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JP4875227B2 - 振動発電器、振動発電装置、及び振動発電装置を搭載した電子機器と通信装置 - Google Patents
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振動発電器、振動発電装置、及び振動発電装置を搭載した電子機器と通信装置 Download PDF

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Description

本発明は、振動発電器および振動発電装置と、振動発電装置を搭載した通信装置および電子機器に関し、とりわけエレクトレット材料を用いた静電誘導型振動発電器および振動発電装置と、当該振動発電装置を搭載した通信装置および電子機器に関する。
従来の振動発電装置として、可変容量の一方の電極に電荷を与え、対向する他方の電極へ静電誘導により電荷を誘起する静電誘導型振動発電装置が知られている。容量の変化により誘起される電荷に変化が生じる。静電誘導型振動発電装置は、この電荷の変化を電気エネルギーとして取り出すことにより発電を行う(例えば、特許文献1参照)。
図24は、エレクトレット材料を用いた従来の静電誘導型振動発電器の一例である、特許文献1(同文献の図4および10頁〜11頁参照)に記載された振動発電器10の概略断面図である。
振動発電器10は、複数の導電性表面領域13を備えた第1の基板11と、複数のエレクトレット材料領域15を備えた第2の基板16とで構成される。第1の基板11と、第2の基板16とは、互いに所定の間隔を隔てて配置されている。エレクトレット材料領域15を含む第2の基板16は固定されている。導電性表面領域13を含む第1の基板11は固定構造17にバネ19を介して連結されている。バネ19は第1の基板11の両側面に接続されており、また、固定構造17に接続されている。このバネ19により第1の基板11は定位置に戻る(保持される)ことができ、或いは、第1の基板11は側方運動(例えば図の左右方向の運動)を行い、定位置に戻ることができる。この動きにより、エレクトレット材料領域15と、対向する導電性表面領域13との重なり面積の増減が生じ、導電性表面領域13に電荷の変化が生じる。振動発電器(静電誘導型振動発電器)10は、この電荷の変化を電気エネルギーとして取り出すことにより発電を行う。
そして、発電に用いる振動の周波数に応じて第1の基板11の振動の共振周波数を選択する。
しかし、振動発電器10では、第1の基板11とバネ19とに依存して共振周波数が決定されるため、以下に示すように共振周波数の低周波数化が困難であるという問題がある。
すなわち、共振周波数を低くするためには第1の基板11の質量を増加させる、またはバネ19のバネ定数を小さくする必要がある。バネ19は通常シリコン等から形成されており材料の弾性定数、或いはバネのサイズのため、バネ定数を小さくすることが困難なことから、第1の基板11の質量を増加させる必要がある。
しかし、第1の基板11の質量を大きくして共振周波数を低周波数化すると、バネ19には第1の基板11の振動により大きな力が付与される(バネ19により大きな歪みが発生する)こととなり、バネ19の耐久性が低下してしまうという問題がある。
この問題を解決するため、弾性歪みに強く、共振周波数が低周波数化可能な樹脂バネを用いた静電誘導型振動発電器がある(例えば、非特許文献1参照)。
図25は、非特許文献1に記載されている、樹脂バネを用いた従来の振動発電器(静電誘導型振動発電器)20を示す概略斜視図である。
振動発電器20は、エレクトレット(electret)29が形成された第1の基板21と、第1の基板21を固定構造27に接続する、樹脂製のバネ29により構成されている。バネ29は、耐疲労性等の耐久性を有するパリレン樹脂材料を用いて構成されているので、比較的低い周波数で、かつ大きな振幅で第1の基板21を振動させることが可能である。
さらにバネ29は、長さ方向(図のx方向)の長さに対して幅方向(図のy方向)、及び第1の基板21の厚さ方向(図のz方向)の長さの比率が大きい高アスペクト比構造を有していることから、バネ29は幅方向(y方向)及び基板の厚さ方向(z方向)に振動することなく第1の基板21が一軸方向にのみ振動(強制振動)する。
特表2005−529574号公報
T. Tsutsumino, Y. Suzuki, N. Kasagi, and Y. Sakane, "Seismic Power Generator Using High- Performance Polymer Electret," IEEE Int. Conf. MEMS 2006, Istanbul, (2006), pp.
しかしながら、非特許文献1に示す従来の振動発電器20の構成では、例えば数Hz程度のような、更なる低周波数化を行うためには、第1の基板21の質量を大きくする方法だけでは実現できない。そして、例えば、樹脂ばね29をx軸方向に長くする等により樹脂バネ29のx軸方向のばね定数をさらに小さくする必要がある。この結果、所望の振動方向以外の方向(例えばy軸方向)のばね定数も小さくなる。
このため、外部振動に対して所望の方向以外にも振動が発生するなどの課題を有していた。
また、第1の基板21として、シリコン基板およびガラス基板等を用いるのに対して、樹脂バネ29はシリコンおよびガラスと全く異なるパリレン等の樹脂により形成されるため、構造、プロセスが複雑になるなどの課題を有していた。
さらに、基板の振動数が低くなっても所望の発電量を確保できるように、基板の振動1回あたりより多くの電力を発電できる振動発電器、振動発電装置、ならびに振動発電装置を搭載した電子機器及び通信装置が求められていた。
本発明は、このような課題を解決するもので、特に、複雑な構造およびプロセスを要せず、機械的な信頼性を向上するとともに、低周波数化に対応した振動発電器、振動発電装置、ならびに振動発電装置を搭載した電子機器及び通信装置を提供することを目的とする。
本発明の態様1は、第1の基板と、前記第1の基板上に配置された第1の電極と、前記第1の基板から離間し、かつ対向して配置された第2の基板と、前記第2の基板に配置された第2の電極と、を含み、前記第1の基板が前記第2の基板に対して振動可能でかつ、前記第1の電極と前記第2の電極の一方が電荷を保持した膜を含む振動発電器であって、前記第1の基板上に配置された、電荷を保持した膜を含む第3の電極と、前記第2の基板上に配置された、電荷を保持した膜を含む第4の電極と、を更に含み、前記第3の電極と前記第4の電極は、前記第1の基板に外力が作用しないときは前記第1の基板を所定の位置に保持し、前記第1の基板に外力が作用して前記第1の基板が前記第2の基板に対して移動したときは前記第1の基板を前記所定の位置に戻す静電力が作用するように配置されていることを特徴とする振動発電器である。
本発明の態様2は、前記第1の電極または前記第2の電極の一方が有する前記電荷を保持する膜と、前記第3の電極が有する前記電荷保持する膜と、前記第4の電極が有する前記電荷保持する膜とが、同じ極性の電荷を保持することを特徴とする態様1に記載の振動発電器である。
本発明の態様3は、前記第1の基板の前記振動の振幅を規定する規制部材を有し、前記第3の電極が前記第1の基板の端面近傍に配置され、前記第4の電極が前記第2の基板の端面近傍で、かつ前記第1の基板が前記振動をしても前記第3の電極と前記第4の電極とが重ならない位置に配置されていることを特徴とする態様1または2に記載の振動発電器である。
本発明の態様4は、前記第1の基板の前記振動の振幅を規定する規制部材を有し、前記第3の電極が前記第1の基板の中央部に配置され、前記第4の電極が前記第2の基板の中央部で、かつ前記第1の基板が前記振動をしても前記第3の電極と前記第4の電極とが重ならない位置に配置されていることを特徴とする態様1または2に記載の振動発電器である。
本発明の態様5は、一端が前記第2の基板上に固定され、他端が前記第1の基板と接触して前記第1の基板と電気的に接続されている突起体を含むことを特徴とする態様1〜4のいずれかに記載の振動発電器である。
本発明の態様6は、前記第1の基板の前記第2の基板に対向する面と反対側の面に対向し、前記第1の基板から離間した第3の基板と、一端が前記第3の基板上に固定され、他端が前記第1の基板と接触して前記第1の基板と電気的に接続されている第2の突起体とを含むことを特徴とする態様5に記載の振動発電器である。
本発明の態様7は、前記第3の基板が前記第2の基板上に形成した支持体により支持され、前記支持体は前記第1の基板の前記振動の振幅を規定することを特徴とする態様6に記載の振動発電器である。
本発明の態様8は、前記第1の電極と前記第3の電極とが、前記第1の基板上に形成された電荷を保持した第1の膜と、該第1の膜を覆うように形成された絶縁体とにより構成されていることを特徴とする態様5〜7のいずれかに記載の振動発電器である。
本発明の態様9は、前記第1の基板から離間し、かつ前記第1の基板の一方の面と対向して配置された第3の基板と、前記第1の基板の前記一方の面に配置された第5の電極と、前記第5の電極と対向するように前記第3の基板上に配置された第6の電極と、を更に含み、前記第1の基板が前記第3の基板に対して振動可能で、前記第2の基板が前記第1の基板の他方の面と対向し、前記第1の電極と前記第3の電極が前記第1の基板の前記他方の面に配置され、前記第5の電極および前記第6の電極の一方が電荷を保持した膜を含んでいることを特徴とする態様1または2に記載の振動発電器である。
本発明の態様10は、前記第1の基板の前記一方の面に配置され、かつ電荷を保持した膜を含む第7の電極と、前記第3の基板に配置され、電荷を保持した膜を含む第8の電極と、を更に含み、前記第7の電極と前記第8の電極は、前記第1の基板に外力が作用しないときは前記第1の基板を所定の位置に保持し、前記第1の基板に外力が作用して前記第1の基板が前記第3の基板に対して移動したときは前記第1の基板を前記所定の位置に戻す静電力が作用するように配置されていることを特徴とする態様9に記載の振動発電器である。
本発明の態様11は、前記第5の電極または前記第6の電極の一方が有する前記電荷を保持する膜と、前記第7の電極が有する前記電荷保持する膜と、前記第8の電極が有する前記電荷保持する膜とが、同じ極性の電荷を保持することを特徴とする態様10に記載の振動発電器である。
本発明の態様12は、前記第3の電極と前記第4の電極とを2組有し、前記第3の電極と前記第4の電極の一方の組の電極間に作用する静電力の前記第1の基板に平行な成分と、前記第3の電極と前記第4の電極の他方の組の電極間に作用する静電力の前記第1の基板に平行な成分とが、反対方向を向くように前記2組の第3の電極と前記第4の電極とが配置され、前記第7の電極と前記第8の電極とを2組有し、前記第7の電極と前記第8の電極の一方の組の電極間に作用する静電力の前記第1の基板に平行な成分と、前記第7の電極と前記第8の電極の他方の組の電極間に作用する静電力の前記第1の基板に平行な成分とが、反対方向を向くように前記2組の第7の電極と前記第8の電極とが配置されていることを特徴とする態様10または11に記載の振動発電器である。
本発明の態様13は、一端が前記第2の基板または前記第3の基板に固定され、他端が前記第1の基板と接触可能な突起体を含むことを特徴とする態様9〜12のいずれかに記載の振動発電器である。
本発明の態様14は、前記第1の電極が前記電荷を保持した膜を含み、前記第2の電極が前記電荷を保持した膜を含み、前記第1の電極と前記第2の電極と前記第3の電極と前記第7の電極とが、前記第1の基板上に形成した電荷を保持した膜と、該電荷を保持した膜を覆う絶縁体とを含むことを特徴とする態様10〜13のいずれかに記載の振動発電器である。
本発明の態様15は、態様1〜14のいずれかに記載の振動発電器と、前記振動発電器からの交流出力電圧を整流して直流電圧に変換する整流回路と、を含むことを特徴とする振動発電装置である。
本発明の態様16は、前記整流回路から出力された直流電圧を所望の電圧レベルに変換を行う電圧変換回路と、前記振動発電装置からの出力が不要な場合、振動発電器により発電された電力を蓄える蓄電回路と、前記電圧変換回路、或いは前記蓄電回路からの出力電圧を所定の電圧に制御する電圧制御回路と、前記電圧変換回路の出力を蓄電回路、或いは電圧制御回路に切り替える出力切替回路と、を更に含むことを特徴とする態様15に記載の振動発電装置である。
本発明の態様17は、態様15または16に記載の振動発電装置を用いた通信装置である。
本発明の態様18は、態様1〜14のいずれかに記載の振動発電器と電池とを有することを特徴とする通信装置である。
本発明の態様19は、態様15または16に記載の発電装置を用いた電子機器である。
本発明の態様20は、態様1〜14のいずれかに記載の振動発電器と電池とを有することを特徴とする電子機器である。
本発明の振動発電器によれば、例えば数Hz程度と周波数の低い外部振動に対しても、基板が大振幅で動作することができるため、低周波領域の振動により発電を行うことができる。
また、本発明の振動発電器によれば、静電力によるバネ構造を用いることにより弾性変形を伴う機械的なバネを排除することができることから、複雑な構造およびプロセスを要せず、機械的信頼性の向上を図ることが可能である。
さらに、本発明の振動発電装置によれば、蓄電回路を設けることで、出力電圧の安定を図ることが可能である。
さらにまた、本発明の振動発電器、振動発電装置を用いた通信装置および電子機器によれば、電池交換等のメンテナンス回数を低減できるなど利用上の効果は大きい。
本発明の実施の形態1に係る振動発電器の断面図 本発明の実施の形態1に係る第1の基板及び第2の基板を示す上面図 本発明の実施の形態1に係る別の第1の基板及び第2の基板を示す上面図 本発明の実施の形態1に係るエレクトレット電極の断面図 本発明の実施の形態2に係る振動発電器の断面図 本発明の実施の形態3に係る、(a)振動発電器の断面図と、(b)第1の電極の構造を示す断面図 本発明の実施の形態4に係る、(a)振動発電器の第2の基板を示す上面図と、(b)(a)のB−Bにおける断面図 本発明の実施の形態5に係る振動発電器の断面図 本発明の実施の形態5に係る振動発電器の他の構成を示す断面図 本発明の実施の形態6に係る振動発電器の断面図 本発明の実施の形態6に係る、(a)第1の基板の上面図、及び(b)第2の基板を示す上面図 本発明の実施の形態6に係るエレクトレット電極の断面図 本発明の実施の形態6に係る他の構造の第1の基板、及び第2の基板を示す上面図 本発明の実施の形態7に係る振動発電器の断面図 本発明の実施の形態8に係る、(a)振動発電器の断面図と、(b)第5の電極の構図を示す断面図 本発明の実施の形態9に係る、(a)振動発電器の第3の基板を示す上面図と、(b)B−Bにおける断面図 本発明の実施の形態10に係る振動発電器の断面図 本発明の実施の形態10に係る振動発電器の他の構成を示す断面図 本発明の実施の形態11に係る振動発電装置を示すブロック図 本発明の実施の形態11に係る振動発電装置の各部の電圧波形を示す図 本発明の実施の形態11に係る振動発電装置の別の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態12に係る振動発電装置を用いた通信装置を示す図 本発明の実施の形態13における振動発電装置を用いた電子機器を示す図 従来の静電誘導型振動発電器の断面図 従来の樹脂バネを用いた静電誘導型振動発電器の斜視図
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一の部分又は部材を示す。
1.実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1に係る振動発電器100の断面図であり、図2は図1の振動発電器100の第1の基板102(図2(a))、及び第2の基板103(図2(b))の上面図である。図1が示す断面は、図2のA−A断面に相当する。
振動発電器100は、第1の基板102と第2の基板103とにより構成される。第1の基板102上(図1では、下面)に第1の電極107a、107b、107cが形成されている。また、第2の基板103上(図1では、上面)には第2の電極106a、106b、106cが、第1の電極107a、107b、107cのそれぞれに対向する位置に形成されている。
第1の基板102上には更に第3の電極105a、105bが、第2の基板103上には更に第4の電極104a、104bが形成される。
第1の電極107a、107b、107cと、第3の電極105a、105bと第4の電極104a、104bとは、電荷を保持した膜を含むエレクトレット電極である。そして、第3の電極と第4の電極との間に反発する静電力(反発力)が作用するように、第3の電極105a、105bの前記膜が保持する電荷の極性と第4の電極104a、104bの前記膜が保持する電荷の極性とは、同じ(すなわち一方が正であれば他方も正であり、一方負であれば他方も負)であることが好ましい。
また、第1の電極107a、107b、107cの前記膜が保持する極性についても第3の電極105a、105bの前記膜が保持する電荷の極性と第4の電極104a、104bの前記膜が保持する電荷の極性と同じであることが好ましい。第1の電極107a、107b、107cと第3の電極105a、105bと第4の電極104a、104bとに同時に電荷を帯電させることができ、プロセスが簡便になるためである。
図1には図示していないが、第2の基板103は固定されており、一方、第1の基板102は固定されていない。このため、第1の基板102は、z軸方向と、x軸方向およびy軸方向の少なくともいずれか一方の方向に移動可能である。
第3の電極105a、105bと第4の電極104a、104bとは、同じ極性の電荷を保持しているため、第3の電極105a、105bと第4の電極104a、104bとの間には静電反発力が作用する。このとき、静電反発力は、第1の基板102と、第2の基板103の相対位置によりその大きさが変化するが、第2の基板103の主面に平行な方向のうち図1の左右方向(図1中のx方向)、第2の基板103の主面に垂直な方向(図1中のz方向)、及び2の基板103の主面に平行な方向のうち図1の紙面に垂直な方向(図1中のy方向)に分解することができる。このとき実施の形態1では、静電反発力のz方向成分により第1の基板102は空間を介して保持される(空中に浮遊した状態に保持される)。
また、x軸方向またはy軸方向(すなわち、第1の基板102の主面に平行な方向)の少なくとも一方において、(例えば外力が作用して)第1の基板102が第2の基板103に対して移動すると元の位置(所定の位置)に戻ろうとする力(復元力)が、静電力(静電反発力)のx方向成分またはz方向成分の少なくとも一方により生ずるように、第3の電極105a、105bと第4の電極104a、104bとが配置されることが、本実施形態の特徴である。
すなわち、第3の電極105a、105bと第4の電極104a、104bとの間に作用する静電力により、第1の基板はz軸方向の所定の位置に保持されるとともに、外力が作用しない時は、x軸方向および/またはy軸方向(第1の基板102の主面に平行な方向)についても所定の位置に保持される。
このように第3の電極105a、105bと第4の電極104a、104bとを配置することで、機械的なバネを用いることなく、第1の基板1はx軸方向および/またはy軸方向に振動可能となり、この結果、第1の電極107a、107b、107cと第2の電極106a、106b、106cとの重なり面積が変化することで振動発電器100が発電を行う。
次に電極配置について説明を行う。
図2に示す電極配置の例では、第1の電極107は(図1の107a、107b、107c)、長手方向がy軸と平行に配置された短冊状の複数の電極からなり、この複数の電極は互いに電気的に接続して構成されている。同様に、第2の電極106(図1の106a、106b、106c)もy軸と平行に配置された短冊状の複数の電極からなり、この複数の電極も互いに電気的に接続して構成されている。図2は、簡単のため配線構造については図示していない。第3の電極105(図1の105a、105b)と第4の電極104(図1の104a、104b)は、それぞれ第1の基板102、第2の基板103の周辺部(端部)全周に沿って(外周に沿って)配置されている。第1の基板102と第3の基板103とを対向させた時に第4の電極104の方が第3の電極105よりも外側になるように配置されている。しかし、この配置に限定されるものではなく、第3の電極105の方が第4の電極104よりも外側になるように配置しても同様の効果を得ることができる。
図1に示した第3の電極105a、105bは図2から判かるように、第1の電極107を取り囲んで配置されている第3電極105の一部(y軸方向に平行な部分)であり、第3の電極105a、105bは互いに電気的に接続して構成され、接地されている。同様に、第4の電極104a、104bも、第2の電極106を取り囲んで配置されている第4電極104の一部(y軸方向に平行な部分)であり、第4の電極104a、104bは、互いに電気的に接続して構成され、接地されている。
振動発電器100の動作について説明を行う。
上述のように第3の電極105と第4の電極104とは、同じ極性の電荷を有していることから、その間に静電力による反発力(静電反発力)が作用している。このため第1の基板102に外力が作用しなければ第1の基板102は所定の位置に保持されている。すなわち、z軸方向については、この反発力と第1の基板102に作用する重力とがバランスする位置で基板102は浮遊し留まる。x軸方向については第3の電極105aと第4の電極104aとの間に作用する反発力(図1の右方向に作用する力)と、第3の電極105bと第4の電極104bとの間に作用する反発力(図1の左方向に作用する力)とがバランスする位置で第1の基板102は留まる。y軸方向についても同様に反発力がバランスする位置で第1の基板102は留まる。
そして、外部から振動(外力)が加わると、第1の基板102は第2の基板103に対して相対的に変位する(移動する)。例えばx軸方向の振動が付与された場合について説明する。振動により、上述の反発力がバランスする位置より右側に第1の基板102が変位した場合、第3の電極105aと第4の電極104aとの間に作用する反発力よりも第3の電極105bと第4の電極104bとの間に作用する反発力の方が大きくなり、第1の基板102に左方向に戻る力が作用する。一方、反発力がバランスする位置より左側に第1の基板102が変位した場合は、第1の基板102に右方向に戻る力が作用する。このように第1の基板102には、変位した方向と逆方向に押し戻そうとする力(復元力)が発生し、第1の基板102を元の位置に戻すことができる。この復元力を利用して第1の基板102を第2の基板103に対して相対的に変位させることで、第1の電極107a、107b、107cと第2の電極106a、106b、106cとの重なり面積が増減する。この重なり面積の増減により、第2の電極106(106a、106b、106c)に誘起される電荷量が増減する。この電荷を電気エネルギーとして取り出すことで発電を行う。第1の基板102が外部からの振動を受けて相対的な変位を行い、静電力によって元の位置に戻るという振動を続ける限り、この重なり面積の増減は続く。
第1の基板102にy軸方向の振動が付与された場合も同様に第3の電極105と第4の電極104との間の静電力による復元力が働くことで振動発電器100は発電を行うことが可能である。
但し、図2に示すように第1の電極107および第2の電極106はその長手方向がy軸と平行に配置された短冊状の複数の電極からなることから、第1の基板102の変位量が同じであっても第1の電極107と第2の電極106の重なりの増減はx軸方向に振動した場合の方が多くなる。
なお、図1に示すように第1の電極107(107a、107b、107c)は、接地されていることが好ましい。接地により、基準電位をGNDとして、着電量に応じた電位が第1の電極107(107a、107b、107c)の表面に表れることとなり、振動による発電電圧の安定化が図れるからである。
本実施の形態にかかる振動発電器100によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)低周波数の振動に対しても発電が可能
(2)機械的な信頼性の向上
(1)について詳細な説明を行う。第1の基板102と第2の基板103は、従来構造にあるような機械的な弾性構造体を有しておらず、静電力によるバネ力を利用しており、弾性構造体のサイズ、材料定数等から決まる共振周波数に律則されず、低周波数領域の振動に対しても発電が可能となる。
簡単のため、第1の基板102の質量をmとすると、外部振動の加速度aによって、F=maの力が加わると仮定すると、第1の基板102はFの力により変位を行う。また、変位した量により静電力の左右のアンバランスが発生し、それにより元の位置に戻すよう力が加わることとなる。このように、本実施の形態に示す振動発電器100の第1の基板102の変位量は加速度に依存し、低周波数の振動に対しても発電が可能となる。
(2)について詳細な説明を行う。
本実施の形態に示す振動発電器100では、従来構造にあるような機械的な弾性構造体を有していない。そのため、構造での弾性構造体の弾性歪みによる信頼性を確保するために、十分に余裕をもった設計を行うことによる小型化困難などの問題に対して、弾性的な疲労が発生する箇所が無い。その結果、バネ部での機械的な信頼性の確保、小型化及び大振幅での動作を行った場合の信頼性の確保が容易である。また、シリコンおよびガラス等から成る基板と樹脂バネのような、全く異なる材料からなる部材を形成する必要がないことから構造およびプロセスが複雑でないという利点を有する。
図3は、本実施形態の変形例に係る第1の基板102M(図3(a))および第2の基板103M(図3(b))を示す上面図である。
上述の第1の基板102では基板の周辺部に沿って全周に亘り第3の電極105が配置されているのに対して、変形例である第1の基板102Mでは、y軸方向に延在する周辺部(端部)に沿ってのみ第3の電極(エレクトレット電極)105Mが配置されている点が異なる。
同様に第2の基板103Mもy軸方向に延在する周辺部(端部)に沿ってのみ第4の電極(エレクトレット電極)104Mが配置されている点が上述の第2の基板103と異なる。
そして、x軸方向において、第4の電極104Mが第3の電極105Mより外側になるよう配置されている。
第1の基板102Mの第3の電極105M以外の部分は、第1の基板102と同じでよく、例えば第1の電極107Mは上述の第1の電極107と同じでよい。同様に第2の基板103Mの第4の電極104M以外の部分は、第2の基板103と同じでよく、例えば第2の電極106Mは上述の第2の電極106と同じでよい。
なお、図3(a)に示す2つの第3の電極105Mは互いに電気的に接続されて接地されており、また図3(b)に示す2つの第4の電極106Mも互いに電気的に接続されて接地されている。
そして、第3の電極105Mと第4の電極104Mのそれぞれの膜が保持する電荷の極性を同じにすることにより、第3の電極105Mと第4の電極104Mと間に静電力(反発力)が作用する。このため、第1の基板102Mはz軸方向に浮遊するとともに、x軸方向に外力(振動)が加えられると元の位置に戻ろうとする復元力が働き、x軸方向に振動可能となる。そして、第1の基板102Mと第2の基板103Mとを含む振動発電器での発電が可能となる。
換言すると、第3の電極105Mと第4の電極104Mと間に静電力により、第1の基板102Mは、z軸方向に所定の位置に保持され、外力が作用していない時はx軸方向についても所定の位置に保持される。
なお、第1の基板102Mと第2の基板103Mとを含む振動発電器では上述の振動発電器100と異なり、y方向の振動(外力)が加わっても復元力が生じないため、第1の基板102のy方向への変位を所定の範囲内に制限するために突起等による拘束手段を設けるのが好ましい。
第1の基板102Mは、第3の電極105Mをその全周でなく周囲の一部に配置するだけでよく、また同様に第2の基板103Mでも電極104Mを全周でなく周囲の一部に配置するだけでよいため構造が簡単になるという利点を有する。
なお、図3に示す実施形態では、x方向において、第4の電極104Mが第3の電極105Mより外側になるよう配置されているが、第3の電極105Mが第4の電極104Mより外側になるよう配置してもよい。
また、図3に示す実施形態では、第3の電極105Mおよび第4の電極104Mはそれぞれが配置された基板のy軸方向に延在する周辺部(端部)の全長に亘り配置されているが、例えば基板のコーナー部(四隅)のみに配置する、あるいはコーナー部から離れた部分に配置する等一部分にのみ配置してもよい。
(エレクトレット電極)
以下に、第1の実施形態に用いる電荷を保持した膜を含む電極(エレクトレット電極)の詳細を説明する。
図4は、第1の電極107a、107b、107c、第3の電極105a、105bのいずれか1つを示す断面図である。
第1の基板102上に導電体117aが形成される。導電体117aの上部には第1の絶縁体117b、電荷を保持した膜であるエレクトレット117cと第2の絶縁体117dが形成される。
第1の電極107(107a、107b、107c)を例に挙げると、第1の電極107a、107b、107cの導電体117aは、電気的に接続されている。
また、エレクトレットは導電体117a全体に形成されてもよく、また短冊状の導電体117a上の一部にのみに配置されてもよいが、短冊状の導電体117aの一部に形成される方がプロセス、デバイス特性の安定性から好ましい。
特に、第1の基板102として高抵抗の基板を用いることが好ましく、この場合エレクトレット117cは、導電体117aの上にのみ形成することが望ましい。このように形成することで、電荷を注入する際、電荷をエレクトレット117cに強制的に注入可能となり、より電荷の安定したエレクトレットが作成可能となる。
なお、ここでいう高抵抗の基板とは、基板全体が抵抗率の高い基板だけでなく、低抵抗基板(例えば、低抵抗シリコン基板)の表面に酸化膜等の絶縁膜を形成したものも含み、後者を用いても前者と同様の効果が得られることは言うまでもない。
次にエレクトレット117cに用いるエレクトレット材料について説明を行う。
上述のように第1の電極107、第3の電極105と第4の電極104は電荷を保持したエレクトレット膜を有して構成される。エレクトレット膜117cを構成するエレクトレット材料としては、ポリプロピレン、ポリエステルテレフタレート、ポリビニルクロライドなどの高分子材料、或いは酸化シリコンなどの無機材料を利用することができる。これらの中でも絶縁耐圧、耐熱性に優れた酸化シリコンを用いることが好ましい。
また、耐湿性を向上のため、酸化シリコンの周囲はシリコン窒化膜等の絶縁膜で完全に覆う構造とする方が好ましい。例えば酸化シリコンを用いる場合は、シリコン窒化膜等の絶縁膜で酸化シリコンの周囲を完全に覆う構造とすることで、絶縁耐圧、耐熱性、さらには耐湿性に優れたエレクトレット117cを得ることが可能となる。
なお、図4では、第1の電極107a、107b、107c、第3の電極105a、105bについての例を示したが、第4の電極104a、104bならびに変形例にかかる第1の電極107M、第3の電極105Mおよび第4の電極104Mも同様の構造であってよいことは言うまでもない。
本実施の形態では第1の電極107a、107b、107cが電荷を保持したエレクトレット電極であり、第2の電極106a、106b、106cが通常の電極である例を示した。しかし、電荷を保持したエレクトレット電極が、第2の電極106a、106b、106cであり、第1の電極107a、107b、107cが通常の電極であってもよく、この場合も同様の効果が得られることは言うまでもない。
さらに、本実施形態では、第2の基板103は固定されており振動しない構成となっているが、第2の基板103についても第1の基板102と同様に固定せずに振動(移動)可能な構造としてもよい。
また、図1、図2、図4には示していないが、第1の絶縁体117b、第2の絶縁体117dは、導電体117aが外部端子と電気的接続が可能なように形成される。第1の絶縁体117b、第2の絶縁体117dは少なくともエレクトレット117cを覆うように形成されていればよく、第1の絶縁体117b、第2の絶縁体117dを基板全面に成膜する必要はない。
なお、本実施の形態では、第2の電極106は第1の電極107と同じ形態で形成したが、第1の電極107を超えた領域に(第1の電極107よりも外側にまで)第2の電極106を形成することが好ましい。より好ましくは、第1の電極107の振動限界(振動により変位可能な範囲)まで第2の電極領域を形成する。
このように第2の電極106を構成することで、以下のような効果を得ることができる。
(3)重なり面積を一定にすることが可能
第2の電極106を静止した状態の第1の電極107と概ね対向する位置に形成すると、基板102が大振幅(大変位)で振動した場合、第1の電極107(とりわけ端に位置する第1の電極107a、107c)と第2の電極106とが重ならない時間が増加し、重なり面積の増減量が低下するといった問題が発生する。
しかしながら、第2の電極106を第1の電極107の領域に対して大きく形成する(第1の電極の外側にまで形成する)ことで、重なり面積の増減の低下を防止でき、重なり面積の増減を常に一定に維持することができる。すなわち振動発電器100の発電量を安定化することができる。
このような第2の電極106の構成は、特に、本実施の形態に示す静電力を用いた構造のように、第1の基板107の振幅を大きくでき、第1または第2の電極の幅を超えて振動するような振動発電器において効果は高い。
さらに、第1の基板102の表面(主面)の形状は、図2に示す正方形以外に矩形であっても、或いは他の形状であっても本実施の形態で示す発電用電極(第1の電極および第2)および静電力発生用電極(第3の電極105、第4の電極104)の配置とすることで同様の効果が得られることは言うまでもない。
2.実施の形態2
図5は、本発明の実施の形態2に係る振動発電器200の断面図である。実施の形態1と異なる点は、第1の基板202と第2の基板203との間に第1の突起体209a、209bが形成されている点である。
なお、図5に示す各要素には本実施形態に係る要素であることを明確にするように、200番台の数字を伴う記号を付している。特に断わらない限り、それぞれの要素は、100の桁の数字以外が同じ記号で示された実施の形態1の対応する要素と同一であってよい。
突起体209a、209bは一端が第1の基板202および第2の基板203の一方に固定され、他端が第1の基板202および第2の基板203の他方と固定されることなく接触している。
図5に示す実施形態では、突起体209a、2009bは一端(下方端部)が第2の基板203に固定され、他端(上方端部)が第1の基板202と固定されずに接触している。
以下、この図5の実施形態に基づいて説明する。
突起体209a、209bは導電体を含んで形成され、電極取り出しに用いられる。
振動発電器200は、外部からの振動により第1の基板202が第2の基板203に対して変位することで発電を行う。その際、第1の基板202は外部からの振動により変位し、静電力により所定の位置に戻される。実施の形態1と同様に第1の電極207(207a、207b、207c)、第3の電極205(205a、205b)、第4の電極204(204a、204b)は電荷を保持するエレクトレット電極である。第2の基板203上の第4の電極204と異なり、第1の基板上の第1の電極207と第3の電極205とが接地されていない場合、発電される電力の電位が不安定となり得る。
このため、突起体209a、209bの下方端は電気的に接地され、上方端は第1の電極207および第3の電極205と電気的に接続されている。
第1の基板202が振動により変位しても、突起体209a。209bの上方端と第1の電極207および第3の電極205との電気的接続が確保できるように、例えば第1の基板202の表面に導電体膜を形成(例えば、図4の導電体117aに相当する第1の電極207の導電体を露出させて形成)し、この導電体膜上を突起体209a、209bの上端部が接触し摺動してもよい。
振動発電器200の第2の基板203上に突起体209a、209bを形成し、この突起を電気的な配線として利用し、第1の基板202と接触した状態で変位を行うことで、第1の基板からの電気的な配線による不要な応力を排除することが可能となる。
このように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
(4)第1の基板202からの電気取り出しを容易にできる。
(4)について説明を行う。突起体を設け、突起体を介して電気的な取り出しを行うことで、第1の基板202からの電気的な配線(リード線、或いはワイヤ)による不要な応力を排除することが可能となる。
特に、大振幅で動作可能な本実施の形態の振動発電器200では、第1の基板202の変位量に合わせて配線長を確保する必要がある。
例えば、リード線で取り出しを行った場合、リード線が短いと、大振幅時にはリード線と第1の基板との接点に応力がかかるため、リード線を十分に長く設定する必要がある。一方、十分に長くすると配線が絡まる場合がある。しかし、本実施形態ではこのような問題を生ずることがない。
また、突起体209a、209bにより第1の基板202を支持することが可能である。
第1の実施形態では第3の電極105と第4の電極104との間の静電力(反発力)は、第1の基板102をz軸方向に浮遊させる機能と第1の基板102x軸方向の元の位置に戻す機能の2つを同時に果たす必要がある。
しかし、本実施形態では、突起体209a、209bが第1の基板202を支持可能なため、第3の電極205と第4の電極204との間の静電力により第1の基板102を浮遊させる必要がない。
すなわち、第3の電極205と第4の電極204との間の静電力は、第1の基板202をx軸方向の元の位置に戻す機能(復元力、および外力がない場合に所定の位置に保持する機能)のみを有すればよい。
このことは、第3の電極205と第4の電極204の大きさ、配置等の設計の自由度が増加するという効果をもたらす。
図5に示す実施形態では複数の突起体209a、209bが配置されているが、突起体は1つでもよい。しかし、好ましくは複数の突起体が配置され、より好ましくは3個以上の突起体が配置される。第1の基板202と3点で接触することで第1の基板202を安定して保持できるからである。
複数の突起体209a、209bを有することで、第1の電極207および第3の電極205をより安定して電気的に接続できるからである。
また、3個以上の突起体209a、209bが配置されることで、安定して第1の基板202を支持できるからである。
上述のように突起体209a、209bは導電体で形成される。図5に示すように突起体209a、209bは、上に凸の構造(例えば、下方から上方に向けて断面積(第1の基板202の主面に平行な面の断面積)が減少していく形状)を有してもよく、また全体が導体であってもよい。或いは突起体209a、209bは表面にのみ導電膜が成膜されていてもよく、この場合でも同様の効果が得られることは言うまでもない。
さらに、突起体209a、209bの構造は、電気的な取り出しが可能であれば、例えば三角錐、三角柱、円柱のような、他の構造であってもよい。
なお、本実施の形態においても第2の電極206の領域は第1の電極207の領域を超え(第1の電極207より外側の)、振動限界(振動により変位可能な範囲)まで構成するのが好ましい。このように構成することにより、大振幅動作においても発電量を低下することなく動作可能であることは実施の形態1と同様である。
3.実施の形態3
図6は、本発明の実施の形態3における振動発電器300の断面図(図6(a))と、第1の基板302の断面図(図6(b))である。
実施の形態2と異なる点は、振動発電器300は第1の基板の上方に配置された第3の基板310と、第3の基板310と第1の基板302との間に配置された第2の突起体309c、309dとを有する点である。
なお、図6に示す各要素には本実施形態に係る要素であることを明確にするように、300番台の数字を伴う記号を付している。特に断わらない限り、それぞれの要素は、100の桁の数字以外が同じ記号で示された実施の形態1および2の対応する要素と同一であってよい。
本実施の形態では、第2の実施形態と同様に一方の端部が第2の基板303に固定され他方の端部が第1の基板302の下面と接触する第1の突起体309a、309bに加えて、一方の端部が第3の基板310に固定され他方の端部が第1の基板302の上面と接触する第2の突起体309c、309dを備える。
そして、第1の突起体309a、309bと第2の突起体309c、309dとにより電極取り出し(第1の電極307(307a、307b、307c)および第3の電極305(305a、305b)の接地)を行う。
図6(b)に示すように第1の基板302は、電気取り出しのため、例えば0.01Ωcm以下のような低抵抗のシリコン基板で構成される。
第1の基板302の下面(図6(b)では上面)上に、第3の電極305のエレクトレット315a、315bが第1の基板302の外周に沿って形成され、第1の電極307のエレクトレット317a、317b、317cが短冊状に形成される。さらにエレクトレット315a、315b、317a、317b、317cを覆うように絶縁体312が形成される。
なお、図6(b)では、絶縁体312で第1の基板302の下面(図6(b)では上面)全面を覆うように示されているが、実際には第1の突起体309a、309bと接する領域の絶縁体312を除去して形成され、これにより第1の基板302を構成する低抵抗基板と第1の突起体309a、309bとが電気的に接続されている。
このように形成した振動発電器300の動作について説明を行う。
振動発電器300は、外部からの振動により第1の基板302が第2の基板303および第3の基板310に対して変位することで発電を行う。
その際、第1の基板302は外部からの振動により変位し、第3の電極305(305a、305b)と第4の電極304(304a、304b)との間の静電力により所定の位置に戻される。
実施の形態1と同様に第1の電極307、第3の電極305、第4の電極304はエレクトレットを含んでおり、第1の基板302上の第1の電極307および第3の電極305が電気的に接地される。接地されていない場合、発電により得られる電力の電位が不案定になりうるからである。
第2の基板303上に配置した第1の突起体309a、309bと、第3の基板310上に配置した第2の突起体309c、309dとを電気的な配線として利用する。第1の突起体309a、309bおよび第2の突起体309c、309dが基板302と接触した状態で第1の基板302を変位させることで、実施の形態2と比較し、より一層の電気的接続の信頼性向上が可能となる。
このように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
(5)安定した電気取り出し
(5)について説明を行う。実施の形態2と比較して、第3の基板310に第2の突起体309c、309dを配置し、第1の基板302の下方向からだけでなく、上方向からの電気取り出し(電気的接続)を可能にしている。これにより、第1の基板302が変位する際に横方向(図6(a)のx軸方向)に安定して変位することが可能となる。
また、厚さ方向(図6(a)のz軸方向)の振動などにより第1の基板302が浮き上がり突起体309a、309bと接触しなくなっても、上部にある第2の突起体309c、309dから電気取り出しが可能となる。
特に、第1の基板302が変位した際に、第3の電極305a、305bと第4の電極304a、304bとの間の斜め方向の静電力により第1の基板302が上方(z軸方向)へ押された場合においても、第1の基板302の上部に配置された第2の突起体309c、309dにより第1の基板302を支持するとともに、電気的取出しが可能となる。
なお、突起体309a、309b、309c、309dは導電体で形成される。このとき、図6に示すような上に凸の構造(例えば、突起体が固定されている第2の基板303または第3の基板310から第1の基板302に向けて断面積(第1の基板302の主面に平行な面の断面積)が減少していく形状)で、全体が導体であってもよく、また表面にのみ導電性膜が成膜されていても同様の効果が得られることは言うまでもない。さらに、突起体309a、309b、309c、309dの構造は、電気的な取り出しが可能であれば、他の任意の構造であってもよい。
なお、本実施の形態においても第2の電極306の領域は第1の電極307の領域を超え(第1の電極307より外側の)、振動限界(振動により変位可能な範囲)まで構成している。このように構成することにより、大振幅動作においても発電量を低下することなく動作可能であることは実施の形態1と同様である。
4.実施の形態4
図7は、本発明の実施の形態4に係る第2の基板403の上面図(図7(a))と、第2の基板403のB−Bにおける断面図(図7(b))である。
図7において、第2の基板403は、周辺部に第4の電極404が形成されている。第2の基板403上には、第2の電極406が形成される。より詳細には、図示していないが第1の電極と対向する位置に第2の電極406a、406b、406cが形成され、配線電極406dにより電気的に接続される。このとき、外部との取り出しが第2の基板403の4つの角部のうち少なくとも1つにおいて行われるよう、第4の電極404の一部に切り欠きが設けられている。
また、第4の電極404の電気的接続は、電極414(404a)を介して、接地される。
ここで、第4の電極404は、図3と同様に導電体404aと、第1の絶縁体404b、電荷を保持したエレクトレット404c、第2の絶縁体404dにより構成される。
第2の基板403を含む振動発電器の動作については他の実施の形態と同様である。
第2の基板403をこのように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
(6)静電力によるバネ力への影響を小さくすることができる。
(6)について説明を行う。本実施の形態では、第2の電極406の取り出しを第2の基板403の端部より行う。
これにより、x軸方向、或いはy軸方向に第1の基板402が変位しても第2の基板403の周辺部に沿って配置された第4の電極404による静電力を損なうことなく元の位置に第1の基板を戻すことが可能となる。
また、斜め方向(例えばx軸とy軸から45°の方向)に第1の基板402が変位した場合においても、第2の基板403の4辺に配置されている第4の電極404により所望の場所に第1の基板を戻すことが可能となる。このように静電力の効果が一番小さい領域で電極取出しを行うことで、バネ力(復元力)を減少させることなく電極取り出しが可能となる。
なお、本実施の形態に係る図7でも、第2の電極406(及び第1の電極)として、3つの電極(406a、406b、406c)を記載しているが、第2の電極406(及び第1の電極)をさらに多くの短冊状の電極で構成しても同様の効果を得られる。さらに、複数のより多くの第1の電極および/または第2の電極で構成することで、第1の基板の変位に対してより多くの電力を出力できるなどの効果を得られる。
5.実施の形態5
図8は、本発明の実施の形態5に係る振動発電器500の断面図(図8(a))と、第1の基板502が変位した状態の振動発電器500の断面図(図8(b))である。
なお、図8に示す各要素には本実施形態に係る要素であることを明確にするように、500番台の数字を伴う記号を付している。特に断わらない限り、それぞれの要素は、100の桁の数字以外が同じ記号で示された実施の形態1〜4の対応する要素と同一であってよい。
図8(a)において、第3の基板510は、支持体511により第2の基板503の上部に固定して配置される。第1の基板502は、第2の基板503と第3の基板510との間でかつ2つの支持体511の間に、その上部および下部に空間を有して配置される。すなわち、第1の基板502は、第2の基板503と第3の基板510との間に浮遊するように(第2の基板503および第3の基板510から離間して)配置される。
第1の基板502上に形成された第3の電極505a、505bと第2の基板上に形成された第4の電極504a、504bとによる静電力で第1の基板502は保持される。
また、第1の基体502は図6に示す実施形態と同様に第1の突起体および/または第2の突起体を用いて保持してよい。
ここでは、簡単のため配線、及び突起体についての記載は省略している。
第1の基板502はx軸方向に変位することが可能であるが、その変位(振動)可能な範囲は、2つの支持体511により制御される。すなわち、第1の基板502の一方の端部が支持体511に接触する位置まで第1の基板502は変位できる。
第4の電極504a、504bは、支持体511の近傍(かつ第2の基板503の端面の近傍)に形成される。また、第3の電極505a、505bは、第1の基板502の端面の近傍でかつ端面から所定の領域を介して形成される。
第1の基板502が振動して2つの支持体511の間を変位する際に第3の電極505a、505bは第4の電極504a、504bと重なりが発生しない(x軸方向において第3の電極505a、505bが第4の電極504a、504bより常に内側に位置する)ように形成される。つまり、第1の基板503の端面に設けられた領域の大きさ(x軸方向の長さ)は、第4の電極504a、504bの大きさ(x軸方向の長さ)よりも大きく形成される。
このように形成した振動発電器500の動作について説明を行う。
振動発電器500は、外部からの振動により第1の基板502が第2の基板503に対して変位することで発電を行う。その際、第1の基板502は外部からの振動により変位するが、2つの支持体511の間で最大限に変位した場合でも、電荷を保持する膜を含む第3の電極505a、505bと第4の電極504a、504bとの重なりが発生しないため、静電力により第1の基板502は変位とは逆方向の力を受ける。
なお、ここでいう第3の電極505a、505bと第4の電極504a、504bとの重なりが発生しないとは、第3の電極505a、505bと第4の電極504a、504bとが完全に重なることないことがないことを意味する。
すなわち、図8(b)に示すように第1の基板502の変位が最大になった場合でも第3の電極の端部と第4の電極の端部(図8(b)では第3の電極505aの端部と第4の電極504aの端)のx方向の距離ΔdがΔd>0である。
振動発電器500は、このように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
(7)低周波数領域における大振幅動作が可能
(7)について説明を行う。
第3の電極505a、505bは第1の基板502の端面から一定の領域を介して形成されており、実施の形態1から実施の形態4とは電極配置が異なる。前述の実施の形態では、静電力を確保するために、バネ力(静電力)は大きめに設定することで、第1の基板が空間の端面まで変位することを防ぐ必要があり、その結果、バネ力をある程度強くする必要がある。
一方、本実施の形態のように構成することで、静電力を小さくして第1の基板502が大振幅動作を行った場合においても、第3の電極505と第4の電極504の重なりが発生しないため、変位とは逆の方向に静電力が発生する(正確には、第3の基板方向(x軸方向)とそれに垂直な方向(z軸方向)のベクトル和の方向)。そのため、バネ力(静電力)を小さくすることで、より低周波数領域において、大振幅動作を可能にし、発電が可能となる。
図9は、本発明の実施の形態5に係る別の振動発電器550の断面図(図9(a))と、第1の基板502Aが変位した状態の振動発電器550の断面図(図9(b))である。
なお、図8に示す実施の形態では、第1の基板502の周辺部に静電力を発生する領域を設けたが、図9に示すように、第3の電極555と第4の電極554a、554bをそれぞれ第1の基板502Aと第2の基板503Aの中央部(x軸方向の中央部)に設けた実施形態も本実施の形態に含まれる。
この場合においても、第1の基板502Aが2つの支持体511の間で最大の変位を行った場合においても、第3の電極555と第4の電極554a、554bとの重なりが発生しないように設計を行うことで同様の効果を得ることができる。
さらに図9の実施形態では第3の電極555の個数を1個にすることが可能であるという利点を有する。
図8および図9に示した実施形態では、第1の基板502のz軸方向上方への変位を制限することを1つの目的として第3の基板510を配置してあるが、第3の基板510を有しない実施の形態5に含まれる。
6.実施の形態6
図10は、本発明の実施の形態6に係る振動発電器100Aの断面図であり、図11は図10の振動発電器100Aの第1の基板102A(図11(a))、及び第2の基板103L(図11(b))の上面図である。図10が示す断面は、図11のA−A断面に相当する。
実施の形態6に係る振動発電器では、第1の基板の両面(2つの主面のいずれにも)に発電用の電極と、対向する基板との間に静電力を形成するための電極とを有する点が実施形態1〜5に記載の振動発電器と異なる。また、このように第1の基板の両面に電極を配置したことに伴い、第1の基板の一方の面と対向して配置されている第2の基板に加えて、第1の基板の他方の面と対向している第3の基板を用いること、およびこの第3の基板上にも発電用の電極と、第1の基板との間に静電力を形成するための電極とを配置してあることも実施形態1〜5に記載の振動発電器と異なる。
以下に振動発電器100Aの詳細を説明する。
振動発電器100Aは、第1の基板102Aと、第1の基板102Aの一方の面(図10では第1の基板102Aの下面)に対向する第2の基板103Lと、第1の基板102Aの他方の面(図10では第1の基板102Aの上面)に対向する第3の基板103Uと、により構成される。
第1の基板102Aの一方の面(図10では下面)には第1の電極107La、107Lb、107Lcが形成され、他方の面(図10では上面)には第5の電極107Ua、107Ub、107Ucが形成されている。
また、第1の基板102Aの一方の面に対向する第2の基板103Lの主面(図10では上面)上には、第2の電極106La、106Lb、106Lcが、それぞれ第1の電極107La、107Lb、107Lcに対向する位置に形成されている。
そして、第1の基板102Aの他方の面に対向する第3の基板103Uの主面(図10では下面)上には第6の電極106Ua、106Ub、106Ucが、それぞれ第5の電極107Ua、107Ub、107Ucに対向する位置に形成されている。
第1の基板102Aの一方の面には第3の電極105La、105Lbが形成され、第1の基板102の他方の面には第7の電極105Ua、105Ubが形成される。
また、第1の基板102Aの一方の面に対向する第2の基板103Lの主面上には第4の電極104La、104Lbがそれぞれ形成され、第1の基板102Aの他方の面に対向する第3の基板103Uの主面上には第8の電極104Ua、104Ubが形成される。
第1の電極107La、107Lb、107Lcと、第3の電極105La、105Lb、第4の電極104La、104Lbと、第5の電極107Ua、107Ub、107Ucと、第7の電極105Ua、105Ubと、第8の電極104Ua、104Ubとは、電荷を保持した膜を含むエレクトレット電極である。
第3の電極105L(105La、105Lb)と、第4の電極104L(104La、104Lb)との間に静電反発力(反発力)が作用するように、第3の電極105Lの前記膜が保持する電荷の極性(すなわち、エレクトレット電極105Lが保持する電荷の極性)と第4の電極104Lの前記膜が保持する電荷の極性とは同じ(すなわち一方が正であれば他方も正であり、一方が負であれば他方も負)であることが好ましい。
また、第1の電極107L(107La、107Lb、107Lc)の前記膜が保持する電荷の極性についても第3の電極105Lの前記膜が保持する電荷の極性と同じであることが好ましい。第1の電極107Lと第3の電極105Lとに同時に電荷を帯電させることができ、プロセスが簡便になるためである。
同様に、第7の電極105U(105Ua、105Ub)と、第8の電極104U(104Ua、104Ub)との間に静電反発力(反発力)が作用するように、第7の電極105Uの前記膜が保持する電荷の極性と第8の電極104Uの前記膜が保持する電荷の極性とは、同じ(すなわち一方が正であれば他方も正であり、一方が負であれば他方も負)であることが好ましい。
さらに同様に、第5の電極107U(107Ua、107Ub、107Uc)の前記膜が保持する電荷の極性についても第7の電極105Uおよび第8の電極104Uの前記膜が保持する電荷の極性と同じであることが好ましい。第5の電極107Uと第7の電極105Uと第8の電極104Uとに同時に電荷を帯電させることができ、プロセスが簡便になるためである。
一方、第1の電極107Lと第5の電極107Uの前記膜の極性(エレクトレット電極の保持する電荷の極性)は、異なっていることが好ましい。これは、第1の基板102の上下面に正の電荷、及び負の電荷で帯電した電極を形成することで、第1の基板102が実質的に擬似GNDとして扱うことができるためである。
従って好ましくは、第5の電極107U、第7の電極105Uおよび第8の電極104Uに保持されている電荷の極性と、第1の電極107L、第3の電極105Lおよび第4の電極104Lに保持されている電荷の極性とは異なるように構成される。
図10には図示していないが、第2の基板103Lおよび第3の基板103Uは固定されており、一方第1の基板102は固定されていない。このため、第1の基板102は、z軸方向と、x軸方向およびy軸方向の少なくともいずれか一方の方向に移動可能である。
第3の電極105La、105Lbと第4の電極104La、104Lbとは同じ極性の電荷を保持しているため、第3の電極105La、105Lbと第4の電極104La、104Lbとの間に静電反発力が作用する。この静電反発力は、第1の基板102と、第2の基板103Lの相対位置によりその大きさが変化する。そして、この静電反発力は、第2の基板103Lの主面に平行な方向のうち図10の左右方向(図10中のx方向)の成分、第2の基板103Lの主面に垂直な方向(図10中のz方向)の成分、及び第2の基板103Lの主面に平行な方向のうち図10の紙面に垂直な方向(図10中のy方向)の成分に分解することができる。
同様に、第7の電極105Ua、105Ubと第8の電極104Ua、104Ubとは同じ極性の電荷を保持しているため、第7の電極105Ua、105Ubと第8の電極104Ua、104Ubとの間に静電反発力が作用する。この静電反発力は、第1の基板102と、第3の基板103Uの相対位置によりその大きさが変化する。そして、この第3の基板103Uの主面に平行な方向のうち図10の左右方向(図10中のx方向)の成分、第3の基板103Uの主面に垂直な方向(図10中のz方向)の成分、及び第3の基板103Uの主面に平行な方向のうち図10の紙面に垂直な方向(図10中のy方向)の成分に分解することができる。
第1の基板102Aは、上述の第3の電極105La、105Lbと第4の電極104La、104Lbとの間の静電反発力のz方向成分、第7の電極105Ua、105Ubと第8の電極104Ua、104Ubとの間の静電反発力のz方向成分および第1の基板102Aに作用する重力とがバランスする位置で空間を介して保持される(空中に浮遊した状態に保持される)。
また、第1の基板102Aはx軸方向またはy軸方向の少なくとも一方(すなわち、第1の基板102Aの主面に平行な方向)において、移動すると元の位置に戻ろうとする力(復元力)が、静電力(静電反発力)のx方向成分またはy方向成分の少なくとも一方により生ずるように、第3の電極105La、105Lbと第4の電極104La、104Lb及び第7の電極105Ua、105Ubと第8の電極104Ua、104Ubが配置されることが、本実施形態の特徴である。
すなわち、第3の電極105La、105Lbと第4の電極104La、104Lbとの間に作用する静電力及び第7の電極105Ua、105Ubと第8の電極104Ua、104Ubとの間に作用する静電力により、第1の基板102はz軸方向の所定の位置に保持されるとともに、外力が作用しない時は、x軸方向および/またはy軸方向(第1の基板102Aの主面に平行な方向)についても所定の位置に保持される。
このように第3の電極105La、105Lbと第4の電極104La、104Lb及び第7の電極105Ua、105Ubと第8の電極104Ua、104Ubを配置することで、第1の基板102は機械的なバネを用いることなく、x軸方向および/またはy軸方向に振動可能となる。
この結果、第1の電極107L(107La、107Lb、107Lc)と第2の電極106L(106La、106Lb、106Lc)との重なり面積および第5の電極107U(107Ua、107Ub、107Uc)と第6の電極106U(106Ua、106Ub、106Uc)との重なり面積が変化することで振動発電器100Aは発電を行う。
次に電極配置について説明を行う。
図11(a)は第1の基板102Aの下面を示し、図11(b)は第2の基板103Lの上面を示す。
図11(a)に示すように第1の電極107L(図10の107La、107Lb、107Lcに対応)は、長手方向がy軸と平行に配置された短冊状の複数の電極からなり、この複数の電極は互いに電気的に接続して構成されている。図11(b)に示すように、同様に第2の電極106L(図10の106La、106Lb、106Lcに対応)もy軸と平行に配置された短冊状の複数の電極からなり、この複数の電極も互いに電気的に接続して構成されている。すなわち、図3と同様の配置を有している。図11(a)、(b)では、簡単のため配線構造を図示していない。
第1の基板102Aのy軸方向に延在する周辺部(端部)に沿って、2つの第3の電極105L(図10の105La、105Lbに対応)が配置されている。
同様に第2の基板103Lのy軸方向に延在する周辺部(端部)に沿って、2つの第4の電極104L(図10の104La、104Lbに対応)が配置されている。
そして、x軸方向において、第4の電極104Lが第3の電極105Lより外側になるよう配置されている。
2つの第3の電極105Lは互いに電気的に接続されている。また2つの第4の電極106Lは、互いに電気的に接続されて接地されている。
図11(a)に示す実施形態では、第3の電極105Laを第1の基板102の全周でなく周囲の一部に配置するだけでよいため構造が簡単になるという利点がある。図11(b)に示す実施形態では、同様に第4の電極104Lを第2の基板103Lの全周でなく周囲の一部に配置するだけでよいため構造が簡単になるという利点がある。
また、図11(a)、(b)に示す実施形態では、第3の電極105Lおよび第4の電極104Lはそれぞれが配置された基板のy軸方向に延在する周辺部(端部)の全長に亘り配置されているが、例えば基板のコーナー部(四隅)のみに配置する、あるいはコーナー部から離れた部分にのみ配置する等一部分にのみ配置してもよい。
なお、図11に示す実施形態では、x方向において、第4の電極104Lが第3の電極105Lより外側になるよう配置されているが、第3の電極105Lが第4の電極104Lより外側になるよう配置してもよい。
以上に説明した第1の電極107Lの配置および第3の電極105Lの配置を、第1の基板102Aの上面における第5の電極107Uの配置および第7の電極105Uの配置にそれぞれ適用してもよい。
同様に、以上に説明した第2の電極106Lの配置および第4の電極104Lの配置を、第3の基板103Uの下面における第6の電極106Uの配置および第8の電極104Uの配置にそれぞれ適用してもよい。
第5の電極107Uの配置および第7の電極105Uの配置を、それぞれ第1の電極107Lの配置および第3の電極105Lの配置と同じにし、かつ第6の電極106Uの配置および第8の電極104Uの配置を、それぞれ第2の電極106Lの配置および第4の電極104Lの配置と同じにした場合、第1の基板102Aにはy軸方向の復元力が作用しない。
このため、第1の基板102Aのy軸方向への変位を所定の範囲内に制限するために例えば第2の基板103Lのy軸方向の端部に突起を設ける等、拘束手段を設けるのが好ましい。
振動発電器100の動作について説明を行う。
上述のように第3の電極105Lと第4の電極104Lとは、同じ極性の電荷を有していることから、その間に静電力による反発力(静電反発力)が作用している。同様に第7の電極105Uと第8の電極104Uとは、同じ極性の電荷を有していることから、その間に静電力による反発力が作用している。
このため第1の基板102に外力が作用しなければ第1の基板102は所定の位置に保持されている。すなわち、z軸方向については、これら反発力と第1の基板102Aに作用する重力とがバランスする位置で基板102Aは浮遊し留まる。
x軸方向については第3の電極105Laと第4の電極104Laとの間および第7の電極105Uaと第8の電極104Uaとの間に作用する反発力(第1の基板102Aを図10の右方向に動かそうとする力)と、第3の電極105Lbと第4の電極104Lbとの間および第7の電極105Ubと第8の電極104Ubとの間に作用する反発力(第1の基板102Aを図10の左方向に動かそうとする力)とがバランスする位置で第1の基板102Aは留まる。
そして、外部から振動(外力)が加わると、第1の基板102Aは第2の基板103Lおよび第3の基板103Uに対して相対的に変位する(移動する)。x軸方向の振動が付与された場合について説明する。振動により、上述の反発力がバランスする位置より右側に第1の基板102Aが変位した場合、第3の電極105Laと第4の電極104Laとの間および第7の電極105Uaと第8の電極104Uaとの間に作用する反発力よりも第3の電極105Lbと第4の電極104Lbとの間に作用する反発力および第7の電極105Ubと第8の電極104Ubとの間に作用する反発力の方が大きくなり、第1の基板102Aに左方向に戻る力が作用する。
一方、反発力がバランスする位置より左側に第1の基板102Aが変位した場合は、第1の基板102Aに右方向に戻る力が作用する。このように第1の基板102Aには、変位した方向と逆方向に押し戻そうとする力(復元力)が発生し、第1の基板102Aを元の位置に戻すことができる。
この復元力を利用して第1の基板102Aを第2の基板103Lおよび第3の基板103Uに対して相対的に変位させることで、第1の電極107La、107Lb、107Lcと第2の電極106La、106Lb、106Lcとの重なり面積および第5の電極107Ua、107Ub、107Ucと第6の電極106Ua、106Ub、106Ucとの重なり面積が増減する。
この重なり面積の増減により、エレクトレットを有しない第2の電極106L(106La、106Lb、106Lc)および第6の電極106U(106Ua、106Ub、106Uc)に誘起される電荷量が増減する。この電荷を電気エネルギーとして取り出すことで発電を行う。第1の基板102Aが外部からの振動を受けて相対的な変位を行い、静電力によって元の位置に戻るという振動を続ける限り、この重なり面積の増減は続く。
本発明の実施の形態にかかる振動発電器100によれば、以下のような効果を得ることができる。
(8)低周波数の振動に対しても発電が可能
(9)機械的な信頼性の向上、及び機械的な損失が小さい
(10)出力電力が大きい
(8)について詳細な説明を行う。第1の基板102Aと第2の基板103Lと第3の基板103Uとは、従来構造にあるような機械的な弾性構造体を有しておらず、静電力によるバネ力を利用しており、弾性構造体のサイズ、材料定数等から決まる共振周波数に律則されず、低周波数領域の振動に対しても発電が可能となる。
簡単のため、第1の基板102Aの質量をmとすると、外部振動の加速度aによって、F=maの力が加わると仮定すると、第1の基板102AはFの力により変位を行う。また、変位した量により静電力の左右のアンバランスが発生し、それにより元の位置に戻すよう力が加わることとなる。このように、本実施の形態に示す振動発電器100Aの第1の基板102Aの変位量は加速度に依存し、低周波数の振動に対しても発電が可能となる。
(9)について詳細な説明を行う。
本実施の形態に示す振動発電器100Aでは、従来構造にあるような機械的な弾性構造体を有していない。そのため、構造での弾性構造体の弾性歪みによる信頼性を確保するために、十分に余裕をもった設計を行うことによる小型化困難などの問題に対して、弾性的な疲労が発生する箇所が無い。その結果、バネ部での機械的な信頼性の確保、小型化及び大振幅での動作を行った場合の信頼性の確保が容易である。
また、シリコンおよびガラス等から成る基板と樹脂バネのような、全く異なる材料からなる部材を形成する必要がないことから構造およびプロセスが複雑でないという利点を有する。
さらに、第1の基板102Aの下面に形成された第1の電極107L(107La、107Lb、107Lc)と上面に形成された第5の電極107U(107Ua、107Ub、107Uc)とは異なる極性の電荷を保持している。
このため、第5の電極107Uと第1の電極107Lとのうち、一方の電極の電位に対して他方の電極は、逆の電位を持つこととなる。このため、第1の基板102A内において擬似GND面が存在することとなる。
この結果、第1の電極107Lと第2の電極106L、および第5の電極107Uと第6の電極106Uの配置が同様である場合、対向する電極(第2の電極106L(106La、106Lb、106Lc)、第6の電極106U(106Ua、106Ub、106Uc))から電気エネルギーを取り出す際に、第2の電極106Lから取りだした電力の電位と第6の電極106Uから取り出した電力の電位とは逆相となっている。
好ましくは、リード線等のやわらかい配線などを用いて第1の基板からGNDを引き出し接地する構成とする。これは、擬似GND面を形成するだけでなく、基準電位(GND)へ第1の基板102を接地することで、取り出す電位の安定が図れるからである。
(10)について詳細な説明を行う。
本実施の形態に示す振動発電器では、上述のように2組の対向する電極を用いて(第1の電極107Lと第2の電極106L及び第5の電極107Uと第6の電極106U)、逆相の電圧として電気エネルギーを取り出すことができる。すなわち、第1の基板の片側のみに電極が形成された実施形態1〜5に示す振動発電器と比較して、同じように第1の基板が1回振動する際に2倍の電力を得ることができる。
(エレクトレット電極)
以下に、本実施形態に用いる電荷を保持した膜を含む電極(エレクトレット電極)の詳細を説明する。
図12は、第1の電極107La、107Lb、107Lc、第3の電極105La、105Lb、第4の電極104La、104Lb、第5の電極107Ua、107Ub、107Uc、第7の電極105Ua、105Ubおよび第8の電極104Ua、104Ubのいずれとしても用いることができるエレクトレット電極を示す断面図である。図12に示すエレクトレット電極は図4に示したエレクトレット電極と同様の構造を有している。
第5の電極107U(107Ua、107Ub、107Uc)を例として説明するが、他の電極の場合もそれぞれ対応する基板上に同じ構成を有することが可能であることは言うまでもない。
第1の基板102A上に導電体117aが形成される。導電体117aの上部には第1の絶縁体117b、電荷を保持した膜であるエレクトレット117cと第2の絶縁体117dが形成される。
第5の電極107Ua、107Ub、107Ucのそれぞれの導電体117aは、電気的に接続されている。
また、エレクトレット117cは導電体117a全体に形成されてもよく、また短冊状の導電体117a上の一部にのみに配置されてもよいが、短冊状の導電体117aの一部に形成される方がプロセス、デバイス特性の安定性から好ましい。
特に、第1の基板102として高抵抗の基板を用いることが好ましく、この場合エレクトレット117cは、導電体117aの上にのみ形成することが望ましい。このように形成することで、電荷を注入する際、電荷をエレクトレット117cに強制的に注入可能となり、より電荷の安定したエレクトレットが作成可能となる。
なお、ここでいう高抵抗の基板とは、基板全体が抵抗率の高い基板だけでなく、低抵抗基板(例えば、低抵抗シリコン基板)の表面に酸化膜等の絶縁膜を形成したものも含み、後者を用いても前者と同様の効果が得られることは言うまでもない。
次にエレクトレット117cに用いるエレクトレット材料について説明を行う。
上述のように第1の電極107L、第3の電極105L、第4の電極104L、第5の電極107U、第7の電極105Uおよび第8の電極104Uは電荷を保持したエレクトレット膜を有したエレクトレット電極として構成される。
エレクトレット膜117cを構成するエレクトレット材料としては、ポリプロピレン、ポリエステルテレフタレート、ポリビニルクロライドなどの高分子材料、或いは酸化シリコンなどの無機材料を利用することができる。これらの中でも絶縁耐圧、耐熱性に優れた酸化シリコンを用いることが好ましい。
また、耐湿性を向上させるため、電荷保持膜である酸化シリコンの周囲はシリコン窒化膜等の絶縁膜で完全に覆う構造とする方が好ましい。例えば酸化シリコンを用いる場合は、シリコン窒化膜等の絶縁膜で酸化シリコンの周囲を完全に覆う構造とすることで、絶縁耐圧、耐熱性、さらには耐湿性に優れたエレクトレット117cを得ることが可能となる。
なお、本実施の形態では、第1の電極107Lと第5の電極107Uとが異なる極性の電荷を保持している例を示した。しかし、例えば第1の基板102Aからリード線等の電気的な取り出し手段を設けて、第5の電極107Uと第1の電極107Lとを接地することにより、第5の電極107Uと第1の電極107Lとが同じ極性の電荷を保持する場合で振動発電器100Aは発電可能である。この場合、第2の電極106Lと第6の電極106Uからは同位相の電位(同じ極性の電荷)として出力されるため、出力端子を共通として配線をおこなうことで発電した電力を取り出せる。
このように、第1の電極107Lと第5の電極107Uとを同じ極性にすることで、エレクトレット電極である第1の電極107L、第3の電極105L、第4の電極104L、第5の電極107U、第7の電極105Uおよび第8の電極104Uの全てが保持する電荷を同じ極性とすることができる。製造時に同時に電荷を帯電させることができ、プロセスを簡便にできるという利点がある。
また、本実施の形態では対向して配置され発電に寄与する電極について、第1の電極107La、107Lb、107Lcおよび第5の電極107Ua、107Ub、107Ucが電荷を保持したエレクトレット電極であり、第2の電極106La、106Lb、106Lcおよび第6の電極106Ua、106Ub、106Ucがエレクトレットを含まない通常の電極である例を示した。
しかし、エレクトレット電極が、第2の電極106La、106Lb、106Lcおよび第6の電極106Ua、106Ub、106Ucであり、第1の電極107La、107Lb、107Lcおよび第5の電極107Ua、107Ub、107Ucが通常の電極であってもよく、この場合も同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、図10、図11、図12には示していないが、第1の絶縁体117b、第2の絶縁体117dは、導電体117aが外部端子と電気的接続が可能なように形成される。第1の絶縁体117b、第2の絶縁体117dは少なくともエレクトレット117cを覆うように形成されていればよく、第1の絶縁体117b、第2の絶縁体117dを基板全面に成膜する必要はない。
なお、図11に示す実施形態では、第2の電極106La、106Lb、106Lcは第1の電極107La、107Lb、107Lcと対向する部分にのみ形成したが、第1の電極107Lを超えた領域にまで(第1の電極107L(第1の電極107Laおよび107Lc)よりも外側にまで)第2の電極106Lを形成することが好ましい。より好ましくは、第1の基板102A(特に第1の電極107L)の振動限界(振動により変位可能な範囲)まで第2の電極106Lを形成する。
同様に、第5の電極107Uを超えた領域にまで(第5の電極107U(第5の電極107Uaおよび107Uc)よりも外側にまで)第6の電極106Uを形成することが好ましい。より好ましくは、第1の基板102A(特に第5の電極107U)の振動限界(振動により変位可能な範囲)まで第6の電極106Uを形成する。
このような構成とすることで、以下のような効果を得ることができる。
(11)重なり面積の増減を一定にすることが可能
第2の電極106Lを静止した状態の第1の電極107Lに概ね対向する位置にのみ形成すると、第1の基板102が大振幅(大変位)で振動した場合、第1の電極107L(とりわけ端に位置する第1の電極107La、107Lc)と第2の電極106Lとが重ならない時間が増加し、重なり面積の増減量が低下するといった問題が発生する。
これは、第6の電極106Uを静止した状態の第5の電極107Uに概ね対向する位置にのみ形成し、第1の基板102が大振幅(大変位)で振動した場合も同じである。
しかしながら、第2の電極106Lを第1の電極107Lの領域よりも大きく形成する(第1の電極107Lの外側にまで形成する)ことで、重なり面積の増減の低下を防止でき、重なり面積の増減を常に一定に維持することができる。すなわち振動発電器100Aの発電量を安定化することができる。
第6の電極106Uを第5の電極107Uの領域よりも大きく形成(第5の電極107Uの外側にまで形成)した場合も、同様の効果が得られる。
このような第2の電極106Lおよび第6の電極106Uの構成は、特に、本実施の形態に示す静電力を用いた構造のように、第1の基板102Aの振幅を大きくでき、第2の電極106Lまたは第6の電極106Uの幅(例えば第2の電極102Laのような個々の電極の幅)を超えて振動するような振動発電器において効果は高い。
さらに、第1の基板102の表面(主面)の形状は、図2に示す正方形以外に矩形であっても、或いは他の形状であっても本実施の形態で示す発電用電極(第1の電極107L、第5の電極107U)および静電力発生用電極(第3の電極105L、第7の電極105U)の配置とすることで同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、図10に示す実施形態では、第2の基板103Lおよび第3の基板103Uは固定されており振動しない構成となっているが、第2の基板103Lと第3の基板103Lのいずれか一方または両方についても第1の基板102Aと同様に固定せずに振動(移動)可能な構造としてもよい。
図10に示す実施形態では上述したように振動発電器100Aは、第3の電極105L(105La、105Lb)と第4の電極104L(104La、104Lb)との間の静電力および第7の電極105U(105Ua、105Ub)と第8の電極104U(104Ua、104Ub)との間の静電力を用いて第1の基板102Aに復元力を付与している。このように第1の基板102Aの上面側と下面側の両方に復元力を作用させることは、平面方向(第1の基板102Aの主面と平行な方向)への復元力とともに、上方、或いは下方にのみ力が加わることを回避し、安定に動作することができるから好ましい。
しかし、例えば第7の電極105U(105Ua、105Ub)と第8の電極104U(104Ua、104Ub)とを設けずに、第3の電極105L(105La、105Lb)と第4の電極104L(104La、104Lb)とを設けて、第1の基板102Aの下側のみに静電力を作用させることでも振動発電器100Aは発電可能である。
そして、このように復元力を生ずる電極を第1の基板102Aの一方の側にだけ設けた実施形態も当然に本実施の形態に含まれる。
・変形例
図13は、本実施の形態の変形例に係る第1の基板122A(図13(a))の下面および第2の基板123L(図13(b))を示す上面図である。
図11に示す第1の基板102Aでは基板の周辺のうちy軸方向に延在する部分にのみ第3の電極105Lが配置されているのに対して、変形例である第1の基板122Aでは、基板の端部(外周)に沿って全周に第3の電極(エレクトレット電極)125Lが配置されている点が異なる。
同様に第2の基板123Lもその端部(外周)に沿っての全周に第4の電極(エレクトレット電極)104Lが配置されている点が図11の第2の基板103Lと異なる。
すなわち、図13に示す変形例で図2に示したのと同様の電極構造を有する。
第1の基板122Aの第3の電極125L以外の部分は、第1の基板102Aと同じでよく、例えば第1の電極127Lは上述の第1の電極107Lと同じでよい。同様に第2の基板123Lの第4の電極124L以外の部分は、第2の基板103Lと同じでよく、例えば第2の電極126Lは上述の第2の電極106Lと同じでよい。
第2の基板123L上の第4の電極124Lは、第1の基板122A上の第3の電極125Lより外側となるように配置されている。そして、第4の電極124Lと第3の電極125Lとは同じ極性のエレクトレット電極であることから、第4の電極124Lと第3の電極125Lとの間に静電反発力を生ずる。この静電反発力は、x軸方向およびz軸方向に加えy軸方向にも生ずる。
すなわち、本変形例では第1の基板122Aに作用する復元力は、図10に示す実施形態と同様のx軸方向とz軸方向に加えて、y軸方向にも作用する。この結果、外力によりx軸方向以外の例えばy軸方向に第1の基板122Aが変位しても第1の基板122Aを所定の位置に戻す力が発生するため、振動発電器をより安定して動作させることができるという効果を有する。
この効果をより確実に得るように、第1の基板122Aの上面に配置される第7の電極の形態を第3の電極125Lと同じにし、第3の基板103Uの下面に配置される第8の電極の形態を第4の電極124Lと同じにするのが好ましい。
なお、図13に示す実施形態では、第4の電極124Lが第3の電極125Lより外側になるよう配置されているが、第3の電極125Lが第4の電極124Lより外側になるよう配置してもよい。
7.実施の形態7
図14は、本発明の実施の形態7に係る振動発電器200Aの断面図である。実施の形態6と異なる点は、第1の基板202Aと第2の基板203Lとの間および第1の基板202Aと第3の基板203Uとの間に突起体209La、209Lb、209Ua、209Ubが形成されている点である。
なお、図14に示す各要素には本実施形態に係る要素であることを明確にするように、200番台の数字を伴う記号を付している。特に断わらない限り、それぞれの要素は、100の桁の数字以外が同じ記号で示された実施の形態6の対応する要素と同一であってよい。
突起体209La、209Lb、b209Ua、209Ubは、その一端が第2の基板203Lおよび第3の基板203Uの一方に固定され、他端が固定されることなく第1の基板202Aに接触可能である。或いは、突起体209La、209L、b209Ua、209Ubは、その一端が第1の基板202Aに固定され、他端が第2の基板203Lまたは第3の基板203Uの一方に固定されることなく接触可能であってもよい。
図14に示す実施形態では、突起体209La、209Lbは一端(下方端部)が第2の基板203Lに固定され、他端(上方端部)が固定されずに第1の基板202Aの下面と接触可能である。一方、突起体209Ua、2009Ubは一端(上方端部)が第3の基板203Uに固定され、他端(下方端部)が固定されずに第1の基板202Aの上面と接触可能となっている。
突起体209La、209Lb、b209Ua、209Ubにより、より確実にスティクションを回避することができる。
以下に、振動発電器200Aの動作について説明を行う。
振動発電器200Aは、外部からの振動により第1の基板202Aが第2の基板203Lおよび第3の基板203Uに対して変位(図14中の矢印208方向)することで発電を行う。その際、第1の基板202Aは外部からの振動により変位した後、静電力により所定の位置に戻される。
第1の基板202Aが変位した場合、変位した方向とは逆側の静電力が弱くなる。
第1の基板202Aが例えば図14の右方向に変位した場合、第3の電極205Lbと第4の電極204Lbとの間および第7の電極205Ubと第8の電極204Ubとの間に生ずる静電反発力の方が、第3の電極205Laと第4の電極204Laとの間および第7の電極205Uaと第8の電極204Uaとの間に生ずる静電反発力より強くなる。
このことは、静電反発力のx軸方向の成分について考えれば基板202Aを左方向、すなわち元の位置に戻す復元力が働くことを意味する。
一方、静電反発力のz軸方向の成分について考えれば、基板202Aをz軸方向に保持しようとする静電反発力が基板202Aの右側と左側で異なること意味する。すなわち、z軸方向の変位が不安定になる場合があることを示している。
そこで本実施形態では、突起体209La、209Lb、209Ua、209Ubを設けて、この突起体により第1の基板202Aを保持し、z軸方向の変位を所定の範囲内に規制することで、第1の基板202Aをより安定に動作させることが可能となる。
すなわち、このように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
(12)第1の基板をより安定に動作することができる。
(12)についてさらに説明を行う。
本実施の形態の動作の説明でも示したように、第1の基板202Aを保持できるように突起体209La、209Lb、209Ua、209Ubを構成することにより、第1の基板202Aが変位した際に変位方向と変位と逆方向と間の静電力のアンバランスが生じても第1の基板202Aをより安定して動作させることが可能となる。
特に、大振幅で動作可能な本発明に係る振動発電器では、第1の基板を大きく変位させることが可能であり、この変位が大きくなるほど第1の基板の一端側と他端側(例えば図14の右側と左側)との間で静電力のアンバランスが生じやすい。
そして、この静電力のアンバランスにより第1の基板に傾きが生じると、上下方向の力のかかり方にもアンバランスが生じるため、アンバランスの補正が必要な場合がある。しかしながら、アンバランスを補正するために静電力を大きくすると、x軸方向の復元力が大きくなり過ぎて第1の基板が外部振動により十分に変位しないという問題が生じ得る。
しかし、本実施形態では、突起体209La、209Lb、209Ua、209Ubを設けて、第1の基板202Aのz軸方向の変位を規制(制御)することで傾きの発生も防止できる。その結果、大きな変位を伴う基板を有する振動発電器の利用可能範囲を拡大することが可能となる。
なお、本実施の形態においても、第1の電極207Lを超えた領域にまで(第1の電極207L(第1の電極207Laおよび207Lc)よりも外側にまで)第2の電極206Lを形成することが好ましい。より好ましくは、第1の基板202A(特に第1の電極207L)の振動限界(振動により変位可能な範囲)まで第2の電極206Lを形成する
同様に、第5の電極207Uを超えた領域にまで(第5の電極207U(第5の電極207Uaおよび207Uc)よりも外側にまで)第6の電極206Uを形成することが好ましい。より好ましくは、第1の基板202A(特に第5の電極207U)の振動限界(振動により変位可能な範囲)まで第6の電極206Uを形成することが好ましい。
突起体209La、209Lb、209Ua、209Ubは、絶縁体および半導体材料であってよい。
また、突起体209La、209Lb、209Ua、209Ubは導電体を含んで形成されてもよく、この場合、第1の基板202上の電極と電気的に接続して電極取り出しに用いてもよい。
図14に示す実施形態では、突起体209La、209Lb、209Ua、209Ubは、第1の基板202Aと第2の基板203Lとの間(第1の基板202Aの下側)および第1の基板202Aと第3の基板203Uとの間(第1の基板202Aの上側)の両方に設けられている。これは、第1の基板202Aがより大きく変位しても第1の基板202Aが傾くことなく安定して振動するために好ましい実施形態である。
突起体209La、209Lbまたは突起体209Ua、209Ubは、好ましくはそれぞれ複数個、より好ましくは3個以上形成される。より安定して第1の基板202Aを振動させることができるからである。
図14に示す実施形態では突起体209La、209Lbおよび突起体209Ua、209Ubは、第2の基板203Lまたは第3の基板203Uから第1の基板202に向けて径が細くなる凸状の形状を有しているが、これに限定されるものではなく例えば三角錐、三角柱、円柱のような、他の形状であってもよい。
8.実施の形態8
図15は、本発明の実施の形態3における振動発電器300Aの断面図である。実施の形態6と異なる点は、第1の電極307La、307Lb、307Lcと第5の電極307Ua、307Ub、307Ucとの大きさが異なり、また第3の電極305La、305Ubおよび第4の電極304La、504Lbと第7の電極305Ua、305Ubおよび第8の電極304Ua、504Ubとの大きさが異なることである。
その他の構成は実施の形態6と同様である。
なお、図15に示す各要素には本実施形態に係る要素であることを明確にするように、300番台の数字を伴う記号を付している。特に断わらない限り、それぞれの要素は、100の桁の数字以外が同じ記号で示された実施の形態6の対応する要素と同一であってよい。
振動発電器300Aをこのように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
(13)着電量のアンバランスの補正
(13)について説明を行う。
第1の電極307La、307Lb、307Lcと第3の電極305La、305Lbと第4の電極304La、304Lbはそれぞれ同じ極性の電荷を保持している。また、第5の電極307Ua、307Ub、307Ucと第7の電極305Ua、305Ubと第8の電極304Ua、304Ubとはそれぞれ同じ極性の電荷を保持している。一方、第1の電極307La、307Lb、307Lcと第3の電極305La、305Ubと第4の電極304La、304Lbが保持する電荷と、第5の電極307Ua、307Ub、307Ucと第7の電極305Ua、305Ubと第8の電極304Ua、304Ubが保持する電荷とは極性が異なる。
エレクトレット電極は、その大きさ、特に電荷を保持するエレクトレットの大きさが同じであっても、保持する電荷の極性が異なれば保持できる電荷の量が異なる。従って、異なる極性の電極の大きさ(より詳細には電極のエレクトレットの体積)を同じにすると保持できる電荷量が異なり、静電力および発電される電力量にアンバランスが生じる。
そこで、本実施の形態に示すように、第1の基板302Aに生じる静電力を同基板の上下の電極で実質的に等しくするように電極サイズ(電荷を保持するエレクトレットの体積)を変えることで、着電量のアンバランスの補正を行うことができ、また発電量のアンバランスも生じない。
加えて、第1の基板302Aの上下に形成した電極のサイズを変えることで、同基板の上下を見分けることを容易に行うことができ、製造工程においてミスを防止できるなど、製造上の効果も大きい。
なお、本実施の形態においても、第1の電極307Lを超えた領域にまで(第1の電極307L(第1の電極307Laおよび307Lc)よりも外側にまで)第2の電極306Lを形成することが好ましい。より好ましくは、第1の基板302A(特に第1の電極307L)の振動限界(振動により変位可能な範囲)まで第2の電極306Lを形成する。
同様に第5の電極307Uを超えた領域にまで(第5の電極307U(第5の電極307Uaおよび307Uc)よりも外側にまで)第6の電極306Uを形成することが好ましい。より好ましくは、第1の基板302A(特に第5の電極307U)の振動限界(振動により変位可能な範囲)まで第6の電極306Uを形成する。
9.実施の形態9
図16は、本発明の実施の形態9に係る第3の基板403Uの上面図(図16(a))と、第3の基板403UのB−Bにおける断面図(図16(b))である。
図16において、第3の基板403Uは、周辺部に第8の電極404Uが形成されている。第3の基板403U上には、第6の電極406Uが形成される。より詳細には、図示していないが第5の電極と対向する位置に第6の電極406Ua、406Ub、406Ucが形成され、配線電極406Udにより電気的に接続される。このとき、外部との取り出しが第3の基板403Uの4つの角部のうち少なくとも1つにおいて行われるよう、第8の電極404Uの一部に切り欠きが設けられている。
また、第8の電極404Uの電気的接続は、電極414U(404Ua)を介して、接地される。
ここで、第8の電極404Uは、図3と同様に導電体404aと、第1の絶縁体404b、電荷を保持したエレクトレット404c、第2の絶縁体404dにより構成される。
第3の基板403Uを含む振動発電器の動作については他の実施の形態と同様である。
第3の基板403Uをこのように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
(14)静電力によるバネ力への影響を小さくすることができる。
(14)について説明を行う。本実施の形態では、第6の電極406Uの取り出しを第3の基板403Uの端部より行う。
これにより、x軸方向、或いはy軸方向に第1の基板が変位しても第3の基板403Uの周辺部に沿って配置された第8の電極404Uによる静電力を損なうことなく元の位置に第1の基板を戻すことが可能となる。
また、斜め方向(例えばx軸とy軸から45°の方向)に第1の基板が変位した場合においても、第3の基板403Uの4辺に配置されている第8の電極404Uにより所望の場所に第1の基板を戻すことが可能となる。このように静電力の効果が一番小さい領域で電極取出しを行うことで、バネ力(復元力)を減少させることなく電極取り出しが可能となる。
なお、図16では、第6の電極406Uとして、3つの電極(406Ua、406Ub、406Uc)を記載しているが、第6の電極406Uをさらに多くの短冊状の電極で構成しても同様の効果を得られる。複数のより多くの第6の電極で構成することで、第1の基板の変位に対してより多くの電力を出力できるなどの効果を得られる。
また、このような本実施の第3の基板403Uの構成は第2の基板にも適用可能である。上述の第8の電極404Uと同じ構成の第4の電極と、上述の第6の電極406Uと同じ構成の第2の電極とを有し、必要に応じて、当該第2の電極の電気的接続のために上述の電極414Uと同じ構成の電極を有する第2の基板を含む振動発電器は当然に本実施形態に含まれる。
10.実施の形態10
図17は、本発明の実施の形態10に係る振動発電器500Aの断面図(図17(a))と、第1の基板502Aが変位した状態の振動発電器500Aの断面図(図17(b))である。
なお、図17に示す各要素には本実施形態に係る要素であることを明確にするように、500番台の数字を伴う記号を付している。特に断わらない限り、それぞれの要素は、100の桁の数字以外が同じ記号で示された実施の形態6〜9の対応する要素と同一であってよい。
図17(a)において、第3の基板503Uは、支持体511により第2の基板503Lの上部に固定して配置される。第1の基板502Aは、第3の基板503Uと第2の基板503Lとの間でかつ2つの支持体511の間に、その上部および下部に空間を有して配置される。すなわち、第1の基板502Aは、第3の基板503Uと第2の基板503Lとの間に浮遊するように(第3の基板503Uおよび第2の基板503Lから離間して)配置される。
実施の形態6と同様に、第1の基板502Aの下面に形成された第3の電極505La、505Lbと第2の基板503Lの上面上に形成された第4の電極504La、504Lbとの間に作用する静電力と、第1の基板502Aの上面に形成された第7の電極505Ua、505Ubと第3の基板503Uの下面上に形成された第8の電極504Ua、504Ubとの間に作用する静電力とにより第1の基板502Aは保持される。
ここでは、簡単のため配線、及び突起体についての記載は省略している。
第1の基板502Aはx軸方向に変位することが可能であるが、その変位(振動)可能な範囲は、2つの支持体511により制御される。すなわち、第1の基板502Aの一方の端部が支持体511に接触する位置まで第1の基板502Aは変位できる。
第4の電極504La、504Lbは、支持体511の近傍(第2の基板503Lの端面の近傍)に形成される。また、第3の電極505La、505Lbは、第1の基板502Aの端面の近傍でかつ端面から所定の領域を介して形成される。
第1の基板502Aが振動して2つの支持体511の間を変位する際に第3の電極505La、505Lbは第4の電極504La、504Lbと重なりが発生しない(x軸方向において第3の電極505La、505Lbが第4の電極504La、504Lbより常に内側に位置する)ように形成される。つまり、第1の基板502Aの端面に設けられた領域の大きさ(x軸方向の長さ)は、第4の電極504La、504Lbの大きさ(x軸方向の長さ)よりも大きく形成される。
同様に、第8の電極504Ua、504Ubは、支持体511の近傍(第3の基板503Uの端面の近傍)に形成される。また、第7の電極505Ua、505Ubは、第1の基板502Aの端面の近傍でかつ端面から所定の領域を介して形成される。
第1の基板502Aが振動して2つの支持体511の間を変位する際に第7の電極505Ua、505Ubは第8の電極504Ua、504Ubと重なりが発生しない(x軸方向において第7の電極505Ua、505Ubが第8の電極504Ua、504Ubより常に内側に位置する)ように形成される。つまり、第1の基板502Aの端面に設けられた領域の大きさ(x軸方向の長さ)は、第8の電極504Ua、504Ubの大きさ(x軸方向の長さ)よりも大きく形成される。
このように形成した振動発電器500Aの動作について説明を行う。
振動発電器500Aは、外部からの振動により第1の基板502Aが第2の基板503Lおよび第3の基板503Uに対して変位することで発電を行う。その際、第1の基板502Aは外部からの振動により変位するが、2つの支持体511の間で最大限に変位した場合でも、電荷を保持する膜を含む第3の電極505La、505Lbと第4の電極504La、504Lbとの重なり、及び第7の電極505Ua、505Ubと第8の電極504Ua、504Ubとの重なりが発生しないため、静電力により第1の基板502Aは変位とは逆方向の力を受ける。
なお、ここでいう第3の電極505La、505Lbと第4の電極504La、504Lbとの重なりが発生しないとは、第3の電極505La、505Lbと第4の電極504La、504Lbとが完全に重なることないことがないことを意味する。
すなわち、図17(b)に示すように第1の基板502の変位が最大になった場合でも第3の電極の端部と第4の電極の端部(図17(b)では第3の電極505Laの端部と第4の電極504Laの端部)のx方向の距離ΔdがΔd>0である。
同様に、第7の電極の端部と第8の電極の端部のx方向の距離ΔdもΔd>0である。
振動発電器500Aをこのように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
(15)低周波数領域における大振幅動作が可能
(15)について説明を行う。
第3の電極505La、505Lbおよび第7の電極505Ua、505Ubは第1の基板502Aの端面から一定の領域を介して(一定の距離で)形成されており、実施の形態6から実施の形態10とは電極配置が異なる。前述の実施の形態では、静電力を確保するために、バネ力(静電力)を大きめに設定することで、第1の基板が空間の端面まで変位することを防ぐ必要があり、その結果、バネ力をある程度強くする必要がある。
一方、本実施の形態のように構成することで、静電力を小さくして第1の基板502Aが大振幅動作を行った場合においても、第3の電極505La、505Lbと第4の電極504La、504Lbの重なり及び第7の電極505Ua、505Ubと第8の電極504Ua、504Ubとの重なりが発生しないため、変位とは逆の方向に静電力が発生する(より正確には、第2の基板方向(x軸方向)とそれに垂直な方向(z軸方向)のベクトル和の方向)。そのため、バネ力(静電力)を小さくすることで、より低周波数領域において、大振幅動作を可能にし、発電が可能となる。
なお、例えば第7の電極505U(505Ua、505Ub)と第8の電極504U(504Ua、504Ub)とを設けずに、第3の電極505L(505La、505Lb)と第4の電極504L(504La、504Lb)とを設けて、第1の基板502Aの下側のみに静電力を作用させることでも振動発電器500Aは発電可能である。
そして、このように復元力を生ずる電極を第1の基板502Aの一方の側にだけ設けた実施形態も当然に本実施の形態に含まれる。
図18は、本発明の実施の形態10に係る別の振動発電器550Aの断面図(図18(a))と、第1の基板502Bが変位した状態の振動発電器550Aの断面図(図18(b))である。
図17に示す実施の形態では、第1の基板502Aの周辺部(端部近傍)に静電力を発生する領域を設けた。一方、図18に示す実施形態では、第3の電極555Lと第4の電極554La、554Lbをそれぞれ第1の基板502Bの下面の中央部(x軸方向の中央部)と第2の基板503LA上面の中央部に設け、さらに第7の電極555Uと第8の電極554Ua、554Ubをそれぞれ第1の基板502Bの上面の中央部(x軸方向の中央部)と第3の基板503UA下面の中央部に設けている。
このような実施形態も本実施の形態に含まれる。
この場合においても、第1の基板502Bが2つの支持体511の間で最大の変位を行った場合においても、第3の電極555Lと第4の電極554La、554Lbとの重なり及び第7の電極555Uと第8の電極554Ua、554Ubとの重なりが発生しないように設計を行うことで振動発電器500Aと同様の効果を得ることができる。
さらに図18の実施形態では第3の電極555Lおよび第7の電極555Uの個数をそれぞれ1個にすることが可能であるという利点を有する。
なお、必要に応じて複数個の第3の電極555Lおよび/または第7の電極555Uを基板502Aの中央部に配置してもよい。
また、図18に示す実施形態において、例えば第7の電極555Uと第8の電極554Uとを設けずに、第3の電極555Lと第4の電極554Lとを設けて、第1の基板502Bの下側のみに静電力を作用させることでも振動発電器550Aは発電可能である。
そして、このように復元力を生ずる電極を第1の基板502Bの一方の側にだけ設けた実施形態も当然に本実施形態に含まれる。
11.実施の形態11
本発明の実施の形態11として、振動発電装置を説明する。図19は、本実施の形態に係る振動発電装置600のブロック図である。図19に示す振動発電器601は、実施の形態1〜実施の形態10で示された振動発電器のいずれか1つである。
図19において、振動発電装置600は、振動発電器601、整流回路602、電圧変換回路603、出力切替回路604、蓄電回路605と電圧制御回路606からなる。振動発電器601から出力された交流電圧は、整流回路602により直流電圧に変換される。直流電圧は、電圧変換回路603に入力され、振動発電装置600の出力電圧レベルまで電圧変換し、変換された電圧は、出力切替回路604により、電圧制御回路606、或いは蓄電回路605に入力される。電圧制御回路606では、出力電圧が一定となるように電圧制御されて出力される。
以上のように構成された振動発電装置600の動作について、図20を参照して説明を行う。
図20は振動発電装置600の各部の電圧波形を示しており、図20(a)は、振動発電器601の出力電圧波形である。本実施の形態では簡単のため、第1の基板の変位方向が変わるところでも発電は効率よく行われていると仮定し、振動による重なり面積の増減により正弦波電圧が出力されるとしている。ここで、振動発電器601の出力電圧は、第1の基板の振動振幅、第1の基板、第2の基板間のギャップ、エレクトレット膜の保持電荷量、及び振動発電器601から見た外部インピーダンスの大きさなどにより電圧振幅Vgは異なる。振動発電器601から出力された交流電圧は、整流回路602により直流電圧VDC1に変換される(図20(b))。VDC1は、振動発電装置600の出力電圧レベルVDC2まで電圧変換回路603で電圧変換される。出力切替回路604の動作は、振動発電装置600からの電圧出力が必要ないときは、電圧制御回路606には出力を行わず、蓄電回路605に発電された電力を蓄える、また、振動発電装置600からの電圧出力が必要であり、発電量が小さい時、蓄電回路605に蓄えられた電力を出力するように切替を行う。出力切替回路604からの出力は、電圧制御回路606により所望の出力電圧VOUTに制御されて出力が行われる(図20(c))。
また、前述したように、振動発電器600の出力電圧は、さまざまな要因で変動する。これに対応するため、VDC2は、最終的に出力される電圧VOUTよりも若干高い電圧に設定することが望ましい。このように設定を行うことで、微小な電圧変動に対しても、出力電圧は一定とすることが可能となる。例として1.8Vの出力を行う場合について説明を行うと、VDC2を1.8Vに設定した場合、振動発電器の出力電圧が減少すると、振動発電器600の出力電圧も減少するが、例えば、VDC2を2Vに設定しておけば、0.2Vの電圧減少に対しても十分に制御が可能となるなど、利用上の効果は大きい。
図21は、本実施の形態に係る別の構造の振動発電装置610を示すブロック図である。
図21において、振動発電器610は、実施の形態1〜実施の形態10のいずれかに示された振動発電器である。
振動発電装置610は、振動発電器611、整流回路612、電圧変換回路613、出力切替回路614、蓄電回路615および電圧制御回路616からなる。振動発電器611から出力された交流電圧は、整流回路612により直流電圧に変換される。直流電圧は、電圧変換回路613に入力され、振動発電装置610の電圧制御可能な電圧レベルに電圧変換し、変換された電圧は、電圧制御回路606で所望の電圧となるよう制御され蓄電回路615に入力される。出力制御回路614では、蓄電回路615に蓄えられた電力を負荷の状態に合わせて出力制御を行う。
このような構成を有する振動発電装置610においても振動発電装置600と同様の効果が得られることは言うまでもない。
振動発電装置610の動作は、振動発電装置600のそれと概略同様であるが、電圧制御回路616の出力電圧は、蓄電回路615への最適な電圧に制御するように設定を行う。また、出力制御回路614は、負荷の状態に合わせて振動発電装置610からの出力を制御する。
12.実施の形態12
図22は、自動車に搭載されるタイヤ空気圧モニタリングシステムで使用される通信装置700のブロック図である。図22において、発電装置701は実施の形態11で示された振動発電装置を示す。
図22において、通信装置700は、振動により発電を行う発電装置701、通信装置の主電源、或いは発電装置701のサブ電源としての電池702、発電装置701からの出力と電池702からの出力を切り替えて回路部に供給する電源制御部703と、タイヤの空気圧を測定する圧力センサ704、圧力センサからの出力を処理し、通信部に伝える処理部705、処理部705からの入力信号を高周波信号に変換してアンテナ707へ伝える通信部706と、アンテナ707からなる。
以上のように構成された通信装置700の動作について説明を行う。
圧力センサ704、処理部705、通信部706が動作するために必要な電力を、電源制御部703により発電装置701、或いは電池702から供給を行う。圧力センサ704は、タイヤの空気圧を測定し、測定結果を電圧信号に変換して処理部705へ入力する。処理部705で処理された信号は、通信部706へ入力され高周波信号としてアンテナ707から伝搬される。
このように、振動発電装置を通信装置の電源として利用する場合、電池交換等のメンテナンス作業回数の低減、或いは電池交換無しといった状況が可能であり、利用上の効果は大きい。
また、本実施の形態では、振動発電装置と電池との併用を行う例を示したが、振動発電装置からの出力電力が圧力センサ、処理部、通信部等の回路で消費する電力、通信に必要な電力を十分にまかなうことができれば振動発電装置のみでもかまわない。その場合、電池、及び電源制御部が不要となり機器の小型化といった点で有効である。
さらに、本実施の形態では、実施の形態1から11に示す振動発電器、振動発電装置を用いる例を示したが、外部からの振動を電力に変換可能な振動発電器であれば、他の振動発電器であっても同様の効果が得られることは言うまでもない。
さらに、本実施の形態では、実施の形態1から11に示す振動発電器、振動発電装置を用いる例を示したが、外部からの振動を電力に変換可能な振動発電器であれば、他の振動発電器であっても同様の効果が得られることは言うまでもない。
13.実施の形態13
図23は、おもちゃなどに搭載される音の出る電子機器800のブロック図である。図23において、発電装置801は実施の形態11で示された振動発電装置を示す。
図23において、電子機器800は、振動により発電を行う発電装置801、通信機器の主電源、或いは発電装置801のサブ電源としての電池802、発電装置801からの出力と電池802からの出力を切り替えて回路部に供給する電源制御部803と、外部からの応答(例えば、ボタンプッシュ、傾きなど)を検出するセンサ804、センサからの出力を処理し、通信部に伝える処理部805、処理部805からの入力信号によりスピーカー807へ伝える制御部806と、スピーカー807からなる。
以上のように構成された通信装置(電子機器)800の動作について説明を行う。
センサ804、処理部805、制御部806が動作するために必要な電力を、電源制御部803により発電装置801、或いは電池802から供給を行う。センサ804は、外部からの応答を検出し、検出結果を処理部805へ入力する。処理部805で処理された信号が所望の値を超えると、制御部806へ入力されスピーカー807から音を出力する。
このように、振動発電装置を電子機器の電源として利用する場合、電池交換等のメンテナンス作業回数の低減、或いは電池交換無しといった状況が可能であり、利用上の効果は大きい。
また、本実施の形態では、振動発電装置と電池との併用を行う例を示したが、振動発電装置からの出力電力が圧力センサ、処理部、通信部等の回路で消費する電力、通信に必要な電力を十分にまかなうことができれば振動発電装置のみでもかまわない。その場合、電池、及び電源制御部が不要となり機器の小型化といった点で有効である。
また、本実施の形態では、実施の形態1から11に示す振動発電器、振動発電装置を用いる例を示したが、外部からの振動を電力に変換可能な振動発電器であれば、他の振動発電器であっても同様の効果が得られることは言うまでもない。
なお、今回開示された実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本出願は、日本国特許出願、特願2009−275612と特願2009−293721を基礎出願とする優先権主張と伴う。特許出願特願2009−275612と特願2009−293721は参照することにより本明細書に取り込まれる。
本発明にかかる振動発電器は、第1の基板の大振幅動作と低周波数領域の外部振動の発電を行うことができ、かつ、弾性歪みを伴うバネを排除することで信頼性を向上し、静電誘導型振動発電器として有用である。また、本発明にかかる振動発電器は、小電力の無線通信モジュール、その他電子機器等の用途においては大変有用である。
100、100A 振動発電器
101 発電領域
102、102A 第1の基板
103、103L 第2の基板
103U 第3の基板
104a、104b エレクトレット電極
105a、105b エレクトレット電極
106a、106b、106c、106La、106Lb、106Lc 第2の電極
107a、107b、107c、107La、107Lb、107Lc 第1の電極
108 振動方向
209a、209b、209Ua、209La、209Ub、209Lb 突起体
600 振動発電装置
700 通信装置
800 電子機器

Claims (20)

  1. 第1の基板と、
    前記第1の基板上に配置された第1の電極と、
    前記第1の基板から離間し、かつ対向して配置された第2の基板と、
    前記第2の基板に配置された第2の電極と、
    を含み、前記第1の基板が前記第2の基板に対して振動可能でかつ、前記第1の電極と前記第2の電極の一方が電荷を保持した膜を含む振動発電器であって、
    前記第1の基板上に配置された、電荷を保持した膜を含む第3の電極と、
    前記第2の基板上に配置された、電荷を保持した膜を含む第4の電極と、
    を更に含み、
    前記第3の電極と前記第4の電極は、前記第1の基板に外力が作用しないときは前記第1の基板を所定の位置に保持し、前記第1の基板に外力が作用して前記第1の基板が前記第2の基板に対して移動したときは前記第1の基板を前記所定の位置に戻す静電力が作用するように配置されていることを特徴とする振動発電器。
  2. 前記第1の電極または前記第2の電極の一方が有する前記電荷を保持する膜と、前記第3の電極が有する前記電荷保持する膜と、前記第4の電極が有する前記電荷保持する膜とが、同じ極性の電荷を保持することを特徴とする請求項1に記載の振動発電器。
  3. 前記第1の基板の前記振動の振幅を規定する規制部材を有し、
    前記第3の電極が前記第1の基板の端面近傍に配置され、
    前記第4の電極が前記第2の基板の端面近傍で、かつ前記第1の基板が前記振動をしても前記第3の電極と前記第4の電極とが重ならない位置に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の振動発電器。
  4. 前記第1の基板の前記振動の振幅を規定する規制部材を有し、
    前記第3の電極が前記第1の基板の中央部に配置され、
    前記第4の電極が前記第2の基板の中央部で、かつ前記第1の基板が前記振動をしても前記第3の電極と前記第4の電極とが重ならない位置に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の振動発電器。
  5. 一端が前記第2の基板上に固定され、他端が前記第1の基板と接触して前記第1の基板と電気的に接続されている突起体を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の振動発電器。
  6. 前記第1の基板の前記第2の基板に対向する面と反対側の面に対向し、前記第1の基板から離間した第3の基板と、
    一端が前記第3の基板上に固定され、他端が前記第1の基板と接触して前記第1の基板と電気的に接続されている第2の突起体と
    を含むことを特徴とする請求項5に記載の振動発電器。
  7. 前記第3の基板が前記第2の基板上に形成した支持体により支持され、前記支持体は前記第1の基板の前記振動の振幅を規定することを特徴とする請求項6に記載の振動発電器。
  8. 前記第1の電極と前記第3の電極とが、前記第1の基板上に形成された電荷を保持した第1の膜と、該第1の膜を覆うように形成された絶縁体とにより構成されていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の振動発電器。
  9. 前記第1の基板から離間し、かつ前記第1の基板の一方の面と対向して配置された第3の基板と、
    前記第1の基板の前記一方の面に配置された第5の電極と、
    前記第5の電極と対向するように前記第3の基板上に配置された第6の電極と、
    を更に含み、
    前記第1の基板が前記第3の基板に対して振動可能で、前記第2の基板が前記第1の基板の他方の面と対向し、
    前記第1の電極と前記第3の電極が前記第1の基板の前記他方の面に配置され、
    前記第5の電極および前記第6の電極の一方が電荷を保持した膜を含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の振動発電器。
  10. 前記第1の基板の前記一方の面に配置され、かつ電荷を保持した膜を含む第7の電極と、
    前記第3の基板に配置され、電荷を保持した膜を含む第8の電極と、
    を更に含み、
    前記第7の電極と前記第8の電極は、前記第1の基板に外力が作用しないときは前記第1の基板を所定の位置に保持し、前記第1の基板に外力が作用して前記第1の基板が前記第3の基板に対して移動したときは前記第1の基板を前記所定の位置に戻す静電力が作用するように配置されていることを特徴とする請求項9に記載の振動発電器。
  11. 前記第5の電極または前記第6の電極の一方が有する前記電荷を保持する膜と、前記第7の電極が有する前記電荷保持する膜と、前記第8の電極が有する前記電荷保持する膜とが、同じ極性の電荷を保持することを特徴とする請求項10に記載の振動発電器。
  12. 前記第3の電極と前記第4の電極とを2組有し、前記第3の電極と前記第4の電極の一方の組の電極間に作用する静電力の前記第1の基板に平行な成分と、前記第3の電極と前記第4の電極の他方の組の電極間に作用する静電力の前記第1の基板に平行な成分とが、反対方向を向くように前記2組の第3の電極と前記第4の電極とが配置され、
    前記第7の電極と前記第8の電極とを2組有し、前記第7の電極と前記第8の電極の一方の組の電極間に作用する静電力の前記第1の基板に平行な成分と、前記第7の電極と前記第8の電極の他方の組の電極間に作用する静電力の前記第1の基板に平行な成分とが、反対方向を向くように前記2組の第7の電極と前記第8の電極とが配置されていることを特徴とする請求項10または11に記載の振動発電器。
  13. 一端が前記第2の基板または前記第3の基板に固定され、他端が前記第1の基板と接触可能な突起体を含むことを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の振動発電器。
  14. 前記第1の電極が前記電荷を保持した膜を含み、
    前記第2の電極が前記電荷を保持した膜を含み、
    前記第1の電極と前記第2の電極と前記第3の電極と前記第7の電極とが、前記第1の基板上に形成した電荷を保持した膜と、該電荷を保持した膜を覆う絶縁体とを含むことを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の振動発電器。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の振動発電器と、
    前記振動発電器からの交流出力電圧を整流して直流電圧に変換する整流回路と、
    を含むことを特徴とする振動発電装置。
  16. 前記整流回路から出力された直流電圧を所望の電圧レベルに変換を行う電圧変換回路と、
    前記振動発電装置からの出力が不要な場合、振動発電器により発電された電力を蓄える蓄電回路と、
    前記電圧変換回路、或いは前記蓄電回路からの出力電圧を所定の電圧に制御する電圧制御回路と、
    前記電圧変換回路の出力を蓄電回路、或いは電圧制御回路に切り替える出力切替回路と、
    を更に含むことを特徴とする請求項15に記載の振動発電装置。
  17. 請求項15または16に記載の振動発電装置を用いた通信装置。
  18. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の振動発電器と電池とを有することを特徴とする通信装置。
  19. 請求項15または16に記載の発電装置を用いた電子機器。
  20. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の振動発電器と電池とを有することを特徴とする電子機器。
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