本発明の一実施形態を図1ないし図18を参照して説明する。
1.表面実装機の全体構成
図1は表面実装機の正面図、図2は表面実装機の平面図、図3はヘッドユニットの支持構造を示す部分拡大図である。図1、図2に示すように、表面実装機10は平板状をなす基台11上に各種装置を配置している。
基台11の中央にはプリント配線基板搬送用の搬送コンベア20が配置されている。搬送コンベア20はX方向(図2の左右方向)に延びている。また、基台11の中央であって搬送コンベア20の経路上には作業位置(図2中の二点鎖線で示す位置)が設定されている。
搬送コンベア20は、プリント配線基板(以下、単に基板と呼ぶ)Pを、表面実装機10の入り口側となる図2の右側から作業位置まで搬入させ、その位置で基板Pの搬送を一旦停止させる。そして、作業位置で停止した基板Pに対し、部品搭載装置30によって部品Wの実装が行われ、部品Wの実装が完了すると、再び搬送コンベア20が搬送を開始する。これにより、基板Pは表面実装機10の出口側となる図2の左方向に搬送され、やがて機外に搬出される。
部品搭載装置30は大まかにはX軸サーボ機構、Y軸サーボ機構、Z軸サーボ機構及びこれらサーボ機構によりX軸、Y軸、Z軸方向に駆動される吸着ヘッド63などから構成される。具体的に説明してゆくと、図2に示すように基台11上には一対の橋脚体41が設置されている。両橋脚体41は後述する部品供給部15の両側に位置しており、共にY軸方向(図2では上下方向)にまっすぐに延びている。これら両橋脚体41の上面にはガイドレール42が設置されている。左右の橋脚体41に設けられる両ガイドレール42は、共にY軸方向に平行に延びている。
図3に示すように両橋脚体41はヘッド支持体51を支持している。ヘッド支持体51はX軸方向(図3においては左右方向)に延びる横長な形状をなし、長手方向の両端部を左右のガイドレール42にそれぞれ嵌合させている。
図2において右側の橋脚体41にはY軸に沿って延びるY軸ボールねじ45が装着され、更にY軸ボールねじ45にはボールナット(不図示)が螺合されている。これらY軸ボールねじ45とボールナットは、駆動源のY軸モータ47とともにY軸サーボ機構を構成している。すなわち、Y軸モータ47を通電操作すると、Y軸ボールねじ45に沿ってボールナットが進退する結果、ボールナットに固定されたヘッド支持体51、ひいては次述するヘッドユニット60をガイドレール42に沿ってY軸方向に水平移動させることが出来る。
図3に示すようにヘッド支持体51には、X軸方向に延びる棒状のガイド部材53が設置され、更に、ガイド部材53に対してヘッドユニット60が、ガイド部材53の軸に沿って移動自在に取り付けられている。このヘッド支持体51には、X軸に沿って延びるX軸ボールねじ55が装着されており、更にX軸ボールねじ55にはボールナットが螺合されている。
これらX軸ボールねじ55とボールナットは、駆動源のX軸モータ57とともにX軸サーボ機構を構成している。すなわち、X軸モータ57を通電操作すると、X軸ボールねじ55に沿ってボールナットが進退する結果、ボールナットに固定されたヘッドユニット60をガイド部材53に沿ってX軸方向に移動させることが出来る。
かくして、X軸サーボ機構、Y軸サーボ機構を複合的に制御することで、基台11上においてヘッドユニット60を水平方向(X−Y方向)に自由に駆動(移動)させることが出来る。
係るヘッドユニット60には、基板Pに部品Wを実装させる実装動作を実行する吸着ヘッド63が搭載されている。吸着ヘッド63はヘッドユニット60の下面から下向きに突出しており、先端には吸着ノズル64が設けられている。本実施形態のものは、吸着ヘッド63がヘッドユニット60に一列状に並んで8本搭載されている。また、ヘッドユニット60には各吸着ヘッド63に対応してR軸モータ、Z軸モータ(不図示)がそれぞれ搭載されている。
各吸着ヘッド63はR軸モータの駆動により軸周りの回転動作が可能とされ、又Z軸モータの駆動により、ヘッドユニット60のフレーム61に対して、Z軸方向(本発明の「鉛直方向」に相当:図3参照)に昇降可能な構成となっている(Z軸サーボ機構)。また、各吸着ノズル64には図外の負圧手段から負圧が供給されるように構成されており、ヘッド先端に吸引力を生じさせるようになっている。
このような構成とすることで、吸着ヘッド63による部品Wの取り出し、及び取り出した部品Wの基板P上への部品実装動作が実施可能となる。
すなわち、先に説明したX軸サーボ機構、Y軸サーボ機構を作動させてヘッドユニット60の吸着ヘッド63を後述する部品供給位置Oの上方にまで水平移動させ、更にZ軸サーボ機構を作動させて吸着ヘッド63を下降させる。
そして、吸着ヘッド63のノズル先端が部品上面に達するタイミングに合わせて図外の負圧手段から負圧を供給することで、後述する部品供給装置100によって部品供給位置Oに供給された部品Wを吸着ヘッド63により吸着保持することが出来る。そして、吸着動作に続いて、今度はZ軸サーボ機構によって吸着ヘッド63を上昇させることで、部品Wを部品供給位置Oから取り出すことが出来る(部品の取り出し動作)。
また、部品Wの取り出し動作に続いてX軸サーボ機構、Y軸サーボ機構を作動させ、取り出した部品Wを吸着ヘッド63により基板P上の部品実装位置まで水平移動させた後、Z軸サーボ機構を駆動させて吸着ヘッド63を下降させつつ、そのタイミングに合わせて図外の負圧手段から負圧の供給を停止することで、基板Pに対し部品Wを実装できる(部品実装動作)。
尚、部品搭載装置30のうちの吸着ヘッド63を除く部分、すなわちX軸サーボ機構、Y軸サーボ機構、Z軸サーボ機構及びヘッドユニット60が、本発明の「ヘッド駆動手段」に相当するものである。
また、本実施形態では、基板P上に実装される部品Wを供給するための部品供給部15が、基台11上に4箇所設けられている。部品供給部15の配置は、図2に示す通りであり、図2において作業位置の上側となる位置と、下側となる位置にそれぞれ2箇所ずつ設けられている。これら各部品供給部15には、次述する部品供給装置100が複数個X方向に並んで配置されている。
尚、図2に示す符号17は部品認識カメラ、図3に示す符号65は基板認識カメラである。部品認識カメラ17は基台11上においてX方向のほぼ中央に、作業位置を間に挟んで2機設置されている。これら部品認識カメラ17は吸着ヘッド63で吸着された部品画像を撮像する機能を担うものである。得られた部品画像は、後述の画像処理部216において画像解析がなされ、吸着ヘッド63による部品Wの吸着位置ずれが検出されるようになっている。
また、基板認識カメラ65はヘッドユニット60に撮像面を下に向けた状態で固定されており、ヘッドユニット60とともに一体的に移動する構成とされている。これにより、上述のX軸サーボ機構、Y軸サーボ機構を駆動させることで、作業位置上にある基板P上の任意の位置の画像を、基板認識カメラ65により撮像することが出来る。そして、得られた基板画像に基づいて、基板Pに付されたフィデューシャルマーク(位置検出用の基準マーク)の認識を行ったり、基板P上に実装された部品Wの実装状況などを検査する構成とされている。
2.部品供給テープ並びに部品供給装置(以下、単にフィーダと呼ぶ)
図4は部品供給テープの斜視図、図5はフィーダの正面図である。部品供給テープ70は、キャリアテープ71と、これに貼着されるカバーテープ73とから構成されている。キャリアテープ71は、上方に開口した空洞状の部品収納部71aを一定間隔(図14参照:送りピッチLf)おきに有しており、各部品収納部71aにはIC等の部品Wが収納されている。
また、キャリアテープ71の一辺側には、その縁部に沿って上下に貫通する係合孔71bが一定間隔で設けられている。この部品供給テープ70は、次に説明するフィーダ100の後方位置(図5においては左側)において、図外のリールに巻回されて支持されている。
フィーダ100の構成は、図5に示す通りであり、送出装置110、引取装置120及びこれら装置が固定される本体101などから構成される。
本体101は前後に長い形状をなし、後端には樹脂材よりなる収容体140が設置されている。これら本体101と収容体140には、部品供給テープ70を通すための通路105が設けられている。通路105は、収容体140の後端下部から前方(図5では右側)に向けて真っ直ぐ水平に延びている。そして、本体101に連続し、その後、図5において右斜め上方に向かう経路をとって本体101の上部へと向かい、前部において本体101の上面に臨むようになっている。
そして、通路105を境にした本体101の前側(図5では右側)に、次に説明する送出装置110が配置され、通路105を境にした反対側(図5では左側)に引取装置120が設けられている。
送出装置110は送出モータ(具体的には、ブラシレスDCモータ)112、ギヤ113、ギヤ114、ギヤ115A、ギヤ115Aと一体に設けられるスプロケット115とからなり、装置の前側に設置されている。そして、スプロケット115の歯部にキャリアテープ71の係合孔71bが係合されるようになっている。
引取装置120は引き取りモータ(具体的には、ブラシレスDCモータ)122、ギヤ123、ギヤ124A、ギヤ124Aと一体に設けられる引き取りローラ124、ピンチローラ125からなる。ピンチローラ125は常には図外の付勢手段により図示下方に押圧され、引き取りローラ124に密着した状態にある。
これら両ローラ124、125間には、次に説明するテープホルダ130に形成されるスリット131によって装置後方に方向転換されたカバーテープ73の先端が差し込まれるようになっている。
図6に示す符号130はテープホルダである。このテープホルダ130は部品供給テープ70の両側をガイドしてテープの搬送を案内するとともに、部品供給テープ70の上面を押さえて、キャリアテープ71とスプロケット115の係合を維持するものである。
また、このテープホルダ130における中央やや後部寄りの位置にはスリット131が形成されている。スリット131はカバーテープ73を後方に折り返しつつ、キャリアテープ71から隔離させる機能を担うものである。
また、図5に示す符号150はコントロールボックスである。コントロールボックス150内には、フィーダ100の全体を制御・統括するフィーダ制御基板(後述するフィーダ制御部251などが搭載)160が収容され、またボックス150の前方にはコネクタ155が配置されている。
上述のフィーダ100はマニュアル式のロック装置170を備えており、これを作動させることで、図7に示すように部品供給部15に設けられる取り付け部15aに、フィーダ100を位置決めされた状態で固定することができる。そして、固定状態においては上記コネクタ155を通じて実装機本体(表面実装機10のうち、フィーダ100を除く部分)10A側から電力の供給、並びに各種制御信号が伝送されるようになっている。尚、図7に示す符号180はロック装置170を解除操作するためのロック解除アームである。
上記の如く構成されたフィーダ100を作動させるべく送出モータ112、引き取りモータ122を駆動させると、送出装置110側では送出モータ112の動力がギヤ113、114、115Aを介してスプロケット115に伝達される。
これにより、係止したキャリアテープ71を水平に引き込みつつスプロケット115が図5に示すA矢印方向に回転するから、装置前部(スプロケット115の天頂部分)の部品供給位置Oに向けて部品供給テープ70が送り出される。尚、本フィーダ100は、送出モータ112を定速回転駆動させており、部品供給テープ70の送り速度が一定速度に保たれている。
その一方、引取装置120側では、引き取りモータ122の駆動により、その動力がギヤ123、124Aを介して伝達され、引き取りローラ124が回転する。これにより、両ローラ124、125間に挟まれたカバーテープ73に装置後方への引き込み力が作用する。
そのため、テープホルダ130のスリット131を通過するときに、カバーテープ73はキャリアテープ71から引き剥がされる。これにより、送出の開始直後は、カバーテープ73によって上面を覆われていた部品Wは露出される。
その後は、部品Wを露出させた状態のまま、キャリアテープ71だけが装置前方へ送られ、やがて、送出距離が送りピッチLfに達すると、部品Wは部品供給位置Oに至る。尚、部品供給位置Oにおいて部品Wはキャリアテープ71の部品収納部71a内にあるが、上面が露出された状態にあるので、Z方向の下降動作により吸着ヘッド63が当該部品Wにアクセス可能となる。
ところで、上述したようにカバーテープ73を引き剥がした後、部品Wは露出状態にある。そのため、仮に何らかの異常があって装置が作動を停止してしまうと、部品Wはわずかな振動でも部品収納部71aから飛び出してしまうことがある。
このような場合、装置を再稼動させるにあたり、まず、部品Wの飛び出しの有無を確認する必要があるが、これを実行しようとすると、専用のセンサ等を装置に設置する必要がありコスト高になる。そのため、通常は装置を再稼動するにあたり、部品飛び出しの有無の確認はせず、部品供給テープ70を送り直す作業を行っている(センサを設置していない)。
しかしながら、この場合には、送り済みの部品Wは無駄に廃棄されることとなる。このような部品Wの無駄送りを最小限に抑えるには、部品供給テープ70の送出開始タイミングを出来るだけ遅くすることが効果的であり、本実施形態においても、係る点を考慮しつつ部品供給テープ70の送出開始タイミングを設定している(詳細は後述する)。
次に、上記の如く構成された実装機本体10A及び、フィーダ100の電気的構成を図8を参照して説明する。
まず、実装機本体10A側から説明してゆくと、実装機本体10Aはコントローラ210により装置全体が制御統括されている。コントローラ210はCPU等により構成される演算処理部211を備える他、実装プログラム記憶手段212、搬送系データ記憶手段213、モータ制御部215、画像処理部216、入出力部217、記憶手段(本発明の「記憶場所」に相当)218を設けている。
実装プログラム記憶手段212にはX軸モータ57、Y軸モータ47、Z軸モータ、R軸モータなどからなるサーボ機構を制御するための実装プログラムが格納され、搬送系データ記憶手段213には基板Pを搬送するべく搬送コンベア20を駆動する搬送系についてのデータが記憶されている。
モータ制御部215には、各種モータが電気的に連なっている。モータ制御部215は演算処理部211と共に、実装プログラムに従って各種モータを駆動させるものである。また、画像処理部216には部品認識カメラ17、基板認識カメラ65が電気的に連なっており、これら各カメラ17、65から出力される撮像信号がそれぞれ取り込まれるようになっている。そして、画像処理部216では、取り込まれた撮像信号に基づいて、部品画像の解析並びに基板画像の解析がそれぞれ行われるようになっている。
また、入出力部217はいわゆるインターフェースであって、次に説明するフィーダ100との間で制御信号を送受信させる他、実装機本体10Aに設けられる各種センサ類から出力される検出信号が取り込まれるように構成されている。
次に、フィーダ100の電気的構成について説明すると、フィーダ100には送出モータ112、引き取りモータ122を制御する制御手段としてフィーダ制御部251を設ける他、ロータリーエンコーダ(本発明のパルスエンコーダに相当)253、入出力部257を設けている。
入出力部257は実装機本体10Aとの間において各種の制御信号を授受するためのものである。これにより、フィーダ制御部251は実装機本体10Aの演算処理部211と連係して、送出モータ112を制御し、部品Wを部品供給位置Oに供給させている。尚、ロータリーエンコーダ253は送出モータ112の回転状況に応じたパルス信号を出力するものである。
次に、実装機本体10Aによって実行される一連の処理(基板搬入→実装→基板搬出)の流れについて説明する。尚、これら各処理のうちの、実装処理については図9を参照して説明するものとする。
まず、実装対象となる基板Pは搬送コンベア20を介して入り口側となる図2の右側から実装機本体10Aに搬入され、作業位置へと送られる。そして、基板Pが作業位置まで搬送されてくると、図外のストッパ装置などにより基板Pは作業位置に位置決めされる。
その後、演算処理部211の指令により各サーボ機構が作動しヘッドユニット60が駆動(水平方向に移動)される。これによりヘッドユニット60に設けられた基板認識カメラ65が基板Pの上方に移動し、基板Pの画像を撮影する。得られた基板画像は画像処理部216に取り込まれ、そこで画像解析がなされる。これにより、基板Pの上面に付されたフィデューシャルマークの位置が検出される(図9に示すS10)。
フィデューシャルマークの読み取りは、基板Pの位置を認識するために行われるものであり、後の工程において、認識された基板Pの位置に合わせて部品Wの実装が行われることとなる。
基板Pのフィデューシャルマークを認識する処理が完了すると、次に実装対象の部品Wを部品供給位置Oから取り出す処理(吸着処理)が実行される(図9に示すS20)。
部品供給位置Oから部品Wを取り出すには、各サーボ機構を介してヘッドユニット60を駆動させ、吸着ヘッド63を部品供給位置Oの上方まで移動させるとともに、その位置で吸着ヘッド63を昇降させることが必要である。そして、このときに、吸着ヘッド63によって部品Wを確実に吸着するには、少なくとも部品供給位置Oに部品Wが確実に供給されていなければならない。
そこで、本例では、フィーダ100が部品Wを部品供給位置Oに送り出す送出開始タイミングを実装機本体10Aの主導のもとに管理し、部品供給位置Oに対する部品Wの供給が最適なタイミングでなされるように設定している。以下、その具体的な手順を図10、図11のフローチャート図を参照しつつ説明する。尚、図10に示すフローチャート図は部品取り出し処理(図9におけるS20の処理)の詳細を示したものである。
部品Wの取り出し処理が開始されると、まず、図10に示すS100の処理が演算処理部211において実行され、各種サーボ機構、並びにフィーダ100が所定のタイミングで起動される。S100の処理については、その詳細が図11に示されている。
順に説明してゆくと、S200では、ヘッドユニット60の水平方向移動時間Th及び、吸着ヘッド63のZ方向移動時間Tvを算出する処理が演算処理部211により行われる。
まず、水平方向移動時間Thであるが、これは、ヘッドユニット60の移動距離Lhを基に、ヘッドユニット60の移動特性を考慮しつつ決定される。例えば、図13に示す位置にヘッドユニット60がある場合に、実装対象となる部品Wが図13に示す100Aのフィーダで供給されるケースであれば、吸着ヘッド63からフィーダ100Aの部品供給位置Oまでの直線距離が移動距離Lhとなる。
また、ここで言う移動特性を考慮するというのは、移動中、ヘッドユニット60は基本的には所定の速度で定速駆動されるが、始動から定速に達するまでは加速期間があり、また、最終的には減速されつつ停止されるので、これら加減速を含む全てを考慮するということである。
次に、Z方向移動時間Tvであるが、これは、吸着ヘッド63の下降距離Lvを基に、吸着ヘッド63の下降特性を考慮しつつ決定される。下降距離Lvというのは、図3など上昇位置にある吸着ヘッド63のノズル下面から、部品上面(より詳しくは、部品供給位置Oに供給された部品Wの上面)までの高低差(図17参照)である。
また、ここで言う下降特性を考慮するというのは先の移動特性と同様に、吸着ヘッド63の下降速度に加え、加減速についても考慮するということである。
かくして、水平方向移動時間Th、Z方向移動時間Tvが算出されると、次にS210に移行される。S210では、フィーダ100の送り動作時間Tfを読み出す処理が演算処理部211により行われる。
具体的に説明すると、フィーダ100による部品供給テープ70の送りピッチLfは、供給対象となる部品Wの大きさの差異によりそれぞれ異なる。すなわち、大きな部品であれば、送りピッチLfは必然的に長くなり、これとは反対に小さな部品であれば、送りピッチLfは短くて済む。本実施形態では、フィーダ100の送り動作時間Tfが、送りピッチLfごとに予め算出してある。そして、算出された送り動作時間Tfを送りピッチLfと関連付けた状態で、記憶手段218に記憶させてある。
従って、記憶手段218にアクセスすることで、供給対象となる部品Wの送りピッチLfに応じた送り動作時間Tfを取得出来る。尚、上記各送り動作時間Tfの具体的な算出方法であるが、本実施形態では、各送りピッチLfを基に、送出モータ112の回転特性(定常状態における回転速度、始動時の加速、停止の減速を含む回転中全体の特性)を考慮しつつ算出することとしており、算出された結果を上述のように記憶させている。そして、演算処理部211によって実行されるS210の処理により、本発明の「取得手段」の果たす処理機能が実現されている。
上記S210の処理に続いてS220の処理が行われる。S220では、Z軸サーボ機構を作動させ吸着ヘッド63を下降させる下降開始タイミング(Z軸の起動)を決定する処理が演算処理部211によって実行される。
吸着ヘッド63を下降させる下降開始タイミングは、吸着ヘッド63の下降動作完了時刻Tx、すなわち吸着ヘッド63のノズル下面が部品供給位置Oにある部品上面に達する時刻が、吸着ヘッド63の水平方向移動完了より遅れて完了するように設定される。図15の例であれば、Z軸の起動開始タイミングは同図中のt2のタイミングに設定され、その結果、吸着ヘッド63の水平方向の移動完了時刻t4より、吸着ヘッド63の下降動作完了時刻Txが時間α遅れる設定となる。
また、設定方法の一例としては、例えば、図16の上段に示すように吸着ヘッド63が水平方向の移動を完了させる時刻と、吸着ヘッド63が下降動作を完了させる下降動作完了時刻Txとを互いに一致させるように、Z軸の起動開始タイミングを設定することも可能である。
しかし、この場合、何らの理由で水平方向の移動動作の完了が予定より遅れると(下段の場合)、下降動作がすでに完了しているにも拘わらず、吸着ヘッド63は水平方向への移動を行う状態になる。仮に、このような事態が起きると、吸着ヘッド63は、隣接配置されたフィーダ100上を横滑りしながら部品供給位置Oに向けて移動することとなるから、本実施形態ではこのような事態を未然に回避するべく、上記のような設定としている。
次に、S230の処理であるが、ここでは、フィーダ100による部品Wの送出開始タイミングを決定する処理が演算処理部211によって実行される。本実施形態では、下降動作完了時刻Txを基準とし、その時刻Txから以下に説明する合計時間Tgを遡った時刻を、部品Wの送出開始タイミングとしている。これにより、図15の例であれば、時刻t1に部品Wの送出開始タイミングが設定されることとなる。尚、演算処理部211により実行されるS230の処理により、本発明の「設定手段」の果たす処理機能が実現されている。
Tg=A1+Tf+R
A1:通信時間
Tf:フィーダの送り動作時間Tf
R:余裕時間
このような設定とすることで、下降動作完了時刻Txに対して、時間Rの余裕をもって部品Wを供給(より具体的に言えば、部品供給位置Oに部品Wをフィーダ100により供給)することが可能となる。
尚、通信時間A1とは、フィーダ100と実装機本体10A間において信号を授受(送受信)させるのに必要な時間のことである。本実施形態のものは、実装機本体10Aの主導のもとフィーダ100を制御しており、実装機本体10Aからフィーダ100に通信ラインDLを通じて各種の指令を与えている。従って、両間においてなされる通信の遅れ分を見込んでおかないと、予定した時間に対して遅れてフィーダ100に指令が与えられ、動作もその分遅れることとなるからである。
尚、上記余裕時間Rを必要以上に長く設定してしまうと、部品Wの送出開始タイミングが早くなり過ぎて、先に説明した部品Wの無駄送りを生じかねない。従って、本実施形態のものは、後述する通信時間A2に加えて幾らかの動作マージンを確保してはいるものの、余裕時間Rを極力短い時間に設定している。このような構成とすることで、部品Wの無駄送り最小限に抑えることが可能となる。
かくして、S230でフィーダ100による部品Wの送出開始タイミングが決定されると、処理はS240に移行される。S240では演算処理部211によってX軸、Y軸を起動する処理が行われる。すなわち、X軸モータ57、Y軸モータ47が通電操作される結果、X軸サーボ機構、Y軸サーボ機構が作動する(図15の時刻to)。
これにより、ヘッドユニット60、ひいては吸着ヘッド63は上昇位置の高さを保ちつつ部品供給位置Oへ向けて水平移動を開始することとなる(図17参照)。
その後、時間が経過して、図15に示すt1の時刻になると、フィーダ100を起動させる処理が演算処理部211によって実行される(S250で判定Yesされ、S255に移行)。具体的に説明すると、演算処理部211は通信ラインDLを介してフィーダ100のフィーダ制御部251に送出開始指令Scを与える(図8参照)。
すると、指令を受けたフィーダ制御部251は送出モータ112を通電操作する(S255)。かくして、送出モータ112が回転を始めると、その動力がスプロケット115に伝達される。
すると、スプロケット115が、係止したキャリアテープ71を水平に引き込みつつ図5に示すA矢印方向に回転するから、装置前方の部品供給位置Oに向けて部品供給テープ70は送出されることとなる。この時点では、X軸、Y軸サーボ機構による吸着ヘッド63の水平方向への動作と、フィーダ100による部品Wの供給動作の2動作が並行して進められる状態となる。
尚、送出モータ112が回転を始めると、ロータリーエンコーダ253からは送出モータ112の回転状況に応じたパルス信号が検出される。検出されたパルス信号はフィーダ制御部251に取り込まれる。
その後、更に時間が経過して、図15に示す時刻t2になると、今度は、Z軸を起動させる処理、すなわちZ軸サーボ機構を作動させる処理が演算処理部211によって実行される(S260でYes判定されS265に移行)。これにより、上昇位置にあった吸着ヘッド63は下降を開始する。この時点では、吸着ヘッド63の水平方向への移動動作と、フィーダ100による部品Wの供給動作と、吸着ヘッド63の下降動作の3動作が並行して進められる状態となる。
尚、このように3つの動作が並行して進められる状態になると、S270の判定処理を実行したときにYes判定され、図11に示す一連の処理が一通り完了することとなる。
その後、上述した3動作が並行して進められる状態が一定時間続く。そして、時刻t2で送出開始された部品供給テープ70は、装置前方に送られる過程でカバーテープ73が引き剥がされた状態になり、その後、露出された部品Wが部品供給位置Oに向けて更に送られてゆく。
やがて、図15における時刻t3になると、送出開始後におけるテープの移動量が送りピッチLfに達し、露出された部品Wが部品供給位置Oに至る(部品供給完了)。そして、部品Wの供給が完了すると、フィーダ100は送出モータ112の駆動を停止させる。これより、部品Wが部品供給位置O上に静止した状態となる。
尚、送出モータ112の停止制御であるが、これはロータリーエンコーダ253から出力されるパルス信号に基づいて実行される。すなわち、フィーダ制御部251はロータリーエンコーダ253から出力されるパルス信号に基づいて送出モータ112の駆動状況を監視しており、送出モータ112の回転回数がある程度の回転回数に達し、テープの送出量が送りピッチLfに近づくと送出モータ112を減速させる。
その後、送出モータ112は減速しつつ回転を続ける。やがて、テープの送出量が送りピッチLfにほぼ達する。このときには、送出モータ112の回転回数が予定した回転回数に達し、エンコーダ253から出力されるパルス信号のトータル信号数(送出開始からのトータル信号数)が予定数となる。従って、フィーダ制御部251は、パルス信号のトータル信号数が予定数に達したことをもって、減速状態にある送出モータ112の駆動を完全停止させる。
そして、送出モータ112の駆動を停止させると、フィーダ制御部251は通知信号Srを送信する処理を行う。通知信号Srは部品供給位置Oに対する部品Wの供給動作の完了を通知するものであり、通知信号Srは通信ラインDLを通じて実装機本体10Aに送られる(図8参照)。
実装機本体10Aは通知信号Srを受信すると、同信号Srの受信をもって、部品供給位置Oに部品Wが供給された(送り動作完了)と認識する(図10のS110)。
かくして、通知信号Srを受信すると、実装機本体10Aの演算処理部211は、通知信号Srの受信時刻が設定時間内に収まっているか、否かについて判定する処理を実行する(S120)。
本例では、判定基準となる設定時間が図18に示すように余裕時間R内に設定されている。フィーダ100が正常に動作している場合であれば、フィーダ100から送信された通知信号Srは、図18に示すBのタイミング(フィーダ100の送り動作が完了した時点から通信時間A2だけ経過した時刻)に受信されるから、演算処理部211によってYesの判定がなされる。
尚、S120の処理でNo判定された場合には、エラー処理が行われることとなるが、これについては、後に詳しく説明する。
さて、図15に戻って説明を続けると、部品供給位置Oに対する部品Wの供給が完了した時刻t3時点ではX軸サーボ機構、Y軸サーボ機構、Z軸サーボ機構はいずれも作動状態にあり、吸着ヘッド63は水平方向への移動と、下降動作を複合的に行う動作状態にある。
その後、時間が経過して時刻t4になると、吸着ヘッド63は部品供給位置Oの真上となる位置に至り、X軸サーボ機構、Y軸サーボ機構については作動が一旦停止される。
その結果、時刻t4以降は、Z軸サーボ機構だけが作動した状態になるから、吸着ヘッド63は部品供給位置Oの真上から真っ直ぐ下降する(図17参照)。これにより、部品供給位置Oにおいて静止状態にある実装対象の部品Wに対して吸着ヘッド63が次第に接近してゆく。
やがて、下降動作完了時刻Txとなり、吸着ヘッド63のノズル先端が部品供給位置Oに位置する部品Wの上面高さに達する(図17参照)。そして、吸着ヘッド63が部品Wの上面高さに至るタイミングに合わせて図外の負圧手段から負圧が供給される。
これにより、部品供給位置Oにある部品Wが吸着ヘッド63により吸着保持される。このように、本実施形態のものは、下降動作完了時刻Txと同時刻に吸着ヘッド63による部品Wの吸着動作が実行される設定とされている。
その後、今度は、吸着ヘッド63を上昇させるべくZ軸サーボ機構が再び作動される。これにより、部品Wは吸着ヘッド63と共に上昇する。かくして、フィーダ100の部品供給位置Oから実装対象となる部品Wが取り出される(S140)。
かくして、実装対象となる部品Wの取り出しが完了(図9のS20)すると、その後は取り出した部品Wの認識処理(図9のS30)、及び部品Wの実装処理(図9のS40)が順に行われる。
具体的に説明すると、X軸サーボ機構、Y軸サーボ機構を介してヘッドユニット60が駆動され、吸着ヘッド63は部品認識カメラ17上を通過する。このとき、部品認識カメラ17によって撮影が実行され、吸着された部品Wの部品画像が取得される。得られた部品画像は画像処理部216に取り込まれ、そこで画像解析がなされ、吸着ヘッド63に対する部品Wの吸着位置ずれが検査される(S30)。
その後、吸着された部品Wの移送がヘッドユニット60により行われる。移送中、部品Wの吸着位置ずれが補正され、その後、所定の部品実装位置に達したところで、吸着ヘッド63の昇降が行われ、この昇降に伴い部品Wがプリント基板P上に実装される(S40)。
かくして、S40の処理が完了すると、S50では全ての実装が完了したか否かについての判定が、演算処理部211によって行われる。実装が完了していない場合には、S20に戻り次の部品Wを取り出す処理が行われる。
すると、上述したのと同様に、S200〜S270の各処理が基本的には改めて行われることとなる。
これによりS200の処理において、水平方向移動時間Th、Z方向移動時間Tvが改めて算出されることとなる。
例えば、図13に示すように、フィーダ100Bにより供給される部品Wを取り出す場合には移動距離がLh'となる。また、吸着ヘッド63の下降距離Lvは部品Wの厚みが異なれば、それに応じて変わる。すなわち、厚い部品Wの場合であれば、下降距離Lvが短くて済むし、薄い部品Wであれば、下降距離Lvは長くなる。
従って、S200では、そのときの移動距離Lh、下降距離Lvに基づいて水平方向移動時間Th、Z方向移動時間Tvが再計算される。
また、S210では、記憶手段218にアクセスする処理が再度行なわれ、供給対象の部品Wの送りピッチLfに応じた送り動作時間Tfが演算処理部211によって改めて読み出される。
そして、S200、S210の処理に続いて、S220、S230の処理が行われる。これにより、吸着ヘッド63による部品Wの取出しが時間のロスなく確実に実行できるように、Z軸の起動開始タイミング、フィーダ100による部品Wの送出開始タイミングが再設定される。そして、決められたタイミングに従ってX軸、Y軸、Z軸及びフィーダ100が起動される(S240〜S270)。
その後は、既に説明したのと同様に部品Wの取り出し、部品認識、部品実装の各処理が順に実行され、2つ目の部品Wについて実装が完了する。
係る一連の処理を繰り返し行いつつ、部品Wを順次実装してゆくことで、やがて、全ての実装が完了することとなる(S50:判定Yes)。
そして、全ての実装が完了すると、搬送コンベア20が再び駆動される。これにより、実装作業が完了した基板Pは図2に示す作業位置から図2に示す左方向へと移送され、やがて機外に搬出される。
このように本実施形態では、部品供給位置Oに対する部品Wの供給を、下降動作完了時刻Tx以前に完了させることとした。これにより、吸着ヘッド63による部品Wの取り出し動作を、ミスなく確実に実行することが出来る。
また、基板P上には複数の部品Wが実装されるので、一の部品Wについて実装動作が完了すれば、次の部品Wの取り出しが行われることとなるが、本実施形態では、そのときの状況(部品供給位置Oまでの移動距離Lhの長さ)に応じて、部品Wの送出タイミングが再設定される。このようにしておけば、吸着ヘッド63による部品の取り出し動作について、その毎回の動作をミスなく確実に実行することが可能となる。
次に図10に示すS120の判定処理でNo判定された場合(例えば、通知信号Srが、図18に示すDのタイミングなど設定時間以降に受信された場合)について説明を行う。この場合には、S150に移行してエラー処理を行う。
エラー処理は、図12のS300からS380の処理より構成されている。順に説明してゆくと、まず、S300ではフィーダ100が部品供給テープ70の送り動作を完了できているか否かが、演算処理部211によって判定される。フィーダ100から送信された通知信号Srを実装機本体10Aで受信出来ていれば、送り動作は完了していると判定され、処理はS310に移行される。
S310ではフィーダ100による部品供給動作の遅れ時間を算出する処理が演算処理部211によって行われる。具体的に説明すると、図18のDのタイミングで通知信号Srを受信した場合であれば、Dの受信時刻からCの設定時間経過時刻(本発明の「基準完了時刻」に相当)を減算した時間が部品供給動作の遅れ時間とされる。
尚、部品供給動作に遅れが生じる原因は種々考えられるが、その一例として送出装置110を構成する各構成部品(送出モータ112、各種ギヤ113、114、スプロケット115)の劣化/磨耗がある。使用期間がある程度長くなると、これら構成部品の劣化/磨耗は通常避けられない問題であり、大小の程度はあるもののフィーダ100の送り動作は遅れる傾向を呈し、使用期間の経過とともにそれが顕著となる。
説明を続けると、S310の処理で部品供給動作の遅れ時間が算出されると、処理はS320に移行される。ステップ320では算出された遅れ時間の大小に基づいて判定処理が演算処理部211によって行われる。すなわち、部品供給動作の遅れが比較的小さく、実装性能に影響を与えずに実装動作を継続できる場合であれば、Yes判定され、処理はS330へと移行される。尚、演算処理部211により実行されるS310、S320の処理により、本発明の「比較手段」の果たす処理機能が実現されている。
S330では、演算処理部211の指令により実装機本体10Aの表示/操作ユニット240を通じてエラー表示がされる。エラー表示の際には、例えばフィーダによる部品の供給動作に遅れが発生している旨の表示と、これに合わせて遅れ時間が表示/操作ユニット240に表示される。これにより、ユーザはそのまま実装動作を継続させるか、設定を変更するか選択することが出来る。そのまま実装動作を継続するが選択された場合(S330:判定No)には、エラー処理は終了する。
尚、演算処理部211により実行されるS330の処理、及び後述するS350の処理により、本発明の「報知制御手段」の果たす処理機能が実現されている。また、本発明の「報知手段」は本実施形態では、表示/操作ユニット240がこれに相当している。
エラー処理が終了すると、処理は図10のS160に戻る。このときには、S160でNo判定されるので、処理は完了する。この場合、部品供給動作の遅れ時間は無視され、次の部品Wについての実装動作が今回と同じ設定の下に実施されることとなる。
一方、設定を変更するが選択された場合(S330:判定Yes)には、S340に移行して部品Wの送出開始タイミングの変更要求が演算処理部211によりなされ、その後、エラー処理は終了する。
エラー処理が完了すると、処理は図10のS160に戻る。このときには、S160でYes判定されるので、処理はS170に移行される。S170では、部品Wの送出開始タイミングを変更する処理が実施される。具体的には、実装機本体10Aに設けられる表示/操作ユニット240を通じてユーザが手操作により送出開始タイミングの調整を行うこととなる。
タイミングの調整はユーザに任されるが、一般的には、部品供給動作の遅れ時間だけ送出開始タイミングを早める調整作業が行われる。この結果、送出開始タイミングは、図18中の「t1」のタイミングから「t1'」のタイミングに設定される。
かくして、S170においてフィーダ100の送出開始タイミングを変更する処理が完了すると、調整処理は完了する。この場合、次の部品Wについての実装動作を行うに際し、フィーダ100は「t1'」のタイミングで部品供給テープ70の送出を開始する。尚、上述の構成により、本発明の「前記比較手段により両時刻のずれが検出された場合、次に部品供給位置に送られる部品の送出開始タイミングを、両時刻のずれを小さくする指示値(ここでは、「t1'」)に変更する」が、実現されている。
このようにフィーダ100の部品供給状況に合わせて部品供給テープ70の送出開始タイミングを微調整することで、フィーダ100の経年変化に拘わらず、吸着ヘッド63を待たせることなく最適のタイミングで、部品Wを部品供給位置Oに送ることが出来る。
また、調整作業を実装機本体10Aの内部で全て自動的に処理することも可能であるが、本実施形態のものは、これをあえてエラー表示という形をとってユーザに知らせることとした。このような構成とすることで、フィーダ100の動作状況をユーザが把握することができ、フィーダ100の交換時期などを適切に判断することが可能となる。
次に、S320の処理でNo判定された場合、すなわち部品供給動作の遅れが大きい場合について説明する。この場合には処理はS350に移行される。S350では、演算処理部211の指令により実装機本体10Aの表示/操作ユニット240を通じてエラー表示がされる。
エラー表示の際には、例えば部品供給動作に遅れが発生している旨の表示と、これに合わせて遅れ時間が表示され、更に、「実装タクトが低下しますが、タイミングを変更し実装を継続しますか」なるメッセージが表示される。これにより、ユーザはフィーダ100による部品Wの送出開始タイミングを変更するか、否かを選択することが出来る。
部品Wの送出開始タイミングを変更する処理がユーザにより選択された場合には、処理はS360に移行される。S360の処理は、先に説明したS340の処理と同じであるのでここでは説明を割愛する。
一方、S350でユーザが送出開始タイミングを変更しない旨の選択をした場合は、処理はS370に移行される。S370では演算処理部211の指令により、実装機本体10Aの表示/操作ユニット240を通じてエラー表示が再びなされる。このときには、フィーダ100の交換作業を促す表示として、例えは「フィーダを交換してください」などが表示される。
また、これまでの説明では、実装機本体10A側が、フィーダ100側から送信された通知信号Srを受信出来ている事を前提として説明を行った。しかし、故障などの理由によりフィーダ100が部品供給位置Oまで部品Wを送れない場合も想定される。
これに対応するべく、本実施形態では、S380、S390の処理を設けて、一定時間を経過しても通知信号Srが受信できない場合には(S380:判定Yes)、演算処理部211の指令により実装機本体10Aの表示/操作ユニット240を通じて、「タイムアウトエラー」を表示させるようにしている。このような構成であれば、ユーザに対してフィーダ100の異常を早期に知らせることが可能となる。
尚、一定時間の具体的な設定であるが、これは少なくとも、図18に示す余裕時間Rの経過より以降にタイムアップするように設定すればよい。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、フィーダ100が部品供給テープ70を定速で送る構成としてあるが、必ずしも定速である必要はなく、送り動作時間Tfをある程度予測可能であれば、テープの送り速度を途中で切り替える(変速するもの)ものも適用可能である。