JP4867158B2 - フィルム外装型蓄電装置 - Google Patents
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Description
かかる要求に対して特許文献1及び2に記載の技術では、突出部と外装フィルムとの間における水分バリア性が考慮されていない。特許文献4及び5に記載のフィルム外装型電池においても水分バリア性に対する配慮が不充分である。また、特許文献3に記載のフィルム外装型電池では、外部接続用端子と外装フィルムとの間に吸水シートを配置することによって水分浸入防止を図っているが、この手段では端子と外装フィルムとの接合部分を広く設ける必要があるためフィルム外装型電池全体が嵩張る難点がある。
本明細書において「蓄電装置」とは、所定の電気エネルギーを取り出し得る一又は二以上の蓄電素子(典型的には電池、或いはキャパシタ)を備える蓄電装置をいい、特定の蓄電機構に限定されない。リチウム一次電池その他の一次電池、リチウム二次電池その他の二次電池、或いは、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(物理電池)は、ここでいう蓄電装置に包含される典型例である。
また、本明細書において「電極体ユニット」とは、少なくとも一つずつの正極及び負極を含み、電池又はキャパシタ(蓄電素子)の主体を成す構造体をいう。
かかる構成によれば、突出部とフランジ部との間に隙間が生じることがないため、より確実に水分浸入を防止することができる。また、突出部とフランジ部とが一体であることから、蓄電装置構築のための部品数が減り、蓄電装置の生産性向上及び低コスト化を図ることができる。
かかる構成によれば、フランジ部と外装フィルムとの接合が強固となり、フランジ部に沿って(即ちフィルムとフランジ部表面との隙間から)水分が蓄電装置内部に浸入するのを防止することができる。
本明細書において「補強部」とは、フランジ部及び/又は突出部を衝撃から保護し得る部材又は部分をいう。
かかる構成によれば、蓄電装置内方への水分浸入を防止し得るとともに、突出部及び/又はフランジ部の周囲における耐衝撃性を向上させることができる。
かかる構成によれば、蓄電装置内部への水分浸入を防止する効果に加え、蓄電装置の剛性が向上する。また、枠体の一部が上記補強部を構成することにより、部品数を増加させることなく突出部及び/又はフランジ部の周囲における耐衝撃性を向上させることができる。
本明細書において「枠体」とは、外装フィルム内において一つ又は複数の所定形状の電極体ユニットを物理的に収容可能な部材をいい、その形状に特に制限はない。大まかにみてフレーム、ボックス或いはケース(筐体)と視認されるような形状の電極体保持部材は、ここでいう枠体の典型的な形状(外形)であり得る。
合成樹脂材料から成る枠体は、比較的軽量であるとともに耐衝撃性(剛性)に優れる。また、かかる樹脂製枠体にフランジ部及び突出部を固定することにより、蓄電装置の構築(組付け)作業が容易になると共に、フランジ部及び突出部をより安定した状態で装備することができる。
かかる構成によれば、フランジ部と外装用フィルム又は上記シール層との密着性をさらに向上させることができる。従って、突出部の周囲から蓄電装置内部への水分浸入をより効果的に防止することができる。
本発明によると、外装フィルムの外部に突出させた外部接続用端子の周囲からの水分浸入を効果的に防止することができる。
本発明が適用される典型的なものに、一次電池又は二次電池を蓄電素子とする種々のフィルム外装型電池が挙げられる。蓄電装置内に構成される蓄電素子(例えば二次電池を構成するセル)は一つに限られない。電極体ユニットが複数搭載されることによって複数の蓄電素子が構成された蓄電モジュールであり得る。例えば、リチウム二次電池等の電池(セル)を蓄電素子(単電池)とし、それらが電気的に直列又は並列に接続されて成る電池モジュールは、本発明によって提供され得るフィルム外装型蓄電装置の好適例である。このようなモジュールでは、搭載される複数の蓄電素子と電気的に接続した外部接続用端子に相当する総正極端子及び/又は総負極端子(即ち外部電極)がここでいう突出部の典型例となり得る。
また、本発明のフィルム外装型蓄電装置は、突出部及びフランジ部の他、種々の副次的な構成要素を有し得る。例えば、好ましい副次的構成要素として、突出部又はフランジ部又はそれらの近傍に備えられる上述したような補強部、或いは、フランジ部と外装フィルムとの密着性を向上させ得るシール層が挙げられる。また、一つ又は複数の電極体ユニットを収容し得る枠体(補強部を構成するものであるか否かを問わない。)も好適な構成要素であり得る。
好ましくは高融点樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミド(PA)系樹脂)から構成された外面(保護)層と、金属箔(例えばアルミニウム、スチール)から構成されたバリア層(ガスや水分を遮断するバリア層)と、熱融着性樹脂(比較的低融点である樹脂、例えばエチレンビニルアセテート、或いはポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂)から構成された接着層との三層構造を有するラミネートフィルムを好適に用いることができる。このような三層構造ラミネートフィルムは、適当な加熱圧着手段(例えばヒートプレス機)を使用することによって、接着層同士を容易に接着(融着)することができる。
また、一般にフィルム外装型蓄電装置(典型的には非水系電解液を用いた電池)には、内部の圧力が高まった際に装置(外装体)の一部を開放して圧力調整を図るガス放出手段として種々の機構の排気弁(圧力リリーフ弁)が装備されている。かかる弁のうち、少なくともその一部が蓄電装置外方へ突出する形状のものは、ここでいう突出部に包含される典型例である。特に、金属、セラミックス等の、外装用フィルム(例えば上述したような三層構造ラミネートフィルム)の接着面とは異なる材質によってその外壁部が形成された排気弁は、本発明を適用するのに好適な突出部である。
フランジ部と突出部とは一体であってもよく別々の部材であってもよい。別体の場合には種々の接合加工(かしめ接合、圧入接合等)によって両者を接合するとよい。水分浸入防止の観点からはフランジ部と突出部とが一体であることが好ましい。種々の一体成形加工法によって、一体となったフランジ部及び突出部(即ちフランジ部付き突出部材)を形成することができる。例えば、所定の突出部構成部材(例えば端子)の一部に張り出し加工等の手法によってフランジ部を形成することができる。例えば、突出部材が金属(例えばリチウム二次電池の外部接続用端子であるアルミニウムや銅)であるならば、種々の鍛造法、圧縮成形法(例えばアプセッティング)によって該突出部に該フランジ部を設けることができる方法が容易で且つ確実な手法である。
なお、粗面加工処理としてはフランジ部を構成する材料に応じて従来公知の粗面加工技法を適宜選択して適用すればよく、本発明の実施にあたって特別なプロセスは要求されない。例えば、フランジ部が金属材料で構成されている場合には、機械的粗面加工処理(例えばショットブラスト処理、エアブラスト処理)、電解エッチング処理(例えば交流電解エッチング処理)、化学エッチング処理(例えば酸性梨地処理、アルカリ性梨地処理)等の一般的な技法が採用される。
かかる補強部を突出部の周囲に備えることによって該突出部に強い衝撃が加わることを防止することができる。従って、かかる部位に補強部を備えることは蓄電装置(典型的には電池)の信頼性を向上させる有効な手段である。
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)等が好ましく選択される。また、PPS(ポリフェニレンスルフィド樹脂)、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン樹脂)、PES(ポリエーテルスルホン樹脂)等を用いてもよい。補強部は、これらの樹脂から選択される単一の樹脂材料から構成されたものでもよいし、二種以上の樹脂が混合された材料から構成されてもよい。
好ましくは、枠体の一部が補強部を構成する。この形態であると、枠体とは別に補強部構成部材を用意する必要が無く、蓄電装置を構成する部品点数の増加と装置の複雑化を防止することができる。
本実施例は蓄電装置の一典型例として、平箱形状のフィルム外装型リチウム二次電池を示したものである。図1は本実施例に係るフィルム外装型電池10の概略を示す側面図である。図2は、いくつかの突出部40,70,80が配置されている該電池10の正面図である。
本実施例に係る枠体30はポリプロピレン樹脂製であり、電池10の向かいあう広面積の側面方向から見たときに略ロの字形状に形成されている。この枠体30の一部(即ちフランジ部の周囲に配置される部分)が本発明に係る補強部32を構成する。かかる枠体30の内方に電極体ユニット2が保持されるが、電極体ユニット2の保持構造自体は従来のリチウム二次電池と同様でよく本発明を特徴付けるものではない。また、枠体30の内部には電極体ユニット2とともに適当な電解質が注入される。ここで注入される電解質は従来からリチウム二次電池の電解質として使用されるものであれば特に制限なく使用し得、本発明を特徴付けるものではない。典型的には液状(例えば非水電解液)或いは典型的にはゲル状であるポリマー電解質を用い得る。例えば、ジエチルカーボネート(DEC)とエチレンカーボネート(EC)の混合溶媒(例えばDEC:ECが8:3の質量比である混合溶媒)にリチウム塩として1mol/LのLiPF6を溶解した非水電解液を好適に使用することができる。
而して、電極体ユニット2の正極シートには外部接続用正極端子40(典型的にはアルミニウム製の端子)が電気的に接続され、負極シートには外部接続用負極端子70(典型的には銅製の端子)が電気的に接続されている。
突出部から張り出すフランジ部44,74,84の形状は外装フィルム20と略平行方向であって突出部本体42,72,82を中心に張り出されていれば特に限定されない。但し、よりサイズが大きいフランジ部ほど水分浸入防止(遮断)能力は増大し得る。典型的な張り出し形状としては、円形、楕円形あるいは長方形などを挙げることができる。本実施例では、正極端子50と負極端子70には長方形に張り出したフランジ部44,74が備えられており、一方、排気弁80には円形のフランジ部84が備えられている。
図3は図2のIII−III線断面図であり、本実施例に係る正極端子40を模式的に示している。正極端子40は長尺形状の端子本体42と水分透過を防止し得る長方形のフランジ部44とが一体で構成されている。端子本体42は電池内方にある電極体ユニット2と電気的に接続している。図示するように、補強部32と外装フィルム20とを貫通し(越えて)、電池外方に突出する形態で備えられている。ここで正極端子40と一体成形されたフランジ部44は、枠体30の一部である補強部32の表層部に嵌め込まれた形状で備えられている。このように正極端子(フランジ部44を含む)40を補強部32(枠体30)に設置する方法には種々の加工法が挙げられる(例えばインサート成形法や圧入成形法)が、ここではインサート成形によって樹脂製枠体30の成形と同時に所定の部位(補強部)に正極端子40を配置・固定している。
なお、正極端子40が外装フィルム20を越えるフィルムの突き出し口24付近では、外装フィルム20に含まれる金属層(ここではアルミニウム層)と端子本体42が直接接触しないように絶縁処理が施されており、外装フィルム20の金属層を介した端子40,70間の導通が生じないように構成されている。なお、絶縁処理の一つとして、外装フィルムの突き出し口24と端子40との間に絶縁性材料(例えば合成樹脂)を充填してもよい。
図4は図2におけるIV−IV線断面図であり、本実施例に係る排気弁80を模式的に示している。排気弁80は電池の使用によって発生したガスを速やかに排出し得る手段であって、電池の安全性を向上させる部材の一つである。図示されるように、本実施例で示される排気弁80は大まかにいって、排気管82と排気口86、金属球(封止球)88、コイルバネ(圧力調節バネ)90によって構成される圧力リリーフ弁である。かかる排気弁80は、排気路92を通じた電池内方のガス圧力がコイルバネ90の弾性力を超過した場合に金属球88が圧力によって押し上げられ、ガスが排出されるように構成されている。かかる構成自体は従来の排気弁と同様でよく、何ら本発明を特徴付けるものではない。
図示するように、排気弁80は、補強部32(枠体30)と外装フィルム20とを貫通し(越えて)、電池外方に突出する形態で備えられている。ここで排気弁80と一体成形されたフランジ部84は、枠体30の一部である補強部32の表層部に嵌め込まれた形状で備えられている。このように排気弁(フランジ部84を含む)80を補強部32(枠体30)に設置する方法には種々の加工法が挙げられる(例えばインサート成形法や圧入成形法)が、ここではインサート成形によって樹脂製枠体30の成形と同時に所定の部位(補強部32)に排気弁80を配置・固定している。
次に上記実施例の変更例(他の実施例)として、外部接続用端子(ここでは正極端子)の形状や枠体への配置形態の好適な変更例のいくつかを図面を参照しつつ説明する。なお、補強部(枠体)における正極端子フランジ部の形状或いは設置位置と、補強部における正極端子の突き出し部分における形状を除く構成要素は上述した第一実施例と同様であるため、かかる事項についての重複した説明は省略する。また、以下に説明する変更例を他の突出部(排気弁等)に適用し得ることは勿論である。
本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、その一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10 フィルム外装型蓄電装置
20 外装フィルム
40,50,60,70,80 突出部
44,54,64,74,84 フランジ部
Claims (5)
- 正極及び負極を有する少なくとも一つの電極体ユニットと、該電極体ユニットを覆う外装フィルムとを備えたフィルム外装型蓄電装置であって、
前記電極体ユニットを収容する枠体と、
前記外装フィルムの内方から該フィルムを越えて外方へ突き出た少なくとも一つの突出部と、
実質的に水分が透過しない材質のフランジ部であって、前記突出部から前記外装フィルムの面方向に張り出した形状で該フィルムと近接した位置に設けられたフランジ部とを備えており、
枠体の本体部分は合成樹脂製であり、前記フランジ部は、該枠体の内部に埋設された状態で配置されており、前記フランジ部と前記突出部周囲の外装フィルムとの間が前記枠体を介して封止されていることを特徴とする、フィルム外装型蓄電装置。 - 前記フランジ部は前記突出部と一体である、請求項1に記載の蓄電装置。
- 前記フランジ部と前記外装フィルムとの間に、該フランジ部と該フィルムのいずれにも密着可能なシール層を備える、請求項1又は2に記載の蓄電装置。
- 正極及び負極を有する少なくとも一つの電極体ユニットと、該電極体ユニットを覆う外装フィルムとを備えたフィルム外装型蓄電装置であって、
前記電極体ユニットを収容する枠体と、
前記外装フィルムの内方から該フィルムを越えて外方へ突き出た少なくとも一つの突出部と、
実質的に水分が透過しない材質のフランジ部であって、前記突出部から前記外装フィルムの面方向に張り出した形状で該フィルムと近接した位置に設けられたフランジ部とを備えており、
前記フランジ部は、前記外装フィルムと対向する面として粗面加工処理された面を有しており、
前記枠体は、外装フィルムの内方において、フランジ部に近接し、且つ、該フランジ部よりも該フィルムの面方向に張り出しているとともに、フランジ部を補強しており、
前記フランジ部と前記突出部周囲の外装フィルムとの間が封止されていることを特徴とする、フィルム外装型蓄電装置。 - 前記突出部として、前記電極体ユニットと電気的に接続された外部接続用端子を備える、請求項1〜4のいずれかに記載の蓄電装置。
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