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JP4872645B2 - サージアブソーバ - Google Patents
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Description

本発明は、各種電子機器、あるいは電子機器を組み込んで構成される各種機器類のサージ対策や静電気対策等に用いられるサージアブソーバに関する。
従来、この種のサージアブソーバは、所定の容積を有する気密容器内に所定の放電ギャップを保って配設された一対の放電電極を備えて構成されている(特許文献1参照)。
図6は、従来のサージアブソーバの一例を示している。このサージアブソーバSは、電気絶縁材からなる基台100に一対のリード線101a,101bを所定の間隔を保って気密状に貫通して設けられているとともに、この一対のリード線101a,101bの一端側には、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、あるいはこれらの合金からなる放電電極102a,102bが並行して設けられており、それら放電電極102a,102bを囲むように基台100にガラス等の電気絶縁材からなる気密容器部材103が設けられている。この気密容器部材103内には、アルゴン(Ar)や窒素(N)ガス等の不活性ガスからなる放電ガスが充填されている。
上記構成からなるサージアブソーバSは、リード線101a,101bが被保護機器の線路間、例えば電子機器の線路間に接続される。そして、その線路にサージが印加されると、放電電極102a,102b間に気中放電が生成し、サージが吸収されてその電子機器がサージから保護される。
特開平6−132065号公報
しかしながら、上記従来のサージアブソーバSは、安定した放電開始電圧が得られにくく、急峻なサージが印加された場合に放電開始電圧が上昇し、サージアブソーバとしての機能を十分に果たせないおそれがあった。
そこで、本発明は、上記欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、安定した高精度の放電開始電圧が得られ、サージアブソーバとしての機能を的確に果たせるサージアブソーバを提供することにある。
本発明に係るサージアブソーバは、気密容器内に一対の棒状の放電電極が所定の放電ギャップを保って相互に平行に配設されたサージアブソーバであって、前記一対の放電電極は、少なくとも前記放電ギャップを介して対向する内向側面の材質がAg、Ag合金、AgまたはAg合金と絶縁物との混合物であることを特徴とする。
上記構成からなるサージアブソーバは、放電開始電圧の安定したAg、Ag合金、AgまたはAg合金と絶縁物との混合物からなる一対の放電電極間で放電が行われてサージが吸収される。このため、その放電の開始電圧は、所定の範囲内の安定した範囲内で行われる。また、相互に平行な棒状の放電電極の内向側面間で放電するので、その放電表面を放電電極の長さ方向にわたって広く確保することができ、安定した放電を行わせることができる。
この場合、一対の放電電極の内向側面だけでなく、表面全体がAg、Ag合金、AgまたはAg合金と絶縁物との混合物からなる構成としてもよい。
表面全体をAg、Ag合金、AgまたはAg合金と絶縁物との混合物とする場合、一対の放電電極全体がAg、Ag合金、AgまたはAg合金と絶縁物との混合物からなる構成としてもよいし、Ag、Ag合金、AgまたはAg合金と絶縁物との混合物からなるコーティング層が設けられている構成としてもよい。
これらの構成としたサージアブソーバは、表面の広い面積がAg、Ag合金、AgまたはAg合金と絶縁物との混合物で構成されるから、より安定した放電が行われる。
本発明に係るサージアブソーバは、相互に平行な一対の棒状の放電電極の少なくとも放電ギャップを介して対向する内向側面により、広い放電面積を確保することができるとともに、その内向側面の材質がAg、Ag合金、AgまたはAg合金と絶縁物との混合物から構成されているので、その放電の開始電圧が安定した範囲内で行われ、急峻なサージが印加された場合でも放電開始電圧が上昇することがなく、サージアブソーバとしての機能を的確に果たすことができる。
以下、本発明のサージアブソーバの実施形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の第一の実施形態に係るサージアブソーバの縦断面図である。
このサージアブソーバS1は、電気絶縁材からなる基台1に、ジュメット線(銅被覆鉄ニッケル合金線)等の導線からなる一対のリード線2a,2bが所定の間隔を保って気密状に貫通して設けられているとともに、各リード線2a,2bの先端側(図1においては上側)には、材質がAg(銀)またはAg(銀)−Cu(銅)等からなるAg合金の所定長さの棒状の放電電極3a,3bが放電ギャップGの間隔をあけて相互に平行に設けられている。つまり、この実施形態のサージアブソーバS1においては、リード線2a,2bの先端に、AgまたはAg合金からなる棒状の放電電極3a,3bが継ぎ足されるように固着されている。
また、基台1には、放電電極3a,3bを囲むようにガラス等からなる気密容器部材4が接着剤を用いて固着されている。そしてこの気密容器部材4及び基台1で囲まれる気密容器C内には、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)、ヘリウム(He)、キセノン(Xe)等の希ガスや窒素ガス等の不活性ガスからなる放電ガス(封止ガス)が充填されている。
上記構成からなるサージアブソーバS1は、リード線2a,2bが被保護機器の線路間、例えば電子機器の線路間に接続される。そして、その線路にサージが印加されると、放電電極間3a,3bに気中放電が生成し、サージが吸収されてその電子機器がサージから保護される。このサージアブソーバS1は、放電電極3a,3bが、棒状に形成されるとともに、相互に平行に並んで配置され、対向状態となる内向側面Fが放電面とされることから、この放電面が放電電極3a,3bの長さ方向にわたる比較的広い面積で確保され、この広い面積の放電電極3a,3b間で放電が行われてサージが吸収されるため、安定した放電開始電圧を得ることができる。
そして、この気中放電の際、放電電極3a,3bが放電開始電圧の安定したAg材からなるので、その放電の開始電圧が所定の安定した範囲内で行われ、急峻なサージが印加された場合でも放電開始電圧が上昇することがなく、サージアブソーバとしての機能を的確に果たすことができ、より安定した放電開始電圧を得ることができるとともに、繰り返し放電により放電電極間3a,3bの表面の一部が飛散しても、長期的に安定した放電開始電圧を得ることができる。
図2は、本発明の第二の実施形態に係るサージアブソーバの縦断面図である。図中、前記第一の実施形態と共通する要素には同一符号を付して説明を簡略化する。
このサージアブソーバS2においては、一対のリード線2a,2bの先端側にそれぞれ接続される放電電極5a,5bは、Fe、Ni、Cu、あるいはこれらの合金からなる所定長さの棒状の基軸6a,6bを有するとともに、これら基軸6a,6b全体にAgまたはAg合金からなるコーティング層7a,7bが形成されている。
この場合、棒状の基軸6a,6bは、リード線2a,2bと別体のものとするのではなく、リード線2a,2bを延長して基軸とすることもできる。
上記基軸6a,6bへのAg材のコーティング層7a,7bは、基軸6a,6bにAgメッキを行って容易に形成することができる。また、基軸6a,6bの表面に印刷方法により、あるいはスパッタにより形成することもできる。
上記構成からなるサージアブソーバS2においても、放電電極5a,5bの外表面が放電開始電圧の安定したAg材からなるので、その放電の開始電圧が所定の範囲内の安定した範囲内で行われ、急峻なサージが印加された場合でも放電開始電圧が上昇することがなく、サージアブソーバとしての機能を的確に果たすことができる。また、放電電極5a,5bの全面にAgのコーティング層7a,7bが設けられているので、広い面積でより安定した放電開始電圧を得ることができ、長期的に安定した放電開始電圧を得ることができる。
図3および図4は、本発明の第三の実施形態に係るサージアブソーバの縦断面図である。
このサージアブソーバS3においては、一対のリード線2a,2bの先端側にそれぞれ接続される放電電極8a,8bは、Fe、Ni、Cu、あるいはこれらの合金からなる所定長さの棒状の基軸9a,9bを有するとともに、これら基軸9a,9bの外表面のうち、放電ギャップGを介して対向状態となっている内向側面FのみにAgまたはAg合金からなるコーティング層10a,10bが形成されている。この図3および図4に示す例では、放電電極8a,8bのほぼ半周分の側面にコーティング層10a,10bが形成されている。この場合も、棒状の基軸9a,9bは、リード線2a,2bを延長して基軸とすることもできる。
上記構成からなるサージアブソーバS3においても、放電電極8a,8bのうち、放電の行われる部分が放電開始電圧の安定したAg材からなるので、その放電の開始電圧が所定の範囲内の安定した範囲内で行われ、急峻なサージが印加された場合でも放電開始電圧が上昇することがなく、サージアブソーバとしての機能を的確に果たすことができる。この場合、高価なAgを放電電極8a,8bのほぼ半周分の内向側面にのみコーティングしているから、放電電極8a,8bの全体をAg材で形成する場合に比べて安価に製造することができる。
前記第一の実施形態のサージアブソーバに関して、その放電特性をAg以外の他の金属と比較しながら測定した。
図5は、放電電極の材質をAg、Ni、Cu、Feとしたときの応答電圧特性を示したグラフである。サージ電圧として、1.2マイクロ秒で最大値の10KVとなり、50マイクロ秒でその半値となるインパルス電圧を印加した。その際の放電開始電圧を応答電圧として測定した。図5ではその応答電圧を各材質毎に並べて示している。
この図5から明らかなように、本発明に係るAgからなる放電電極の場合は、他の材質の放電電極に比べて応答電圧(放電電圧)が低く、かつ、そのばらつきの幅も小さくなっており、安定した高精度の放電開始電圧が得られることがわかる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において変更可能である。
例えば、放電電極として、Ag単体で構成してもよいし、Ag合金で構成してもよく、Ag合金で構成した場合は、より安価にすることができる。また、放電電極そのものをAgまたはAg合金によって構成する場合や、放電電極の表面にAgまたはAg合金のコーティング層を形成する場合だけでなく、AgまたはAg合金を含むものであればよく、例えば、他の金属や絶縁物等との混合物からなるものであってもよい。
また、前記各実施形態の例では、基台1と気密容器部材4とで放電電極を収納する気密容器Cを形成する構成としているが、放電電極を平行に保持できれば、一つのガラス筒等からなる筒状容器の両端を溶融させながらすぼめることにより気密容器とする構成でもよい。
本発明の第一の実施形態に係るサージアブソーバの縦断面図である。 本発明の第二の実施形態に係るサージアブソーバの縦断面図である。 本発明の第三の実施形態に係るサージアブソーバの縦断面図である。 図3の実施形態に係る放電電極の横断面図である。 本発明に係る放電電極及び従来の放電電極の応答電圧特性を示したグラフである。 従来のサージアブソーバの縦断面図である。
符号の説明
S1,S2,S3 サージアブソーバ
1 基台
2a,2b リード線
3a,3b 放電電極
4 気密容器部材
5a,5b 放電電極
6a,6b 基軸
7a,7b コーティング層
8a,8b 放電電極
9a,9b 基軸
10a,10b コーティング層
G 放電ギャップ
C 気密容器
F 内向側面

Claims (4)

  1. 気密容器内に一対の棒状の放電電極が所定の放電ギャップを保って相互に平行に配設されたサージアブソーバであって、
    前記一対の放電電極は、少なくとも前記放電ギャップを介して対向する内向側面の材質がAg、Ag合金、AgまたはAg合金と絶縁物との混合物であることを特徴とするサージアブソーバ。
  2. 前記一対の放電電極は、その表面全体をAg、Ag合金、AgまたはAg合金と絶縁物との混合物とする場合、一対の放電電極全体がAg、Ag合金、AgまたはAg合金と絶縁物との混合物から構成されていることを特徴とする請求項1記載のサージアブソーバ。
  3. 前記一対の放電電極は、Ag、Ag合金、AgまたはAg合金と絶縁物との混合物からなることを特徴とする請求項1又は2記載のサージアブソーバ。
  4. 前記一対の放電電極は、Ag、Ag合金、AgまたはAg合金と絶縁物との混合物からなるコーティング層が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のサージアブソーバ。
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