JP4858184B2 - サイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維 - Google Patents
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更に詳しくは、セルロース脂肪酸混合エステル組成物とポリエステルからなるサイドバイサイド型複合繊維において特定の複合比率であることを特徴とするサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維に関するものである。
一方、特許文献4では、ふくらみ感に富んだアセテート複合交絡糸が提案されている。ここではアセテート糸とポリエステル糸を交絡処理して複合交絡糸とした後、90〜130℃の熱水処理を行っている。そうすることでポリエステル糸が収縮して複合糸の芯部に移動し、アセテート糸のループやたるみを顕著なものとすることで嵩高性を発現させている。該繊維は嵩高性に優れており、またポリエステル糸を用いているため、湿潤下、プリーツの耐久性(保持性)、寸法安定性、防シワ性などには優れているがソフト風合いという点ではまだ不十分であった。
このようにソフト風合い、嵩高性に優れたもので、しかも湿潤下での布帛の各種特性に優れたセルロース系繊維はこれまで得られていなかった。
上記式を満たすセルロース脂肪酸混合エステルは、可塑剤との混和性が良好となり複合紡糸における溶融紡糸性、製糸操業性が格段に良好となる。また複合繊維の捲縮特性および機械的特性を良好なものとすることができ、また布帛にした際、プリーツ保持性、耐シワ性が良好となり、更には湿潤時の強度低下幅が小さくなるため好ましい。
L0:繊維カセに0.9×10−3cN/dtex荷重を吊した状態で沸騰水処理を15分間行い、風乾し、さらに150℃乾熱処理を15分間行った後、前記熱処理荷重を取り除き、180×10−3cN/dtex荷重を吊した時のカセ長
L1:L0測定後、L0測定荷重を取り除いて再び0.9×10−3cN/dtex荷重を吊した時のカセ長
すなわち、布帛内での拘束力に相当する0.9×10−3cN/dtexと同じ荷重を繊維カセに吊して熱処理することで、布帛拘束下での捲縮発現能力を繊維カセの捲縮率で表せるとした。この捲縮率が高いほど捲縮発現能力が高いことを示しており、5%以上であれば本発明の目的とする適度なふくらみ感、ソフト感などを与えることができる。捲縮率は、好ましくは10%以上である。捲縮率が5%未満の場合、伸縮性が不足してしまい、布帛に使用すると通常のセルロース脂肪酸混合エステル系繊維を用いた場合とほとんど差がなくなり、本発明の目的とする布帛を得ることができない。一方、捲縮率が40%を越えると、布帛のふかつきが大きくなったり、締め付け感が大きくなり粗硬感の大きなものとなってしまう。
本発明のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維の伸度は10%以上であることが好ましい。伸度が10%以上である場合には、紡糸工程で毛羽が発生せず、また製織や製編時など高次加工工程において毛羽や糸切れが多発することがなく高次加工の工程通過性が良好となる。伸度は、13%以上であることがより好ましく、15%以上であることが更に好ましい。
オルソクロロフェノール(以下OCPと略する)10ml中に資料を0.8g溶かし、25℃にてオストワルド粘度計を用いて相対粘度ηrを求め、IVを算出した。
80℃で8時間の乾燥したセルロース脂肪酸混合エステル0.9gを秤量し、アセトン35mlとジメチルスルホキシド15mlを加え溶解した後、さらにアセトン50mlを加えた。撹拌しながら0.5N−水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、2時間ケン化した。熱水50mlを加え、フラスコ側面を洗浄した後、フェノールフタレインを指示薬として0.5N−硫酸で滴定した。別に試料と同じ方法で空試験を行った。滴定が終了した溶液の上澄み液を100倍に希釈し、イオンクロマトグラフを用いて、有機酸の組成を測定した。測定結果とイオンクロマトグラフによる酸組成分析結果から、下記式により置換度を計算した。
DSace=(162.14×TA)/[{1−(Mwace−(16.00+1.01))×TA}+{1−(Mwacy−(16.00+1.01))×TA}×(Acy/Ace)]
DSacy=DSace×(Acy/Ace)
TA:全有機酸量(ml)
A:試料滴定量(ml)
B:空試験滴定量(ml)
F:硫酸の力価
W:試料重量(g)
DSace:アセチル基の平均置換度
DSacy:アシル基の平均置換度
Mwace:酢酸の分子量
Mwacy:他の有機酸の分子量
Acy/Ace:酢酸(Ace)と他の有機酸(Acy)とのモル比
162.14:セルロースの繰り返し単位の分子量
16.00:酸素の原子量
1.01:水素の原子量
C.セルロース脂肪酸混合エステルの重量平均分子量測定
試料をテトラヒドロフランに完全溶解させ、これを用いてWaters社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー2690を用い、ポリスチレン換算で重量平均分子量を算出した。
温度20℃、湿度65%の環境下において、島津製作所製オートグラフAG−50NISMS形を用い、試料長20cm、引張速度20cm/minの条件で引張試験を行って、最大荷重の示す点の応力(cN)を初期繊度(dtex)で除した値を引張強度(cN/dtex)とした。またそのときの伸度を伸度(%)とした。なお測定回数は5回とし、その平均値を引張強度、伸度とした。
U%測定(ノーマルモード)は、ツェルベガーウースター社製ウースターテスター4−CXにより、下記条件にて測定して求めた。 なお測定回数は5回であり、その平均値をU%とした。
測定時間 :2.5分
測定繊維長:500m
撚り :S撚り、12000/m
F.捲縮率
繊維カセに0.9×10−3cN/dtex荷重を吊した状態で沸騰水処理を15分間行った後、風乾させ、さらに160℃乾熱処理を15分間行う。熱処理が完了したら処理荷重を取り除き、180×10−3cN/dtex荷重を吊して30秒間保持後、カセ長L0を測定し速やかに荷重を取り除き、5分間保持した後、0.9×10−3cN/dtex荷重を吊して30秒間保持後、カセ長L1を測定する。得られたカセ長L0、L1より、下記式にて捲縮率を求めた。
G.収縮応力およびピーク温度
鐘紡エンジニアリング社製KE−2熱収縮応力測定装置を用いて測定した。測定は糸を結んで周長20cmの輪を作り、装置に装着した後、初荷重0.01cN/dtex、昇温速度2.2℃/秒の条件で収縮応力の温度変化をチャートに描かせた。この時の収縮応力のピーク極大値を収縮応力とし、またその時の温度をピーク温度とした。なお測定回数は5回であり、その平均値を収縮応力値(cN/dtex)、ピーク温度(℃)とした。
複合繊維からなる織物を用いて、パネラー10名で官能評価を実施し、下記の基準で評価し、◎および○を合格とした。
○:7〜8名が優れていると判定
△:5〜6名が優れていると判定
×:5名未満が優れていると判定
I.プリーツ耐久性評価
複合繊維からなる織物を二つ折りにして、0.4kg/cm2×130℃×30秒間のアイロン掛けを行い、プリーツを付与せしめた。その後、プリーツ付与した織物を家庭用洗濯機にて5分間撹拌・洗浄し、洗濯後のプリーツの残存状況を下記基準で評価した。なお○のみを合格とした。
複合繊維からなる織物を家庭用洗濯機にて5分間攪拌・洗浄し、洗濯後、物干し竿に一晩風乾させた後、シワの状況を下記基準で評価した。なお○のみを合格とした。
セルロース(コットンリンター)100重量部に、酢酸240重量部とプロピオン酸67重量部を加え、50℃で30分間混合した。混合物を室温まで冷却した後、氷浴中で冷却した無水酢酸172重量部と無水プロピオン酸168重量部をエステル化剤として、硫酸4重量部をエステル化触媒として加えて、150分間撹拌を行い、エステル化反応を行った。エステル化反応において、40℃を越える時は、水浴で冷却した。反応後、反応停止剤として酢酸100重量部と水33重量部の混合溶液を20分間かけて添加して、過剰の無水物を加水分解した。その後、酢酸333重量部と水100重量部を加えて、80℃で1時間加熱撹拌した。反応終了後、炭酸ナトリウム6重量部を含む水溶液を加えて、析出したセルロースアセテートプロピオネートを濾別し、続いて水で洗浄した後、60℃で4時間乾燥した。得られたセルロースアセテートプロピオネート(CAP)のアセチル基およびプロピオニル基の平均置換度は各々1.9、0.7であり、重量平均分子量(Mw)は17.7万であった。
合成例1で製造したCAP82重量%と平均分子量600のポリエチレングリコール(PEG600)17.9重量%およびリン系酸化防止剤としてビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.1重量%を二軸エクストルーダーを用いて240℃で混練し、5mm程度にカッティングしてセルロース脂肪酸混合エステル組成物ペレット(Mw16.0万)を得た。
イーストマンケミカル社製セルロースアセテートプロピオネート(CAP482−20、アセチル基置換度0.1、プロピオニル基置換度2.5)90重量%と平均分子量600のポリエチレングリコール(PEG600)10重量%を二軸エクストルーダーを用いて210℃で混練し、5mm程度にカッティングしてセルロースエステル組成物ペレット(Mw18.3万)を得た。
イーストマンケミカル社製セルロースアセテートブチレート(CAB171:アセチル基置換度1.0、ブチリル基置換度1.7)87重量%と平均分子量600のポリエチレングリコール(PEG600)13重量%を二軸エクストルーダーを用いて220℃で混練し、5mm程度にカッティングしてセルロースエステル組成物ペレット(Mw17.3万)を得た。
表2に示す複合比率以外は、実施例1と同様に複合紡糸を行った。
表2に示す複合比率以外は、実施例1と同様に紡糸を行ない、織物を作成した。評価した繊維はセルロースアセテートプロピオネート単独糸のため、捲縮特性は劣るものであり、得られた布帛のふくらみ感は全くないものであった。
平均酢化度61.6%のセルローストリアセテートと平均酢化度55.2%のセルロースジアセテートをそれぞれ塩化メチレン/メタノール(重量比91/9)の混合溶剤に溶解し、セルローストリアセテート濃度21重量%の紡糸原液及びセルロースジアセテート濃度21重量%の紡糸原液を調製した。これらの紡糸原液を用い、乾式紡糸法により、セルロースジアセテート成分とセルローストリアセテート成分を重量比で35:65の複合比率でサイドバイサイド型複合紡糸し、複合繊維前駆体を得た。
2.計量ポンプ
3.紡糸ブロック
4.紡糸パック
5.紡糸口金
6.紡出糸条
7.冷却装置
8.給油装置
9.交絡付与装置
10.第1ゴデットロール
11.第2ゴデットロール
12.巻取機
13.巻取糸
Claims (5)
- セルロース脂肪酸混合エステルを主たる成分とする組成物(A)とポリエステル(B)とからなる繊維であって、その複合比率(A)/(B)が面積比で80/20〜20/80であるサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維。
- セルロース脂肪酸混合エステルがセルロースアセテートプロピオネートおよび/またはセルロースアセテートブチレートであることを特徴とする請求項1に記載のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維。
- ポリエステルがポリプロピレンテレフタレートおよび/またはポリブチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1または2に記載のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維。
- 捲縮率が5〜40%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維を少なくとも一部に用いてなることを特徴とする布帛。
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