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JP4864866B2 - ポーラスコンクリートとその骨材 - Google Patents
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Description

本発明は、膨大な発生量のフライアッシュを有効に再利用して製造できるポーラスコンクリートとこれに使用する骨材に関する。
現在、膨大な量のフライアッシュが発生している。発生しているフライアッシュは、主としてセメント原料に添加して使用されているが、有効利用されないで廃棄されるフライアッシュも多いのが実情である。さらに、セメントに混和材としても添加されるが、この添加量が多いと強度が低下するので、要求される物性からフライアッシュの添加量が制限される。ポーラスコンクリートは、その用途から要求される強度が低い。ポーラスコンクリートの原料に、フライアッシュを添加する技術は開発されている。(特許文献1及び2参照)
特許文献1は、フライアッシュを使用するポーラスコンクリートからなる積みブロックを記載している。この積みブロックは、基層を構成する即時脱型コンクリートと、表層を構成するポーラスコンクリートとを積層して一体成形している。ポーラスコンクリートは、セメント、粗骨材、高性能減水剤または高性能AE減水剤、水、必要に応じて配合される細骨材に加えて、スラグ微粉末、フライアッシュ、無水石膏、ゼオライトの中から選ばれる一種以上を混合している。このポーラスコンクリートは、粗骨材を結合するバインダにフライアッシュを添加することを記載している。
特許文献2は、粗骨材と、粗骨材100%に対する容積比が25〜100%のセメントペーストまたはモルタルとからなるポーラスコンクリートを記載する。このポーラスコンクリートは、都市ごみ焼却灰または下水汚泥焼却灰の1種以上を原料としてなる焼成物であって、カルシウムクロロアルミネート、カルシウムフルオロアルミネートまたはカルシウムアルミネートの1種以上を10〜40質量%およびカルシウムシリケートを含む焼成物と石膏を主成分とするエコセメントを、セメントペーストまたはモルタルのセメントとして用いたことを特徴とする。さらに、このポーラスコンクリートは、エコセメントまたはエコセメントを含む粉体混合物が、50〜100質量%のエコセメントと50〜0質量%の高炉スラグ、フライアッシュまたはシリカフュームからなることも記載する。
特許文献1と2はフライアッシュを添加するポーラスコンクリートを記載するが、このポーラスコンクリートはフライアッシュの添加量が少量に制限される。多量のフライアッシュを添加して十分な強度のポーラスコンクリートにできない。それは、粗骨材を結合するバインダにフライアッシュを添加するからである。粗骨材をバインダで結合しているポーラスコンクリートは、骨材重量が全体の大きな重量を占める。このため、これを結合するバインダに添加されるフライアッシュ量は少なく、多量のフライアッシュを添加して十分な強度にできない。
骨材を製造する工程でフライアッシュを添加することでフライアッシュの使用量を多くできる。フライアッシュを添加して骨材を製造する方法は開発されている(特許文献3参照)。この公報は、密度が3.5g/cm以上の鉄系材料とセメントと細骨材と水を配合し、コンクリート成形し、あるいはコンクリート固化体を成形した後に粉砕して重量骨材を製造する方法を記載する。この重量骨材は、細骨材として砕砂やフライアッシュを使用することを記載し、細骨材に砕砂を使用する実施例と、フライアッシュを使用する実施例を記載している。
この公報には、鉄系材料を主原料として重量骨材を製造する方法は記載されるが、主原料にフライアッシュを使用して骨材を製造する技術は記載されず、また、この骨材でポーラスコンクリートを製造する技術も記載されない。したがって、この公報の技術では、多量のフライアッシュを使用して骨材を製造することができない。
特開2001−347511号公報 特開2002−316858号公報 特開2007−15880号公報
本発明は、主原料として多量のフライアッシュを使用しながら、ポーラスコンクリートの骨材として十分な強度を実現することを目的に開発されたものである。主原料にフライアッシュを使用する骨材は、セメントの混合量を多くして強度を向上できる。ただ、セメントの添加量を多くすることは、原料コストを高くして現実には採用できなくなる。したがって、本発明は、フライアッシュを主原料に使用することに加えて、さらにセメントの使用量を少なくしながら、ポーラスコンクリートの骨材として十分な強度を実現することを目的として開発されたものである。したがって、本発明の重要な目的は、50重量%以上のフライアッシュを使用し、かつセメントの使用量を少なくしながら、ポーラスコンクリートの骨材として十分な強度を実現する骨材とこの骨材を使用するポーラスコンクリートを提供することにある。
本発明の請求項1に記載するポーラスコンクリートの骨材は、主原料のフライアッシュと、セメントとを含む原料混合物を造粒、固化している。さらに、この骨材は、50重量%以上のフライアッシュを含み、さらにフライアッシュとセメントに加えて細骨材を含み、この細骨材は、天然石を破砕してなる砕砂であって、その含有量が20重量%ないし40重量%であり、さらにセメントの含有量は15重量%以下であって、原料混合物が5mmないし50mmの平均粒径に造粒状態で固化している。
本発明の請求項2の骨材は、請求項1の構成に加えて、0ないし5重量%の生石灰を含有している。
さらに、本発明の請求項3に記載するポーラスコンクリートは、骨材を空隙を有する状態にバインダで結合しており、骨材は、主原料のフライアッシュと、セメントとを含む原料混合物を5mmないし50mmの平均粒径に造粒、固化してなる粗骨材を含む。また、骨材は、50重量%以上のフライアッシュを含み、さらにフライアッシュとセメントに加えて細骨材を含み、この細骨材は、天然石を破砕してなる砕砂であって、その含有量が20重量%ないし40重量%であり、さらにセメントの含有量は15重量%以下としている。
また、本発明の請求項4のポーラスコンクリートは、骨材が0ないし5重量%の生石灰を含有する。また、本発明の請求項5のポーラスコンクリートは、骨材を結合するバインダをモルタルとしている。
本発明は、主原料として50重量%以上と多量のフライアッシュを使用し、しかもセメントの使用量を15重量%以下と少なくしながら、骨材として、また、この骨材を使用するポーラスコンクリートとして十分な強度を実現する。それは、本発明が、ポーラスコンクリートの骨材の主原料にフライアッシュを使用すると共に、この骨材にフライアッシュに加えて細骨材を添加し、さらに細骨材には天然石を破砕している砕砂を使用し、これらを混合している原料混合物を所定の粒径に造粒し、造粒状態で固化して骨材とするからである。ポーラスコンクリートは、骨材を結合するバインダにフライアッシュを添加することもできる。ただ、このポーラスコンクリートは、多量のフライアッシュを使用すると強度が著しく低下して使用できない。本発明は、バインダでなくて、骨材の主原料にフライアッシュを使用する。また、主原料のフライアッシュに独特の砕砂を混合することで、少ないセメント量で骨材自体の強度を著しく向上する。
ちなみに、細骨材を添加しないで制作される骨材は、セメントの添加量を8重量部として、圧裂強度は0.75N/mmとなってポーラスコンクリートの骨材に使用できない。さらに、フライアッシュを主原料とする骨材は、セメントの添加量を16重量部と多くして、圧裂強度を1.55N/mmとしてポーラスコンクリートの骨材として使用できる程度にできるが、この骨材は16重量%ものセメントを使用することから、原料コストが高くて、現実には特別な用途にしか使用できない。これに対して、本発明のポーラスコンクリートの骨材は、主原料を70重量部のフライアッシュと30重量部の細骨材とし、セメントの混合量を8重量部と極めて少なくしながら、圧裂強度を2.33N/mmないし3.51N/mmとセメントの添加量を16重量%とする骨材よりも強くできる。また、砕砂に代わって海砂を使用する骨材は、フライアッシュと細骨材とセメントの重量比を同じにしながら、圧裂強度が1.55N/mmと、本発明に比較できない程度に低くなる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのポーラスコンクリートとその骨材を例示するものであって、本発明はポーラスコンクリートと骨材を以下のものに特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
ポーラスコンクリートは、骨材にバインダを添加して、型枠に入れてバインダを硬化させて製造される。骨材は、主原料のフライアッシュをセメントで固化させる。セメントには、好ましくは生石灰を添加する。本発明者は、最初、100重量部のフライアッシュに、8重量部のセメントと、1.5重量部の生石灰を混合して第1の骨材を試作した。第1の骨材の圧裂強度は0.75N/mmとなり、ポーラスコンクリートの骨材として満足する強度を実現しない。圧裂強度は、骨材の対向位置を直径2mmの円柱で加圧して破壊される圧力から測定する。この骨材の強度を向上するために、100重量部のフライアッシュに混合するセメントの添加量を8重量部から12重量部に増加し、同じ量の生石灰を混合して第2の骨材を試作すると、第2の骨材の圧裂強度は1.28N/mmとなった。この強度を有する第2の骨材は、ポーラスコンクリートに使用されて十分な強度とはならない。さらに、骨材の強度を向上することを目的として、セメントの添加量を16重量部に増加する以外は同じようにして第3の骨材を試作した。第3の骨材の圧裂強度は1.55N/mmとなり、ポーラスコンクリートの骨材として、ほぼ満足できる強度を実現した。ただ、この骨材は、セメントの混合量が16重量部と多いので原料コストが高く、現実には特別な用途を除いて使用できない。
本発明者は、セメントの添加量を少なくしながら、骨材の強度を向上することを目的として、70重量部のフライアッシュに、30重量部の細骨材を添加し、これに8重量部のセメントと、1.5重量部の生石灰を混合して第4の骨材を試作した。この骨材は、強度が1.55N/mmとポーラスコンクリートの骨材として、ほぼ満足する強度を実現した。この骨材は、セメントの使用量を8重量部と第3の骨材に比較して半分と少なく、第3の骨材に匹敵する強度を実現した。
本発明者は、さらに骨材の強度を向上することを目的として、さらに試行錯誤を繰り返した結果、細骨材に天然石を破砕した砕砂を使用することで、セメント量を増加することなく、さらに強度を向上することに成功した。したがって、本発明のポーラスコンクリートの骨材は、50重量%以上のフライアッシュを含有し、さらに天然石を破砕してなる砕砂からなる細骨材を20重量%ないし40重量%含有し、しかもセメントの含有量を15重量%以下とするものである。
フライアッシュの含有量は、好ましくは50重量%ないし90重量%、さらに好ましくは60重量%ないし80重量%である。フライアッシュの含有量を多くして、フライアッシュを多量に有効利用できるが、骨材として強度が低下する。反対にフライアッシュの含有量を少なくすると、強度は向上するが原料コストが高くなる。したがって、フライアッシュの含有量は、ポーラスコンクリートの用途に要求される強度と原料コストを考慮して前記の範囲で最適値に設定される。
また、砕砂の含有量は、20重量%ないし40重量%とする。砕砂の含有量も多くして骨材の強度を向上できるが、これを多くするとフライアッシュの含有量が少なくなって原料コストが高くなるので、砕砂の含有量もポーラスコンクリートの用途に要求される強度と原料コストを考慮して前記の範囲で最適値に設定される。
さらに、セメントの含有量は、好ましくは12重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下であって、5重量%よりも多く設定される。セメントの含有量は、多くして強度を向上できるが原料コストが高くなるので、ポーラスコンクリートの用途に要求される強度と原料コストを考慮して前述の範囲で最適値に設定される。
さらに、本発明のポーラスコンクリート用の骨材は、0ないし5重量%の生石灰を含有する。生石灰を含有する骨材は、重金属の溶出抑制効果があり、自然環境に優しい状態で使用できる。
骨材は、フライアッシュと細骨材とセメントを含む原料混合物を、水を添加しながら造粒し、造粒された状態で固化して製造される。造粒される状態での平均粒径は5mmないし50mmとする。原料混合物を型枠で大きく成形してセメントを固化し、その後、破砕して所定の粒度の骨材に加工するのではない。
ポーラスコンクリートは、骨材をバインダで空隙ができる状態に結合している。このポーラスコンクリートは、骨材とバインダとを混合して型枠に入れ、バインダを硬化して製造される。バインダにはセメントモルタルを使用する。セメントモルタルは、セメントと細骨材を混合したものが使用できる。セメントと細骨材からなるモルタルのバインダは、100重量部の骨材に対して、25重量部のセメントと、17重量部の細骨材と、5重量部の水を混合して製作される。ただし、100重量部の骨材に対するセメントの混合率は、15重量部ないし50重量部とすることもできる。また、バインダには、必ずしも細骨材を添加する必要はないが、好ましくは100重量部の骨材に対して、5重量部ないし30重量部の細骨材を添加する。また、バインダには、ポーラスコンクリートの用途によっては、セメントモルタルに代わってプラスチックモルタルも使用できる。
以下の行程で骨材を製造する。
70重量部のフライアッシュと、30重量部の砕砂からなる細骨材と、8重量部のセメントと、1.5重量部の生石灰を混合し、これに水を添加しながら約9mmの粒径に造粒し、セメントを固化させて、14日後の強度を測定すると2.97N/mmとなり、ポーラスコンクリートとして十分な強度となった。
造粒する粒径を9mmから約12mmとする以外、実施例1と同様にして骨材を製造し、14日後の強度を測定すると2.35N/mmとなり、ポーラスコンクリートとして十分な強度となった。
造粒する粒径を9mmから約10mmとする以外、実施例1と同様にして骨材を製造し、14日後の強度を測定すると3.51N/mmとなり、ポーラスコンクリートとして十分な強度となった。
造粒する粒径を9mmから約13mmとする以外、実施例1と同様にして骨材を製造し、14日後の強度を測定すると2.33N/mmとなり、ポーラスコンクリートとして十分な強度となった。
以上の実施例の骨材の強度は、2.33N/mmないし3.51N/mmとなり、セメントの添加量を8重量部と少なくしながら、ポーラスコンクリートの骨材として十分に優れた強度を実現した。
比較例1
使用する砕砂を海砂とする以外、実施例1と同様にして骨材を製造し、14日後の圧裂強度を測定すると1.55N/mmとなって、砕砂を使用する本発明の実施例の骨材に比較して相当に低くなる。
実施例1で得られた100重量部の骨材に、25重量部のセメントと、17重量部の海砂からなる細骨材と、5重量部の水を添加し、これを混合してテストピースを試作すると、このテストピースの14日後の圧縮強度は 10〜12N/mmとポーラスコンクリートとして十分な強度を有し、空隙率は約15%と優れた物性を示す。この実施例は、細骨材に海砂を使用するが砕砂も使用できる。

Claims (5)

  1. 主原料のフライアッシュと、セメントとを含む原料混合物が造粒、固化されてなるポーラスコンクリート用の骨材であって、
    50重量%以上のフライアッシュを含み、さらにフライアッシュとセメントに加えて細骨材を含み、この細骨材は、天然石を破砕してなる砕砂であって、その含有量が20重量%ないし40重量%であり、さらにセメントの含有量は15重量%以下であって、原料混合物が5mmないし50mmの平均粒径に造粒状態で固化されてなるポーラスコンクリート用の骨材。
  2. 0ないし5重量%の生石灰を含有する請求項1に記載されるポーラスコンクリート用の骨材。
  3. 骨材を空隙を有する状態にバインダで結合してなるポーラスコンクリートであって、
    骨材が、主原料のフライアッシュと、セメントとを含む原料混合物を5mmないし50mmの平均粒径に造粒、固化してなる粗骨材を含有し、
    さらに、この骨材は、50重量%以上のフライアッシュを含み、さらにフライアッシュとセメントに加えて細骨材を含み、この細骨材は、天然石を破砕してなる砕砂であって、その含有量が20重量%ないし40重量%であり、さらにセメントの含有量は15重量%以下であるポーラスコンクリート。
  4. 前記骨材が0ないし5重量%の生石灰を含有する請求項3に記載されるポーラスコンクリート。
  5. 前記骨材を結合するバインダがセメントモルタルである請求項3に記載されるポーラスコンクリート。
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