JP4860818B2 - 音声信号標本値の符号化または復号化のための方法並びに符号化器ないし復号化器 - Google Patents
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Description
本発明は、音声信号標本値の符号化または復号化のための方法に関している。
【0002】
MPEG4方式によるオーディオビジュアルオブジェクトの符号化のための標準では、“ISO/IEC−14496−3 FCD サブパート 2” においてパラメトリックな符号化器、特に極端に低いビットレートでの音声符号化のためのHVXC(Harmonic Vector Excitation Coding)符号化器が提唱されている。この標準では、LPC係数と、音声信号のスペクトル包絡情報と、無声セクションの生成のために、浮動小数点フォーマットの多数のテーブルが含まれている。
【0003】
また前記標準のサブパート3では、中間のレートから低いビットレートまでの音声の符号化のためのCELP(Code Excited Linear Prediction)符号化器が記載されている。この標準には、LPC係数と利得値の形成のために浮動小数点フォーマットの多数のテーブルが含まれている。
【0004】
そのような音声信号符号化に対しては、“合成による分析方式(Analyse durch Synthese)”が頻繁に用いられている(例えば公知文献“ANT Nachrichtentechnische Berichte Heft 5, Nov. 1988, P93-P105”参照)。前述の音声符号化方式では、複数のコードブック、すなわちテーブルの中に信号パラメータの生成と音声合成フィルタの係数に対して用いられる値が記憶されている。これらのコードブック内に記憶されている値は、インデックス制御を介して読出される。
【0005】
発明の利点
請求項1の特徴部分によって、すなわちコードブック内の値の量子化によって、目下のデータはその精度(量子化)において制約を受ける。それにより有限なワード幅のコードブックエントリが表示される。それに伴ってデジタル信号プロセッサでの処理は、標準(特にISO/IEC 14496-3)によって定められた品質要求を損なうことなく、整数演算によって行うことが可能である。本発明とは異なって前述したような標準の処理バージョンにおいてはコードブックに対する値が量子化されることなく浮動小数点フォーマットであり、非常に高価でメモリ強化された手法を用いない限りは直接の処理が不可能である。テーブル値の精度の制約にも係わらず、本発明のもとでは同じ主観的品質が音声復号化の後でも得られる。本発明による手段を用いれば、コーダの主観的品質に影響を与えることなく、簡単でかつ標準に準拠したコードの転送が種々異なる計算機プラットホーム上で可能となる。低減されたワード幅が用いられるので、特にROMの記憶容量の著しい節約が可能である。さらに本発明は、種々異なる音声信号符号化方式に適用可能である(例えばHVXCコーダ/デーコーダやCELPコーダ/デコーダ等)。
【0006】
図面
図面には本発明の実施例が示されており、この実施例は以下の明細書で詳細に説明する。この場合、
図1は、HVXC音声復号化器の簡単なブロック回路図であり、
図2は、CELP音声復号化器の簡単なブロック回路図である。
【0007】
実施例の説明
まず本来の量子化の説明に入る前に、本発明による量子化に用いる音声復号化器の説明をする。図1に示されているHVXC音声デコーダでは、伝送された音声パラメータ、詳細にはLPCパラメータ、エンコーダの有声/無声決定パラメータ、励振パラメータ(これは20ms長の伝送フレーム内でもたらされる)がビットストリームから読出され、入力信号として入力側1,2,3に供給されている。LPCパラメータにはインデックスが含まれており、それらのインデックスからLSP反転ベクトル量子化器16がLSP(線スペクトル対)パラメータを再生する。それに対してはLSPコードブック4(CbLsp)と5(CbLsp4)とLPCパラメータによってインデックス化がなされ、LSPパラメータが読出される。このフレームの有声/無声決定情報に依存して、場合によっては先行するフレームと目下のフレームのLSPパラメータ間で補間が行われる(構成グループ6)。それに伴ってこれらの値の実際化が2.5msのパターン内で達成される。それに続いてLPCパラメータにおいて変換が行われ、これらは係数としてLPC合成フィルタ(構成グループ7及び8)へ供給される。
【0008】
この計算に平行してかつ有声/無声決定情報に依存して、スペクトル包絡線に対するベクトル(有声フレーム)が、AMコードブック9(CbAm)と10(CbAm4)から読出され、確率的励振信号に対するベクトル(無声フレーム)が、CELPコードブック11(CbCelp)及び12(CbCelp4)から読出される。スペクトル包絡線と励振信号の再生は、反転ベクトル量子化器13,14によって行われる。調和合成(有声)(構成グループ15)の後では音声データのフィルタリングがLPC合成フィルタで行われる。有声の合成フィルタ(構成グループ7)と無声の合成フィルタ(構成グループ8)からの出力データは、最終的に加算され、それによって20msのフレームの再構築された音声信号が得られる。
【0009】
既に前述したように、浮動小数点表示のコードブックの値は所要のワード幅が過度に大きくなるので固定小数点のDSPには適していない(所要メモリ、内部ワード幅、演算、ROMなど)。そのため事前に音声信号標本値から分析されているコードブックに対するテーブル値が量子化された形態へ置換され、その結果として同等の音声品質が得られる。これに対して求められる個々のテーブル値に対するワード幅は、様々なオーディオ検査で求められるものである。
【0010】
量子化は、様々なテストで求められるワード幅に対して行われる。以下の明細書では、このワード幅が一般的に“wordlength”で表わされる。この大きさはビットで表わされる。“wordlength”ビットの符号の付された整数は、ワード幅−2wordlengt - 1〜2wordlength - 1−1を有する。コードブックの量子化は以下に表わす形式で行われる。出発点は、“study on ISO/IEC 14496-3 FCD,Subpart 3”で規定されているコードブックが表わす。このコードブックcbは当該明細書では以下のように、
cb={a0,a1,………an,………am) 0≦n≦m an∈R
定められる。個々の要素の量子化に対しては、以下のステップが必要である。
【0011】
1.)コードブックの値範囲の算出
良好に適合化された量子化に対しては、各コードブックの要素が次のようにスケーリングされる。すなわち得られる値範囲ができるだけ完全に利用され得るようにスケーリングされる。それに対しては、要素の値範囲が、
(−2wordlengt - 1)/(2wordlength - 1)=−1
と、
(2wordlengt - 1−1)/(2wordlength - 1)=1−2- (wordlength - 1)
の間に存在する。このことを達成するためには、各コードブックの正と負の要素の最大値(max_posないしmax_neg)が求められる。これは以下の式、
【0012】
【数1】
【0013】
から得られる。
【0014】
前記最大値max_posないしmax_negの大きさに依存して、以下のステップが生じる。すなわち、
max_pos>(1−2-(wordlength-1))または max_neg<−1
前記max_posとmax_negは1/2で乗算される。この結果が(a)のもとで設定された条件を依然として充たしている場合には、この条件がもはや当て嵌まらなくなるまでプロセスが繰返されなければならない。1/2による乗算の数が計数され、変数scaleがファイルされる。
【0015】
max_pos≦(1−2- (wordlength - 1))または max_neg≧−1
前記max_posとmas_negは2で乗算される。この結果が(b)のもとで設定された条件を依然として充たしている場合には、この条件がもはや当て嵌まらなくなるまでプロセスが繰返されなければならない。2による乗算の数が計数され、変数scaleがファイルされる。
【0016】
2.)−1と(1−2- (wordlength - 1))の間の値範囲に対するコードブックcbの要素のスケーリング
前記1)のステップのもとで当て嵌まる決定に依存して、全てのコードブックエントリの前記値範囲に対するスケーリングが行われる。
【0017】
【数2】
【0018】
このステップの後では、各コードブックからのエントリが以下の値範囲、
−1≦bn≦(1−2- (wordlength - 1)) 0≦n≦m
に存在する。
【0019】
3.)“wordlength”ビットに対するスケーリング
所要の値範囲対するスケーリングに対しては、2wordlength - 1での乗算が行われる。それに伴ってコードブックcnの値は、
−2wordlengt - 1〜2wordlength - 1−1
の値範囲に存在する。
【0020】
4.)丸み付け
コンマ以下の桁が切り取られる前に、算出されたエントリの丸み付けが行われる。それに対しては、+0.5ないし−0.5が加算される。これは以下の形式
cn≧0 : dn=cn+0.5
cn<0 : dn=cn−0.5
で行われる。この場合最大限許容される値範囲を上回らないように注意する必要がある。これは前記ステップ2)で示したような値範囲である。
【0021】
5.)コンマ以下の桁の切離し
有限的な量子化は、コンマ以下の桁の切離しによって行われる。それにより量子化された値が得られる。試行においては、変数“wordlength”に対して16を設定した場合に、元の品質と違いのない音声品質が得られた。
【0022】
次に本発明の別の実施例を図2に基づき説明する。図2にはCELP復号化器のブロック回路図が示されている。まずフレームの復号化に必要な要素、事前に伝送されたビットストリームなどが読出される。この場合は、LPCインデックス、励振パラメータ(ラグや形状インデックス)、振幅インデックス(ゲインインデックス)などである。これらのパラメータ(要素)は復号化器入力側17〜21に供給される。励振パラメータは、周期的な信号要素(有声)の形成のための適応化コードブック(ラグ)22のパラメータと、固定のコードブック(形状インデックス)23a〜23nのパラメータから形成される。
【0023】
固定のコードブック(形状インデックス)23a〜23nのエントリと、適応化コードブック22のエントリは、ゲインデコーダ24を介してそれぞれスケーリング係数(ゲイン)で乗算される。このスケーリング係数は、入力側21に印加されるゲインインデックスと、コードブック25にファイルされているゲインVQ(ベクトル量子化)テーブルを用いて再構築される。励振ベクトルは固定のコードブックベクトルと適応化コードブックベクトルから形成される。
【0024】
ベクトル量子化VQの使用のもとでは、LPCインデックスはベクトル量子化されたLSP(線スペクトル対)パラメータを表わす。LSPパラメータの、反転ベクトル量子化の第1の段と第2の段のベクトルは、LSP−VQテーブル値の読出しによって得られる。これらのテーブル値は、コードブック26に記憶されている。LPCパラメータの有限的な再構築は、LPCパラメータデコーダ27において行われる。各フレーム内では先行のフレームと目下のフレームのLSPパラメータ間でサブフレーム毎に補間が行われる。LPCパラメータに変換されたLSPパラメータは、係数としてLPC合成フィルタ29に供給される。そこでは励振信号のフィルタリングによって音声データの再構築が行われる。音声品質の向上のために、この再構築される音声信号は、さらにポストフィルタ30に供給される。
【0025】
前記LSP−VQテーブル値、並びにコードブック25,26のゲインVQテーブル値(これらは事前に音声信号標本値から分析されている)は、通常は浮動小数点表示で存在しており、これらは既に前述したように固定小数点DSPでの処理には適していない。ここでも前記図1でのHVXCデコーダの場合と同じような理由からこれらのテーブル値の量子化形式への変換が行われる。この量子化における特にコードブックに対する値範囲の算出のような方法ステップは、前述した量子化の場合と同じように行われる。
【0026】
これまでの本発明による実施例は、音声復号化器に基づいて説明してきたものである。本発明は、コードブックを用いた相応の符号化器(エンコーダ)のもとでも適用可能であることはいうまでもない。その場合には、コードブックのエントリが伝送に対する音声信号の処理の前に量子化され得る。コードブックエントリが事前に量子化されるそのようなエンコーダの例は、例えば欧州特許出願 EP 0 545 386 A2 明細書や米国特許出願 US 5,208,862 US 5,487,128 US 5,199,076 US 5, 261,027 明細書から公知である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 HVXC音声復号化器の簡単なブロック回路図である。
【図2】 CELP音声復号化器の簡単なブロック回路図である。
Claims (10)
- 合成による分析方式を用いたもとでの、符号化器又は復号化器のための音声信号標本値の符号化または復号化のための方法であって、
前記符号化器または復号化器が、音声信号パラメータの形成に用いられる、事前に音声信号標本値から分析された値を量子化し、
量子化した値をコードブック/コードテーブルへ記憶する形式の方法において、
前記量子化した値をコードブック/コードテーブルへ記憶するステップが、更に、スケーリングした値を記憶するステップを有し、
前記スケーリングに対して、各コードブック/各コードテーブル毎の正の値と負の値の最大値を求め、得られた値範囲を上回る場合には、前記値を1よりも小さい係数で乗算し、この乗算を全ての要素が値範囲内に存在するまで頻繁に繰返すステップと、
前記乗算の繰返された数を、全てのコードブック/テーブルエントリに対するスケーリング係数として用いるステップとを有していることを特徴とする方法。 - 前記事前に音声信号標本値から分析された値が、オーディオ検査によって求められた値である、請求項1記載の方法。
- 前記1より小さい係数が1/2である、請求項1または2記載の方法。
- 前記コードブック/テーブルエントリのスケーリングを所要の値範囲のビットに対して行う、請求項1から3いずれか1項記載の方法。
- 有限の量子化に対して、丸み付けと、後続するコンマ以下の桁の切離しを行う、請求項4記載の方法。
- 量子化される値のワード幅を、16ビットに選定する、請求項1から5いずれか1項記載の方法。
- 量子化されるコードブック/テーブルエントリの処理を、デジタル信号処理を用いて整数演算形式で行う、請求項1から6いずれか1項記載の方法。
- HVXC(Harmonic Vector Excitation Coding)式音声符号化器/音声復号化器に対して、LPC係数と、音声信号のスペクトル包絡と、音声信号の無声セクションを量子化された形態で相応のコードブック/コードテーブルにファイルする、請求項1から7いずれか1項記載の方法。
- CELP(Code Excied Linear Prediction)式音声符号化器/音声復号化器に対して、LSP(線スペクトル対)−VQ(ベクトル量子化)−コードブック/テーブルエントリの値並びにゲインVQテーブルエントリの値を量子化された形態でファイルする、請求項1から5いずれか1項記載の方法。
- 合成による分析方式を用いた音声信号標本値の処理のための符号化器または復号化器において、
コードブック/コードテーブル(4,5,9,10,11,12,25,26)内に含まれている、音声信号パラメータ生成のための値が、量子化された形態でファイルされており、
音声信号パラメータの形成に用いられる、事前に音声信号標本値から分析された値を量子化する手段と、
量子化した値をコードブック/コードテーブルへ記憶する手段とを有し、
前記量子化した値をコードブック/コードテーブルへ記憶する手段が、更に、スケーリングした値を記憶する下記手段を有し、
前記スケーリングに対して、各コードブック/コードテーブル毎の正の値と負の値の最大値を求め、得られた値範囲を上回る場合には、前記値を1よりも小さい係数で乗算し、この乗算を全ての要素が値範囲内に存在するまで頻繁に繰返す手段と、
前記乗算の繰返された数を、全てのコードブック/コードテーブルエントリに対するスケーリング係数として用いる手段とを有していることを特徴とする符号化器または復号化器。
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