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JP4870624B2 - 止栓体 - Google Patents
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本発明は、モルタル充填式鉄筋継手のモルタル排出口に装着された連結管、又は該モルタル排出口に連通する連通孔の開口部に嵌着される止栓体に関する。
モルタル充填式鉄筋継手(以下、モルタル継手という)は、鉄筋コンクリート内に埋設され、該鉄筋コンクリート内の鉄筋と接合相手方の鉄筋とを接合する用途に使用される。
モルタル継手は特公平5−61422号公報等に開示され広く使用されている鉄筋継手であって、両端が開口している細長い筒体よりなり、該筒体内に対向方向から一対の鉄筋を各々挿入し、且つモルタル(エポキシ樹脂等をも含む充填材)等を注入充填し、その硬化により該筒体内において鉄筋を固定し、もって一対の鉄筋の接合をなす鉄筋継手である。
モルタル継手を鉄筋コンクリート内に埋設して使用する態様を図6により説明する。鉄筋コンクリートAに配筋された複数本の主鉄筋(図では2本)Bの各々の端部をモルタル継手Cの開口から挿入し、該主鉄筋Bの端部先端がほぼ中央に達するようにして該モルタル継手Cを埋設する。モルタル継手Cの側壁には一方側開口付近にモルタル注入口D、他方側開口付近にモルタル排出口Eが各々設けられ、これらには各々連通管又は連通孔Fが形成され、外部に開口している。
該鉄筋コンクリートAの接合相手方である他方の鉄筋コンクリートの端面からは主鉄筋の端部が外方へ露出突出しており、該露出端部を、先に埋設されているモルタル継手Cの開口から継手内に挿入する。その後、モルタル注入口Dに装着されて外方に開口している連通管、又は該モルタル注入口Dに連通し外方に開口している連通孔Fの該開口部からモルタル等の充填材をポンプ注入する。モルタル等はモルタル継手C内を充填し、モルタル排出口Eに形成されている連通管又は連通孔Fの開口部から溢れ出ることになる。上記モルタル注入をモルタル継手一本毎に繰り返す。
別のモルタル注入方法として、特開平3−144041号公報等に開示されているいわゆる一気注入方法がある。この注入方法は、一方側の部材建入れに先立ち他方側の部材周縁に型枠を設置して一方側の部材を建入れし、複数個の埋設継手の中の一本の継手のモルタル注入口からモルタルをポンプ注入し、該両部材間の型枠に取り囲まれて空隙のまま残っている目地空間及び複数個の埋設継手内を一回の注入により全てを充填する注入方法である。
上記いずれの注入手段にしても、モルタル注入が終わるとモルタル排出口Eの連通管又は連通孔Fの開口部にゴム栓を嵌着してモルタルの漏出を防ぎ、モルタルの流動性が失われた後、該ゴム栓を取り外す。上記開口部から最初に出てくるモルタルはセメントペースト分に富んだ泥状液である。注入中のモルタルに若干の分離が起こって軽い成分であるセメントペースト分が注入先端に集まり易い。かかる泥状液は、本止栓体を用いることにより過剰な水分が排出されて健全なグラウトになり泥状液を排出しなくともすむ。
上述のようにモルタル注入に当たり最初に出てくる泥状液が抜けてしまうまで注入を続ける必要があるが、このとき連通管又は連通孔Fの開口部が外壁面と面一となっているため泥状液が外壁面に沿って垂れ流れ、外壁面を汚染する。そのため注入後にケレン掛けと称する清掃作業を行わなければならないが、この作業が手間がかかる作業となり作業員の悩みの種であった。また、ケレン掛けにより外壁面に付着する泥状液硬化物の除去を行ったあとに該液の染み込んだ変色域が残り、外壁面の外見を損なう問題点もあった。更に、一気注入方法の場合、多数の埋設継手内にモルタルが充填されていることの確認に手間取っていた。
そこで出願人は、特開平9−209506号公報で示すように、連通管又は連通孔の該開口部に嵌着される図7の止栓体Gであって、栓体Hとピストン体Jとよりなり、(イ)栓体Hは、前記連通管内又は連通孔内に嵌入される側の端面である内側端面とその反対側の端面である外側端面とを栓体軸心に沿って貫通する貫通孔Iを有し、(ロ)ピストン体Jは、軸体Kとその一端に付着している受圧板Lと他端に付着している抜け止め板Mとよりなり、(ハ)前記栓体貫通孔Iに前記ピストン体Jの軸体Kを遊挿し前記受圧板Lが栓体の内側端面の外側に、前記抜け止め板Mが栓体の外側端面の外側に位置するよう配置して組合わせてなる、ことを特徴とする止栓体を開発した。
特開平9−209506号公報
しかし、上記止栓体Gは、上記のように泥状液の流出を防止することをその目的としているが、抜け止め板Mが大きく形成されているためにピストン体の貫通孔I内への装着が大変であったことと、使用後の該止栓体Gは、図7に示すように、栓体Hの軸心に沿って形成した貫通孔Iに充填された泥状液がピストン体Jの軸体Kを含めて固化している。該止栓体Gを再度使用するためには、その固化状態を除去することが必要になるが、該軸体Kの両端にはいずれも該貫通孔Iの孔径よりも大きな径を有する受圧板L及び抜け止め板Mが各々形成されており、固化を破壊し、該貫通孔内のモルタルを除去する作業及びその後の貫通孔の内壁やピストン体に付着しているモルタル固化物を取り除く作業が大変で、該止栓体Gを反復使用することは困難かつ非経済的であった。
本発明は、上記欠点を解決したもので、栓体へのピストン体の装着を容易とし、且つ使用後においてはピストン体の抜き取りが簡単で、止栓体の清掃、特に貫通孔内やピストン体の清掃がスムーズに行え、その後の栓体へのピストン体の装着により反復使用することを可能とした止栓体を提供するものである。
本発明は、上記課題を解決するため、鉄筋コンクリート内に埋設されたモルタル充填式鉄筋継手のモルタル排出口と連通し、その一端部が外部に開口している連通管又は連通孔の該開口部に嵌着される止栓体であって、貫通孔を設けた弾力性を有する硬質の栓体並びに該貫通孔内に可動自在に遊挿される軸体と、該軸体の栓体から各々突出した位置に設けられた一方端の受圧体、他方端の抜け止め端部とよりなるピストン体とで構成し、該抜け止め端部は該軸体に直交する方向において該軸体を含めた最大横幅を該貫通孔の内径と同一かやや大きめに形成してなる止栓体を特徴とする。
また、上記抜け止め端部は、軸体の端部を階段状に折り曲げた折曲形状とした止栓体を特徴とする。
更に、上記抜け止め端部は、偏平状の膨出形状とした止栓体を特徴とする。
また、上記抜け止め端部は、軸体を折り曲げて結び付けた結び目形状とした止栓体を特徴とする。
また、上記抜け止め端部は、軸体を分岐して枝軸体を形成し、該枝軸体は外方へ膨出する弾力性を有する形状とした止栓体を特徴とする。
更に、上記受圧体は、軸体に対して着脱自在に形成してなる止栓体を特徴とする。
また、上記受圧体との連結部に近接した軸体部分を薄肉厚部として形成してなる止栓体を特徴とする。
本発明の止栓体は、ピストン体の抜け止め端部の最大横幅を、貫通孔の内径と同じか或いはやや大きめとすることにより、栓体を少し変形させるか、或いはそのままの状態で該抜け止め端部にひも等を掛けて貫通孔の一端側から他端側へ引っ張ることにより該貫通孔内を該抜け止め端部が通り抜けることを可能とし、それにより栓体へのピストン体の取り外し及び装着が容易となり、使用状態となる止栓体の完成を簡便化することが可能となった。
また、止栓体の運搬時には、抜け止め端部が小さいので運び易く、且つ該栓体全体に貫通孔に変化をもたらす負荷がかかることはなく、使用時には該栓体は連通管又は連通孔の開口部に密着状態となっているので貫通孔に変形が生じることがなく、該貫通孔よりピストン体が抜け出ることはない。
更に、使用後にあっては、抜け止め端部を把持し、貫通孔内のモルタルの状態を確認しながら軸体を回転或いは軸方向へ可動すること等が可能であり、それにより貫通孔内で栓体と軸体とを固定するようにして泥状液を固めたモルタルを破壊し、除去することができ、更に、貫通孔内のモルタルが除去されれば、受圧体側よりピストン体を引っ張ることにより該貫通孔内を抜け止め端部を通過させることが可能となり、ピストン体を栓体より抜き出すことができる。その抜き取りにより栓体及びピストン体の清掃をより完全に行うことができ、その後、該ピストン体を上記同様の方法により貫通孔内へ再挿入することで止栓体の反復使用を可能とした。
また、受圧体を軸体に対して着脱自在としたことにより、成形時の製造を容易とし、使用時には栓体の貫通孔に軸体を挿入した後に該軸体の端部に受圧体を嵌合すればよく、装着が容易となり、使用後においても該受圧体を軸体より外すことにより栓体及びピストン体の清掃が容易になり、反復使用を手間をかけずに可能とした。
以下、本発明に係る止栓体の実施の形態の一例を、図を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例となる止栓体1の平断面図、側断面図及び正面図を示している。止栓体1は、前記した公知のモルタル継手の排出口に連通して形成した連通管又は連通孔の開口部に使用されるもので、該止栓体1は、栓体2並びに軸体3、受圧体4及び抜け止め端部5とよりなるピストン体6とより構成している。
栓体2はゴム製或いは柔軟性のある硬質合成樹脂等の材料で形成された断面円錐台形をした部材で、受圧体4側となる内側の端面は小径端面7、外側となる端面を大径端面8とし、連通管又は連通孔の開口部に嵌合し易いように形成している。
該栓体2の長手方向中央部には、該栓体2の両端面7、8間を貫通するようにして貫通孔9が形成されている。
ピストン体6の軸体3は、ゴム製、合成樹脂製或いは他の材料よりなる長尺の棒状部材で、上記栓体2同様、特に材料が限定されるものではない。該軸体3は、上記栓体2の貫通孔9に遊挿されることになる。該軸体3の一方の端部には受圧体4が形成され、その外方面は排出口から連通管又は連通孔へと押し出されてくるモルタル圧を受ける形状とされ、それにより貫通孔9内のピストン体6が可動する構成としている。
軸体3の他方の端部には抜け止め端部5が形成されているが、該抜け止め端部5は、本実施例では該軸体3を階段状に折り曲げて形成した折曲形状としている。折曲形状としては軸体に直交する方向において、該軸体3の一側縁から折り曲げた他側縁までの横幅Hを、上記栓体2の貫通孔9の孔径Wとほぼ同じかやや大きめとしている。折曲形状によって形成した横幅Hを貫通孔径Wとほぼ同一かやや大きめとしたことにより、栓体2の対向する側壁側を押圧することによりそれと直交する側の孔径Wをやや大きくすることができ、それにより該折曲形状の抜け止め端部5側から該貫通孔9へひも等を掛けて引っ張ることにより該抜け止め端部を挿入通過させることができ、ピストン体6の軸体3が栓体2の貫通孔9内で遊挿状態となって一体化することが可能となる。
他方、貫通孔9の内壁にはその全周にわたって摩擦が生じること、運搬時や未使用状態時には遊挿状態となっている軸体3は貫通孔9内において傾斜状態となっていることが多く、それらにより一端挿入したピストン体は引き抜く力が作用する等の特別な負荷がかからない限り該貫通孔9より抜け出すことはない。
他方、止栓体1の使用後にあっては、図2に示すように、受圧体4はモルタルに押し出されて栓体2の小径端面7側へ押し付けられ且つ該貫通孔9内には固化モルタルが充満し、該モルタルにより栓体2、軸体3及び受圧体4とが固定状態となっている。
上記使用後の固まった状態の止栓体1を再利用するためには、該貫通孔9内のモルタルを除去し、ピストン体6の軸体3が貫通孔9内での遊挿状態となることを確保することが必要となるが、抜け止め端部5は把持し易い大きさとされているので、該抜け止め端部5を把持し、貫通孔9内を可視しながら軸体3を前後、左右或いは回転等を行うことにより固化モルタルに亀裂や破壊を生じさせ、モルタルによる栓体2、軸体3及び受圧体4の固定状態を解除し、貫通孔9内のモルタルを除去することができる。
更に、該栓体2に変形を与える等して抜け止め端部5を貫通孔9から抜き出し、該栓体2とピストン体6とを分離することができ、該貫通孔9の内壁にへばり付いたモルタル及び軸体3に付着したモルタルを完全に清掃除去することが可能となり、再度ピストン体6を栓体2に装着することにより再利用することが可能となる。
図3(a)は、本発明の止栓体1aの他の実施例を示している。該止栓体1aは、栓体2a並びに軸体3a、受圧体4a及び抜け止め端部5aとよりなるピストン体6aとより構成している。
抜け止め端部5aは、軸体3aの端部を大きくした偏平状の膨出体として構成している。膨出体よりなる抜け止め端部としては、図3(b)に示す軸体3bの端部に三角形状となる偏平状の抜け止め端部5bを形成したもの、図3(c)に示す軸体3cの端部のいずれかの側方向へ偏って膨出体を突出して抜け止め端部5cを形成したもの、図3(d)に示す柔軟性を有する軸体3dを採用することにより、その端部を折り曲げて結び付けることにより結び目としての膨出部5dを形成したもの、図3(e)、(f)に示す軸体3cの端部を分岐して枝軸体5eを形成し、該枝軸体5eは、各々外方へ膨出する弾力性を有する形状としたもので、(e)に示す枝軸体5eは湾曲状に膨出する形状とし、(f)に示す枝軸体5fは折曲状に膨出する形状としたものであり、様々な形状のものが考えられる。
上記いずれの抜け止め端部5a〜5dも、その軸体と直交する最大横幅を栓体2aの貫通孔9´の孔径と同一かやや大きめとすることは上記実施例1と同様である。
図4は、軸体と受圧体との関係を示すもので、一体成形や別体のものを接着或いは融着接合することによって形成する他、図4(a)に示すように、軸体3´の端部に凹凸部10を形成し、該凹凸部10に受圧体4´を着脱自在に嵌合したもの、図4(b)に示すように、軸体3“の端部に折り返し部等の膨出部11を設け、該膨出部11に受圧体4”を嵌合したもの等がある。上記構成により、栓体へのピストン体の脱着が容易となるし、固化モルタルの除去やその後の清掃も簡単となる。
図5は、軸体13と受圧体14との関係を示す他の実施例で、栓体の貫通孔からピストン体を抜き取る手段として該受圧体14との連結部に近接した軸体13側部分を薄肉厚部15とし、使用後において抜け止め端部側を引っ張ることにより、該薄肉厚部15が切断され、受圧体14がコンクリートの表面側に残るようにしたものである。再利用するときは該受圧体14を接着利用することも可能であるが、ピストン体のみを別途新しいものとして繰り返して使用することが可能である。
本発明の止栓体の一実施例を示す平断面図。 本発明の止栓体の一実施例を示す側断面図。 本発明の止栓体の一実施例を示す正面図。 本発明の止栓体の使用後の平断面図。 本発明の止栓体の他の実施例の平断面図。 本発明の止栓体の抜け止め端部の他の実施例を示す平面図。 本発明の止栓体の抜け止め端部の他の実施例を示す平面図。 本発明の止栓体の抜け止め端部の他の実施例を示す平面図。 本発明の止栓体の抜け止め端部の他の実施例を示す平面図。 本発明の止栓体の抜け止め端部の他の実施例を示す平面図。 本発明の止栓体の軸体端部と受圧体の一実施例を示す平断面図。 本発明の止栓体の軸体端部と受圧体の他の実施例を示す平断面図。 本発明の止栓体の軸体端部と受圧体の一実施例を示す平断面図。 モルタル継手の使用態様を示す断面図。 従来の止栓体の使用後の状態を示す断面図。
符号の説明
1 止栓体
2 栓体
3、13 軸体
4、14 受圧体
5 抜け止め端部
6 ピストン体
7 小径端面
8 大径端面
9、9´ 貫通孔
10 凹凸部
11 膨出部
15 薄肉厚部

Claims (7)

  1. 鉄筋コンクリート内に埋設されたモルタル充填式鉄筋継手のモルタル排出口と連通し、その一端部が外部に開口している連通管又は連通孔の該開口部に嵌着される止栓体であって、貫通孔を設けた弾力性を有する硬質の栓体並びに該貫通孔内に可動自在に遊挿される軸体と、該軸体の栓体から各々突出した位置に設けられた一方端の受圧体、他方端の抜け止め端部とよりなるピストン体とで構成し、該抜け止め端部は該軸体に直交する方向において該軸体を含めた最大横幅を該貫通孔の内径と同一かやや大きめに形成してなることを特徴とする止栓体。
  2. 抜け止め端部は、軸体の端部を階段状に折り曲げた折曲形状としたことを特徴とする請求項1記載の止栓体。
  3. 抜け止め端部は、偏平状の膨出形状としたことを特徴とする請求項1記載の止栓体。
  4. 抜け止め端部は、軸体を折り曲げて結び付けた結び目形状としたことを特徴とする請求項1記載の止栓体。
  5. 抜け止め端部は、軸体を分岐して枝軸体を形成し、該枝軸体は外方へ膨出する弾力性を有する形状としたことを特徴とする請求項1記載の止栓体。
  6. 受圧体は、軸体に対して着脱自在に形成してなることを特徴とする請求項1乃至5記載の止栓体。
  7. 受圧体との連結部に近接した軸体部分を薄肉厚部として形成してなることを特徴とする請求項1乃至6記載の止栓体。
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