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JP4870437B2 - 偏向収差補正電圧の演算方法及び荷電粒子ビーム描画方法 - Google Patents
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JP4870437B2 - 偏向収差補正電圧の演算方法及び荷電粒子ビーム描画方法 - Google Patents

偏向収差補正電圧の演算方法及び荷電粒子ビーム描画方法 Download PDF

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Description

本発明は、偏向収差補正電圧の演算方法及び荷電粒子ビーム描画方法に係り、例えば、電子ビームを可変成形させながら試料に電子ビームを照射する電子ビーム描画方法及び描画する際に生じる偏向収差を補正する補正電圧の取得方法に関する。
半導体デバイスの微細化の進展を担うリソグラフィ技術は半導体製造プロセスのなかでも唯一パターンを生成する極めて重要なプロセスである。近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。これらの半導体デバイスへ所望の回路パターンを形成するためには、高精度の原画パターン(レチクル或いはマスクともいう。)が必要となる。ここで、電子線(電子ビーム)描画技術は本質的に優れた解像性を有しており、高精度の原画パターンの生産に用いられる。
図23は、従来の可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。
可変成形型電子線描画装置(EB(Electron beam)描画装置)における第1のアパーチャ410には、電子線330を成形するための矩形例えば長方形の開口411が形成されている。また、第2のアパーチャ420には、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330を所望の矩形形状に成形するための可変成形開口421が形成されている。荷電粒子ソース430から照射され、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330は、偏向器により偏向され、第2のアパーチャ420の可変成形開口421の一部を通過して、所定の一方向(例えば、X方向とする)に連続的に移動するステージ上に搭載された試料340に照射される。すなわち、第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形開口421との両方を通過できる矩形形状が、X方向に連続的に移動するステージ上に搭載された試料340の描画領域に描画される。第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形開口421との両方を通過させ、任意形状を作成する方式を可変成形方式という。
そして、試料340に所定のパターンを描画する場合に、偏向非点や像面湾曲等の偏向収差が生じる場合があり、かかる偏向収差を補正する技術の開発が試みられている。
ここで、偏向収差に関連する技術として、偏向による光学収差ぼけや電子ビーム形状寸法誤差を補正するために、制御電圧を独立に制御できる回転対称型のラウンド式電子レンズを用いて偏向荷電ビームの条件に応じて各エレクトロードへの電圧を制御することにより荷電ビームを制御するとする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−216690号公報
上述したように、描画装置において、マスク等の試料に所定のパターンを描画する場合に、偏向非点や像面湾曲等の偏向収差が生じる。そして、近年のLSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化され、その寸法精度が厳しくなるにつれ、かかる偏向収差が寸法精度を左右する要因として支配的になってきている。しかしながら、従来は、かかる偏向収差を偏向器等で補正する際の補正電圧が適正であったかどうかその補正の残差を詳細に調査する手法が確立されていなかった。
そこで、本発明は、かかる問題点を克服し、偏向収差の補正残差の確認を容易にすると共に、より適当な偏向収差の補正電圧を求める方法および描画方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様の偏向収差補正電圧の演算方法は、
複数のフォーカス高さ位置で照射量を変数として所定のパターンを描画する描画工程と、
複数のフォーカス高さ位置で照射量を変数として描画された各所定のパターンの幅寸法の寸法変動量を測定する寸法変動量測定工程と、
寸法変動量を用いて、描画された各所定のパターンの実効分解能を演算する実効分解能演算工程と、
各所定のパターンの実効分解能が最小となるフォーカス高さ位置に基づいて、荷電粒子ビームを偏向する場合の偏向収差を補正する補正電圧を演算する補正電圧演算工程と、
を備えたことを特徴とする。
フォーカス高さ位置を変数として、複数のフォーカス高さ位置で上述した所定のパターンを描画することで、各フォーカス高さ位置で描画した場合における各所定のパターンの幅寸法の寸法変動量を測定することができる。そして、かかる寸法変動量をパラメータとして、各フォーカス高さ位置で描画した場合における各所定のパターンの実効分解能を演算により求めることができる。そして、かかる実効分解能が最小となるフォーカス高さ位置により偏向収差に対する補正が十分かどうかを確認することができる。言い換えれば、実効分解能が最小となるフォーカス高さ位置が、基準となる高さ位置から偏差が生じていれば、補正残差が存在することを確認することができる。そして、各所定のパターンの実効分解能が最小となるフォーカス高さ位置に基づいて、荷電粒子ビームを偏向する場合の偏向収差を補正する補正電圧を演算することで、より適当な偏向収差の補正電圧を求めることができる。
そして、上述した所定のパターンとして、x方向とy方向の各幅を有するパターンを用いると好適である。
x方向とy方向の各幅を有するパターンを用いることで、x方向とy方向の各寸法変動量を測定することができる。
そして、実効分解能演算工程において、x方向とy方向の各実効分解能を演算することを特徴とする。
x方向とy方向の各実効分解能を演算することで、x方向とy方向の各実効分解能を最小とするフォーカス高さ位置を得ることができる。
そして、補正電圧演算工程において、前記偏向収差として、像面湾曲と非点収差とを補正する各補正電圧を演算することを特徴とする。
後述するように、x方向とy方向の各実効分解能を最小とするフォーカス高さ位置を得ることで、像面湾曲と非点収差とを補正する各補正電圧を演算することができる。そして、像面湾曲と非点収差とを補正する各補正電圧を得ることで、より適当な偏向収差の補正電圧を求めることができる。
本発明の一態様の荷電粒子ビーム描画方法は、
複数のフォーカス高さ位置で照射量を変数として所定のパターンを描画する描画工程と、
前記複数のフォーカス高さ位置で照射量を変数として描画された各所定のパターンの実効分解能が最小となるフォーカス高さ位置に基づいて、荷電粒子ビームを偏向する場合の偏向収差を補正する補正電圧を演算する補正電圧演算工程と、
かかる補正電圧を用いて、荷電粒子ビームを偏向して試料に所望するパターンを描画する描画工程と、
を備えたことを特徴とする。
上述したように、実効分解能が最小となるフォーカス高さ位置に基づいて、荷電粒子ビームを偏向する場合の偏向収差を補正する補正電圧を演算することで、より適当な偏向収差の補正電圧を得ることができる。そして、かかる補正電圧を用いて、荷電粒子ビームを偏向して試料に所望するパターンを描画することで、偏向収差を低減したより高精度な寸法のパターンを描画することができる。
本発明によれば、荷電粒子ビームを偏向する場合の偏向収差を補正する補正電圧を演算することができるので、より適当な偏向収差の補正電圧を求めることができる。さらに、かかる補正電圧を用いてより高精度な寸法のパターンを描画することができる。
以下、実施の形態では、荷電粒子ビームの一例として、電子ビームを用いた構成について説明する。但し、荷電粒子ビームは、電子ビームに限るものではなく、イオンビーム等の荷電粒子を用いたビームでも構わない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における電子ビーム描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。
図1において、偏向収差補正電圧の演算方法は、パラメータ設定(1)工程(S102)と、描画工程(1)(S104)と、ΔCD測定工程(1)(S106)と、z変更工程(S108)と、実効分解能演算工程(1)(S110)と、パラメータ設定(2)工程(S202)と、描画工程(2)(S204)と、ΔCD測定工程(2)(S206)と、z変更工程(S208)と、実効分解能演算工程(2)(S210)と、係数演算工程(S302)と、最適補正電圧演算工程(S304)という一連の工程を実施する。そして、電子ビーム描画方法は、かかる偏向収差補正電圧の演算方法の各工程に、さらに、描画工程(S306)という一連の工程を実施する。
図2は、実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。
図2において、荷電粒子ビーム描画装置の一例である描画装置100は、描画部150を構成する電子鏡筒102、描画室103、XYステージ105、電子銃201、照明レンズ202、第1のアパーチャ203、投影レンズ204、偏向器205、第2のアパーチャ206、対物レンズ207、偏向器208を備え、制御系として偏向制御部の一例となる偏向制御回路112、偏向アンプ110を備えている。
そして、電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、第1のアパーチャ203、投影レンズ204、偏向器205、第2のアパーチャ206、対物レンズ207、偏向器208が配置されている。描画室103内には、XYステージ105が配置されている。図1では、本実施の形態1を説明する上で必要な構成部分以外については記載を省略している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成が含まれることは言うまでもない。
電子銃201から出た荷電粒子ビームの一例となる電子ビーム200は、照明レンズ202により矩形例えば長方形の穴を持つ第1のアパーチャ203全体を照明する。ここで、電子ビーム200をまず矩形例えば長方形に成形する。そして、第1のアパーチャ203を通過した第1のアパーチャ像の電子ビーム200は、投影レンズ204により第2のアパーチャ206上に投影される。かかる第2のアパーチャ206上での第1のアパーチャ像の位置は、偏向器205によって偏向制御され、ビーム形状と寸法を変化させることができる。そして、第2のアパーチャ206を通過した第2のアパーチャ像の電子ビーム200は、対物レンズ207により焦点を合わせ、偏向制御回路112に制御された例えば静電型の偏向器208により偏向され、移動可能に配置されたXYステージ105上の試料101の所望する位置に照射される。かかる場合に、偏向制御回路112では、本来の偏向量だけ電子ビーム200を偏向させるための偏向電圧の他に、像面湾曲や非点といった偏向収差を補正するための補正電圧を加算した電圧が偏向器208に印加されるように偏向アンプ110に信号を出力する。
図3は、実施の形態1における評価用パターンの一例を示す図である。
図3において、評価用パターンとして、試料101における偏向フィールド20に、x方向とy方向の各幅を有するパターンであるコンタクトホールパターン10(所定のパターンの一例)を形成する。コンタクトホールパターン10を用いることで、x方向とy方向のパターン幅寸法(CD)を測定することができる。
図4は、寸法変動量と照射量との関係を示す図である。
まず、最適な補正電圧を求めるための工程に入るまえに、複数のフォーカス高さ位置(z値)で照射量(Dose)を変数として描画した場合におけるパターン幅の寸法変動量(ΔCD)の変化を測定する。本実施の形態1における偏向収差補正電圧の演算方法では、後述するようにフォーカス高さ位置(z値)を振って、各場合のΔCDを測定することによって、最適な偏向収差補正電圧を求める。図4では、一例として、理論上のベストフォーカス値となるフォーカス高さ位置z=±0と、かかるベストフォーカス値から20μm高くした位置となるフォーカス高さ位置z=+20μmと、かかるベストフォーカス値から20μm低い位置となるフォーカス高さ位置z=−20μmとの各場合で、寸法変動量と照射量との関係を求めている。
ここで、Dose値によっては、フォーカス高さ位置(z値)を振ってもΔCDが変化せず一定値をとる不動照射量(Diso)が存在する。そこで、図4に示すグラフを求めておくことで、かかるDisoの値を予め求めておき、かかる値よりも大きな値で後述する偏向収差補正電圧の演算方法を実行していくとよい。すなわち、フォーカス高さ位置(z値)を振ることで、ΔCDが変化する範囲におけるDoseを用いて最適な偏向収差補正電圧を求めていく。以下、偏向収差補正電圧の演算方法の各工程について説明する。
S(ステップ)102において、パラメータ設定(1)工程として、描画装置に図3で示した評価パターンを試料101に描画するにあたって、各パラメータを設定する。ここでは、特に、図4に示すDose設定範囲内のDoseを用いる。そして、予めある程度予想しておいた像面湾曲を補正するための仮の補正電圧V10と非点収差を補正するための仮の補正電圧V20を設定する。よって、偏向器208には、本来の偏向電圧Vの他に、補正電圧としてV10+V20が加算される。
S104において、第1の描画工程の一例となる描画工程(1)として、第1の所定の補正電圧(ここでは、V10とV20)を用いて偏向器208で電子ビーム200を偏向させ、偏向された位置に複数のフォーカス高さ位置z(焦点位置)で図3に示した各コンタクトホールパターンを描画する。フォーカス高さ位置は、対物レンズ207で制御することができる。フォーカス高さ位置は、例えば、ベストフォーカス位置(z=±0)から±20μmの範囲で振っていくと好適である。例えば、2.5μmずつ変更しながら各フォーカス位置におけるすべてのコンタクトホールパターン10を描画する。ここでは、まず、ベストフォーカス位置(z=±0)から−20μmのフォーカス高さ位置(z=−20μm)に合わせてすべてのコンタクトホールパターン10を描画する。
S106において、第1の寸法変動量測定工程の一例となるΔCD測定工程(1)として、第1の所定の補正電圧(上述したV10とV20)を用いて複数のフォーカス高さ位置で描画された各コンタクトホールパターン10の幅寸法CDの寸法変動量ΔCD(第1の寸法変動量の一例)を測定する。かかる寸法変動量ΔCDは、基準となるパターン幅寸法の基準値CDから測定されたCDを差し引いて求めればよい。また、コンタクトホールパターン10を用いているため、すべてのコンタクトホールパターン10について、x方向とy方向の各CDを測定して、x方向とy方向の各ΔCDを求める。
S108において、z変更工程として、フォーカス高さ位置の設定を変更して、S104に戻る。例えば、設定されていたフォーカス高さ位置(z=−20μm)を2.5μm変更したフォーカス高さ位置(z=−17.5μm)に設定する。そして、上述した描画工程(1)とΔCD測定工程(1)とを行なう。これを繰り返して、ベストフォーカス位置(z=±0)から例えば上述した±20μmの範囲で振って各フォーカス高さ位置zにおけるすべてのコンタクトホールパターン10のx方向とy方向の各ΔCDを測定する。
S110において、第1の実効分解能演算工程の一例となる実効分解能演算工程(1)として、x方向とy方向の各寸法変動量ΔCDを用いて、描画された各コンタクトホールパターン10の実効分解能σblur(第1の実効分解能)を演算する。
図5は、Thresholdモデルにおけるパターンプロファイルの一例を示す図である。
寸法変動量をΔCD、閾照射量をDth、照射量をDose、前方散乱電子に対する後方散乱電子の比(近接効果パラメータ)をη、パターン密度をU、レジスト内蓄積エネルギーをE(x)、パターン幅寸法の基準値をCDとすると、レジスト中に蓄積されたエネルギープロファイルをあるレベル(閾値)で切ったときの線幅をプロセス処理後の線幅とするThresholdモデルにおけるパターンプロファイルは、図5のように示すことができる。ここで、Δxは、ΔCDの半分を示している。図5では、閾照射量(Dth)が上述した不動照射量(Diso)から外れた値となっているため、Δx、しいてはΔCDが存在している。ここでは、理解しやすいようにx方向のみ記載しているが、y方向にも同様にパターンプロファイルを構成することができる。かかるThresholdモデルにおけるパターンプロファイルの実効分解能σblurは、以下のように示すことができる。
図6は、実効分解能を求める式を示した図である。
各コンタクトホールパターン10について、測定されたx方向とy方向の各寸法変動量ΔCDを用いて、図6に示す式により、実効分解能σblurとして、x方向の実効分解能σとy方向の実効分解能σを演算することができる。図6に示す式において、近接効果パラメータηは、予め実験等により別途求めておけばよい。パターン密度Uは、コンタクトホールパターン10のパターン密度を用い、閾照射量Dthは、理論上の所望する線幅CDとなる照射量を用いればよい。
図7は、実施の形態1におけるパラメータの一部と実行分解能とをあらわす表の一例をで示す図である。
図7では、各コンタクトホールパターン10をx方向とy方向の座標(x,y)として示している。そして、各座標において、フォーカス高さ位置zを振って、各場合のx方向の実効分解能σとy方向の実効分解能σを示している。ここでは、その他の描画条件(固定値)については省略している。
かかる表を得ることで、偏向フィールド内のすべての位置でそれぞれ最小となるx方向の実効分解能σxminのフォーカス高さ位置z(σxmin)とy方向の実効分解能σyminのフォーカス高さ位置z(σymin)とがそれぞれ値0でない状態、すなわち補正残差(Δz)が存在しているかどうかを確認することができる。また、フォーカス高さ位置zを振っているので、予めある程度予想しておいた像面湾曲を補正するための仮の補正電圧V10と非点収差を補正するための仮の補正電圧V20とにおける各フォーカス高さ位置zの変化に対する実行分解能の変化の様子を知ることができる。かかる表から得られる情報により、補正電圧の最適値をどの辺りに設定すればよいかある程度予測することができる。
図8は、実施の形態1における一様電界させる場合の偏向器への電圧印加の仕方を説明するための図である。
図9は、実施の形態1における4重極電界させる場合の偏向器への電圧印加の仕方を説明するための図である。
ここでは、一例として、4極の静電型偏向器の場合を示しているが、これに限るものではなく、その他の極数であっても構わない。図8と図9とに示すように、一様電界させる場合と4重極電界させる場合とでは、それぞれ、電子ビーム200を所望する位置に偏向させる本来の偏向電圧Vの印加の仕方が異なっている。そして、かかる各場合について、像面湾曲を補正するための仮の補正電圧V10と非点収差を補正するための仮の補正電圧V20とを加算して偏向器208の各電極に印加することで偏向収差を補正している。
図10は、偏向中心における焦点位置を示す図である。
図11は、偏向している状態での焦点位置を示す図である。
偏向しない場合(偏向中心)では、図10(a)に示すx方向の電子ビーム200の焦点位置(z方向)と図10(b)に示すy方向の電子ビーム200の焦点位置(z方向)とが一致している。これに対して、偏向した場合には、図11(a)に示すx方向の電子ビーム200の焦点位置(z方向)と図11(b)に示すy方向の電子ビーム200の焦点位置(z方向)とがずれ、焦点位置に残差(Δz)が生じている。このようなx方向の電子ビーム200の焦点位置(z方向)と図11(b)に示すy方向の電子ビーム200の焦点位置(z方向)とが一致していない状態、すなわち、非点が生じている状態を補正電圧により補正する。
図12は、偏向中心における焦点位置を示す図である。
図13は、偏向している状態での焦点位置を示す図である。
偏向しない場合(偏向中心)では、図12に示すように、電子ビーム200の焦点位置(z方向)が基板面の高さと一致している。これに対して、偏向器208にて偏向した場合には、図13に示すように、電子ビーム200の焦点位置(z方向)が基板面の高さ位置からずれ、湾曲した焦点面に位置するようになり、焦点位置に残差(Δz)が生じている。このように偏向することで電子ビーム200の焦点位置(z方向)が基板面の高さ位置からずれた状態、すなわち、像面湾曲が生じている状態を補正電圧により補正する。
図14は、実施の形態1における各座標位置における最小となるx方向の実効分解能σxminのフォーカス高さ位置z(σxmin)とy方向の実効分解能σyminのフォーカス高さ位置z(σymin)とのマップを示す図である。
図15は、実施の形態1における各座標位置におけるフォーカス高さ位置z(σxmin)とフォーカス高さ位置z(σymin)との和のマップを示す図である。
図16は、実施の形態1における各座標位置におけるフォーカス高さ位置z(σxmin)とフォーカス高さ位置z(σymin)との差のマップを示す図である。
フォーカス高さ位置z(σxmin)とフォーカス高さ位置z(σymin)との和を求めることで、像面湾曲を補正するための残差(Δz)を求めることができる。図15に示すマップを得ることで、かかるマップから像面湾曲を補正するための残差(Δz)の変化状況を確認することができると共に、各座標位置における像面湾曲を補正するための残差(Δz)を確認することができる。そして、かかるマップから最適な補正電圧に設定されているかどうかを確認することができる。かかるマップに傾きが生じていれば、像面湾曲を補正するための最適な補正電圧に設定されていないことがわかる。各座標位置においてフォーカス高さ位置z(σxmin)とフォーカス高さ位置z(σymin)との和となる残差(Δz)を値0にすることで、像面湾曲を補正することができる。
そして、フォーカス高さ位置z(σxmin)とフォーカス高さ位置z(σymin)との差を求めることで、非点を補正するための残差(Δz)を求めることができる。図16に示すマップを得ることで、かかるマップから非点を補正するための残差(Δz)の変化状況を確認することができると共に、各座標位置における非点を補正するための残差(Δz)を確認することができる。そして、かかるマップから最適な補正電圧に設定されているかどうかを確認することができる。かかるマップに傾きが生じていれば、非点を補正するための最適な補正電圧に設定されていないことがわかる。各座標位置においてフォーカス高さ位置z(σxmin)とフォーカス高さ位置z(σymin)との差となる残差(Δz)を値0にすることで、非点を補正することができる。
本実施の形態1では、さらに、ここから像面湾曲を補正するための最適な補正電圧Vαと非点を補正するための最適な補正電圧Vβとを求めていく。
図17は、実施の形態1におけるフォーカス高さ位置z(σxmin)とフォーカス高さ位置z(σymin)との和と補正電圧との関係式を示す図である。
像面湾曲を補正するための残差(Δz)となる最小となるx方向の実効分解能σxminのフォーカス高さ位置z(σxmin)とy方向の実効分解能σyminのフォーカス高さ位置z(σymin)との和は、像面湾曲を補正するための所定の補正電圧Vと係数kと定数Cとを用いて図17に示す関係式で示すことができる。以上説明した各工程によれば、所定の補正電圧Vとして、上述した仮の補正電圧V10におけるフォーカス高さ位置z(σxmin)とフォーカス高さ位置z(σymin)との和を得ることができる。
図18は、実施の形態1におけるフォーカス高さ位置z(σxmin)とフォーカス高さ位置z(σymin)との差と補正電圧との関係式を示す図である。
非点を補正するための残差(Δz)となる最小となるx方向の実効分解能σxminのフォーカス高さ位置z(σxmin)とy方向の実効分解能σyminのフォーカス高さ位置z(σymin)との差は、非点を補正するための所定の補正電圧Vと係数kと定数Cとを用いて図18に示す関係式で示すことができる。以上説明した各工程によれば、所定の補正電圧Vとして、上述した仮の補正電圧V20におけるフォーカス高さ位置z(σxmin)とフォーカス高さ位置z(σymin)との差を得ることができる。
そして、かかる係数kと定数Cと係数kと定数Cとを求める。しかしながら、このままでは、関係式を2つしか得ていないので、係数kと定数Cと係数kと定数Cとの4つの値を求めることができない。そこで、別の補正電圧Vと補正電圧Vとにおける最小となるx方向の実効分解能σxminのフォーカス高さ位置z(σxmin)とy方向の実効分解能σyminのフォーカス高さ位置z(σymin)とを求める。
S202において、パラメータ設定(2)工程として、描画装置に図3で示した評価パターンを試料101に描画するにあたって、各パラメータを設定する。ここでは、パラメータ設定(1)工程とは、像面湾曲を補正するための仮の補正電圧V10と非点収差を補正するための仮の補正電圧V20の代わりに、別の仮の補正電圧V11と仮の補正電圧V21を設定する。よって、偏向器208には、本来の偏向電圧Vの他に、補正電圧としてV11+V21が加算される。その他の条件は、パラメータ設定(1)工程において設定した条件に合わせればよい。
S204において、第2の描画工程の一例となる描画工程(2)として、第2の所定の補正電圧(ここでは、V11とV21)を用いて偏向器208で電子ビーム200を偏向させ、偏向された位置に複数のフォーカス高さ位置zで図3に示した各コンタクトホールパターンを描画する。フォーカス高さ位置は、描画工程(1)と同様、例えば、ベストフォーカス位置(z=±0)から±20μmの範囲で振っていくと好適である。例えば、2.5μmずつ変更しながら各フォーカス位置におけるすべてのコンタクトホールパターン10を描画する。ここでは、まず、ベストフォーカス位置(z=±0)から−20μmのフォーカス高さ位置(z=−20μm)に合わせてすべてのコンタクトホールパターン10を描画する。
S206において、第2の寸法変動量測定工程の一例となるΔCD測定工程(2)として、第2の所定の補正電圧(上述したV11とV21)を用いて複数のフォーカス高さ位置で描画された各コンタクトホールパターン10の幅寸法CDの寸法変動量ΔCD(第2の寸法変動量の一例)を測定する。かかる寸法変動量ΔCDは、ΔCD測定工程(1)と同様に、基準となるパターン幅寸法の基準値CDから測定されたCDを差し引いて求めればよい。また、コンタクトホールパターン10を用いているため、すべてのコンタクトホールパターン10について、ΔCD測定工程(1)と同様、x方向とy方向の各CDを測定して、x方向とy方向の各ΔCDを求める。
S208において、z変更工程として、フォーカス高さ位置の設定を変更して、S204に戻る。S108と同様、例えば、設定されていたフォーカス高さ位置(z=−20μm)を2.5μm変更したフォーカス高さ位置(z=−17.5μm)に設定する。そして、上述した描画工程(2)とΔCD測定工程(2)とを行なう。これを繰り返して、ベストフォーカス位置(z=±0)から例えば上述した±20μmの範囲で振って各フォーカス高さ位置zにおけるすべてのコンタクトホールパターン10のx方向とy方向の各ΔCDを測定する。
S210において、第2の実効分解能演算工程の一例となる実効分解能演算工程(2)として、x方向とy方向の各寸法変動量ΔCDを用いて、描画された各コンタクトホールパターン10の実効分解能σblur(第2の実効分解能)を演算する。ここでも、実効分解能演算工程(1)と同様、実効分解能σblurとして、x方向の実効分解能σとy方向の実効分解能σを演算する。
以上のようにして、仮の補正電圧V11と仮の補正電圧V21とにおける最小となるx方向の実効分解能σxminのフォーカス高さ位置z(σxmin)とy方向の実効分解能σyminのフォーカス高さ位置z(σymin)とを求めることができる。よって、かかる仮の補正電圧V11を所定の補正電圧Vとし、仮の補正電圧V21を所定の補正電圧Vとした場合の図17に示す関係式と図18に示す関係式を得ることができる。
S302において、係数演算工程として、第1の実効分解能が最小となる第1のフォーカス高さ位置と第2の実効分解能が最小となる第2のフォーカス高さ位置とに基づいて、偏向収差を補正する補正電圧の関係式に当てはまる係数と求める。具体的には、図17に示す関係式の係数kと定数Cと図18に示す関係式の係数kと定数Cとを求める。仮の補正電圧V11と仮の補正電圧V21とにおける最小となるx方向の実効分解能σxminのフォーカス高さ位置z(σxmin)とy方向の実効分解能σyminのフォーカス高さ位置z(σymin)とを求めたので、上述した仮の補正電圧V10と仮の補正電圧V20とにおける2つの関係式と合わせて関係式を4つ得ることができた。よって、係数kと定数Cと係数kと定数Cとの4つの値を求めることができる。
S304において、最適補正電圧演算工程として、各ホールパターン10の実効分解能が最小となるフォーカス高さ位置zに基づいて、電子ビーム200を偏向する場合の偏向収差を補正する補正電圧を演算する。そして、偏向収差として、像面湾曲と非点収差とを補正する各補正電圧を演算する。
図19は、実施の形態1における像面湾曲を補正する補正電圧を演算する手法を説明するための図である。
上述したように、各座標位置においてフォーカス高さ位置z(σxmin)とフォーカス高さ位置z(σymin)との和(関係式では、和の1/2)となる残差(Δz)を値0にすることで、像面湾曲を補正することができる。よって、各座標位置においてフォーカス高さ位置z(σxmin)とフォーカス高さ位置z(σymin)との和が値0になる補正電圧を求めればよい。かかる補正電圧が像面湾曲を補正する最適な補正電圧Vαとなる。よって、図19に示すように、像面湾曲を補正する最適な補正電圧Vα=−C/kとなる。
図20は、実施の形態1における非点を補正する補正電圧を演算する手法を説明するための図である。
上述したように、各座標位置においてフォーカス高さ位置z(σxmin)とフォーカス高さ位置z(σymin)との差となる残差(Δz)を値0にすることで、非点を補正することができる。よって、各座標位置においてフォーカス高さ位置z(σxmin)とフォーカス高さ位置z(σymin)との差が値0になる補正電圧を求めればよい。かかる補正電圧が非点を補正する最適な補正電圧Vβとなる。よって、図20に示すように、像面湾曲を補正する最適な補正電圧Vβ=−C/kとなる。
以上のように、最適な補正電圧Vα=−C/kと最適な補正電圧Vβ=−C/kとを求めることで、偏向収差を補正する最適な補正電圧を得ることができる。
S306において、描画工程として、かかる補正電圧を用いて、荷電粒子ビームを偏向して試料に所望するパターンを描画する。上述したように、実効分解能が最小となるフォーカス高さ位置に基づいて、電子ビーム200を偏向する場合の偏向収差を補正する補正電圧を演算することで、より適当な偏向収差の補正電圧を得ることができる。そして、かかる補正電圧を用いて、電子ビーム200を偏向して試料となる基板に所望するパターンを描画することで、偏向収差を低減したより高精度な寸法のパターンを描画することができる。
図21は、実施の形態1における最適な補正電圧で描画されたThresholdモデルにおけるパターンプロファイルの一例を示す図である。
像面湾曲と非点を補正する最適な補正電圧を用いることで、Thresholdモデルにおけるパターンプロファイルは、図21のように示すことができる。すなわち、ΔCDの半分を示すΔxが生じないようになる。ここでは、理解しやすいようにx方向のみ記載しているが、y方向にも同様にパターンプロファイルを構成することができる。
図22は、寸法変動量とフォーカス高さ位置との関係を示す図である。
図22に示すように、フォーカス高さ位置z(焦点位置)を振ってパターンを描画した場合、最小分解能ではビームプロファイルがぼけておらずシャープであるため寸法変動量ΔCD(x,y)が最小となる。よって、偏向フィールド20内の各位置において、寸法変動量ΔCD(x,y)が最小となる位置から、最小となるx方向の実効分解能σxminのフォーカス高さ位置z(σxmin)とy方向の実効分解能σyminのフォーカス高さ位置z(σymin)とを求めることもできる。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、描画装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての偏向収差補正電圧の演算方法及び荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置は、本発明の範囲に包含される。
実施の形態1における電子ビーム描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。 実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。 実施の形態1における評価用パターンの一例を示す図である。 寸法変動量と照射量との関係を示す図である。 Thresholdモデルにおけるパターンプロファイルの一例を示す図である。 実効分解能を求める式を示した図である。 実施の形態1におけるパラメータの一部と実行分解能とをあらわす表の一例をで示す図である。 一様電界させる場合の偏向器への電圧印加の仕方を説明するための図である。 4重極電界させる場合の偏向器への電圧印加の仕方を説明するための図である。 偏向中心における焦点位置を示す図である。 偏向している状態での焦点位置を示す図である。 偏向中心における焦点位置を示す図である。 偏向している状態での焦点位置を示す図である。 実施の形態1における各座標位置における最小となるx方向の実効分解能σxminのフォーカス高さ位置z(σxmin)とy方向の実効分解能σyminのフォーカス高さ位置z(σymin)とのマップを示す図である。 実施の形態1における各座標位置におけるフォーカス高さ位置z(σxmin)とフォーカス高さ位置z(σymin)との和のマップを示す図である。 実施の形態1における各座標位置におけるフォーカス高さ位置z(σxmin)とフォーカス高さ位置z(σymin)との差のマップを示す図である。 実施の形態1におけるフォーカス高さ位置z(σxmin)とフォーカス高さ位置z(σymin)との和と補正電圧との関係式を示す図である。 実施の形態1におけるフォーカス高さ位置z(σxmin)とフォーカス高さ位置z(σymin)との差と補正電圧との関係式を示す図である。 実施の形態1における像面湾曲を補正する補正電圧を演算する手法を説明するための図である。 実施の形態1における非点を補正する補正電圧を演算する手法を説明するための図である。 実施の形態1における最適な補正電圧で描画されたThresholdモデルにおけるパターンプロファイルの一例を示す図である。 寸法変動量とフォーカス高さ位置との関係を示す図である。 従来の可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。
符号の説明
10 コンタクトホールパターン
20 偏向フィールド
100 描画装置
101,340 試料
102 電子鏡筒
103 描画室
105 XYステージ
110 偏向アンプ
112 偏向制御回路
150 描画部
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203,410 第1のアパーチャ
204 投影レンズ
205,208 偏向器
206,420 第2のアパーチャ
207 対物レンズ
330 電子線
411 開口
421 可変成形開口
430 荷電粒子ソース

Claims (5)

  1. 複数のフォーカス高さ位置で照射量を変数として所定のパターンを描画する描画工程と、
    前記複数のフォーカス高さ位置で照射量を変数として描画された各所定のパターンの幅寸法の寸法変動量を測定する寸法変動量測定工程と、
    前記寸法変動量を用いて、描画された各所定のパターンの実効分解能を演算する実効分解能演算工程と、
    各所定のパターンの実効分解能が最小となるフォーカス高さ位置に基づいて、荷電粒子ビームを偏向する場合の偏向収差を補正する補正電圧を演算する補正電圧演算工程と、
    を備えたことを特徴とする偏向収差補正電圧の演算方法。
  2. 前記所定のパターンとして、x方向とy方向の各幅を有するパターンを用いることを特徴とする請求項記載の偏向収差補正電圧の演算方法。
  3. 前記実効分解能演算工程において、x方向とy方向の各実効分解能を演算することを特徴とする請求項2記載の偏向収差補正電圧の演算方法。
  4. 前記補正電圧演算工程において、前記偏向収差として、像面湾曲と非点収差とを補正する各補正電圧を演算することを特徴とする請求項3記載の偏向収差補正電圧の演算方法。
  5. 複数のフォーカス高さ位置で照射量を変数として所定のパターンを描画する描画工程と、
    前記複数のフォーカス高さ位置で照射量を変数として描画された各所定のパターンの実効分解能が最小となるフォーカス高さ位置に基づいて、荷電粒子ビームを偏向する場合の偏向収差を補正する補正電圧を演算する補正電圧演算工程と、
    前記補正電圧を用いて、前記荷電粒子ビームを偏向して試料に所望するパターンを描画する描画工程と、
    を備えたことを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法。
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