以下、この発明の実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、この発明に係る電子楽器の全体構成を示したハード構成ブロック図である。本実施例に示す電子楽器は、マイクロプロセッサユニット(CPU)1、リードオンリメモリ(ROM)2、ランダムアクセスメモリ(RAM)3からなるマイクロコンピュータによって制御される。CPU1は、この電子楽器全体の動作を制御するものである。このCPU1に対して、データ及びアドレスバス1Dを介してROM2、RAM3、検出回路4,5、表示回路6、音源回路7、ミキサー8、携帯オーディオ接続インタフェース(I/F)9、外部記憶装置10、MIDIインタフェース(I/F)11および通信インタフェース(I/F)12がそれぞれ接続されている。更に、CPU1には、タイマ割込み処理(インタラプト処理)における割込み時間や各種時間を計時するタイマ1Aが接続されている。例えば、タイマ1Aはクロックパルスを発生し、発生したクロックパルスをCPU1に対して処理タイミング命令として与えたり、あるいはCPU1に対してインタラプト命令として与える。CPU1は、これらの命令に従って各種処理を実行する。
ROM2は、CPU1により実行される各種プログラムや各種データを格納するものである。RAM3は、CPU1が所定のプログラムを実行する際に発生する各種データを一時的に記憶するワーキングメモリとして、あるいは現在実行中のプログラムやそれに関連するデータを記憶するメモリ等として使用される。RAM3の所定のアドレス領域がそれぞれの機能に割り当てられ、レジスタやフラグ、テーブル、メモリなどとして利用される。演奏操作子4Aは楽音の音高を選択するための複数の鍵を備えた例えば鍵盤等のようなものであり、各鍵に対応してキースイッチを有しており、この演奏操作子4A(鍵盤等)はユーザ自身の手弾きによるマニュアル演奏や自動伴奏用のコード入力などのために使用することができるのは勿論のこと、マニュアル演奏したい楽曲を選択するための入力手段などとして使用することもできる。検出回路4は、演奏操作子4Aの各鍵の押圧及び離鍵を検出することによって検出出力を生じる。
設定操作子(スイッチ等)5Aは、例えばマニュアル演奏したい楽曲に適した演奏環境の自動設定の開始を指示する演奏設定スイッチ、マニュアル演奏にあわせた自動伴奏の開始/停止を指示する自動伴奏開始/停止スイッチなどがある。勿論、設定操作子5Aはこれら以外にも、音高、音色、効果等を選択・設定・制御するために用いる数値データ入力用のテンキーや文字データ入力用のキーボード、あるいはディスプレイ6Aに表示される所定のポインティングデバイスを操作するために用いるマウスなどの各種操作子を含んでいてよい。検出回路5は、上記各スイッチの操作状態を検出し、その操作状態に応じたスイッチ情報をデータ及びアドレスバス1Dを介してCPU1に出力する。
表示回路6は例えば液晶表示パネル(LCD)やCRT等から構成されるディスプレイ6Aに、後述する「コンテンツリスト画面」(図4参照)や「コンテンツ再生画面」(図5参照)などの各種画面、現在設定されている演奏環境、ユーザが選択した楽曲の楽譜(例えば、メロディパート用の楽譜、自動伴奏パート用のコード入力情報を示す楽譜など)や歌詞など、あるいはCPU1の制御状態などを表示したりする。ユーザは該ディスプレイ6Aに表示されるこれらの各種情報を参照することで、例えばユーザ所望の楽曲をマニュアル演奏するのに適した演奏環境の設定や、演奏操作子4A(鍵盤)に対するマニュアル演奏のための押鍵操作あるいは自動伴奏のためのコード入力操作などを容易に行うことができるようになる。
音源回路7は複数のチャンネルで楽音信号の同時発生が可能であり、データ及びアドレスバス1Dを経由して与えられた、ユーザによる演奏操作子4Aのマニュアル操作に応じて発生される、あるいは伴奏パターンデータに基づき発生される各種演奏情報を入力し、これらの演奏情報に基づいて楽音信号を発生する。ミキサー8は、音源回路7から発生された楽音信号(オーディオ信号)と、後述する携帯オーディオプレイヤー9Aから発生されたオーディオ信号とをミキシングして、これをアンプやスピーカなどを含むサウンドシステム9から発音する。なお、前記音源回路7とミキサー8とサウンドシステム9の構成には、従来のいかなる構成を用いてもよい。例えば、音源回路7はFM、PCM、物理モデル、フォルマント合成等の各種楽音合成方式のいずれを採用してもよく、また音源回路7やミキサー8は専用のハードウェアで構成してもよいし、CPU1によるソフトウェア処理で構成してもよい。
携帯オーディオ接続インタフェース(I/F)9は外付けのハードウェア装置として、携帯オーディオプレイヤー9Aなどの公知のコンテンツ再生装置を外部接続するためのインタフェース機器(例えば、USB(Universal Serial Bus)機器など)である。電子楽器は、該携帯オーディオ接続インタフェース(I/F)9経由で外部の携帯オーディオプレイヤー9Aに対し、携帯オーディオプレイヤー9Aが記憶する音楽コンテンツの再生開始/停止を随時に指示することができ、また当該携帯オーディオプレイヤー9Aでの音楽コンテンツの再生に応じて発生される楽音(オーディオ)信号を取得することができるようになっている(詳しくは後述する図3参照)。また、携帯オーディオプレイヤー9Aから各種情報を取得して、CPU1に渡すようになっている。なお、携帯オーディオプレイヤー9Aへの指示や情報取得用の信号線と楽音信号用の信号線は、共用してもよいし、別途設けてもよい。特に、楽音信号がディジタルの場合は共用するとよく、楽音信号がアナログの場合は別とするのがよい。
携帯オーディオプレイヤー9Aは、MP3データなどのディジタルデータからなる多数の音楽コンテンツを楽曲付随情報(図示せず)などと共に内蔵データストレージ(例えば、ハードディスクや半導体メモリなど)に記憶する音楽コンテンツ記憶機能、またユーザ操作に応じて内蔵データストレージ内に記憶した音楽コンテンツを再生(デコード)する音楽コンテンツ再生機能を少なくとも有する機器である。すなわち、携帯オーディオプレイヤー9Aは外付けのハードディスク装置やUSBメモリなどのような単に音楽コンテンツを記憶することができる機器(後述の外部記憶装置10)とは異なって、多数の音楽コンテンツを記憶することができるだけでなく、該記憶した多数の音楽コンテンツの中から任意の音楽コンテンツを、ユーザ指定に応じてあるいはランダムに再生することで楽音を発生することができる機器である。なお、携帯オーディオプレイヤー9Aは上記した以外にも他の機能、例えば内蔵データストレージ内に記憶済みの音楽コンテンツの一覧や再生中の音楽コンテンツの曲名やアルバム名などを、前記楽曲付随情報に基づいて、内蔵する液晶パネルなどの表示装置に表示する表示機能などを有していてもよい。また、オーディオプレイヤーは携帯型でなくてもよいことは勿論である。
外部記憶装置10は、演奏環境設定情報(後述する図2参照)や伴奏スタイルに対応した伴奏パターンデータあるいはマニュアル音色などの各種データ、さらにはCPU1が実行する各種制御プログラム等の制御に関するデータなどを記憶する。なお、上述したROM2に制御プログラムが記憶されていない場合、この外部記憶装置10(例えばハードディスク)に制御プログラムを記憶させておき、それをRAM3に読み込むことにより、ROM2に制御プログラムを記憶している場合と同様の動作をCPU1にさせることができる。このようにすると、制御プログラムの追加やバージョンアップ等が容易に行える。なお、外部記憶装置10はハードディスク(HD)に限られず、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD‐ROM・CD‐RAM)、光磁気ディスク(MO)、あるいはDVD(Digital Versatile Disk)等の着脱自在な様々な形態の外部記憶媒体を利用する記憶装置であればどのようなものであってもよい。あるいは、フラッシュメモリなどの半導体メモリであってもよい。
MIDIインタフェース(I/F)11は、外部接続された他のMIDI機器11A等からMIDI形式の自動演奏データ(MIDIデータ)を当該電子楽器へ入力したり、あるいは当該電子楽器からMIDI形式の自動演奏データを他のMIDI機器11A等へ出力するためのインタフェースである。他のMIDI機器11Aはユーザによるマニュアル演奏操作に応じてMIDI形式のデータを発生する機器であればよく、鍵盤型、ギター型、管楽器型、打楽器型、身振り型等どのようなタイプの操作子を具えた(若しくは、操作形態からなる)機器であってもよい。
通信インタフェース(I/F)12は、例えばLANやインターネット、電話回線等の有線あるいは無線の通信ネットワークNに接続されており、該通信ネットワークNを介してサーバコンピュータ12Aと接続され、当該サーバコンピュータ12Aから制御プログラムあるいは各種データなどを電子楽器側に取り込むためのインタフェースである。すなわち、ROM2や外部記憶装置10(例えば、ハードディスク)等に制御プログラムや各種データが記憶されていない場合には、サーバコンピュータ12Aから制御プログラムや各種データをダウンロードするために用いられる。こうした通信インタフェース12は、有線あるいは無線のものいずれかでなく双方を具えていてよい。
なお、電子楽器は演奏操作子4Aやディスプレイ6Aあるいは音源回路7などを1つの装置本体に内蔵したものに限らず、それぞれが別々に構成され、MIDIインタフェースや各種ネットワーク等の通信手段を用いて各装置を接続するように構成されたものであってもよいことは言うまでもない。さらに、本発明に係る電子楽器は上記したような形態に限らず、パーソナルコンピュータやカラオケ装置やゲーム装置など、ユーザによる演奏操作子としても機能するスイッチやボタンなどのマニュアル操作に応じて楽音を発生するものであれば、どのような形態の装置・機器に適用してもよい。
ここで、ROM2や外部記憶装置10などにデータベースとして記憶されており、電子楽器における機器設定を、ユーザがマニュアル演奏する楽曲に適した演奏環境に設定するために用いられる「演奏環境設定レコード」について、図2を用いて説明する。図2は、演奏環境設定情報レコードのデータ構成の一実施例を示す概念図である。
データベース化された多数の演奏環境設定情報レコードの1つ1つは、大きく「楽曲特徴情報」と「演奏環境設定情報」とに分けることができる。「演奏環境設定情報」は、後述する「楽曲特徴情報」により特徴付けられる楽曲を、ユーザがマニュアル演奏するのに適した電子楽器の演奏環境を定義したデータである。ここに示す実施例では、自動伴奏用の伴奏パターンデータを指し示す「伴奏スタイル」、ユーザがマニュアル演奏操作する際の演奏速度とする「テンポ」、ユーザによるマニュアル演奏操作に応じて発生させる楽音に用いる「マニュアル演奏音色」、前記以外の電子楽器の演奏環境に関する設定のうちの1乃至複数の「その他」の設定が、設定可能な演奏環境として含まれている。「その他」の設定としては、例えばマニュアル演奏に応じて発生させる楽音の音量バランス、楽音に付与するエフェクト(効果)の種類、楽音のコード進行、マニュアル演奏に使用する鍵域と自動伴奏のためのコード入力などに使用する鍵域とに鍵盤を分割するためのスプリット情報などが挙げられる。勿論、「演奏環境設定情報」に定義されるテンポや音色などの各情報は、必ずしもオリジナルの楽曲のテンポや音色などと同じでなくてよいことは言うまでもない。
「楽曲特徴情報」は、上記した「演奏環境設定情報」に基づき設定される演奏環境が、ユーザがマニュアル演奏する際に用いるべき演奏環境として適する楽曲の特徴を端的に表す情報である。ここに示す実施例においては、楽曲の曲名を表す「楽曲名」、楽曲に関連した単語等からなりユーザが当該楽曲を連想することができるであろう1乃至複数の「キーワード」、例えばポップス、ロック、クラシック、演歌、ジャズなどの音楽的な内容に従って楽曲を分類する「音楽ジャンル」、オリジナルの楽曲の拍子を表す「ビート」、オリジナルの楽曲の演奏速度を表す「テンポ」などの情報が含まれる。この「楽曲特徴情報」に定義された上記各情報の少なくともいずれか1つの情報を指定することに応じて、該当する1乃至複数の「演奏環境設定情報」を特定することができるようにしている。
本実施例においては、楽曲の演奏が自動演奏データの再生に基づき自動的に行われるものではなく、ユーザによるマニュアル演奏操作に応じて行われることを前提としているので、こうしたマニュアル演奏に適した演奏環境の設定は、MIDI等のシーケンスデータのイベントとして演奏中に随時に行われるのではなく、上記した「演奏環境設定情報」を用いてユーザ自身がマニュアル演奏の開始前に予め行うことができるようにしている。そこで、以下ではマニュアル演奏前における、ユーザ自身によるマニュアル演奏に適した演奏環境の設定手順について説明する。
まず、ユーザ所望の楽曲に適した演奏環境を自動的に設定する演奏環境自動設定機能を実現する「演奏環境自動設定処理」の一連の処理概要について、図3を用いて説明する。図3は、「演奏環境自動設定処理」の一実施例を示すフローチャートである。ただし、この実施例では、電子楽器と、該電子楽器に接続された携帯オーディオプレイヤーとの間で、所定の情報を送受信しながら並行して「演奏環境自動設定処理」を行うことから、電子楽器及び携帯オーディオプレイヤーでそれぞれ実行する処理を同時に示し、処理手順に従って説明する。なお、電子楽器側の処理は、演奏設定スイッチの操作に応じて開始されるソフトウェアプログラムである。他方、携帯オーディオプレイヤー側の処理は、プレイヤー本体の電源オンに応じて開始されるソフトウェアプログラムであって、プログラム起動後は所定の待機状態にある。以下、図3に示したフローチャートに従って、「演奏環境自動設定処理」について説明する。
まず、電子楽器は、本電子楽器と携帯オーディオ接続インタフェース9を介して接続されている携帯オーディオプレイヤー9Aに対して、該携帯オーディオプレイヤー9Aが記憶している全ての楽曲(音楽コンテンツ)に関連する所定の情報を送信するよう要求する(ステップS1)。具体的には、携帯オーディオプレイヤー9Aに対して、上記情報送信処理を行うよう指示するコマンドを送信する。電子楽器本体に接続されている携帯オーディオプレイヤー9Aでは、上記要求(コマンド)を電子楽器から受信すると、該携帯オーディオプレイヤー9Aが記憶している全ての音楽コンテンツに関連する所定の情報を、電子楽器に対して返信する(ステップK1)。携帯オーディオプレイヤー9Aが電子楽器に対し返信する音楽コンテンツに関連する所定の情報は、携帯オーディオプレイヤー9Aが記憶している全ての音楽コンテンツに関連する情報、例えば楽曲名などからなる音楽コンテンツリスト(記憶済み音楽コンテンツ一覧表)と、各音楽コンテンツに付随する楽曲付随情報(例えばアルバム名、アーティスト名、音楽ジャンル、ビート、テンポなどを含む)である。
電子楽器は、携帯オーディオプレイヤー9Aから返信された音楽コンテンツに関連する情報(音楽コンテンツリストと楽曲付随情報)を受信すると、該受信した情報に基づき、「コンテンツリスト画面」(後述する図4参照)をディスプレイ6Aに表示する(ステップS2)。ステップS3は、ユーザによる「コンテンツリスト画面」(図4参照)における音楽コンテンツの選択及び「選択」ボタンA2の操作(画面押下操作やクリック操作など)に応じて、音楽コンテンツを選択する。なお、ここで「コンテンツリスト画面」において「選択」ボタンA2が操作されることなく、「戻る」ボタンA3が操作された場合には、当該「演奏環境自動設定処理」を終了すると共に、ディスプレイ6Aの表示を「コンテンツリスト画面」から1つ前の画面(図示せず)に更新する。ステップS4は、前記選択された音楽コンテンツについて、「コンテンツ再生画面」(後述する図5参照)を表示する。なお、各ボタンは、ディスプレイ6Aがタッチパネルであれば表示されているボタンを押すことにより操作をし、タッチパネルではなくディスプレイ6Aの各ボタン表示近傍にスイッチが設けられている場合であれば、該近傍のスイッチを押すことにより操作する。
ここで、「コンテンツリスト画面」(図3のステップS2参照)及び「コンテンツ再生画面」(図3のステップS4参照)について、それぞれ図を用いて説明する。図4は、「コンテンツリスト画面」の一実施例を示す概念図である。この図4に示す「コンテンツリスト画面」は、コンテンツ一覧表示領域A1と、「選択」ボタンA2と、「戻る」ボタンA3とを表示する。コンテンツ一覧表示領域A1は、携帯オーディオプレイヤー9Aから返信された音楽コンテンツに関連する情報(音楽コンテンツリストと楽曲付随情報)に基づき、該携帯オーディオプレイヤー9Aが記憶している全ての音楽コンテンツを一覧表示する領域である。具体的には、例えば「音楽コンテンツリスト」に定義されている「楽曲名」と、「楽曲付随情報」に定義されている「アーティスト」及び「アルバム」の各情報が当該領域に表示されている。図3に示した「コンテンツリスト画面」においては、アーティスト「MMMM」がリリースしたアルバム「NNNN」内に収められている楽曲名「AAAA」〜「EEEE」の5つの音楽コンテンツが、携帯オーディオプレイヤー9Aに記憶されている音楽コンテンツとして一覧表示されている。
ユーザは、上記コンテンツ一覧表示領域A1に表示された1乃至複数の音楽コンテンツの中から、任意の音楽コンテンツを選択することができるようになっている。図示の例では、楽曲名「BBBB」の音楽コンテンツが選択されており(図中においては、音楽コンテンツ選択状態を反転表示で示している)、こうした音楽コンテンツ選択状態において「選択」ボタンA2が操作された場合には、該選択された音楽コンテンツのみを抽出して「コンテンツ再生表示画面」(図5参照)としてディスプレイ6Aに表示する。「戻る」ボタンA3は、1つ前の画面に表示を戻すためのスイッチであって、ここでは「コンテンツリスト画面」表示前の任意の画面表示(図示せず)にディスプレイ6Aの表示が更新される。なお、携帯オーディオプレイヤー9A内に記憶されている音楽コンテンツが多数あり、「コンテンツリスト画面」において、これらの音楽コンテンツを一度に表示することができない場合には、いくつかの音楽コンテンツ毎にページを分けて一覧表示できるようにするとよい。また、そうした場合には、ユーザによる任意のページ指定等に応じて、ユーザが各ページ単位に音楽コンテンツを確認できるようにすることは言うまでもない。
図5は、「コンテンツ再生画面」(図4のステップS4参照)の一実施例を示す概念図である。この図5に示す「コンテンツ再生画面」は、対象コンテンツ表示領域B1と、「再生」ボタンB2と、「停止」ボタンB3と、「演奏環境設定」ボタンB4と、「戻る」ボタンB5とを表示する。対象コンテンツ表示領域B1は、前記「コンテンツリスト画面」においてユーザが選択した音楽コンテンツのみを抽出して表示する領域である。ユーザにより選択された音楽コンテンツに対応する音楽コンテンツリスト及び楽曲付随情報に基づき、例えば図示のように、上記した「コンテンツリスト画面」と同様に、「アーティスト」、「アルバム」、「楽曲名」の各情報が当該領域に表示される。
「再生」ボタンB2は、対象コンテンツ表示領域B1に表示されている音楽コンテンツを選択/再生するよう、携帯オーディオプレイヤー9Aに対して指示するためのスイッチである。すなわち、ユーザが「再生」ボタンB2を操作すると、携帯オーディオプレイヤー9Aは記憶している多数の音楽コンテンツの中から、対象コンテンツ表示領域B1に表示されている音楽コンテンツを選択し、さらに該選択した音楽コンテンツの再生を開始する。「停止」ボタンB3は、携帯オーディオプレイヤー9Aが再生中の音楽コンテンツの再生を停止するよう、携帯オーディオプレイヤー9Aに対して指示するためのスイッチである。すなわち、ユーザが「停止」ボタンB3を操作すると、携帯オーディプレイヤー9Aは再生中の音楽コンテンツ(ユーザが選択した音楽コンテンツ)の再生を停止する。
「演奏環境設定」ボタンB4は、電子楽器の機器設定を、対象コンテンツ表示領域B1に表示されている音楽コンテンツ(ユーザが選択した音楽コンテンツ)をマニュアル演奏するのに最適な演奏環境に自動的に設定するスイッチである。すなわち、ユーザは「演奏環境設定」ボタンB4を操作することで、選択した音楽コンテンツに最適なマニュアル演奏環境を簡易且つ迅速に設定することができるようになっている。図示の例では、「演奏環境設定」ボタンB4が操作されると、電子楽器が携帯オーディオプレイヤー9Aから取得済みの音楽コンテンツリスト及び楽曲付随情報のうち、選択された音楽コンテンツに対応する情報に基づき、データベース内の各「演奏環境設定情報レコード」の「楽曲特徴情報」を参照して、楽曲名「BBBB」のレコードを検索する。そして、該検索したレコードの演奏環境設定情報に基づき、楽曲名「BBBB」の楽曲をマニュアル演奏するのに適した演奏環境を自動的に設定する。「戻る」ボタンB5は、1つ前の画面に表示を戻すためのスイッチであって、ここでは「コンテンツ再生画面」表示前の「コンテンツリスト画面」(図4参照)にディスプレイ6Aの表示が更新される。
図4に示したフローチャートの説明に戻って、ステップS5は、「コンテンツ再生画面」(図5参照)の再生ボタンB2が操作されたか否かを判定する。再生ボタンB2が操作されたと判定した場合には(ステップS5のYES)、本電子楽器本体に接続されている携帯オーディオプレイヤー9Aに対して、「コンテンツ再生画面」上に表示されている音楽コンテンツ(つまりユーザ所望の楽曲)の選択と、選択した音楽コンテンツの再生を開始するように指示する(ステップS6)。
電子楽器本体に接続されている携帯オーディオプレイヤー9Aでは、上記音楽コンテンツの選択及び再生指示(コマンド)を電子楽器から受信すると、記憶済みの多数の音楽コンテンツの中から、前記コマンドに一致する音楽コンテンツを選択し、該選択した音楽コンテンツの再生を開始する(ステップK2)。この音楽コンテンツの再生に応じて発生される楽音(オーディオ)信号は、携帯オーディオプレイヤーから電子楽器に送られて、電子楽器において発音される。すなわち、携帯オーディオプレイヤーに記憶されている音楽コンテンツの楽曲内容を、ユーザは電子楽器から発音された楽音を直に聴いて確認することができるようになっている。
上記ステップS5において、「コンテンツ再生画面」の再生ボタンB2が操作されていないと判定した場合には(ステップS5のNO)、「コンテンツ再生画面」の停止ボタンB3が操作されたか否かを判定する(ステップS7)。停止ボタンB3が操作されたと判定した場合には(ステップS7のYES)、本電子楽器本体に接続されている携帯オーディオプレイヤー9Aに対して、該携帯オーディオプレイヤー9A側で再生中の音楽コンテンツの再生を停止するよう指示する(ステップS8)。携帯オーディオプレイヤー9Aでは、上記再生停止指示(コマンド)を電子楽器から受信すると、再生中の音楽コンテンツの再生を停止する(ステップK3)。一方、停止ボタンB3が操作されていないと判定した場合には(ステップS7のNO)、「コンテンツ再生画面」の演奏環境設定ボタンB4が操作されたか否かを判定する(ステップS9)。
演奏環境設定ボタンB4が操作されたと判定した場合には(ステップS9のYES)、演奏環境設定情報データベース(図2参照)を検索する(ステップS10)。例えば、携帯オーディオプレイヤー9Aから送信され記憶済みの音楽コンテンツリスト及び楽曲付随情報と、データベースに記憶されている演奏環境設定情報レコードの楽曲特徴情報とを比較して、楽曲名あるいは音楽ジャンル、ビート、テンポなどが一致する演奏環境設定情報レコードを検索する。一方、演奏環境設定ボタンB4が操作されていないと判定した場合、つまり「コンテンツ再生画面」において再生ボタンB2でも停止ボタンB3でも演奏環境設定ボタンB4でもなく、戻るボタンB5が操作されたと判定した場合には(ステップS9のNO)、ディスプレイ6Aの表示を「コンテンツ再生画面」から1つ前の画面である「コンテンツリスト画面」に戻すように更新して、ステップS2の処理に戻る。
ステップS11は、前記レコード検索処理の結果に従い、選択した音楽コンテンツに対応する演奏環境設定情報レコードがあるか否かを判定する。選択した音楽コンテンツに対応する演奏環境設定情報レコードがないと判定した場合には(ステップS11のNO)、選択した音楽コンテンツに対応する演奏環境設定情報レコードが電子楽器に記憶されていない旨を、ディスプレイ6Aに表示するなどしてユーザに対して提示し(ステップS13)、ステップS4の処理に戻る。一方、選択した音楽コンテンツに対応する演奏環境設定情報レコードがあると判定した場合(特定された場合)には(ステップS11のYES)、各種設定情報を電子楽器に設定して(ステップS12)、ステップS4の処理に戻る。すなわち、演奏環境設定情報データベースから、上記選択された音楽コンテンツに関しての演奏環境設定情報レコードの演奏環境設定情報(図2参照)を読み出して、該読み出した演奏環境設定情報に基づいて電子楽器の演奏環境を自動的に設定する。
以上のようにして、ユーザが演奏環境自動設定機能を用いて電子楽器の演奏環境を設定する際に、ユーザが演奏環境を設定したい(マニュアル演奏したい)楽曲について、携帯オーディオプレイヤーに記憶されている前記楽曲に対応する音楽コンテンツを選択/再生させるようにした。こうすると、通信ネットワークがインフラとして整備されておらず電子楽器を通信ネットワークに接続できないユーザ、あるいは通信インタフェースが装備されていない電子楽器を使用するユーザなどであっても、携帯オーディオプレイヤーを利用して演奏したい楽曲を実際に聴いてその楽曲内容を確かめることで、簡単に演奏したい楽曲に適した演奏環境を誤りなく設定することができるようになる。また、携帯オーディオプレイヤーに対して音楽コンテンツの選択/再生指示を出し、携帯オーディオプレイヤーに音楽コンテンツの再生を行ってもらうために、電子楽器側には音楽コンテンツを再生する機能を有していなくてもよい。例えば音楽コンテンツが圧縮オーディオデータであるような場合など、特殊な形式のデータをデコードして再生する機能を電子楽器に搭載する必要がない。さらに、携帯オーディオプレイヤーに予め記憶されている多数の音楽コンテンツを利用できることから、電子楽器側に音楽コンテンツを予め記憶しておく必要がなく、それに伴い多数の音楽コンテンツを記憶するための記憶装置(記憶容量)が不要であり有利である。
なお、上述した演奏環境自動設定処理(図3参照)において、携帯オーディオプレイヤーでの音楽コンテンツの再生に基づき発生される楽音を、電子楽器からではなく、携帯オーディオプレイヤーにそのまま発音させて、ユーザは携帯オーディオプレイヤーから発音された楽音を聴いて、その楽曲内容を確認することができるようにしてあってもよい。
なお、ユーザによるマニュアル演奏時において、「コンテンツ再生画面」(図5参照)の再生ボタンB2の操作に応じて、携帯オーディオプレイヤーによる音楽コンテンツ再生と同期して、電子楽器側で自動伴奏をスタートさせるようにしてもよい。そうした際には、該当する音楽コンテンツの楽曲付随情報に基づいて、電子楽器に記憶されている演奏環境設定情報レコードの演奏環境設定情報(図2参照)を修正乃至置換するようにしてもよい。例えば、楽曲付随情報の音楽ジャンルに基づいて演奏環境設定情報の伴奏スタイルを変更したり、楽曲付随情報のテンポに基づいて演奏環境設定情報のテンポを修正したりするとよい。
なお、上述した実施例のように、携帯オーディオプレイヤー9Aが電子楽器に対して楽曲に関連する所定の情報を返信する際には、携帯オーディオプレイヤー9Aが記憶している全ての音楽コンテンツに関連する情報を返信することに限らない。例えば、ユーザが入力した所定の条件に対応する音楽コンテンツを携帯オーディオプレイヤー側でサーチし、該サーチした音楽コンテンツのみに関する音楽コンテンツリスト及び楽曲付随情報を電子楽器に対して返信するようにしてもよい。
なお、自動設定された演奏環境を、ユーザが任意に変更できるようにしてあってよい。また、演奏環境設定情報を、ユーザが変更した演奏環境に更新することができるようにしてあってもよい。また、外部記憶装置経由又は通信インタフェース経由で、新たな演奏環境設定情報を追加登録できるようにしてもよい。
1…CPU、1A・・・タイマ、2…ROM、3…RAM、4,5…検出回路、4A…演奏操作子、5A…設定操作子、6…表示回路、6A…ディスプレイ、7…音源回路、8…ミキサー、8A…サウンドシステム、9・・・携帯オーディオ接続インタフェース、9A・・・携帯オーディオプレイヤー、10…外部記憶装置、11…MIDIインタフェース、11A…MIDI機器、12…通信インタフェース、12A…サーバコンピュータ、1D…通信バス、X…通信ネットワーク