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JP4864530B2 - 金属ガスケット - Google Patents
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本発明は、内燃機関を構成するシリンダブロックとシリンダヘッドとの対向する接合面間に介挿され、且つボルト締結されることで当該接合面間をシールするのに有用な金属ガスケットに係り、ビードとして金属ビードと弾性シール材からなるゴムビードとの合成弾力でシールすることで基板の剛性を低くできる金属ガスケットに有用な技術である。
従来、複数の燃焼室孔が開口した金属ガスケットとしては、例えば特許文献1に記載のガスケットがある。この金属ガスケットは、図6に示すように、ステンレス鋼板や軟鋼板などの薄肉金属板から基板1を構成し、その基板1に対し燃焼室孔2、ボルト孔、オイル孔、水孔等の各種の孔を開口し、更に、シールが必要な孔の周囲などを凸状のフルビードやステップ状のハーフビードからなる金属ビードで囲繞している。さらに、少なくとも燃焼室孔2を囲繞する金属ビード6の上下両面に対し耐熱性と弾力性を有する弾性シール材11を配置して、上記金属ビード6と弾性シール材11によるゴムビードとからなる合成ビードの合成弾力でシールしている。このように、合成弾性でシールすることで基板1の剛性や締付けトルクの低減を図ることが出来る結果、エンジンの小型化やアルミ化に有効に対応することが出来る。
また、燃焼室孔2の外周を囲繞するように、基板1に板を積層して増厚する増厚部9を配置する。その増厚部9は、ボア内の高圧の燃焼ガスをシールすると共に当該増厚部9より外側を囲繞するビードの過圧縮を制限する役目を有している。
国際公開WO2003/085294
近年、エンジンの進化は加速され、更なる小型軽量化、高性能化が行われている。ここで、エンジンの小型軽量化に伴い、燃焼室孔2端部から、その外側にある水孔等までの距離が極度に狭くなる傾向にあり、その燃焼室孔2から水孔等の間の基板部分に対し、上記増厚部9、増厚部外周側を囲繞する金属ビード6および金属ビード6の上下両面に成型する弾性シール材11などを設ける必要があるが、増厚部9と金属ビード6の幅は性能保持上、極度に狭くすることが出来ない。このため、金属ビード6の幅より広く接合面積を必要とする、弾性シール材11からなるゴムビードのビード幅を削減することが考えられる。このとき、金属ビード6の凸側の弾性シール材11−1のビード幅を、金属ビード6の幅と同等か同等幅に近い寸法まで減少した場合には、弾性シール材11−1は基板1に対し金属ビード6の傾斜部だけにほぼ接合していることになり、エンジンに装着締結した時の圧縮変形時、及びエンジン稼働時に繰り返し入力される荷重及びガスケット基板材とエンジン素材の熱膨脹差によるエンジンスラスト方向の動きによって、金属基板1からゴムビードが剥離し易くなる結果、ガスケットの寿命が短くなる原因となる。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、増厚部高さまで変形して来た、金属ビードの傾斜部に形成された弾性シール材の圧縮変形による横方向への変形量を吸収してゴムビードの剥離を抑えることが可能な金属ガスケットを提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本願発明のうち請求項1に記載した発明は、1又は2以上の燃焼室孔が開口した金属板を基板とし、燃焼室孔の周縁に沿って板厚が厚い増厚部が形成され、さらにその外周を囲繞するようにビードが形成され、そのビードが、基板を屈曲して上記増厚部の増厚側に凸となる金属ビードと、少なくとも上記金属ビードの凸部側表面に固着すると共に凸部裏側の凹部に充填されて上記金属ビードと共にバネ力を発生可能な弾性シール材からなるゴムビードとの合成ビードで構成される金属ガスケットであって、上記金属ビードの凸部側表面に固着する弾性シール材は、上記増厚部と金属ビードとの間に位置する基板平坦部表面にも連続して固着し、その基板平坦部表面に設けられた弾性シール材の少なくとも一部を、上記増厚部よりも高さの低い変形吸収部とし、上記基板平坦部表面に設けられた弾性シール材は、上記増厚部の外周側端面に接触すると共に、上記変形吸収部は少なくとも上記増厚部側に形成されているものとし、さらに、上記増厚部の外周側は、当該増厚部の内周側より高さが低く形成されると共に上記変形吸収部に連続していることを特徴としたものである。
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、上記基板には上記金属ビードよりも外周側に上記燃焼室孔を囲むように複数のボルト孔が開口されており、上記増厚部の高さは、ボルト孔に近い位置の高さを相対的に低く、ボルト孔から離れるにつれて相対的に高くなるように高さ調整が行われて、円周方向に沿って抑揚がつくように変化していると共に、その抑揚変化による一番高さが低い位置よりも、上記変形吸収部の高さは低くなっていることを特徴とするものである。
本発明によれば、金属ビードの凸部傾斜部に形成した弾性シール材が圧縮変形する際の変形量を、上記変形吸収部の上方に形成された空間で吸収できる。これによって、少なくとも金属ビード凸部側の弾性シール材が剥離しにくくなる。
(第1実施形態)
次に、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る金属ガスケットを示す平面図である。図2は、図1のA−A線での断面図である。
(構成)
金属ガスケット10の基板1の素材としては、例えばステンレス鋼板または軟鋼板、アルミニウム板等の金属薄板を適宜、採用可能である。そして、ビードとして後述のような合成ビードを採用する結果、剛性の低い軟鋼板を使用することができる。
その基板1の略中央部には、図1に示すように、燃焼室孔2が開口している。その燃焼室孔2の開口端部全周は、上方に折り返されて最も肉厚の厚い増厚部9が形成され、これにより、他の基板1部分との間に板厚差が設けられてビードに対するストッパとなる。本実施形態では、増厚部9は上方に板厚分だけ高くなっている。
上記増厚部9の周方向に沿った高さは、ボルト締付け時に周方向に沿った面圧が均等に近づくように、周方向に沿って抑揚がつくように変化している。すなわち、ボルト孔3に近い位置の高さを相対的に低く、ボルト孔3から離れるにつれて相対的に高くなるように鍛造などで高さ調整が行われている。
ここで、本実施形態では、基板1の材料として剛性が低い軟鋼が採用できる結果、増厚部9を形成するための折り返し加工が容易になると共に、増厚部9の高さ調整も容易である。さらに、材料硬度を低くすることで曲げR部の疲労破壊を抑えることも出来る。
また基板1には、増厚部9の近傍外側において、各燃焼室孔2の外周を囲繞するように、内周側シールラインL1が設定されると共に、その内側シールラインL1よりも外周側に水孔4及びボルト孔3などが適宜形成され、シールが必要な部分には外周側シールラインL2が設定されている。符号5は油孔を示す。
そして、上記内周側シールラインL1に沿って、図2のように、基板1を板厚方向に屈曲成形して上側に凸状のステップ状のハーフビードからなる金属ビード6が形成されている。また、上記金属ビード6の凸部側の基板1表面に第1の弾性シール材12−1が固着すると共に、各凸部側の裏側に位置する凹部内にも同様の第2の弾性シール材12―2が充填されている。上記弾性シール材12は、例えばフッ素ゴム、NBR、シリコンゴムなどのゴム材料や樹脂材料など、耐熱性及び弾性を有する素材からなる。
上記金属ビード6の凸部側に固着された第1の弾性シール材12−1は、金属ビード6の凸部が形成する傾斜面に接合している。なお、当該弾性シール材12−1の高さは、金属ビード6の高さと略々と高さとされている。
更に、増厚部9と金属ビード6との間に位置する基板平坦部1aの上面にも、上記第1の弾性シール材12−1に連続する弾性シール材(以下、第3の弾性シール材13と呼ぶ)が被着している。
第3の弾性シール材13の高さは、上記増厚部9の高さよりも低く設定されて変形吸収部を構成している。すなわち、ガスケット10をエンジンに装着した状態では、第3の弾性シール材13とエンジンの接合面との間に所定の容積の空間が形成される。
ここで、上記第1及び第2の弾性シール材12からなるゴムビードの役割は、先ず、燃焼室孔2側からの高圧ガスが、増厚部9と対向する接合面部分にあるツールマークの微細な溝を通って漏れてくることがあっても、内周側シールラインL1位置にあっては、弾性シール材12の弾性変形によって溝が埋まっているので、高圧ガスの漏れが水孔4側に移動することを完全に遮断してシールすることができる。また、内周側シールラインL1の反対側(外周側)から冷却水が侵入して来ても柔軟性の有るゴムビードがツールマークまでも完全に遮断してシールすることが出来る。
また、本実施形態では、シール位置の上下両接触面が軟質の弾性シール材である為にガスケット係数も小さくできる結果、大きな荷重を必要とせず全体の締め付け荷重を低減、つまりボルトの締付け軸力を低減することができる。
なお、外周側シールラインL2についても、上記と同様な構造の合成ビードが形成されている。
(作用・効果)
燃焼室孔2側端部から、燃焼室孔2外側の水孔4までの距離が狭いエンジン用のガスケットの場合、内側シールラインL1に沿って形成するビードのビード幅も広く取れない。金属ビード6の両面に成型するゴムビードは、基板1との接合面積が狭いと運転・停止の繰り返しによるシール面の熱膨張差などで剥離する恐れがある。特に、増厚部9による増厚側(上面側)では、増厚部9と金属ビード6が近づくことで、ビード幅が狭くなりがちである。
これに対し、本実施形態では、凸部側の第1の弾性シール材12−1に連続し、直接にはシールに寄与しない第3の弾性シール材13を、増厚部9と金属ビード6との間に位置する基板平坦部1aに接合することで、基板1と弾性シール材との接合面積を増やしている。このとき、第3の弾性シール材13を増厚部9と接触するまで上記基板平坦部1aの全面に接合することで、確実に接合面積を増やすことが出来る。特に、第3の弾性シール材13が増厚部9と接触する部分も基板1との接合面積の増大に寄与する。
さらに、上記第3の弾性シール材13の高さを低くして変形吸収部とすることで、第1の弾性シール材12−1が圧縮変形した際に横方向に逃げる変形量を、第3の弾性シール材13部分が上方の空間部分に膨脹して吸収することで、過度な力が第1の弾性シール材12−1と基板1との接合面に発生することを防止できる。
以上のことによって、ゴムビードのビード幅が狭くなっても第1の弾性シール材12−1が基板1から剥離しにくくなり、その分、ガスケットの性能確保と寿命劣化を抑えることが出来る。
ここで、上記金属ガスケット10の製造における、上記ゴムビードの成型を考えた場合、先に、基板1を加工して金属ビード6などを形成すると共に、燃焼室孔2外縁を上方に折り返して増厚部9を形成する。その後に、ゴムビード成型用のモールドを基板1両面に取付け、モールド内にシール剤を注入してゴムビードを成型する手順となる。このとき、上記基板1は、大きい面積内では板厚にバラツキが有り、燃焼室孔2外縁を折り返して増厚部9を形成した際に、増厚部9の幅に所定のバラツキ(寸法誤差)が発生しやすい。この場合、増厚部9の幅が目標値よりも長い場合には、モールドが増厚部9の上側に載る可能性がある。このようなことを考慮した場合には、後述の第2実施形態の構成が好ましい。
また、上記実施形態では、燃焼室孔2が一つの場合を例示しているが、燃焼室孔2が複数個あっても適用可能である。
また、上記第3の弾性シール材13の高さを一定に形成しているが、一定である必要もない。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記各実施形態と同様な部材などについては同一の符号を付して説明する。
(構成)
本実施形態の基本構成は上記第1実施形態と同様であるが、増厚部9の外周側部分の構成が異なる。すなわち、図3に示すように、増厚部9の外周側に段差部14を形成し、その段差部14の高さを、増厚部9の円周方向に沿って形成した抑揚変化のうちの一番低い高さよりも低くしたものである。そして、上記段差部14の高さを上記第3の弾性シール材13の高さを一致若しくは略一致にしたものである。
なお、段差部14と第3の弾性シール材13の高さを一致させる必要はない。
第1の弾性シール材12−1が圧縮変化する際の変形量の吸収を第3の弾性シール材13の上方の空間のみならず、上記段差部14の上方にも確保されることで、より上記変形量を吸収するための容積を増やすことが出来る。
なお、上記第3の弾性シール材13は、第1の弾性シール材12−1が圧縮変形する際に膨脹するが、そのとき、第3の弾性シール材13は、対向するエンジンの接合面に接触する必要はない。接触する場合には、シール圧は低いものの、ボアからのガスのシールに幾分かは寄与可能である。特に第2実施形態のように上記段差部14を形成する場合には、第3の弾性シール材13が対向するエンジンの接合面に接触した後であっても、上記段差部14の上方の空間に逃げるように変形可能であるので、第3の弾性シール材13による若干のシール機能は確保出来る可能性はある。
また、上記のように増厚部9外周側に第3の弾性シール材13に連続する段差部14を形成しておくと、基板1の板厚などの影響により増厚部9の長さに誤差があっても、若干長めに増厚部9の幅を設定しておけば、上記段差部14にモールド(図3の一点鎖線参照)の一部が載ることで、確実に増厚部9よりも高さの低く且つ増厚部9に接触(固着)した第3の増厚部9を成型することが可能となる。
ここで、上記段差部14は、予め形成しないで、モールドによって加える圧力によって増厚部9外周を凹ませて上記段差部14としても良い。本実施形態の基板1として剛性の低い材質で形成することが出来るので、モールドによって加える圧力で上記段差部14を十分形成することが出来る。
ここで、上記実施形態では、第1シールラインL1に沿って形成する金属ビード6を、ビード幅を狭くするためにステップ状のハーフビードで形成する場合を例示しているが、金属ビード6は、図4に示すようにフルビードから形成されていても良い。この場合であっても、上記と同様な効果を得る。
また、上記全実施形態では、増厚部9を基板1の折り返しで形成する場合を例示しているが、図5のように、別の板16を基板1に溶接などで接合して増厚部9を形成しても良いし、鍛造などで増厚部9を形成しても良い。
本発明に基づく実施形態に係る金属ガスケットを示す平面図である。 図1におけるA−A断面図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る金属ガスケットを示す断面図である。 第2実施形態の変形例を示す断面図である。 増厚部の変形例を示す断面図である。 従来例の構成を示す断面図である。
符号の説明
1 基板
2 燃焼室孔
3 ボルト孔
4 水孔
6 金属ビード
9 増厚部
10 金属ガスケット
12−1 第1の弾性シール材
12−2 第2の弾性シール材
13 第3の弾性シール材
14 段差部
L1 内周側シールライン

Claims (2)

  1. 1又は2以上の燃焼室孔が開口した金属板を基板とし、燃焼室孔の周縁に沿って板厚が厚い増厚部が形成され、さらにその外周を囲繞するようにビードが形成され、そのビードが、基板を屈曲して上記増厚部の増厚側に凸となる金属ビードと、少なくとも上記金属ビードの凸部側表面に固着すると共に凸部裏側の凹部に充填されて上記金属ビードと共にバネ力を発生可能な弾性シール材からなるゴムビードとの合成ビードで構成される金属ガスケットであって、
    上記金属ビードの凸部側表面に固着する弾性シール材は、上記増厚部と金属ビードとの間に位置する基板平坦部表面にも連続して固着し、その基板平坦部表面に設けられた弾性シール材の少なくとも一部を、上記増厚部よりも高さの低い変形吸収部とし、上記基板平坦部表面に設けられた弾性シール材は、上記増厚部の外周側端面に接触すると共に、上記変形吸収部は少なくとも上記増厚部側に形成されているものとし、さらに、上記増厚部の外周側は、当該増厚部の内周側より高さが低く形成されると共に上記変形吸収部に連続していることを特徴とする金属ガスケット。
  2. 上記基板には上記金属ビードよりも外周側に上記燃焼室孔を囲むように複数のボルト孔が開口されており、上記増厚部の高さは、ボルト孔に近い位置の高さを相対的に低く、ボルト孔から離れるにつれて相対的に高くなるように高さ調整が行われて、円周方向に沿って抑揚がつくように変化していると共に、その抑揚変化による一番高さが低い位置よりも、上記変形吸収部の高さは低くなっていることを特徴とする請求項1に記載した金属ガスケット。
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