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JP4866416B2 - 熱交換器 - Google Patents
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JP4866416B2 - 熱交換器 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍あるいは冷却装置などに用いられる熱交換器に関するものである。
熱交換器において、熱交換効率を高くするためには、ヘッダに供給された熱交換媒体を熱交換用の複数のチューブに均等に分配することが重要である。しかしながら、熱交換器、特に蒸発器(エバポレータ)などでは、一般に、流入してくる熱交換媒体(冷媒)が気相および液相を含む二相の状態である。このため、ヘッダの内部において、比重が大きく、重力の影響を受け易い液体成分と、比重が小さく、重力の影響を受け難い気体成分とが分離し、熱交換用の複数のチューブへの冷媒分配が不均一となり易い。このような熱交換媒体の分配の不均一性は、ヘッダが鉛直方向となるような姿勢で熱交換器を使用する場合に顕著である。このため、冷媒などの熱交換媒体のチューブに対する分配をより均一にすることができる熱交換器が求められている。
冷媒分配の不均一を改善するため、熱交換器としては、日本特許公開公報2004−317056号の従来技術として紹介されているような複数の分配管をそれぞれ異なる形状に3次元的に曲げてなるディストリビュータを備えたものが知られている。また、この文献には、複数の分配管を液体冷媒が溜まる入口ヘッダの一部分に集中して配置した熱交換器が開示されている。
この文献に開示されているようなディストリビュータを備えた熱交換器では、複数の分配管を、それぞれ異なる形状であって、しかも、3次元的に複雑な形状に曲げる必要がある。このため、パーツの数が多く、その製造コストも高くなり易い。さらに、三次元的に曲がった形状の分配管を配置するためにはスペースが必要となるため、ヘッダおよび熱交換器が大型化し易い。
さらに、この文献に記載の熱交換器は、偏平分配管を用いた冷媒分配手段を備えたものであり、ヘッダの一部分、特に、液状冷媒が溜まり易いヘッダ下部分に偏平分配管を集中させて、液状冷媒を熱交換部に流入させるようにしている。このような構造の場合、複数の偏平分配管の入口の冷媒状態は均一に近づくが、チューブの長さの差によるチューブの圧力損失の差が生ずるので、複数のチューブへの冷媒分配が必ずしも均一になるとは言えない。さらに、曲げ部を持った複数の偏平分配管を配置する構造となるため、シンプルな構成の熱交換器を提供することは難しい。
日本特許公開公報2000−249428号には、入口ヘッダと、出口ヘッダと、両ヘッダの間に延設された複数のチューブと、各隣接するチューブの間に介設された蛇行フィンとを備えた蒸発器が開示されている。この蒸発器では、入口ヘッダへの入口に、複数の冷媒噴射器が設けられている。複数の冷媒噴射器は、それぞれ、噴射オリフィスを有している。この文献に記載の蒸発器のように、ヘッダへの入口に噴射オリフィスを設けても、ヘッダ内の全体に均一に冷媒を分布するように噴射させることは困難であり、さらに、噴射量および分布は流量の影響を受け易い。オリフィスの配置、向き、さらに、ヘッダ内へのチューブの突き出し量などを調整することにより流量に応じて適切な分配を行えるような構成をヘッダに組み込むことは困難である。さらに、流量の多少、ヘッダの向き、チューブの内圧などの条件の変動に対して、適切な冷媒分配を得ることも難しい。
本発明の一態様は、複数のチューブと、これら複数のチューブに熱交換媒体を分配するための入口ヘッダと、これら複数のチューブから熱交換媒体を回収するための出口ヘッダとを有する熱交換器である。この熱交換器の入口ヘッダは、当該入口ヘッダに流入された熱交換媒体の少なくとも一部が循環可能な循環管路であって、その循環管路の少なくとも一部に複数のチューブが接続された循環管路と、熱交換媒体を循環管路の軸方向に吹き出して、入口ヘッダに流入された熱交換媒体の少なくとも一部を、循環管路に強制的に循環させるための差圧を発生する機構(差圧発生機構)とを含む。
この熱交換器によれば、入口ヘッダに流入された(流入済の)熱交換媒体(入口ヘッダに既存の熱交換媒体)の少なくとも一部が、差圧発生機構によって循環管路の軸方向に吹き出され、複数のチューブと連通した循環管路内を強制的に循環する。このため、入口ヘッダを構成する循環管路の内部の熱交換媒体の状態を、より均一または均一に近い状態にできる。例えば、気相および液相を含む2相状態の熱交換媒体が流入した場合でも、入口ヘッダ内で熱交換媒体が液相成分と、気相成分とに分離することを抑止できる。このため、軸長がある程度長い入口ヘッダであって、この入口ヘッダの軸方向に分散した状態で複数のチューブを接続しても、それぞれのチューブに対し、より均一な状態の熱交換媒体を分配できる。
この熱交換器によれば、3次元的な曲げを要する分配管を省くことが可能となる。また、熱交換媒体の分配を均一化するためにチューブ側を曲げ加工することを省くことも可能となる。このことは、この熱交換器が、これらの3次元的な配管、曲げ加工された配管が含まれることを排除することではない。しかしながら、この熱交換器により、よりシンプルな構成で各チューブに分配される熱交換媒体の相状態と流量とを均一またはそれに近いより状態にすることが可能となる。このため、熱交換効率の良好な熱交換器を比較的安価にて提供できる。
差圧発生機構の一例は、ポンプなどの外部の動力により駆動されるものである。冷却システムなどにおいては、熱交換器に流入する熱交換媒体を事前に減圧あるいは膨張するものがある。そのようなシステムに適用する熱交換器であると、熱交換媒体のエネルギーを用いて差圧発生機構を駆動することが可能である。この場合、熱交換器に一般に用いられている動力源の他、新たな動力源を必要としないため、経済的である。すなわち、差圧発生機構は、入口ヘッダに流入する熱交換媒体により駆動されるものであることが望ましい。差圧発生機構としては、例えば、駆動部分の圧力でタービンを回し、同軸のコンプレッサなどの差圧発生部分(加圧部分)で熱交換媒体を強制的に吸い込む、過給器のような(過給器に近似した)構成を適用できる。
入口ヘッダに流入する熱交換媒体により、すでに入口ヘッダに流入された熱交換媒体の少なくとも一部を吸引し、入口ヘッダに流入する熱交換媒体と、すでに入口ヘッダに流入された熱交換媒体の少なくとも一部とを混合して吹き出すための機構は、差圧発生機構としてより好ましい。このような機構の一例はエジェクタであり、エジェクタノズル(オリフィス/絞り部)から高速で熱交換媒体が吐き出される(入口ヘッダに流入する)際に、ノズル内部が減圧される。この減圧により、入口ヘッダに流入された熱交換媒体(既存の熱交換媒体)の少なくとも一部が吸引され、入口ヘッダに流入する熱交換媒体と入口ヘッダに流入された熱交換媒体の少なくとも一部とが混合し、循環管路を介して、入口ヘッダに流入された熱交換媒体の少なくとも一部が強制的に循環する。また、エジェクタには、ノズルから熱交換媒体を吹出すことによる圧力低下を利用して、入口ヘッダにある熱交換媒体を吸引し、混合するタイプも含まれる。
入口ヘッダの循環管路は、その少なくとも一部を2重管または多孔管(多重管、多流路管)により構成できる。2重管または多重管の一端部に差圧発生機構を設け、この2重管または多重管の他端部が連通しているように構成することが好ましい。このようにすることにより、2重管または多重管の少なくとも一部を循環管路とすることができる。
差圧発生機構を入口ヘッダおよび/または熱交換器から分離して供給することは可能である。したがって、本発明の他の態様は、複数のチューブと、これら複数のチューブに熱交換媒体を分配するための入口ヘッダと、これら複数のチューブから熱交換媒体を回収するための出口ヘッダとを有し、入口ヘッダは、この入口ヘッダに流入された熱交換媒体の少なくとも一部が循環可能な循環管路であって、当該循環管路の少なくとも一部に複数のチューブが接続された循環管路を含む、熱交換器である。また、本発明の他の態様は、複数のチューブに熱交換媒体を分配するためのヘッダである。このヘッダは、当該ヘッダに流入された熱交換媒体の少なくとも一部が循環可能な循環管路であって、当該循環管路の少なくとも一部に複数のチューブが接続された循環管路を備えている。このヘッダに、流入する熱交換媒体により駆動される差圧発生機構を設けておくことが可能である。差圧発生機構は、この差圧発生機構から熱交換媒体を循環管路の軸方向に吹き出すことが望ましい。また、差圧発生機構は、当該ヘッダに流入する熱交換媒体により、当該ヘッダに流入された(流入済の)熱交換媒体の少なくとも一部を吸引混合して循環管路に吹き出すためのエジェクタにすることが望ましい。
さらに、本発明は、本発明の一態様の熱交換器と、熱交換器に熱交換媒体を供給する装置(媒体供給システム)とを有する熱交換システムを含む。そのような熱交換システムまたはシステムは、冷却サイクルまた冷凍サイクルおよびそのようなサイクルを含む冷凍装置、冷却装置、空調装置、収納庫、ショーケースなどを含む。冷却サイクルまたは冷凍サイクルとして好適なシステムは、本発明の一態様の熱交換器を蒸発器とし、その蒸発器から回収された熱交換媒体を加圧する装置と、加圧された熱交換媒体を冷却する凝縮器とを有するシステムである。
エジェクタは、加圧された熱交換媒体を減圧して蒸発器に供給する膨張手段としても機能する。したがって、入口ヘッダが、循環管路と、入口ヘッダに流入する熱交換媒体により、入口ヘッダに流入された熱交換媒体の少なくとも一部を吸引混合して循環管路に吹き出すためのエジェクタとを含む熱交換器は、冷媒を熱交換媒体として循環するサイクルおよび/またはシステムに適している。この熱交換器を含むシステムは、媒体供給システムに、加圧された熱交換媒体を減圧して蒸発器に供給する膨張手段を含んでいても良く、省略することも可能である。
熱交換器を含む熱交換システムの概略を示す図。 第1の実施形態にかかる熱交換器の概略を示す図。 第2の実施形態にかかる熱交換器の概略を示す図。 第3の実施形態にかかる熱交換器の一部の概略を示す図。 第4の実施形態にかかる熱交換器の一部の概略を示す図。 第5の実施形態にかかる熱交換器の概略を示す図。 タイプの異なるエジェクタを備えた例を示す図である。 第6の実施形態にかかる熱交換器の概略を示す図である。 ヘッダの断面を示す図である。 ヘッダの構造を展開して示す図である。
発明を実施するための形態
図1に、熱交換器を含むシステム50を示している。このシステム(熱交換システム)50は、空気調和装置や、冷凍装置を含み、その他のシステムであって、冷却サイクルあるいは冷凍サイクルと呼ばれる熱交換サイクルおよび熱交換サイクルを有するシステムを含む。たとえば、システム50が、空調システムであるとすると、このシステム(熱交換システム)50は、液状(液体)の熱交換媒体(以下、冷媒という)Rと、外部流体(たとえば、室外の空気)Fとの熱交換を行う。システム50は、冷媒Rとの熱交換により室内の空気Gを冷却するエバポレータ(蒸発器)100と、圧縮された気体状の冷媒Rと外部流体Fとの熱交換を行い、冷媒Rを液状にするコンデンサ(凝縮器)200を有する。
また、冷媒Rを巡回させて、エバポレータ100に冷媒Rを供給する媒体供給システム55として、システム50は、コンデンサ200に加え、冷媒Rを加圧するコンプレッサ51と、冷媒Rを一時的に蓄えるアキュムレータ52と、エバポレータ100に供給する冷媒Rを膨張させる膨張弁53などの機器を備えている。このシステム50では、エバポレータ100内の冷媒Rが、このエバポレータ100の冷媒出口から流出され、アキュムレータ52、コンプレッサ51、コンデンサ200、膨張弁53を通って、エバポレータ100の冷媒入口から再びこのエバポレータ100内に流入するように循環する。
図2に、本発明の第1の実施形態にかかる熱交換器100aを示してある。この熱交換器100aは、システム50のエバポレータ100として用いることができる。この熱交換器100aは、冷媒入口6を含む入口ヘッダ1と、冷媒出口5を含む出口ヘッダ2と、熱交換部20とを有している。入口ヘッダ1および出口ヘッダ2は、それぞれ上下方向に延びており、互いに平行となるように配置されている。熱交換部20は、冷媒Rと空気Gなどとの間で熱交換を行い、空気Gなどを冷却するためのものである。熱交換部20は、入口ヘッダ1と出口ヘッダ2とを連通させるように水平方向に互いに平行に配置された複数のチューブ4と、チューブ4と直交する上下方向に延びたフィン3とを備えている。
チューブ4の典型的なものは断面が円形のものであるが、断面が扁平な扁平管であっても良く、さらに、チューブの内部が複数に分割された多孔管(多重管)であっても良い。フィン3の典型的なものは、互いに平行に配置され、チューブ4が貫通するように取り付けられた複数のプレート状のフィンである。フィン3は、チューブ4の間を蛇行しながら接続するコルゲートタイプのフィン、チューブ4から突き出たフィン状あるいはピン状であっても良い。
入口ヘッダ1は、熱交換部20の複数のチューブ4に冷媒Rを分配するための分配器としての機能を備えている。出口ヘッダ2は、それぞれのチューブ4から冷媒Rを回収する機能を備えている。各チューブ4は、それぞれ、その一端が入口ヘッダ1と接続され、その他端が出口ヘッダ2と接続されている。複数のチューブ4は、偏平管を採用することによりチューブ自体による熱交換面積も大きくすることができ、また、フィン3を設けることにより空気Gなどとの熱交換面積(接触面積)をさらに高めて熱交換効率を向上できる。着氷、着霜などの影響を避けるために、フィンを設けなかったり、フィンの占める面積を減らすこともある。
入口ヘッダ1は、この入口ヘッダ1に流入された冷媒Rの少なくとも一部を強制的に循環させるための循環管路10と差圧発生機構11とを備えている。循環管路10は、直管状の往路10aと、その往路10aの一方の端から他方の端に接続されたほぼU字型の復路10bとを含む。往路10aは、一方の端の冷媒入口6から、反対側の端に冷媒Rを導く。復路10bは、逆に、往路10aの反対側の端から冷媒入口6に冷媒を導く。したがって、往路10aおよび復路10bを含む循環管路10により、入口ヘッダ1に流入された冷媒Rの少なくとも一部を循環させることができる。
差圧発生機構11は、絞り部7と、吸引部8とを備えたエジェクタであり、入口ヘッダ1の冷媒入口6の近傍に設けられている。循環管路10の復路10bは、入口ヘッダ1の冷媒入口6とは反対側である奥側の端部(上端部)15の近傍と、差圧発生機構11の吸引部8とを繋ぐように設けられている。したがって、差圧発生機構11は、入口ヘッダ1に流入する冷媒Rにより駆動されて、復路10bにより、入口ヘッダ1にすでに流入された冷媒(既存の冷媒)Rの少なくとも一部を吸引混合し、往路10aに吹き出す。この熱交換器100aの入口ヘッダ1においては、循環管路10の一部である往路10aに複数のチューブ4が接続されている。すなわち、循環管路10の復路10bの分岐となる吸引経路9と、差圧発生機構11との間に、複数のチューブ4がほぼ等間隔で接続されている。
熱交換システム50の蒸発器として適用された熱交換器100aにおいては、アキュムレータ52、コンプレッサ51、膨張弁53などの作用により、気体と液体が混在する2相状態の冷媒Rが冷媒入口6から入口ヘッダ1に供給され、吸引部8の絞り部7を通る。冷媒Rが絞り部7を介して高速で入口ヘッダ1内に流入する際、絞り部7の内部が減圧される。この減圧により、復路10bを介して吸引部8を通って入口ヘッダ1に流入された既存の冷媒Rの少なくとも一部が吸引される。そして、入口ヘッダ1に流入する冷媒Rと入口ヘッダ1に流入された少なくとも一部の冷媒Rとが混合され、図2に矢印で示したように、冷媒Rは、差圧発生機構11から入口ヘッダ1の内部に、循環管路10の軸Lの方向に噴出される。そして、その一部は、再び、往路10aおよび復路10bを通って吸引部8に戻る。このため、ヘッダ1の内部を冷媒Rの少なくとも一部が強制的に循環され、それにより、軸長の長いパイプ状の入口ヘッダ1であっても、その内部における冷媒Rの状態が均質になる。すなわち、ヘッダ1内に冷媒Rが強制的に循環するような圧力差を与えることにより、スタティックな状態でヘッド差により液相と気相とが分離するような状態の発生を未然に防止する。
したがって、この熱交換器100aにおいては、冷媒Rが下方から上方に向かって流れる往路10aの途中にほぼ等間隔で複数のチューブ4が接続されている。入口ヘッダ1から冷媒Rの一部が各チューブ4に分配され、それぞれのチューブ4に分配される冷媒Rの状態を均一にすることができる。また、往路10aにおける冷媒Rの状態が気液混合の状態も含めて均質化されるので、各チューブ4に分配される冷媒Rの量の均一化も図られる。
このように各チューブ4に均一に分配された冷媒Rは、複数のチューブ4や複数のフィン3を介して、空気Gなどと熱交換を行い、出口ヘッダ2に出力され、冷媒出口5からシステム50の系内に流出される。したがって、各チューブ4における熱交換負荷が均一化され、熱交換効率が良好な熱交換器100aが得られる。さらに、各チューブに対して冷媒を均一に分配するために複数の分配管をそれぞれ異なる形状に2次元あるいは3次元的に曲げたりする必要はなく、シンプルでコンパクトな構成で、熱交換効率の良好な熱交換器を比較的安価にて提供できる。また、各チューブ4の形状を同じにすることができるので、各チューブ4における圧力損失差の発生を防止でき、この点でも、熱交換効率を向上できる。
また、この熱交換器100aによれば、入口ヘッダ1においてヘッド差により相分離が発生するのを防止できる。このため、熱交換器100aの入口ヘッダ1の配置方向(向き)を自由に設定できる。したがって、熱交換器100aは、入口ヘッダ1を水平方向に配置した姿勢で使用しても良く、入口ヘッダ1を鉛直方向に配置した姿勢で使用しても良い。さらに入口ヘッダ1を鉛直方向に配置して使用する場合に、冷媒Rを入口ヘッダ1の下側から流入しても良く、冷媒Rを入口ヘッダ1の上方から流入しても良い。さらに、これらの姿勢と異なり、入口ヘッダ1を斜めに配置することを含む様々な姿勢で熱交換器100aを使用でき、それらの姿勢で熱交換器100aを使用したときに複数のチューブ4に冷媒Rを均一に分配できる。
さらに、熱交換器100aの小型化が容易であるため、この熱交換器100aを備えた冷却システム50をコンパクトにアレンジできる。 さらに、この熱交換器100aは、エジェクタ効果を用いた差圧発生機構11を採用しているので、熱交換器に一般に用いられている動力源、例えばコンプレッサ51の動力の他、新たな動力源を必要としない。したがって、経済的である。しかも、膨張弁53による圧損の一部を差圧発生機構であるエジェクタ11に割り当てることにより、システム50の経済性を損なうことなく、熱交換効率の向上を図ることができる。また、エジェクタ11による膨張(圧力損失)が十分であれば、膨張弁53を省略することも可能である。
図3に、本発明の第2の実施形態にかかる熱交換器100bを示している。この熱交換器100bも、上述のような熱交換システム50のエバポレータ100として使用できる。この熱交換器100bにおいては、入口ヘッダ1の循環管路10の復路10bに、ほぼ等間隔で複数のチューブ4が接続されている。少なくとも一部の冷媒Rが強制的に循環される循環管路10においては、往路10aに限らず復路10bにおいて冷媒Rの状態はほぼ一定になる。したがって、復路10bに各チューブ4を接続しても、各チューブ4に冷媒Rをほぼ均一に分配することができる。また、エジェクタ11の絞り部7の直後の位置よりも、絞り部7から少し離れた位置、例えば復路10bの方が、吸引混合された冷媒Rの相状態が安定し易い。この熱交換器100bにおいては、復路10bに各チューブ4が接続されているため、絞り部7を有するエジェクタ11と、各チューブ4との間が離れている。したがって、各チューブ4に、相状態の安定した冷媒Rを分配することができる。
図4に、本発明の第3の実施形態にかかる熱交換器100cを示している。この熱交換器100cもまた、上述のような熱交換システム50のエバポレータ100として使用できる。この熱交換器100cにおいては、入口ヘッダ1は、2本の直管部を含めてU字型のパイプを含み、さらに、そのU字型の開放側が吸引経路9により接続されている。したがって、入口ヘッダ1は、循環管路(循環回路)10を含み、その循環管路10の往路10aおよび復路10bの両方に複数のチューブ4を接続している。したがって、往路10aおよび復路10bの2列に並んだ複数のチューブ4に対して、ほぼ均一な状態で冷媒Rを供給することが可能となる。この熱交換器100cによれば、熱交換部20の平面の面積(投影面積)を変えることなく、熱交換部20における熱交換率をさらに高めることができる。
図5に、本発明の第4の実施形態にかかる熱交換器100dを示している。この熱交換器100dは、2つ熱交換部20aおよび20bを備えており、上述のような熱交換システム50のエバポレータ100として使用できる。この熱交換器100dにおいては、熱交換部20aおよび20bに共通の入口ヘッダ1を備え、そのヘッダ1の循環管路10の往路10aに一方の熱交換部20aの複数のチューブ4が接続され、復路10bに他方の熱交換部20bの複数のチューブ4が接続されている。したがって、複数の熱交換部20aおよび20bのチューブ4のそれぞれに対して1つの入口ヘッダ1を用いて均等に冷媒Rを分配できる。1つの入口ヘッダに接続可能な熱交換部は3つ以上であっても良い。
図6に、本発明の第5の実施形態にかかる熱交換器100eを示している。この熱交換器100eもまた、上述のような熱交換システム50のエバポレータ100として使用できる。この熱交換器100eの入口ヘッダ1は、2重管12を含み、差圧発生機構(エジェクタ)11が2重管12の下端部に設けられている。また、2重管12の上端部は、内管12aと外管12bとが互いに連通している。この入口ヘッダ1においては、2重管12の内側の内管12aの軸方向に冷媒Rを吹き出すようにエジェクタ11が設置されている。したがって、2重管12の内管12aが往路を構成し、外管12bが復路を形成し、それらにより循環管路10が構成されている。そして、複数のチューブ4は、復路である外管12bに接続されている。この熱交換器100aでは、循環管路10を1つの管の内部に構成できるので、さらにコンパクトでシンプルな外観を備えた熱交換器を提供できる。循環管路10を一体の管で実現するためには、2重管に限らず、適当な数の隔壁を内部に備えた多重管(多孔管)を用いても良い。
図7に、差圧発生機構11の異なる例を示している。上記の各実施形態の差圧発生機構11は、ベンチュリ管の絞り部7に吸引部8を設けたエジェクタである。これらに対し、図7に示した差圧発生機構11は、霧吹きタイプのエジェクタである。この差圧発生機構11は、ヘッダ1の冷媒入口6の近傍に、吸引用の差圧を発生するための吸引ノズル17を備えており、ヘッダ1に流入する冷媒Rを減圧して循環管路の往路10aの軸方向に吹き出す。往路10aの吸引ノズル17の近傍には、復路10bから、ヘッダ1にすでに流入された既存の冷媒Rを吸引するための吸引孔18が設けられている。このため、吸引ノズル17から吹出された冷媒Rによる圧力低下により、復路10bから、ヘッダ1に流入された冷媒Rが往路10aへ吸込まれ、往路10aの軸方向に吹出される。このため、差圧発生機構11により、冷媒Rは、ヘッダ1を構成する循環管路10に強制的に循環される。
図8、図9および図10に、本発明の第6の実施形態にかかる熱交換器100fのヘッダ1の近傍の構成を示している。この熱交換器100fもまた、上述のような熱交換システム50のエバポレータ100として使用できる。この熱交換器100fの入口ヘッダ1は、内管12aと外管12bとを備えた2重管12により構成され、内管12aと外管12bとはヘッダ1の上部で連通している。さらに具体的には、外管12bは、押し出しと切削とにより形成された断面が半円状の2つの部材13aおよび13bからなっている。内側の部材13bに複数の扁平チューブ14が取り付けられ、これらの扁平チューブ14は、不図示の出口ヘッダに繋がっている。外側の部材13aには、断面が半円状の部材15が取り付けられ内管12aを構成している。外管12bを構成する2つの部材13aおよび13bの両端はキャップ16により塞がれている。内管12aの下端にノズル17が取り付けられ、ヘッダ1に流入する冷媒Rを内管12aの内部に吹き出す。このノズル17は差圧発生機構11となり、内管12aの下から上に向かって吹出された冷媒Rの吸引力により、外管1bから既存の(流入済の)冷媒Rが内管12aの下側の隙間18を介して内管12aに吸引されるようになっている。
この熱交換器100fにおいても、ヘッダ1が内管12aおよび外管12bを含み、チューブ14と連通した循環経路10を備えており、循環経路10を冷媒Rが強制的に循環される。このため、ヘッダ1の内部の冷媒Rの状態を、いっそう均等にでき、熱交換効率の高い熱交換器を提供できる。
上記第1ないし第6の実施形態では、ヘッダを鉛直方向に沿って配置した姿勢で使用した熱交換器を例にとって説明したが、熱交換器は、ヘッダを水平方向に沿って配置した姿勢で使用することも可能である。
また、上記第1ないし第6の実施形態では、ヘッダに流入する熱交換媒体により駆動される差圧発生機構と、ヘッダに流入された熱交換媒体の少なくとも一部を循環させるための循環管路とを備える循環手段を有しているが、循環手段はこれに限定されるものではない。循環手段は、ヘッダに流入された熱交換媒体(冷媒)の少なくとも一部を強制的に循環させるものであればよい。
エジェクタノズル(オリフィス・絞り部)を備えた差圧発生機構は、本発明の好適な例であり、ヘッダの冷媒入口近傍に設けることにより、入口ヘッダに流入する冷媒によって入口ヘッダに流入された冷媒の少なくとも一部を吸引混合し、混合した状態の冷媒をヘッダに吹き出すことができる。したがって、熱交換器の内圧を低く設定する、上記のような冷媒を循環するサイクルおよびサイクルを含むシステムに適している。
ヘッダに流入する冷媒により駆動される差圧発生機構の他の例の1つは、駆動部分の圧力でタービンを回し、同軸のコンプレッサなどの差圧発生部分(加圧部分)で熱交換媒体を強制的に吸い込む過給器のような構成である。この過給器に近似した構成では、駆動部分と差圧発生部分(加圧部分)とが分離され機械的に接続しているものがある。さらに、別動力により稼動するポンプのような差圧発生機構を採用することも可能である。すなわち、差圧発生機構は、入口ヘッダ内を循環する冷媒を、入口ヘッダに流入する冷媒と混合せずに送り出すような機構であっても良い。ポンプのような差圧発生機構は、入口ヘッダ内の冷媒を加圧して強制的に循環するものであり、差圧発生機構はヘッダの冷媒入口近傍に設けなくてもよい。そのような差圧発生機構は、循環管路の途中、例えば、往路あるいは復路のうちのヘッダが接続されていない管路、これらの管路の接続経路などに設けてもよい。また、差圧発生機構をヘッダの循環管路に対して着脱できるような構成を採用することも可能である。
さらに、冷媒が循環しないタイプのヘッダに対して、往路あるいは復路として機能する管路と、適当な差圧発生機構を追設することにより、本発明の実施形態に含まれる熱交換器および熱交換システムを構成することも可能である。
本実施形態では、熱交換部がプレート状のフィンを備える熱交換器を例に挙げて説明したが、フィンの形状はプレート状に限定されるものではない。また、熱交換部は、冷媒(熱交換媒体)と空気などの外部流体との間で熱交換を行うことが可能なものであればよく、熱交換部の形状や構成も、これらに限定されるものではない。
また、本発明のシステムは、空調に限らず、ラジエータ、各種冷却装置、各種冷凍装置など、多種多様な熱交換を機能の一部として含む装置、システムを含む。

Claims (9)

  1. 複数のチューブと、
    これら複数のチューブに熱交換媒体を分配するための入口ヘッダと、
    これら複数のチューブから熱交換媒体を回収するための出口ヘッダとを有し、
    前記入口ヘッダは、
    前記入口ヘッダに流入された熱交換媒体の少なくとも一部が循環可能な循環管路であって、往路と復路とを備え、少なくとも前記復路に前記複数のチューブが接続された循環管路と、
    熱交換媒体を前記循環管路の軸方向に吹き出して、前記入口ヘッダに流入された前記熱交換媒体の少なくとも一部を、前記循環管路に強制的に循環させるための差圧発生機構であって、当該入口ヘッダに流入する熱交換媒体により、当該入口ヘッダに流入された熱交換媒体の少なくとも一部を吸引混合して、前記循環管路の前記往路に吹き出す差圧発生機構とを含み、
    前記入口ヘッダは、前記差圧発生機構を下にして鉛直方向に沿うように配置され、前記差圧発生機構により熱交換媒体が下から上に向かって吹き出される、熱交換器。
  2. 請求項1において、前記差圧発生機構は、前記入口ヘッダに流入する熱交換媒体により駆動される、熱交換器。
  3. 請求項1または2において、前記入口ヘッダは、前記循環管路の少なくとも一部を構成する2重管または多重管を備えており、前記差圧発生機構は、前記2重管または多重管の一端部に設けられ、前記2重管または多重管の他端部が連通している、熱交換器。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の熱交換器と、前記熱交換器に熱交換媒体を供給する媒体供給システムとを有する、システム。
  5. 請求項において、前記媒体供給システムは、前記熱交換器から回収された熱交換媒体を加圧する装置と、加圧された熱交換媒体を冷却する凝縮器とを備えている、システム。
  6. 複数のチューブと、
    これら複数のチューブに熱交換媒体を分配するための入口ヘッダと、
    これら複数のチューブから熱交換媒体を回収するための出口ヘッダとを有し、
    前記入口ヘッダは、
    当該入口ヘッダに流入された熱交換媒体の少なくとも一部が循環可能な循環管路であって、往路と復路とを備え、少なくとも前記復路に前記複数のチューブが接続された循環管路と、
    前記入口ヘッダに流入する熱交換媒体により、前記入口ヘッダに流入された熱交換媒体の少なくとも一部を吸引混合して前記循環管路の前記往路に吹き出すためのエジェクタとを含み、
    前記入口ヘッダは、前記エジェクタを下にして鉛直方向に沿うように配置され、前記エジェクタにより熱交換媒体が下から上に向かって吹き出される、熱交換器。
  7. 請求項に記載の熱交換器と、前記熱交換器を蒸発器として熱交換媒体を供給する媒体供給システムとを有し、
    前記媒体供給システムは、前記蒸発器から回収された熱交換媒体を加圧する装置と、加圧された熱交換媒体を冷却する凝縮器とを備えている、熱交換システム。
  8. 複数のチューブに熱交換媒体を分配するためのヘッダであって、
    当該ヘッダに流入された熱交換媒体の少なくとも一部が循環可能な循環管路であって、往路と復路とを含み、前記往路の一方の端に熱交換媒体の入口が設けられ、少なくとも前記復路に前記複数のチューブが接続される循環管路と、
    当該ヘッダに流入する熱交換媒体により、当該ヘッダに流入された熱交換媒体の少なくとも一部を含む熱交換媒体を前記循環管路の軸方向に吹き出すための差圧を発生させる差圧発生機構であって、当該ヘッダに流入する熱交換媒体により、当該ヘッダに流入された熱交換媒体の少なくとも一部を吸引混合して、前記循環管路の前記往路に吹き出す差圧発生機構とを有し、
    前記差圧発生機構を下にして鉛直方向に沿うように配置され、前記差圧発生機構により熱交換媒体が下から上に向かって吹き出される、ヘッダ。
  9. 複数のチューブに熱交換媒体を分配するためのヘッダであって、
    当該ヘッダに流入された熱交換媒体の少なくとも一部が循環可能な循環管路であって、往路と復路とを含み、前記往路の一方の端に熱交換媒体の入口が設けられ、少なくとも前記復路に前記複数のチューブが接続される循環管路と、
    当該ヘッダに流入する熱交換媒体により、当該ヘッダに流入された熱交換媒体の少なくとも一部を吸引混合して前記循環管路の前記往路に吹き出すためのエジェクタを有し、
    前記エジェクタを下にして鉛直方向に沿うように配置され、前記エジェクタにより熱交換媒体が下から上に向かって吹き出される、ヘッダ。
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