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JP4869002B2 - セラミックス基板の製造方法およびセラミックス回路基板の製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、セラミックス基板およびセラミックス回路基板に関するものである。さらに詳細には、本発明は、高出力トランジスタやパワーモジュールなどの実装に使用されるセラミックス基板およびセラミックス回路基板に関するものである。
セラミックス基板は従来から各用途に使用されており、基板の少なくとも片面に電気回路を形成したセラミックス回路基板は、各種の電子素子等の実装に使用されている。このようなセラミックス回路基板、特に高出力トランジスタや各種パワー素子などの実装に使用されるセラミックス基板には、高い実装信頼性が要求されている。
このため、基板の機械的特性、例えば抗折強度および靱性については、一定水準以上の特性が求められている。セラミックス基板は、単に機械的特性が良好であるばかりでなく、基板状に実装された半導体素子等の熱を効率よく発散させるために、熱伝導性が良好(即ち、熱抵抗が低い)であることも同時に求められている。従って、セラミックス基板は、機械的特性と熱抵抗の双方を同時に高いレベルで満足させる必要がある。
一般に、セラミックス基板は、セラミックスの原料粉末と必要に応じて焼結助剤およびバインダーとを混合し、これを例えばドクターブレード法等によってシート状に成形し、この成形体を例えばプレス機等で打抜いた後に焼結するか、あるいは前記のシート状の成形体を焼結して、この焼結体に例えばレーザー加工によってスクライブ加工を施しこれに沿って焼結体を分割することによって、製造されている。
上記のシート状の成形体をプレス機等で打抜いた後に焼結する方法は、プレス打抜きの際にバリ等が発生する頻度が大きくなり、一方、スクライブ加工を施し、これをスクライブを利用して焼結体を分割する方法は、基板側面部の表面粗さがレーザー加工によるスポットとそれ以外の部分とで大きく変わってしまうことがある。
セラミックス基板には高い機械的特性および信頼性が求められていることは前記の通りである。しかし、セラミックス基板は、その製造時において、セラミックスシート(成形体)のプレス打抜きや、焼結工程、焼結体の分割工程等の工程履歴を受けるため、回路基板の側面部の形状ないしその表面特性は安定せず、側面部の形状のばらつき(例えば、表面粗さのばらつき)に対する対策は十分でなかった。このような側面の形状のばらつきが生じると、同じ製法により製造したセラミックス基板であるにも関わらず、個々のセラミックス基板の強度のばらつきが大きかった。
セラミックス回路基板は、電子素子等を実装した後においても様々な熱的変化ならびに振動等の機械的負荷にさらされる。温度変化や振動あるいはセラミックス基板と電気回路として形成された金属板との熱膨張係数の違いによる応力を繰り返し受けることにより、実装信頼性の低下が見られた。つまりは、個々に強度にばらつきのあるセラミックス基板を回路基板に用いると、熱応力を繰返し受けたときにセラミックス回路基板の強度のばらつきが更に大きくなってしまっていた。
このようなことから同じ製法により製造したセラミックス基板を用いた回路基板であるにも関わらず、熱応力に対する耐久性にはばらつきがあり、その結果、実装信頼性にもばらつきが生じていた。
本発明は、機械的特性および信頼性がすぐれたセラミックス基板およびセラミックス回路基板を提供するものである。
したがって、本発明によるセラミックス基板の製造方法は、セラミックス基板にスクライブ加工を施す工程、スクライブラインまたはスクライブドットに沿ってセラミックス基板を分割する工程、分割したセラミックス基板の側面に研磨加工を施しRa0.3〜0.7μmかつRmax3.0〜7.0μmにする工程を具備すること、を特徴とするものである。
そして、本発明によるセラミックス回路基板は、上記のセラミックス基板の両面に金属板を接合すること、を特徴とするものである。
本発明によるセラミックス基板およびセラミックス回路基板は、強度のばらつきを低減したものであって、電子素子等を実装した後の様々な熱的応力を繰り返し受けた際に従来みられた実装信頼性の低下の問題が抑制されたものである。
本発明によるセラミックス基板は、基板側面部の表面粗さが、Ra0.3〜0.7μmであり、Rmaxが3.0〜7.0μmであること、を特徴とするものである。
ここで、本発明において表面粗さを規定するRaおよびRmaxは、それぞれセラミックス基板の各側面部の任意の3カ所を測定し、その平均値をもって示すものとする。例えば、直方体形状のセラミックス基板である場合、直方体の4つの側面部のそれぞれについて3カ所を測定し、これらの合計12カ所(4側面×3個所)の測定結果の平均値によって、RaおよびRmaxを示すものとする。
また、セラミックス基板の側面部のうち、最も大きなRaを有する第一の側面部におけるRaをRa1とし、最も小さなRaを有する第二の側面部におけるRaをRa2としたとき、(Ra1)≦2(Ra2)の関係式を満たすものであることが好ましい。
前述のように本発明の側面部の表面粗さRaとは個々の側面部の表面粗さの平均値により示されるものである。本発明は、このような方法により測定された側面部の表面粗さRaが所定の値であれば効果が得られるものであるが、個々の側面部の表面粗さRaがあまり違いすぎると強度のばらつきを改善し難くなる。そのため、個々の側面部の表面粗さRaにおいて、最も大きなRaを示す側面部のRaをRa1、最も小さなRaを示す側面部のRaをRa2としたとき、(Ra1)≦2(Ra2)の範囲内となるよう研磨加工を施すことが好ましい。
本発明でのセラミックス基板は、従来から一般的に用いられている各種のセラミックス基板材料から形成することができる。例えば、好ましくは窒化アルミニウム、窒化珪素、アルミナ、およびアルミナとジルコニアの化合物の少なくとも1種を主成分とするセラミックス材料から形成することができる。このうち、熱伝導性の観点からは窒化アルミニウムを主体とする基板材料から形成されたものが好ましく、強度等の観点からは窒化ケイ素を主体とする基板材料から形成されたものが好ましい。また、アルミナとジルコニアの化合物とはアルミナとジルコニアの合計量に対し、アルミナを20〜80質量%含有したものである。
このようなセラミックス基板材料は、必要に応じ、焼結助剤として各種の希土類化合物、好ましくは例えばイットリウム(Y)、イッテルビウム(Yb)、エルビウム(Er)、セリウム(Ce)の酸化物等を含有することができる。本発明において特に好ましい希土類化合物の種類およびその添加量は、セラミックス基板材料の種類、セラミックス回路基板の要求性能等に応じて決定することができる。例えば、窒化アルミニウムを主成分とし、特に熱伝導性が高いセラミックス基板を得る場合には、焼結助剤として酸化イットリウムを2〜5質量%使用することが好ましい。例えば、窒化珪素を主成分とし、特に機械的特性が高いセラミックス基板を得る場合には、焼結助剤として酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化エルビウムの少なくとも1種を2〜17質量%使用することが好ましい。
なお、本発明は焼結助剤として一種類の希土類化合物であっても所定の特性が得られるものであるが、複数の焼結助剤を組合せたものを排除するものでないことは言うまでもない。また、必要に応じチタン(Ti)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)等の金属元素または酸化物、窒化物等の黒色化材等を添加してよいことは言うまでもない。
前記のセラミックス原料粉末と焼結助剤との混合は常法に従って行うことができる。本発明でば、例えばボールミル等を使用して前記の窒化アルミニウム粉末と希土類化合物との混合を行うことができる。混合に際しては、必要に応じて、各種の補助材料を配合することができる。本発明では、この種のセラミックス基板の製造において従来から使用されてきた補助材料、例えばバインダーとして作用する各種の炭素質物質を配合することができる。そのような炭素質物質の好ましい具体例としては、アクリル樹脂等の有機物バインダーを挙げることができる。
前記のセラミックス原料粉末、希土類化合物粉末および必要に応じて配合された補助材料の混合物は、その後、例えばドクターブレード法等によってシート状に成形される。得られたシート状の成形体は、最終的に所望の大きさおよび形状のセラミックス基板が得られるように、打抜き加工したのちに焼結工程に付すことができ、またシート状で焼結工程に付したのちに、得られたシート状焼結体を所望の大きさおよび形状に分割することもできる。
上記のシート状成形体(この成形体は、所望の大きさおよび形状に打抜き加工されているもの、および所望の大きさおよび形状に分割されていないものの両者を含む)は、必要に応じ脱脂工程に付された後、焼結される。脱脂工程は、例えば300〜800℃×1〜5時間が好ましい。脱脂工程の温度や処理時間はセラミックス基板のサイズおよび種類等に応じて適宜選択することができる。焼結温度は、好ましくは1600〜1950℃の範囲内である。焼結温度および焼結時間は、成形体の形状、大きさ、成形体の密度、焼成体の強度、硬度、具体的用途や、焼結温度及び焼結時間との関連性を考慮したうえで、上記範囲内で最も適当な条件を具体的に定めることができる。
上記のようにして得られたセラミックス焼結体は、必要に応じ、所望の大きさおよび形状に分割される。セラミックス焼結体の分割は、例えばレーザー等によってセラミックス焼結体に線状ないし点状に切れ込み(スクライブラインまたはスクライブドット)を入れ、これに沿って応力を印加することによって分割することができる。また、セラミックス焼結体は、所望の回路パターンが得られるように、その片面または両面の少なくとも一部に金属板を積層する。ここで、セラミックス焼結体の分割と金属板の積層は、どちらを先に行っても良い。即ち、金属板を積層した後に分割することもできるし、分割した後に金属板を積層することもできる。また、金属板の積層を複数回に分け、一部の回路を形成した後に分割しその後残りの回路を形成するようにすることもできる。金属板は、従来から一般的に用いられてきたものを使用することができる。好ましくは、例えば銅、アルミニウムの少なくとも1種を主成分とする金属から形成された金属板を使用することができる。セラミックス基板への金属板の接合は、活性金属法および直接接合法によって行うことができる。
本発明によるセラミックス基板およびセラミックス回路基板は、その基板側面部の表面粗さが、Ra0.3〜0.7μmであり、Rmaxが3.0〜7.0μmであることが必要である。基板側面部の表面粗さが上記範囲内であることによって、セラミックス基板の強度のばらつきが低減できるため高い機械的特性および信頼性を得ることができるようになる。
基板側面部を上記範囲内のものとする操作は、数々の方法によって行うことができる。最も好ましい方法としては、研磨加工によるものを挙げることができる。例えば、基板側面部を平面研削盤などによって研磨加工をすることができる。なお、この研磨加工は、金属板を積層する前に行うこともできるし、金属板を積層した後に行うこともできる。本発明において好ましいのは前者である。
本発明によるセラミックス基板およびセラミックス回路基板は、その基板の少なくも一側面部が前記の表面粗さを有しているものであるが、本発明の好ましいのは基板の全ての側面部が前記の表面粗さを有しているものである。その中でも、側断面図の表面粗さのばらつきが少ないもの、特にセラミックス基板の側面のうち、最も大きなRaを有する第一の側面部におけるRaをRa1とし、最も小さなRaを有する第二の側面部におけるRaをRa2としたとき、(Ra1)≦2(Ra2)の関係式を満たすもの、が特に好ましい。
図1は、本発明によるセラミックス回路基板の一例を示すものである。
図1に示されるセラミックス回路基板1では、セラミックス基板1上の少なくとも一部に金属板2が形成されている。セラミックス回路基板1の側面部は、Ra0.3〜0.7μm、Rmaxが3.0〜7.0μmの範囲内になるように研磨加工がなされている。
このような本発明によるセラミックス回路基板は、機械的特性がすぐれたものであって、電子素子等を実装した後の様々な熱的変化ならびに振動等を繰り返し受けた際に従来みられた実装信頼性の低下の問題が抑制されたものである。
図2は、従来のセラミックス回路基板の一例を示すものである。図2に示すように、従来のセラミックス回路基板の側断面は、表面特性が安定しておらず、用途によっては十分な実装信頼性が得られなかった。
<実施例1〜8、比較例1>
主成分となるセラミックス粉末、必要に応じ焼結助剤粉末および有機物バインダー等とを混合し、得られたスラリーをドクターブレード法によって、シート状に厚さ1.2mmに成形した。この成形体をプレスして長方形状に打ち抜いたものを脱脂、焼結を行って、縦50mm×横50mm×厚さ1mmのセラミックス基板形状とした後、セラミックス基板の側面部(外周面部分)について、研磨加工を行い、表1に示す表面粗さRaおよびRmaxを測定した。側面部の表面粗さRaおよびRmaxが所定の範囲内の基板と、比較のためにRaおよびRmaxが本発明の範囲外のものを用意した。
このような基板を100枚用意し、3点曲げ強度とそのばらつきを測定した。このばらつきは、各基板の平均値に対する最大値と最小値とをパーセントで表した。
Figure 0004869002
表1に示した通り、セラミックス基板の基板側面部のRaおよびRmaxが本発明の範囲内のものは3点曲げ強度のばらつきが小さかったが、比較例1の基板はばらつきが大きかった。特に平均値に対して低いものできてしまうのは問題である。なお、3点曲げ強度:JIS‐R‐1601に従って測定したものである。
<実施例9〜16、比較例2>
実施例1〜8および比較例1のセラミックス基板を用い、両面に金属板を接合した。表面は回路板として20mm×20mm×0.3mmの金属板を2枚、裏面には反り防止などの裏金属板として40mm×20mm×0.3mmの金属板を1枚接合した。
各セラミックス回路基板に対し、TCT特性を測定した。TCT特性は、−40℃×30分 → 25℃×10分 → 125℃×30分 → 25℃×10分を1サイクルとし、100サイクル後のセラミックス回路基板の3点曲げ強度のバラツキを測定した。なお、3点曲げ強度のばらつきについては、実施例1と同様の方法により測定した。
接合方法の「活性金属法」は、69wt%Ag−28wt%Cu−3wt%Tiろう材を用いた接合方法でああり、「直接接合法」はDBC法である。また、窒化アルミニウム(AlN)および窒化硅素(Si)の窒化物系セラミックス基板においてDBC法を用いる場合は、厚さ1.0μmの酸化膜を基板に設けたあとに接合を行った。
Figure 0004869002
表2に示した通り、セラミックス基板を用いたセラミックス回路基板はTCTの100サイクル後の3点曲げ強度のばらつきが小さいことが分かる。
それに対し、比較例2は、3点曲げ強度の低下度合いが大きく、回路基板としての信頼性が劣ることが分かる。
<実施例17〜19、比較例3>
セラミックス焼結体に対しレーザー加工によりスクライブ溝を形成した。その後、各焼結体を上記のスクライブ溝部分でブレイクすることによって、複数のセラミックス基板を得た。各基板に対し、その側面部を研磨した後、各セラミックス基板に対し、69wt%Ag−28wt%Cu−3wt%Tiろう材を用いた活性金属法により銅板を接合することによって、本発明の実施例に係るセラミックス回路基板を製造した。なお、実施例17〜19に係るセラミックス基板の側面部のRaは0.5μmであり、Rmaxは6μmに統一した。
比較例3として、側面部を研磨しないこと以外は実施例17と同様にして、セラミックス回路基板を製造した。比較例3のセラミックス基板の側面部はスクライブ穴形状がそのまま残ってしまっているので、RaおよびRmaxは本発明の範囲外となっている。
各セラミックス回路基板に対し、実施例9と同様のTCT試験を行い、3点曲げ強度のバラツキを測定した。
Figure 0004869002
表3から分かる通り、本実施例にかかるセラミックス基板はTCT試験後の強度の低下が小さいことが分かった。
<実施例20〜24>
セラミックス基板の側面部のRaの最大値と最小値の差を表4のように変えた場合のセラミックス基板の3点曲げ強度のバラツキを測定した。なお、ここでの最大値、最小値とは、一つの側面部におけるRaを3点測定したときの平均値による値と、他の側面部のRaの平均値を比べたものである。言い換えると、一つのセラミックス基板において、個々の側面部のRaの平均値を比べたものである。
Figure 0004869002
表4から分かる通り、一つの基板の側面部において、Raの値の最大値と最小値の差を無くすことにより、3点前曲げ強度のバラツキも小さくすることができることが分かった。特に、基板の強度が窒化硅素基板の650〜1200MPaと比べて、300〜550MPa程度と小さい窒化アルミニウム基板においては有効であることが分かった。
本発明によるセラミックス回路基板の一例を示す図 従来のセラミックス回路基板を示す図
符号の説明
1 セラミックス回路基板
2 金属板

Claims (4)

  1. 窒化アルミニウム、窒化珪素、アルミナ、およびアルミナとジルコニアの化合物の少なくとも1種を主成分とするセラミックス材料から形成されたセラミックス基板にスクライブ加工を施す工程、スクライブラインまたはスクライブドットに沿ってセラミックス基板を分割する工程、分割したセラミックス基板の側面に研磨加工を施し表面粗さRa0.3〜0.7μmかつ表面粗さRmax3.0〜7.0μmにする工程を具備してなり、前記の研磨加工を施すことにより3点曲げ強度のばらつきが±15%以内のセラミックス基板を得ることを特徴とする、セラミックス基板の製造方法。
  2. 前記のスクライブ加工がレーザ加工である、請求項1記載のセラミックス基板の製造方法。
  3. 前記の製造方法によって得られたセラミックス基板が、セラミックス基板の側面のうち、最も大きな表面粗さRaを有する第一の側面部における表面粗さRaをRa1とし、最も小さな表面粗さRaを有する第二の側面部における表面粗さRaをRa2としたとき、(Ra1)≦2(Ra2)の関係式を満たすものである、請求項1または2に記載のセラミックス基板の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のセラミックス基板の両面に金属板を接合することを特徴とする、セラミックス回路基板の製造方法。
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