JP4875323B2 - 制電性樹脂組成物および成形品 - Google Patents
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Description
しかしながら、かかる技術により成形品の帯電防止性は改善されるものの、十分ではなかった。例えば、射出成形で成形品を得る場合、ゲート付近では帯電防止性を発現するものの、流動末端では帯電防止性が劣る。また、押出成形を行ってシート、フィルム等にした場合も、帯電防止性が劣る等の問題があった。
すなわち、本発明の一局面によれば、
(A)ゴム質重合体(a)の存在下に、芳香族ビニル化合物を含むビニル系単量体(b)を重合して得られるゴム強化スチレン系樹脂(A1)、及び/又は、該ビニル系単量体(b)の(共)重合体(A2)からなるスチレン系樹脂70〜97質量%、
(B)ポリアミド及び/又はポリエステルのブロック(B1)と親水性ポリマーのブロック(B2)とを有するブロック共重合体3〜30質量%、
上記成分(A)及び成分(B)を含有してなり(但し、上記成分(A)と成分(B)の合計は100質量%)、
さらに、上記成分(A)と成分(B)の合計100質量部に対して
(C)フッ素化アルキルスルホン酸塩(C1)及び非イオン界面活性剤(C2)からなる群より選ばれた少なくとも1種を0.01〜10質量部を含有してなることを特徴とする制電性樹脂組成物が提供される。
本発明の成分(A)は、ゴム質重合体(a)の存在下に、芳香族ビニル化合物を含むビニル単量体(b)を重合して得られたゴム強化スチレン系樹脂(A1)、及び/又は、このビニル系単量体(b)を(共)重合して得られた(共)重合体(A2)からなるものである。後者の(共)重合体(A2)は、ゴム質重合体(a)の非存在下に、芳香族ビニル化合物を含むビニル系単量体(b)を重合して得られるものである。これらの樹脂は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。以下、成分(A1)及び成分(A2)のそれぞれについて詳細に説明する。
ゴム強化スチレン系樹脂(A1)は、ゴム質重合体(a)の存在下に、芳香族ビニル化合物を含むビニル系単量体(b)を重合して得られる。
ゴム質重合体(a)としては、ポリブタジエン、ブタジエン・スチレン共重合体、ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・ブタジエン系ブロック共重合体及びその水素添加物、スチレン・イソプレン系ブロック共重合体及びその水素添加物等のジエン系ゴム;エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、エチレン・ブテン−1・非共役ジエン共重合体等のエチレン・α−オレフィン系ゴム;アクリル系ゴム;シリコーン系ゴム;シリコーン・アクリル系IPNゴム等が挙げられる。これらの重合体は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、これらのうち、ポリブタジエン、ブタジエン・スチレン共重合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体、スチレン・ブタジエンブロック共重合体、スチレン・ブタジエンブロック共重合体の水素添加物、アクリルゴムが好ましい。
ゲル含率は、以下に示す方法により求めることができる。
先ず、ゴム質重合体1gをトルエン100mlに投入し、室温で48時間静置する。その後、100メッシュの金網(質量をW1グラムとする)で濾過したトルエン不溶分と金網を、温度80℃で6時間真空乾燥して秤量(質量W2グラムとする)する。W1及びW2を、下記式(1)に代入して、ゲル含率を得る。
ゲル含率=〔{W2(g)−W1(g)}/1(g)〕×100 (1)
オキサゾリン基を含有するビニル系化合物としては、ビニルオキサゾリン等が挙げられる。これらの化合物は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
かかる特定官能基含有ビニル系化合物を使用する場合、その使用量は、ビニル系単量体(b)の全量を100質量%として、好ましくは20質量%以下、更に好ましくは1〜15質量%である。この範囲にあると、相溶性付与効果及び成形品の外観等のバランスに優れる。
〔ビニル系単量体(b)が特定官能基含有ビニル系化合物を含有しない場合〕
(1)芳香族ビニル化合物からなるビニル系単量体(b)。
(2)芳香族ビニル化合物と、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物およびマレイミド化合物からなる群より選ばれる少なくとも2種からなるビニル系単量体(b)。
(3)芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物とからなるビニル系単量体(b)。
(4)芳香族ビニル化合物と(メタ)アクリル酸エステル化合物とシアン化ビニル化合物とからなるビニル系単量体(b)。
(5)芳香族ビニル化合物と(メタ)アクリル酸エステル化合物とからなるビニル系単量体(b)。
(6)芳香族ビニル化合物とマレイミド化合物とからなるビニル系単量体(b)。
〔ビニル系単量体(b)が特定官能基含有ビニル系化合物を含有する場合〕
(1)芳香族ビニル化合物と特定官能基含有ビニル系化合物とからなるビニル系単量体(b)。
(2)芳香族ビニル化合物と、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物およびマレイミド化合物からなる群より選ばれる少なくとも2種と、特定官能基含有ビニル系化合物とからなるビニル系単量体(b)。
(3)芳香族ビニル化合物と、シアン化ビニル化合物と、特定官能基含有ビニル系化合物とからなるビニル系単量体(b)。
(4)芳香族ビニル化合物と、(メタ)アクリル酸エステル化合物と、特定官能基含有ビニル系化合物とからなるビニル系単量体(b)。
(5)芳香族ビニル化合物と、マレイミド化合物と、特定官能基含有ビニル系化合物とからなるビニル系単量体(b)。
上記ビニル系単量体(b)は、2種以上の異なる単量体から構成されることが好ましく、より好ましい組み合わせの例を以下に示す。尚、カッコ内の数字は、両者の合計を100質量%とした場合の好ましい使用割合(単位;質量%)である。
(1)芳香族ビニル化合物/シアン化ビニル化合物(65〜90/35〜10)。
(2)芳香族ビニル化合物/メタクリル酸メチル(20〜80/80〜20)。
(3)芳香族ビニル化合物/シアン化ビニル化合物/メタクリル酸メチル(10〜80/後二者の合計が90〜20)。
(4)芳香族ビニル化合物/マレイミド化合物(50〜90/50〜10)。
(5)芳香族ビニル化合物/メタクリル酸メチル/マレイミド化合物(10〜80/後二者の合計が90〜20)。
(6)芳香族ビニル化合物/シアン化ビニル化合物/メタクリル酸グリシジル(64.9〜89.9/10〜35/0.1〜20)。
(7)芳香族ビニル化合物/シアン化ビニル化合物/(メタ)アクリル酸(64.9〜89.9/10〜35/0.1〜20)。
(8)芳香族ビニル化合物/シアン化ビニル化合物/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(10〜80/後二者の合計が90〜20)。
(9)芳香族ビニル化合物/無水マレイン酸(80〜99.9/20〜0.1)。
重合開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、過硫酸カリウム、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
また、重合開始助剤として、各種還元剤、含糖ピロリン酸鉄処方、スルホキシレート処方等のレドックス系を用いることが好ましい。
乳化剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の脂肪族スルホン酸塩、ラウリル酸カリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カリウム、パルミチン酸カリウム等の高級脂肪酸塩、ロジン酸カリウム等のロジン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のジアルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。
ゴム強化スチレン系樹脂(A1)を100質量部製造する際には、ゴム質重合体の使用量は、好ましくは3〜80質量部、より好ましくは5〜70質量部、更に好ましくは10〜60質量部である。
重合温度は、好ましくは80〜140℃、更に好ましくは85〜120℃の範囲である。
また、連鎖移動剤を用いる場合、メルカプタン類;ターピノレン類;α―メチルスチレンダイマー等を用いることができる。
また、ゴム強化スチレン系樹脂(A1)を塊状重合または懸濁重合で製造する場合、公知の方法を適用でき、溶液重合に例示した重合開始剤、連鎖移動剤等を用いることができる。
上記各重合法により得られたゴム強化スチレン系樹脂(A1)中に残存するビニル単量体の含量は、好ましくは10,000ppm以下、更に好ましくは5,000ppm以下である。
尚、グラフト率は、以下に示す方法により求めることができる。
グラフト率(質量%)={(T−S)/S}×100…(2)
上記式(2)中、Tは成分(A1)1gをアセトン(ただし、ゴム質重合体(a)がアクリル系ゴムを使用したものである場合、アセトニトリル)20mlに投入し、振とう機により2時間振とうした後、遠心分離機(回転数;23,000rpm)で60分間遠心分離し、不溶分と可溶分とを分離して得られる不溶分の質量(g)であり、Sは成分(A1)1gに含まれるゴム質重合体の質量(g)である。
成分(A1)中に分散する上記グラフト共重合体の数平均粒子径は、好ましくは500〜30,000Å、より好ましくは1,000〜20,000Å、更に好ましくは1,500〜8,000Åの範囲である。尚、数平均粒子径は、電子顕微鏡を用いる等、公知の方法で測定することができる。
(共)重合体(A2)は、ゴム質重合体(a)の非存在下に、上記ビニル系単量体(b)を(共)重合させて得られるものであり、上記ビニル系単量体(b)の(共)重合をゴム質重合体(a)の非存在下に行う以外、上記成分(A1)と同様の方法で製造することができる。上記成分(A1)について列挙した上記ビニル系単量体(b)は、総て、(共)重合体(A2)の製造に使用することができる。また、上記ビニル系単量体(b)の好ましい使用量は、(共)重合体(A2)についても該当する。
この(共)重合体(A2)を上記ゴム強化スチレン系樹脂(A1)と併用する場合、(共)重合体(A2)として、上記ゴム強化スチレン系樹脂(A1)の製造に用いられたビニル系単量体と全く同じ種類の化合物を用いて得られた(共)重合体を使用してもよいし、異なる種類の化合物を用いて得られた(共)重合体を使用してもよい。
尚、この極限粘度〔η〕は、上記ゴム強化スチレン系樹脂(A1)の場合と同様、各種の製造条件を変化させることにより制御することができる。
成分(A)中のゴム質重合体(a)の含有量は、成分(A)の全体を100重量%として、2〜40質量%が好ましく、更に好ましくは3〜35質量%である。ゴム質重合体(a)の含有量がこの範囲にあると耐衝撃性、成形加工性、及び剛性の物性バランスに優れる。
成分(A)中のビニル系単量体(b)の含有量は、成分(A)の全体を100重量%として、60〜98質量%が好ましく、更に好ましくは65〜97質量%である。ビニル系単量体(b)の含有量がこの範囲にあると耐衝撃性、成形加工性、剛性の物性バランスに優れる。 また、本発明の成分(A)と成分(B)の親和性を向上させる目的から、成分(A)は、前記特定官能基含有ビニル系化合物を共重合成分として含有する成分(A1)又は成分(A2)を含むことが好ましい。この場合、前記特定官能基含有ビニル系化合物は、成分(A1)又は成分(A2)を構成するビニル系単量体(b)全体(100重量%)の0.1〜20質量%を構成していることが好ましい。この特定官能基含有ビニル系化合物を共重合成分として含有する成分(A1)又は成分(A2)の含有量は、成分(A)全体(100質量%)に対して、0.3〜30質量%が好ましく、更に好ましくは0.5〜20質量%、特に好ましくは1〜15質量%である。含有量がこの範囲にあると耐衝撃性、成形品外観に優れる。
本発明の成分(B)は、ポリアミド及び/又はポリエステルのブロック(B1)と親水性ポリマーのブロック(B2)とを有するブロック共重合体である。
本発明の成分(B)には、ポリアミドブロック(B1−a)と親水性ポリマーのブロック(B2)とのジブロック共重合体、及びマルチブロック共重合体、ポリエステルブロック(B1−b)と親水性ポリマーのブロック(B2)とのジブロック共重合体、及びマルチブロック共重合体、ポリアミドブロック及びポリエステルブロックからなるブロック(B1−c)と親水性ポリマーのブロック(B2)とのブロック共重合体、及び前記(B1−a)〜(B1−c)のブロック共重合体の混合物からなるブロック共重合体(B1−d)と親水性ポリマーのブロック(B2)とのブロック共重合体等が挙げられ、制電性の面から、(B1)として好ましいものは(B1−a)及び(B1−b)であり、更に好ましくは(B1−a)である。
ポリエーテル(B2―a)としては、ポリエーテルジオール、ポリエーテルジアミン、およびこれらの変性物が挙げられる。
ポリエーテル含有親水性ポリマー(B2−b)としては、ポリエーテルジオールのセグメントを有するポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルジオールのセグメントを有するポリエーテルアミドイミド、ポリエーテルジオールのセグメントを有するポリエーテルエステル、ポリエーテルジアミンのセグメントを有するポリエーテルアミド、および、ポリエーテルジオールまたはポリエーテルジアミンのセグメントを有するポリエーテルウレタンが挙げられる。
アニオン性ポリマー(B2―c)としては、スルホニル基を有するジカルボン酸と、ポリエーテル(B2―a)とを必須構成単位とし、かつ一分子内に好ましくは2〜80個、更に好ましくは3〜60個のスルホニル基を有するアニオン性ポリマーが挙げられる。
これらは、直鎖状であっても、また分岐状であってよい。特に好ましい成分(B2)は、ポリエーテル(B2−a)である。
H−(OA1)n―O―E1―O―(A1O)n′―Hで表されるもの、及び一般式(4):
H−(OA2)m―O―E2―O―(A2O)m′―Hで表されるもの等が挙げられる。
一般式(3)中、E1は二価の水酸基含有化合物から水酸基を除いた残基、A1は炭素数2〜4のアルキレン基、nおよびn′は前記二価の水酸基含有化合物の水酸基1個当たりのアルキレンオキサイド付加数を表す。n個の(OA1)とn′個の(A1O)とは、同一であっても異なっていてもよく、また、これらが2種以上のオキシアルキレン基で構成される場合の結合形式はブロックもしくはランダムまたはこれらの組み合わせのいずれでもよい。nおよびn′は、通常1〜300、好ましくは2〜250、特に好ましくは10〜100の整数である。また、nとn′は、同一であっても異なっていてもよい。
脂肪族二価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6―ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,12―ドデカンジオール等が挙げられる。
脂環式二価アルコールとしては、例えば、1,2―および1,3―シクロペンタンジオール、1,2―、1,3−および1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、芳香族二価アルコールとしては、例えば、キシレンジオール等が挙げられる。
二価フェノールとしては、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、ウルシオール等の単環二価フェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4、4′―ジヒドロキシジフェニルー2,2−ブタン、ジヒドロキシビフェニル、ジヒドロキシジフェニルエーテル等のビスフェノール、およびジヒドロキシナフタレン、ビナフトール等の縮合多環二価フェノール等が挙げられる。
(ア)上記二価の水酸基含有化合物を出発物質として、一般式(7):
で表されるグリシジルエーテルを重合、または炭素数2〜4のアルキレンオキサイドと共重合する方法。
(イ)上記二価の水酸基含有化合物を出発物質として、側鎖にクロロメチル基を有するポリエーテルを経由する方法。更に具体的には、エピクロルヒドリン、またはエピクロルヒドリンとアルキレンオキサイドを付加共重合し、側鎖にクロロメチル基を有するポリエーテルを得た後、該ポリエーテルと炭素数2〜4のポリアルキレングリコールとR1X (R1は上記したもの、XはCl、BrまたはI)をアルカリ存在下で反応させるか、または該ポリエーテルと炭素数2〜4のポリアルキレングリコールモノカルビルエーテルをアルカリ存在下で反応させる方法である。
また、本発明の好ましい成分(B)は、上記(B1)と(B2)を公知の方法で重合することによって得ることがでる。例えば、ブロック(B1)とブロック(B2)を減圧下200〜250℃で重合反応を行うことにより製造することができる。
(i)ポリアミドを重合した後、ジカルボン酸化合物を添加し、ポリアミド成分の両末端をカルボキシル化し、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールを添加重合しブロック共重合体を得る方法。
(ii)ポリアミド重合時に分子末端基が実質上カルボキシル化されるようにジカルボン酸化合物を過剰に添加重合し、更にポリ(アルキレンオキシド)グリコールを添加重合し、ブロック共重合体を得る方法。
(iii)ポリアミド生成成分と過剰のジカルボン酸化合物、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールを規定量一括添加しブロック共重合体を得る方法。
本発明の成分(B)におけるポリアミドブロック(B1−a)と親水性ポリマーブロック(B2)の質量割合(B1−a)/(B2)は、90/10から10/90の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは80/20〜20/80、特に好ましくは70/30〜30/70である。
更に、本発明の(B1−a)は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
特に好ましいものは、ポリアミドとポリ(アルキレンオキシド)グリコールブロックとがエステル結合で結合されたポリエーテルエステルアミドであり、三洋化成工業社製ペレスタット NC6321、M−140、6500(商品名)として入手できる。
(i)ポリエステルを重合した後、ジカルボン酸化合物を添加し、ポリエステル成分の両末端をカルボキシル化し、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールを添加重合しブロック共重合体を得る方法。
(ii)ポリエステル重合時に分子両末端が実質上カルボキシル化されるようにジカルボン酸化合物を過剰に添加重合し、更にポリ(アルキレンオキシド)グリコールを添加重合し、ブロック共重合体を得る方法。
(iii)ポリエステル生成成分と過剰のジカルボン酸化合物、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールを規定量一括添加しブロック共重合体を得る方法。
本発明の成分(B)におけるポリエステルブロック(B1−b)と親水性ポリマーブロック(B2)の質量割合(B1−b)/(B2)は、90/10〜10/90の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは80/20〜20/80、特に好ましくは70/30〜30/70である。
更に、本発明の(B1−b)は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
このような(B1−b)を含む成分(B)としては、例えば、竹本油脂社製TEP004、TEP010、TEP008(商品名)として入手できる。
更に本発明の目的である、制電性を更に向上させる目的から、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の塩(D)(本明細書中、「成分(D)」ということもある。)を含有させることができる。これらの成分は、成分(B)の重合前、成分(B)の重合時に含有させることもできるし、成分(B)の重合後に含有させることも、また本発明の制電性樹脂組成物を製造する際に配合することも、またこれらを組み合わせた方法で含有させることもできる。
成分(D)としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属および/またはマグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の有機酸、スルホン酸、無機酸の塩、及びハロゲン化物等が挙げられる。
本発明の成分(C)は、フッ素化アルキルスルホニル基を備えたアニオンを有する塩(C1)及び非イオン界面活性剤(C2)からなる群より選ばれた少なくとも1種であり、これらの成分を配合することで、更に制電性を向上させることができる。
ここで使用される成分(C1)は、フッ素化アルキルスルホニル基を1以上備えてなるアニオンと適当なカチオンとからなる塩を意味する。アニオン中に含まれるフッ素化アルキルスルホニル基としては、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸などのフッ素化された低級アルキルスルホニル基、特に、パーフルオロアルキルスルホニル基などが挙げられる。成分(C1)を構成するアニオンとしては、トリフルオロメタンスルホン酸自体の他、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドなどの一以上の好ましくは複数のトリフルオロメタンスルホニル基で水素原子が置換されたメチド、アンモニア等の誘導体が挙げられる。成分(C1)を構成するカチオンとしては、代表的には、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属が挙げられる。成分(C1)の具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドナトリウム、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウム、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドカリウム及びトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドナトリウム等が挙げられる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましい成分(C1)は、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム及びトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウムである。
成分(C1)を溶解させる溶剤として特に好ましいものは、水、または下記式(8)で示される化合物である。
本発明の成分(C1)を溶解する場合の濃度は、好ましくは0.1〜80質量%、更に好ましくは1〜60質量%の範囲である。
多価アルコールエステル化合物(C2−1)としては、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノミリステート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンモノオレエート、グリセリンモノラウレートなどのグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリンモノミリステート、ジグリセリンモノパルミテート、ジグリセリンモノステアレート、ジグリセリンモノベヘネート、ジグリセリンモノオレートなどのジグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノベヘネート、ソルビタンモノラウレートなどのソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられ、これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
特に好ましいものは、グリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート及びこれらを少なくとも20質量%含有するもの等が挙げられる。
更に、上記充填材の分散性を向上させる目的から、公知のカップリング剤、表面処理剤、集束剤等で処理したものを用いることができ、公知のカップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等がある。
上記無機・有機充填材は、本発明の制電樹脂組成物100質量部に対して、1〜200質量部の範囲で通常使用される。
上記シート、フィルムは、単層シート、フィルムであってもよく、また他材料と多層化したものであってもよく、粘着剤等を積層したシート、フィルムであってもよい。更に前記シート、フィルムに公知のガスバリア膜を形成させることもできる。
上記2層及び多層シート及びフィルムに積層される本発明の制電性樹脂組成物の厚みは、安定的に制電性を発現させる目的から好ましくは10μm以上、更に好ましくは50μm以上、特に好ましくは80μm以上の厚みである。このような多層シート及びフィルムを得る方法として、特に好ましい方法は、Tダイによる共押出、インフレーションによる共押出である。このようにして得られたシート及びフィルムは、必要に応じて真空成形等でトレイ等の成形品にすることができる。
(1)ゴム質重合体のゲル含率;前記の方法に従った。
(2)ゴム質重合体ラテックスの数平均粒子径;
成分(A1)の形成に用いるゴム質重合体ラテックスの数平均粒子径は、光散乱法で測定した。測定機は、大塚電子社製LPA―3100型を使用し、70回積算でミュムラント法を用いた。尚、成分(A1)中の分散グラフト化ゴム質重合体粒子の粒子径は、ラテックス粒子径とほぼ同じであることを電子顕微鏡で確認した。(3)成分(A1)のグラフト率;前記の方法に従った。
(4)成分(A1)のアセトン可溶分及び成分(A2)の極限粘度〔η〕;前記の方法に従った。
厚み2.4mmの平板、または厚み1mmのシートを、米国連邦政府試験基準 101C 4046に準拠して、温度23℃、湿度12%RHの条件下に48時間放置した後、+5KVの電圧を印加後接地し50Vに減衰するまでの時間(秒)を測定した。減衰時間が短い程、制電性に優れることを示す。
(6)耐衝撃性;
厚み2.4mmの平板、または厚み1mmのシートを、1/2インチ径の打撃棒が速度2.4m/secで破壊するエネルギー(kgf・cm)を測定した。
(7)成形品外観
厚み2.4mm平板、または厚み1mmのシートの表面を目視観察し、下記評価基準で目視評価した。
〇;平滑な外観で良好。
×;表面に凹凸等が見られ平滑でない。
(8)透明性
厚み2.4mm平板、または厚み1mmのシートについて、ASTM D1003に準拠してヘイズを測定し、下記基準で評価した。
〇;透明性に優れる(ヘイズが30%以下である)。
×;透明性が劣る又は不透明である(ヘイズが30%を超える)。
(1)成分(A)
(1−1)製造例1;A1−1(ポリブタジエン−スチレン−アクリロニトリル共重合体)
攪拌機を備えた内容積7Lのガラス製フラスコに窒素気流中で、イオン交換水75部、ロジン酸カリウム0.5部、tert−ドデシルメルカプタン0.1部、ポリブタジエン
ラテックス(平均粒子径;3500Å、ゲル含率;85%)40部(固形分)、スチレン15部、アクリロニトリル5部を加え、攪拌しながら昇温した。内温が45℃に達した時点で、ピロリン酸ナトリウム0.2部、硫酸第一鉄7水和物0.01部、及びブドウ糖0.2部をイオン交換水20部に溶解した溶液を加えた。その後、クメンハイドロパーオキサイド0.07部を加えて重合を開始した。1時間重合させた後、更にイオン交換水50部、ロジン酸カリウム0.7部、スチレン30部、アクリロニトリル10部、tert−ドデシルメルカプタン0.05部およびクメンハイドロパーオキサイド0.01部を3時間かけて連続的に添加し、更に1時間重合を継続させた後、2,2´−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)0.2部を添加し重合を完結させた。反応生成物のラテックスを硫酸水溶液で凝固、水洗した後、乾燥してゴム強化スチレン系樹脂A1−1を得た.この重合体A1―1のグラフト率は68%、アセトン可溶分の極限粘度[η]は、0.45dl/gであった。
攪拌機を備えた内容積7Lのガラス製フラスコに窒素気流中で、ポリブタジエンラテックス(平均粒子径;2500Å、ゲル含率;80%)20部(固形分)、ロジン酸カリウム0.5部、イオン交換水150部を加え、攪拌を開始した。メタクリル酸メチル14.7部、スチレン5.3部を加えた後、昇温を行ない、内温が40℃に到達した時点で、スルホキシレート系開始助剤水溶液とクメンハイドロパーオキサイド0.05部を添加し重合反応を開始した。重合開始1時間後から、メタクリル酸メチル44部、スチレン16部、ロジン酸カリウム0.5部、イオン交換水25部からなるエマルジョン液、クメンハイドロパーオキサイド0.1部、またスルホキシレート系開始助剤の水溶液を4時間かけて連続的に添加しながら重合反応を行った後、更に2時間攪拌を継続した。その後50℃まで冷却し、重合反応を終了させた。反応生成物のラテックスを硫酸水溶液で凝固、水洗した後乾燥を行いゴム強化スチレン系樹脂A1−2を得た。この重合体A1−2のグラフト率は83%、極限粘度[η]は、0.65であった。
製造例1において、ポリブタジエンラテックスを用いず、ロジン酸カリウムをドデシルベンゼンスルホン酸カリウムに変えた。また、1段目の単量体成分をスチレン/アクリロニトリル/2−ヒドロキシ−エチル−メタクリレート=22.5/7.5/3.5部に変えた。更に連続添加成分をスチレン/アクリロニトリル/2−ヒドロキシ−エチル−メタクリレート=44.7/14.9/6.9部に変えた。上記変更点以外は、全て、製造例1と同様の方法で重合した。反応生成物のラテックスを硫酸マグネシウム水溶液を用いて凝固、水洗した後、乾燥してスチレン系重合体A2−1を得た。本重合体A2−1の極限粘度[η]は、0.44であった。
内容積30Lのリボン翼を備えたジャケット付き重合反応容器を2基連結し、窒素置換した後、1基目の反応容器にスチレン75部、アクリロニトリル25部、トルエン20部を連続的に添加した。分子量調節剤としてtert−ドデシルメルカプタン0.06部およびトルエン5部の溶液、および重合開始剤として、1,1´−アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)0.1部、およびトルエン5部の溶液を連続的に供給した。1基目の重合温度は、110℃にコントロールし、平均滞留時間2.0時間、重合転化率57%であった。得られた重合体溶液は、1基目の反応容器の外部に設けたポンプにより、スチレン、アクリロニトリル、トルエン、分子量調節剤、および重合開始剤の供給量と同量を連続的に取り出し2基目の反応容器に供給した、2基目の反応容器の重合温度は、130℃で行ない、重合転化率は75%であった。2基目の反応容器で得られた共重合体溶液は、2軸3段ベント付き押出機を用いて、直接未反応単量体と溶剤を脱揮し、極限粘度
[η]0.62のスチレン系樹脂A2−2を得た。
攪拌機、ジャケット付きオートクレーブを窒素置換したのち、窒素気流中でメタクリル酸メチル73.4部、スチレン26.6部、トルエン20部、tert−ドデシルメルカプタン0.05部を投入した後、攪拌及び昇温を開始した。内温が50℃に到達した時点で、ベンゾイルパーオキサイド0.5部を添加し、更に昇温し、80℃に達した後、80℃一定で制御しながら重合反応を行なわせた。反応開始後6時間目から1時間を要して120℃まで昇温し、更に2時間反応を行なって終了した。100℃まで冷却後、反応混合物をオートクレーブより抜き出し、水蒸気蒸留により未反応物を留去した後、粉砕し、ベント付き押出機で脱揮しペレット化し、スチレン系重合体A2−3を得た。本重合体A2−3の極限粘度[η]は、0.65であった。
(2−1);重合体B1;三洋化成工業社製ポリアミド−ポリエーテルマルチブロック共重合体“ペレスタットM−140”(商品名)を用いた。
(2−2);重合体B2;三洋化成工業社製ポリアミド−ポリエーテルマルチブロック共重合体“ペレスタットNC6321”(商品名)を用いた。
(2−3);重合体B3;三洋化成工業社製ポリアミド−ポリエーテルマルチブロック共重合体“ペレスタット6500”(商品名)を用いた。
(2−4);重合体B4;竹本油脂社製ポリエステル−ポリエーテルマルチブロック共重合体“TEP004”(商品名)を用いた。
(3−1);C1−1;三光化学工業社製 サンコノールAQ−50T(水を溶媒とするトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウム含有量50%の水溶液)
(3−2);C1−2;三光化学工業社製 サンコノール0862−10T(有機溶媒を溶媒とするトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウム含有量10%の溶液)
(3−3);C2−1;花王社製 エレクトロストリッパーTS−5(非イオン界面活性剤;ステアリルモノグリセライド)
表1記載の成分を表1記載の配合割合で、ヘンシエルミキサーにより混合した後、二軸押出機(シリンダー設定温度220℃)を用いて溶融混練し、ペレット化した。得られたペレットを十分に乾燥し、本発明の制電性樹脂組成物を得えた。得られた組成物を射出成形機(220℃)で成形し、厚み2.4mmの平板を得た。
また、共押出(温度200℃)により、表1記載の重合体からなる厚み800μmのコア層の表面及び裏面に、上記制電性樹脂組成物からなる厚み100μmの層を形成し、肉厚1.0mmの三層シートを得た。
上記、厚み2.4mmの平板及び厚み1.0mmのシートを用い、前記方法で制電性、耐衝撃性、成形品外観、及び透明性を評価した。
本発明の実施例1〜11の成形品は、制電性耐衝撃性、成形品外観に優れる。
一方、比較例1は、本発明の成分(B)の使用量が発明の範囲外で少なく、本発明の成分(A)の使用量が本発明の範囲外で多い例であり、制電性が劣る。比較例2は、本発明の成分(B)の使用量が発明の範囲外で多く、本発明の成分(A)の使用量が本発明の範囲少ない例であり、耐衝撃性及び成形品外観が劣る。比較例3は、本発明の成分(C)の使用量が発明の範囲外で少ない例であり、制電性が劣る。比較例4は、本発明の成分(C)の使用量が発明の範囲外で多い例であり、耐衝撃性及び成形品外観が劣る。
Claims (6)
- (A)ジエン系ゴム、エチレン・α−オレフィン系ゴム、アクリル系ゴム、シリコーン系ゴム及びシリコーン・アクリル系IPNゴムからなる群より選ばれた少なくとも1種からなるゴム質重合体(a)の存在下に、芳香族ビニル化合物を含むビニル系単量体(b)を重合して得られるゴム強化スチレン系樹脂(A1)、及び/又は、該ビニル系単量体(b)の(共)重合体(A2)からなるスチレン系樹脂70〜97質量%、
(B)ポリアミド及び/又はポリエステルのブロック(B1)と、ポリエーテル(B2―a)、ポリエーテル含有親水性ポリマー(B2―b)およびアニオン性ポリマー(B2−c)からなる群より選ばれた少なくとも1種からなる親水性ポリマーのブロック(B2)とを有するブロック共重合体5〜30質量%、
上記成分(A)及び成分(B)を含有してなり(但し、上記成分(A)と成分(B)の合計は100質量%)、
さらに、上記成分(A)と成分(B)の合計100質量部に対して
(C)フッ素化アルキルスルホニル基を備えたアニオンを有する塩(C1)及び非イオン界面活性剤(C2)からなる群より選ばれた少なくとも1種を0.01〜10質量部を含有してなり、
前記スチレン系樹脂(A)のビニル系単量体(b)は、さらに、シアン化ビニル化合物を含むとともに、酸無水物基、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基及びオキサゾリン基からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基を含有するビニル系化合物(以下、「特定官能基含有ビニル系化合物」という)を含み、前記特定官能基含有ビニル系化合物はビニル系単量体(b)全体(100重量%)の0.1〜20質量%を構成していることを特徴とする制電性樹脂組成物。 - 前記特定官能基含有ビニル系化合物がヒドロキシル基を含有するビニル系化合物である請求項1に記載の制電性樹脂組成物。
- 成分(C1)が、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム及びトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウムからなる群より選ばれた少なくとも1種であり、成分(C2)が、多価アルコールエステル化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の制電性樹脂組成物。
- 成分(C1)1〜99質量%及び成分(C2)99〜1質量%を含有してなる(但し、成分(C1)と成分(C2)の合計は100質量%)ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の制電性樹脂組成物。
- 請求項1〜4の何れか1項の制電性樹脂組成物からなる成形品。
- 請求項1〜4の何れか1項に記載の制電性樹脂組成物からなるシートまたはフィルムを、スチレン系樹脂からなるシートまたはフィルムの少なくとも一方の表面に積層してなる積層体。
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