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JP4860837B2 - 遷移金属化合物、α−オレフィン製造用触媒及びα−オレフィンの製造方法 - Google Patents
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JP4860837B2 - 遷移金属化合物、α−オレフィン製造用触媒及びα−オレフィンの製造方法 - Google Patents

遷移金属化合物、α−オレフィン製造用触媒及びα−オレフィンの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遷移金属化合物、α−オレフィン製造用触媒及びα−オレフィンの製造方法に関し、さらに詳しくは、α−オレフィン製造に際し、触媒あたりの活性が高く、かつ重質成分やワックス成分等の副生物が少ないα−オレフィン製造用触媒を与える遷移金属化合物、α−オレフィン製造用触媒及びα−オレフィンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エチレンを重合しエチレンオリゴマー(α−オレフィンとも言う。)を製造する方法として、ニッケル錯体を用いたプロセス(Shell Higher Olefin Process:SHOP)が知られているが活性はあまり高くないという問題がある。最近、ニッケル−ジイミン錯体(国際公開96/23010号公報)や鉄やコバルトのキレート錯体(Chem.Commun.,1998.849−850、J.Am.Chem.Soc.,1998,120,7143−7144、J.Am.Chem.Soc.,1998,120,4049−4050)でエチレンが高活性で重合することが見出された。例えば主触媒として鉄キレート錯体、助触媒としてメチルアルミノキサンを用いる製造方法によれば、エチレン重合活性が高く、かつ得られたエチレンオリゴマーの末端選択性に優れたものが得られるという。さらには、類似の錯体を用いるエチレンの重合方法が国際公開98/27124号公報、国際公開99/02472号公報、国際公開99/12981号公報に開示されている。しかしながら、これらの方法は、いずれも高価なアルミノキサンを多量に使用していることや、内部オレフィンが主として生成したり、あるいは副生成物としてポリマーやワックスが多量に生成したりする欠点がある。このように、α−オレフィンの製造方法として、触媒あたりの活性が高く、かつ重質成分やワックス成分等の副生物が少ない製造方法は得られていないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑みなされたもので、α−オレフィン製造に際し、触媒あたりの活性が高く、かつ重質成分やワックス成分等の副生物が少ないα−オレフィン製造用触媒を与える遷移金属化合物、α−オレフィン製造用触媒及びα−オレフィンの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定の周期律表8〜10族の遷移金属化合物が上記目的を効果的に達成し得ることを見出し、これに基づき本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の要旨は、下記のとおりである。
1.下記一般式(1)
【0005】
【化2】
Figure 0004860837
【0006】
〔式中、Mは周期律表第8〜10族の遷移金属を示し、R1 〜R3 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基又はヘテロ原子を含有する基を示し、それらは互いに結合して環を形成してもよい。R4 及びR5 はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示す。R7 〜R9 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又はヘテロ原子を含有する基を示し、互いに環を形成していてもよい。R12〜R14はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又はヘテロ原子を含有する基を示し、互いに結合して環を形成してもよい。R6 、R10、R11及びR15はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、NR16 2 、OR16、PR16 2 又はSR16(ここで、R16は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又はヘテロ原子を含有する基を有する炭素数1〜20の炭化水素基を示す。)を示す。但し、R6 、R10、R11及びR15のうち少なくとも一つは水素原子である。Xは共有結合性又はイオン結合性の基を示し、複数ある場合は互いに同一であっても異なってもよい。nはMの原子価を示す。〕で表される遷移金属化合物。
2.R4 及びR5 のうち少なくとも一つがアリール基又は置換アリール基である前記1記載の遷移金属化合物。
3.遷移金属Mが鉄またはコバルトである前記1又は2に記載の遷移金属化合物。
4.前記1〜3のいずれかに記載の遷移金属を含有するα−オレフィン製造用触媒。
5.前記4記載のα−オレフィン製造用触媒の存在下、エチレンを重合させることを特徴とするα−オレフィンの製造方法。
6.前記4記載のα−オレフィン製造用触媒及び助触媒の存在下、エチレンを重合させることを特徴とするα−オレフィンの製造方法。
7.助触媒がアルキルアルミノキサンである前記6記載のα−オレフィンの製造方法。
8.助触媒がアルキルアルミノキサン及びアルキルアルミニウムである前記6記載のα−オレフィンの製造方法。
9.助触媒がアルキルアルミノキサン及び硼素化合物である前記6記載のα−オレフィンの製造方法。
10.助触媒がアルキルアルミノキサン、アルキルアルミニウム及び硼素化合物である前記6記載のα−オレフィンの製造方法。
11.反応圧力が0.1〜15MPa・Gの範囲である前記5〜10のいずれかに記載のα−オレフィンの製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、前記の遷移金属化合物、α−オレフィン製造用触媒及びα−オレフィンの製造方法である。
本発明でいうα−オレフィン(オリゴマー)とは、分子量が10,000以下の末端にビニル基を有する重合体を指し、高分子本来の特性が現れる、それより高い分子量を有する通常のエチレン重合体とは物性、用途が異なる。したがって、その製造に用いられる触媒に求められる性能は、通常の高分子量体の製造に用いられる触媒の性能とは異なり、従来の高分子量体製造用触媒がそのまま用いられるとは限らない。
【0008】
以下、本発明について詳しく説明する。
1.遷移金属化合物
本発明の遷移金属化合物は、下記一般式(1)で表される遷移金属化合物である。
【0009】
【化3】
Figure 0004860837
【0010】
〔式中、Mは周期律表第8〜10族の遷移金属を示し、R1 〜R3 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基又はヘテロ原子を含有する基を示し、それらは互いに結合して環を形成してもよい。R4 及びR5 はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示す。R7 〜R9 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又はヘテロ原子を含有する基を示し、互いに環を形成していてもよい。R12〜R14はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又はヘテロ原子を含有する基を示し、互いに結合して環を形成してもよい。R6 、R10、R11及びR15はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、NR16 2 、OR16、PR16 2 又はSR16(ここで、R16は水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基又はヘテロ原子含有炭化水素基を示す。)を示す。但し、R6 、R10、R11及びR15のうち少なくとも一つは水素原子である。Xは共有結合性又はイオン結合性の基を示し、複数ある場合は互いに同一であっても異なってもよい。nはMの原子価を示す。〕
式中、Mは周期律表第8〜10族の遷移金属を示し、好ましくは鉄、コバルトである。
【0011】
1 〜R3 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基又はヘテロ原子を含有する基を示し、それらは互いに結合して環を形成してもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子,塩素原子,臭素原子,ヨウ素原子をが挙げることができる。炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状アルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキル基などを挙げることができる。上記の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐状アルキル基として、具体的には、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種オクチル基,各種デシル基,各種テトラデシル基,各種ヘキサデシル基,各種オクタデシル基などを挙げることができる。上記の炭素数3〜20のシクロアルキル基として、具体的には、シクロペンチル基,シクロヘキシル基,シクロオクチル基などを挙げることができる。なお、シクロアルキル基の環上には低級アルキル基などの適当な置換基が導入されていてもよい。また、炭素数6〜20のアリール基として、具体的には、フェニル基,トリル基,キシリル基,ナフチル基,メチルナフチル基などを挙げることができる。炭素数7〜20のアリールアルキル基として、具体的には、ベンジル基,フェネチル基などを挙げることができる。
【0012】
炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基としては、前記の炭素数1〜20の炭化水素基がハロゲン化された炭化水素基である。ヘテロ原子を含有する基としては、−OR17で表されるアルコキシ基、−NR17 2 で表されるアミノ基又は−SiR17 3 で表されるシリル基等をが挙げることができる。但し、R17は、炭素数1〜20の炭化水素基を示す。炭素数1〜20の炭化水素基としては前記のものが挙げることができる。なかでも、R1 〜R3 としては、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状アルキル基が好ましい。
【0013】
4 及びR5 は水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、このうち少なくとも一つはアリール基又は置換アリール基であることが好ましい。炭素数1〜20の炭化水素基としては、前記のものを挙げることができる。アリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基,2−ナフチル基等を挙げることができる。置換アリール基としては、前記のアリール基に少なくとも1つ以上炭化水素基やハロゲン原子等が置換基となっているものを挙げることができる。例えば、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−n−プロピルフェニル基、3−n−プロピルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−イソブチルフェニル基、3−イソブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、2−tert−ブチルフェニル基、3−tert−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,5−ジtertブチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基等の直鎖状或いは分岐状のアルキル基が置換基となっているものや、2−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、4−フェニルフェニル基等の芳香族基が置換基となっているものや2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−ヨードフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基等のハロゲン原子が置換基となっているもの等を挙げることができる。
【0014】
7 〜R9 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又はヘテロ原子を含有する基を示し、互いに結合して環を形成してもよい。ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又はヘテロ原子を含有する基としては、前記と同様なものを挙げることができる。
12〜R14はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又はヘテロ原子を含有する基を示し、互いに結合して環を形成してもよい。ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又はヘテロ原子を含有する基としては、前記と同様なものを挙げることができる。
【0015】
本発明の遷移金属化合物の特徴であるR6 、R10、R11及びR15はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、NR16 2 、OR16、PR16 2 又はSR16(ここで、R16は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又はヘテロ原子を含有する基を有する炭素数1〜20の炭化水素基を示す。)を示す。但し、R6 、R10、R11及びR15のうち少なくとも一つは水素原子である。
【0016】
6 、R10、R11、R15及びR16のハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基は前記のものを挙げることができる。また、R16のヘテロ原子を含有する基を有する炭素数1〜20の炭化水素のヘテロ原子を含有する基、炭素数1〜20の炭化水素も前記のものを挙げることができる。なお、NR16 2 及びPR16 2 については環状の化合物、例えばピロール基、モルホリル基などでもよい。R6 、R10、R11及びR15のうち、好ましいものとして、具体的には、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ジメチルアミノ基、メトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、ピロール基、ピペリジノ基、モルホリル基などを挙げることができる。より好ましいものは塩素原子である。
【0017】
Xは共有結合性又はイオン結合性の基を示し、複数ある場合は互いに同一であっても異なってもよい。Xの具体例としては、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)の炭化水素基、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜20(好ましくは1〜12)のリン含有基(例えば、ジフェニルホスフィノ基)、炭素数1〜20(好ましくは1〜12)の珪素含有基(例えば、トリメチルシリル基やトリメチルシリルメチル基)、又はハロゲン含有硼素アニオン(例えば、 -BF4 )を挙げることができる。これらの中で、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基が好ましい。ハロゲン原子としては、塩素、臭素及びヨウ素などを挙げることができるが、中でも塩素原子が好ましい。
【0018】
nは、Mの原子価であり、具体的には0〜3である。
前記一般式(1)における好ましい組合せとしては以下の場合である。
1 〜R3 は水素原子であり、R4 及びR5 は水素原子、フェニル基、2,5−ジメチルフェニル基又は2,4,6−トリメチルフェニル基であり、R7 〜R9 は水素原子、メチル基又はtert−ブチル基であり、R12〜R14は水素原子、メチル基又はtert−ブチル基であり、R6 、R10、R11及びR15は水素原子、塩素原子、臭素原子又は沃素原子であり、Xはハロゲン原子の一価のアニオンである。この場合、重質成分やワックス成分等の副生物が少ないα−オレフィンが得られ特に好ましい。
【0019】
次に前記一般式(1)で表される遷移金属化合物の具体例を示せば、以下の化合物1〜化合物10が挙げられる。
【0020】
【化4】
Figure 0004860837
【0021】
これらの中で好ましいものは、化合物1及び化合物2である。
次に前記一般式(1)で表される遷移金属化合物の製造方法の一例について述べる。
本発明の遷移金属化合物における配位子(ジイミン化合物)の合成方法としては、下記一般式(2)で表されるケトン化合物と下記一般式(3)で表されるアニリン化合物を反応させる方法が挙げることができる。
【0022】
【化5】
Figure 0004860837
【0023】
【化6】
Figure 0004860837
【0024】
反応させる場合は、蟻酸等の有機酸を触媒として用いてもよい。
さらに、前記で得た配位子(ジイミン化合物)に遷移金属Mのハロゲン化物(MX1 n 、X1 :ハロゲン)あるいはその水和物を反応させる方法により前記一般式(1)で表される遷移金属化合物を製造することができる。
2.α−オレフィン製造用触媒
本発明のα−オレフィン製造用触媒は、前記遷移金属化合物と必要により助触媒からなり、該助触媒として、下記(A)〜(D)に示す系が好ましい。
(A)アルキルアルミノキサン
(B)アルキルアルミノキサン+アルキルアルミニウム
(C)アルキルアルミノキサン+硼素化合物
(D)アルキルアルミノキサン+アルキルアルミニウム+硼素化合物
上記(A)〜(D)に示す助触媒について順次説明する。
(A)アルキルアルミノキサン
下記一般式(4)
【0025】
【化7】
Figure 0004860837
【0026】
(式中、R18は炭素数1〜20、好ましくは1〜12のアルキル基を示し、wは平均重合度を示し、通常2〜50、好ましくは2〜40の整数である。なお、各R18は同じでも異なっていてもよい。)
で示される鎖状アルミノキサン、及び下記一般式(5)
【0027】
【化8】
Figure 0004860837
【0028】
(式中、R18及びwは前記一般式(4)と同じである。)
で示される環状アルミノキサンを挙げることができる。
前記アルミノキサンの製造法としては、アルキルアルミニウムと水などの縮合剤とを接触させる方法が挙げられるが、その手段については特に限定はなく、公知の方法に準じて反応させればよい。例えば、▲1▼有機アルミニウム化合物を有機溶剤に溶解しておき、これを水と接触させる方法、▲2▼重合時に当初有機アルミニウム化合物を加えておき、後に水を添加する方法、▲3▼金属塩などに含有されている結晶水、無機物や有機物への吸着水を有機アルミニウム化合物と反応させる方法、▲4▼テトラアルキルジアルミノキサンにトリアルキルアルミニウムを反応させ、さらに水を反応させる方法などがある。
【0029】
なお、アルミノキサンとしては、炭化水素溶媒に不溶性のものであってもよいし、炭化水素溶媒に可溶であってもよい。好ましくは、炭化水素溶媒に可溶であって、かつ 1H−NMRより測定した残留有機アルミニウム化合物が10質量%以下の場合である。さらに好ましくは、残留有機アルミニウム化合物が3〜5質量%以下、特に好ましくは、2〜4質量%以下である。残留有機アルミニウム化合物が10質量%を超えると、重合活性が低下することがある。
【0030】
このようなアルミノキサンを得る方法としては、例えば、アルミノキサンの溶液を加温減圧により溶媒を留去し乾固させる方法(ドライアップ法とも言う。)を挙げることができる。
また、アルミノキサンから炭化水素溶媒に不溶な成分を除去する方法としては、例えば、炭化水素溶媒に不溶な成分を自然沈降させ、その後デカンテーションにより分離する方法を挙げることができる。あるいは、遠心分離等の操作により分離する方法でもよい。その後、さらに回収した可溶解成分をG5ガラス製フィルター等を用い、窒素気流下にてろ過した方が不溶な成分が充分除去されるので好ましい。このようにして得られるアルミノキサンは時間の経過とともにゲル成分が増加することがあるが、調製後48時間以内に使用することが好ましく、調製後直ちに使用することが特に好ましい。アルミノキサンと炭化水素溶媒の割合は、特に制限はないが、炭化水素溶媒1リットルに対しアルミノキサン中のアルミニウム原子が0.5〜10モルとなるような濃度で用いることが好ましい。
【0031】
なお、前記の炭化水素溶媒としては、ベンゼン,トルエン,キシレン,クメン,シメン等芳香族炭化水素やペンタン,ヘキサン,ヘプタン,オクタン,デカン,ドデカン,ヘキサデカン,オクタデカン等脂肪族炭化水素やシクロペンタン,シクロヘキサン,シクロオクタン,メチルシクロペンタン等脂環式炭化水素やナフサ,ケロシン,ライトガスオイル等石油留分等を挙げることができる。
【0032】
アルキルアルミノキサンとしては、メチルアルミノキサン,エチルアルミノキサン,イソブチルアルミノキサン等のアルキルアルミノキサンが好ましい。なかでもメチルアルミノキサンがさらに好ましい。これらのアルミノキサンは一種単独で用いてもよいし、また二種以上を組み合わせたものを用いてもよい。
以上のアルキルアルミノキサンを助触媒として使用する場合、前記遷移金属化合物との仕込み割合については、通常、Al/遷移金属(モル比)=1/1〜10,000/1、好ましくは、100/1〜4,000/1である。
(B)アルキルアルミノキサン+アルキルアルミニウム
アルキルアルミノキサンは前記(A)に記載のものと同様である。
【0033】
アルキルアルミニウムとしては、下記一般式(6)で表される化合物を挙げることができる。
19 m Al(OR19n 2 3-m-n ・・・(6)
(式中、R19は炭素数1〜8、好ましくは1〜4のアルキル基を示し、R19が2以上ある場合は、同一でも異なってもよい。X2 は水素原子或いはハロゲン原子を示す。また、mは0<m≦3,好ましくは2あるいは3、最も好ましくは3であり、nは0≦n<3,好ましくは0あるいは1であり、また0<m+n≦3である。)
以上のアルキルアルミノキサンとアルキルアルミニウムを助触媒として使用する場合、前記遷移金属化合物との仕込み割合については、アルキルアルミノキサンの場合は、通常、Al/遷移金属(モル比)=1/1〜10,000/1、好ましくは、500/1〜2,000/1である。アルキルアルミニウムの場合は、Al/遷移金属(モル比)=1/1〜1,000/1、好ましくは、50/1〜200/1である。また、通常、アルキルアルミノキサン(Al)/アルキルアルミニウム(Al)(モル比)=1/1〜100/1、好ましくは5/1〜20/1である。
(C)アルキルアルミノキサン+硼素化合物
アルキルアルミノキサンは前記(A)に記載のものと同様である。
【0034】
硼素化合物としては、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリメチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸テトラエチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸メチル(トリ−n−ブチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸ジメチルジフェニルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸トリメチルアニリニウム,テトラフェニル硼酸メチルピリジニウム,テトラフェニル硼酸ベンジルピリジニウム,テトラフェニル硼酸メチル(2−シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリエチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラ−n−ブチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラエチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルジフェニルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリメチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルピリジニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジルピリジニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル(2−シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(2−シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル) 硼酸メチル( 4−シアノピリジニウム) ,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルホスホニウム,テトラキス〔ビス(3,5−ジトリフルオロメチル)フェニル〕硼酸ジメチルアニリニウム,テトラフェニル硼酸フェロセニウム,テトラフェニル硼酸銀,テトラフェニル硼酸トリチル,テトラフェニル硼酸テトラフェニルポルフィリンマンガン,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(1,1’−ジメチルフェロセニウム) ,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸デカメチルフェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸銀、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリチル,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸リチウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ナトリウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラフェニルポルフィリンマンガン,テトラフルオロ硼酸銀などのイオン性化合物を挙げることができる。
【0035】
また、トリフェニル硼素、トリス(ペンタフルオロフェエル)硼素、トリス〔3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕硼素、トリス〔(4−フルオロメチル)フェエル〕硼素、トリメチル硼素、トリエチル硼素、トリ−n−ブチル硼素、トリス(フルオロメチル)硼素、トリス(ペンタフルオロエチル)硼素、トリス(ノナフルオロブチル)硼素、トリス(2,4,6−トリフルオロフェエル)硼素、トリス(3,5−ジフルオロフェエル)硼素、トリス〔3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェエル〕硼素、ビス(ペンタフルオロフェエル)フルオロ硼素、ジフェエルフルオロ硼素、ビス(ペンタフルオロフェニル)クロロ硼素、ジメチルフルオロ硼素、ジエチルフルオロ棚素、ジ−n−ブチルフルオロ硼素、ペンタフルオロフェエルジフルオロ硼素、フェニルジフルオロ硼素、ペンタフルオロフェニルジクロロ硼素、メチルジフルオロ硼素、エチルジフルオロ硼素、n−ブチルジフルオロ硼素などのルイス酸を挙げることができる。
【0036】
以上のアルキルアルミノキサンと硼素化合物を助触媒として使用する場合、前記遷移金属化合物との仕込み割合については、アルキルアルミノキサンの場合は、通常、Al/遷移金属(モル比)=1/1〜100/1、好ましくは、1/1〜5/1である。硼素化合物の場合は、B/遷移金属(モル比)=1/1〜100/1、好ましくは、2/1〜5/1である。また、通常、硼素化合物(B)/アルキルアルモキサン(Al)(モル比)=1/1〜100/1、好ましくは1/1〜10/1である。
(D)アルキルアルミノキサン+アルキルアルミニウム+硼素化合物
アルキルアルミノキサンは前記(A)に記載のものと同様であり、アルキルアルミニウムは前記(B)に記載のものと同様であり、硼素化合物は前記(C)に記載のものと同様である。
【0037】
以上のアルキルアルミノキサン、アルキルアルミニウム及び硼素化合物を助触媒として使用する場合、前記遷移金属化合物との仕込み割合については、アルキルアルミノキサンの場合は、通常、Al/遷移金属(モル比)=1/1〜100/1、好ましくは、1/1〜5/1である。アルキルアルミニウムの場合は、通常、Al/遷移金属(モル比)=1/1〜10/1、好ましくは、1/1〜5/1である。硼素化合物の場合は、B/遷移金属(モル比)=1/1〜100/1、好ましくは、1/1〜5/1である。また、通常、アルキルアルモキサン(Al)/アルキルアルミニウム(Al)(モル比)=1/1〜100/1、好ましくは、1/1〜5/1である。さらに、硼素化合物(B)/アルキルアルミニウム(Al)(モル比)=1/1〜100/1、好ましくは1/1〜5/1である。
3.α−オレフィンの製造方法
本発明のα−オレフィンの製造方法について説明する。本発明のα−オレフィンの製造法においては、上記の触媒を用いてエチレンのオリゴマー化反応を行う。この反応を行う方法については、特に制限はなく、溶媒を用いる溶液反応法をはじめ、実質上溶媒を用いない液相無溶媒反応法、気相反応法など任意の方法を採用することができ、また連続反応,回分式反応のいずれであってもよい。溶媒を用いる場合には、その溶媒としては、ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,シクロヘキサン,ベンゼン、トルエン等の炭化水素溶媒を挙げることができ、これらの溶媒は単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。溶媒を用いる場合の触媒の使用量は、溶媒1リットル当たり、前記遷移金属成分が、通常、0.1〜100マイクロモル、好ましくは1〜20マイクロモルの範囲において行うのが反応活性の面から有利である。
【0038】
反応条件については特に限定されないが、反応温度は、通常−78〜200℃、好ましくは常温〜150℃の範囲である。反応系のエチレン圧については、通常0.1〜15MPa・G、好ましくは0.8〜7MPa・Gの範囲である。また、反応に際しての分子量の調節は、公知の手段、例えば温度や圧力の選定等により行うことができる。
【0039】
【実施例】
次に、本発明を具体的に実施例にて説明するが、本発明はこれらの例によってなんら制限されるものではない。
最初に、得られたα−オレフィンの分析方法について述べる。
α−オレフィンの分析はガスクロマトグラフィーにより組成分析を行った。以下に分析条件を示す。
・組成分析
島津社製GC−14A型ガスクロマトグラフにて、FID検出器を用い測定した。カラムは、ジーエルサイエンス社製TC−1(長さ15m、内径0.53mm、膜厚1.5μm)を用いた。キャリアーガスはHeを用いた。温度プログラムは次の通り。40℃、5分間保持後、10℃/分で320℃まで昇温し、10分間保持した。インジェクション、検出器とも320℃にて行った。また実施例記載のように、ウンデカンを内部標準として測定した。
【0040】
〔実施例1〕化合物1(前出)の合成
(1)配位子前駆体2, 6−ジ(2,5−キシロイル)ピリジンの合成
還流冷却器を備えた200ミリリットルの2口丸底フラスコにAlCl3 12.2g(91.5ミリモル)を入れ窒素置換を行なった。これに2, 6−ピリジンジカルボニルジクロリド6.12g(30.0ミリモル)のp−キシレン溶液(p−キシレン50ミリリットル)を滴下した。次いで、攪拌しつつ加熱を行ない5時間還流させた。放冷後、NaHCO3 水溶液を徐々に加えてAlCl3 を失活させた。反応液をトルエンで抽出、有機層を無水MgSO4 で乾燥し溶媒を留去した。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル体積比=10/1)を用いて精製し、配位子前駆体2, 6−ジ(2,5−キシロイル)ピリジンを10.1gを得た(収率98%)。
1H−NMRの測定結果
(a)測定条件:270MHz 、溶媒;CDCl3 、クロロホルム基準(δ7.24)
(b)帰属:δ2.16(6H,CH3 ,s)、δ2.21(6H,CH3 ,s)、δ6.69〜7.20(6H,ベンゼン環,m)、δ8.09(1H,ピリジン環4位,t)、δ8.26(2H,ピリジン環3,5位,d)
【0041】
(2)配位子2, 6−ジ(2,5−キシロイル)ピリジン−ジ(2−クロロ−4−メチルフェニル)イミンの合成
2,6−ジ(2,5−キシロイル)ピリジン515mg(1.5ミリモル)及び2−クロロ−4−メチルアニリン1,062mg(7.5ミリモル)をトルエン30ミリリットルに溶解させた。これにパラトルエンスルホン酸1水和物53mg加え、生成する水を除去しながら5時間還流させた。放冷後、生成液にNa2 CO3 2gを加え、さらに1時間攪拌後、ろ過により固形物を分離し、パラトルエンスルホン酸を除去した。ろ液をエバポレーターで濃縮し、さらに過剰の2−クロロ−4−メチルアニリンを除く目的で蒸留を行った。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)を用いて精製し、さらにヘキサンで再結晶し目的物を487mg得た(収率55%)。
1H−NMRの測定結果
(a)測定条件:270MHz 、溶媒;CDCl3 、クロロホルム基準(δ7.24)
(b)帰属:δ1.67(6H,CH3 ,s)、δ2.09(6H,CH3 ,s)、δ2.18(6H,CH3 ,s)、δ6.32〜7.20(12H,ベンゼン環,m)、δ7.96(1H,ピリジン環4位,t)、δ8.48(2H,ピリジン環3位,d)
【0042】
(3)鉄錯体(化合物1)の合成
2,6−ジ(2,5−キシロイル)ピリジン−ジ(2−クロロ−4−メチルフェニル)イミン139mg(0.235ミリモル)を含むジクロロメタン溶液に塩化第一鉄4水和物48.7mg(0.245ミリモル)を含むメタノール溶液を加えた。直ぐに錯体は生成し反応溶液は濃緑色に変わった。溶媒を留去し、ジクロロメタンで抽出し鉄錯体(化合物1)155mgを得た(収率92%)。
【0043】
〔実施例2〕エチレンオリゴメリゼーション
内容積1リットルのオートクレーブにシクロヘキサン250mリットル、メチルアルミノキサン(アモコ社製)のシクロヘキサン溶液(濃度1ミリモル/ミリリットル)2.0ミリリットルを添加し、次いで化合物1の1マイクロモル/ミリリットルシクロヘキサン懸濁液0.5ミリリットルを加えた後、50℃に昇温した。昇温後、圧力1.0MPa・Gを保てるようにエチレンを連続的に供給しながら、温度50℃にて、30分間反応を行った。その後、1モル/リットル水酸化ナトリウム水溶液の添加により反応を停止した。
【0044】
反応後、オートクレーブを脱圧し、ガス成分は、湿式流量計で全容量を量った後、ガスクロマトグラフィーにより成分分析し、定量した。溶液中のα- オレフィンはn−ウンデカンを内部標準としてガスクロマトグラフィーにより定量した。また、固形物はろ過分離し、120℃で12時間乾燥し定量した。その結果、全生成物量は148gであった。鉄金属当たりのオリゴマー活性は、10,566kg/g−Fe・hであった。先に述べた分析方法により得られた生成物の組成分布の結果を第1表に示す。なお、表中のCxは、それぞれ炭素数xの留分を示す。C20 + は、炭素数20以上の留分を示す。重質分とは、重合により得られた固体状のポリマーである。
【0045】
〔実施例3〕化合物2(前出)の合成
(1)配位子2, 6−ジ(2,5−キシロイル)ピリジン−ジ(3,5−ジtert−ブチルフェニル)イミンの合成
実施例1の(2)において、2−クロロ−4−メチルアニリンの代わりに、3,5−ジtert−ブチルアニリン1,540mg(7.5ミリモル)用いたこと以外は同様な操作を行った。その結果、目的物を776mg得た(収率72%)。
1H−NMRの測定結果
(a)測定条件:270MHz 、溶媒;CDCl3 、クロロホルム基準(δ7.24)
(b)帰属:δ1.14(36H,tert−Bu,s)、δ1.58(6H,CH3 ,s)、δ2.07(6H,CH3 ,s)、δ6.55〜6.93(12H,ベンゼン環,m)、δ7.93(1H,ピリジン環4位,t)、δ8.32(2H,ピリジン環3位,d)
【0046】
(2)鉄錯体(化合物2)の合成
実施例1の(3)において、2, 6−ジ(2,5−キシロイル)ピリジン−ジ(2−クロロ−4−メチルフェニル)イミンの代わりに、2, 6−ジ(2,5−キシロイル)ピリジン−ジ(3,5−ジtert−ブチルフェニル)イミン108mg(0.150ミリモル)を用いたこと及び塩化第一鉄4水和物の量を35.0mg(0.177ミリモル)にしたこと以外は同様な操作を行った。その結果青緑色の鉄錯体(化合物2)108mgを得た(収率85%)。
【0047】
〔実施例4〕エチレンのオリゴメリゼーション
実施例2において、メチルアルミノキサンのシクロヘキサンの量を2ミリリットルにしたこと及び化合物1の1マイクロモル/ミリリットルシクロヘキサン懸濁液0.5ミリリットルの代わりに、化合物2の1マイクロモル/ミリリットルシクロヘキサン懸濁液1.0ミリリットルを用いたこと以外は同様な操作を行った。その結果、全生成物量は202gであった。鉄金属当たりのオリゴマー活性は、7,218kg/g−Fe・hであった。また、生成物の組成分布の結果を第1表に示す。
【0048】
〔比較例1〕二塩化鉄〔2,6−ジアセチルピリジン−ジ(2,4−ジメチルフェニル)イミン〕錯体(化合物11)の合成
(1)配位子2,6−ジアセチルピリジン−ジ(2,4−ジメチルフェニル)イミンの合成
50ミリリットルのナス型フラスコに2,6−ジアセチルピリジン326mg(2ミリモル)、2,4−ジメチルアニリン1,212mg(10ミリモル)及びメタノール50ミリリットルを入れ均一溶液にした後、HCOOHを5滴添加し、室温にてマグネチックスタラーで攪拌した。24時間後、メタノールをエバポレーターで留去し、残留物をヘキサン/エーテルで再結晶し目的物を468mg得た(収率62%)。
1H−NMRの測定結果
(a)測定条件:270MHz 、溶媒;CDCl3 、クロロホルム基準(δ7.24)
(b)帰属:δ2.12(6H,CH3 ,s)、δ2.34(6H,CH3 ,s)、δ2.37(6H,CH3 ,s)、δ6.61(2H,ベンゼン環,d)、δ7.02(2H,ベンゼン環,d)、δ7.06(2H,ベンゼン環,s)、δ7.85(1H,ピリジン環4位,t)、δ8.41(2H,ピリジン環3位,d)
【0049】
(2)鉄錯体(化合物11)の合成
実施例1の(3)において、2, 6−ジ(2,5−キシロイル)ピリジン−ジ(2−クロロ−4−メチルフェニル)イミンの代わりに、2, 6−ジアセチルビリジン−ジ(2,4−ジメチルフェニル)イミン184mg(0.498ミリモル)を用いたこと及び塩化第一鉄4水和物の量を109mg(0.548ミリモル)にしたこと以外は同様な操作を行った。その結果紫色の鉄錯体(化合物11)222mgを得た(収率90%)。
【0050】
【化9】
Figure 0004860837
【0051】
〔比較例2〕エチレンのオリゴメリゼーション
実施例2において、化合物1の1マイクロモル/ミリリットルシクロヘキサン懸濁液0.5ミリリットルの代わりに、化合物11の1マイクロモル/ミリリットルシクロヘキサン懸濁液0.5ミリリットルを用いたこと以外は同様な操作を行った。その結果、全生成物量は171.1gであった。鉄金属当たりのオリゴマー活性は、12,255kg/g−Fe・hであった。また、生成物の組成分布の結果を第1表に示す。
【0052】
〔比較例3〕二塩化鉄〔2,6−ジアセチルピリジン−ジ(2−エチルフェニル)イミン〕錯体(化合物12)の合成
(1)配位子2,6−ジアセチルピリジン−ジ(2−エチルフェニル)イミンの合成
比較例1の(1)において、2,4−ジメチルアニリンの代わりに、2−エチルアニリンを326mg(10ミリモル)用いたこと以外は同様な操作を行い、目的物468mg(収率62%)を得た。
1H−NMRの測定結果
(a)測定条件:270MHz 、溶媒;CDCl3 、クロロホルム基準(δ7.24)
(b)帰属:δ1.16(6H,CH3 ,t)、δ2.37(6H,CH3 ,s)、δ2.52(4H,CH3 ,q)、δ6.66(2H,ベンゼン環,d)、δ7.05〜7.28(6H,ベンゼン環,m)、δ7.90(1H,ピリジン環4位,t)、δ8.41(2H,ピリジン環3位,d)
【0053】
(2)鉄錯体(化合物12)の合成
実施例1の(3)において、2, 6−ジ(2,5−キシロイル)ピリジン−ジ(2−クロロ−4−メチルフェニル)イミンの代わりに、2, 6−ジアセチルビリジン−ジ(2−エチルフェニル)イミン124mg(0.333ミリモル)を用いたこと及び塩化第一鉄4水和物の量を67.8mg(0.341ミリモル)にしたこと以外は同様な操作を行った。その結果青緑色の鉄錯体(化合物12)159mgを得た(収率96%)。
【0054】
【化10】
Figure 0004860837
【0055】
〔比較例4〕エチレンのオリゴメリゼーション
実施例2において、メチルアルミノキサンのシクロヘキサン溶液の量を1ミリリットルにしたこと及び化合物1の1マイクロモル/ミリリットルシクロヘキサン懸濁液0.5ミリリットルの代わりに、化合物12の1マイクロモル/ミリリットルシクロヘキサン懸濁液0.5ミリリットルを用いたこと以外は同様な操作を行った。その結果、全生成物量は61.0gであった。鉄金属当たりのオリゴマー活性は、4,370kg/g−Fe・hであった。また、生成物の組成分布の結果を第1表に示す。
【0056】
〔比較例5〕二塩化鉄〔2,6−ジ(2,5−キシロイル)ピリジン−ジ(2−メチルフェニル)イミン〕錯体(化合物13)の合成
(1)配位子2,6−ジ(2,5−キシロイル)ピリジン−ジ(2−メチルフェニル)イミンの合成
実施例1の(1)で得られた2,6−ジ(2,5−キシロイル)ピリジン1.03g(3.0ミリモル)をメタノール20ミリリットルに溶解させ、そこへ1.6ミリリットルのo−トルイジン(15.0ミリモル)と蟻酸数滴を加えて反応を開始した。一晩攪拌した後、生成した結晶をろ過し、メタノール5ミリリットルでの洗浄を3回繰り返し、目的物470mg(収率30%)を得た。
1H−NMRの測定結果
(a)測定条件:270MHz 、溶媒;CDCl3 、クロロホルム基準(δ7.24)
(b)帰属:δ1.68(6H,CH3 ,s)、δ2.08(6H,CH3 ,s)、δ2.29(6H,CH3 ,s)、δ6.32〜7.11(14H,ベンゼン環,m)、δ7.95(1H,ピリジン環4位,t)、δ8.42(2H,ピリジン環,d)
【0057】
(2)鉄錯体(化合物13)の合成
実施例1の(3)において、2, 6−ジ(2,5−キシロイル)ピリジン−ジ(2−クロロ−4−メチルフェニル)イミンの代わりに、2, 6−ジ(2,5−キシロイル)ピリジン−ジ(2−メチルフェニル)イミン148mg(0.284ミリモル)を用いたこと以外は同様な操作を行った。その結果青緑色の鉄錯体(化合物13)184mgを得た(収率100%)。
【0058】
【化11】
Figure 0004860837
【0059】
〔比較例6〕エチレンのオリゴメリゼーション
実施例2において、化合物1の1マイクロモル/ミリリットルシクロヘキサン懸濁液0.5ミリリットルの代わりに、化合物13の1マイクロモル/ミリリットルシクロヘキサン懸濁液0.5ミリリットルを用いたこと以外は同様な操作を行った。その結果、全生成物量は58gであった。鉄金属当たりのオリゴマー活性は、4,170kg/g−Fe・hであった。また、生成物の組成分布の結果を第1表に示す。
【0060】
【表1】
Figure 0004860837
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、α−オレフィン製造に際し、触媒あたりの活性が高く、かつ重質成分やワックス成分等の副生物が少ないα−オレフィン製造用触媒を与える遷移金属化合物、α−オレフィン製造用触媒及びα−オレフィンの製造方法を提供することができる。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0004860837
    〔式中、Mは周期律表第8〜10族の遷移金属を示し、R1〜R3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、−OR 17 で表されるアルコキシ基、−NR 17 2 で表されるアミノ基又は−SiR 17 3 で表されるシリル基を示し、それらは互いに結合して環を形成してもよい。R4及びR5はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示す。但し、R4及びR5のうち少なくとも一つはアリール基又は置換アリール基である。R7〜R9はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、−OR 17 で表されるアルコキシ基、−NR 17 2 で表されるアミノ基又は−SiR 17 3 で表されるシリル基を示し、互いに環を形成していてもよい。R12〜R14はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、−OR 17 で表されるアルコキシ基、−NR 17 2 で表されるアミノ基又は−SiR 17 3 で表されるシリル基を示し、互いに結合して環を形成してもよい。 17 は、炭素数1〜20の炭化水素基を示す。6、R10、R11及びR15はそれぞれ独立に水素原子又はハロゲン原子を示す。但し、R6、R10、R11及びR15のうち少なくとも一つは水素原子である。Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜20のリン含有基、炭素数1〜20の珪素含有基、又はハロゲン含有硼素アニオンを示し、複数ある場合は互いに同一であっても異なってもよい。nはMの原子価を示す。〕で表される遷移金属化合物。
  2. 遷移金属Mが鉄またはコバルトである請求項1に記載の遷移金属化合物。
  3. 前記一般式(1)中、R 1 〜R 3 がそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭又は素数1〜20の炭化水素基を示し、R 7 〜R 9 がそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R 12 〜R 14 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Xが水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜20の炭化水素基を示す、請求項1又は2に記載の遷移金属化合物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の遷移金属を含有するα−オレフィン製造用触媒。
  5. 請求項記載のα−オレフィン製造用触媒の存在下、エチレンを重合させることを特徴とするα−オレフィンの製造方法。
  6. 請求項記載のα−オレフィン製造用触媒及び助触媒の存在下、エチレンを重合させることを特徴とするα−オレフィンの製造方法。
  7. 助触媒がアルキルアルミノキサンである請求項記載のα−オレフィンの製造方法。
  8. 助触媒がアルキルアルミノキサン及びアルキルアルミニウムである請求項記載のα−オレフィンの製造方法。
  9. 助触媒がアルキルアルミノキサン及び硼素化合物である請求項記載のα−オレフィンの製造方法。
  10. 助触媒がアルキルアルミノキサン、アルキルアルミニウム及び硼素化合物である請求項記載のα−オレフィンの製造方法。
  11. 反応圧力が0.1〜15MPa・Gの範囲である請求項5〜10のいずれかに記載のα−オレフィンの製造方法。
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