本発明は、ユーザー間干渉やマルチパス干渉の影響を軽減するとともに、特定小電力無線を用いて無線通信を行う無線通信装置及び無線通信システムに関する。
従来、無資格で業務運用できる無線通信として、特定小電力無線がある。特定小電力無線は、室内100m、屋外300m以上の通信距離でも、通信品質を確保することができる。特定小電力無線においては、通信機ごとに複数の狭帯域のチャンネルが設けられ、単一周波数を使用することにより、データ通信が行われている。その際、特定小電力無線では、送信を行う前に、送信を行おうとする周波数帯域に無線キャリアが存在するか否かを判別し、存在しないときのみ送信を行うように規定されている。
ここで、単一周波数を使用する場合の問題点として、ユーザー間干渉やマルチパス干渉の問題が挙げられる。ユーザー間干渉は、複数のユーザーが同じ周波数を使うことにより、お互いに通信ができなくなることである。また、マルチパス干渉は、通信を行う通信機間に複数の無線通信パスが存在し、それら複数の無線通信パスを通る電波が打ち消しあうように合成され、通信が出来なくなることである。
一般に、携帯電話や無線LANのような1つの通信機に広帯域の無線周波数を与えられる無線通信方式では、スペクトル拡散を用いてユーザー間干渉やマルチパス干渉の問題を解決している。特許文献1には、無線端末に組み込むことを可能とし、容易に他局信号からの干渉信号を除去するとともに、スペクトル拡散通信方式において、雑音として作用する他局の信号成分を除去し、耐雑音特性を向上させ、同時通信局数を増やすことができる干渉除去装置が記載されている。
この干渉除去装置は、受信されたスペクトル拡散信号に基づき希望信号の拡散符号と各局からの搬送波信号を検出する同期回路と、受信されたスペクトル拡散信号と同期回路により出力された希望信号の拡散符号とを乗算する乗算回路と、乗算回路からの出力と同期回路から出力された各局からの搬送波信号とをそれぞれ乗算する同期検波回路と、同期検波回路からの各乗算結果と希望信号の拡散符号との相関値に基づき各非希望信号の干渉雑音成分を計算する相関値計算回路と、各局からの搬送波信号の位相情報からタップ係数を求めるタップ係数制御回路と、相関値計算回路により求められた干渉雑音成分とタップ係数制御回路により求められたタップ係数とに基づき合成成分を求める干渉発生部と、相関値計算回路により求められた希望信号についての相関値から干渉発生部により求められた合成成分を減算し希望受信信号を得る減算回路とを備えている。
この干渉除去装置によれば、移動端末に組み込むことができ、容易に他局信号からの干渉信号を除去することができるとともに、スペクトル拡散通信方式において、雑音として作用する他局の信号成分を除去し、耐雑音特性を向上させ、同時通信局数を増やすことができる。
特開2002−16511号公報
しかしながら、特定小電力無線は、1チャンネル毎の帯域が狭い通信方式である。したがって、スペクトル拡散のうち、デジタル信号を非常に小さい電力で広い帯域に分散して同時に送信する直接拡散方式は、広い占有帯域を必要とするため使用できない。また特定小電力無線のチャンネルの中には、送信間隔制限がある。したがって、スペクトル拡散方式のうち、周波数ホッピング方式は、同じ周波数に2秒以内に戻る可能性があるので使用できない。
複数の方式の機器が共存し、1つのチャンネルを占有する方式が多い特定小電力無線において、スペクトル拡散方式のようなチャンネルの使用効率が低い方式を用いることは難しい。
また、安価で、電池駆動の機器に特定小電力無線を用いる場合についても、ハードウェアが複雑で高速処理が必要なスペクトル拡散方式は使うのが難しい。
さらに、特定小電力無線においては、通常は1つの周波数を使用し、通信異常が発生したときのみ周波数を変える方式もある。しかしながら、この方式では、送信側と受信側で周波数の同期をとるのが難しい。また、通信機の数が増えれば通信機間で同期を取るのは更に難しくなるので、同報通信を行うことが困難となる。
本発明は上述した従来技術の問題点を解決するもので、ユーザー間干渉やマルチバス干渉の影響を軽減し、ハードウェアが簡単で、かつ同報伝送も可能な無線通信装置及び無線通信システムを提供することを課題とする。
本発明に係る無線通信装置は、上記課題を解決するために、第1の発明は、周波数の異なる複数のチャンネルで無線通信を行う無線通信装置であって、時間を計時するタイマーと、前記タイマーにより計時された時間情報に基づき、1以上のフレームを送受信して通信を行うための所定の通信期間と前記複数のチャンネルのうちの現在使用しているチャンネルから別のチャンネルに切り換えるための所定のチャンネル切換期間とを交互に繰り返すように通信を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記所定のチャンネル切換期間中に所定のパターンに従い前記複数のチャンネルのうちの現在使用しているチャンネルから別のチャンネルに切り換えるチャンネル切換部と、前記タイマーにより計時された時間情報に基づき、前記所定の通信期間及び前記所定のチャンネル切換期間のタイミングに対応してフレームを送信する時刻を遅延させる時間を算出する遅延時間算出部とを有するとともに、前記遅延時間算出部により算出された時間に基づきフレームの送信時刻を遅延させることを特徴とする。
本発明に係る無線通信システムは、上記課題を解決するために、第2の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の無線通信装置を複数備えかつ前記複数の無線通信装置が互いに通信を行う通信グループを1つ以上備えた無線通信システムであって、同一通信グループ内の前記複数の無線通信装置の前記制御手段の各々は、同じタイミングで前記通信期間と前記チャンネル切換期間とを交互に繰り返すように通信を制御するとともに、同一通信グループ内の前記複数の無線通信装置の前記チャンネル切換部の各々は、前記所定のチャンネル切換期間中に同一のパターンに従い前記複数のチャンネルのうちの現在使用しているチャンネルから別のチャンネルに切り換えることを特徴とする。
第3の発明は、請求項1又は請求項3又は請求項5記載の無線通信装置を複数備えかつ前記複数の無線通信装置が互いに通信を行う通信グループを1つ以上備えた無線通信システムであって、複数の前記制御手段の各々は、通信期間の終わりが近くて通信頻度が下がる第1通信グループと通信期間が始まる第2通信グループとの異なる2つの通信グループが第1通信グループの通信頻度が下がる時期に同一のチャンネルを用いて通信を行うように通信期間を制御することを特徴とする。
第4の発明は、請求項4乃至請求項6のいずれか1項記載の無線通信装置を複数備えかつ前記複数の無線通信装置が互いに通信を行う通信グループを1つ以上備えた無線通信システムであって、同一通信グループ内の前記複数の無線通信装置の前記制御手段の各々は、同じタイミングで前記通信期間と前記チャンネル切換期間とを交互に繰り返すように通信を制御するとともに、前記通信期間の長さをチャンネル毎に変えることを特徴とする。
本発明の第1の発明によれば、他の通信システム等により特定チャンネルが占有された場合であっても、他のチャンネルに切り換えることにより、通信を行うことができ、ユーザー間干渉の影響を軽減することができる。また、複数のチャンネルを使用することにより、マルチパス干渉の影響を軽減することができる。
本発明の第2の発明によれば、同一通信グループ内の複数の無線通信装置の各々は、同じタイミングで通信期間とチャンネル切換期間とを交互に繰り返すとともに、所定のチャンネル切換期間中に同一のパターンに従い複数のチャンネルのうちの現在使用しているチャンネルから別のチャンネルに切り換えるので、第1の発明と同様の効果を得ることができる。
本発明の第3の発明によれば、複数の制御手段の各々は、通信期間の終わりが近くて通信頻度が下がる第1通信グループと通信期間が始まる第2通信グループとの異なる2つの通信グループが第1通信グループの通信頻度が下がる時期に同一のチャンネルを用いて通信を行うので、限られたチャンネルを効率良く使用することができる。
本発明の第4の発明によれば、同一通信グループ内の複数の無線通信装置の同期データ生成部を備えた制御手段の各々は、同じタイミングで通信期間とチャンネル切換期間とを交互に繰り返すように通信を制御するとともに、通信期間の長さをチャンネル毎に変えるので、同一通信グループ内に同期のとれていない無線通信装置が存在した場合にも、効率よく同期をとることができる。
以下、本発明の無線通信装置及び無線通信システムの実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
最初に図1乃至図7を用いて実施例1を説明する。図1は、本発明の実施例1に係る無線通信装置及び無線通信システムの構成を示す図である。この無線通信システムは、通信グループ1、及び通信グループ2で構成されており、各通信グループ内の複数の無線通信装置が互いに通信を行う。通信グループ1は、通信装置10a、通信装置20、通信装置30、及び通信装置40で構成されている。また通信グループ2は、通信装置50、通信装置60、通信装置70、及び通信装置80で構成されている。各通信装置は、本発明の無線通信装置に対応し、いずれも同一構成であるとともに、同一通信グループ内で互いに通信を行い、他の通信グループの通信装置と通信を行うことは無い。すなわち通信グループとは、お互いに通信を行い、または同報通信を行う通信装置の集まりである。また、本実施例において通信グループは2つであるが、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
通信装置10aは、本発明の無線通信装置に対応し、制御部12a、タイマー15、メモリ16、周波数発生部17、送信部18、及び受信部19で構成されており、周波数の異なる複数のチャンネルで無線通信を行う。他の通信装置も通信装置10aと同様の構成である。
タイマー15は、時間を計時する。
制御部12aは、本発明の制御手段に対応し、タイマー15により計時された時間情報に基づき、1以上のフレームを送受信して通信を行うための所定の通信期間と、複数のチャンネルのうちの現在使用しているチャンネルから別のチャンネルに切り換えるための所定のチャンネル切換期間とを交互に繰り返すように通信を制御する。
また制御部12aは、所定のチャンネル切換期間中に所定のパターンに従い複数のチャンネルのうちの現在使用しているチャンネルから別のチャンネルに切り換えるチャンネル切換部13を有する。チャンネル切換部13は、チャンネル切換信号を周波数発生部17に出力する。
メモリ16は、本発明の記憶手段に対応し、所定の通信期間を表すための通信期間情報と、所定のチャンネル切換期間を表すためのチャンネル切換期間情報と、所定のパターンを表すためのパターン情報とを記憶する。
周波数発生部17は、チャンネル切換部13により出力されたチャンネル切換信号に応じて周波数を変え、送信部18及び受信部19を介して適切なチャンネルで送受信を行うことができるように周波数を制御する。
通信グループ1内の通信装置10a、通信装置20、通信装置30、通信装置40の制御手段の各々は、同じタイミングで通信期間とチャンネル切換期間とを交互に繰り返すように通信を制御するとともに、通信グループ1内の通信装置10a、通信装置20、通信装置30、通信装置40のチャンネル切換部の各々は、所定のチャンネル切換期間中に同一のパターンに従い複数のチャンネルのうちの現在使用しているチャンネルから別のチャンネルに切り換える。
また、通信グループ1内の通信装置10a、通信装置20、通信装置30、通信装置40の制御手段の各々は、異なる通信グループ(ここでは通信グループ2)と同時期に同一のチャンネルを用いて通信を行わないように通信期間を制御する。
図2は、本実施例における通信グループ1の通信制御をチャンネルから見た動作を示す図である。ここでメモリ16は、通信期間を4秒とする通信期間情報と、チャンネル切換期間を1秒とするチャンネル切換期間情報と、2つのチャンネルを交互に使用するというパターン情報とを記憶する。また、図2における無信号期間(休止期間)は、チャンネルを切り換えるためのチャンネル切換期間を示す。したがって、通信グループ1内の通信装置10a、通信装置20、通信装置30、通信装置40の各々は、全体として5秒ごとに2つのチャンネルを交互に使用して通信を行っている。
通信グループ1内の通信装置10a、通信装置20、通信装置30、通信装置40の制御手段の各々は、同じタイミングで4秒の通信期間と1秒のチャンネル切換期間とを交互に繰り返すように通信を制御するとともに、通信グループ1内の通信装置10a、通信装置20、通信装置30、通信装置40のチャンネル切換部の各々は、1秒のチャンネル切換期間中に同一のパターン(2チャンネルを交互に使用)に従い2つのチャンネルのうちの現在使用しているチャンネルから別のチャンネルに切り換える。ここで、通信グループ1内の複数の通信装置のうち、通信を希望する通信装置のみが、通信期間中に通信を行う。また同一通信グループ内の同一の通信装置又は異なる複数の通信装置は、通信期間に複数のフレームを伝送できる。
図3は、本実施例における通信グループ1の通信制御を通信グループから見た動作を示す図であり、図2で示した動作と同様である。チャンネル切換期間(休止期間)は、斜線により示される。通信グループ1は、全体として5秒ごとにチャンネル1とチャンネル2とを交互に使用していることがわかる。
図4は、本実施例における通信グループ1及び通信グループ2の通信制御をチャンネルから見た動作を示す図である。ここでメモリ16は、図2において説明したように、通信期間を4秒とする通信期間情報と、チャンネル切換期間を1秒とするチャンネル切換期間情報と、2つのチャンネルを交互に使用するというパターン情報とを記憶する。また、通信グループ1内の他の通信装置が有するメモリや通信グループ2内の通信装置が有するメモリも同様である。
通信グループ1内の通信装置10a、通信装置20、通信装置30、通信装置40の制御手段の各々は、同じタイミングで4秒の通信期間と1秒のチャンネル切換期間とを交互に繰り返すように通信を制御するとともに、通信グループ1内の通信装置10a、通信装置20、通信装置30、通信装置40のチャンネル切換部の各々は、1秒のチャンネル切換期間中に同一のパターン(2チャンネルを交互に使用)に従い2つのチャンネルのうちの現在使用しているチャンネルから別のチャンネルに切り換える。
また、通信グループ1内の通信装置10a、通信装置20、通信装置30、通信装置40の制御手段の各々は、異なる通信グループ(ここでは通信グループ2)と同時期に同一のチャンネルを用いて通信を行わないように通信期間を制御する。ここでは、2つのチャンネルを交互に使用期間が重ならないように使用することで、同時期に同一のチャンネルを用いることを避けることができる。各通信グループが互いに同期をとる方法については後述する。
図5は、本実施例における通信グループ1及び通信グループ2の通信制御を各通信グループから見た動作を示す図であり、図4で示した動作と同様である。通信グループ1及び通信グループ2が、全体として5秒ごとにチャンネル1とチャンネル2とを交互に使用しており、通信グループ1と通信グループ2とで、2つのチャンネルを一定周期で交換していることがわかる。
図6は、本実施例における無線通信システムが通信グループをN個有する場合の各通信グループの通信制御をチャンネルから見た動作を示す図である。各通信グループは、全体としてT秒ごとにN個のチャンネルを順番に使用して通信を行っている。N個の通信グループがN個のチャンネルをT秒ごとに順番に切り換えて通信を行っているので、異なる通信グループと同時期に同一のチャンネルを用いて通信を行うことを避けることができる。
図7は、本実施例における無線通信システムが通信グループをN個有する場合の各通信グループの通信制御を各通信グループから見た動作を示す図であり、図6で示した動作と同様である。各通信グループは、全体としてT秒ごとにチャンネルを切り換えている。
次に、上述のように構成された本実施の形態の作用を説明する。図8は、本実施例の無線通信装置及び無線通信システムにおける制御部12aの通信制御を示すフローチャート図である。まず制御部12aは、チャンネル切換部13を用いてチャンネルを1にする(ステップS101)。当然、同じタイミングで同一通信グループ内の他の通信装置の制御部は、別のチャンネルを選ぶ。
次に制御部12aは、通信期間を開始する(ステップS103)。通信装置10aは、通信期間中に、必要があれば通信を行うことができる。
次に制御部12aは、タイマー15により計時された時間情報に基づき、1以上のフレームを送受信して通信を行うための所定の通信期間が経過したか否かを判断する(ステップS105)。ここで制御部12aは、通信期間がどの程度の長さであるかを示す通信期間情報をメモリ16から取得する。所定の通信期間を経過していない場合、ステップS103に戻って、制御部12aは通信を継続する。
所定の通信期間を経過した場合、制御部12aは、チャンネル切換部13を用いて、現在のチャンネルに1を足したチャンネルに切り換える(ステップS107)。現在のチャンネルが1であるならば、1+1=2であることから、チャンネル2に切り換える。
次に制御部12aは、切り換えたチャンネルがn+1と同一であるか否かを判断する(ステップS109)。nは、全体のチャンネル数であり、メモリ16にパターン情報として記憶されている。本実施例において、チャンネル数は2であるため、nは2である。したがって制御部12aは、チャンネルが3であるか否かを判断する。チャンネルが3である場合、ステップS101に戻って制御部12aは、再びチャンネルを1にする。チャンネルが3でない場合、ステップS103に戻って、制御部12aは、再び通信期間を開始する。
ステップS107及びステップS109(ステップS101に戻る場合はステップS101も含める)は、所定のチャンネル切換期間中に行われる。制御部12aは、タイマー15により計時された時間情報に基づき、チャンネル切換期間中にチャンネルの切換が終了するようにチャンネル切換部13を制御する。この際制御部12aは、チャンネル切換期間がどの程度の長さであるかを示すチャンネル切換期間情報をメモリ16から取得する。
上述のとおり、本発明の実施例1の形態に係る無線通信装置によれば、他の通信システム等により特定チャンネルが占有された場合であっても、他のチャンネルに切り換えることにより、通信を行うことができ、ユーザー間干渉の影響を軽減することができる。また、複数のチャンネルを使用することにより、マルチパス干渉の影響を軽減することができる。
また、通信期間情報とチャンネル切換期間情報とパターン情報とを記憶するメモリ16を備えるので、使用者はそれぞれの情報を書き換えることで、自由に通信形態を制御することができる。
さらに、本発明の実施例1の形態に係る無線通信システムによれば、同一通信グループ内の複数の無線通信装置の各々は、同じタイミングで通信期間とチャンネル切換期間とを交互に繰り返すとともに、所定のチャンネル切換期間中に同一のパターンに従い複数のチャンネルのうちの現在使用しているチャンネルから別のチャンネルに切り換えるので、ユーザー間干渉やマルチパス干渉の影響を軽減することができる。
また、異なる通信グループと同時期に同一のチャンネルを用いて通信を行わないように通信期間を制御するので、複数の通信グループが限られたチャンネル数で効率よく通信を行うことができる。
図9は、本発明の実施例2に係る無線通信システムが通信グループを4個有しかつチャンネル数が3個である場合の各通信グループの通信制御をチャンネルから見た動作を示す図である。本実施例における構成は、実施例1の構成と同じである。ただし、通信グループの数は4つであるとする。また、通信装置10aと同様の構成の無線通信装置が複数それぞれの通信グループに備えられている。
複数の制御手段の各々は、異なる通信グループが互いに通信期間をずらして各チャンネルが常にいずれかの通信グループにより使用されているように通信期間を制御する。
通信グループ1内の通信装置10aを例にとる。メモリ16は、通信期間を3T秒とする通信期間情報と、チャンネル切換期間をT秒とするチャンネル切換期間情報と、3つのチャンネルを順番に繰り返し使用するというパターン情報とを記憶する。また、図9において、無信号期間(休止期間)は存在しない。図9に示すように、各通信グループの通信期間をT秒ずらすことにより、3つのチャンネルで4つの通信グループが通信を行うことができる。
本実施例において、通信期間は、チャンネル切換期間の3倍であり、4個の通信グループが通信を行う。これを一般化すると以下のようになる。
チャンネル切換期間の時間を1とした時の通信期間の時間をPとする。Pが整数の場合、Pチャンネルを使用して(P+1)個の通信グループが通信する場合に最も効率が良い。また、同一チャンネルにおいて、通信グループXの通信期間の直後に通信グループ(X−1)が通信を行うように制御する。ここで、通信グループ1の次に、最大グループ番号である通信グループ(P+1)が通信を行う。さらに、Pが整数でない場合には、2つの方法がある。
1つ目は、(P×Q)が整数(最小が望ましい)となるQを計算し、(P×Q)チャンネルを使用し、((P+1)×Q)個のグループが通信を行う。例えば、Pが1.5の場合、Qは2となり、3チャンネルを5グループで使用する。この場合にチャンネル使用効率が最も良い。
2つ目は、(P+R)が整数(最小が望ましい)となるRを計算し、(P+R)チャンネルを使用し、(P+R+1)個のグループが通信を行う。例えば、Pが2.9の場合、Rは0.1となり、3チャンネルを4グループで使用する。この場合のRの時間は無信号期間とする。チャンネルの使用効率は100%とはならないが、少ないチャンネルおよびグループ数で効率の良いシステムを組むことができる。
図10は、本実施例における通信グループ1乃至通信グループ4の通信制御を各通信グループから見た動作を示す図であり、図9で示した動作と同様である。チャンネル切換期間(休止期間)は、斜線により示される。
次に、上述のように構成された本実施の形態の作用を説明する。本実施例における制御部12aの動作は、実施例1で説明した図8のフローチャート図と同様である。ただし、チャンネル数は3であるため、ステップS109においてn=3である。また、複数の制御手段の各々は、通信グループ1、通信グループ2、通信グループ3、通信グループ4の順にT秒ずつずれるように通信期間の開始を制御する。
上述のとおり、本発明の実施例2の形態に係る無線通信システムによれば、実施例1の効果に加え、異なる通信グループが互いに通信期間をずらして各チャンネルが常にいずれかの通信グループにより使用されているように通信期間を制御するので、チャンネル側から見ると無信号期間が存在せず、限られたチャンネルを効率良く使用することができる。
図11は、本発明の実施例3に係る無線通信装置の構成を示す図である。実施例1の通信装置10aの構成と異なる点は、本実施例における通信装置10bの制御部12bは、時間算出部14を有している点である。また、通信装置10bは、通信グループ1内に備えられている。さらに、本実施例において通信グループは4つであり、通信装置10bと同様の構成の無線通信装置が複数それぞれの通信グループに備えられている。
時間算出部14は、所定の通信期間において、タイマー15により計時された時間情報に基づき、現時刻から所定の通信期間の終わりまでの残時間を算出する。
制御部12bは、時間算出部14により算出された残時間よりも送信時間が長いフレームは送信せず、次回の通信期間にフレームを送信する。仮に制御部12bがその長いフレームを送信すると、フレームの途中で通信期間が終了し、フレームを送信しきることができないためである。したがって、通信期間の終わりが近づくにつれ、通信頻度は下がる。
図12は、本実施例に係る無線通信システムが通信グループを4個有しかつチャンネル数が3個である場合の各通信グループの通信制御をチャンネルから見た動作を示す図である。ここでメモリ16は、通信期間を3.5T秒とする通信期間情報と、チャンネル切換期間を0.5T秒とするチャンネル切換期間情報と、3つのチャンネルを順番に繰り返し使用するというパターン情報とを記憶する。また、通信グループ1内の他の通信装置が有するメモリや他の通信グループ内の通信装置が有するメモリも同様である。
図12において、無信号期間(休止期間)は存在しない。図12に示すように、各通信グループの通信期間をT秒ずらすことにより、3つのチャンネルで4つの通信グループが通信を行うことができる。
複数の制御手段の各々は、通信期間の終わりが近くて通信頻度が下がる第1通信グループと通信期間が始まる第2通信グループとの異なる2つの通信グループが、第1通信グループの通信頻度が下がる時期に同一のチャンネルを用いて通信を行うように通信期間を制御する。
例えば、通信グループ1の通信期間は3.5T秒であり、図12において、時刻0Tから時刻3.5Tまでは、チャンネル1を用いて通信を行うことができる。しかし、制御部12bは、時間算出部14により算出された残時間よりも送信時間が長いフレームは送信せず、次回の通信期間にフレームを送信するので、通信期間の終わりが近づくにつれ、通信頻度が下がる。図12において、通信グループ1は、時刻2.5Tから通信頻度が下がり始め、時刻3.5Tではほとんど通信が行われていない。そこで、通信グループ1の通信頻度がある程度下がった時刻3Tから通信グループ4は、チャンネル1において通信を開始する。
図13は、本実施例における通信グループ1乃至通信グループ4の通信制御を各通信グループから見た動作を示す図であり、図12で示した動作と同様である。チャンネル切換期間(休止期間)は、斜線により示される。
次に、上述のように構成された本実施の形態の作用を説明する。図14は、本実施例の無線通信装置及び無線通信システムにおける制御部12bの通信制御を示すフローチャート図である。実施例1において説明した図8のフローチャートと異なる点は、ステップS103にて通信を行う前に、制御部12bが、時間算出部14により算出された残時間よりもフレームの送信時間が長いか否かを判断する点である(ステップS102)。時間算出部14により算出された残時間がフレームの送信時間よりも長い場合には、制御部12bは、フレームを送信して通信を行う(ステップS103)。時間算出部14により算出された残時間がフレームの送信時間よりも短い場合には、フレームは送信せず、ステップS105の通信期間が経過したか否かの判断に移る。また、送信されなかったフレームは、例えばメモリ16に記憶され、次回の通信期間に送信される。後の動作は、図8のフローチャートと同様である。
図15は、2種類のMAC(メディアアクセス制御)層方式を説明する図である。多数の端末が一つの一本の信号線を共有するネットワークでは、同時に複数の端末がデータを送信してしまう「衝突」を避ける必要がある。MACは、LAN等で利用される伝送制御技術であり、上述したような「衝突」を避けるための制御を行う。
CSMA方式は、LANのMAC層の分散型アクセス制御方式である。この方式では、LAN上の各機器は、チャンネル上のキャリアの有無を検知して、キャリアが無い場合にフレームを送信する。しかしながら、伝送遅延等によりキャリアを検出できずにフレームを送信した場合には、フレームの衝突が起こる。
トークンパッシング方式は、LANのアクセス制御方式の一つで、トークンと呼ばれる「送信権」データがネットワークを常に周回し、これを取り込んだ端末がデータを送信する方式である。
MAC層の通信手段によらず、制御部12bは、時間算出部14により算出された残時間よりもフレームの送信時間が長いか否かを判断し、上述した動作を行う。
図16は、一般的なフレーム構造を示す。PAは、プリアンブルを指し、フレームのビット同期を取るためのパターンである。SDは、スタートデリミタを指し、フレームのバイト同期を取るためのパターンである。FCは、フレームコントロールを指し、フレームの種類等を示す。FCSは、フレームチェックシーケンスを指し、データの正常性検査用データである。EDは、エンドデリミタを指し、フレームの最後を示すパターンである。
上述のとおり、本発明の実施例3の形態に係る無線通信装置及び無線通信システムによれば、実施例1及び実施例2の効果に加え、制御部12bは、時間算出部14により算出された残時間よりも送信時間が長いフレームは送信せず、次回の通信期間にフレームを送信するので、不要なフレーム送信を行わない。また、複数の制御手段の各々は、通信期間の終わりが近くて通信頻度が下がる第1通信グループと通信期間が始まる第2通信グループとの異なる2つの通信グループが第1通信グループの通信頻度が下がる時期に同一のチャンネルを用いて通信を行う(通信期間を重ねる)ので、限られたチャンネルを効率良く使用することができる。
図17は、本発明の実施例4に係る無線通信装置の構成を示す図である。実施例3の構成と異なる点は、本実施例における通信装置10cの制御部12cは、同期データ生成部21を有している点である。また、通信装置10cは、通信グループ1内に備えられている。さらに、本実施例において通信グループは2つであり、通信装置10cと同様の構成の無線通信装置が複数それぞれの通信グループに備えられている。
同期データ生成部21は、通信装置10cと同一構成の他の無線通信装置との間で所定の通信期間及び所定のチャンネル切換期間の同期をとるための同期データを生成する。本実施例において同期データ生成部21は、時間算出部14により算出された残時間に基づき同期データを生成する。また、同期データは、タイマー15により計時された自己の電源投入時からの経過時間に基づく有効値、及び自己が属する通信グループを識別するためのグループ番号を有する。
有効値は、同期を取る場合に、いずれの通信装置に他の通信装置が同期を合わせるかを示す数値であり、最も有効値の大きい通信装置に同期を合わせる。本実施例においては、自己の電源投入時からの経過時間を有効値として用いる。すなわち、最も長く稼動している通信装置に他の通信装置が同期を合わせる。新たに電源が入った通信装置がフレームを送信した場合に、長らく同期が取れている他の通信装置の同期が一斉に新しく電源が入った装置にあってしまうとすると、新しく通信装置の電源を入れる度に再同期が発生してしまい、システムとして不安定になるからである。
有効値の他の例として、自装置に近い残時間を持つ装置数(無線を通して受信した装置からのフレームから計数する)を用いることもできる。
なお、本実施例においては同期データとして残時間を用いているが、通信期間の先頭等の固定タイミングで送信するフレームの場合は、省略可能である。また、別な値として図示されない同期用タイマーを用いることもできる。同期用タイマーは、例えばチャンネル1での通信期間の開始からの経過時間を計時し、再びチャンネル1での通信期間が開始した時にリセットされるとする。この同期用タイマーから、どのチャンネルを使用する通信期間であるか又はチャンネル切換期間であるかを判断し、若しくは通信期間の残時間を算出することもできる。
また、複数の通信グループが同一チャンネルを時間をずらして使用する場合は、同期データ中にグループ番号を入れる。このフレームを受信した通信装置は、グループ番号から自装置が属する通信グループの同期用タイマー値を計算する。このようにして、簡単に複数の通信グループの各々が備える複数の通信装置の同期を取ることができる。
制御部12cは、同期データ生成部21により生成された同期データを送信するフレーム内に付加する。
図18は、本実施例における通信装置10c内の同期データ生成部21が生成する同期データに用いる残時間を説明する図である。斜線は、通信グループ1内の通信装置10cが送信するフレームを示す。通信期間に送信したフレームには、そのフレームの末尾(フレームのどの位置でも可能)から通信期間の終わりまでの時間を示す残時間が付加されている。
チャンネル1使用通信期間の最初に送信されたフレームは、残り時間1が同期データとして付加されている。チャンネル1使用通信期間の2番目に送信されたフレームは、残り時間2が同期データとして付加されている。また、チャンネル2使用通信期間に送信されたフレームは、残り時間3が同期データとして付加されている。
図19は、同期データによる同期維持方法を示す図である。フレームを受信した装置2及び装置3が有する制御手段の各々は、最初にフレーム中の有効値と自装置の有効値とを比較し、自装置の有効値が大きい場合は、自装置の方が稼働時間の長い古参であると判断し、そのフレームで同期の取り直しは行わない。図19の例においては、装置2及び装置3が有する制御手段の各々は、自装置の有効値が小さく、自装置は新参者であると判断し、フレームに付加された残時間から自装置の同期用タイマーを修正する。
ここで装置2が有する制御手段は、装置1に比べて通信期間が早く始まっていたが、装置1から送信されたフレームに付加された同期データを参照することにより、通信期間を延長して装置1に同期を合わせた。また装置3が有する制御手段は、装置1に比べて通信期間が遅く始まっていたが、装置1から送信されたフレームに付加された同期データを参照することにより、通信期間を短縮して装置1に同期を合わせた。このようにして装置2及び装置3は、装置1に同期し、全装置の同期を取ることができる。
ここで、同一通信グループ内に180度位相がずれたサブグループができた場合を考える。図20は、通信グループ1内に、2つのサブグループが存在する場合の各サブグループの通信制御をサブグループから見た動作を示す図である。サブグループJとサブグループKとは、同一通信グループ内であるため、使用者としてはお互いに通信を行うことを希望している。
サブグループJとサブグループKは、同一通信グループであるため、同一の通信期間情報及びチャンネル切換期間情報を有している。したがって、2つのサブグループは、いずれも全体として5秒ごとに2つのチャンネルを交互に使用して通信を行っているが、互いに180度位相がずれているため、クロック精度が良い場合には、いつまでも同一チャンネルを使用して通信を行う機会が訪れず、サブグループを解消することができない。同一チャンネルを使用して通信を行う機会が訪れれば、両サブグループは、上述した同期データが付加されたフレームを送信し合うことにより、同期を取ることができる。
図21は、本実施例に係る無線通信システムの通信グループ1及び通信グループ2の通信制御を各通信グループから見た動作を示す図である。本実施例において、同一通信グループ内の複数の無線通信装置の制御手段の各々は、同じタイミングで通信期間とチャンネル切換期間とを交互に繰り返すように通信を制御するとともに、通信期間の長さをチャンネル毎に変える。
図21において、通信グループ1は、チャンネル1を使用する通信期間が長く、チャンネル2を使用する通信期間が短い。逆に通信グループ2は、チャンネル1を使用する通信期間が短く、チャンネル2を使用する通信期間が長い。ただし、いずれも通信期間は、チャンネル切換期間よりも充分長いものとする。
このようにチャンネル毎の通信期間の長さを変えることにより、図20で説明したような同一通信グループ内に180度位相がずれたサブグループができた場合の問題点を解決することができる。その理由は、図22に示される。
図22は、本実施例に係る無線通信システムのサブグループJ及びサブグループKの通信制御をサブグループから見た動作を示す図である。2つのサブグループは、いずれも通信グループ1に属するため、図21で説明したように、チャンネル1を使用する通信期間が長く、チャンネル2を使用する通信期間が短い。したがって、仮に180度位相が互いにずれていたとしても、サブグループ間で通信できる重複期間(図22で菱形で示した期間)ができる。複数の制御手段の各々は、この重複期間に同期データが付加されたフレームを送信することで、同期を合わせて、ずれを解消することができる
次に、上述のように構成された本実施の形態の作用を説明する。本実施例における無線通信装置及び無線通信システムの動作は、図8で説明した実施例1の動作と同様である。ただし、ステップS103で通信を行う際に、制御部12cは、同期データ生成部21により生成された同期データを送信するフレーム内に付加して同期を取る。
また、ステップS105で所定の通信期間を経過したか否かを判断する際に、制御部12cは、チャンネル毎に異なる通信期間を参照する。したがって、メモリ16は、チャンネル毎に異なる通信期間情報を記憶する。後の動作は、図8のフローチャートと同様である。
上述のとおり、本発明の実施例4の形態に係る無線通信装置によれば、制御部12cは、同期データ生成部21を有するとともに、同期データ生成部21により生成された同期データを送信するフレーム内に付加するので、同一通信グループ内の他の無線通信装置と同期をとることができ、同報通信も容易にできる。
また同期データは、時間算出部14により算出された残時間に基づき生成されたので、同一通信グループ内の複数の通信装置の通信期間のタイミングを合わせて正しく同期を取ることができる。
さらに同期データは、タイマー15により計時された自己の電源投入時からの経過時間に基づく有効値、及び自己が属する通信グループを識別するためのグループ番号を有するので、最も長く稼動している通信装置に他の通信装置が同期を合わせ、安定したシステムを構成することができるとともに、複数の通信グループが存在する場合であっても正しく同期を取ることができる。
さらに、本発明の実施例4の形態に係る無線通信システムによれば、同一通信グループ内の複数の無線通信装置の制御手段の各々は、同じタイミングで通信期間とチャンネル切換期間とを交互に繰り返すように通信を制御するとともに、通信期間の長さをチャンネル毎に変えるので、同一通信グループ内に同期のとれていない無線通信装置が存在した場合にも、効率よく同期をとることができる。
実施例4に係る無線通信システムを用いた場合、通信期間の長いチャンネルが衝突等により使用できない場合には、ずれを解消できない可能性がある。例えば、図22において、チャンネル1が衝突により使用できない場合には、重複期間が生じないため、2つのサブグループは、互いに同期を取ることができないという問題が発生する。この問題を解決する方法として、実施例5が考えられる。
図23は、本発明の実施例5に係る無線通信装置の構成を示すブロック図である。実施例4の構成と異なる点は、本実施例における通信装置10dの制御部12dは、乱数発生部24を有している点である。また、通信装置10dは、通信グループ1内に備えられている。さらに、本実施例において通信グループは2つであり、通信装置10dと同様の構成の無線通信装置が複数それぞれの通信グループに備えられている。
乱数発生部24は、同一通信グループ内で共通の乱数を発生させる。
制御部12dは、乱数発生部24により発生した共通の乱数に基づいて通信期間の長さを決定する。
図24は、通信グループ1内の通信装置10dが有する乱数発生部24が擬似ノイズ(M系列乱数等)信号に基づき決定した通信期間を示す図である。また図25は、通信グループ1内のサブグループD及びサブグループEの通信制御をサブグループから見た動作を示す図である。重複期間は、菱形で示されている。
擬似ノイズは、自己相関は高く、相互相関は低いことが知られている。そのため、図25のようにサブグループ間に通信期間のずれが生じたとしても、各サブグループ間での相互相関は低く、必ず同一チャンネルを使用する時間帯が発生する。したがって、仮に複数のチャンネルに衝突が発生してそれらのチャンネルが不通になったとしても、1つでも正常なチャンネルがあれば、同期データが付加されたフレームを送信して、ずれを解消することができる。
以上のようにして、同一通信グループ内の複数の制御手段の各々は、サブグループ間に発生する通信期間のずれを解消することができる。
また、図26は、本実施例に係る無線通信システムの通信グループ1及び通信グループ2の通信制御の1例を各通信グループから見た動作を示す図である。本実施例において、同一通信グループ内の複数の無線通信装置の制御手段の各々は、同じタイミングで通信期間とチャンネル切換期間とを交互に繰り返すように通信を制御するとともに、乱数発生部24により発生した共通の乱数に基づいて通信期間の長さを決定する。
図26に示すように、サブグループ間の場合と同様、菱形で示したような同一チャンネルを使用する重複期間が発生する。したがって、この期間に他の通信グループの通信を傍受することにより、複数の制御手段の各々は、異なる通信グループが同時期に同一チャンネルを使用しないように通信期間の制御を行うことが容易になる。ただし、同期データは、グループ番号の情報を含む必要がある。
次に、上述のように構成された本実施の形態の作用を説明する。本実施例における無線通信装置及び無線通信システムの動作は、実施例4の動作と同様である。ただし、図8のステップS105で所定の通信期間を経過したか否かを判断する際に、制御部12cは、乱数発生部24により発生した共通の乱数に基づいて通信期間を決定する。後の動作は、図8のフローチャートと同様である。
上述のとおり、本発明の実施例5の形態に係る無線通信装置及び無線通信システムによれば、乱数発生部24時間により発生した共通の乱数に基づいて通信期間の長さを決定するので、実施例4の効果に加え、仮に複数のチャンネルに衝突が発生してそれらのチャンネルが不通になったとしても、1つでも正常なチャンネルがあれば、同期データが付加されたフレームを送信して、ずれを解消することができる。さらに、異なる通信グループ間においても、通信期間のずれが生じた場合には、同一チャンネルの重複使用期間にフレームを送信し合うことにより、通信期間のずれを解消することができる。
図27は、MAC層にCSMA方式を用いた場合の送信タイミングを示す図である。通信期間内にフレームの送信要求が発生した場合、フレームは、そのまま送信される。しかしながら、通信期間内に送信完了できないような通信期間の末期及びチャンネル切換期間に発生した送信要求は、次回の通信期間の先頭に一斉に送信が行われる。そのため、通常、送信要求は通信期間のいずれのタイミングにかかわらず均等に分散されるが、通信期間の先頭では毎回通信頻度が上がり、特にCSMA方式においては衝突確率が高くなり、遅延やフレーム消失確率が高くなるという問題が生ずる。この問題を解決する方法として、以下に示す実施例6が考えられる。
図28は、本発明の実施例6に係る無線通信装置の構成を示すブロック図である。実施例3の構成と異なる点は、本実施例における通信装置10eの制御部12eは、遅延時間算出部22を有している点である。また、通信装置10eは、通信グループ1内に備えられている。さらに、本実施例において通信グループは1つであり、通信装置10eと同様の構成の無線通信装置が複数備えられている。
遅延時間算出部22は、タイマー15により計時された時間情報に基づき、所定の通信期間及び所定のチャンネル切換期間のタイミングに対応してフレームを送信する時刻を遅延させる時間を算出する。なお、本実施例において時間算出部14は必須ではないが、例えば遅延時間算出部22は、時間算出部14により算出された残時間に基づきフレームを送信する時刻を遅延させる時間を算出することも可能である。
制御部12eは、遅延時間算出部22により算出された時間に基づきフレームの送信時刻を遅延させる。
図29は、本実施例に係る無線通信装置を用いた場合の送信タイミングを示す図である。送信要求時期に対して、実際の送信時期は、遅延時間関数に応じて遅延される。遅延時間算出部22は、この遅延時間関数を内部に有しており、通信期間及びチャンネル切換期間のサイクル時間位置に対応する遅延時間を算出する。制御部12eは、送信要求のあったフレームにその遅延時間分だけ遅延し、送信部18を介して送信する。図29の例では、遅延時間関数は、一律な減衰関数である。1フレームが送信できない通信期間の末期である時刻t0において、遅延時間は、最小から最大になる。その後、チャンネル切換期間の始まりである時刻t1及びチャンネル切換期間の終わりである時刻t2を経るにしたがい遅延時間は徐々に減衰し、次の通信期間の末期である時刻t3において再び遅延時間は、最小から最大になる。
次に、上述のように構成された本実施の形態の作用を説明する。本実施例における無線通信装置の動作は、実施例1の動作と同様である。ただし、図8のステップS103で通信を行う際に、制御部12eは、遅延時間算出部22により算出された時間に基づいてフレームの送信時刻を遅延させる。後の動作は、図8のフローチャートと同様である。
上述のとおり、本発明の実施例6の形態に係る無線通信装置によれば、図29に示すように、遅延時間算出部22を備えることで、実際の送信時期は通信期間の中で一様に分散される。そのため、衝突確率は大幅に軽減し、大きな遅延やフレーム消失確率が少なくなる。
本発明は、特定小電力無線等により制御を行うビル空調用無線コントローラに適用可能である。
本発明の実施例1の形態の無線通信装置及び無線通信システムの構成を示すブロック図である。
本発明の実施例1の形態の無線通信システムにおける通信グループの通信制御をチャンネルから見た動作を示す図である。
本発明の実施例1の形態の無線通信システムにおける通信グループの通信制御を通信グループから見た動作を示す図である。
本発明の実施例1の形態の無線通信システムおける通信グループ1及び通信グループ2の通信制御をチャンネルから見た動作を示す図である。
本発明の実施例1の形態の無線通信システムおける通信グループ1及び通信グループ2の通信制御を通信グループから見た動作を示す図である。
本発明の実施例1の形態の無線通信システムが通信グループをN個有する場合の各通信グループの通信制御をチャンネルから見た動作を示す図である。
本発明の実施例1の形態の無線通信システムが通信グループをN個有する場合の各通信グループの通信制御を通信グループから見た動作を示す図である。
本発明の実施例1の形態の無線通信装置の制御部の動作を示すフローチャート図である。
本発明の実施例2の形態の無線通信システムが通信グループを4個有しかつチャンネル数が3個である場合の各通信グループの通信制御をチャンネルから見た動作を示す図である。
本発明の実施例2の形態の無線通信システムの通信グループ1乃至通信グループ4の通信制御を各通信グループから見た動作を示す図である。
本発明の実施例3の形態の無線通信装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施例3の形態の無線通信システムが通信グループを4個有しかつチャンネル数が3個である場合の各通信グループの通信制御をチャンネルから見た動作を示す図である。
本発明の実施例3の形態の無線通信システムの通信グループ1乃至通信グループ4の通信制御を各通信グループから見た動作を示す図である。
本発明の実施例3の形態の無線通信装置の制御部の動作を示すフローチャート図である。
2種類のMAC層方式を説明する図である。
一般的なフレーム構造を示す図である。
本発明の実施例4の形態の無線通信装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施例4の形態の無線通信装置内の同期データ生成部が生成する同期データに用いる残時間を説明する図である。
本発明の実施例4の形態の無線通信システムにおいて同期データによる同期維持方法を示す図である。
通信グループ1内に2つのサブグループが存在する場合の各サブグループの通信制御をサブグループから見た動作を示す図である。
本発明の実施例4の形態の無線通信システムの通信グループ1及び通信グループ2の通信制御を各通信グループから見た動作を示す図である。
本発明の実施例4の形態の無線通信システムのサブグループJ及びサブグループKの通信制御をサブグループから見た動作を示す図である。
本発明の実施例5の形態の無線通信装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施例5の形態の無線通信装置が有する乱数発生部が擬似ノイズ信号に基づき決定した通信期間を示す図である。
本発明の実施例5の形態の無線通信システムの通信グループ1内のサブグループD及びサブグループEの通信制御をサブグループから見た動作を示す図である。
本発明の実施例5の形態の無線通信システムの通信グループ1及び通信グループ2の通信制御の1例を各通信グループから見た動作を示す図で
MAC層にCSMA方式を用いた場合の送信タイミングを示す図である。
本発明の実施例6の形態の無線通信装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施例6の形態の無線通信装置を用いた場合の送信タイミングを示す図である。
符号の説明
1、2 通信グループ
10a、10b、10c、10d 通信装置
12a、12b、12c、12d 制御部
13 チャンネル切換部
14 時間算出部
15 タイマー
16 メモリ
17 周波数発生部
18 送信部
19 受信部
20 通信装置
21 同期データ生成部
22 遅延時間算出部
24 乱数発生部
30、40、50、60、70、80 通信装置