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JP4872093B2 - 骨年齢推定装置、骨年齢推定方法および骨年齢推定プログラム - Google Patents
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骨年齢推定装置、骨年齢推定方法および骨年齢推定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、骨年齢を推定する骨年齢推定装置、骨年齢推定方法および骨年齢推定プログラムに関する。特に、本発明は、骨を透過したX線画像に基づいて骨年齢を推定する骨年齢推定装置、骨年齢推定方法および骨年齢推定プログラムに関する。
従来、骨年齢を測定するための様々な技術が開発されている。従来の技術には以下のような方法がある。
(1) DXA法
DXA法(Dual energy X−ray Absorptiometry、2重エネルギーX線吸収測定法)では、エネルギーの異なる2本のX線を身体に照射し、身体を透過したX線を検出する。そして、X線の検出結果、ならびに、骨組織および軟部組織のX線吸収特性に基づいて、骨密度を算出する。算出された骨密度に基づいて、骨年齢を測定する。現在、DXA法を用いた骨密度測定は、広く用いられている(例えば、非特許文献1参照)。
(2) 超音波測定法
超音波測定法では、超音波を被験者の身体に送波し、身体を透過した超音波の受波信号に基づいて、骨の内部の超音波の音速や減衰率を求める。これらを、骨年齢あるいは骨の症状の評価指標として用いる(例えば、非特許文献2参照)。
「DXA法による腰椎骨塩定量に関する研究−後方要素骨塩量とその年代差について−」、平松哲、岐阜大学医学部学位論文、平成7年9月 「超音波式骨年齢測定装置(Bonage)を用いた日本人・小児の骨年齢測定における注意点」、金高宏文、鹿屋体育大学学術研究紀要 第36号,2007
従来の技術には、次のような問題があった。
(1)まず、DXA法などにおいてX線写真を撮影する時に、X線の輝度を時間的に完全に一定に保つことができない。そのため、X線フィルムごとの感光量に誤差が生じる。この感光量の誤差により、撮影結果から算出する検体のX線透過率、したがって、骨密度あるいは骨年齢に計測誤差が起きる。
(2)また、DXA法あるいは超音波測定法のいずれでも、骨の計測部位、計測時の計測装置から検体までの距離、あるいは、計測環境の差などにより、計測誤差が発生する。
(3)さらに、DXA法および超音波測定法のいずれも、測定法が複雑である。そのため、いずれの方法も計測処理に時間がかかる。つまり、いずれの方法を用いたシステムも、即応性が無い。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものである。本発明は、骨を透過したX線のX線画像に基づいて、簡易な手順によって、骨年齢を精度よく推定できる骨年齢推定装置、骨年齢推定方法および骨年齢推定プログラムを提供することを課題とする。
本発明の1つの局面に従うと、骨年齢推定装置であって、骨を透過したX線に対応する画像データを取得するための画像取得手段と、画像データの第1の領域を指定する第1の領域指定手段と、第1の領域の画素の中から最高輝度を有する最明画素を抽出する第1の抽出手段と、画像データのうち最明画素を含む所定のサイズの第2の領域を指定する第2の領域指定手段と、第2の領域の画素の中から最高輝度に応じたしきい値以上の輝度を有する複数の明画素を抽出する第2の抽出手段と、骨の骨密度に応じて変化する複数の明画素の分布特性に基づいて、骨の骨年齢を推定する推定手段とを備える。
好ましくは、推定手段は、最明画素から各明画素までの最大距離および最小距離を求め、最小距離の最大距離に対する比に基づいて、骨年齢を推定する。
さらに好ましくは、推定手段は、最小距離の最大距離に対する比が低いほど骨年齢を高く推定する。
好ましくは、第1の領域は、複数の指定領域を含み、第1の抽出手段は、指定領域ごとに最明画素を抽出し、第2の領域は、各指定領域の最明画素を各々含む複数の処理領域を含み、第2の抽出手段は、処理領域ごとに明画素を抽出し、推定手段は、各処理領域における明画素の分布特性を求め、分布特性の統計に基づいて、骨年齢を推定する。
好ましくは、第1の領域指定手段は、骨の骨髄に相当する領域内に第1の領域を設定する。
好ましくは、第2の領域指定手段は、最明画素を中心とする領域を第2の領域として指定する。
好ましくは、画像取得手段は、骨を透過したX線のX線画像を記録したフィルムをスキャンするためのスキャナを含む。
好ましくは、画像取得手段は、X線を出力するX線源と、X線源から出力し、骨を透過したX線を検出するX線検出器とを含む。
本発明の他の局面に従うと、骨年齢推定方法であって、骨を透過したX線に対応する画像データを取得するステップと、画像データの第1の領域を指定するステップと、第1の領域の画素の中から最高輝度を有する最明画素を抽出するステップと、画像データのうち最明画素を含む所定のサイズの第2の領域を指定するステップと、第2の領域の画素の中から最高輝度に応じたしきい値以上の輝度を有する複数の明画素を抽出するステップと、骨の骨密度に応じて変化する複数の明画素の分布特性に基づいて、骨の骨年齢を推定するステップとを備える。
本発明のさらに他の局面に従うと、骨年齢推定プログラムであって、骨を透過したX線に対応する画像データを取得するステップと、画像データの第1の領域を指定するステップと、第1の領域の画素の中から最高輝度を有する最明画素を抽出するステップと、画像データのうち最明画素を含む所定のサイズの第2の領域を指定するステップと、第2の領域の画素の中から最高輝度に応じたしきい値以上の輝度を有する複数の明画素を抽出するステップと、骨の骨密度に応じて変化する複数の明画素の分布特性に基づいて、骨の骨年齢を推定するステップとをコンピュータに実行させる。
本発明に係る骨年齢推定装置(あるいは、骨年齢推定方法、骨年齢推定プログラム)は、骨を透過したX線のX線画像データ内の指定領域のうち最も輝度の高い最明画素を抽出する。また、骨年齢推定装置は、最明画素を含む所定のサイズの領域の中から、最明画素の輝度に応じたしきい値以上の輝度を有する画素を抽出する。そして、骨年齢推定装置は、抽出した画素の分布特性に基づいて、骨の年齢を推定する。したがって、本発明によれば、骨を透過したX線画像に基づいて、簡易な手順によって、骨年齢を精度よく推定できる。
第1の実施の形態に係る検査システムの構成を示す図である。 コンピュータのハードウェア構成をブロック図形式で示す図である。 コンピュータの機能的構成をブロック図形式で示す図である。 第1の実施の形態に係る検査システムが骨年齢を推定するにあたって行なう処理の流れをフローチャート形式で示す図である。 骨画像の一例を示す図である。 サムネイル表示を含む画面の一例を示す図である。 画像処理部が行なう処理の流れをフローチャート形式で示す図である。 切取画像データの具体例について説明するための図である。 再構成画像の一例を示す図である。 年齢推定部が行なう処理の流れをフローチャート形式で示す図である。 抽出された画素の位置、画素値、中心からの距離、および、距離比の具体例を示す図である。 第1の測定データについて求めた距離比を示す図である。 図12に示した距離比の計算結果をグラフ形式で示した図である。 距離比の合計をグラフ形式で示した図である。 第2の測定データ抽出について説明するための図である。 第2の測定データについて求めた距離比を示す図である。 各サンプルについて求めた距離比の、全抽出ポイントにわたっての平均値をまとめて示す図である。 図17に示した値をグラフ形式で示した図である。 各サンプルについて求めた距離比の、ポイント2およびポイント3にわたっての平均値をまとめて示す図である。 図19に示した値をグラフ形式で示した図である。 第2の実施の形態に係る検査システムの構成を示す図である。 検査システムが骨年齢を推定するにあたって行なう処理の流れをフローチャート形式で示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部分には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
[第1の実施の形態]
<システム構成>
図1を参照して、本実施の形態に係る骨年齢推定のための検査システム1の概要を説明する。図1は、第1の実施の形態に係る検査システム1の構成を示す図である。検査システム1は、コンピュータ10と、スキャナ20と、ケーブル30とを含む。
ケーブル30は、コンピュータ10とスキャナ20とを接続する。ケーブル30としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)ケーブルや、LAN(Local Area Network)ケーブルである。ただし、コンピュータ10とスキャナ20とは、ケーブル30を介して、データをやりとりする。ただし、コンピュータ10とスキャナ20とは、他の方法で接続されていてもよい。例えば、コンピュータ10とスキャナ20とは、電波、赤外線、あるいは、光などを用いた無線通信を行なってもよい。
スキャナ20は、骨を透過したX線によるX線画像が記録されたX線フィルム40を読み込み、読み込んだX線フィルム40に応じた画像データを出力する。以下、スキャナ20がX線フィルム40を読み込んだ結果、スキャナ20が出力する画像データを「X線画像データ」と呼ぶ。
本実施の形態では、X線フィルム40としては、超軟X線によるX線画像が記録されているものを用いる。超軟X線は、紫外線に近く、波長が短く、エネルギーが約数10eVと非常に低い。超軟X線は、低エネルギーであるため、人体のX線撮像に好適である。ただし、X線フィルム40への記録に用いられるX線は、超軟X線に限られるわけではない。
また、スキャナ20としては、X線フィルム40に記録された画像を適切に読み取れる、透過型のスキャナを用いる。ただし、スキャナ20は、反射型であっても構わない。スキャナ20は、特にこれに限定されるものではないが、例えば、BMP/DIP(Windows(登録商標) Bitmap形式)、JPG/JPEG/JPE(JPEG Format形式)、PNG(Portable Network Graphic形式)、TIF/TIFF(Tagged Image File Format形式)あるいはGIF(Compuserve GIF形式)といった画像形式のスキャン画像を作成する。好ましくは、スキャナは、BMP/DIP、JPG/JPEG/JPE、TIF/TIFFの画像データを作成する。より好ましくは、スキャナは、BMP/DIPの画像データを作成する。
コンピュータ10は、ケーブル30を介して、スキャナ20からX線画像データを受け取る。また、コンピュータ10は、X線画像データに基づいて、X線フィルム40に撮像された骨の骨年齢を推定する。
検査システム1は、次のように用いられる。検査者は、検体の骨年齢の推定にあたり、X線源を用いて、検体をX線撮像したX線フィルム40を準備する。そして、検査者は、スキャナ20にX線フィルム40を読み込ませる。あるいは、検査者は、すでに撮像され、保管されているX線フィルム40に撮像された骨の骨年齢推定に、本検査システム1を用いてもよい。
<ハードウェア構成>
図2を参照して、コンピュータ10のハードウェア構成について説明する。図2は、コンピュータ10のハードウェア構成をブロック図形式で示す図である。
コンピュータ10は、キーボード110と、マウス120と、ディスプレイ130と、CPU(Central Processing Unit)140と、RAM(Random Access Memory)150と、ハードディスク160と、外部インターフェース170と、FD(Flexible Disc)ドライブ180と、光ディスクドライブ190と、USBコネクタ200と、SD(Secure Digital)ドライブ210と、これらを互いに接続するバス220とを含む。
キーボード110およびマウス120は、外部からの指示を受け付ける。つまり、キーボード110およびマウス120は、入力装置として機能する。なお、コンピュータ10は、タッチパッド、タッチパネルあるいはタブレット等の他の種類の入力装置を備えていてもよい。
ディスプレイ130は、コンピュータ10内部の情報を外部に表示する。ディスプレイ130の構造は、特に限定されない。ディスプレイ130としては、例えば、ブラウン管ディスプレイ、液晶ディスプレイあるいはプラズマディスプレイなどを用いることができる。
CPU140は、キーボード110およびマウス120が受け付けた指示などに基づいて、各種の演算を行なう。CPU140は、コンピュータ10の各部の動作を制御する。
RAM150は、CPU140が実行するプログラムのワーキングメモリとして用いられる。
ハードディスク160は、種々のデータを格納する。具体的には、ハードディスク160は、骨年齢推定のためのプログラム161、骨画像データ162、切取画像データ163、再構成データ164および分析結果165を格納する。
骨画像データ162は、スキャナ20がX線フィルム40を読み取って得たものである。切取画像データ163は、骨画像データ162の一部の領域の画像データである。再構成データ164は、骨年齢推定処理の途中で、プログラム161が生成するデータである。分析結果165は、プログラム161が求めた骨年齢を含む。これらのデータの詳細については後述する。
なお、図2に示した各データは、必ずしも、ハードディスク160に格納されている必要はない。例えば、これらのデータは、FD182、光ディスク192、USB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリ202、SD(Secure Digital)カード212などの記憶媒体に格納されていてもよい。また、プログラム161などの固定されたデータは、ROM(Read Only Memory)に格納されていてもよい。
外部インターフェース170は、コンピュータ10と外部装置とを接続する。外部インターフェース170は、ケーブル30用のケーブルコネクタを含む。なお、例えば、USBコネクタを外部インターフェース170として用いることもできる。あるいは、無線通信ユニットを外部インターフェース170とすることもできる。
FDドライブ180は、FD182に格納されたデータの読み出し、および、FD182へのデータの書込みを行なう。
光ディスクドライブ190は、光ディスク192に格納されたデータを読み出す。光ディスク192は、光の反射率を利用してデータが記録がされた記録媒体である。光ディスク192としては、例えば、CD(Compact Disc)−R、CD−RW、DVD(Digital Versatile Disc)±R、DVD±/RW、DVD±RAM、ブルーレイディスクなどが挙げられる。
USBコネクタ200には、USB端子を着脱可能である。USBコネクタ200は、USBコネクタ200に接続された機器との間で、データのやりとりを行なう。特に、USBコネクタ200は、USBコネクタ200に接続されたUSBフラッシュメモリ202のデータの読出しおよび書込みを行なう。
SDドライブ210は、SDカード212のデータの読出しおよび書込みを行なう。また、SDドライブ210は、アダプタが装着されたSDHCカード(SD High Capacity)、miniSDカード、miniSDHCカード、microSDカード、microSDHCカードのデータの読出しおよび書込みも行なうこともできる。
コンピュータ10が扱える記憶媒体は、上述のものに限られるわけではない。FDドライブ180、光ディスクドライブ190、USBコネクタ200およびSDドライブ210は、記憶媒体のデータの読み書きを行なうインターフェースの例である。コンピュータ10は、他の記憶媒体に対応するインターフェースを備えていてもよい。
<機能的構成>
図3を参照して、コンピュータ10の機能的構成を説明する。図3は、コンピュータ10の機能的構成をブロック図形式で示す図である。
図3を参照して、コンピュータ10は、入力部310と、出力部320と、インターフェース部330と、記憶部340と、制御部350とを含む。
入力部310は、外部からの指示を受け付ける。キーボード110やマウス120などの入力装置が入力部310に相当する。
出力部320は、外部にコンピュータ10内部の情報を出力する。図2に示す構成では、ディスプレイ130が、出力部320に相当する。なお、コンピュータ10がスピーカなどの他の出力装置を備えている場合、そのような出力装置も出力部320に相当する。
インターフェース部330は、コンピュータ10と外部装置との間の信号あるいはデータのやり取りを仲介する。インターフェース部330は、外部インターフェース170、FDドライブ180、光ディスクドライブ190、USBコネクタ200およびSDドライブ210を含む。
記憶部340は、データを格納する。具体的には、記憶部340は、プログラム161と、骨画像データ162と、切取画像データ163と、再構成データ164と、分析結果165とを格納する。RAM150、ハードディスク160、コンピュータ10に接続されている記憶媒体(FD182、光ディスク192など)や記憶装置(外付けのハードディスクや、外部装置内の記憶装置など)が、記憶部240に相当する。
制御部350は、入力部310が受け付けた信号等に基づいて、出力部320、インターフェース部330および記憶部340の動作を制御する。制御部350は、画像取得部351と、画像処理部352と、年齢推定部358とを含む。
画像取得部351は、インターフェース部330を制御して、外部(本実施の形態ではスキャナ20)から骨画像データ162を取得する。また、画像取得部351は、外部から取得した骨画像データ162を、記憶部340に格納する。
画像処理部352は、骨画像データ162に対して画像処理を行なう。また、画像処理部352は、骨画像データ162への画像処理の結果生じる画像データに対しても、画像処理を行なう。画像処理部352は、画像切取部353と、再構成部354と、年齢推定部358とを含む。
画像切取部353は、骨画像データ162内の領域を指定する。画像切取部353は、指定された領域の画像データを切取画像データ163として記憶部340に格納する。
再構成部354は、切取画像データ163に対し所定の画像処理を行ない、切取画像データ163に基づいて、再構成データ164を作成する。また、再構成部354は、作成した再構成データ164を記憶部340に格納する。
再構成データ164は、切取画像データ163のうち最も輝度の高い画素(最明画素とよぶ)のデータと、最明画素を含む領域に含まれる、最明画素の輝度を基準として「明るい」と判断される画素(明画素)のデータとを含む。再構成データ164の詳細および具体例については、後述する。
再構成部354は、最明画素抽出部355と、領域設定部356と、明画素抽出部357とを含む。最明画素抽出部355は、切取画像データ163から最明画素を抽出する。領域設定部356は、明画素を抽出する領域を設定する。明画素抽出部357は、領域設定部356が設定した領域から明画素を抽出する。
年齢推定部358は、再構成データ164における明画素の分布に基づいて、骨画像データ162に記録された対象の骨年齢の推定値を算出する。そして、年齢推定部358は、骨年齢の推定値を、分析結果165として、記憶部340に格納する。年齢推定部358による骨年齢の推定方法の詳細については後述する。
本実施の形態では、プログラム161をRAM150に展開して実行するCPU140が、制御部350の上述の機能を実現する。ただし、制御部350の機能の一部または全部は、専用回路などのハードウェアによって実現されてもよい。
<骨年齢推定手順>
ここからは、検査システム1による骨年齢推定の手順について、図4を参照しつつ説明する。図4は、第1の実施の形態に係る検査システム1が骨年齢を推定するにあたって行なう処理の流れをフローチャート形式で示す図である。
ステップS101において、検査システム1は、X線画像を取り込む。具体的には、検査システム1は、スキャナ20により、X線フィルム40をスキャンし、骨画像データ162を作成する。コンピュータ10の画像取得部351は、ユーザの指示に基づいて、あるいは、スキャンの実行時に自動的に、スキャナ20から骨画像データ162を受け取り、記憶部240に格納する。
なお、検査システム1は、ステップS101において、複数のX線フィルム40をスキャンすることが好ましい。この手順によれば、検査システム1が、骨年齢の推定のたびに1枚ずつX線フィルム40をスキャンする場合に比べ、骨年齢の推定作業を効率的に進めることができる。
骨画像データ162に基づく画像(以下、簡単のため、「骨画像」とよぶ)の一例を図5に示しておく。図5に示す骨画像500は、関節部分の2本の骨の撮像結果である。骨画像500の中で、網目状部分510は、骨髄に相当する。また、網目状部分510を囲む白色領域520が、骨質に相当する。
図4に戻って説明を続ける。ステップS103において、検査システム1は、ステップS101において取得した骨画像データ162の中から、骨年齢を求める対象となる骨画像データ162を選択する。
本実施の形態では、コンピュータ10の画像取得部351が、ユーザの指示に基づいて、1つの骨画像データ162を選択する。コンピュータ10は、ユーザが骨画像データ162を選択できるように、複数の骨画像データ162を選択可能にサムネイル表示する。図6にサムネイル表示を含む画面の一例を示す。図6に示す画面600は、骨画像のサムネイル610,620および630を含む。
なお、スキャナ20が、複数のX線フィルム40のスキャン結果を格納するメモリを有し、格納したスキャン結果をユーザに選択可能に提示できるのであれば、ユーザは、スキャナ20を操作して、骨年齢を求める骨画像データ162を選択してもよい。この場合、コンピュータ10は、スキャナ20から、スキャナ20が選択した骨画像データ162を受け取り、受け取った骨画像データ162を記憶部340に格納する。
また、ステップS101において、検査システム1が、1枚しかX線画像を取り込んでいない場合は、ステップS103の処理は不要である。
再び図4に戻る。ステップS105において、制御部350に含まれる画像処理部352は、ステップS103にて選択された骨画像データ162に対して、骨年齢推定のための画像処理を行ない、再構成データ164を作成する。ステップS105における画像処理の詳細については、後述する。
ステップS107において、制御部350に含まれる年齢推定部358は、再構成データ164に基づいて、ステップS103で選択された骨画像データ162に映った対象の骨年齢を推定する。ステップS107における骨年齢推定処理の詳細については、後述する。
ステップS109において、制御部350は、骨年齢推定の終了指示を受け付けたかどうか判断する。例えば、入力部310がユーザの入力に基づいて終了指示を作成する。終了指示があった場合(ステップS109においてYES)、制御部350は、年齢推定処理を終了する。終了指示がない場合(ステップS109においてNO)、制御部350は、ステップS103(対象画像の選択)からの処理を繰り返す。
(画像処理)
ステップS105において画像処理部352が行なう処理について、図7を参照して詳細に説明する。図7は、画像処理部352が行なう処理の流れをフローチャート形式で示す図である。
ステップS201において、画像処理部352に含まれる画像切取部353は、選択された骨画像データ162の一部の領域(部分画像)の画像データである切取画像データ163を取得する。
本実施の形態では、ペイントソフトを実行するCPU140が、画像切取部353の機能を実現する。すなわち、ユーザは、ペイントソフト上に骨画像データ162を呼び出す。そして、ユーザは、ペイントソフトを用いて、骨画像データ162の中から、所望の領域を切り出す。さらに、ユーザは、ペイントソフトに切り出した領域の保存処理を指示する。この処理により保存されたデータが、切取画像データ163である。
なお、ユーザは、1つの骨画像データ162について複数の切取画像データ163を作成してもよい。後で述べるように、年齢の推定精度の向上のためには、1つの骨画像データ162について複数の切取画像データ163を作成することが好ましい。
切取画像データ163の具体例について、図8を参照して説明する。図8は、切取画像データ163の具体例について説明するための図である。
図8Aは、骨画像と部分画像との関係の一例を説明するための図である。図8Aには、図5に示した骨画像500を再び示している。画像切取部353は、骨画像500から、3つの部分画像810,820および830(図中、白枠で囲まれた領域の画像)を切り出す。
図8Bには、1つの切取画像データ163に対応する部分画像(画像840)を拡大して示している。図8Bを参照して分かるように、切取画像データ163は、骨の構造についての情報を含む。画像840中の明るい部分に、骨組織(有機質)が存在する。また、画像840中の暗い部分は、骨の中空領域である。暗い部分を多く含む切取画像データ163に映っている骨は、骨密度が低く、したがって、骨年齢が高い可能性が高い。逆に、明るい部分を多く含む切取画像データ163に映っている骨は、骨密度が高く、したがって、骨年齢が低い可能性が高い。
ところで、骨年齢を正確に推定するためには、切取画像データ163の領域は、図8Aに示すように、骨髄に相当する領域内にあることが好ましい。これは、年齢推定部358が、骨髄内の骨組織の分布に基づいて、骨年齢を推定するためである。骨組織の分布は、骨画像データ162中の高輝度の画素の分布に対応する。ところが、骨髄外に存在する骨質も高輝度である。よって、切取画像データ163の領域内に、骨質が含まれるとき、年齢推定部358は、正しく骨年齢を推定できないおそれがある。
本実施の形態では、ユーザが、骨画像を視認して、骨髄に相当する領域内に切取画像データ163の領域を指定する。ただし、コンピュータ10が、画像の輝度分布等に基づいて、切取画像データ163の領域を決定する構成であってもよい。
図7に戻って、ステップS203において、画像処理部352に含まれる再構成部354は、以降の処理の対象となる切取画像データ163を決定する。例えば、再構成部354は、ユーザの選択指示に基づいて、複数の切取画像データ163の中から、1つの切取画像データ163を選択する。あるいは、再構成部354は、自動的に、1つの切取画像データ163を選択してもよい。例えば、再構成部354は、最も作成時刻が早い切取画像データ163を選択してもよい。
ステップS203のあと、再構成部354は、ステップS203にて選択された切取画像データ163に対して、以下のステップS205からステップS209の処理を実行する。再構成部354は、画像処理・解析ソフトを用いて、所定のスクリプトを実行することで、ステップS205からステップS209の処理を行なう。
ステップS205において、再構成部354に含まれる最明画素抽出部355は、ステップS203にて選択された切取画像データ163の各画素の輝度値を比較し、最も高い輝度を持つ画素(最明画素)を抽出する。以下では、最明画素の輝度を、最高輝度と呼ぶ。
ステップS207において、再構成部354に含まれる領域設定部356は、最明画素を含む所定のサイズの領域を、以降の処理の対象となる処理領域に設定する。具体的には、領域設定部356は、最明画素を中心とする正方形の領域を処理領域に設定する。再構成部354は、最明画素を中心とするため、明画素の分布を的確に求められる。ただし、最明画素と処理領域との位置関係、処理領域の形状は、これに限られるわけではない。
領域のサイズは、予め設定されていてもよいし、ユーザが適宜設定してもよい。ただし、領域のサイズは、領域内の画像データに年齢による骨組織の構造の差異が現れるように設定することが好ましい。したがって、領域のサイズは、領域内に骨髄以外の領域が含まれないように設定されることが好ましい。
ステップS209において、再構成部354に含まれる明画素抽出部357は、処理領域に含まれる「明画素」を抽出する。具体的には、明画素抽出部357は、しきい値以上の輝度を持つ画素を「明画素」として抽出する。なお、明画素抽出部357は、輝度の高いものから順に、画素を抽出するものとする。
ここで、明画素抽出部357は、しきい値を、最高輝度に基づいて決定する。つまり、しきい値は、固定されているのではなく、最高輝度に応じて変動する。具体的には、本実施の形態では、明画素抽出部357は、最高輝度に所定の割合(例えば60%)をかけた値をしきい値に設定する。所定の割合は、予め設定されていてもよいし、ユーザが設定してもよい。
なお、しきい値は、最高輝度に応じて変動するものであれば、必ずしも上記のものに限られない。例えば、明画素抽出部357は、最高輝度から所定の値を引いた値をしきい値に設定してもよい。
このように、明画素抽出部357は、最高輝度に応じたしきい値に基づいて、明画素を抽出する。したがって、明画素抽出部357は、骨密度の違いを除く輝度変動の要因(誤差要因)を排除して、明画素を抽出することができる。なお、誤差要因としては、撮像条件の時間的変動によって生じるX線フィルム40ごとの感光量のばらつき、撮像位置の違いによる1枚のX線フィルム40内での感光量のばらつきなどがある。
後で詳しく説明するように、年齢推定部358は、このように抽出された明画素の分布特性に基づいて、骨年齢を推定する。したがって、本実施の形態に係る検査システム1は、骨密度の差に由来しない輝度分布の違いの影響を抑えて、高精度に骨年齢を推定することができる。
また、明画素抽出部357は、所定のサイズの領域から明画素を抽出する。よって、年齢推定部358は、サイズの異なる部分画像に対しても、同一の基準で骨年齢を推定できる。
ステップS211において、再構成部354は、ステップS205において抽出した最明画素およびステップS209において抽出した明画素に基づいて、再構成データ164を作成する。再構成データ164は、最高輝度画素および明画素のX座標、Y座標、ならびに輝度を含む。なお、X座標およびY座標は、画素の位置を特定するためのデータの一例である。検査システム1は、X座標およびY座標のかわりに、各画素に固有に割り当てられ、各画素の位置を特定可能な識別情報(例えば、画素内の位置に応じた通し番号)を出力してもよい。
さらに、再構成部354は、ステップS211において、再構成データ164を、記憶部340に格納する。なお、後述するように、表計算ソフトを実行するCPU140が、年齢推定部358の一部の機能を実現する。そのため、再構成部354は、再構成データ164を、表計算ソフトで扱えるCSV(Comma Separated Values)形式に変換する。再構成部354は、CSV形式の再構成データ164を記憶部340に格納する。
再構成データ164に対応する画像(再構成画像)の一例を図9に示す。再構成画像900の中心には、最明画素が位置する。再構成画像900では、各明画素の位置に、明画素の輝度の順に応じた数字を示している。
図7に戻る。ステップS213において、画像処理部352は、すべての部分画像について、ステップS205からステップS211までの処理を行なったかどうか判断する。全ての部分画像について処理を行なっている場合(ステップS213においてYES)、画像処理部352は、画像処理を終了する。画像処理部352は、処理を行なっていない部分画像がある場合(ステップS213においてNO)、ステップS203(画像の選択)の処理に戻る。
なお、画像切取部353が、骨画像データ162から1つの切取画像データ163しか作成しない場合は、ステップS203の処理およびステップS213の処理は不要である。画像処理部352は、ステップS211を完了すると、画像処理を終了する。
(骨年齢の推定)
図4のステップS107において、年齢推定部358が行なう処理の流れについて、図10を参照して説明する。図10は、年齢推定部358が行なう処理の流れをフローチャート形式で示す図である。
ステップS301において、年齢推定部358は、記憶部340に格納された再構成データ164の中から、骨年齢を推定する骨画像データ162について得られた再構成データ164の1つを選択する。また、年齢推定部358は、選択した再構成データ164を、記憶部340から読み出す。
ステップS303において、年齢推定部358は、次の式(*)で与えられる、輝度の最高点(最明画素)から、各測定ポイント(明画素)までの距離を計算する。
(輝度の最高点から測定ポイントまでの距離)=√[(明画素のX座標−最明画素のX座標)の2乗+(明画素のY座標−最明画素のY座標)の2乗] …(*)
なお、本実施の形態では、最明画素の座標は、再構成データ164の画像領域の中心である。最明画素の座標は、不変なので、プログラムの作成者は、最明画素の座標を式(*)に予め与えておいてよい。
ステップS305において、年齢推定部358は、輝度の最高点から測定ポイントまでの距離の最小値および最大値を抽出する。そして、年齢推定部358は、次の式(**)で与えられる、骨年齢推定のための指標値を計算する。
(指標値)=(輝度の最高点から測定ポイントまでの距離の最小値)/(輝度の最高点から測定ポイントまでの距離の最大値) …(**)
このように、年齢推定部358は、簡単な式(*)および式(**)に基づいて、骨年齢推定のための指標値を計算できる。そのため、コンピュータ10は、ステップS303およびステップS305の処理を、短時間で行なえる。また、コンピュータ10は、Excel(登録商標)などの汎用的な表計算ソフトによって、これらの処理を簡易に実現できる。
ステップS303およびステップS305の処理結果の一例を図11に示す。図11は、抽出された画素の位置、画素値、中心からの距離、および、指標値の具体例を示す図である。図11の各行は、左から順に、最明画素あるいは明画素を区別するための識別番号(No.1が最明画素)、最明画素あるいは明画素のX座標、最明画素あるいは明画素のY座標、最明画素あるいは明画素の画素値、最明画素からの距離を示す。また、最右列の”MIN/MAX”の下の数字は、図11に示すデータの指標値である。
ステップS307において、年齢推定部358は、骨年齢を推定する骨画像データ162に関するすべての再構成データ164について、ステップS303からステップS307までの処理を行なったかどうか判断する。全ての再構成データ164について処理を行なっている場合(ステップS307においてYES)、年齢推定部358は、ステップS309の処理に進む。画像処理部352は、まだ、ある再構成データ164について処理を行なっていない場合(ステップS307においてNO)、ステップS301(再構成データ164の選択)の処理に戻る。
ステップS309において、年齢推定部358は、指標値に基づいて、骨年齢を推定する。一般に、骨密度は、加齢にともなって低下する。これにともない、指標値は、加齢にともなって減少する。年齢推定部358は、この特性を利用して、骨年齢の推定値を求めることができる。
年齢推定部358は、具体的には、例えば、指標値と骨年齢との関係を表わすデータ(相関データとよぶ)を利用して、骨年齢の推定値を求める。このような相関データは、予め求められており、記憶部340に格納されているものとする。年齢推定部358は、記憶部340から相関データを読み出し、相関データがステップS305で求めた指標値と対応づけている骨年齢を、骨年齢の推定値とする。
なお、相関データは、例えば、検査システム1の設計者あるいはユーザによって作成されるものとする。設計者あるいはユーザは、複数のサンプルデータに基づいて、統計的あるいは経験的に相関データを作成し、作成したデータを記憶部340に格納しておく。相関データは、例えば、ある範囲内の指標値と、ある範囲内の骨年齢(40歳〜50歳など)とを対応付ける。あるいは、相関データは、1つの指標値と1つの骨年齢の推定値とを対応付ける関数であってもよい。
本実施の形態では、年齢推定部358は、1つの骨画像データ162に写った対象の骨年齢を、骨画像データ162の複数の部分画像にそれぞれ対応する複数の再構成データ164での指標値の統計と相関データとに基づいて、推定する。ここで、「指標値の統計」としては、指標値の平均値あるいは合計値を用いることができる。
年齢推定部358は、複数の再構成データ164から得られた複数の指標値に基づいて推定値を求めるため、1つの指標値に基づいて骨年齢を推定する場合に比べ、高精度に骨年齢を推定することができる。ただし、年齢推定部358は、1つの再構成データ164に基づいて、骨年齢を推定しても構わない。
<測定データ>
実際の測定データに基づいて、本検査システム1による骨年齢の推定方法の正当性について説明しておく。
(第1の測定データ)
まず、図8Aに示すような骨画像から求めた指標値について説明する。ここでは、21歳の被測定者の骨画像、55歳の被測定者の骨画像、80歳の被測定者の骨画像を、それぞれ、3枚ずつ準備した。
ユーザは、各骨画像から、3つの部分領域を指定する。コンピュータ10は、指定された各部分領域についての切取画像データを作成する。ユーザは、図8Aに示すように、骨髄内の領域の中で、3つの部分領域を設定する。
ただし、ユーザが部分領域を設定するため、部分領域は、厳密に図8Aに示した領域と一致するわけではない。しかしながら、本推定方法は、最明画素の抽出、最明画素を含む所定のサイズの領域の明画素の抽出、抽出した明画素の分布による年齢推定という手順により骨年齢を推定するため、ユーザが骨画像から切り取る領域の誤差は、推定結果にほぼ影響しない。
各骨画像について求められた指標値を、図12に示す。図12は、第1の測定データについて求めた指標値を示す図である。図12には、21歳、55歳、80歳の骨の画像サンプル(サンプル1、サンプル2、サンプル3)について、抽出ポイント(Point1、Point2、Point3)の切取画像データに基づいて求めた指標値を示している。
図13は、図12に示した指標値の計算結果をグラフ形式で示した図である。図13では、21歳、55歳、80歳のそれぞれについて、9つの計算結果(3つのサンプル×3つの抽出ポイント)を示している。
図14は、指標値の合計をグラフ形式で示した図である。図13では、21歳、55歳、80歳のそれぞれについて、9つの指標値の計算結果の合計値を示している。
指標値は、年齢の増加とともに減少することが期待される。しかし、図13からは、この傾向を読み取ることは難しい。このような場合でも、図14から分かるように、複数の切取画像データのそれぞれについて求めた指標値の統計を用いれば、骨年齢を推定することができる。つまり、本推定方法は、指標値の統計を用いて骨年齢を推定することで、骨年齢を高精度に推定することができる。
(第2の測定データ)
次に、第2の測定データについて説明する。第2の測定データを得るにあたっては、図15に示すように、1つの骨画像から5つの切取画像データを抽出した。図15は、第2の測定データ抽出について説明するための図である。図15を参照して、第2の測定データの取得にあたっては、ユーザは、骨画像1500の中から、5つの部分領域(部分領域1510、1520、1530、1540、1550)を指定する。コンピュータ10は、各部分領域に対応する切取画像データを作成する。
図16は、第2の測定データについて求めた指標値を示す図である。図16には、21歳、55歳、80歳の骨の画像サンプルについて、抽出ポイント(Point1〜5)の切取画像データに基づいて求めた指標値を示している。図16では、代表的に各年齢での4つのサンプルについて、各抽出ポイントで求めた指標値を示している。なお、実際には、5つのサンプルについて指標値を求めている。
また、図16には、各ポイントで求めた指標値の、全サンプル(5つ)にわたっての合計値および平均値を示している(各表の下の「合計」「平均」)。さらに、図16には、各サンプルについて、指標値の全ポイントにわたっての合計値および平均値、ポイント1とポイント2の指標値の平均値、ポイント2とポイント3の指標値の平均値、ポイント3とポイント4の指標値の平均値、および、ポイント4とポイント5の指標値の平均値を示している(各表の右側の「合計」「平均」など)。
図17に、各サンプルについて求めた指標値の、全抽出ポイントにわたっての平均値をまとめて示す。図17に示した値は、図16において左上から右下の斜線をかけたセル内の値と同じである。図18は、図17に示した値をグラフ形式で示した図である。図18に示すグラフの縦軸は、図17に示した値である。この値は、相対的に年齢を表わすため、「年齢相対値」と呼んでいる。
なお、各サンプルについて、全抽出ポイントについての平均(あるいは合計)をとる必要は必ずしもない。むしろ、限定した抽出ポイントについての平均(合計)のほうが、骨年齢をよく表わすこともある。図17に示した測定データでは、ポイント2およびポイント3についての、各サンプルにわたっての平均(あるいは合計)が、他のポイントでの対応する値に比べて、年齢によって大きく変化している。したがって、ポイント2およびポイント3の平均値が、骨年齢をよく表わす。
図19は、各サンプルについて求めた指標値の、ポイント2およびポイント3にわたっての平均値をまとめて示す図である。また、図20は、図19に示した値をグラフ形式で示した図である。
図18に示すグラフでは、サンプル1についての平均値が、他の各サンプルについての平均値と離れている。しかし、図20に示すグラフでは、そのようなことはない。したがって、ポイント2およびポイント3の平均値を用いることで、全ポイントの平均値を求めるよりも、より精度よく骨年齢を推定することができる。
どの抽出ポイントを骨年齢推定に用いるかどうかは、例えば、各抽出ポイントにおける指標値の平均(合計でもよい)の、年齢によるばらつきに基づいて決定することができる。
具体的には、例えば、最高齢のサンプルについての指標値の平均に対する、最若年のサンプルについての指標値の平均の比を、「ばらつき」として求める。そして、ばらつきが大きいものから順に所定数のポイントを、骨年齢推定に用いることにする。あるいは、ばらつきが所定のしきい値以上のポイントを、骨年齢推定に用いてもよい。あるいは、ばらつきが、上位所定数以内、かつ、所定のしきい値以上のポイントを骨年齢推定に用いることにしてもよい。
上で説明した骨年齢推定に用いる抽出ポイントの決定は、コンピュータ10によって行なうこともできるし、ユーザが行なうこともできる。
また、抽出ポイントを決定する他の方法として、例えば、年齢が分かっているいくつかのサンプルについての骨年齢推定結果に基づいて、抽出ポイントを決定してもよい。具体的には、まず、骨年齢の検査者は、検体の骨年齢推定を行なう前に、いくつかの年齢が分かっているサンプルについて、複数の抽出ポイントで指標値を求める。次に、検査者は、いくつかの抽出ポイントで求めた指標値の統計に基づく骨年齢の推定値とサンプルの年齢とを比較する。そして、検査者は、推定値がサンプルの年齢と強い相関を持つ抽出ポイントの組を求める。検査者は、求めた抽出ポイントの組での指標値の統計に基づいて、抽出した検体の骨年齢を推定する。
以上の構成により、本実施の形態に係る検査システム1による骨年齢の推定は、以下のような特徴を有する。
(1)X線撮像の測定誤差の影響を受けにくい
検査システム1は、一枚の骨画像データ162の中から、最高輝度に対する輝度の割合に基づいて抽出した明画素の分布特性に基づいて、骨年齢を推定する。そのため、検査システム1は、X線画像データの輝度に測定誤差によるばらつきがあったとしても、正確に骨年齢を推定することができる。
(2) 計測部位が限定されない
検査システム1は、骨密度の加齢による変化特性を利用して、高輝度の画素の分布特性に基づいて、骨年齢を推定する。したがって、検査システム1は、X線で撮影した骨画像に基づいて、骨画像がどの部位についての画像であっても、骨年齢を推定することができる。検査システム1は、骨画像のうち、骨密度の加齢変化が現れる骨髄領域のデータに基づいて、骨年齢を推定できる。
(3) 複雑な手順が不要
検査システム1は、高輝度の画素の抽出などの画像の処理をプログラムに沿って実行する。また、検査システム1は、非常にシンプルな計算式に基づいて、骨年齢を推定する。そのため、検査システム1のユーザは、骨年齢推定の作業をすばやくこなせ、非常に短時間で骨年齢推定を行なえる。
つまり、本実施の形態に係る検査システム1によれば、骨年齢の検査者は、多様な骨画像に撮影された骨の骨年齢を、高精度にかつ短時間で推定することができる。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態に係る検査システム1は、骨が撮像されたX線フィルムのスキャン結果に基づいて、骨年齢を推定していた。これに対し、第2の実施の形態に係る検査システム2は、フィルムのスキャン結果ではなく、X線検出器による骨のX線撮像結果(デジタルデータ)に基づいて、骨年齢を推定する。
第2の実施の形態に係る検査システム2の構成を図21に示す。検査システム1は、コンピュータ10と、X線源50と、X線検出器60と、ケーブル70とを含む。
X線源50は、骨80に対して、X線52を照射する。なお、図では、骨80は、むき出しであるように描いている。これは、白骨化死体の年齢推定などを行なう場合を想定しているものである。しかしながら、骨80は、生体内の骨であってもよい。
X線検出器60は、X線52の照射範囲に設置され、X線52の強度を検出する。X線検出器60は、平面状に配置された複数のX線検出素子からなる検出面を有する。検査システム2の使用時には、X線源50とX線検出器60との間に骨80が置かれる。したがって、X線検出器60は、骨80のX線画像を撮像する。また、X線検出器60は、X線52の検出結果に対応する画像デジタルデータ(X線画像データ)を出力する。
ケーブル70は、コンピュータ10と、X線検出器60とを接続する。ただし、これらの接続方法には、第1の実施の形態と同様の変形例を用いうる。
コンピュータ10の構成は、第1の実施の形態とほぼ同様であり、その詳細な説明は繰り返さない。第2の実施の形態に係るコンピュータ10は、スキャナ20からではなく、X線検出器60からX線画像データを取得する点で、第1の実施の形態に係るコンピュータ10と異なる。ただし、コンピュータ10がX線画像データに対して行なう処理は、第1の実施の形態と同様である。
検査システム2による骨年齢推定の手順について、図22を参照しつつ説明する。図22は、検査システム2が骨年齢を推定するにあたって行なう処理の流れをフローチャート形式で示す図である。
ステップS401において、X線源50は、X線52を照射する。なお、X線源50がX線52を照射する前に、検査システム2のユーザは、骨80をX線源50とX線検出器60との間に配置しておく。
ステップS403において、X線検出器60は、X線画像を撮影する。すなわち、X線検出器60は、X線検出器60に入射したX線の強度を検出する。そして、X線検出器60は、検出面内の各X線検出素子のX線検出結果を表わすデジタルデータ(X線画像データ)を出力する。
ステップS405において、コンピュータ10は、X線検出器60からX線画像データを受信する。X線検出器60は、X線画像データの取得の都度、取得したX線画像データをコンピュータ10に送信するものとする。ただし、例えば、コンピュータ10が、ユーザからの指示に基づいて、X線検出器60に格納されているX線画像データを取得してもよい。
ステップS407からステップS413までの処理は、図4に示したステップS103からステップS109までの処理と同様であり、これらの詳細な説明は繰り返さない。
第2の実施の形態に係る骨年齢検査方法は、X線検出器60からのX線画像データに基づいて、骨年齢を推定する。第1の実施の形態に比べると、ユーザは、X線フィルムをスキャンしなくてよいので、より、簡単に骨年齢を推定することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、社会医学の分野、好ましくは法医学の分野に利用できる。すなわち、本発明は、これらの分野における実務である、身元不詳死体(特に、白骨化死体)の身元確認および個人識別に利用できる。
1 検査システム、2 検査システム、10 コンピュータ、20 スキャナ、30 ケーブル、40 X線フィルム、50 X線源、52 X線、60 X線検出器、70 ケーブル、80 骨、110 キーボード、120 マウス、130 ディスプレイ、160 ハードディスク、161 プログラム、162 骨画像データ、163 切取画像データ、164 再構成データ、165 分析結果、170 外部インターフェース、180 FDドライブ、190 光ディスクドライブ、192 光ディスク、200 USBコネクタ、202 フラッシュメモリ、210 SDドライブ、212 SDカード、220 バス、240 記憶部、310 入力部、320 出力部、330 インターフェース部、340 記憶部、350 制御部、351 画像取得部、352 画像処理部、353 画像切取部、354 再構成部、355 最明画素抽出部、356 領域設定部、357 明画素抽出部、358 年齢推定部。

Claims (10)

  1. 骨を透過したX線に対応する画像データを取得するための画像取得手段と、
    前記画像データの第1の領域を指定する第1の領域指定手段と、
    前記第1の領域の画素の中から最高輝度を有する最明画素を抽出する第1の抽出手段と、
    前記画像データのうち前記最明画素を含む所定のサイズの第2の領域を指定する第2の領域指定手段と、
    前記第2の領域の画素の中から前記最高輝度に応じたしきい値以上の輝度を有する複数の明画素を抽出する第2の抽出手段と、
    前記骨の骨密度に応じて変化する前記複数の明画素の分布特性に基づいて、前記骨の骨年齢を推定する推定手段とを備える、骨年齢推定装置。
  2. 前記推定手段は、前記最明画素から各前記明画素までの最大距離および最小距離を求め、前記最小距離の前記最大距離に対する比に基づいて、前記骨年齢を推定する、請求項1に記載の骨年齢推定装置。
  3. 前記推定手段は、前記比が低いほど前記骨年齢を高く推定する、請求項2に記載の骨年齢推定装置。
  4. 前記第1の領域は、複数の指定領域を含み、
    前記第1の抽出手段は、前記指定領域ごとに前記最明画素を抽出し、
    前記第2の領域は、各前記指定領域の前記最明画素を各々含む複数の処理領域を含み、
    前記第2の抽出手段は、前記処理領域ごとに前記明画素を抽出し、
    前記推定手段は、各前記処理領域における前記明画素の測定値分布を求め、前記測定値分布の統計に基づいて、前記骨年齢を推定する、請求項1から3のいずれか1項に記載の骨年齢推定装置。
  5. 前記第1の領域指定手段は、前記骨の骨髄に相当する領域内に前記第1の領域を設定する、請求項1から4のいずれか1項に記載の骨年齢推定装置。
  6. 前記第2の領域指定手段は、前記最明画素を中心とする領域を前記第2の領域として指定する、請求項1から5のいずれか1項に記載の骨年齢推定装置。
  7. 前記画像取得手段は、前記骨を透過した前記X線のX線画像を記録したフィルムをスキャンするためのスキャナを含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の骨年齢推定装置。
  8. 前記画像取得手段は、
    前記X線を出力するX線源と、
    前記X線源から出力し、前記骨を透過した前記X線を検出するX線検出器とを含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の骨年齢推定装置。
  9. コンピュータによって実行される骨年齢推定方法であって、
    前記コンピュータのプロセッサが、骨を透過したX線に対応する画像データを取得するステップと、
    前記プロセッサが、前記画像データの第1の領域を指定するステップと、
    前記プロセッサが、前記第1の領域の画素の中から最高輝度を有する最明画素を抽出するステップと、
    前記プロセッサが、前記画像データのうち前記最明画素を含む所定のサイズの第2の領域を指定するステップと、
    前記プロセッサが、前記第2の領域の画素の中から前記最高輝度に応じたしきい値以上の輝度を有する複数の明画素を抽出するステップと、
    前記プロセッサが、前記骨の骨密度に応じて変化する前記複数の明画素の分布特性に基づいて、前記骨の骨年齢を推定するステップとを備える、骨年齢推定方法。
  10. 骨を透過したX線に対応する画像データを取得するステップと、
    前記画像データの第1の領域を指定するステップと、
    前記第1の領域の画素の中から最高輝度を有する最明画素を抽出するステップと、
    前記画像データのうち前記最明画素を含む所定のサイズの第2の領域を指定するステップと、
    前記第2の領域の画素の中から前記最高輝度に応じたしきい値以上の輝度を有する複数の明画素を抽出するステップと、
    前記骨の骨密度に応じて変化する前記複数の明画素の分布特性に基づいて、前記骨の骨年齢を推定するステップとをコンピュータに実行させるための、骨年齢推定プログラム。
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