以下、本発明の最良な実施の形態について、図面に示す実施例を基に詳細に説明する。なお、説明の便宜上、図1において、記録テープカートリッジ10のドライブ装置への装填方向を矢印Aで示し、それを記録テープカートリッジ10の前方向(前側)とする。そして、矢印Aと直交する矢印B方向を右方向(右側)とする。また、矢印A方向及び矢印B方向と直交する方向を矢印Cで示し、それを記録テープカートリッジ10の上方向(上側)とする。まず最初に、記録テープカートリッジ10について説明する。
図1〜図3で示すように、記録テープカートリッジ10は、略矩形箱状のケース12を有している。このケース12は、ポリカーボネート(PC)等の樹脂製の上ケース14と下ケース16とが、それぞれ天板14Aの周縁に立設された周壁14Bと、底板16Aの周縁に立設された周壁16Bとを互いに当接させた状態で、超音波溶着やビス止め等によって接合されて構成されている。
すなわち、例えば上ケース14及び下ケース16には、ビスボス15がそれぞれ各コーナー部近傍に形成されており、下ケース16の下面側から、そのビスボス15に図示しないビスが螺合されることにより、ケース12が組み立てられるようになっている。そして、ケース12の内部には、リール20が1つだけ回転可能に収容されている。
このリール20は、軸心部を構成する有底円筒状のリールハブ22と、その下端部に設けられる下フランジ26とが一体に成形され、上フランジ24がリールハブ22の上端部に超音波溶着されて構成されている。そして、そのリールハブ22の外周面に、情報記録再生媒体としての磁気テープ等の記録テープTが巻回され、上フランジ24及び下フランジ26によって、その巻回された記録テープTの幅方向の端部が保持されている。
また、リールハブ22の底壁(底部)28の下面(外面)には、リールギア44が環状に形成されており、下ケース16の中央部には、そのリールギア44を外部に露出するためのギア開口40が穿設されている。このギア開口40から露出されるリールギア44が、ドライブ装置の回転シャフト(図示省略)に形成された駆動ギア(図示省略)に噛合されて回転駆動されることにより、ケース12内において、リール20がケース12に対して相対回転可能とされる。
また、底壁28の下面におけるリールギア44の径方向内側には、磁性材料でできた環状金属板であるリールプレート46が、インサート成形により、同軸的かつ一体的に固着されており、ドライブ装置の回転シャフトに設けられた環状のマグネット(図示省略)の磁力によって吸着・保持されるようになっている。更に、リール20は、上ケース14及び下ケース16の内面にそれぞれ部分的に突設されて、ギア開口40と同軸的な円形の軌跡上にある内壁としての遊動規制壁42によってガタつかないように保持されている。
また、ケース12の右壁12Bには、リール20に巻装された記録テープTを引き出すための開口18が形成されており、この開口18から引き出される記録テープTの自由端部には、ドライブ装置の引出部材(図示省略)によって係止(係合)されつつ引き出し操作されるリーダーピン30が固着されている。リーダーピン30の記録テープTの幅方向端部より突出した両端部には、環状溝32が形成されており、この環状溝32が引出部材のフック等に係止される。これにより、記録テープTを引き出す際に、フック等が記録テープTに接触して傷付けることがない構成である。
また、ケース12の開口18の内側、即ち上ケース14の天板14A内面及び下ケース16の底板16A内面には、ケース12内においてリーダーピン30を位置決めして保持する上下一対のピン保持部36が設けられている。このピン保持部36は、記録テープTの引き出し側が開放された略半円形状をしており、直立状態のリーダーピン30の両端部34は、その開放側からピン保持部36内に出入可能とされている。
また、ピン保持部36の近傍には、板バネ38が固定配置されるようになっており、この板バネ38の二股状の先端部がリーダーピン30の上下両端部34にそれぞれ係合してリーダーピン30をピン保持部36に保持するようになっている。なお、リーダーピン30がピン保持部36に出入する際には、板バネ38の先端部は適宜弾性変形してリーダーピン30の移動を許容する構成である。
また、その開口18は、ドア50によって開閉される。このドア50は、開口18を閉塞可能な大きさの略矩形板状に形成され、ケース12の右壁12Bに沿って移動できるように、開口18内側の天板14A及び底板16Aには、ドア50の上下端部を摺動可能に嵌入させる溝部64が形成されている。
また、ドア50の後端部中央には、シャフト52が突設されており、そのシャフト52には、コイルバネ58が挿嵌されている。そして、シャフト52の後端には、そのコイルバネ58を脱落防止とする拡開部54が形成されている。また、下ケース16には、そのシャフト52に挿嵌されたコイルバネ58の後端を係止する係止部62を有する支持台60が突設されている。
したがって、ドア50は、シャフト52が支持台60上に摺動自在に支持されるとともに、コイルバネ58の後端が係止部62に係止されることにより、そのコイルバネ58の付勢力によって、常時開口18の閉塞方向へ付勢される構成である。なお、開口18の開放時、シャフト52を支持する支持台66を支持台60の後方側に更に突設しておくことが好ましい。
また、ドア50の前端部には、開閉操作用の凸部56が外方に向かって突設されている。この凸部56が、記録テープカートリッジ10のドライブ装置への装填に伴い、そのドライブ装置側の開閉部材(図示省略)と係合するようになっている。これにより、ドア50がコイルバネ58の付勢力に抗して開放される構成である。
また、図2、図3で示すように、ケース12の左後部には、記録テープTへの記録可・不可が設定されるライトプロテクト70が左右方向にスライド可能に設けられており、ケース12の後壁12Dには、このライトプロテクト70を人手で操作するための操作突起72を突出させる開孔68が形成されている。この開孔68は、上ケース14と下ケース16とを接合したときに、上ケース14の周壁14Bに形成された切欠部68Aと、下ケース16の周壁16Bに形成された切欠部68Bとによって形成される構成である。
また更に、下ケース16には、ライトプロテクト70の突部74が露出される長孔69が左右方向に長く穿設されており、記録テープカートリッジ10がドライブ装置に装填されたときに、そのドライブ装置側でライトプロテクト70の位置を検知して、記録テープTへの記録可・不可が自動的に判断されるようになっている。なお、この突部74は下ケース16の下面から突出することはない。また、図2で示すように、ケース12の右後部には、記録容量、記録形式等の各種情報が記憶されたメモリーボードMが所定の傾斜角度で配置されるようになっている。
また、図2、図3で示すように、リールハブ22の底壁28の上面周縁には、係合ギア48が所定の間隙を隔てて(等間隔に)複数(例えば120度間隔で3個)立設されており、その係合ギア48の間で、リールギア44上となる所定位置には、貫通孔28Aが複数(この場合は120度間隔で3個)穿設されている。そして、そのリールハブ22の内部には、樹脂材で成形された円板状の制動部材80が挿設される。
制動部材80の下面80A周縁には、係合ギア48と噛合可能な制動ギア84が環状に形成されており、制動部材80の上面には、上ケース14の天板14A内面から下方へ向かって突設された平面視略十字状の回転規制リブ76が内部に挿入される平面視略十字状の係合突起86が、その回転規制リブ76の高さよりも若干高くなるように立設されている。これにより、制動部材80はケース12(上ケース14)に対して回転不能とされるとともに、リールハブ22内において、上下方向に移動可能とされる。
また、上ケース14と制動部材80との間には圧縮コイルスプリング98が配設される。すなわち、圧縮コイルスプリング98の一端が上ケース14の回転規制リブ76の外側に突設された環状突起78の内側(回転規制リブ76と環状突起78の間)に当接し、他端が制動部材80の上面に設けられた環状溝88内に当接した状態に配設される。この圧縮コイルスプリング98の付勢力により、制動部材80は、常時下方に向かって付勢される。
したがって、記録テープカートリッジ10は、不使用時(ドライブ装置に装填されないとき)において、常時制動ギア84が係合ギア48と噛合する状態とされて、リール20のケース12に対する相対回転が阻止された回転ロック状態とされる。なお、このとき、リール20は、この付勢力によって下ケース16側に押し付けられ、リールギア44をギア開口40から露出させる。
また、リールハブ22の内部で、かつ制動部材80の下側(底壁28と制動部材80との間)には、樹脂材で成形された平面視略正三角形状の解除部材90が挿設される。解除部材90には、適宜位置に所定の形状とされた貫通孔92が複数(図示のものは六角形状とされて3つ)穿設されており、解除部材90の軽量化が図られている。そして、解除部材90の下面で、かつ各頂点部分には、貫通孔28Aに挿通されて底壁28の下面からリールギア44上に所定高さ突出する脚部94が突設されている。
また、解除部材90の上面90A中央には平面状の支持凸部96が形成されており、制動部材80の下面80A中央に突設された略半球状の解除突起82が当接するようになっている(図2、図3参照)。これにより、制動部材80と解除部材90との接触面積が低減され、使用時(リール20の回転時)における摺動抵抗が軽減される構成である。なお、制動部材80の材質としては、例えばポリアセタール(POM)が用いられ、解除部材90の材質としては、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)が用いられる。
以上のような構成の記録テープカートリッジ10において、次にその作用について説明する。不使用時(保管時や運搬時等)において、記録テープカートリッジ10の開口18は、ドア50によって閉塞されている。そして、圧縮コイルスプリング98の付勢力によって、制動部材80が回転ロック位置に位置して制動ギア84を係合ギア48に噛合させている。このため、リール20は、ケース12に対する回転が阻止されている。
一方、記録テープTを使用する際には、前壁12Aを先頭にして記録テープカートリッジ10を矢印A方向に沿って、ドライブ装置内へ装填する。すると、まず、そのドライブ装置側に設けられた開閉部材が、ドア50の凸部56に係合する。そして、この状態で、記録テープカートリッジ10が更に矢印A方向へ移動すると、開閉部材が凸部56をコイルバネ58の付勢力に抗しつつ相対的に後方へ移動させる。すると、その凸部56が突設されているドア50は、右壁12Bに沿って溝部64内を後側へ摺動し、開口18を開放する。
こうして、記録テープカートリッジ10がドライブ装置に所定深さ装填され、開口18が完全に開放されると、記録テープカートリッジ10は所定高さ下降し、ドライブ装置の位置決め部材(図示省略)が、下ケース16に形成された位置決め用の穴部(図示省略)に挿入される。これにより、記録テープカートリッジ10がドライブ装置内における所定位置に正確に位置決めされ、ドア50のそれ以上の摺動(後方への移動)が規制される。
また、この記録テープカートリッジ10の下降動作によって、回転シャフトが相対的にギア開口40から進入し、駆動ギアをリールギア44に噛合させる。すると、その駆動ギアがリールギア44と噛合する動作に伴って、リールギア44上に突出している脚部94が、圧縮コイルスプリング98の付勢力に抗して押し上げられ、解除部材90を介して制動部材80が上方へ押し上げられて、制動ギア84と係合ギア48との噛合が解除される。
そして、駆動ギアとリールギア44とが完全に噛合した状態で、リールプレート46が、駆動ギアの内側に設けられた環状のマグネットの磁力によって吸着・保持されることにより、リール20は、駆動ギアに対するリールギア44の噛合が維持されつつ、ケース12内で、そのケース12に対して相対回転可能となるロック解除状態とされる。
一方、開放された開口18からは、ドライブ装置側に設けられた引出部材がケース12内に進入し、ピン保持部36に位置決め保持されたリーダーピン30を把持して引き出す。なお、このとき、記録テープカートリッジ10はドライブ装置内において正確に位置決めされているので、引出部材は確実にリーダーピン30の環状溝32にそのフックを係止させることができる。また、リール20は、その回転ロック状態が解除されているので、リーダーピン30の引出動作に伴って回転できる。
こうして、開口18から抜き出されたリーダーピン30は、図示しない巻取リールに収容される。そして、その巻取リールとリール20とを同期して回転駆動することにより、記録テープTは、巻取リールに巻き取られつつ順次ケース12から引き出され、所定のテープ経路に沿って配設された記録再生ヘッド(図示省略)によって情報の記録や再生が行われる。
情報の記録や再生が終了した記録テープカートリッジ10をドライブ装置から排出する際には、まず、回転シャフトが逆回転することにより、記録テープTがリール20に巻き戻される。そして、記録テープTがリール20に最後まで巻き戻されて、リーダーピン30がピン保持部36に保持されると、記録テープカートリッジ10は所定高さ上昇し、位置決め部材が位置決め用の穴部から抜き出されるとともに、回転シャフトがギア開口40から抜き出され、リールギア44に対する駆動ギアの噛合が解除される。
すると、圧縮コイルスプリング98の付勢力により、制動部材80及び解除部材90が下方に向かって押圧され、脚部94が貫通孔28Aに挿通されて底壁28の下面からリールギア44上に所定高さ突出するとともに、制動ギア84が係合ギア48に噛合する。これにより、リール20は、再度ケース12内での相対回転が阻止された回転ロック状態となり、その後、記録テープカートリッジ10は、図示しないイジェクト機構によって矢印A方向とは反対方向に移動される。
すると、この移動に伴って、ドア50はコイルバネ58の付勢力によって開口18の閉塞方向へ摺動し、開口18を完全に閉塞する(初期状態に復帰する)。こうして、リール20のケース12に対する相対回転がロックされ、開口18が閉塞された記録テープカートリッジ10は、ドライブ装置内から完全に排出される。
次に、このような記録テープカートリッジ10に収容されるリール20と、このリール20を製造するための第1実施例の金型100について説明する。図4で示すように、リール20のリールハブ22の底壁(底部)28の下面(外面)において、リールギア44とリールプレート46との間の周方向には、等間隔に複数(例えば6個)の溝部45が形成されている。
この溝部45は、図5、図6で示すように、リールハブ22と下フランジ26を成形する金型100内において、リールプレート46を径方向に移動不能に位置規制しつつ(位置決めしつつ)保持する位置規制部102によって形成される。すなわち、この位置規制部102は、断続的な(不連続な)略円筒状に形成され、リールプレート46の外周端面46A側から、リールプレート46の径方向の位置を規制しつつ(位置ズレを防止しつつ)、そのリールプレート46を保持するようになっている。
したがって、リールプレート46がインサート成形によって固着されたリール20(正確にはリールハブ22と下フランジ26)を金型100内から取り出すと、その位置規制部102が存在していた領域には、溝部45が形成される(位置規制部102と溝部45は平面視で同形状となる)。なお、図4で示すように、位置規制部102が存在していない領域には、樹脂材が入り込むため、各溝部45間にはリールギア44とリールプレート46との間を連結するような連結部43が等間隔に複数(例えば6個)形成される。
また、図6(A)で示すように、金型100に形成される位置規制部102は、底壁28の下面側である先端部102B側に行くに従って内径が大径化される所定角度θ1のテーパー面とされた内周面102Aを有している。換言すれば、この位置規制部102の内周面102Aは、先端部102B側に行くに従って拡開する所定角度θ1のテーパー面とされている。
したがって、リールプレート46の外周端面46Aは、その位置規制部102の根元部(先端部102Bとは上下反対側の部分)102C側における内周面102Aにより、径方向に移動不能に位置規制されつつ保持される。また、これにより、先端部102B側における位置規制部102の内周面102Aとリールプレート46の外周端面46Aとの間にはクリアランスS1が形成される。そして、成形時には、そのクリアランスS1に樹脂材が入り込む。
したがって、図6(A)、図6(B)で示すように、リールプレート46とリールギア44との間の溝部45内には、リールプレート46の外周端面46Aを底壁28の下面側からリールプレート46のほぼ全高に亘って被覆する側断面視テーパー状の被覆部47が形成される。つまり、この被覆部47の高さH1は、側断面視でリールプレート46の厚さと同一か、それよりも低位とされ、底壁28の下面からリールギア44の底面44Aまでの高さH2よりも低く形成されている。
また、位置規制部102のテーパー面とされた内周面102Aの傾斜角度θ1は、θ1=1°〜10°であることが望ましい。傾斜角度θ1が1°より小さいと、位置規制部102内へのリールプレート46の設置(挿入)がしづらく(難しく)なる。また、傾斜角度θ1が10°より大きいと、位置規制部102の内周面102Aとリールプレート46の外周端面46Aとの間に形成されるクリアランスS1に入り込む樹脂材が多くなるため、その樹脂材の収縮によって、リールプレート46が変形してしまうおそれがある。
以上のようなリール20及びリール20を製造する第1実施例の金型100において、次にその作用について説明する。リール20におけるリールハブ22と下フランジ26を金型100で一体成形する際、そのリールハブ22の底壁28の下面にリールプレート46をインサート成形により固着する。そのため、リールプレート46は、金型100内に略円筒状に形成された位置規制部102の内側に設置される。
ここで、位置規制部102の内周面102Aは、先端部102B側に行くに従って拡開する(内径が大径化する)所定角度θ1のテーパー面とされている。したがって、その先端部102B側における位置規制部102の内周面102Aとリールプレート46の外周端面46Aとの間にはクリアランスS1が形成されるため、リールプレート46は、その先端部102B側から位置規制部102の内側へ容易に設置できる。
また、位置規制部102の内周面102Aが、上記のようなテーパー面とされていることから、リールプレート46は、位置規制部102の根元部102C側における内周面102Aによって径方向に移動不能に位置規制(位置決め)されつつ保持される。したがって、位置規制部102の根元部102C側における内周面102Aと、リールプレート46の外周端面46Aとのクリアランスを精度良く規定することで、リールハブ22に対するリールプレート46の同軸度を向上させることができる。
つまり、位置規制部102の根元部102C側における内周面102Aと、リールプレート46の外周端面46Aとのクリアランスを、例えば0.1mm以下にしても、上記クリアランスS1により、リールプレート46を位置規制部102の内側へ容易に設置することができるので、リールハブ22とリールプレート46との同軸度を改善することが可能となる。
また、位置規制部102の根元部102C側における内周面102Aと、リールプレート46の外周端面46Aとのクリアランスを極めて低減できる(例えば0.1mm以下にできる)ことから、位置規制部102の根元部102C側の板厚を従来よりも厚く形成することができる。したがって、位置規制部102の強度を向上させることができ、位置規制部102の破損を防止することができる。
特に、被覆部47の高さH1が、底壁28からリールギア44の底面44Aまでの高さH2よりも低く形成されているので、位置規制部102の高さを比較的低く形成することができる。したがって、位置規制部102の強度をより一層向上させることができ、位置規制部102の破損をより一層防止することができる。つまり、金型100の寿命を従来よりも延ばすことができる。
こうして、リールプレート46を位置規制部102の内側へ設置したら、図5で示すように、リールハブ22の回転中心位置Oに設けられたゲートG(図4ではゲート跡Gmが示されている)から金型100内に樹脂材を注入する。すると、リールプレート46には、小孔46Bが複数(例えば3個)穿設され、その小孔46Bの内周面には、底壁28の下面側がその反対面(外面)側よりも小径となる段差部46Cが形成されているので、ゲートGから注入された樹脂材が、その小孔46Bに入り込んで固化されることにより、リールプレート46が底壁28の下面に一体的に固着される。
そして、このとき、リールプレート46は、位置規制部102によって径方向に移動不能に精度良く位置決めされて(位置規制されて)保持されているので、リールハブ22の底壁28の下面に精度良く同軸的に固着される。したがって、ドライブ装置内におけるリール20の回転時の偏芯を改善することができる。
なお、リールプレート46は、内周端面46D側ではなく、外周端面46A側で位置規制(位置決め)する構成とした方が望ましい。リールプレート46の外周端面46Aは、内周端面46Dよりも表面積が大きいため、位置を規制(位置決め)する上で有利となるからである。また、このような構成であると、リールプレート46が、位置規制部102の内側から脱落し難くなる(良好に保持できる)利点もある。
次に、リール20を製造する第2実施例の金型104について説明する。なお、金型104以外の部位は上記と同等であるため、同じ符号を付してその説明は省略する。図7で示すように、金型104に形成される位置規制部106の内周面106Aのほぼ中央には、底壁28の下面側である先端部106B側の内径が、それとは上下反対面側である根元部106C側の内径よりも大径となる段差部106Dが形成されている。
したがって、この場合も、リールプレート46の外周端面46Aは、その位置規制部106の根元部106C側における内周面106Aにより、径方向に移動不能に位置規制されつつ保持される。また、これにより、先端部106B側における位置規制部106の内周面106Aとリールプレート46の外周端面46Aとの間にはクリアランスS2が形成される。そして、成形時には、そのクリアランスS2に樹脂材が入り込む。
したがって、リールプレート46とリールギア44との間の溝部45内には、リールプレート46の外周端面46Aを底壁28の下面側からリールプレート46のほぼ半分の高さまで被覆する被覆部49が形成される。つまり、この被覆部49の高さは、例えば側断面視でリールプレート46の厚さのほぼ半分程度とされ、リールプレート46の外周端面46Aの一部を被覆するようになっている。なお、段差部106Dが形成される位置は、内周面106Aの高さ方向中央よりも根元部106C側とされる。
以上のような第2実施例の金型104において、次にその作用について説明する。なお、第1実施例と同等の作用については適宜その説明を省略する。リール20におけるリールハブ22と下フランジ26を金型104で一体成形する際、そのリールハブ22の底壁28の下面にリールプレート46をインサート成形により固着する。そのため、リールプレート46は、金型104内に略円筒状に形成された位置規制部106の内側に設置される。
ここで、位置規制部106の内周面106Aの中央位置よりも根元部106C側には、先端部106B側の内径が根元部106C側の内径よりも大径となる段差部106Dが形成されている。したがって、その先端部106B側における位置規制部106の内周面106Aとリールプレート46の外周端面46Aとの間にはクリアランスS2が形成されるため、リールプレート46は、その先端部106B側から位置規制部106の内側へ容易に設置できる。
また、位置規制部106の内周面106Aに、上記のような段差部106Dが形成されていることから、リールプレート46は、位置規制部106の根元部106C側における内周面106Aによって径方向に移動不能に位置規制(位置決め)されつつ保持される。したがって、位置規制部106の根元部106C側における内周面106Aと、リールプレート46の外周端面46Aとのクリアランスを精度良く規定することで、リールハブ22に対するリールプレート46の同軸度を向上させることができる。
つまり、位置規制部106の根元部106C側における内周面106Aと、リールプレート46の外周端面46Aとのクリアランスを、例えば0.1mm以下にしても、上記クリアランスS2により、リールプレート46を位置規制部106の内側へ容易に設置することができるので、リールハブ22とリールプレート46との同軸度を改善することが可能となる。
また、位置規制部106の根元部106C側における内周面106Aと、リールプレート46の外周端面46Aとのクリアランスを極めて低減できる(例えば0.1mm以下にできる)ことから、位置規制部106の根元部106C側の板厚を従来よりも厚く形成することができる。したがって、位置規制部106の強度を向上させることができ、位置規制部106の破損を防止することができる。
こうして、リールプレート46を位置規制部106の内側へ設置したら、図5で示したように、ゲートGから金型104内に樹脂材を注入する。すると、上記したように、リールプレート46は底壁28の下面に一体的に固着される。そして、このとき、リールプレート46は、位置規制部106によって径方向に移動不能に精度良く位置決めされて(位置規制されて)保持されているので、リールハブ22に精度良く同軸的に固着される。したがって、ドライブ装置内におけるリール20の回転時の偏芯を改善することができる。
次に、リール20における変形例のリールプレート116について説明する。なお、リールプレート116と金型112以外の部位は上記と同等であるため、同じ符号を付してその説明は省略する。図8で示すように、このリールプレート116は、底壁28の下面側に行くに従って外径が大径化される所定角度θ2のテーパー面とされた外周端面116Aを有している。
換言すれば、このリールプレート116の外周端面116Aは、底壁28の下面側から離隔するに従って先細りとなる所定角度θ2(θ2=1°〜10°)のテーパー面とされている。そして、このようなリールプレート116をインサート成形するための金型112の位置規制部114は、その内周面114Aがほぼ垂直(鉛直)に形成されている。
したがって、この場合、リールプレート116の外周端面116Aは、その位置規制部114の先端部114B側における内周面114Aにより、径方向に移動不能に位置規制されつつ保持される。また、これにより、底壁28の下面側とは上下反対面側である外面側のリールプレート116の外周端面116Aと位置規制部114の根元部114C側における内周面114Aとの間にはクリアランスS3が形成されるが、このクリアランスS3には樹脂材が入り込むことはない。
以上のようなリール20及びリール20を製造する金型112において、次にその作用について説明する。なお、第1実施例と同等の作用については適宜その説明を省略する。リール20におけるリールハブ22と下フランジ26を金型112で一体成形する際、そのリールハブ22の底壁28の下面にリールプレート116をインサート成形により固着する。そのため、リールプレート116は、金型112内に略円筒状に形成された位置規制部114の内側に設置される。
ここで、リールプレート116の外周端面116Aは、底壁28の下面側から離隔するに従って先細りする(外径が小径化する)所定角度θ2のテーパー面とされている。したがって、底壁28の下面側とは上下反対面側である外面側のリールプレート116の外周端面116Aと位置規制部114の根元部114C側における内周面114Aとの間にはクリアランスS3が形成されるため、リールプレート116は、その外面側から位置規制部114の内側へ容易に設置できる。
また、リールプレート116の外周端面116Aが、上記のようなテーパー面とされていることから、リールプレート116は、位置規制部114の先端部114B側における内周面114Aによって径方向に移動不能に位置規制(位置決め)されつつ保持される。したがって、位置規制部114の先端部114B側における内周面114Aと、リールプレート116の外周端面116Aとのクリアランスを精度良く規定することで、リールハブ22に対するリールプレート116の同軸度を向上させることができる。
つまり、位置規制部114の先端部114B側における内周面114Aと、リールプレート116の外周端面116Aとのクリアランスを、例えば0.1mm以下にしても、上記クリアランスS3により、リールプレート116を位置規制部114の内側へ容易に設置することができるので、リールハブ22とリールプレート116との同軸度を改善することが可能となる。
また、位置規制部114の先端部114B側における内周面114Aと、リールプレート116の外周端面116Aとのクリアランスを極めて低減でき(例えば0.1mm以下にでき)、かつリールプレート116の外周端面116Aを上記のようなテーパー面に形成することから、位置規制部114の根元部114C側の板厚を従来よりも厚く形成することができる。
つまり、例えば図9で示すように、位置規制部114の内周面114Aを、第1実施例の位置規制部102の内周面102Aと同様に、先端部114B側に行くに従って内径が大径化される所定角度θ3(θ3=1°〜10°)のテーパー面に形成することができるため、位置規制部114の強度を向上させることができ、位置規制部114の破損を防止することができる。
なお、図8で示すリールプレート116の外周端面116Aの傾斜角度θ2と、図9で示す位置規制部114の内周面114Aの傾斜角度θ3は、異なるように示されているが、同一にしてもよいことは言うまでもない。傾斜角度θ2と傾斜角度θ3が同一の場合、位置規制部114の内周面114Aは、リールプレート116の外周端面116Aに全面で接することになる。
こうして、リールプレート116を位置規制部114の内側へ設置したら、図5で示したように、ゲートGから金型112内に樹脂材を注入する。すると、上記したように、リールプレート116は底壁28の下面に一体的に固着される。そして、このとき、リールプレート116は、位置規制部114によって径方向に移動不能に精度良く位置決めされて(位置規制されて)保持されているので、リールハブ22に精度良く同軸的に固着される。したがって、ドライブ装置内におけるリール20の回転時の偏芯を改善することができる。
また、リールハブ22及び下フランジ26が一体成形されたら、金型112内からリールハブ22及び下フランジ26を取り出すが、このとき、リールプレート116の外周端面116Aは、底壁28の下面側に行くに従って外径が大径化される(底壁28の下面側から離隔するに従って外径が小径化される)テーパー面とされて、位置規制部114の根元部114C側における内周面114Aとの間にクリアランスS3が形成されている。
したがって、金型112内からリールハブ22及び下フランジ26を取り出すときの方向が、リールハブ22の高さ方向に対して僅かに傾いてしまっても、リールプレート116が位置規制部114に圧接するような不具合は起きない。つまり、この場合には、位置規制部114の破損をより一層防止することができる。
以上、本実施形態に係るリール20とリール20の製造方法について説明したが、本実施形態に係るリール20及びリール20の製造方法は、図示のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能なものである。また、リール20に巻回される記録テープTは、情報の記録及び記録した情報の再生が可能な長尺テープ状の情報記録再生媒体として把握されるものであれば足り、リール20を収容する記録テープカートリッジ10が、如何なる記録再生方式の記録テープTにも適用可能であることは言うまでもない。