本発明はカラー画像表示機能を有する液晶表示装置、とりわけアクティブ型の液晶表示装置に関するものである。
近年の微細加工技術、液晶材料技術および高密度実装技術等の進歩により、5〜75cm対角の液晶表示装置でテレビジョン画像や各種の画像表示機器が商用ベースで大量に提供されている。また、液晶パネルを構成する2枚のガラス基板の一方にRGBの着色層を形成しておくことによりカラー表示も容易に実現している。特にスイッチング素子を絵素毎に内蔵させた、いわゆるアクティブ型の液晶パネルではクロストークも少なく、応答速度も早く高いコントラスト比を有する画像が保証されている。
これらの液晶表示装置(液晶パネル)は走査線としては200〜1200本、信号線としては300〜1600本程度のマトリクス編成が一般的であるが、最近は表示容量の増大に対応すべく大画面化と高精細化とが同時に進行している。
図7は液晶パネルへの実装状態を示し、液晶パネル1を構成する一方の透明性絶縁基板、例えばガラス基板2上に形成された走査線の電極端子群5に駆動信号を供給する半導体集積回路チップ3を導電性の接着剤を用いて接続するCOG(Chip−On−Glass)方式や、例えばポリイミド系樹脂薄膜をベースとし、金または半田メッキされた銅箔の端子を有するTCPフィルム4を信号線の電極端子群6に導電性媒体を含む適当な接着剤で圧接して固定するTCP(Tape−Carrier−Package)方式などの実装手段によって電気信号が画像表示部に供給される。ここでは便宜上二つの実装方式を同時に図示しているが実際には何れかの方式が適宜選択される。
液晶パネル1のほぼ中央部に位置する画像表示部内の画素と走査線及び信号線の電極端子5,6との間を接続する配線路が7、8で、必ずしも電極端子群5,6と同一の導電材で構成される必要はない。9は全ての液晶セルに共通する透明導電性の対向電極を対向面上に有するもう1枚の透明性絶縁基板である対向ガラス基板またはカラーフィルタである。
図8はスイッチング素子として絶縁ゲート型トランジスタ10を絵素毎に配置したアクティブ型液晶表示装置の等価回路図を示し、11(図7では7)は走査線、12(図7では8)は信号線、13は液晶セルであって、液晶セル13は電気的には容量素子として扱われる。実線で描かれた素子類は液晶パネルを構成する一方のガラス基板2上に形成され、点線で描かれた全ての液晶セル13に共通な対向電極14はもう一方のガラス基板9の対向する主面上に形成されている。絶縁ゲート型トランジスタ10のOFF抵抗あるいは液晶セル13の抵抗が低い場合や表示画像の階調性を重視する場合には、負荷としての液晶セル13の時定数を大きくするための補助の蓄積容量15を液晶セル13に並列に加える等の回路的工夫が加味される。なお16は蓄積容量15の共通母線となる蓄積容量である。
図9は液晶表示装置の画像表示部の要部断面図を示し、液晶パネル1を構成する2枚のガラス基板2,9は樹脂性のファイバ、ビーズあるいはカラーフィルタ9上に形成された同じく樹脂性の柱状スペーサ等のスペーサ材(図示せず)によって数μm程度の所定の距離を隔てて形成され、その間隙(ギャップ)はガラス基板9の周縁部において有機性樹脂よりなるシール材と封口材(何れも図示せず)とで封止された閉空間になっており、この閉空間に液晶17が充填されている。
カラー表示を実現する場合には、ガラス基板9の閉空間側に着色層18と称する染料または顔料のいずれか一方もしくは両方を含む厚さ1〜2μm程度の有機薄膜が被着されて色表示機能が与えられるので、その場合にはガラス基板9は別名カラーフィルタ(Color Filter 略語はCF)と呼称される。そして液晶材料17の性質によってはガラス基板9の上面またはガラス基板2の下面の何れかもしくは両面上に偏光板19が貼付され、液晶パネル1は電気光学素子として機能する。現在、市販されている大部分の液晶パネルでは液晶材料にTN(ツイスト・ネマチック)系の物を用いており、偏光板19は通常2枚必要である。図示はしないが、透過型液晶パネルでは光源として裏面光源が配置され、下方より白色光が照射される。
液晶17に接して2枚のガラス基板2,9上に形成された例えば厚さ0.1μm程度のポリイミド系樹脂薄膜20は液晶分子を決められた方向に配向させるための配向膜である。21は絶縁ゲート型トランジスタ10のドレインと透明導電性の絵素電極22とを接続するドレイン電極(配線)であり、信号線(ソース線)12と同時に形成されることが多い。信号線12とドレイン電極21との間に位置するのは半導体層23であり詳細は後述する。カラーフィルタ9上で隣り合った着色層18の境界に形成された厚さ0.1μm程度のCr薄膜層24は半導体層23と走査線11及び信号線12に外部光が入射するのを防止するための光遮蔽部材で、いわゆるブラックマトリクス(Black Matrix 略語はBM)として定着化した技術である。
ここでスイッチング素子として絶縁ゲート型トランジスタの構造と製造方法に関して説明する。絶縁ゲート型トランジスタには2種類のものが現在多用されており、そのうちの一つのエッチストップ型と呼称されるものを従来例として紹介する。図10は従来の液晶パネルを構成するアクティブ基板(表示装置用半導体装置)の単位絵素の平面図であり、図10(e)のA−A’、B−B’およびC−C’線上の断面図を図11に示し、その製造工程を以下に簡単に説明する。
先ず図10(a)と図11(a)に示したように耐熱性と耐薬品性と透明性が高い絶縁性基板として厚さ0.5〜1.1mm程度のガラス基板2、例えばコーニング社製の商品名1737の一主面上にSPT(スパッタ)等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1〜0.3μm程度の第1の金属層を被着し、微細加工技術によりゲート電極11Aも兼ねる走査線11と蓄積容量線16を選択的に形成する。走査線の材質は耐熱性と耐薬品性と耐弗酸性と導電性を総合的に勘案して選択するが一般的にはCr,Ta,MoW合金等の耐熱性の高い金属または合金が使用される。
液晶パネルの大画面化や高精細化に対応して走査線の抵抗値を下げるためには走査線の材料としてAL(アルミニウム)を用いるのが合理的であるが、ALは単体では耐熱性が低いので上記した耐熱金属であるCr,Ta,Moまたはそれらのシリサイドと積層化する、あるいはALの表面に陽極酸化で酸化層(Al2O3)を付加することも現在では一般的な技術である。すなわち走査線11は1層以上の金属層で構成される。
次にガラス基板2の全面にPCVD(プラズマ・シーブイディ)装置を用いてゲート絶縁層となる第1のSiNx(シリコン窒化)層30、不純物をほとんど含まず絶縁ゲート型トランジスタのチャネルとなる第1の非晶質シリコン(a−Si)層31、及びチャネルを保護する絶縁層となる第2のSiNx層32と3種類の薄膜層を例えば、0.3−0.05−0.1μm程度の膜厚で順次被着した後、図10(b)と図11(b)に示したように微細加工技術によりゲート電極11A上の第2のSiNx層をゲート電極11Aよりも幅細く選択的に残して保護絶縁層32Dとし、第1の非晶質シリコン層31を露出する。
続いて同じくPCVD装置を用いて全面に不純物として例えば燐を含む第2の非晶質シリコン層33を例えば0.05μm程度の膜厚で被着した後、図10(c)と図11(c)に示したようにSPT等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1μm程度の耐熱金属層として例えばTi,Cr,Mo等の薄膜層34と、低抵抗金属層として膜厚0.3μm程度のAL薄膜層35と、さらに膜厚0.1μm程度の中間導電層として例えばTi薄膜層36を順次被着し、微細加工技術によりソース・ドレイン配線材であるこれら3種の薄膜層34A,35A及び36Aの積層からなる絶縁ゲート型トランジスタのドレイン電極21と信号線も兼ねるソース電極12を選択的に形成する。この選択的パターン形成は、ソース・ドレイン配線の形成に用いられる感光性樹脂パターンをマスクとしてTi薄膜層36、AL薄膜層35、Ti薄膜層34を順次食刻した後、ソース・ドレイン電極12,21間の第2の非晶質シリコン層33を除去して第2のSiNx層32Dを露出するとともに、その他の領域では第1の非晶質シリコン層31をも除去してゲート絶縁層30を露出することによってなされる。このようにチャネルの保護層である第2のSiNx層32Dが存在して第2の非晶質シリコン層33の食刻が自動的に終了することからこの製法はエッチストップと呼称される。
さらに上記感光性樹脂パターンを除去した後、ガラス基板2の全面に透明性の絶縁層としてゲート絶縁層と同様にPCVD装置を用いて0.3μm程度の膜厚のSiNx層を被着してパシベーション絶縁層37とし、図10(d)と図11(d)に示したようにパシベーション絶縁層37を微細加工技術により選択的に除去してドレイン電極21上に開口部62と、画像表示部外の領域で走査線11上に開口部63と、信号線12上に開口部64を形成してドレイン電極21と走査線11と信号線12の一部分を露出する。同様に蓄積容量線16を平行に束ねた電極パターン上には開口部65を形成して蓄積容量線16の一部を露出する。
最後にSPT等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1〜0.2μm程度の透明導電層として例えばITO(Indium−Tin−Oxide)あるいはIZO(Indium−Zinc−Oxide)を被着し、図10(e)と図11(e)に示したように微細加工技術により開口部62を含んでパシベーション絶縁層37上に絵素電極22を選択的に形成してアクティブ基板2として完成する。開口部63内の露出している走査線11の一部を電極端子5とし、開口部64内の露出している信号線12の一部を電極端子6としても良く、図示したように開口部63,64を含んでパシベーション絶縁層37上にITOよりなる電極端子5A,6Aを選択的に形成しても良いが、通常は電極端子5A,6A間を接続する透明導電性の短絡線40も同時に形成される。その理由は、図示はしないが電極端子5A,6Aと短絡線40との間を細長いストライプ状に形成することにより高抵抗化して静電気対策用の高抵抗とすることが出来るからである。同様に番号は付与しないが開口部65を含んで蓄積容量線16への電極端子が形成される。
信号線12の配線抵抗が問題とならない場合にはALよりなる低抵抗配線層35は必ずしも必要ではなく、その場合にはCr,Ta,Mo等の耐熱金属材料を選択すればソース・ドレイン配線12,21を単層化して簡素化することが可能である。このようにソース・ドレイン配線は耐熱金属層を用いて第2の非晶質シリコン層と電気的な接続を確保することが重要であり、絶縁ゲート型トランジスタの耐熱性については先行例である特開平7−74368号公報に詳細が記載されている。なお、図10(c)において蓄積容量線16とドレイン電極21がゲート絶縁層30を介して平面的に重なっている領域50(右下がり斜線部)が蓄積容量15を形成しているが、ここではその詳細な説明は省略する。
以上述べた5枚マスク・プロセスは詳細な経緯は省略するが、半導体層の島化工程の合理化とコンタクト形成工程が1回削減された結果得られたもので、ドライエッチ技術の導入により当初は7〜8枚程度必要であったフォトマスクも現時点では5枚に減少してプロセスコストの削減に大きく寄与している。液晶表示装置の生産コストを下げるためにはアクティブ基板の作製工程ではプロセスコストを、またパネル組立工程とモジュール実装工程では部材コストを下げることが有効であることは周知の開発目標である。プロセスコストを下げるためにはプロセスを短くする工程削減と、安価なプロセス開発またはプロセスへの置き換えとがあるが、ここでは4枚のフォトマスクでアクティブ基板が得られる4枚マスク・プロセスを工程削減の一例として説明する。4枚マスク・プロセスはハーフトーン露光技術の導入により写真食刻工程を削減するもので、図12は4枚マスク・プロセスに対応したアクティブ基板の単位絵素の平面図で、図12(e)のA−A’、B−B’及びC−C’線上の断面図を図13に示す。既に述べたように絶縁ゲート型トランジスタには2種類のものが現在多用されているが、ここではチャネルエッチ型の絶縁ゲート型トランジスタを採用している。
先ず5枚マスク・プロセスと同様にガラス基板2の一主面上にSPT等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1〜0.3μm程度の第1の金属層を被着し、図12(a)と図13(a)に示したように微細加工技術によりゲート電極11Aも兼ねる走査線11と蓄積容量線16を選択的に形成する。
次にガラス基板2の全面にPCVD装置を用いてゲート絶縁層となるSiNx層30、不純物をほとんど含まず絶縁ゲート型トランジスタのチャネルとなる第1の非晶質シリコン層31、及び不純物を含み絶縁ゲート型トランジスタのソース・ドレインとなる第2の非晶質シリコン層33と3種類の薄膜層を、例えば0.3−0.2−0.05μm程度の膜厚で順次被着する。引き続き、SPT等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1μm程度の耐熱金属層として例えばTi薄膜層34と、膜厚0.3μm程度の低抵抗金属層としてAL薄膜層35と、さらに膜厚0.1μm程度の中間導電層として例えばTi薄膜層36を、すなわちソース・ドレイン配線材を順次被着し、微細加工技術により絶縁ゲート型トランジスタのドレイン電極21とソース電極も兼ねる信号線12を選択的に形成するのであるが、この選択的パターン形成に当たりハーフトーン露光技術により図12(b)と図13(b)に示したようにソース・ドレイン間のチャネル形成領域80B(斜線部)の膜厚が例えば1.5μmで、ソース・ドレイン配線形成領域80A(12),80A(21)の膜厚3μmよりも薄い感光性樹脂パターン80A,80Bを形成する点が大きな特徴である。
このような感光性樹脂パターン80A,80Bは、液晶表示装置用基板の作製には通常ポジ型の感光性樹脂を用いるので、ソース・ドレイン配線形成領域80Aが黒、すなわちCr薄膜が形成されており、チャネル領域80Bは灰色(中間調)、たとえば幅0.5〜1μm程度のラインアンドスペースのCrパターンが形成されており、その他の領域は白、すなわちCr薄膜が除去されているようなフォトマスクを用いれば良い。灰色領域は露光機の解像力が不足しているために微細なラインアンドスペースが解像されることはなく、ランプ光源からのフオトマスク照射光を半分程度透過させることが可能であるので、ポジ型感光性樹脂の残膜特性に応じて図13(b)に示したような断面形状を有する感光性樹脂パターン80A,80Bを得ることができる。なお、灰色領域にCr薄膜のスリットではなく、Cr薄膜とは異なった膜厚の例えばMoSi2薄膜を形成することより同等の機能を有するフォトマスクを得る事もできる。
上記感光性樹脂パターン80A,80Bをマスクとして図12(b)に示したようにTi薄膜層36、AL薄膜層35、Ti薄膜層34、第2の非晶質シリコン層33及び第1の非晶質シリコン層31を順次食刻してゲート絶縁層30を露出した後、図12(c)と図13(c)に示したように酸素プラズマ等の灰化手段により感光性樹脂パターン80A,80Bを1.5μm以上膜減りさせると感光性樹脂パターン80Bが消失してチャネル領域が露出するとともに、ソース・ドレイン配線形成領域にのみ膜減りした感光性樹脂パターン80C(12),80C(21)をそのまま残すことができる。そこで膜減りした感光性樹脂パターン80C(12),80C(21)をマスクとして、再びソース・ドレイン配線間(チャネル形成領域)のTi薄膜層,AL薄膜層,Ti薄膜層,第2の非晶質シリコン層33A及び第1の非晶質シリコン層31Aを順次食刻し、第1の非晶質シリコン層31Aは0.05〜0.1μm程度残して食刻する。ソース・ドレイン配線がソース・ドレイン配線材をエッチングした後に第1の非晶質シリコン層31Aを0.05〜0.1μm程度残して食刻することによりなされるので、このような製法で得られる絶縁ゲート型トランジスタはチャネルエッチ型と呼称されている。なお上記酸素プラズマ処理においてレジストパターン80Aは膜減りして80Cに変換されるのでパターン寸法の変化を抑制するため異方性を強めることが望ましく、具体的にはRIE(Reactive Ion Etching)方式、さらに高密度のプラズマ源を有するICP(Inductive Coupled Plasama)方式やTCP(Transfer Coupled Plasama)方式の酸素プラズマ処理がより望ましい。
さらに上記感光性樹脂パターン80C(12),80C(21)を除去した後は、5枚マスク・プロセスと同じく図12(d)と図13(d)に示したようにガラス基板2の全面に透明性の絶縁層として0.3μm程度の膜厚の第2のSiNx層を被着してパシベーション絶縁層37とし、ドレイン電極21上と画像表示部外の領域で走査線11上と信号線12上にそれぞれ開口部62,63,64を形成し、開口部63内のパシベーション絶縁層37とゲート絶縁層30を除去して開口部63内に走査線の一部を露出するとともに、開口部62,64内のパシベーション絶縁層37を除去して開口部62内にドレイン電極21の一部と開口部64内に信号線の一部を露出する。
最後にSPT等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1〜0.2μm程度の透明導電層として例えばITOあるいはIZOを被着し、図12(e)と図13(e)に示したように微細加工技術によりパシベーション絶縁層37上に開口部62を含んで透明導電性の絵素電極22を選択的に形成してアクティブ基板2として完成する。電極端子は絵素電極22と同時にパシベーション絶縁層37上にITOよりなる透明導電性の電極端子5A,6Aを形成している。
既に述べたように液晶セルのギャップを規制するための部材がスペーサであり、歴史的には先ず単純型のTN液晶パネル直径10μm程度のアルミナボールから始まったが、アルミナボールの剛性が高くギャップ精度は高いものの、ガラス基板に傷が入ったり割れたりする不具合が多かった。しかも後発のアクティブ型の液晶パネルではアクティブ素子を形成するので段差が大きくてギャップ精度も低下し、何よりも絶縁ゲート型トランジスタが破壊されたので、スペーサ材に可撓性を付与するために樹脂製の直径10μm、長さ50μm程度のファイバが導入され、数年を経てギャップ精度向上の観点から樹脂製ビーズに移行し、さらなるコントラスト比の向上のため、すなわち表示画質向上の観点から最近ではCF上に耐熱性の高い樹脂製の柱状スペーサが形成されている。柱状スペーサの直径は10μm、高さは通常3〜5μmの範囲であり、ラビング布を傷つけないようにその断面形状はテーパ化されている。
このような柱状スペーサは従来のCF上に写真食刻技術を用いて感光性樹脂よりなる樹脂製の柱状スペーサを形成するので、当然従来のCFと比較すると製造工程数も必要な部材も増加するのでCFの購入価格あるいは製造価格が上昇するのは避けられない。
しかしながら大型の液晶表示装置として今後大きく発展していく事を期待されている液晶TVでは価格競争も激しく、従来の技術で説明したが、ハーフトーン露光技術の採用により可能となった4枚マスク・プロセスのように生産コストを下げるための技術開発も部材のコストダウンと同様に大切である。
本発明はかかる現状に鑑みなされたもので、アクティブ基板の製造工程に創意・工夫を凝らしてアクティブ基板上に柱状スペーサを形成し、もって液晶表示装置の生産コストの低減を図るものである。
請求項1に記載の液晶表示装置は、一主面上に少なくとも絶縁ゲート型トランジスタと、前記絶縁ゲート型トランジスタのゲート電極も兼ねる走査線とソース電極も兼ねる信号線と、ドレイン電極に接続された絵素電極とを有する単位絵素が二次元のマトリクスに配列された第1の透明性絶縁基板と、前記第1の透明性絶縁基板と対向する第2の透明性絶縁基板またはカラーフィルタとの間に液晶を充填してなる液晶表示装置において、前記液晶表示装置は、前記第1の透明性絶縁基板上に形成された無機材質よりなるパシベーション絶縁層をさらに備え、前記パシベーション絶縁層が複数の異なる開口を有し、且つ前記パシベーション絶縁層の表面には感光性有機絶縁層よりなる柱状スペーサを有し、前記柱状スペーサは、前記パシベーション絶縁層に形成された前記複数の異なる開口のうちの少なくとも一つの開口と自己整合していることを特徴とする。
請求項2に記載の液晶表示装置において、前記少なくとも一つの開口は、前記走査線上のパシベーション絶縁層に形成された開口、または前記信号線上のパシベーション絶縁層に形成された開口である。
請求項3に記載の液晶表示装置において、前記柱状スペーサの膜厚は6μmである。
請求項4に記載の液晶表示装置において、前記柱状スペーサの膜厚は3μmである。
請求項5に記載の液晶表示装置において、前記柱状スペーサは、前記信号線上に形成されている。
これらの構成によりアクティブ基板上に形成された感光性有機絶縁層パターンを柱状スペーサとして機能させることが可能となり、CF上に柱状スペーサは不要となる。
このように、本発明は感光性有機絶縁層パターンよりなる柱状スペーサの形成に当たり、アクティブ基板を構成する部位の形成のために用いられる写真食刻工程を活用して、製造工程数が増加しないように創意と工夫を凝らしたものである。
請求項6は請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法であって、少なくとも、第1の透明性絶縁基板上に、少なくとも走査線と信号線と絶縁ゲート型トランジスタとを形成する工程と、前記工程で少なくとも前記走査線と信号線と絶縁ゲート型トランジスタとを形成した後に、前記第1の透明性絶縁基板上に無機材質よりなるパシベーション絶縁層を被着する工程と、前記パシベーション絶縁層の表面に、感光性有機絶縁層パターンを形成する工程と、前記感光性有機絶縁層パターンをマスクとして前記パシベーション絶縁層の一部を除去し、該パシベーション絶縁層に複数の異なる開口を形成する工程とを含むことを特徴とする。
請求項7に記載の液晶表示装置の製造方法は、前記感光性有機絶縁層パターンの膜厚を減少させて前記パシベーション絶縁層を露出する工程をさらに含むことを特徴とする。
請求項8に記載の液晶表示装置の製造方法によれば、前記感光性有機絶縁層パターンは異なる膜厚を有し、そのうちの厚い部分は柱状スペーサを形成することを特徴とする。
請求項9に記載の液晶表示装置の製造方法は、ハーフトーン露光法を用いて前記感光性有機絶縁層パターンを形成することを特徴とする。
請求項10に記載の液晶表示装置の製造方法は、前記信号線上に前記柱状スペーサを形成することを特徴とする。
請求項11に記載の液晶表示装置の製造方法は、複数の異なる開口を有する前記パシベーション絶縁層の表面に前記絵素電極を形成する工程をさらに含むことを特徴とする。
この構成により、無機材質よりなるパシベーション絶縁層への開口形成に用いた感光性有機絶縁層パターンを膜減りさせてアクティブ基板上にそのまま残った感光性有機絶縁層パターンを柱状スペーサとして機能させることが可能となる。一方、従来の液晶表示装置でもパシベーション絶縁層への開口形成のための写真食刻工程は必要であるから、その製造工程を柱状スペーサの形成工程と兼ねた分、液晶表示装置の製造コストは低下する。なお本発明では上記のように同一のフォトマスクを用いて開口と柱状スペーサを形成しているので、柱状スペーサは開口と自己整合して、柱状スペーサと開口との相対的な位置は多面付けされたガラス基板2内の各々の画像表示部内のどこでも一定で変わらない。すなわち、開口と柱状スペーサの形成工程を2枚のフォトマスクを用いて製作した液晶表示装置と比較すると、フォトマスクの合わせずれに対応した現象が発生しない。
このように本願発明では、アクティブ基板を保護するパシベーション絶縁層あるいは同等の機能を発揮するソース・ドレイン配線上の感光性有機絶縁層を形成するための写真食刻工程においてハーフトーン露光技術を採用することにより、これらのパシベーション機能を有する部位を局所的に厚く形成しており、局所的に厚く形成された部位が柱状スペーサとして機能する。
この結果、アクティブ基板の製造工程数を増加することなくアクティブ基板上に柱状スペーサを形成することが可能となり、液晶表示装置の製造コスト削減に大きく貢献する効果が得られる。
本発明の要件は上記の説明からも明らかなようにアクティブ基板の作製に当たり、アクティブ基板を保護するパシベーション絶縁層あるいは同等の機能を発揮するソース・ドレイン配線上の感光性有機絶縁層を形成するための写真食刻工程においてハーフトーン露光技術を採用することにより、これらのパシベーション機能を有する部位を局所的に厚く形成することで柱状スペーサを形成した点にあり、それ以外の構成に関しては走査線、信号線、ゲート絶縁層等の材質や膜厚等が異なった表示装置用半導体装置、あるいはその製造方法の差異も本発明の範疇に属することは自明であり、垂直配向の液晶を用いた液晶表示装置においても本発明の有用性は変らない。さらにTN液晶とは異なり、アクティブ基板上に形成され所定の距離を隔てて形成された一対の絵素電極と対向電極との間で液晶に横方向の電界を印加するIPS(In−Plain−Switching)型の液晶パネルへの適用も容易であり、請求項1に記載の液晶表示装置が該当する。ただし、この場合ドレイン電極(絵素電極)上に開口部形成は不要であり、対向電極は走査線と同時にガラス基板上に形成されるのが一般的である。請求項2に記載の液晶表示装置は絵素電極と対向電極を厚いパシベーション絶縁層上に形成した高開口率のIPS型の液晶表示装置に該当している。また絶縁ゲート型トランジスタの半導体層も非晶質シリコンに限定されるものでないことも明らかであり、請求項3と請求項6を除いて絶縁ゲート型トランジスタの構成による差異は無い。
本発明の実施例を図1〜図6に基づいて説明する。図1に本発明の実施例1に係る表示装置用半導体装置(アクティブ基板)の平面図を示し、図2に図1のA−A’線上とB−B’線上及びC−C’線上の製造工程の断面図を示す。同様に実施例2は図3と図4、実施例3は図5と図6で夫々アクティブ基板の平面図と製造工程の断面図を示す。なお従来例と同一の部位については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
実施例1では従来例と同様にチャネルエッチ型の絶縁ゲート型トランジスタをスイッチング素子とする5枚マスク・プロセスを基本としたデバイス作製を行い、図1(c)と図2(c)に示したようにソース・ドレイン配線12,21の形成までは同一の製造工程を進行する。
ソース・ドレイン配線12,21の形成後、ガラス基板2の全面に無機材質の透明性の絶縁層として従来通りPCVD装置を用いて0.3μm程度の膜厚の第2のSiNx層を被着してパシベーション絶縁層37とし、図1(d)と図2(d)に示したようにドレイン電極21上に開口部62と、画像表示部外の領域で走査線の一部5上に開口部63と、信号線の一部6上に開口部64を有すると共に、柱状スペーサに対応した領域85Aの膜厚が4μmで、その他の領域85Bの膜厚が1μmであるような感光性有機絶縁層パターン85A,85Bをハーフトーン露光技術により形成する。
このように膜厚差が大きいパターン形成ではフォトマスクの透過光量を制御するためには従来の細いスリットパターンよりは透過率の異なる2種類の金属薄膜パターンを形成されたグレートーン・マスクの方が好ましい結果が得られる。
上記の感光性有機絶縁層パターン85A,85Bをマスクとして、従来例と同様に開口部63内のパシベーション絶縁層37とゲート絶縁層30を除去して開口部63内に走査線の一部5を露出するとともに、開口部62,64内のパシベーション絶縁層37を除去して開口部62内にドレイン電極21の一部と開口部64内に信号線の一部6を露出する。
そして酸素プラズマ等の灰化手段により感光性有機絶縁層パターン85A,85Bを1μm以上膜減りさせると、図1(e)と図2(e)に示したように感光性有機絶縁層パターン85Bが消失してパシベーション絶縁層37が露出すると共に、ソース・ドレイン配線12,21上の所定の領域にのみ膜減りした感光性有機絶縁層パターン85Cをそのまま残すことができる。
最後にSPT等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1〜0.2μm程度の透明導電層として例えばITOあるいはIZOまたはこれらの混晶体を被着し、図1(f)と図2(f)に示したように微細加工技術により開口部62を含んでパシベーション絶縁層37上に絵素電極22を選択的に形成してアクティブ基板2として完成する。電極端子は絵素電極22と同時にパシベーション絶縁層37上にITOよりなる透明導電性の電極端子5A,6Aを形成している。
このようにして得られたアクティブ基板2とカラーフィルタ9を貼り合わせて液晶パネル化し、本発明の実施例1が完了する。膜厚3μmの感光性有機絶縁層パターン85Cは柱状スペーサ77として機能し、アクティブ基板2とカラーフィルタ9との間隙を一定に保つことは説明するまでも無いだろう。
垂直配向の液晶で無い限り、通常は配向膜への配向処理にラビング布による配向処理が行われるので、柱状スペーサ77の高い段差による配向処理の乱れが表示画像に表れないためには柱状スペーサ77を絵素電極22から離れた場所に配置することが望ましく、図示はしないが絶縁ゲート型トランジスタのチャネルに近いドレイン電極21上または走査線11と信号線12の交差領域上の信号線12上に柱状スペーサ77を配置するのが最善である。
また絵素電極の形成工程で損傷を受けて膜厚が減少する、あるいは形状が崩れる等の不具合を回避するためには柱状スペーサ77は耐熱性と対薬品性に優れた感光性有機絶縁層である必要があり、主成分がアクリル樹脂やポリイミド樹脂であるような感光性有機絶縁層が選択される。さらに柱状スペーサ77は液晶セルの中で液晶17と接するので不純物が溶出して液晶の諸特性を劣化させないためには高い純度も必要である。
なお詳細な説明は省略するが、パシベーション絶縁層37の被着よりも先に透明導電性の絵素電極が形成されているアクティブ基板や、あるいはパシベーション絶縁層37の形成後に金属層と透明導電層との積層よりなる積層パターン上に開口部を形成し、開口部内のパベーション絶縁層に加えて前記積層パターンの金属層を除去して露出した透明導電性の絵素電極を得るようなアクティブ基板においても請求項1(実施例1)の有効性は変わらない事を補足しておく。なぜならばパシベーション絶縁層の形成後には必ず走査線、信号線、ドレイン電極の一部を露出して電気的な接続箇所を設ける必要があり、あるいは絵素電極上の劣悪な膜質のパシベーション絶縁層を除去して表示画像の焼付けを防止するために必ずパペーション絶縁層への開口部形成工程が付随して発生するからである。
本発明者は既に工程削減の観点から多種多様の液晶表示装置とアクティブ基板を発案して先行出願しており、パベーション絶縁層の形成前に透明導電性の絵素電極22を形成しておくようなアクティブ基板としては、特願2003−109729,2003−182106,2003−282303及び2003−396557号公報に、また開口部内のパベーション絶縁層に加えて金属層と透明導電層との積層パターン上の金属層を除去して露出した透明導電層パターンを絵素電極22とするようなアクティブ基板としては、特願2003−182106,2003−182303,2003−396557,2003−396558,2004−21288,2004−21290及び2004−93945号の各公報に詳細な実施例が記載されている。
特願2003−109729号公報
特願2003−182106号公報
特願2003−282303号公報
特願2003−396557号公報
特願2003−396558号公報
特願2004−21288号公報
特願2004−21290号公報
特願2004−93945号公報
実施例1では柱状スペーサ77の膜厚は、感光性有機絶縁層の塗布時の均一性と酸素プラズマによる膜厚減少時に均一性が悪いと当然ばらつきが発生してしまい、ギャップ斑の原因として例えば±0.2μm程度の膜厚ばらつきが問題となることもあるので、以降の実施例では柱状スペーサ77の膜厚ばらつきが小さい液晶表示装置について説明する。
実施例2でも実施例1と同様に図3(c)と図4(c)に示したようにソース・ドレイン配線12,21の形成までは同一の製造工程を進行する。
ソース・ドレイン配線12,21の形成後、ガラス基板2の全面に無機材質の透明性の絶縁層としてPCVD装置を用いて0.3μm程度の膜厚の第2のSiNx層を被着してパシベーション絶縁層37とし、図3(d)と図4(d)に示したようにドレイン電極22上に開口部62と、画像表示部外の領域で走査線の一部5上に開口部63と、信号線の一部6上に開口部64を有すると共に、柱状スペーサに対応した領域86A(77)の膜厚が6μmで、その他の領域86Bの膜厚が3μmであるような感光性有機絶縁層パターン86A,86Bをハーフトーン露光技術により形成する。
そして上記の感光性有機絶縁層パターン86A,86Bをマスクとして、従来例と同様に開口部63内のパシベーション絶縁層37とゲート絶縁層30を除去して開口部63内に走査線の一部5を露出するとともに、開口部62,64内のパシベーション絶縁層37を除去して開口部62内にドレイン電極21の一部と開口部64内に信号線の一部6を露出する。ただし、チャネル上に保護絶縁層を有するエッチストップ型の絶縁ゲート型トランジスタを採用した場合にはパシベーション絶縁層37が存在しなくても支障は無いので、感光性有機絶縁層パターン86A,86Bの形成直後から開口部62,64内にはドレイン電極21の一部と信号線の一部6が露出しており、開口部63内のゲート絶縁層30を除去して開口部63内に走査線の一部5を露出するだけで良い。
最後にSPT等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1〜0.2μm程度の透明導電層として例えばITOあるいはIZOを被着し、図3(e)と図4(e)に示したように微細加工技術により開口部62を含んで感光性有機絶縁層パターン86B上に絵素電極22を選択的に形成してアクティブ基板2として完成する。電極端子は絵素電極22と同時にパシベーション絶縁層37上にITOよりなる透明導電性の電極端子5A,6Aを形成している。
このようにして得られたアクティブ基板2とカラーフィルタ9を貼り合わせて液晶パネル化し、本発明の実施例2が完了する。膜厚6μmの感光性有機絶縁層パターン86Aは柱状スペーサ77として機能する。感光性有機絶縁層パターン86Bの膜厚を3μmと厚く形成する理由はアクティブ基板2の表面を平坦化して配向処理を容易にすると共に、絵素電極22を走査線11や信号線12と重なり合うように大きく形成して開口率の高い液晶表示装置を得るための工夫であり、所謂平坦化技術として周知の技術である。そして感光性有機絶縁層パターン86A,86Bの膜厚差の3μmが液晶セルの厚み(ギャップ厚)となるので、ハーフトーン露光の中間調の透過光量を制御することにより、感光性有機絶縁層パターン86Bの膜厚を2μmとし、液晶セルの厚みを4μmとすることも可能であり、液晶表示装置の光学設計から決定される液晶セルの厚みへの対応も可能である。
実施例2では感光性有機絶縁層パターン86Aよりなる柱状スペーサ77は酸素プラズマ処理による灰化処理を受けないので、実施例1に記載の柱状スペーサと比較すると柱状スペーサとしての膜厚変動は少ないが、感光性有機絶縁層パターン86Bの膜厚が変動すると液晶セルのギャップが変動するのでハーフトーン露光のプロセス管理には細心の注意を払う必要がある。
実施例3は感光性有機絶縁層パターンを用いてソース・ドレイン配線12,21を形成し、感光性有機絶縁層パターンを除去することなく、さらにアクティブ基板2上にパシベーション絶縁層を形成することもなく、そのまま完成したアクティブ基板2としてカラーフィルタ9と貼り合わせて液晶表示装置を得ることが前提となった液晶表示装置に適用可能な技術であり、本発明者が先に出願した特願2003−109730,2003−182107,2003−282303,2003−336706,2003−336707,2004−21289,2003−339659及び2004−93944号の各公報にその詳細が記載されている。これらの先行文献の中から特願2004−93944号に記載の実施例1として記載されたデバイス及びプロセスを本願発明に適用して本願発明の実施例3を説明する。
特願2003−109730号公報
特願2003−182107号公報
特願2003−336706号公報
特願2003−336707号公報
特願2003−339659号公報
特願2004−21289号公報
特願2004−93944号公報
実施例3では先ずガラス基板2の一主面上にSPT等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1〜0.2μm程度の透明導電層91として例えばITOと、膜厚0.1〜0.3μm程度の第1の金属層92を被着し、図5(a)と図6(a)に示したように微細加工技術により感光性樹脂パターンを用いて透明導電層91Aと第1の金属層92Aとの積層よりなりゲート電極11Aも兼ねる走査線11及び走査線の擬似電極端子94と、透明導電層91Bと第1の金属層92Bとの積層よりなる擬似絵素電極93と、透明導電層91Cと第1の金属層92Cとの積層よりなる信号線の擬似電極端子95を選択的に形成する。第1の金属層として例えばCr,Ta,Mo等の高融点金属あるいはそれらの合金やシリサイドが選ばれる。ゲート絶縁層を介して信号線との絶縁耐圧を向上させ、歩留を高めるためにはこれらの電極は乾式食刻(ドライエッチ)による断面形状のテーパ制御を行うことが望ましいが、ITOのドライエッチ技術は食刻ガスに沃化水素や臭化水素を用いたものが開発されたもののガス排気系での反応生成物による堆積量が大きく実用化に至らなかったので、当面は例えばAr(ガス)を用いたスパッタ・エッチを採用すると良い。あるいは製膜温度が低く、殆ど結晶性を有していないIZO等の透明導電層と耐熱性の高いAL(Ta,Nd)合金との組合せであれば、燐酸系のエッチング液でその断面形状をテーパ制御しつつ同時にこれらの多層膜パターン93〜95を得る事も可能である。なお、AL(Ta,Nd)は成分比として数%以下のTaやNdが添加されたAL合金を意味している。
次にガラス基板2の全面にプラズマ保護層となる透明絶縁層、例えばTaOxやSiO2を0.1μm程度の膜厚で被着して71とする。このプラズマ保護層71は後続のPCVD装置によるゲート絶縁層であるSiNxの形成時に走査線11と擬似絵素電極93のエッジ部に露出している透明導電層91A,91Bが還元されてSiNxの膜質が変動するのを防止するために必要で、詳細は先行例特開昭59−9962号公報を参照されたい。ただし透明導電層91の膜厚が500Å以下と薄い場合にはSiNx層の透明度の劣化は小さく、プラズマ保護層71の形成を省略することも可能である。
プラズマ保護層71の被着後は従来例と同様にPCVD装置を用いてゲート絶縁層となる第1のSiNx層30、不純物をほとんど含まず絶縁ゲート型トランジスタのチャネルとなる第1の非晶質シリコン層31、及びチャネルを保護する絶縁層となる第2のSiNx層32と3種類の薄膜層を、例えば0.2−0.05−0.1μm程度の膜厚で順次被着し、図5(b)と図6(b)に示したように微細加工技術により感光性樹脂パターンを用いて第2のSiNx層32を選択的に食刻してゲート電極11Aよりもパターン幅の細い第2のSiNx層32D(保護絶縁層)とするとともに第1の非晶質シリコン層31を露出する。ここではゲート絶縁層がプラズマ保護層71と第1のSiNx層30との積層になるため第1のSiNx層は従来よりも薄く形成して良い副次的なメリットがある。
続いてPCVD装置を用いてガラス基板2の全面に不純物として例えば燐を含む第2の非晶質シリコン層33を例えば0.05μm程度の膜厚で被着した後、図5(c)と図6(c)に示したように微細加工技術により感光性樹脂パターンを用いて擬似絵素電極93上に開口部74と画像表示部外の領域で擬似電極端子94,95上に開口部63A,64Aを形成し、上記開口部内の第2の非晶質シリコン層33、第1の非晶質シリコン層31、ゲート絶縁層30、プラズマ保護層71に加えて第1の金属層92A〜92Cを順次食刻し、走査線11の一部(擬似電極端子94)の透明導電層91Aを露出して走査線の電極端子5Aとし、同様に擬似電極端子95の透明導電層91Cを露出して信号線の電極端子6Aとし、擬似絵素電極93の透明導電層91Bを露出して絵素電極22とする。なお画像表部外の領域でも透明導電層91と第1の金属層92との積層よりなる多層膜パターン96を形成しておけば、この工程で透明導電層よりなる短絡線40が得られるので静電気対策とすることが可能である。
引き続きSPT等の真空製膜装置を用いて膜厚0.1μm程度の耐熱金属層として例えばTi,Ta等の薄膜層34と膜厚0.3μm程度の低抵抗金属層としてAL薄膜層35を順次被着する。そして図5(d)と図6(d)に示したようにハーフトーン露光技術によりソース・ドレイン配線12,21に対応し、ソース・ドレイン配線12,21上で柱状スペーサに対応した領域87A(77)の膜厚が3μmで、その他の領域の87Bの膜厚が1~2μmであるような感光性有機絶縁層パターン87A,87Bをハーフトーン露光技術により形成する。そして感光性有機絶縁層パターン87A,87Bをマスクとしてこれら2層の薄膜層よりなるソース・ドレイン配線材と第2の非晶質シリコン層33と第1の非晶質シリコン層31Bを順次食刻して保護絶縁層32Dとゲート絶縁層30Aを露出し、絵素電極22の一部を含んで34Aと35Aとの積層よりなる絶縁ゲート型トランジスタのドレイン電極21と、信号線の電極端子6Aの一部を含んでソース電極も兼ねる信号線12を選択的に形成する。走査線の電極端子5Aはソース・ドレイン配線12,21のエッチングが終了するとアクティブ基板2上に露出する。そして感光性有機絶縁層パターン87A,87Bを除去することなくアクティブ基板2の製造工程を終える。
このようにして得られたアクティブ基板2とカラーフィルタ9を貼り合わせて液晶パネル化し、本発明の実施例3が完了する。膜厚3μmの感光性有機絶縁層パターン87Aは柱状スペーサ77として機能する。絵素電極22がガラス基板2上に形成されているので他の実施例と異なり、液晶セルのギャップが大きくなり易いので、液晶の設計的な観点から感光性有機絶縁層パターン87Aの膜厚をもう少し薄くして例えば2μmとすることも容易である。蓄積容量15の構成に関しては図5(d)に示したようにソース・ドレイン配線12,21と同時に絵素電極22の一部を含んで形成された蓄積電極72と前段の走査線11に設けられた突起部がプラズマ保護層71Aとゲート絶縁層30Aと第1の非晶質シリコン層31Eと第2の非晶質シリコン層33E(共に図示せず)を介して平面的に重なることで構成している例(右下がり斜線部52)を例示している。
上記のように実施例3によって得られるアクティブ基板2ではチャネル上には保護絶縁層32Dが形成され、ソース・ドレイン配線12,21上には感光性有機絶縁層パターン87A,87Bが形成されているので、さらにアクティブ基板2上に透明絶縁性のパシベーション絶縁層を形成しなくても液晶表示装置として十分な信頼性が得られる。また本発明の主題である柱状スペーサ77に関してもガラス基板2からの高さが液晶セル厚に相当するので、感光性有機絶縁層パターン87Aの塗布厚のばらつきだけでギャップ精度のばらつきが決定され、本願発明の実施例の中では最もギャップ精度のばらつきが小さくなる。
なお、必ずしもソース・配線(信号線)上の感光性有機絶縁層パターンの特定の領域を柱状スペーサとして他の領域よりも膜厚を厚くする必要は無く、例えば、特許引用文献12である特願2003−336707号公報に開示されているように、金属層と透明導電層との積層よりなるソース・配線(信号線)と、透明導電層よりなるドレイン配線(絵素電極)が形成され、画像表示部内のソース・配線(信号線)上に感光性有機絶縁層パターンが形成された液晶表示装置において、前記感光性有機絶縁層パターンの膜厚を厚くして、柱状ではなく堤防状のスペーサとすることも可能である。なぜならばアクティブ基板上には絶縁ゲート型トランジスタを始めとする多くの部位が形成されているので、通常、走査線と信号線の交差領域が最もガラス基板からの高さが高く、この領域がスペーサとして有効に機能し、その他の領域のソース・配線(信号線)上の感光性有機絶縁層パターンと対向するカラーフィルタとの間には0.5μm前後の隙間が形成され、液晶注入時または液晶滴下時に前記堤防状のスペーサによって液晶のセル内での拡散が制約を受けることは少ないからである。
本発明の実施例1にかかる表示装置用半導体装置の平面図
本発明の実施例1にかかる表示装置用半導体装置の製造工程断面図
本発明の実施例2にかかる表示装置用半導体装置の平面図
本発明の実施例2にかかる表示装置用半導体装置の製造工程断面図
本発明の実施例3にかかる表示装置用半導体装置の平面図
本発明の実施例3にかかる表示装置用半導体装置の製造工程断面図
液晶パネルの実装状態を示す斜視図
液晶パネルの等価回路図
液晶パネルの断面図
従来例のアクティブ基板の平面図
従来例のアクティブ基板の製造工程断面図
合理化されたアクティブ基板の平面図
合理化されたアクティブ基板の製造工程断面図
符号の説明
1:液晶パネル
2:アクティブ基板(ガラス基板)
3:半導体集積回路チップ
4:TCPフィルム
5:金属層よりなる走査線の電極端子、走査線の一部
5A:透明導電層よりなる走査線の電極端子、走査線の一部
6:金属層よりなる信号線の電極端子、信号線の一部
6A:透明導電層よりなる信号線の電極端子、信号線の一部
9:カラーフィルタ(対向するガラス基板)
10:絶縁ゲート型トランジスタ
11:走査線
11A:(ゲート配線、ゲート電極)
12:信号線(ソース配線、ソース電極)
16:蓄積容量線
21:ドレイン電極
22:(透明導電性の)絵素電極
30,30A,30B,30C:ゲート絶縁層(第1のSiNx層)
31,31A,31B,31C:(不純物を含まない)第1の非晶質シリコン層
32:第2のSiNx層
32D:チャネル保護層(エッチストップ層、保護絶縁層)
33:(不純物を含む)第2の非晶質シリコン層
34,34A:耐熱金属層(シリサイドも含む)
35,35A:低抵抗金属層(AL)
36,36A:中間導電層
37:(SiNxよりなる)パシベーション絶縁層
38:(絵素電極上の)開口部
50,51:蓄積容量形成領域
62:(ドレイン電極上の)開口部
63,63A:(走査線上の)開口部
64,64A:(信号線上の)開口部
65,65A:(蓄積容量線上の)開口部
77:柱状スペーサ(85C,86A,87A)
85A,85B,86A,86B,87A,87B
:ハーフトーン露光技術で形成された感光性有機絶縁層パターン
91,91A,91B,91C:透明導電層
92,91A,91B,91C:第1の金属層