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JP4871844B2 - 廃熱回収装置 - Google Patents
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本発明は、車両の内燃機関から発生する排ガスから廃熱を回収する装置に関するものである。
自動車では、より一層の燃費向上を図るために、エンジンの排ガス中の熱を回収し、電気エネルギー等に変換する技術が検討されている。そして、自動車のエンジンから排出される排ガスの熱エネルギーを、電気エネルギーとして回収する熱電発電装置が知られている(例えば、特許文献1〜3)。
特許文献1〜3では、排気管を流れる排ガスの廃熱を熱交換フィンで回収し、その熱を熱電変換モジュール(熱電変換素子)に伝導させる。そして,熱電変換モジュールにおける温度差による熱電効果によって、発電を行うものである。熱電変換モジュールに効率的に熱を伝達するために、排ガスの熱を回収する熱交換フィン等の伝熱部材の改良が進められている。
また、エンジンの排ガス中の熱により蒸気を生成する蒸発器を備え、蒸気の熱エネルギーを電力に変換するランキンサイクルが検討されている(非特許文献1)。
特開2006−207428号公報 特開2005−295725号公報 特開2006−211780号公報
「ランキンサイクルを用いた車載用廃熱回生システムの研究」 (社)自動車技術会学術講演会前刷集 No.92-06 15〜20頁
しかし、熱交換フィンはCu等の高熱伝導率金属によって形成されているが、高温の排ガス中で長期間使用すると劣化しやすく、寿命が短い。また、SUSは、排ガス環境中で使用可能であるが、熱伝導率が低く、廃熱回収の性能が低いために、熱電変換効率に限界がある。また、排ガス環境中で使用可能な熱伝導性セラミックスでは、熱伝導率がSUS等より高いものもある。しかし、複雑な熱交換フィン形状をセラミックスによって形成することは困難であり,また製造コストが高い。
非特許文献1に記載のようなランキンサイクル用の蒸発器には、金属製パイプとフィンが必要であるが、複雑な構造となっている。このため、前記と同じ材料の制限がある上に、製造コストが高い。
本発明の課題は、内燃機関の排ガス中で長期間にわたって使用可能であり、廃熱回収の効率も高く、かつ製造コストを低減可能な、車両内燃機関の排ガスの廃熱回収装置を提供することである。
本発明は、車両の内燃機関の排気管に設置される廃熱回収装置であって、
内燃機関の排ガスを流すための配管、配管内に設置されており、排ガスが透過する筒状の多孔質セラミックス部材、多孔質セラミックス部材の入り口側に設置された封止材、多孔質セラミックス部材の出口側に設置されたリング状封止材、および配管の外側に設置され、多孔質セラミックス部材からの輻射熱を回収する熱電変換素子を備えており、排ガスを、多孔質セラミックス部材の外周面と配管の内周面との間の空間から多孔質セラミックス部材を透過して多孔質セラミックス部材の内側空間へと流し、多孔質セラミックス部材の外周面からの輻射熱を配管を通して熱電変換素子によって回収することを特徴とする。
本発明によれば、内燃機関の排ガスを流すための配管内に多孔質セラミックス部材を設置し、この多孔質セラミックス部材を排ガスが透過するように設計する。そして、熱回収部材を設置し、多孔質セラミックス部材からの輻射熱によって、排ガスの廃熱を回収する。
このような装置によれば、多孔質セラミックス部材は、内燃機関の排ガス中で長期間にわたって使用可能であり、かつ複雑形状の放熱フィンをセラミックスで形成した場合に比べて製造コストを低減できる。更に、多孔質セラミックスの気孔表面積は大きくできるので、排ガス中の廃熱の回収効率は高く、熱回収部材による廃熱回収の効率も高くできる。
図1、図2は、本発明の一実施形態に係る廃熱回収装置を模式的に示す断面図である。図は、図の廃熱回収装置の横断面を模式的に示す断面図である。
配管2は、図示しない所定の内燃機関排ガス配管系に接続するものである。配管2の内側には、筒状の多孔質セラミックス部材9が設置されている。多孔質セラミックス部材9の入口側末端には封止材7が設置されており、多孔質セラミックス部材9の入り口を気密に塞いでいる。また、多孔質セラミックス部材9の出口側にはリング状の封止材8が設置されており、封止材8の開口8aが多孔質セラミックス部材9の内側空間5と連通している。
配管2の入り口2aから矢印Aのように排ガスが流入し、封止材7によってせき止められ、入口側空間3内で矢印Bのように配管の周縁部に向かって流れる。次いで、配管2の内周面と多孔質セラミックス部材9の外周面9aとの間の空間4を流れ、多孔質セラミックス部材9の内側空間5へと向かって、矢印Cのように多孔質セラミックス部材を透過する。次いで、矢印Dのように出口側空間6を通過し、出口2bから配管系に排出される。
配管2の外側には熱回収装置10が設置されている。ここで、熱回収装置は、配管2の外壁面に接触するように配管に取り付けられていて良い。あるいは、熱回収装置10は、配管2から離れた位置に固定されていてもよい。
排ガスが矢印Cのように多孔質セラミックス部材9を透過する間に、部材9の内部において、排ガスと気孔との接触によって部材9の内部に熱が溜まる。そして、多孔質セラミックス部材9の外周面から矢印Eのように熱が輻射される。熱回収部材10がこの熱輻射を受け、他の形のエネルギーとして利用する。
筒状の多孔質セラミックス部材9の外側面と配管の内側面との間に、多孔質セラミックス部材9の長手方向へと向かって延びる空間4を形成した場合には、排ガスが矢印Cのように広い面積にわたって内側空間5へと向かって透過されやすい。従って、多孔質セラミックス部材を透過する際の圧力損失を低減する上で有効である。
図2の廃熱回収装置1Aに示すように、配管2の外壁面上に熱回収装置として熱電変換素子11が設置されている。そして、多孔質セラミックス部材9から、熱電変換素子11の内周面へと向かって矢印Eのように熱輻射がなされる。熱電変換素子11の外側には所定の冷媒を接触させる。
上記のように、本発明を実施することにより、高温の排ガスの熱エネルギーを小型の部材で効率良く回収できる。フィン等で熱を回収する場合は、フィン表面でガスからの熱伝達により熱を得て、フィン部材の熱伝導により熱を伝え、排気管外周の熱電素子に熱が伝達される。これに対し、多孔質セラミックスの孔内の幾何学的表面積はフィンの表面積よりも大きく、熱伝達の効率は高いため、部材は小さくてよい。また、フィン部材の熱伝導による固体中の伝導よりも、固体からの輻射の方が熱伝達効率は高い。特に温度が高ければ高いほど、輻射による熱伝達効率が高く、この場合、使用材料もセラミックス等の高耐熱材料に限られる。すなわち、優れた耐久性を有する熱回収部材が提供される。
本発明においては、配管の形態は特に限定されず、例えば、筒状(円筒形、多角筒形など)であってよい。多孔質セラミックス部材の形態、例えば、円筒形、多角筒形であってよい。ただし、配管と多孔質セラミックス部材とがともに筒状である場合には、同軸であることが特に好ましい。また、配管や多孔質セラミックス部材が筒状である場合には、その外径、内径は、長手方向に向かって変化していてもよい。例えば、配管、多孔質セラミックス部材のうちガスの上流側を細くし、ガスの下流側を太くすることもできる。
配管の材質は特に限定されないが、配管のうち少なくとも輻射熱を受ける部分の材質は、熱輻射に対して透明であるか、または、黒体か、あるいは黒体に近い放射・吸収特性を有する材質が好ましい。こうした材質としては、石英ガラスや窒化珪素、アルミナ、コーディエライトなどのセラミックス、表面を黒色処理したステンレススチール、ニッケルなどの耐熱金属を例示できる。
配管内部では、排ガスが多孔質セラミックス部材を透過するように、封止材によって多孔質セラミックス部材以外の径路をふさぐことが好ましい。例えば前述の例では7、8が封止材にあたる。こうした封止材の材質は、熱伝導率が低いことが好ましく、緻密質であることが好ましく、また排ガス環境中で耐久性の高いことが好ましい。
この封止部材の材質は、緻密質で低熱伝導の材料がよく,多孔質セラミックス部材と一体に接合されていてよい。接合方法は、拡散接合、ろう接合、ガラス接合等が適用される。この材質は、耐熱金属(SUS、Ni合金)、セラミックス(アルミナ、ジルコニア、ムライト、スピネル、窒化珪素、コーディエライトを例示できる。
多孔質セラミックス部材は、排ガスの透過に際し、圧損が大きくならないよう、気孔率が大きい方が好ましい。この観点からは、多孔質セラミックス部材の気孔率は、50%以上が好ましく、60%以上が更に好ましい。また、多孔質セラミックス部材の気孔率が高すぎると、取り扱いが難しいので、この観点からは、90%以下が好ましい。
多孔質セラミックス部材の材質は、排ガス環境下で耐久性が高く、熱放射率が大きいことが好ましい。これによって、排ガスの熱を奪った多孔質セラミックスにおいて、輻射熱へのエネルギー変換効率が高い。
具体的には、多孔質セラミックス部材の形態は、均一な発泡状のセラミックフォームが良い。あるいは、後述するようなハニカム構造体(ハニカムセル壁が高気孔率を有している)も好ましい。多孔質セラミックス部材の材質は、アルミナ、コーディエライト、ジルコニア、窒化珪素、炭化珪素を例示できる。
「セラミックフォーム」は、ウレタンフォームにセラミックススラリーを含浸させたのち、焼結することによって製造できる。あるいは、セラミック原料のゾルを泡立て、泡立て終わるころにゲル化させて発泡体を得、これを焼結してセラミックフォームとしてもよい。
本発明においては、熱回収部材が熱電変換素子である。熱電変換素子は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換するものであり、高温側となる内側面と低温側となる外側面の両面間に生じる温度差によって、ゼーベック効果による起電力を発生する。熱電素子は、排ガス配管の外側面上に周方向に並んで離散的に複数配置でき、このように配置することにより、より多くの熱電素子を配置することができ、効率よく、熱エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。熱電素子には、図示されない電極が形成されている。低温側となる外側面は、図示しない空冷または水冷機構を配置できる。
多孔質セラミックス部材の気孔内に排ガス浄化用触媒が担持されていてもよい。これにより、エンジン直下に設置することができ、排ガスを浄化すると同時に、より高温排ガスの熱を回収することができる。そればかりでなく、排ガスの浄化反応熱も回収することができる。ここで、排ガス浄化用触媒は、例えば、Pt、Rh、Pdなどの貴金属と酸素吸蔵成分としてCeO2を含むアルミナコートに担持した三元触媒である。
多孔質セラミックス部材中には,排ガスの透過方向に向かって大きな温度勾配が生じる。これによる熱応力による破壊を防ぐという観点からは、例えば、多孔質セラミックス部材を複数に分割することによって応力を熱分散させることができる。
例えば、図の装置1Dでは、多孔質セラミックス部材19は、内側の多孔質セラミックス部材20と外側の多孔質セラミックス部材21からなる。各多孔質セラミックス部材は同軸とする。多孔質セラミックス部材20と21との間は、密着させてもよく、隙間を設けても良い。排ガスは、外側空間4から矢印Cのように内側空間5へと流れ、このときに廃熱が多孔質セラミックス部材に回収される。多孔質セラミックス部材21の外周面19aからは矢印Eのように輻射が生じる。
また、図の装置1Eでは、多孔質セラミックス部材として、ハニカム構造体22を用いている。本例では、排ガスは、外側空間4から矢印Cのように内側空間5に流れ、このときに廃熱が多孔質セラミックス部材に回収される。多孔質セラミックス部材22の外周面22aからは矢印Eのように輻射が生じ、これが熱回収装置10によって回収される。この例では、ハニカム構造体22のセル壁が多孔質セラミックスからなっており、排ガスはセル壁を透過して流れる。
前述してきたように、配管内に筒状の多孔質セラミックス部材を設置する場合には、配管の形状が真っ直ぐである場合にも、配管中の流れ方向と垂直な方向へと向かってガスを流し、流れ方向と垂直な方向へと向かって廃熱を放射させ易い。
本発明の一実施形態に係る廃熱回収装置1を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る廃熱回収装置1Aを模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る廃熱回収装置を模式的に示す横断面図である。 本発明の更に他の実施形態に係る廃熱回収装置1Dを模式的に示す断面図である。 本発明の更に他の実施形態に係る廃熱回収装置1Eを模式的に示す断面図である。

Claims (5)

  1. 車両の内燃機関の排気管に設置される廃熱回収装置であって、
    前記内燃機関の排ガスを流すための配管、前記配管内に設置されており、前記排ガスが透過する筒状の多孔質セラミックス部材、前記多孔質セラミックス部材の入り口側に設置された封止材、前記多孔質セラミックス部材の出口側に設置されたリング状封止材、および前記配管の外側に設置され、前記多孔質セラミックス部材からの輻射熱を回収する熱電変換素子を備えており、前記排ガスを、前記多孔質セラミックス部材の外周面と前記配管の内周面との間の空間から前記多孔質セラミックス部材を透過して前記多孔質セラミックス部材の内側空間へと流し、前記多孔質セラミックス部材の前記外周面からの輻射熱を前記配管を通して前記熱電変換素子によって回収することを特徴とする、車両の内燃機関の廃熱回収装置。
  2. 複数の前記熱電変換素子が前記配管の外側面上に周方向に並んで配置されていることを特徴とする、請求項1記載の廃熱回収装置。
  3. 前記多孔質セラミックス部材が複数の多孔質セラミックス層からなることを特徴とする、請求項1または2記載の廃熱回収装置。
  4. 前記多孔質セラミックス部材が多孔質壁からなるハニカム構造を有することを特徴とする、請求項1〜のいずれか一つの請求項に記載の廃熱回収装置。
  5. 前記多孔質セラミックス部材に排ガス浄化用触媒が担持されていることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一つの請求項に記載の廃熱回収装置。
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