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JP4849983B2 - ランフラットタイヤ - Google Patents
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Description

本発明は、ランフラットタイヤ、特にランフラット耐久性、悪路耐久性及びユニフォミティを維持しつつ、通常走行時の乗り心地性を向上させ、タイヤ重量を低減したランフラットタイヤに関するものである。
従来、パンク等によりタイヤの内圧が低下した状態でも、タイヤが荷重支持能力を失うことなくある程度の距離を安全に走行することが可能なタイヤ、所謂ランフラットタイヤとして、タイヤのサイド部のカーカスの内側に比較的モジュラが高い断面三日月状のサイド補強ゴム層を配置してサイド部の剛性を向上させ、内圧低下時にサイド部の撓み変形を極端に増加させることなく荷重を負担できるようにしたサイド補強タイプのランフラットタイヤが各種提案されている(下記特許文献1〜4参照)。
しかしながら、上記サイド補強タイプのランフラットタイヤは、サイド部に断面三日月状のサイド補強ゴム層を有するため、通常のタイヤに比べて縦バネが大きく、通常走行時の乗り心地が悪いという問題がある。また、上記サイド補強タイプのランフラットタイヤは、サイド補強ゴム層を有するため、通常のタイヤに比べてタイヤ重量が増加しており、バネ下重量が増えることで、操縦安定性が悪化してしまう問題もある。更に、上記サイド補強タイプのランフラットタイヤは、タイヤ重量の増加による車両入力の増大によって、車両の耐久性に対しても少なからず悪影響を及ぼしている。
これに対して、従来、タイヤ重量を低減するには、(1)サイド補強ゴム層のゲージを薄くすること、(2)カーカスプライの層数を減らす(例えば、2枚を1枚にする)ことが有効であるが、いずれの手法をもってしても、タイヤのランフラット耐久性が犠牲となるため、ランフラット耐久性の向上とタイヤ重量の低減とを両立することが困難であった。
特に、上記(2)に関しては、路面の凹凸(突起やポットホール)やうねり路での瞬間的な大入力、並びにサイドウォールへの局部入力(サイドカット)等、悪路を通常内圧状態で走行する場合に必要な耐久性・安全性(悪路耐久性)を確保する上で実施が困難になるケースが多く、通常2枚以上のカーカスプライを適用せざるを得ない場合が殆どであった。
また、従来、ランフラット耐久性や悪路耐久性を確保しつつカーカスプライの重量を低減する手段として、カーカスプライの折り返し端をベルト下まで伸ばして、カースの構造を所謂エンベロープ構造とすることがあるが、折り返しカーカスプライの巻上げが均一にならなかったり、カーカスプライのジョイント部が重なったりすることで、タイヤの均一性(ユニフォミティ)を著しく悪化させる場合が多かった。
特開2000−264012号公報 特表2002−500587号公報 特表2002−500589号公報 特開2004−306658号公報
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、ランフラット耐久性、悪路耐久性及びユニフォミティを維持しつつ、通常走行時の乗り心地性を向上させ、タイヤ重量を低減したランフラットタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、カーカスの補強コードとして特定の熱収縮応力及び弾性率を有するポリケトン繊維コードを用いた上、カーカスの外側の少なくとも一部に特定の熱収縮応力及び弾性率を有するポリケトン繊維コードを用いた補強コード層を配設することで、ランフラット耐久性、悪路耐久性及びユニフォミティを維持しつつ、通常走行時の乗り心地性を改善できると共に、タイヤ重量の低減が可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のランフラットタイヤは、一対のビード部にそれぞれ埋設されたビードコア間にトロイド状に延びる本体部及びビードコアの周りでタイヤ幅方向内側から外側に向けて半径方向外方に巻き上げた折り返し部を有するラジアルカーカスと、該ラジアルカーカスのクラウン部のタイヤ半径方向外側に配設されたトレッド部と、該トレッド部の両端部に位置する一対のバットレス部と、該バットレス部と前記ビード部との間を連結する一対のサイド部と、該サイド部に配設された一対の断面三日月状のサイド補強ゴム層と、前記ビードコアのタイヤ半径方向外側に配置されたビードフィラーと、ベルト端からタイヤサイド部の最大幅部までの領域A及びビードコア近傍からビードフィラーまでの領域Bの両方に配置された補強コード層とを備え、
前記カーカスプライを構成するコード及び前記補強コード層を構成するコードが、下記式(I)及び式(II):
σ ≧ -0.01×E + 1.2 ・・・ (I)
σ ≧ 0.02 ・・・ (II)
[式中、σは、177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり;Eは、25℃における49N荷重時の弾性率(cN/dtex)である]の条件を満たすポリケトン繊維コードであることを特徴とする。ここで、補強コード層は、前記サイド補強ゴム層の外側に配置されることが好ましく、また、ラジアルカーカスの外側に位置してもよいし、内側に位置してもよい。
ここで、上記ポリケトン繊維コードの177℃における熱収縮応力σは、一般的なディップ処理を施した加硫前のポリケトン繊維コードの25cmの長さ固定サンプルを5℃/分の昇温スピードで加熱して、177℃時にコードに発生する応力であり、また、上記ポリケトン繊維コードの25℃における49N荷重時の弾性率Eは、JISのコード引張り試験によるSSカーブの49N時の接線から算出した単位cN/dtexでの弾性率である。
本発明のランフラットタイヤの好適例においては、前記補強コード層中の前記ポリケトン繊維コードのタイヤ半径方向に対する角度が5°以下である。
本発明のランフラットタイヤにおいて、前記カーカスプライ及び前記補強コード層中のポリケトン繊維コードは、25℃における49N荷重時の弾性率Eが30〜170cN/dtexで且つ177℃における熱収縮応力σが0.2〜1.5cN/dtexであることが好ましい。
本発明によれば、カーカスの補強コードとして特定の熱収縮応力及び弾性率を有するポリケトン繊維コードを用いた上、カーカスの外側又は内側に特定の熱収縮応力及び弾性率を有するポリケトン繊維コードを用いた補強コード層が配設された、ランフラット耐久性、悪路耐久性及びユニフォミティを十分に確保しつつ、通常走行時の乗り心地性が良好で、タイヤ重量が低減されたランフラットタイヤを提供することができる。
以下に、図を参照しながら本発明を詳細に説明する。図1は、本発明のランフラットタ
イヤの一実施態様の部分断面図であり、図4、図5及び図6は本発明のランフラットタイヤの他の実施態様の部分断面図である。図2、図3、図7及び図8は参考例にかかる部分断面図である。図1〜図7に示すタイヤは、一対のビード部1にそれぞれ埋設されたビードコア2間にトロイド状に延びる本体部及びビードコア2の周りでタイヤ幅方向内側から外側に向けて半径方向外方に巻上げた折り返し部を有するラジアルカーカス3と、該ラジアルカーカス3のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置されたトレッド部4と、該トレッド部4の両端部に位置する一対のバットレス部5と、該バットレス部5と前記ビード部1との間を連結する一対のサイド部6と、該サイド部6のラジアルカーカス3の内側に配設された一対の断面三日月状のサイド補強ゴム層7とを備える。また、図1〜図5に示すタイヤは、前記ラジアルカーカス3の外側の少なくとも一部に配置された補強コード層8を備え、図6〜図7に示すタイヤは、前記サイド補強ゴム層7の外側で且つ前記ラジアルカーカス3の内側の少なくとも一部に配置された補強コード層8を備える。
図1〜図7に示すタイヤにおいては、上記ラジアルカーカス3の本体部と折り返し部との間で且つ上記ビードコア2のタイヤ半径方向外側にビードフィラー9が配置されており、また、上記ラジアルカーカス3のクラウン部のタイヤ半径方向外側には二枚のベルト層からなるベルト10が配置されており、更に、該ベルト10のタイヤ半径方向外側でベルト10の全体を覆うようにベルト補強層11Aが配置され、該ベルト補強層11Aの両端部のみを覆うように一対のベルト補強層11Bが配置されている。ここで、ベルト層は、通常、タイヤ赤道面に対して傾斜して延びるコードのゴム引き層、好ましくは、スチールコードのゴム引き層からなり、2枚のベルト層は、該ベルト層を構成するコードが互いにタイヤ赤道面を挟んで交差するように積層されてベルト10を構成する。また、ベルト補強層11A,11Bは、通常、タイヤ周方向に対し実質的に平行に配列したコードのゴム引き層からなる。
なお、図1〜図7に示すタイヤのラジアルカーカス3は、1枚のカーカスプライからなるが、本発明のタイヤにおいては、ラジアルカーカス3を構成するカーカスプライの枚数はこれに限られるものではなく、2枚以上であってもよく、また、ラジアルカーカス3の構造も特に限定されるものではなく、例えば、図8に示すタイヤのように、ラジアルカーカス3の端部を2層のビードコア2で挟み込んだ構造でもよい。
また、図1〜図8に示すタイヤのベルト10は、二枚のベルト層からなるが、本発明のタイヤにおいては、ベルト10を構成するベルト層の枚数はこれに限られるものではない。更に、図1〜図8に示すタイヤのベルト補強層11A,11Bは、ベルト10の全体を覆う一層のベルト補強層11Aと、該ベルト補強層11Aの両端部のみを覆う一層のベルト補強層11Bから構成され、所謂、キャップ・レイヤー構造を有するが、本発明のタイヤにおいては、ベルト補強層11A,11Bの配設は必須ではなく、別の構造及び層数のベルト補強層を配設することもできる。
また更に、図1〜図8に示すタイヤは、上記サイド部6からビード部1に渡る領域のラジアルカーカス3の折り返し部のタイヤ幅方向外側に断面略三角形状のリムガード12を備えるが、本発明のタイヤにおいては、リムガード12の配設も必須ではなく、他の形状のリムガードを配設することもできる。なお、本発明において、タイヤサイド部の最大幅部とは、リムガード12がなかった場合のタイヤサイド部の最大幅部をさす。
また、図1、図4、図5、図6及び図8に示すタイヤにおいては、ラジアルカーカス3の外側のベルト端からタイヤサイド部の最大幅部までの領域A及びビードコア近傍からビードフィラーまでの領域Bの両方に図2、図3及び図7に示すタイヤにおいては、ラジアルカーカス3の外側のベルト端からタイヤサイド部の最大幅部までの領域A及びビードコア近傍からビードフィラーまでの領域Bの何れか一方に、補強コード層8が配置されている。なお、該補強コード層の枚数は、1枚でも2枚以上であってもよい。ここで、補強コード層8の構造は特に限定されず、例えば、図1に示すように、一層の補強コード層8が、ベルト10の端部からラジアルカーカス3の外側に沿って、ラジアルカーカス3の本体部とビードフィラー9の間を経て、ビード部1に埋設されたビードコア2の近傍まで延在している態様、図2に示すように、補強コード層8が、ベルト10の端部からカーカスの折り返し部の端部までの領域のラジアルカーカス3の外側に配置された態様、図3に示すように、ラジアルカーカス3の本体部及びビードフィラー9の間に配置された態様、図4に示すように、補強コード層8が、ベルト10の端部からカーカスの折り返し部の端部までの領域のラジアルカーカス3の外側と、ラジアルカーカス3の本体部及びビードフィラー9の間とにそれぞれ配置された態様、図5に示すように、補強コード層8が、ベルト10の端部からラジアルカーカス3の外側に沿って、ラジアルカーカス3の本体部とビードフィラー9の間を経て、ビード部1まで延在し、ビード部1に埋設されたビードコア2の回りで折り返され係止された態様、図6に示すように、補強コード層8が、ベルト10の端部からラジアルカーカス3の内側に沿って、ラジアルカーカス3とサイド補強ゴム層7の間を経て、ビード部1に埋設されたビードコア2の近傍まで延在している態様、図7に示すように、補強コード層8が、ベルト10の端部からカーカスの折り返し部の端部までの領域のラジアルカーカス3とサイド補強ゴム層7との間に配置された態様、図8に示すように、一層の補強コード層8が、ベルト10の端部からラジアルカーカス3の外側に沿ってビードコア2の近傍まで延在している態様等が挙げられる。
本発明のランフラットタイヤにおいては、前記カーカスプライを構成するコード及び前記補強コード層8を構成するコードが、下記式(I)及び式(II):
σ ≧ -0.01×E + 1.2 ・・・ (I)
σ ≧ 0.02 ・・・ (II)
[式中、σは、177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり;Eは、25℃における49N荷重時の弾性率(cN/dtex)である]の条件を満たすポリケトン繊維コードであることを要する。該ポリケトン繊維コードは、レーヨンコード等に比べて剛性が高いことに加えて、約100℃以上の高温下において大きな熱収縮応力を伴って熱収縮する特性を有する。
図9に示すように、サイド補強タイプのランフラットタイヤの内圧がゼロになった場合、サイド部6においてサイド補強ゴム層7が圧縮応力を、カーカス3が引張応力を負担することで、効果的に曲げ剛性を発現させていることが知られている。同様にビード部1においては、ビードフィラー9が圧縮応力を、カーカス3が引張応力を負担することで、効果的に曲げ剛性を発現させていることが知られている。しかしながら、ランフラット走行での内部発熱による温度上昇でゴムモジュラスが低下するため、一定荷重下で走行しても、ランフラット走行を継続することで次第にタイヤの撓みが大きくなり、ゴム破壊に至る。
これに対して、ポリケトン繊維コードをカーカス3の補強コードとして適用する場合、ランフラット走行に伴う温度上昇によってカーカスプライが収縮して高い熱収縮応力が発現し、その結果、サイド部6及びビード部1において、タイヤの撓みに抗する方向の曲げ剛性が高温下で付加されることとなり、タイヤの撓みの進み方を大幅に遅延させ、ランフラット耐久性を向上させることができる。また、カーカス3の外側の少なくとも一部に上記ポリケトン繊維コードを含む補強コード層8を配置することで、該補強コード層8がカーカス3への引張応力を軽減して、ランフラット耐久性を更に向上させることが可能となる。
なお、使用するポリケトン繊維コードが、上記式(I)の関係を満たさない場合、熱収縮応力σが大きいものの弾性率Eが低いコードを使用すると、ランフラット走行時のタイヤの撓みを十分に抑制することができず、タイヤのランフラット耐久性が低下し、一方、弾性率Eが高いものの熱収縮応力σが小さいコードを使用すると、通常走行時のタイヤの縦バネが大きくなり、通常走行時のタイヤの乗り心地が悪化する。また、使用するコードの177℃における熱収縮応力σが0.02cN/dtex未満では、ランフラット走行時のたわみ量が大きくなってしまい、ランフラット耐久性が不十分となる。
ここで、上記ポリケトン繊維コードは、177℃における熱収縮応力σが1.5cN/dtex以下であることが好ましい。ポリケトン繊維コードの177℃における熱収縮応力σが1.5cN/dtexを超えると、加硫時の収縮力が大きくなり過ぎ、結果的に、タイヤ内部のコード乱れやゴムの配置乱れを引き起こし、耐久性の悪化やユニフォミティの悪化を招いてしまう。また、上記ポリケトン繊維コードは、ランフラット走行におけるタイヤの変形を十分に抑制する観点から、177℃における熱収縮応力σが0.20cN/dtex以上であることが好ましく、ランフラット走行におけるタイヤの変形を確実に抑制する観点から、177℃における熱収縮応力σが0.30cN/dtex以上であることが更に好ましく、0.4cN/dtex超であることがより一層好ましい。更に、上記ポリケトン繊維コードは、ランフラット走行におけるタイヤの変形を十分に抑制する観点から、25℃における49N荷重時の弾性率Eが30cN/dtex以上であることが好ましく、ランフラット走行におけるタイヤの変形を確実に抑制する観点から、49N荷重時の弾性率Eが80cN/dtex以上であることが更に好ましい。また更に、上記ポリケトン繊維コードは、耐疲労性を十分に確保する観点から、25℃における49N荷重時の弾性率Eが170cN/dtex以下であることが好ましく、耐疲労性を良好にする観点から、49N荷重時の弾性率Eが150cN/dtex以下であることが更に好ましい。
ところで、上記ポリケトン繊維コードを含む補強コード層8の適用による効果を最大限に引き出すためには、ランフラット走行時にカーカスプライへの引張応力が大きい部位に重点的に補強コード層8を配置することが効果的である。そして、コンピュータによる数値解析の結果、その部位は、ベルト端からタイヤサイド部の最大幅部までの領域A及びビードコア近傍からビードフィラーまでの領域Bであることが判明した。従って、ベルト端からタイヤサイド部の最大幅部までの領域A及びビードコア近傍からビードフィラーまでの領域Bの少なくとも一部に、ポリケトン繊維コードを用いた補強コード層8を配設することで、タイヤ重量を増加させることなく、効果的にタイヤのランフラット耐久性を向上させることができる。
また、例えば、従来のレーヨンを用いたカーカスプライ二枚からなるカーカス(図10参照)を、ポリケトン繊維コードを用いたカーカスプライ一枚とポリケトン繊維コードを用いた補強コード層一枚で置き換えることで、大幅にタイヤ重量を低減することができる。また、ランフラット耐久性が従来品と同等になるまで薄くしたサイド補強ゴム層7を適用することで、更に、タイヤ重量を低減することができると共に、タイヤの縦バネを低減して、乗り心地性を向上させることも可能となる。
上述のように、カーカス3を構成するカーカスプライの枚数を減らすと、路面の凹凸(突起やポットホール)やうねり路での瞬間的な大入力や、サイド部6への局部的な入力(サイドカット)に対する耐久性が低下する問題があるが、これに対し、ベルト端からタイヤサイド部の最大幅部までの領域Aに補強コード層8を配置した場合、従来のレーヨンを用いたカーカスプライ二枚からなるカーカスを備えたタイヤよりも、サイドカット性を向上させることができ、また、ビードコア2近傍からビードフィラー9までの領域Bに補強コード層8を配置した場合、従来のレーヨンを用いたカーカスプライ二枚からなるカーカスを備えたタイヤよりも、ポットホール入力やうねり路での瞬間的な大荷重入力に対する耐久性を向上させることができる。そして、ベルト端からタイヤサイド部の最大幅部までの領域A及びビードコア近傍からビードフィラーまでの領域Bの両方に補強コード層を配置した場合、悪路でのイレギュラーな入力に対するタイヤ強度を向上させることができると共に、ランフラット耐久性を更に向上させることも可能となる。
なお、ランフラット耐久性の向上、悪路等に対する耐久性の向上、及びタイヤ重量の低減を同時に達成する手法として、カーカス3の構造を図11に示すようなエンベロープ構造(カーカス3の折り返し端をベルト10下まで延ばした構造)にする手法があるが、この手法では、カーカス3のジョイント部が重なって、タイヤのユニフォミティが低下する問題がある。これに対し、例えば、従来のレーヨンを用いたエンベロープ構造のカーカス3を、ポリケトン繊維コードを用いたカーカスプライ一枚とポリケトン繊維コードを用いた補強コード層一枚で置き換えた場合、カーカス3のジョイント部が重なることがないため、タイヤのユニフォミティの悪化も回避することができる。
本発明のランフラットタイヤにおいて、前記補強コード層8における前記ポリケトン繊維コードのタイヤ半径方向に対する角度は、5°以下であることが好ましい。本発明のタイヤでは、補強コード層8でカーカス3への引張応力を軽減するため、ポリケトン繊維コードを簾状にして形成した補強コード層8を、ポリケトン繊維コードがタイヤ半径方向に対して5°以下の角度になるように配置することで、効果的にカーカス3への引張応力を軽減することができる。
上記ポリケトン繊維コードは、繊度が500〜2000dtexのポリケトンからなるフィラメント束を2本又は3本撚り合わせてなることが好ましい。ポリケトン繊維コードに用いるフィラメント束の繊度が500dtex未満では、弾性率・熱収縮応力共に不十分であり、2000dtexを超えると、コード径が太くなり、打ち込みを密にできない。なお、ポリケトンからなるフィラメント束の本数が4本以上であっても、上記式(I)及び式(II)の関係を満足できれば、特に制限されない。
上記ポリケトン繊維コードは、高温下で収縮し、室温に戻すと伸長する可逆性を有することが好ましい。この場合、高温下、即ち、ランフラット走行時時にカーカスプライ及び補強コード層8中のポリケトン繊維コードが収縮しようとして剛性が高まり、タイヤのサイド部の撓みを抑制することができる上、低温下、即ち、通常走行時にコード層中のポリケトン繊維コードが伸張しようとして剛性が低下し、タイヤの縦バネが低下して、タイヤの通常走行時の乗り心地の悪化を抑制することができる。また、20℃と177℃での熱収縮応力の差が0.20cN/dtex以上、好ましくは0.25cN/dtex以上の可逆的なポリケトン繊維コードを用いることで、通常走行時とランフラット走行時での効果を両立することができる。
本発明のランフラットタイヤのカーカスプライに用いるポリケトン繊維コードは、下記式(III):
Nt = tanθ = 0.001×N×(0.125×D/ρ)1/2 ・・・ (III)
[式中、Nは撚り数(回/10cm)で、ρはコードの比重(g/cm3)で、Dはコードの総デシテックス数(dtex)である]で定義される撚り係数(Nt)が0.34以上であることが好ましい。カーカスプライに用いるポリケトン繊維コードの撚り係数(Nt)が0.34未満では、疲労性が低下して、耐久性が不足する。また、本発明のタイヤのカーカスプライにおいては、上記ポリケトン繊維コードの打ち込み数が35〜60(本/50mm)の範囲であることが好ましい。カーカスプライにおけるポリケトン繊維コードの打ち込み数が35(本/50mm)未満では、カーカス強度が不足して、耐久性が不足する。なお、打ち込み数が60(本/50mm)を超えても、打ち込み可能であれば、特に制限されない。
本発明のランフラットタイヤの補強コード層8に用いるポリケトン繊維コードは、上記式(III)で定義される撚り係数(Nt)が0.25以上であることが好ましい。補強コード層8に用いるポリケトン繊維コードの撚り係数(Nt)が0.25未満では、疲労性が低下して、耐久性が不足する。また、本発明のタイヤの補強コード層8においては、上記ポリケトン繊維コードの打ち込み数が5〜60(本/50mm)の範囲であることが好ましい。補強コード層8におけるポリケトン繊維コードの打ち込み数が5(本/50mm)未満では、ランフラット走行時のタイヤの撓みを十分に抑制することができず、タイヤのランフラット耐久性を十分に向上させることができなくなる傾向があり、一方、60(本/50mm)を超えると、通常走行時のタイヤの縦バネが上昇してしまい、通常走行時のタイヤの乗り心地が悪化する傾向がある。
上記ポリケトン繊維コードの撚り構造は特に限定されず、該ポリケトン繊維コードとしては、例えば、ポリケトンからなるフィラメント束を複数本撚り合わせたものや、ポリケトンからなるフィラメント束1本を撚ったものを用いることができる。上記ポリケトン繊維コードの原料のポリケトンとしては、下記一般式(IV):
Figure 0004849983
[式中、Aは不飽和結合によって重合された不飽和化合物由来の部分であり、各繰り返し単位において同一でも異なっていてもよい]で表される繰り返し単位から実質的になるポリケトンが好ましい。また、該ポリケトンの中でも、繰り返し単位の97モル%以上が1-オキソトリメチレン[−CH2−CH2−CO−]であるポリケトンが好ましく、99モル%以上が1-オキソトリメチレンであるポリケトンが更に好ましく、100モル%が1-オキソトリメチレンであるポリケトンが最も好ましい。
上記ポリケトン繊維コードの原料のポリケトンは、部分的にケトン基同士、不飽和化合物由来の部分同士が結合していてもよいが、不飽和化合物由来の部分とケトン基が交互に配列している部分の割合が90質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることが更に好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
また、上記式(IV)において、Aを形成する不飽和化合物としては、エチレンが最も好ましいが、プロピレン,ブテン,ペンテン,シクロペンテン,ヘキセン,シクロヘキセン,ヘプテン,オクテン,ノネン,デセン,ドデセン,スチレン,アセチレン,アレン等のエチレン以外の不飽和炭化水素や、メチルアクリレート,メチルメタクリレート,ビニルアセテート,アクリルアミド,ヒドロキシエチルメタクリレート,ウンデセン酸,ウンデセノール,6-クロロヘキセン,N-ビニルピロリドン,スルニルホスホン酸のジエチルエステル,スチレンスルホン酸ナトリウム,アリルスルホン酸ナトリウム,ビニルピロリドン及び塩化ビニル等の不飽和結合を含む化合物等であってもよい。
更に、上記ポリケトンの重合度としては、下記式:
Figure 0004849983
[式中、t及びTは、純度98%以上のヘキサフルオロイソプロパノール及び該ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間であり;Cは、上記希釈溶液100mL中の溶質の質量(g)である]で定義される極限粘度[η]が1〜20dL/gの範囲にあることが好ましく、2〜10dL/gの範囲にあることが更に好ましく、3〜8の範囲にあることがより一層好ましい。極限粘度が1dL/g未満では、分子量が小さ過ぎて、高強度のポリケトン繊維コードを得ることが難しくなる上、紡糸時、乾燥時及び延伸時に毛羽や糸切れ等の工程上のトラブルが多発することがあり、一方、極限粘度が20dL/gを超えると、ポリマーの合成に時間及びコストがかかる上、ポリマーを均一に溶解させることが難しくなり、紡糸性及び物性に悪影響が出ることがある。
上記ポリケトンの繊維化方法としては、(i)未延伸糸の紡糸を行った後、多段熱延伸を行い、該多段熱延伸の最終延伸工程で特定の温度及び倍率で延伸する方法や、(ii)未延伸糸の紡糸を行った後、熱延伸を行い、該熱延伸終了後の繊維に高い張力をかけたまま急冷却する方法が好ましい。上記(i)又は(ii)の方法でポリケトンの繊維化を行うことで、上記ポリケトン繊維コードの作製に好適な所望のフィラメントを得ることができる。
ここで、上記ポリケトンの未延伸糸の紡糸方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができ、具体的には、特開平2−112413号、特開平4−228613号、特表平4−505344号に記載のようなヘキサフルオロイソプロパノールやm-クレゾール等の有機溶剤を用いる湿式紡糸法、国際公開第99/18143号、国際公開第00/09611号、特開2001−164422号、特開2004−218189号、特開2004−285221号に記載のような亜鉛塩、カルシウム塩、チオシアン酸塩、鉄塩等の水溶液を用いる湿式紡糸法が挙げられ、これらの中でも、上記塩の水溶液を用いる湿式紡糸法が好ましい。
例えば、有機溶剤を用いる湿式紡糸法では、ポリケトンポリマーをヘキサフルオロイソプロパノールやm-クレゾール等に0.25〜20質量%の濃度で溶解させ、紡糸ノズルより押し出して繊維化し、次いでトルエン,エタノール,イソプロパノール,n-ヘキサン,イソオクタン,アセトン,メチルエチルケトン等の非溶剤浴中で溶剤を除去、洗浄してポリケトンの未延伸糸を得ることができる。
一方、水溶液を用いる湿式紡糸法では、例えば、亜鉛塩、カルシウム塩、チオシアン酸塩、鉄塩等の水溶液に、ポリケトンポリマーを2〜30質量%の濃度で溶解させ、50〜130℃で紡糸ノズルから凝固浴に押し出してゲル紡糸を行い、更に脱塩、乾燥等してポリケトンの未延伸糸を得ることができる。ここで、ポリケトンポリマーを溶解させる水溶液には、ハロゲン化亜鉛と、ハロゲン化アルカリ金属塩又はハロゲン化アルカリ土類金属塩とを混合して用いることが好ましく、凝固浴には、水、金属塩の水溶液、アセトン、メタノール等の有機溶媒等を用いることができる。
また、得られた未延伸糸の延伸法としては、未延伸糸を該未延伸糸のガラス転移温度よりも高い温度に加熱して引き伸ばす熱延伸法が好ましく、更に、該未延伸糸の延伸は、上記(ii)の方法では一段で行ってもよいが、多段で行うことが好ましい。該熱延伸の方法としては、特に制限はなく、例えば、加熱ロール上や加熱プレート上に糸を走行させる方法等を採用することができる。ここで、熱延伸温度は、110℃〜(ポリケトンの融点)の範囲が好ましく、総延伸倍率は、10倍以上であることが好ましい。
上記(i)の方法でポリケトンの繊維化を行う場合、上記多段熱延伸の最終延伸工程における温度は、110℃〜(最終延伸工程の一段前の延伸工程の延伸温度−3℃)の範囲が好ましく、また、多段熱延伸の最終延伸工程における延伸倍率は、1.01〜1.5倍の範囲が好ましい。一方、上記(ii)の方法でポリケトンの繊維化を行う場合、熱延伸終了後の繊維にかける張力は、0.5〜4cN/dtexの範囲が好ましく、また、急冷却における冷却速度は、30℃/秒以上であることが好ましく、更に、急冷却における冷却終了温度は、50℃以下であることが好ましい。ここで、熱延伸されたポリケトン繊維の急冷却方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができ、具体的には、ロールを用いた冷却方法が好ましい。なお、こうして得られるポリケトン繊維は、弾性歪みの残留が大きいため、通常、緩和熱処理を施し、熱延伸後の繊維長よりも繊維長を短くすることが好ましい。ここで、緩和熱処理の温度は、50〜100℃の範囲が好ましく、また、緩和倍率は、0.980〜0.999倍の範囲が好ましい。
上記ポリケトン繊維コードの製法は、特に限定されない。上記ポリケトン繊維コードがポリケトンからなるフィラメント束を複数本、好ましくは、2本又は3本撚り合わせてなる、即ち、双撚り構造である場合、例えば、上記ポリケトンからなるフィラメント束に下撚りをかけ、次いでこれを複数合わせて、逆方向に上撚りをかけることで、撚糸コードとして得ることができる。また、上記ポリケトン繊維コードがポリケトンからなるフィラメント束1本を撚ってなる、即ち、片撚り構造である場合、例えば、上記ポリケトンからなるフィラメント束をひきそろえて、一方の方向に撚りをかけることで、撚糸コードとして得ることができる。
上記のようにして得られたポリケトン繊維コードをコーティングゴムで被覆することで、上記カーカスプライ及び補強コード層に用いるコード/ゴム複合体を得ることができる。ここで、ポリケトン繊維コードのコーティングゴムとしては、特に制限は無く、従来のタイヤ用のコード/ゴム複合体に用いていたコーティングゴムを用いることができる。なお、ポリケトン繊維コードのコーティングゴムによる被覆に先立って、ポリケトン繊維コードに接着剤処理を施し、コーティングゴムとの接着性を向上させてもよい。
本発明のランフラットタイヤは、カーカスプライとして、上述のポリケトン繊維コードをコーティングゴムで被覆してなるコード/ゴム複合体を適用し、また、補強コード層8として、上述のポリケトン繊維コードをコーティングゴムで被覆してなるコード/ゴム複合体をカーカスの外側の少なくとも一部に配設して、常法により製造することができる。なお、本発明のランフラットタイヤにおいて、タイヤ内に充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を変えた空気、又は窒素等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
表1〜表4中に示す構造を有するサイズ245/50 R18の乗用車用ランフラットタイヤを作製した。なお、カーカスプライ及び補強コード層に使用したポリケトン繊維コードの25℃における49N荷重時の弾性率E及び177℃における熱収縮応力σは、表1〜表4に示す通りである。
比較例1〜4のタイヤ、実施例1〜4、6〜8及び10のタイヤ、並びに参考例5、9及び11のタイヤとも、カーカスとインナーライナーとの間に断面三日月状のサイド補強ゴム層が設けられており、下記のようにして評価したランフラット耐久性が比較例1のタイヤと等しくなるように各タイヤのサイド補強ゴム層の最大ゲージを変化させた。更に、比較例1〜4のタイヤ、実施例1〜4、6〜8及び10のタイヤ、並びに参考例5、9及び11のタイヤとも、ベルト層は2層で構成され、ベルト層を構成するベルトコードの径方向の軸に対する角度は64°である。また、比較例1〜4のタイヤ、実施例1〜4、6〜8及び10のタイヤ、並びに参考例5、9及び11のタイヤとも、ベルト補強層は「1キャップ+1レイヤー」の構成にした。各タイヤの諸条件を表1〜表4に示す。また、実施例1〜4、6〜8及び10のタイヤ、並びに参考例5、9及び11のタイヤにおいて補強コード層のポリケトン繊維コードのタイヤ半径方向に対する角度は、表2、表3及び表4に示すとおりである。
本試験例において、ランフラット耐久性は、供試タイヤに内圧を充填することなく、荷重635kgf、速度89km/hの条件でドラム試験を行い、タイヤが故障に至るまでの走行距離を測定して、評価した。また、乗り心地性は、230kPaの内圧を充填したタイヤの縦バネ値から評価した。また、サイドカット性は、230kPaの内圧を充填したタイヤを鉛直方向に対し振り子側に5°傾けた状態にセットし、これに振り子式衝撃切込み試験機を用い本ストライカー凸部を上記タイヤに当てていき、カーカスプライが破断してタイヤ表面に膨らみが確認される所での衝撃エネルギーを算出して評価した。また、ユニフォミティは、一定の半径で1回転する間に発生するタイヤ半径方向の力の変動の大きさ(RFV)で評価した。なお、タイヤ重量については、ロット品の値を表1〜表4に示した。
また、本試験例では、上記評価を行うにあたり、比較例1のタイヤにおける評価指数を100とし、比較例2〜4のタイヤ実施例1〜4、6〜8及び10のタイヤ、並びに参考例5、9及び11のタイヤについて相対評価となる評価指数を算出した。評価結果を表1〜表4に併せて示す。表1〜表4の評価結果では、ランフラット耐久距離及びサイドカット性については評価指数が大きいほど性能が高く、他の性能については評価指数が低いほど性能が高いことを示す。
Figure 0004849983
Figure 0004849983
Figure 0004849983
Figure 0004849983
表1、表2、表3及び表4から判るように、実施例1〜4、6〜8及び10のタイヤ、並びに参考例5、9及び11のタイヤでは、比較例1のタイヤに比べ、総ての性能について良い評価となった。一方、比較例2のタイヤは、比較例1のタイヤと同様にカーカスが2プライ構造であるため、比較例1のタイヤに比べてタイヤ重量が改善しておらず、比較例3のタイヤは、カーカスがエンベロープ構造であるため、比較例1のタイヤに比べて、ユニフォミティが悪化しており、比較例4のタイヤは、カーカスが1プライ構造で且つ補強コード層を有さないため、比較例1のタイヤに比べて、サイド補強ゴム層の最大ゲージが悪化していると共に、サイドカット性も悪化していた。
本発明のランフラットタイヤの一例の右半分の断面図である。 参考例のランフラットタイヤの他の一例の右半分の断面図である。 参考例のランフラットタイヤの他の一例の右半分の断面図である。 本発明のランフラットタイヤの他の一例の右半分の断面図である。 本発明のランフラットタイヤの他の一例の右半分の断面図である。 本発明のランフラットタイヤの他の一例の右半分の断面図である。 参考例のランフラットタイヤの他の一例の右半分の断面図である。 参考例のランフラットタイヤの他の一例の右半分の断面図である。 コンピュータ解析を行ったランフラット走行時のランフラットタイヤの部分断面図である。 比較例1及び比較例2のタイヤの右半分の断面図である。 比較例3のタイヤの右半分の断面図である。 比較例4のタイヤの右半分の断面図である。
符号の説明
1 ビード部
2 ビードコア
3 ラジアルカーカス
4 トレッド部
5 バットレス部
6 サイド部
7 サイド補強ゴム層
8 補強コード層
9 ビードフィラー
10 ベルト
11A,11B ベルト補強層
12 リムガード
A ベルト端からタイヤサイド部の最大幅部までの領域
B ビードコア近傍からビードフィラーまでの領域

Claims (5)

  1. 一対のビード部にそれぞれ埋設されたビードコア間にトロイド状に延びる本体部及びビードコアの周りでタイヤ幅方向内側から外側に向けて半径方向外方に巻き上げた折り返し部を有するラジアルカーカスと、該ラジアルカーカスのクラウン部のタイヤ半径方向外側に配設されたトレッド部と、該トレッド部の両端部に位置する一対のバットレス部と、該バットレス部と前記ビード部との間を連結する一対のサイド部と、該サイド部に配設された一対の断面三日月状のサイド補強ゴム層と、前記ビードコアのタイヤ半径方向外側に配置されたビードフィラーとを備えるランフラットタイヤにおいて、
    更に、ベルト端からタイヤサイド部の最大幅部までの領域A及びビードコア近傍からビードフィラーまでの領域Bの両方に補強コード層を備え、
    前記カーカスプライを構成するコード及び前記補強コード層を構成するコードが、下記式(I)及び式(II):
    σ ≧ -0.01×E + 1.2 ・・・ (I)
    σ ≧ 0.02 ・・・ (II)
    [式中、σは、177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり;Eは、25℃における49N
    荷重時の弾性率(cN/dtex)である]の条件を満たすポリケトン繊維コードであることを
    特徴とするランフラットタイヤ。
  2. 前記補強コード層中のポリケトン繊維コードのタイヤ半径方向に対する角度が5°以下であることを特徴とする請求項1に記載のランフラットタイヤ。
  3. 前記カーカスプライ及び前記補強コード層中のポリケトン繊維コードは、25℃における49N荷重時の弾性率Eが30〜170cN/dtexであり、且つ177℃における熱収縮応力σが0.2〜1.5cN/dtexであることを特徴とする請求項1に記載のランフラットタイヤ。
  4. 前記補強コード層が、ベルトの端部からラジアルカーカスに沿って、ビードコアの近傍まで延在することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のランフラットタイヤ。
  5. 前記補強コード層が、ベルトの端部からラジアルカーカスに沿って、ビードコアまで延在し、ビードコアの周りで折り返され係止されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のランフラットタイヤ。
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