するための様々な工夫がこれまでにもなされている。(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−98398号公報
しかしながら、センサを、動物等の生体に装着するような用途の場合、外部から電力を供給したり、バッテリに充電を行うのは困難であるうえ、電源を含めたセンサ全体を小型化・軽量化する必要があるために、大型のバッテリ等を備えることもできない。したがって、このような用途においては、消費電力をさらに抑える必要性がある。
従来の無線センサ技術においては、親機を介さず、子機同士で直接通信を行うアドホック方式が採用されている。しかし、アドホック方式の通信においては、個々の端末が非同期に通信を行うため、各端末は常に受信状態でないと通信が成立せず、消費電力を抑えるのが難しい。
また、一般にはセンサで検出した温度データを、一定時間ごとに間欠的に送信しているが、変化に対する応答性を高めるには、より細かい時間間隔で測定を行って測定データを送信せざるを得ず、その結果、消費電力が大きくならざるを得ない。また、間欠的に温度の検出・送信を行う場合、状態変化の有無に関わらず、検出した測定データを送信するため、いわば、無駄なデータ送信を行っているとも言え、消費電力を抑える余地がある。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、省電力化を図ることのできる無線式センサシステム等を提供することを目的とする。
上記のような課題を解決すべくなされた本発明の無線式センサシステムは、物理量を測定するとともに、測定した測定データを含む電文を無線により送信する複数個のセンサと、センサからの電文を受信するコントローラとからなる無線式センサシステムであって、コントローラは、センサに対し電力を供給するための電波を電波発生源に送信させるとともに、電波発生源から複数のセンサに対して送信する電波を停止させることで、センサに対するコマンドを電波に含ませることを特徴とする。
このように、センサに対して電力を供給するために送信する電波に、センサに所定の動作を行わせるコマンドを送ることで、センサ側においては、電波が停止したタイミング、長さ等に応じ、センサ側では受信したコマンドを認識することができる。ここで、センサ側においては、電力供給のための電波を受信するための構成と、測定データを含む電文を送信するための構成を備えれば良い。つまり、コントローラからのコマンドは、電力供給のための電波を受信するためのアンテナ等の構成で受けることができるため、コマンドを受けるために待機電力を要することもなく、消費電力を抑えることができる。
コントローラにおいて、電力を供給するための電波に含ませるコマンドはいかなるものであっても良い。
例えば、複数個のセンサで、コントローラへの電文の送信を、予めそれぞれのセンサに個別に割り振られた時間帯に行う場合、複数のセンサのそれぞれにおいて、電文を送信するために割り振られた時間帯の時刻補正を行うためのコマンドとすることができる。このようにして、複数のセンサのそれぞれにおいてコマンドに基づいて時刻補正を行えば、予めそれぞれのセンサに個別に割り振られた時間帯にコントローラへの電文の送信を行うときに、他のセンサからの電文送信とタイミングが干渉するのを防ぐことができる。
予めそれぞれのセンサに個別に割り振られた時間帯にセンサからコントローラへの電文の送信を行うことで、コントローラ側からセンサに対し、電文送信を要求する必要もなく、センサ側では、この電文送信要求を受けるための待機電力も不要となる。
また、コントローラ側からセンサに対して電文送信を要求する構成とする場合にも、そのためのコマンドを、センサに電力を供給するための電波に含ませればよい。
また、コントローラで、複数のセンサのそれぞれから送信された電文を検証するようにし、検証した電文に誤りがあったときには、電文を送信したセンサに対し、電文の再送信を要求するコマンドを、前記の電波に含ませることもできる。
このような無線式センサシステムは、いかなる用途に用いても良いが、動物等の生体の健康管理を行うシステムに用いるのに適している。
本発明者らは、生体の健康管理を行うのに、加速度・傾斜・温度・血流・血圧・脈拍等の物理量測定を行うセンサを管理対象となる生体に装着し、センサから送信された測定結果のデータに基づいて生体の行動状態を判定することで、生体の健康状態を判定する技術を開発した。
このような技術においては、MEMS技術により、物理センサや通信装置等を超小型のチップに収めることができる。このようなチップを多数の管理生体に装着してデータを逐次的に収集し、コンピュータを用いてデータを解析することで、多数の管理生体を一括して管理することができるのである。
このようなシステムに本発明の無線式センサシステムを適用する場合、以下に示すような構成となる。
すなわち、生体の健康管理を行うシステムであって、管理を行う複数の生体にそれぞれ装着されて所定の物理量を測定するとともに、測定した測定データを含む電文を無線により送信する複数個のセンサと、センサからの電文を受信するコントローラと、センサに対し電力を供給するための電波を送信する電波発生源と、コントローラで受信した電文に含まれる測定データに基づいて、生体の健康状態に異常が生じているか否かの判定を行う制御装置と、を備え、コントローラは、電波発生源から複数のセンサに対して送信する電波を停止させることで、センサに対するコマンドを電波に含ませることを特徴とした構成である。
ここで、用いるセンサは、いかなる構成としても良いが、測定データ量、データの送信頻度を抑えて消費電力を抑えるためには、例えば以下のような構成の加速度センサ、温度センサとするのが好ましい。
加速度センサとしては、加速度に応じて変形する変形部材と、変形部材の表面に形成され、変形部材の変形に応じて電荷を発生する圧電材料部と、圧電材料部で発生した電荷量に応じて得られる電圧が印加され、印加された電圧が予め定めた設定電圧を超えたときに信号を発する信号処理回路と、を備える。そして、圧電材料部は互いに電気的に直列に接続されて複数が備えられる。さらに、信号処理回路は複数が備えられて、直列に接続された複数の圧電材料部のうち、互いに異なる少なくとも2つの圧電材料部に接続されている。そして、複数の信号処理回路のそれぞれにおいては、その信号処理回路が接続された圧電材料部から、基準電位との間に直列に接続されている圧電材料部の数に応じて生じる電圧が印加されるようになっている。ここで、圧電材料部としては、圧電薄膜、圧電厚膜の他、圧電体をバルク接合するもの等があり得る。
このような加速度センサにおいては、加速度が作用すると変形部材が変形し、これにともない圧電材料部がその変形量に応じた電荷を発生する。そして、この圧電材料部は複数が電気的に直列に接続されているので、接地側からの配置(順番)によって、基準電位との間に直列に接続されている圧電材料部の数に応じて生じる電圧が、圧電材料部ごとに異なることになる。信号処理回路に圧電材料部から印加された電圧が設定電圧を超えた場合、信号処理回路は信号を発するが、この信号を発した信号処理回路を認識することで、作用した加速度の程度を得ることができる。つまり、複数の信号処理回路から発する信号に基づいて、加速度をデジタル的に測定することができるのである。
このような加速度センサにおいては、複数の信号処理回路からの信号を、電気的な接続を介して出力することもできるし、無線等の通信を介して出力すること、メモリ回路等に蓄積すること等が可能である。
また、温度センサとしては、本発明者らは、バイメタル構造を利用した温度スイッチに注目している。バイメタル構造を利用した温度スイッチは、素子自体の消費電力はゼロであり、また出力もON/OFFの電気的スイッチとなるため、直接デジタル信号として読み出すことが可能であり、読み出しに必要な電力は最小限とすることができる。しかし、バイメタル温度スイッチは、単体では、ある特定の温度で動作するスイッチであるため、広範囲の温度領域内における連続的な温度変化の検出には使用できない。
そこで、線膨張率の互いに異なる2種類の材料を積層してなるバイメタル式のカンチレバーと、カンチレバーの先端部に間隙を隔てて対向する電気接点部材と、カンチレバーまたは電気接点部材に電圧を印加する電圧印加部と、温度変化に応じて変形したカンチレバーが電気接点部材に対して接触または離間したときの電圧変動を検出する検出回路と、を複数組備え、複数組のカンチレバーの長さまたはカンチレバーの先端部と電気接点部材との間隙が、互いに異なるよう形成されていることを特徴とした温度センサを用いるのが好ましい。
このように、複数組間において、複数組のカンチレバーの長さまたはカンチレバーの先端部と電気接点部材との間隙を、互いに異ならせておくと、温度変化に応じてバイメタル式のカンチレバーが変形したとき、カンチレバーの先端部と電気接点部材とが接触するタイミングが異なる。カンチレバーが長いほど、カンチレバーの先端部と電気接点部材の間隙が狭いほど、少ない温度変化で接触する。このようにして、各組間における、カンチレバーの長さの差、またはカンチレバーの先端部と電気接点部材との間隙の差に応じて決まる温度ピッチに相当する温度変化が生じたときに、複数組のカンチレバーと電気接点部材との接触状態が変化し、検出回路では、その接触(または離間)を電圧変動により検出することができる。これにより、複数組のカンチレバーを用いることで広い温度範囲における温度検出を、デジタル的に行うことができる。
そこで、このような温度センサに、複数の検出回路から発する信号に基づいて、温度をデジタル的に測定する測定制御回路をさらに備えることもできる。
ところで、カンチレバーは、少なくとも電気接点部材に対向する側の層を導電性材料で形成するのが好ましい。
カンチレバーの電気接点部材に対向する側の層を非導電性材料で形成する場合、カンチレバーの電気接点部材に対向する側の面に、導電性材料からなり、温度変形に応じてカンチレバーが変形したときに電気接点部材に対して導通する配線等の導通部材を設けるのが好ましい。
また、電圧印加部は電源から給電されるコンデンサとすることができる。このような構成においては、常時電圧を印加する必要がなく、カンチレバーが電気接点部材に接触したときにコンデンサが放電し、これによって電圧変化を検出回路で検出することができる。そして、コンデンサが放電したときには、給電制御回路において、コンデンサへの電源からの給電が行われるようにすれば良い。
本発明によれば、電力を供給するための電波を用いてセンサにコマンドを送り、各センサの時刻補正を行って各センサからデータを送信するタイミングを同期させたり、各センサからのデータ送信に誤りがあった場合にデータの再送信の要求を行うようにした。これにより、各センサからのデータの送信を円滑・確実に行うことができ、各センサ側においては、これらのコマンドを受信するために待機電力を費やす必要もなく、消費電力を抑えることができる。
また、このような生体の健康管理システムにおいては、消費電力を抑えることでセンサのロングライフ化を図ることができる。このとき、その管理対象となる生体の種類を限定する意図はないが、特に行動のコントロールが困難な動物等を対象として健康管理を行う用途に特に適している。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1は、本発明による鳥インフルエンザ監視システム(生体の健康管理システム)100を概念的に描いた図である。
図1に示すように、鳥インフルエンザ監視システム100は、管理区域110内で管理される鳥(生体)に装着されるセンサ120、管理区域110内をカバーするように1つ又は複数個設置される中継局(電波発生源)130、管理区域110内に設置される全ての中継局130を集中制御する中継局コントローラ(コントローラ)140、送受信装置150、制御装置160などから構成される。
管理区域110は、本実施の形態においては、鳥舎等、鳥を飼育するために設けられたものである。鳥インフルエンザの監視以外に本発明を適用する場合、この管理区域110は、牧場などのような屋外区域である場合もあれば、牛舎などの屋内区域である場合もあり、或いは動物園内の各動物舎としたり、自然公園全体などとすることもできる。さらには、人間を対象とした場合においても、本発明の構成を適用することができる。
管理区域110内においては、センサ120と中継局130との間は無線により通信が行われる。このため、管理区域110は、中継局130がセンサ120からの信号を直接又は間接に取得し得る領域である。従って、管理区域110を広くする場合には、センサ120の無線通信の出力を上げるか、中継局130の数を増やせばよい。1つの中継局130によって、半径数10mの領域をカバーできることが好ましい。このようなセンサ120と中継局130との間における通信方式として、IEEE802.11xの無線LAN、PHS(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、UWB等の規格があるが、消費電力と通信距離のバランスを考えると、現在ではZigBee(登録商標)が好適な方式といえる。むろん、他の方式を用いても構わない。
センサ120は、鳥の姿勢や行動、バイタルサインなどを検出するセンサ群と、検出処理回路、通信回路、電源およびパワーマネージメントデバイスを高密度集積化した、鳥の健康状態をモニタするためのシステムインパッケージである。
このセンサ120における測定データは無線により送信される。送信された測定データは中継局130によって受信され、さらに、中継局コントローラ140に転送される。
中継局130と中継局コントローラ140とは、無線又は有線のイーサネット(登録商標)で接続されることができる。中継局コントローラ140は、管理区域110に設置される中継局130のみならず、他の管理区域112や114の中継局も制御し、これらの中継局で受信されたセンサ120のデータを集めて送受信装置150へと転送する。さらに、中継局コントローラ140には、中継局130からのデータを集めることの他に、管理区域110に設置される全ての中継局130へIPアドレス等の識別標識を付与したり、制御装置160から個々のセンサ120に与えられる命令の伝達を媒介したりする機能を付加することができる。別の実施態様において、複数の中継局130によってメッシュネットワークを形成する場合には、中継局コントローラ140は、中継局130間のハンドオーバの制御も行うように構成されることができる。
送受信装置150は、イーサネット(登録商標)・インターネット・電話回線・無線電話ネットワーク・などを通じて、センサ120の測定データを制御装置160へと送信する。
制御装置160は、ハードウエア的にはコンピュータ装置であり、必要な機能を備えたソフトウエアを汎用のコンピュータにインストールすることで、製造することができる。このため制御装置160の多くの機能は、一般的なコンピュータが備えている、CPUやメモリ、ネットワークアダプタ、モデム等のハードウエアと、ソフトウエアとの協働によって実現されている。
この制御装置160は、センサ120から送信された測定データを判定することで、鳥インフルエンザの発生の有無を監視している。そして、センサ120から送信された測定データが、鳥インフルエンザの発生を示すものであると判定された場合には、その判定結果、すなわち鳥インフルエンザが発生したことを表す情報を、アラームの出力、印刷物のプリントアウト、予めインプットされた送付先への電子メールの送信等によって出力することもできる。制御装置160は管理区域110の近辺に設置されていてもよいが、全く離れた遠隔地に設置されていても良い。
鳥インフルエンザ監視システム100においては、管理動物にセンサ120を装着して無線で監視することにより、鳥の行動を妨げることなく、多数の鳥の行動を低コスト且つオンラインでモニタリングすることが可能となる。これによって管理対象となる鳥の健康状態を容易に把握し、感染症の発生などの非常事態も迅速に発見することができる。
次に、図2を用いてセンサ120の構成について説明する。
図2に示すように、センサ120は、例えば、薄帯状のフィルム基板上に、所定の物理量を測定する物理量センサ210と、センサ120として所定の動作を行うように各部をコントロールするための回路が構成されたセンサ制御部220と、センサ120の動作に必要な電力を蓄えるコンデンサ部230と、中継局130との間で電波の送受信を行うための通信制御を行うための通信制御部240と、アンテナ250を、薄帯状(フィルム状)の基板上に実装した超小型ネットワークセンサチップである。
このようなセンサ120は、最先端の超高密度実装技術およびMEMS加工技術を駆使すると共に、センサ機能を絞り込むことにより、超小型なものとする。一つの例では、3cm角アンテナFPC上の真ん中1cm角領域に3次元積層チップ(5mm以下)を搭載したシステムインパッケージにより超小型センサチップを製造する。
物理量センサ210は、加速度・傾斜・温度・血流・血圧・脈拍のうち、少なくとも1つ以上を測定するような物理量センシングチップである。本実施の形態においては、物理量センサ210として、加速度センサ210Aと、温度センサ210Tとが備えられている。
本実施の形態のセンサ120においては、加速度センサ210Aや温度センサ210Tで検出した加速度情報や温度情報を含むセンサ情報を、逐次中継局130に送信するのではなく、送信頻度、送信データ量を抑えることで消費電力を低減できるような構成とすることができる。
センサ制御部220は、具体的にはICとメモリとから構成されるもので、物理量センサ210から信号を受け取ったときに、所定の処理を行うイベントドリブン回路を備えている。ここで、所定の処理としては、物理量センサ210から受け取った信号の内容をメモリに蓄積する、というものがある。
さらに、本実施の形態において、センサ120は、中継局コントローラ140のコントロールに基づいて中継局130から送信される電波をアンテナ250で受信することで誘導起電力により電力を発生し、この電力をコンデンサ部230に蓄えるようになっている。このため、センサ制御部220は、アンテナ250で受信した電波を直流電流に変換するRF−DC変換回路と、RF−DC変換回路で変換した直流電流によって電力をコンデンサ部230に蓄える充電回路と、を備えている。このように、センサ120が電源を搭載して自らの電力で通信を行うアクティブセンサであるため、RF−IDのようにリーダによるスキャンを必要とせず、その行動を制御することが決して容易ではない鳥の管理に適している。
通信制御を担う通信制御部240は、物理量センサ210による測定データを含む電文を送信するための超小型の無線通信機としての機能を発揮するものであり、通信制御回路を有した制御チップと、送受信する電波のインピーダンスを整合するインピーダンス整合回路とを有する。ここで、制御チップは、独自の識別子を持つように構成され、物理量センサ210によるセンサ情報を送信する際には、当該識別子を共に送信するように構成される。
図3は、物理量センサ210において、加速度を検出するための加速度センサ210Aの構成を示す図である。
この図3に示すように、加速度センサ210Aは、加速度センサ210Aに作用した加速度に応じて変形する変形部材211と、変形部材211の変形に応じて電荷を発生する圧電材料部212と、圧電材料部212で発生した電荷量に応じて得られる電圧が印加される信号処理回路213とを備えている。
ここで変形部材211としては、例えばカンチレバー211aと錘211bとからなるカンチレバー式のものを用いることができる。カンチレバー式の変形部材211においては、加速度が作用すると、錘211bの質量が加わっているカンチレバー211aが、作用した加速度に応じた変形量で撓み変形する。このような変形部材211としては、カンチレバー式に限らず、ダイヤフラム式等、他のタイプのものを採用しても良い。他のタイプとしては、例えば、複数本のカンチレバーに錘が支持された構造のもの(Journal of Micromechanics and Microengineering, vol. 10, (2000) 322-328参照。)等がある。
圧電材料部212は、変形部材211の表面に形成された圧電薄膜からなる。このような圧電薄膜を形成する材料としては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)材料のほか、BaTiO、ZnO、AlN、水晶、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の周知の圧電材料を用いることが可能である。このような圧電材料部212は、作用した加速度に応じて変形部材211が変形すると、その変形量に応じた電荷を発生する。つまり、作用した加速度が大きいほど、圧電材料部212では大きな電荷を発生する。発生した電荷と、圧電材料部212における負荷容量によって、圧電材料部212で得られる電圧が決まる。
ここで、圧電材料部212は、カンチレバー211aを例えばSi系材料等で形成するのであれば、その表面に所定の圧電材料からなる薄膜を形成すればよいし、また、カンチレバー211a自体を圧電材料で形成し、カンチレバー211aそのものを圧電材料部212とすることも可能である。
なお、圧電材料部212は、圧電薄膜の他、圧電厚膜や、圧電体をバルク接合するもの等を採用することが可能である。
このような圧電材料部212を備えた変形部材211は、加速度センサ210Aにおいて、圧電材料部212どうしが電気的に直列に接続されて複数が備えられ、その一端側は電気的に接地されている。
信号処理回路213は、図3に示すような回路構成を有したMoS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである。この信号処理回路213は、センサ制御部220を構成するIC中に設けることができる。
このような信号処理回路213は、図3に示すように、直列に接続された変形部材211に対し、複数が、互いに異なる変形部材211に接続されている。ここで、信号処理回路213は、直列に接続された変形部材211の数よりも少なくても良いし、全ての変形部材211に接続するようにしても良い。本実施の形態においては、例えば40個の変形部材211を直列接続して設け、このうち予め抽出・選定された位置の4個の変形部材211に信号処理回路213が接続されている。
信号処理回路213のゲートには、その信号処理回路213が接続された変形部材211の圧電材料部212からの電圧が印加される。ここで、変形部材211の圧電材料部212は、直列に接続されているため、接地側からn番目の変形部材211に接続された信号処理回路213には、基準電位との電位差として、接地側からn個の圧電材料部212で発生した電圧Vの総和(n×V)が印加される。
ここで、各信号処理回路213においては、トランジスタがONに切り替わる電圧は予め設定されている。つまり印加された電圧が設定電圧を上回れば信号処理回路213はONとなる。
信号処理回路213が接続されたセンサ制御部220においては、信号処理回路213からの信号がOFFからON、あるいはONからOFFに切り替わると、OFFからON、あるいはONからOFFに切り替わったこと、およびその時刻情報をメモリに記憶させ、所定のタイミングで、記憶したそれらの情報を、中継局130を介して制御装置160に送信するようになっている。
加速度センサ210Aに加速度が作用した場合、個々の変形部材211は同様に変形するので、それぞれの圧電材料部212からは同じ電圧が印加される。このとき、接地側に近い変形部材211に接続された信号処理回路213においては、接地側から接続されている圧電材料部212の数が少ないので、印加される電圧も小さい。これに対し、接地側から離れた変形部材211に接続された信号処理回路213においては、接地側から接続されている圧電材料部212の数が多いので、印加される電圧は大きくなる。
このような構成により、作用した加速度によって印加される電圧は異なるので、どの信号処理回路213がONとなったかを認識することで、加速度をデジタル的に決定することができる。つまり、各信号処理回路213がスイッチのような機能を担っているのである。
例えば、本発明者らの研究により、鳥の動作によって生じる加速度は、睡眠時0.05g、徘徊0.2g、食事中0.5g、身震い時1gであることが分かっている。
変形部材211に設けられた圧電材料部212における感度を例えば1.1mV/gとすると、センサ120を鳥に取り付けた場合、前記のそれぞれの動作によって、個々の変形部材211の圧電材料部212での電圧の出力は、表1に示すように、0.055mV、0.22mV、0.55mV、1.1mVとなる。
そして、加速度センサ210Aにおいて、圧電材料部212を備えた変形部材211を例えば40個直列に接続して備え、接地側からn=3個目、10個目、15個目、40個目の変形部材211に信号処理回路213を備えた場合、鳥の動作に応じて印加される電圧は表1の通りとなる。
それぞれの信号処理回路213においてONとなる電圧を2mVに設定すると、鳥の動作に応じてONとなる信号処理回路213は、表1の通りとなる。すなわち、睡眠時にはn=40番目の変形部材211に取り付けられた信号処理回路213(n=40)のみがONとなる。徘徊時にはn=15、40番目の変形部材211に取り付けられた信号処理回路213(n=15)、213(n=40)がONとなり、食事時にはn=10、15、40番目の変形部材211に取り付けられた信号処理回路213(n=10)、213(n=15)、213(n=40)がONとなる。そして、身震い時には、n=3、10、15、40番目の変形部材211に取り付けられた全ての信号処理回路213(n=3)、213(n=10)、213(n=15)、213(n=40)がONとなる。
このようにして、加速度センサ210Aにおいては、ONとなる信号処理回路213の数に応じ、加速度のレベルをデジタル的に得ることが可能となる。例えば、表1に示したように、信号処理回路213(n=40)がONとなった場合をレベル1、信号処理回路213(n=15)、213(n=40)がONとなった場合をレベル2、信号処理回路213(n=10)、213(n=15)、213(n=40)がONとなった場合をレベル3、信号処理回路213(n=3)、213(n=10)、213(n=15)、213(n=40)がONとなった場合をレベル4とすることができる。
図4は、鳥の行動が、例えば、徘徊を15分間、食事を10分間、睡眠を30分、身震いを5分という順であった場合の、個々の信号処理回路213に印加される電圧の経時的な変位を示すものである。このようにすると、鳥の状態に異常が発生していると判断できる動作である身震いを始めたときに、信号処理回路213(n=3)、213(n=10)、213(n=15)、213(n=40)がONとなり、センサ制御部220においては、加速度レベルがレベル4であると決定することができる。
センサ120においては、温度センサ210Tで検出した温度が、予め設定した範囲から逸脱し、鳥の状態に異常が発生していると判断できる値であったときにセンサ情報を送信するようになっている。つまり、センサ制御部220において加速度レベルがレベル4であったときに、センサ120では、検出された加速度レベルがレベル4であることを示す信号を送信する。
制御装置160においては、センサ120から、加速度レベルがレベル4であることを示す信号を受け取ると、管理区域110内において、鳥の体調に異常が生じたと判定することが可能となる。
この場合、信号処理回路213(n=3)、213(n=10)、213(n=15)、213(n=40)の全てを監視しても良いが、センサ制御部220においては、身震いの場合のみにONとなる信号処理回路213(n=3)を監視するようにしても良い。
このような加速度センサ210Aにおいては、作用した加速度によって、圧電材料からなる圧電材料部212が直接電荷を発生させるため、待機中の消費電力がほぼ0である。
また、変形部材211に備えた圧電材料部212を直列に備えることで、加速度が作用したときの発電量を高めることができるので、この加速度センサ210Aを高感度なものとすることができる。
さらに、このような加速度センサ210Aは、MEMS技術によって小型に形成することができ、また消費電力を抑えることでバッテリ等を廃し、軽量化を図ることが可能となる。
ここで、もちろん、上記に挙げた圧電材料部212における感度や変形部材211の数、信号処理回路213においてONとなる設定電圧等は一例に過ぎず、適宜変更することが可能である。直列に接続して設ける圧電材料部212を備えた変形部材211の数、信号処理回路213の接続位置、信号処理回路213における設定電圧等を変更することで、鳥以外にも、様々な加速度を測定することが可能となる。このときも個々の変形部材211、圧電材料部212、信号処理回路213自体は共通に用いることができるので、用途に応じて設計変更を行うのみでよく、汎用性、応用性の高いデバイス構成であると言える。
図5は、物理量センサ210において、温度を検出するための温度センサ210Tの構成を示す図である。
この図5に示すように、温度センサ210Tは、複数のバイメタルカンチレバーセンサ221を備えている。
バイメタルカンチレバーセンサ221は、高線膨張率材料222aと低線膨張率材料222bとが接合あるいは積層された状態のバイメタル材からなるレバー(カンチレバー)222が、その基端部222cのみがベース223に固定されて片持ち梁状に支持された構成となっている。このレバー222と対向するように、導電材料からなる電気接点部材224が、予め定めたギャップを有して配置されている。
レバー222を構成する高線膨張率材料222aとしては、例えば、Al(α=23.1E−6/℃)、Au(α=14.2E−6/℃)、Ni(α=13.4E−6/℃)などが利用できる。低線膨張率材料222bとしては、例えば、W(α=4.5E−6/℃)、Mo(α=5.5E−6/℃)、インバー合金(α=0.1E−6/℃)、シリコン(α=2.5E−6/℃)、シリコン酸化物(α=0.5E−6/℃)、シリコン窒化物(α=3E−6/℃)等を用いることができる。
このようなバイメタル材からなるレバー222は、高線膨張率材料222aと低線膨張率材料222bの線膨張率の違いから、温度の変化に応じて基端部222cを中心として撓み変形し、その先端部222dが電気接点部材224に対し接近・離間する方向に移動し、所定の温度に達すると、先端部222dが電気接点部材224に接触するようになっている。
ここで、室温より高い温度の測定では通常、低線膨張率材料222bが、電気接点部材224に対向するように設けられ、電気接点部材224に対する電気接点を構成する。このため、低線膨張率材料222bは、導電性を有する材料で形成する必要がある。低線膨張率材料222bとして金属以外の材料を使う場合は、レバー222の低線膨張率材料222b側の表面に、導電性材料からなる配線等の導通部材を付加する必要がある。
複数備えられたバイメタルカンチレバーセンサ221においては、レバー222の長さが互いに異なるように形成されている。各バイメタルカンチレバーセンサ221間において、レバー222を構成する高線膨張率材料222a、低線膨張率材料222bの材質が共通であれば、レバー222は、基端部222cからの距離が同じ位置であれば、温度変化に応じて同一の曲率半径で撓み変形する。このとき、各バイメタルカンチレバーセンサ221間において、レバー222の長さが互いに異なるので、長いレバー222ほど、その先端部222dの変位が大きい。したがって、レバー222の長いバイメタルカンチレバーセンサ221ほど、先端部222dが電気接点部材224に早いタイミングで接触する。つまり、各バイメタルカンチレバーセンサ221においては、レバー222の長さに応じて、先端部222dが電気接点部材224に接触するタイミング、すなわち温度が決まっている。
ここで、後に詳述するが、各バイメタルカンチレバーセンサ221間におけるレバー222の長さの差は、温度をデジタル的に測定する際の測定ピッチ、言い換えれば測定最小単位によって定まる。これに伴い、各バイメタルカンチレバーセンサ221間におけるレバー222の長さは、一定寸法ピッチで設けるのが好ましい。なお、レバー222の長さは一定にし、レバー222と電気接点部材224の間隙を、複数のバイメタルカンチレバーセンサ221間で異ならせるようにすることも可能である。
各バイメタルカンチレバーセンサ221は、電気接点部材224に電圧が印加され、レバー222側は接地されている。
各バイメタルカンチレバーセンサ221には、信号処理回路225が接続されている。この信号処理回路225においては、電気接点部材224に、コンデンサ(電圧印加部)225aで蓄電している電圧を印加する。バイメタルカンチレバーセンサ221において、温度変化によってレバー222が変形して電気接点部材224に接触して導通が図られると、電圧が変化するので、これをF/F(Flip Flop)回路からなる検出回路225bで検出する。検出回路225bで検出される電圧が変動すると、検出回路225bからの出力信号は、OFFからON、あるいはONからOFFに切り替わる。
また、センサ制御部220においては、検出回路225bからの出力信号がOFFからONに切り替わったことを検出したとき、一定の待ち時間を経過した後(高温になった場合はON状態が持続するため、すぐに給電しないため。)レバー222と電気接点部材224の導通によって放電したコンデンサ225aに対し電源からの給電を一定時間だけ行うための給電制御信号を、電源に出力する。
このような信号処理回路225は、センサ制御部220を構成するIC中に形成することができる。
このような構成の温度センサ210Tにおいては、バイメタルカンチレバーセンサ221を複数組備え、レバー222の長さが複数段階に異なる長さとされている。これにより、温度が例えば上昇し、それぞれのバイメタルカンチレバーセンサ221のレバー222の長さによって決まる所定の温度に到達すると、レバー222が電気接点部材224に接触して信号処理回路225において検出回路225bからの出力信号がONとなる。これにより、センサ制御部220においては、例えば温度が連続的に上昇していくと、各組の信号処理回路225からは、レバー222の長い順にONの出力信号が順次出力されてくる。逆に、温度が低下していけば、電気接点部材224に接触していたレバー222が電気接点部材224から離れて、検出回路225bからの出力信号はOFFとなる。このため、センサ制御部220においては、例えば温度が連続的に下降していくと、各組の信号処理回路225からは、レバー222の短い順に、OFFの出力信号が順次出力されてくる。
ここで、センサ制御部220においては、検出回路225bからの信号がOFFからON、あるいはONからOFFに切り替わると、OFFからON、あるいはONからOFFに切り替わったこと、およびその時刻情報をメモリに記憶させ、所定のタイミングで、記憶したそれらの情報を、中継局130を介して制御装置160に送信するようになっている。
このような構成により、互いに長さの異なる複数のバイメタル式のレバー222の電気接点部材224への接触を、検出回路225bからの信号で検出することで、温度変化をデジタル的に測定することが可能となる。このとき、複数本のレバー222間におけるレバー222の長さの差を適切に設定することで、必要以上の最小単位・精度で温度を検出することもなく、消費電力を最小限に抑えた構成とすることができる。また、温度変化量が一定以上とならない限り、レバー222は電気接点部材224には接触せず、ON信号も出力されない。これにより、当然、信号を出力するための電力も抑えることができる。また、このようにして測定を行う結果、得られるデータは、温度変化が生じたときの温度と時刻情報である。つまり、温度変化が少なければ、無線で送出するデータ量も抑えることができ、これも省電力化につながる。
また、待機中においても、コンデンサ225aに蓄電しておき、レバー222が電気接点部材224に接触して放電した場合にコンデンサ225aへの給電を行うようになっているので、この点においても消費電力を抑えることができる。さらに、レバー222が電気接点部材224に接触・離間することで生じる電圧変動が、そのまま検出回路225bからの出力信号となるので、ダイレクトにデジタル信号を出力することができ、ADコンバータも不要である。
このような温度センサ210Tは、MEMS技術によって形成することができる。
これには、図6に示すように、シリコン基板260上に、犠牲層となるシリコン酸化膜261を堆積し、その上に高線膨張率材料222aとして厚さ0.5μmのNi(ヤング率200GPa、線膨張率13.4E−6/℃)膜262をスパッタあるいは蒸着によって作製する。さらにその上に低線膨張率材料222bとしてスパッタあるいは蒸着によって厚さ0.5μmのW(ヤング率345GPa、線膨張率4.5E−6/℃)膜263を形成し、バイメタル構造のレバー222を形成する。これらの膜はフォトリソグラフィー法とエッチングを使用して、μmレベルの精度で加工を行うことができる。長さ195μmから215μmのレバー222を、長さを1μmづつ変えて21個作製する。フォトリソグラフィーとエッチングを使うことで、これらの長さの異なる複数のレバー222は同時に製作できる。
次にHF水溶液によりエッチングすることで、バイメタル構造のレバー222の下方の部分のシリコン酸化膜261を除去し、レバー222が自由に動作できるようにする。WとNiはHFに溶解しないため、レバー222を選択的に残すことができる。
このレバー222の上面に深さ5μmの凹部264aを有したガラス板264を接合し、その内部には電気接点部材224を接合する。ガラス板264と電気接点部材224は、5μmの厚さの絶縁性のスペーサと電極を形成した基板の2層からなる構造を接合したものであっても良い。
このバイメタル式のレバー222は、低線膨張率材料222bからなるW膜263が電気接点部材224に対向しているため、温度が上昇すると電気接点部材224に向かって屈曲していく。ここで、2層の材料A(厚さta、ヤング率Ea、線膨張率αa)および材料B(厚さtb、ヤング率Eb、線膨張率αb)を重ね合わせて作製したバイメタルの一端を固定して長さLのカンチレバー構造とした場合、もう一端の温度変化ΔTによる変位yは、次式で表される。この式から、レバー222の先端部222dにおいて5μmの変位を作り出す温度差が計算できる。
数1を用い、上記した構成の温度センサ210Tにおいて、レバー222を長さ195〜215μmとしたときの計算結果を図7に示す。
室温(20℃)で曲がりのないレバー222が製造される場合、図7で示した温度差が発生すると、レバー222と電気接点部材224が接触してスイッチがONになる。例えば、長さ215μmのレバー222は室温に対して温度差16.51℃(実温度36.51℃)でスイッチがONとなる。長さの違う21本のレバー222で、実温度36.51℃〜40.07℃の温度範囲を、約0.2℃おきにカバーできる。これは、ちょうど人間の平熱から発熱時の対応に相当し、この温度センサ210Tを用いることで、人間の体温を0.2℃の精度(測定ピッチ)で測定することが可能となる。
このセンサ120を他の生体に使用する場合は、その生体の種類に応じた測定温度範囲で同様な設計を行えばよい。
このようにして、MEMS技術で温度センサ210Tを形成することで、温度センサ210Tを小型・軽量化することができる。しかも、長さが異なるレバー222等についても、一括で形成できるので、低コストで量産が可能である。このような温度センサ210Tを備えたセンサ120は、小型・軽量化を図ることを可能としつつも、省電力化を図ることが可能となる。
さて、このようなセンサ120は、前述したように、中継局130から送信される電波をアンテナ250で受信することで誘導起電力により電力を発生し、この電力をコンデンサ部230に蓄えるようになっている。そして、コンデンサ部230に蓄えた電力を用い、センサ120における測定データを含む電文は、無線により送信され、中継局130によって受信される。ここで、センサ120においては、通信制御部240において、送信する測定データとともに、このセンサ120の制御チップに付与された識別子等の情報を含んだ電文を作成して中継局130へと送信する。
また、センサ120への電力供給のために中継局130から送信される電波と、測定データを含む電文の転送のためにセンサ120から中継局130に送信される電波とは、その周波数が互いに異なるように設定されている。
ここで、一つの中継局130においては、その中継局130において無線通信が可能な範囲内に存在する複数のセンサ120に対し、電波による電力供給および測定データを含む電文の受信を行えるようになっている。
そして、各センサ120からは、予め個々のセンサ120に割り振られた所定の順序・タイミングで、測定データを含む電文の中継局130への送信を行うようになっている。ここで、中継局130から個々のセンサ120に対し、データ送信を要求するための通信を行うことも考えられるが、これでは、個々のセンサ120において、中継局130からの通信を受信するための待機電力が必要となってしまう。そこで、予め定められたタイミングで各センサ120から測定データを含む電文の送信を行うことで、待機電力を抑えよう、というのである。このようにするため、複数のセンサ120間で一つの中継局130に対する通信が干渉しないよう、各センサ120においては、時刻補正を行い、データ送信タイミングの誤差を抑える必要がある。
そこで、本発明においては、中継局コントローラ140においては、中継局130から各センサ120に対して電力供給のために送信している電波を用い、各センサ120における時刻補正を行うためのコマンドを送信する。すなわち、図8に示すように、中継局コントローラ140においては、中継局130から個々のセンサ120に対して電力供給のために送信している電波を、コマンドとして、一定時間ごとに停止させるのである。例えば、電波を1時間送信するごとに、電波の送信を0.01秒間停止するのである。
センサ120においては、中継局130からセンサ120に対して電力供給のために送信される電波をアンテナ250で受信するが、センサ制御部220においては、電波が停止したときに、内部クロック機能の時刻補正を行うようになっている。
このように時刻補正をすることで、多数のセンサ120を用いる場合にも、複数のセンサ120間でデータ送信のタイミングが重複するのを回避し、予め定められた順序・タイミングで個々のセンサ120から中継局130へと測定データを含む電文の送信を行うことができる。これにより、センサ120においては、自ら内蔵するクロック機能に基づいて所定のタイミングで中継局130への測定データ送信を行えばよく、待機電力を抑えることが可能となる。
また、各センサ120において、加速度センサ210Aや温度センサ210Tで測定した測定データを含む電文を中継局130に送信するとき、その送信タイミングは、前述したように、個々のセンサ120に割り振られた所定のタイミングで行う。
図8は、一つのセンサ120において、測定データを含む電文を中継局130に送信するタイミングを示すチャート図である。この図8に示すように、センサ120には、測定データを含む電文を中継局130に送信する時間帯Tsが、予め定められた順序・タイミングとなるように割り振られている。時間帯Ts以外の時間帯は、他のセンサ120に対して割り振られている。
このセンサ120に割り振られた時間帯Tsは、前述したように、センサ120のクロック機能によって、開始時刻T1と終了時刻T2が管理される。ここで、時間帯Tsは、時刻補正をしていても生じうる内蔵クロックの誤差と、測定データを含む電文の送信に失敗した場合にデータを再送信できる時間を確保できるような長さに設定するのが好ましい。
中継局コントローラ140においては、各センサ120から送信された、測定データを含む電文をチェックし、エラーが生じているか否かを判定する機能を有している。受信した電文に何らかのエラーが生じていた場合、中継局コントローラ140は、中継局130を介し、その電文を送信したセンサ120に対し、再送信をリクエストするためのコマンドを送信するようになっている。
この、センサ120に電文の再送信をリクエストするコマンドは、中継局130から各センサ120に送信される、電力を供給するための電波に含まれる。これには、中継局コントローラ140のコントロールにより、前記の時間帯Tsの範囲内で、電文の再送信が必要なセンサ120に中継局130から送信する電力を供給するための電波を一定時間停止させるのである。
センサ120においては、中継局130からセンサ120に対して電力供給のために送信されてアンテナ250で受信する電波が、時間帯Tsの範囲内で停止したときには、センサ制御部220においては、測定データを含む電文を再度送信するようになっている。
このようにすることで、各センサ120からのデータ送信に誤りがあった場合にその誤り訂正を行うことができ、確実なデータ収集が行える。しかも、誤りがあった場合には、センサ120に電力を供給するための電波を利用し、この電波を停止させることによってデータの再送信を要求するコマンドをセンサ120に送信するようにしたので、センサ120側においては、データの再送信要求のためのコマンドを受け取るために受信待機状態とする必要もなく、待機電力を抑えることが可能となる。
上記したような加速度センサ210A、温度センサ210Tは、いわばデジタルスイッチのような構成を有しており、測定結果をデジタルデータでダイレクトに出力することができる。しかも、変化が一定量以上であった場合にのみ、変化が生じたことを示す出力を行うようになっている。
図9(a)は、センサ120から中継局130に送信する測定データの例である。ここで、図9(b)は、従来のセンサ、つまり一定時間ごとに測定データを送信していた場合における、センサ120から中継局130に送信する測定データの例である。この図9(b)に示すように、従来は、一定時間ごとに、測定した温度や加速度等の測定データを、時刻情報とともに送信していた。時刻、温度、加速度を示すそれぞれのデータ量を1バイトとし、1分毎に測定したとすると、1回の測定により送信するデータ量は3バイト、10分間で送信するデータの量は3×10=30バイトとなる。
一方、センサ120の場合、加速度センサ210A、温度センサ210Tにおいてスイッチとして機能する個々の信号処理回路213や検出回路225bに、例えば図9(c)に示すように、予めスイッチ番号を付与しておけば、センサ120から中継局130に送信する測定データは、図9(a)に示すように、一定以上の変化が生じたスイッチ番号を示す情報と、変化が生じた時刻情報のみでよい。つまり、変化が生じていなければ、信号処理回路213や検出回路225bのON/OFF状態は切り替わらないので、データを送信する必要もない。図9(b)に対応した例においては、図9(a)に示すように、送信するデータは10分間で2バイト×6=12バイトに過ぎない。
このようにすることで、無線で送出するデータ量も抑えることができ、これも省電力化につながる。
以上、本願発明の好適な実施態様について例を挙げて説明してきたが、本願発明は、その範囲を逸脱することなく、ここで説明した実施態様の他にも様々な実施態様を取りうることは言うまでもない。
例えば、センサ120は、鳥インフルエンザの発生監視以外の用途に用いることも可能である。その場合、養鳥用・牧畜用・野生動物用等、その用途に応じて大きさ・センサの種類・通信機の出力等を専用設計されてもよい。他の用途に用いるのであれば、電波による電力供給を行うのではなく、センサ120にバッテリを備えるような構成とすることもできる。もちろん、このバッテリには、適宜タイミングで充電が行えるようにすることも可能である。
また、本願発明は、養鳥業に応用できるのみならず、その他の牧畜業や、野生動物の健康状態モニタリングにも応用が可能であり、野生動物を経由した感染症の伝搬を防止する大規模なネットワークの構築などのためにも利用が可能である。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
本実施の形態における鳥インフルエンザ監視システムの概念図である。 センサの構成を示す図である。 加速度センサの具体的構成を示す図である。 加速度センサにおける電圧変化の具体例を示す図である。 温度センサの具体的構成を示す図である。 温度センサをMEMS技術により製造する場合の構成の例である。 カンチレバーの長さと作動温度差との関係を示す図である。 センサに電力を供給するための電波の送信タイミング、センサから測定データを含む電文を送信するタイミングを示す図である。 (a)は本実施の形態におけるセンサでの送信データの例、(b)は従来のセンサにおける送信データの例、(c)は本実施の形態のセンサにおけるスイッチの割り付けの例を示す図である。
符号の説明
100…鳥インフルエンザ監視システム(生体の健康管理システム)、120…センサ、130…中継局(電波発生源)、140…中継局コントローラ(コントローラ)、150…送受信装置、160…制御装置、210…物理量センサ、210A…加速度センサ、210T…温度センサ、211…変形部材、211a…カンチレバー、211b…錘、212…圧電材料部、213…信号処理回路、220…センサ制御部、221…バイメタルカンチレバーセンサ、222…レバー(カンチレバー)、222a…高線膨張率材料、222b…低線膨張率材料、222c…基端部、222d…先端部、224…電気接点部材、225…信号処理回路、225a…コンデンサ(電圧印加部)、225b…検出回路、240…通信制御部、250…アンテナ

Claims (3)

  1. 物理量を測定するとともに、測定した測定データを含む電文を無線により送信する複数個のセンサと、前記センサからの前記電文を受信するコントローラとからなる無線式センサシステムであって
    前記コントローラは、前記センサに対し電力を供給するための電波を電波発生源に送信させるとともに、前記電波発生源から複数の前記センサに対して送信する前記電波を停止させることで、前記センサに対するコマンドを前記電波に含ませる無線式センサシステムにおいて
    複数個の前記センサは、前記コントローラへの前記電文の送信を、予めそれぞれの前記センサに個別に割り振られた時間帯に行い、
    前記コントローラは、複数の前記センサのそれぞれに割り振られた前記時間帯の時刻補正を行うためのコマンドを、前記電波に含ませることを特徴とする無線式センサシステム。
  2. 前記コントローラは、複数の前記センサのそれぞれから送信された前記電文を検証するとともに、
    検証した前記電文に誤りがあったときに、前記電文を送信した前記センサに対して前記電文の再送信を要求するコマンドを、前記電波に含ませることを特徴とする請求項に記載の無線式センサシステム。
  3. 生体の健康管理を行うシステムであって、
    管理を行う複数の前記生体にそれぞれ装着されて所定の物理量を測定するとともに、測定した測定データを含む電文を無線により送信する複数個のセンサと、
    前記センサからの前記電文を受信するコントローラと、
    前記センサに対し電力を供給するための電波を送信する電波発生源と、
    前記コントローラで受信した前記電文に含まれる前記測定データに基づいて、前記生体の健康状態に異常が生じているか否かの判定を行う判定装置と、を備え、
    前記コントローラは、前記電波発生源から複数の前記センサに対して送信する前記電波を停止させることで、前記センサに対するコマンドを前記電波に含ませる無線式生体の健康管理システムにおいて
    複数個の前記センサは、前記コントローラへの前記電文の送信を、予めそれぞれの前記センサに個別に割り振られた時間帯に行い
    前記コントローラは、複数の前記センサのそれぞれに割り振られた前記時間帯の時刻補正を行うためのコマンドを、前記電波に含ませることを特徴とする無線式生体の管理システム
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