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JP4863145B2 - 永久磁石形回転電機 - Google Patents
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Description

本発明は永久磁石形回転電機に関し、特に回転子に発生する熱応力を軽減することのできる永久磁石形回転電機に関する。
永久磁石を回転界磁極に用いた回転電機、すなわち永久磁石形発電機あるいは永久磁石形電動機は、回転子軸の外周に円周方向にN極、S極が交互に着磁された断面弧状の永久磁石を配置固定し、さらにこの永久磁石の外周部全体を円筒状の保持環で覆って高速回転中の遠心力で永久磁石の飛散を防止する構造を採用している(例えば、特許文献1、2参照)。
図3は特許文献1あるいは2に記載の永久磁石形回転電機の回転子の半裁縦断面図である。
図3において、1は永久磁石形回転電機であり、2は電磁鋼板を軸方向に積層して環状に形成された電機子鉄心2−1およびその電機子鉄心のスロット内に収納した電機子巻線2−2を有する固定子、3は電機子鉄心2−1で形成された環状空間部に所定の空隙を介して回転可能に配置され、しかも界磁極に永久磁石を用いた回転子である。
この回転子3は、回転子軸4の外周全体を覆うように形成された長い円筒状の保持環5の内周部に対して、円周方向にN極、S極が交互に配置されるように構成された永久磁石6を接着剤等で固定し、かつ、保持環5の両端部に形成したエンドリング部5R−1および5R−2によって、回転子軸4の外周面に溶接または焼き嵌め等で接合固定されるように構成されている。7−1、7−2は保持環5のエンドリング部5R−1および5R−2と、回転子軸4の外周面との接合部を表す。
特開2000−278898号公報 特開2004−266919号公報
通常、回転子3に設けた永久磁石6から出た磁束Φは、保持環5を透過して固定子2に到達する。保持環5は永久磁石6の磁束Φを有効利用するために磁性材料で構成されることが多い。回転子3が回転すると、保持環5の表面に渦電流が発生し、保持環5は渦電流によるジュール熱で加熱されて軸方向に伸びようとするが、その両端のエンドリング部5R−1および5R−2が接合部7−1、7−2で拘束されているため、自由に伸びることができない。このため、保持環5には熱応力が発生する。
接合部7−1、7−2に溶接接合を採用した場合は、保持環5の熱伸びによって発生した熱応力で溶接接合部が亀裂等の損傷を受けるおそれがある。また、接合部7−1、7−2に焼き嵌めを採用した場合には、保持環5の熱伸びにより保持環5と回転子軸4との接合位置が製作当初の状態からずれてくる。このため、回転電機の起動・停止が繰り返し行われると、保持環6は熱伸び・収縮を繰り返すため、接合部7−1、7−2の位置ずれが次第に大きくなり、極端な場合は保持環5が回転子軸4から外れ、回転電機が破損するおそれがある。
このように従来の永久磁石形回転電機における保持環5の接合固定方法では、保持環の熱伸びによって接合部7−1、7−2に亀裂や位置ずれ等が発生し、極端な場合は回転電機の破損に至るおそれがある。
そこで本発明の目的は、上記の課題に鑑みてなされたもので、永久磁石を固定する保持環が熱伸びをしても、回転子軸と保持環との接合固定部に亀裂あるいは位置ずれ等の現象が発生しないようにした回転子を有する永久磁石形回転電機を提供することにある。
前記目的を解決するために、請求項1に係る発明は、環状に形成された電機子鉄心に電機子巻線を巻回して構成した固定子と、前記電機子鉄心によって形成された空間部に回転自在に配置された回転子とを備え、前記回転子を、回転子軸と、当該回転子軸の周囲を覆いかつ回転子軸に接合固定された保持環と、前記保持環の内周面に固定された永久磁石とから構成した永久磁石形回転電機において、前記回転子軸は、前記永久磁石に対向する部分の外径よりもその両側の部分の外径を小さくすることによって回転子軸の軸受側端部に段差部を形成し、前記保持環および前記永久磁石は、それぞれ軸方向のほぼ中央部分で2分割されるとともに、各分割面間に所定寸法の隙間を設け、更に2分割されたそれぞれの前記保持環は、前記分割面と反対側の端部を前記回転子軸の両側に形成されたそれぞれの前記段差部に当接させて位置決めした状態当該回転子軸に接合固定されることを特徴とする。
また、請求項に係る発明は、請求項1記載の永久磁石形回転電機において、前記隙間に、分割された各保持環の熱伸びに支障をきたさない弾性材を詰めたことを特徴とする。
本発明によれば、保持環と回転子軸とが溶接接合の場合、保持環の熱伸びによって発生した熱応力による溶接接合部の亀裂等の損傷を抑え、保持環と回転子軸とが焼き嵌めの場合、保持環の熱伸びの繰り返しによる保持環と回転子軸の位置ずれによる回転電機の損傷を抑えることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、各図を通して同一部分には同一符号を付けて、重複する説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1を参照して第1の実施の形態について説明する。
図1は本実施形態による永久磁石形回転電機の回転子を主体にした半裁縦断面図である。
本実施形態が図3で示した従来例との異なる点は、円筒状の保持環5および永久磁石6を軸方向のほぼ中央部分で2分割して、分割保持環5−1、5−2、および分割永久磁石6−1、6−2とし、分割面間に所定の寸法の隙間8を設けるように構成した点である。ここで、隙間8の所定寸法とは、各分割保持環5−1、5−2が、渦電流によるジュール熱で加熱されて軸方向に伸びる場合の最大伸び幅の和よりも少し大きめの寸法に設定しておくものとする。
分割永久磁石6−1および6−2は、それぞれ分割保持環5−1および5−2の内周面に接着剤等で固定され、一方、分割保持環5−1および5−2は両端部すなわち、図示していない軸受側端部をエンドリング部5R−1および5R−2によって回転子軸4に溶接または焼き嵌め等によって接合固定されるようになっている。
本実施形態による永久磁石形回転電機は以上のように回転子3を構成したので、回転子3の回転により分割保持環5−1および5−2の表面にそれぞれ渦電流が発生し、分割保持環5−1および5−2はそのジュール熱で加熱されて、軸方向に伸びる。
この場合、分割保持環5−1および5−2は、一端がエンドリング5R−1、5R−2により回転子軸4に接合されて拘束されているが、他端である分割面側は拘束されておらず、しかも所定寸法の隙間8を隔てて対向している。このため、分割保持環5−1および5−2は分割面で衝突(干渉)することなく、接合部7−1、7−2を起点として隙間8に向って自由に伸びることができる。
このため、接合部7−1および7−2に溶接接合を採用した場合は、分割保持環5−1および5−2には熱応力は発生せず、接合部7−1および7−2に亀裂等が発生することはなく、回転子3の機械的損傷を抑えることができる。
また、接合部7−1および7−2に焼き嵌め接合を採用した場合も同様に、回転子軸4からエンドリング5R−1、5R−2の接合位置が当初の状態から位置ずれを起こさないので、分割保持環5−1および5−2が熱伸び・収縮を繰り返しても分割保持環5−1および5−2が回転子軸4から外れるようなことはなく、回転子3の機械的損傷を抑えることができる。
(第2の実施形態)
図2を参照して第2の実施の形態について説明する。
図2は本実施形態による永久磁石形回転電機の回転子を主体にした半裁縦断面図である。
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、分割保持環5−1および5−2と回転子軸4との接合部7−1、7−2に段差部4−1、4−2を設けるようにした点である。その他の点については第1の実施形態と同じなので説明は省略する。
接合部7−1、7−2に段差部4−1、4−2を形成するには、回転子軸4の分割永久磁石6−1、6−2に対向する部分の外径Dよりもエンドリング5R−1および5R−2と接合する部分の外径Dを小さくすることによって、回転子軸4自体に寸法差(D−D)による段差部4−1、4−2を形成し、さらにエンドリング5R−1、5R−2の内径を小径部の外径Dに適合する寸法にすればよい。
以上のように本実施形態による永久磁石形回転電機は回転子3の回転子軸4の両端部に段差部4−1、4−2を形成し、この段差部4−1、4−2に分割保持環5−1および5−2のエンドリング部5R−1および5R−2を焼き嵌めによって接合する場合、段差部4−1および4−2があることで、回転子軸4の両側から分割保持環5−1および5−2を挿入する際、エンドリング部5R−1および5R−2が段差部4−1および4−2に当接した位置で位置決めされるので、適正な隙間8を確保することが可能である。
これに対して回転子軸4に段差部4−1および4−2を形成していなければ、分割保持環5−1および5−2を挿入する際に、接合部7−1および7−2において分割保持環5−1および5−2と回転子軸4がずれる可能性があり、隙間8が適正値より小さくなる可能性がある。万一隙間8が適正値より小さいと、分割保持環5−1および5−2の熱伸びを吸収することができず、分割保持環7−1と7−2が衝突(干渉)して接合部7−1および7−2において位置ずれが発生する可能性がある。
したがって、本実施形態では、第1の実施形態に比べ、分割保持環5−1および5−2の相互間に適正な隙間8を設けることができる。
なお、分割保持環5−1および5−2の熱伸びに支障をきたさないようにして隙間8に弾性材を詰めることにより隙間8に鉄粉や油の飛沫、その他のごみが進入しないようにしてもよい。
以上述べたように、本実施形態によれば、分割保持環5−1および5−2が軸方向に熱伸びを起こしても隙間8を設けているので拘束されることなく自由に伸びることができ、しかも、分割保持環5−1および5−2のエンドリング5R−1および5R−2の位置が回転子軸4に形成した段差部4−1、4−2で位置決めされるので、分割保持環7−1と7−2の自由端が衝突(干渉)することはない。この結果、接合部7−1および7−2における位置ずれは発生せず、回転子3の機械的損傷を抑えることができる。
本発明の第1の実施形態による永久磁石形回転電機の回転子半裁縦断面図。 本発明の第2の実施形態による永久磁石形回転電機の回転子半裁縦断面図。 従来の永久磁石形回転電機の回転子半裁縦断面図。
符号の説明
1…永久磁石形回転電機、2…固定子、3…回転子、4…回転子軸、4−1、4−2…回転子軸の段差部、5…保持環、5−1、5−2…分割保持環、5R−1、5R−2…エンドリング、6…永久磁石、6−1、6−2…分割永久磁石、7−1、7−2…接合部、8…隙間、Φ…磁束。

Claims (2)

  1. 環状に形成された電機子鉄心に電機子巻線を巻回して構成した固定子と、前記電機子鉄心によって形成された空間部に回転自在に配置された回転子とを備え、前記回転子を、回転子軸と、当該回転子軸の周囲を覆いかつ回転子軸に接合固定された保持環と、前記保持環の内周面に固定された永久磁石とから構成した永久磁石形回転電機において、
    前記回転子軸は、前記永久磁石に対向する部分の外径よりもその両側の部分の外径を小さくすることによって回転子軸の軸受側端部に段差部を形成し、前記保持環および前記永久磁石は、それぞれ軸方向のほぼ中央部分で2分割されるとともに、各分割面間に所定寸法の隙間を設け、更に2分割されたそれぞれの前記保持環は、前記分割面と反対側の端部を前記回転子軸の両側に形成されたそれぞれの前記段差部に当接させて位置決めした状態当該回転子軸に接合固定されることを特徴とする永久磁石形回転電機。
  2. 前記隙間に、分割された各保持環の熱伸びに支障をきたさない弾性材を詰めたことを特徴とする請求項1記載の永久磁石形回転電機。
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