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JP4875408B2 - ベルト式無段変速機搭載車両の制御装置 - Google Patents
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JP4875408B2 - ベルト式無段変速機搭載車両の制御装置 - Google Patents

ベルト式無段変速機搭載車両の制御装置 Download PDF

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Description

本発明はベルト式無段変速機搭載車両の制御装置に関する。
ベルト式無段変速機搭載車両では、エンジンの駆動力をベルト式無段変速機を介して駆動輪へと伝達しており、ベルトの伝達可能トルクはプーリによるベルトの挟持圧によって制御される。ベルトは、エンジンのトルクや駆動輪からの入力トルクの変動によってスリップすることがあり、スリップを生じると摩耗して耐久性が低下する。
そこで、エンジンとベルト式無段変速機との間に設けられるクラッチの伝達可能トルクをベルトの伝達可能トルクより小さく設定することでクラッチを滑らせ、ベルトを保護しようとする技術が特許文献1に記載されている。
特開2004−116606公報
上記従来の技術は、ベルトの代わりにクラッチを滑らせるものであり、クラッチが頻繁に滑るとクラッチが劣化して耐久性が低下する可能性がある。また、クラッチの滑りを防止するためにエンジントルクを低下させると車両の走行駆動力が低下するので走行性能が悪化する。
本発明は、ベルトのスリップ及び車両の走行性能の悪化を防止しながらクラッチの耐久性の低下を防止することを目的とする。
本発明のベルト式無段変速機搭載車両の制御装置は、エンジンの駆動力をクラッチ及びベルト式無段変速機を介して駆動輪へと伝達するベルト式無段変速機搭載車両の制御装置において、クラッチの伝達可能トルクであるクラッチ容量がベルトの伝達可能トルクであるベルト容量より小さくなるように、クラッチ容量及びベルト容量を制御する第1容量制御手段と、車両の運転状態に基づいてクラッチの耐力が限界であるか否かを判定するクラッチ耐力限界判定手段と、第1容量制御手段によってクラッチ容量及びベルト容量を制御しているときに、クラッチの耐力が限界であると判定されたとき、クラッチ容量がベルト容量より大きくなるように、クラッチ容量及びベルト容量を制御する第2容量制御手段とを備える。
本発明によれば、クラッチ容量がベルト容量より小さくなるように制御しているときに、クラッチの耐力が限界であると判定されるとクラッチ容量がベルト容量より大きくなるように制御するので、ベルトのスリップ及び車両の走行性能の悪化を防止しながらクラッチの耐久性の低下を防止することができる。
以下では図面等を参照して本発明の実施の形態について詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1は本実施形態におけるベルト式無段変速機搭載車両の制御装置を示す概略構成図である。エンジン1の駆動力はトルクコンバータ2、前後進切り替え機構3及びベルト式無段変速機4を介して駆動輪5へと伝達される。
トルクコンバータ2は内部に有するオイルの流れによってエンジン1の駆動力を伝達する装置であり、入力要素と出力要素との間を締結することで直結可能なロックアップクラッチを有する。
前後進切り替え機構3は、入力側と出力側との動力伝達経路を切り換える遊星歯車7、前進クラッチ8及び後退クラッチ9から構成され、車両の前進時には前進クラッチ8を締結し、車両の後退時には後退クラッチ9を締結し、中立位置(ニュートラルやパーキング)では前進クラッチ8及び後退クラッチ9を共に解放する。
前進クラッチ8及び後退クラッチ9の締結状態は、コントローラ20からの指令に応じて前進クラッチ圧及び後退クラッチ圧を供給するクラッチ圧調整装置30によって制御される。
クラッチ圧調整装置30は、油圧ポンプ10からの油圧を元圧として前進クラッチ圧及び後退クラッチ圧を調整して、前進クラッチ8と後退クラッチ9の締結または解放を行う。油圧ポンプ10は、前後進切り替え機構3の入力側に連結されてエンジン1によって駆動される。
前進クラッチ8及び後退クラッチ9の締結は排他的に行われ、前進時(レンジ信号=Dレンジ)には、前進クラッチ圧を供給して前進クラッチ8を締結させる一方、後退クラッチ圧をドレンに接続して後退クラッチ9を解放する。後退時(レンジ信号=Rレンジ)には、前進クラッチ圧をドレンに接続して前進クラッチ8を解放させる一方、後退クラッチ圧を供給して後退クラッチ9を締結させる。また、中立位置(レンジ信号=Nレンジ)では、前進クラッチ圧と後退クラッチ圧をドレンに接続し、前進クラッチ8及び後退クラッチ9を共に解放させる。
ベルト式無段変速機4は、一対の可変プーリとして入力軸11に連結されたプライマリプーリ12と、出力軸13に連結されたセカンダリプーリ14とを備え、これら一対の可変プーリ12、14にはベルト15が巻き掛けられる。ベルト15はプライマリプーリ12及びセカンダリプーリ14に挟持され、プライマリプーリ12の回転をセカンダリプーリ14に伝達する。出力軸13はアイドラギアやディファレンシャルギアを介して駆動輪5に連結される。
プライマリプーリ12及びセカンダリプーリ14によるベルト15の挟持圧は、コントローラ20からの指令に応じてプライマリ圧及びセカンダリ圧を供給するプーリ圧調整装置40によって制御される。
プーリ圧調整装置40は、油圧ポンプ10からの油圧を元圧としてプライマリ圧及びセカンダリ圧を調整する。
コントローラ20は、車速センサ16からの車速信号、シフトレバーに応動するインヒビタスイッチ17からのレンジ信号、車両がオフロード走行するとき運転者の意思により又は運転条件によりONになるオフロードスイッチ18からの信号、エンジン1からのエンジン回転速度信号等の運転状態に基づいて、油圧指令値を決定してクラッチ圧調整装置30及びプーリ圧調整装置40へ指令する。
なお、オフロードスイッチ18は車両がオフロード走行するか否かを判断するために設けられており、オフロード走行時に運転者が操作するスイッチでもよいし、高速駆動状態と低速駆動状態とを切替え可能なトランスファーを搭載する車両においては、低速駆動状態が選択されたときONとなるものでもよい。また、運転者の意思とは無関係に車両の走行状態に基づいてONとなるものであってもよい。なお、オフロード走行とは車両が未舗装路などの悪路を走行することである。
本実施形態におけるベルト式無段変速機搭載車両の制御装置は以上のように構成され、前進クラッチ圧及び後退クラッチ圧がクラッチ圧調整装置30によって制御され、プライマリ圧及びセカンダリ圧がプーリ圧調整装置40によって制御されることにより、クラッチ8、9及びベルト15に滑りが生じることを防止している。
しかし、車両がオフロード走行するときは路面がフラットではないので、駆動輪5が段差などを乗り越える際に路面から駆動輪5へとトルク(以下「スパイクトルク」という)が入力される。このときベルト式無段変速機4において、プライマリプーリ12にエンジントルクが入力され、セカンダリプーリ14にスパイクトルクが入力されるので、ベルト15がスリップする可能性がある。
そこで、ベルト15のスリップを防止しながらクラッチ8、9の耐久性の低下を防止するように、以下に説明する制御を行う。
以下、コントローラ20で行う制御について図2〜図4のフローチャートを参照しながら説明する。図2は、本実施形態におけるベルト式無段変速機搭載車両の制御装置の制御を示すフローチャートである。図3はクラッチ容量学習値の演算制御を示すフローチャートであり、図2のフローチャートとは独立して制御される。図4は、図2に示すクラッチ容量制御の終了制御を示すフローチャートである。
ステップS1では、制御フラグが0であるか否かを判定する。制御フラグが0であればステップS2へ進み、1であれば処理を終了する。制御フラグはクラッチ容量制御を行っていることを示すフラグあり、クラッチ容量制御を行っているとき1となり、行っていないとき0となる。クラッチ容量制御は前進クラッチ8又は後退クラッチ9の伝達可能トルクがベルト15の伝達可能トルクより小さくなるように前進クラッチ圧又は後退クラッチ圧を低下させる制御であり、詳細については後述する。
ステップS2(オフロード走行判定手段)では、オフロードスイッチがONであるか否かを判定する。オフロードスイッチがONであればステップS3へ進み、OFFであれば処理を終了する。
ステップS3では、レンジ信号がDレンジ又はRレンジであるか否かを判定する。レンジ信号がDレンジ又はRレンジであればステップS4へ進み、D、Rレンジ以外のレンジであれば処理を終了する。本ステップではシフトポジションがエンジン1の駆動力が駆動輪5へと伝達されるレンジにあることを判定するものであり、D、Rレンジに限られるものではない。
ステップS4では、クラッチが締結途中でないか否かを判定する。クラッチが締結途中でなければステップS5へ進み、クラッチが締結途中であれば処理を終了する。ここで、シフトポジションが例えばNレンジからDレンジに移行したとき、解放状態にある前進クラッチ8に前進クラッチ圧が供給されて前進クラッチ8が締結され、NレンジからRレンジに移行したとき、解放状態にある後退クラッチ9に後退クラッチ圧が供給されて後退クラッチ9が締結される。このように前進クラッチ圧又は後退クラッチ圧が供給されて前進クラッチ8又は後退クラッチ9が解放状態から締結状態へと移行しているとき、クラッチ締結途中であると判定される。
ステップS5ではカウントダウンタイマを作動させる。オフロードスイッチがONとなると、車両がオフロード走行されて駆動輪5からの入力トルクが大きくなるので、プライマリプーリ12及びセカンダリプーリ14への供給油圧を増加させるように制御することでプライマリプーリ12及びセカンダリプーリ14とベルト15との滑りを防止する。そこで、オフロードスイッチがONとなってから、プーリ圧が実際にオフロード走行できる油圧まで上昇するのに要する時間をカウントダウンタイマの初期値に設定する。カウントダウンタイマの初期値は例えば100ms〜200msに設定される。
ステップS6(第1容量制御手段)では、プライマリプーリ12及びセカンダリプーリ14への供給油圧を増大させてベルト容量を増大させる。プライマリプーリ12及びセカンダリプーリ14への供給油圧は予め実験などによって求められる強度限界圧まで上昇させる。
ステップS7では、カウントダウンタイマがゼロであるか否かを判定する。カウントダウンタイマがゼロであればステップS8へ進み、ゼロでなければ処理を終了する。
ステップS8では、クラッチ容量を演算する。クラッチ容量は以下の(1)式に従って演算される。
(クラッチ容量)=(クラッチ容量学習値)×(ベルト容量)−(クラッチ圧バラツキ)−(オフセット値) ・・・(1)
ここで、クラッチ容量学習値はクラッチ8、9がスリップする最大のクラッチ容量をそのときのエンジントルクで除算した値であり、演算方法については後述する。ベルト容量はベルト15の伝達可能トルクであり、各プーリ圧に基づいて演算される。クラッチ圧バラツキはクラッチ圧の誤差分であり、クラッチ圧が指示値より高くなってもクラッチ8、9を滑らせることができるようにするために減算される。オフセット値は所定の値であり、クラッチ8、9を確実に滑らせるために減算される。
ステップS9(第1容量制御手段)では、クラッチ容量を制御する。クラッチ容量がステップS8において演算されたクラッチ容量となるようにクラッチ圧を制御する。
ステップS10では、制御フラグを1にセットする。
次に図3のフローチャートを参照しながらクラッチ容量学習値の演算制御について説明する。なお、図2及び図3の制御開始条件が同時に満たされた場合には図2の制御を優先して行う。
ステップS21では、クラッチ容量学習開始条件が成立したか否かを判定する。クラッチ容量学習開始条件は、以下の6つの条件を所定時間(例えば2s)満足することである。
第1の条件は、クラッチ8、9が締結途中でないことである。クラッチ8、9が締結中でないとは、図2のステップS4において説明したように前進クラッチ圧又は後退クラッチ圧が供給されて前進クラッチ8又は後退クラッチ9が解放状態から締結状態へと移行中でないことである。
第2の条件は、スロットル開度が所定の範囲内であることである。スロットル開度が小いとエンジン1からの入力トルクがほとんどなく、学習値を演算することができない。また、スロットル開度が大きいとエンジン1からの入力トルクが大きいので、クラッチ容量学習制御によって何度もクラッチ8、9を滑らせると耐久性が低下する。
第3の条件は、変速比が所定の変速比より小さいことである。所定の変速比とは変速比が最Highとなる変速比に設定される。
第4の条件は、変速比変化率が所定の変化率より小さいことである。所定の変化率は変速比がほとんど変化していないと判断できる程度の値に設定される。
第5の条件は、油圧指示値の変化率がゼロであることである。油圧指示値は、例えばプーリ12、14への供給圧を制御するステップモータの指示値であり、この指示値は第4の条件と同様に変速比が変化していないと判断できる程度の値に設定される。
第6の条件は、ロックアップクラッチが締結中であることである。ロックアップクラッチが締結中でないとトルクコンバータ2で滑りを生じるのでクラッチ容量学習値を演算することができない。
ステップS22では、カウント値に1を加算する。ここで、カウント値はステップS21を満足し、かつ所定の条件を満足したときに加算される。所定の条件は前回カウント値を加算してからの走行距離やトリップ数などに基づいて設定される。
ステップS23では、カウント値が所定カウント値より大きいか否かを判定する。カウント値が所定カウント値より大きければステップS24へ進み、所定カウント値以下であれば処理を終了する。所定カウント値はクラッチ容量学習制御を行う所望の頻度に応じて設定され、例えばクラッチ8、9の締結及び解放の累積回数が多くなるほどクラッチ8、9のフェーシングのバラツキが大きくなるので、クラッチ容量学習制御を行う頻度が高くなるように設定される。
ステップS24では、クラッチ容量をステップ的に低下させた後、一定のゲインで徐々に低下させる。ゲインはクラッチ8、9が滑り始めたことを正確に検出できるように予め実験などによって求めておく。
ステップS25では、クラッチ滑りが生じたか否かを判定する。クラッチ滑りが生じていればステップS26へ進み、滑りを生じていなければ処理を終了する。クラッチ滑りが生じたか否かはエンジン回転速度とプライマリ回転速度との差によって判断することができる。なお、本制御実行中はロックアップクラッチが締結されているのでトルクコンバータ2において滑りを生じることはほとんどない。
ステップS26では、クラッチ滑りを生じてから所定時間経過後のクラッチ8、9の滑り量が正常範囲内にあるか否かを判定する。クラッチ8、9の滑り量が正常範囲内にあればステップS27へ進み、正常範囲内になければステップS21に戻る。クラッチ8、9の入出力回転速度差、すなわちエンジン回転速度とプライマリ回転速度との差が所定回転速度(例えば20rpm)以下であるときクラッチ8、9の滑り量が正常範囲内にあると判断される。エンジン回転速度とプライマリ回転速度との差が所定回転速度より大きいときは、回転センサの誤検知など何らかの異常が発生していると判断してクラッチ8、9の滑り量が正常範囲内にないと判断される。
ステップS27(クラッチ容量学習手段)では、クラッチ容量学習値を記録する。クラッチ容量学習値とは、ステップS26においてクラッチの滑り量が正常範囲内にあると判断されたときのクラッチ容量であり、このクラッチ容量学習値を記録して前回処理時のクラッチ容量学習値を更新する。
ステップS28では、カウント値をリセットする。
ステップS29では、クラッチ容量を元の値、すなわちエンジン1の最大トルクが入力されても滑らないクラッチ容量まで戻す。
次に図4のフローチャートを参照しながらクラッチ容量制御の終了制御について説明する。なお、本制御は図2の制御と同時に並行して行われる。
ステップS31では、制御フラグが1であるか否かを判定する。制御フラグが1であればステップS32へ進み、0であればステップS39へ進む。
ステップS32では、オフロードスイッチがONであるか否かを判定する。オフロードスイッチがONであればステップS33へ進み、OFFであればステップS36へ進む。
ステップS33では、レンジ信号がDレンジ又はRレンジであるか否かを判定する。レンジ信号がDレンジ又はRレンジであればステップS34へ進み、D、Rレンジ以外のレンジであればステップS36へ進む。
ステップS34では、クラッチ発熱量を演算する。クラッチ発熱量は以下の(2)式に従って演算される。
(クラッチ発熱量)=(トルク)×(相対回転速度)×(滑り時間) ・・・(2)
ここで、トルクはクラッチ8、9が滑ることにより失われるトルクであり、プライマリプーリ12の回転速度の変化速度及びプライマリプーリ12とともに回転するすべての部材のイナーシャ係数に基づいて演算される。相対回転速度はクラッチ8、9の入出力要素の回転速度差であり、例えばプライマリ回転速度がクラッチ滑りによって落ち込んだときの回転速度と滑る前の回転速度との差として演算される。滑り時間はクラッチ8、9が滑っている時間である。
ステップS35(クラッチ耐力限界判定手段)では、前進クラッチ8又は後退クラッチ9の発熱量が所定発熱量より小さいか否かを判定する。クラッチ発熱量が所定発熱量より小さければ処理を終了し、クラッチ発熱量が所定発熱量以上であればステップS36へ進む。所定発熱量はクラッチ8、9の耐久性を保つことができる最大の発熱量であり、クラッチ8、9の締結及び解放を繰り返すほど低くなるように設定される。
クラッチ容量制御によってクラッチ容量が低減されているとき、スパイクトルクの入力によってベルト15の代わりにクラッチ8、9が滑るが、クラッチ8、9の発熱量が所定発熱量を上回るほどクラッチ8、9の滑り量が大きくなるとクラッチ8、9の耐力が限界であると判断して、以下に説明する終了制御を行う。
一方ステップS32、S33又はS35において条件を満たさないと判定されると、ステップS36へ進んで制御フラグを0にセットする。
ステップS37(第2容量制御手段)では、クラッチ容量制御を中止してクラッチ容量を図2のステップS9において制御する前の値、すなわちクラッチ容量の最大値に設定する。クラッチ容量の最大値はエンジン1の最大トルクが入力されても滑らないクラッチ容量である。
ステップS38では、カウントダウンタイマを作動させる。カウントダウンタイマの初期値は、クラッチ容量制御を中止してからクラッチ容量が最大値まで上昇するのに要する時間に設定される。
ステップS39では、カウントダウンタイマがゼロであるか否かを判定する。カウントダウンタイマがゼロであればステップS40へ進み、ゼロでなければ処理を終了する。
ステップS40(第2容量制御手段)では、ベルト容量を図2のステップS6において増大させる前の値まで低減させる。
次に図5、図6のタイムチャートを参照しながら本実施形態の作用について説明する。図5はクラッチ容量学習制御を示すタイムチャートであり、(a)はスロットル開度、(b)はクラッチ容量、(c)はロックアップ容量、(d)は回転速度及び車速、(e)はクラッチ容量学習値をそれぞれ示す。図6は本実施形態におけるベルト式無段変速機搭載車両の制御装置の作用を示すタイムチャートであり、(a)はスロットル開度、(b)はオフロードスイッチ、(c)はエンジントルク、(d)はクラッチ容量、(e)はタイマ、(f)はベルト容量、(g)はクラッチ発熱量をそれぞれ示す。
初めに図5を参照してクラッチ容量学習制御について説明する。時刻t1において、スロットル開度が増大するとエンジン回転速度、プライマリ回転速度及び車速が上昇する。車速の上昇にともなってロックアップ容量を増大させてロックアップクラッチが締結される。
時刻t2において、クラッチ容量学習開始条件が成立するとクラッチ容量をステップ的に低下させた後、一定のゲインで徐々に低下させる。クラッチ容量の低下により時刻t3においてクラッチ滑りを生じ、エンジン回転速度がプライマリ回転速度より高くなる。
所定時間経過後の時刻t4において、クラッチ滑りが正常範囲内にあると判定されるとこの時点におけるクラッチ容量を学習値として記録し、クラッチ容量を元の値に戻して学習を完了する。
次に図6を参照して本実施形態におけるベルト式無段変速機搭載車両の制御装置の作用について説明する。車両が走行中、時刻t1においてオフロードスイッチがONとなるとカウントダウンタイマを作動させ、プーリ12、14への供給油圧を強度限界圧となるまで増大させてベルト容量を増大させる。時刻t2において、カウントダウンタイマがゼロとなるとクラッチ容量を学習値まで低減させる。
その後、前進クラッチ8はスパイクトルクの入力に応じて発熱し、時刻t3において、前進クラッチ8の発熱量が所定発熱量以上となるとクラッチ容量制御を中止してクラッチ容量を最大値に設定するとともにカウントダウンタイマを作動させる。時刻t4においてカウントダウンタイマがゼロとなるとベルト容量を低減させる。
以上のように本実施形態では、ベルト容量を増大させるとともにクラッチ容量を低減させ、クラッチ容量をベルト容量より小さくすることで路面からの入力トルクに対してクラッチ8、9を滑らせ、クラッチ8、9の耐力が限界であると判断されるとクラッチ容量及びベルト容量を元の値に戻し、クラッチ容量をベルト容量より大きくすることでクラッチ8、9の滑りを防止するので、ベルト15のスリップ及び車両の走行性能の悪化を防止しながらクラッチ8、9の耐久性の悪化を防止することができる。(請求項1に対応)
また、クラッチ8、9が滑ることにより発生する熱量が所定の発熱量より多いときクラッチ8、9の耐力が限界であると判定されるので、クラッチ8、9のスリップ防止をベルト15のスリップ防止より優先するタイミングを的確に判断することができ、クラッチ8、9の耐久性の悪化をより確実に防止することができる。(請求項2に対応)
さらに、車両がオフロード走行すると判定されたとき、例えばトランスファーの低速駆動レンジが選択されたとき、ベルト容量を増大させるとともにクラッチ容量を低減させ、クラッチ容量をベルト容量より小さくするので、オフロード走行によって路面からの入力トルクが大きくなってベルト15が滑る状況を的確に判断することができ、ベルト15のスリップをより確実に防止することができる。(請求項3に対応)
さらに、トルクコンバータ2のロックアップクラッチが締結中にクラッチ容量を徐々に低下させていき、クラッチ8、9に滑りを生じたときのクラッチ容量を学習値として予め記録しておき、オフロードスイッチがONとなったときクラッチ容量を記録されている学習値に設定するので、クラッチ容量の低減量が不足してベルト15がスリップすること、及びクラッチ容量を低減しすぎて車両の走行性能が悪化することを防止でき、クラッチ容量を過不足なく制御することができる。(請求項5に対応)
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
例えば、クラッチ8、9の滑りを防止するためにエンジン1からクラッチ8、9への入力トルクがクラッチ容量を超えないようにエンジントルクを制限してもよい。この場合、車両がオフロード走行すると判断されたとき、エンジントルクの制限を中止する。これにより、特に大きなエンジントルクを必要とするオフロード走行中にエンジントルクが制限されることを防止して車両の走行性能の悪化を防止できる。(請求項4に対応)
本実施形態におけるベルト式無段変速機搭載車両の制御装置の構成を示す概略構成図である。 本実施形態におけるベルト式無段変速機搭載車両の制御装置の制御を示すフローチャートである。 クラッチ容量学習値の演算制御を示すフローチャートである。 クラッチ容量制御の終了制御を示すフローチャートである。 クラッチ容量学習値の演算制御を示すタイムチャートである。 本実施形態におけるベルト式無段変速機搭載車両の制御装置の作用を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 エンジン
2 トルクコンバータ
3 前後進切り換え機構
4 ベルト式無段変速機
5 駆動輪
7 遊星歯車
8 前進クラッチ
9 後退クラッチ
10 油圧ポンプ
11 入力軸
12 プライマリプーリ
13 出力軸
14 セカンダリプーリ
15 ベルト
16 車速センサ
17 インヒビタスイッチ
18 オフロードスイッチ
20 コントローラ
30 クラッチ圧調整装置
40 プーリ圧調整装置

Claims (5)

  1. エンジンの駆動力をクラッチ及びベルト式無段変速機を介して駆動輪へと伝達するベルト式無段変速機搭載車両の制御装置において、
    前記クラッチの伝達可能トルクであるクラッチ容量が前記ベルトの伝達可能トルクであるベルト容量より小さくなるように、クラッチ容量及びベルト容量を制御する第1容量制御手段と、
    前記車両の運転状態に基づいて前記クラッチの耐力が限界であるか否かを判定するクラッチ耐力限界判定手段と、
    前記第1容量制御手段によってクラッチ容量及びベルト容量を制御しているときに、前記クラッチの耐力が限界であると判定されたとき、クラッチ容量がベルト容量より大きくなるように、クラッチ容量及びベルト容量を制御する第2容量制御手段と、
    を備えることを特徴とするベルト式無段変速機搭載車両の制御装置。
  2. 前記クラッチ耐力限界判定手段は、前記クラッチが滑ることにより発生する熱量が所定の発熱量より多いとき前記クラッチの耐力が限界であると判定することを特徴とする請求項1に記載のベルト式無段変速機搭載車両の制御装置。
  3. 前記車両がオフロード走行するか否かを判定するオフロード走行判定手段をさらに備え、
    前記第1容量制御手段は、前記車両がオフロード走行すると判定されたとき、クラッチ容量がベルト容量より小さくなるように、クラッチ容量及びベルト容量を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のベルト式無段変速機搭載車両の制御装置。
  4. 前記エンジンから前記クラッチへの入力トルクがクラッチ容量を超えないように前記エンジンのトルクを制限するエンジントルク制限手段をさらに備え、
    前記エンジントルク制限手段は、前記車両がオフロード走行すると判定されたとき前記エンジントルクの制限を中止することを特徴とする請求項3に記載のベルト式無段変速機搭載車両の制御装置。
  5. 前記エンジンと前記クラッチとの間に滑りを生じていない運転状態において、クラッチ容量を徐々に低下させていき、前記クラッチに滑りを生じたときのクラッチ容量を学習値として記録するクラッチ容量学習手段をさらに備え、
    前記第1容量制御手段は、クラッチ容量を前記学習値となるように制御することを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のベルト式無段変速機搭載車両の制御装置。
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