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JP4875926B2 - 多層配線板及びその製造方法 - Google Patents
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JP4875926B2 - 多層配線板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多層配線板に関し、特に、半導体素子を内蔵した多層配線板に関する。
近年、配線板に電子部品等の機能部品を付加することが検討されている。例えば、特許文献1及び2には、凹部(キャビティ)に半導体素子(ICチップ)等の電子部品を収納し、その周囲に樹脂を充填して固定した配線板が開示されている。
特開2002−050874号公報 特開2002−043754号公報
上記特許文献1及び2に開示されているように、半導体素子等を配線板に内蔵することにより、多層配線板の高機能化と高密度化とが可能となる。つまり、半導体素子を内部に収納することにより確保された表層の実装領域に、他の電子部品等を実装することが可能となり、高機能化が可能となる。
また、部品を内蔵することにより、基板自体を小さくすることも可能となり、従来の配線板と比較して、回路を高密度化することができる。
特許文献1及び2に開示された構成では、凹部内の樹脂、樹脂内に残留する空気や湿分が、半導体素子の発生する熱等の要因により、膨張・収縮を繰り返して、凹部内の半導体素子や配線、凹部を形成している各層に応力を加えてしまう。
このような事態が長期間継続すると、例えば、半導体素子と配線板との間の接続部分が劣化してしまう。このため、従来の半導体素子収納タイプの多層配線板では、電気的接続の信頼性を確保するのが難しいという問題があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、電気的接続の信頼性を確保できる半導体素子内蔵型の多層配線板を提供することを目的とする。
また、本発明は、内蔵する半導体素子の発熱による影響を受けにくい多層配線板を提供することを他の目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る多層配線板は、
複数の配線層を備え、内部にキャビティが形成された多層配線基板と、
前記キャビティ内に収容され、封止樹脂で封止されてなる半導体素子と、
前記キャビティ内に空隙が形成されるように部分的に充填され、前記半導体素素子を支持固定する充填樹脂と、
から構成され、
前記充填樹脂は、前記封止樹脂と同様の弾性率を有する弾性樹脂からなり、当該充填樹脂は、前記半導体素子と前記キャビティの内側面及び底面との間に介在することで、前記半導体素子の基板面に平行な方向及び前記半導体素子の基板面に垂直な方向を支持固定する
前記半導体素子の上面部が前記充填樹脂に埋められ、前記半導体素子の側面部に空隙が形成されるように構成することが望ましい。
前記多層配線基板に、前記キャビティと連通する開口を形成することが望ましい。
前記半導体素子を、前記配線層の接続部に、ワイヤーボンディング、TAB、フリップチップ、ベアチップ接続等の手法で接続することが望ましい。
例えば、前記充填樹脂は前記封止樹脂と前記多層配線基板との間に充填される。
前記充填樹脂は、例えば、弾性を有する絶縁性樹脂から構成されている。例えば、前記充填樹脂は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂のいずれかから構成される。
前記半導体素子は、素子基板と、該素子基板の一面に配置された半導体チップと、前記素子基板の他面に配置された接続パッドと、を備え、該素子基板の接続パッドは前記多層配線基板の配線層の接続部に接続されている。
前記多層配線基板に、前記半導体素子の発生する熱を放熱する放熱部が形成されてもよい。
例えば、前記多層配線基板には、前記半導体素子の接続部に繋がるビアが形成される。この場合、前記半導体素子は、前記ビアを介して前記配線層が構成する回路に接続されている。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る多層配線板の製造方法は、
キャビティが形成された第1の基板と、封止樹脂で封止されてなる半導体素子が接続された第2の基板と、を用意し、
前記キャビティ内に前記封止樹脂と同様の弾性率を有する弾性樹脂からなる充填樹脂を配置して、
前記第2の基板を、前記半導体素子が前記キャビティに収容され、前記充填樹脂に前記半導体素子の上部を埋め込むとともに、前記半導体素子の周囲に部分的に空隙を形成するように、前記第1の基板に積層するとともに
前記充填樹脂を、前記半導体素子と前記キャビティの内側面及び底面との間に介在させることで、当該充填樹脂によって前記半導体素子の基板面に平行な方向及び前記半導体素子の基板面に垂直な方向を支持固定させる
ことを特徴とする。
本発明によれば、半導体素子が収納されたキャビティ内に空隙が形成されている。従って、半導体素子の発熱に起因する各部の応力を緩和することができる。このため、各応力に起因する電気的接続の不良化を抑え、電気的接続の信頼性を確保・維持することができる。
以下、本発明の実施の形態にかかる多層配線板について、図面を参照して説明する。
図1に概略断面図で示すように、本実施の形態に係る多層配線板1は、第1の基板10と第1の基板10に積層して接着された第2の基板20とから構成される多層配線基板と、この多層配線基板の内部に形成されたキャビティ14に配置された半導体素子30及び充填樹脂40と、から構成される。
第1の基板10は、積層して配置及び固着された第1絶縁性樹脂基材11と、第2絶縁性樹脂基材12と、層間絶縁体13とから構成される。
第1絶縁性樹脂基材11は、この多層配線板1の一方の実装面を構成し、絶縁性樹脂層から構成されている。
この絶縁性樹脂層は、その厚さが20〜350μmの範囲にあることが望ましい。厚さが20μm未満では、層間の絶縁性の確保が困難になり易く、一方、厚さが350μmを超えると、層間の接続を確保することが困難になるためである。
絶縁性樹脂層としては、例えば、ガラスエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の絶縁性樹脂をガラス織布等の心材に含浸させたプリプレグである樹脂絶縁層等が望ましい。ただし、これらに限定されるものではなく、絶縁性樹脂としては、例えば、ガラスエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等が使用可能であり、心材としては、例えば、ガラス織布、ガラス不織布、アラミド不織布などを使用可能である。従って、絶縁性樹脂基材は、例えば、ガラス布エポキシ樹脂基材、ガラス布ビスマレイミドトリアジン樹脂基材、ガラス布ポリフェニレンエーテル樹脂基材、アラミド不織布−エポキシ樹脂基材、アラミド不織布−ポリイミド樹脂基材などから選択された硬質の樹脂基材から構成される。また、フェノール樹脂基材などでもよい。さらに、一般的に配線基板に使用される樹脂板や樹脂フィルム、又はこれらの複合材料も使用可能である。
第1絶縁性樹脂基材11の一方の主面(表面)と他方の主面(裏面)には、銅箔等の導体から構成された導体パターン111と112が、それぞれ形成されている。導体パターン111と112は、主に回路パターンを形成し、一部は、放熱板として配置されている。導体パターン111,112のうち、放熱板として配置されている部分は、電気的に他から絶縁されていてもよく、或いは、接地電圧などの基準電圧の印加端に接続されていてもよい。導体パターン111と112を構成する導体は、その厚さが5〜20μmの範囲にあることが望ましい。厚さが5μm未満では、後述する製造工程で、レーザ加工により、第1絶縁性樹脂基材11にビア用の開口を形成する際に、開口周縁の銅箔が変形する虞があり、導体回路を形成し難くなる。一方、厚さが20μmを超えると、エッチングにより、微細な線幅の導体回路パターンを形成し難い。
導体パターン111と導体パターン112の相互接続位置には、第1絶縁性樹脂基材11を貫通するビアホール113が形成されている。ビアホール113の内面には銅等の導体めっきが施され、さらに半田等の導体が充填されてビア114が形成され、第1絶縁性樹脂基材11の両面に形成された導体パターン111と112とを接続する。
第1絶縁性樹脂基材11上には、層間絶縁体13が配置及び固着されている。層間絶縁体13は、例えば、第1絶縁性樹脂基材11同様の構成の絶縁層、例えば、厚さ200μm程度のプリプレグ等から構成される。層間絶縁体13は、第1絶縁性樹脂基材11と第2絶縁性樹脂基材12とを電気的に絶縁すると共にこれらを接着する。層間絶縁体13には、半導体素子30を収納するキャビティ14を構成する開口13aが形成されている。
層間絶縁体13の上には、第2絶縁性樹脂基材12が配置及び固着されている。第2絶縁性樹脂基材12は、厚さ200〜1000μm程度の絶縁性樹脂層から構成されており、その両面及び内部には、厚さが5〜20μmの銅箔等の導体から構成された導体パターン121〜124が形成されている。例えば、両主面に形成された導体パターン121と124は、回路パターンを構成し、内部に埋め込まれている導体パターン122は電源配線パターン、導体パターン123はグランド配線パターンを構成する。
第2絶縁性樹脂基材12は、例えば、一面又は両面に導体パターンが形成された第1絶縁性樹脂基材11と同様の樹脂基材を積層して構成される。なお、単層でもよい。
また、第2絶縁性樹脂基材12には、層間絶縁体13の開口13aに対応する位置に開口12aが形成されている。開口12aは、層間絶縁体13の開口13aと共に、半導体素子30を収容するキャビティ14を形成する。なお、開口12aの形状とサイズは、開口13aの形状とサイズと異なっていてもよい。
第2絶縁性樹脂基材12の上には、この多層配線板1の他方の実装面を構成する第2の基板20がキャビティ14を塞ぐように配置され、固着されている。第2の基板20は、厚さ20〜350μmの絶縁性樹脂基材21から構成される。
絶縁性樹脂基材21には、接続用パッド211、導体パターン212,ビア213、貫通孔215が形成されている。
接続用パッド211は、絶縁性樹脂基材21の一方の主面(内面)の、半導体素子30の接続パッドと対向する位置に配置され、半導体素子30の接続パッドとフリップチップ方式等により接続される。接続用パッド211は、厚さ5〜20μm程度の銅箔等の導体から構成される。
また、絶縁性樹脂基材21の他方の主面(表面)は、実装面を構成し、厚さが5〜20μmの銅箔等の導体から構成された導体パターン212が形成されている。
接続用パッド211と導体パターン212の一部は、回路パターンを形成するが、他の一部は、他の回路と接続されず、半導体素子30の発生する熱を放出するための放熱パターンとして機能する。なお、放熱パターンとして機能する導体パターン212は、グランド端子等の基準電圧が印加されている端子に接続されていてもよい。
また、接続用パッド211と導体パターン212との接続位置には、絶縁性樹脂基材21を貫通するビアホール214が形成されている。ビアホール214の内面には導体めっきが施されている。さらに、ビアホール214内には、半田などの導体が充填されてビア213が形成され、絶縁性樹脂基材21の両面の導体を接続する。
貫通孔(空気穴)215は、キャビティ14と連通するように絶縁性樹脂基材21に形成され、キャビティ14と外部とのガスの流通を可能としている。
半導体素子30は、キャビティ14に収容されている。半導体素子30は、プリント配線板31と、プリント配線板31上に積層して配置された第1と第2のIC(Integrated Circuit)チップ321と322を備える。プリント配線板31は、第2の基板20の接続用パッド211に対向する位置に配置されたバンプ電極314を備え、フリップチップによりバンプ電極314を介して、第2の基板20の接続用パッド211に接続されている。
半導体素子30は、封止樹脂315によりモールド封止されており、モジュール化されている。さらに、半導体素子30と絶縁性樹脂基材21との間も、アンダーフィル材316により封止されている。
封止樹脂315及びアンダーフィル材316は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂などの熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂から構成される。
充填樹脂40は、キャビティ14内に、半導体素子30の頭部(半導体素子30の第1絶縁性樹脂基材11と対向する部分)が埋められ、且つ、図2に平面図で示すように、半導体素子30の周囲(側面部)に空隙14aを形成するように配置されている。充填樹脂40は例えば、封止樹脂315と同様の弾性率を有する弾性樹脂であり、半導体素子30の基板面に平行な方向及び基板面に垂直な方向を支持固定する。半導体素子30自体は樹脂封止されており且つ軽量のものなので、このような固定方法であっても、十分な固定強度を得ることができる。
また、第1の基板10(第1及び第2の絶縁性樹脂基材11,12及び層間絶縁体13)及び第2の基板20には、両主面に形成された導体パターン111,212を接続するためのビア101が形成される。ビア101は、内部の導体パターン121〜124にも適宜接続される。
このような構成の多層配線板1においては、キャビティ14内に半導体素子30が収容されている。収容された半導体素子30は、底面に形成されたバンプ電極314と第2の基板20に形成されたビア213を介して複数の導体パターン(配線層)212、121〜124、111、112が形成する回路に接続される。従って、所期の動作を行うことができる。
また、キャビティ14内に半導体素子30が収容されているので、表層の実装領域に、図3に例示するように、他の電子部品(図3では、半導体素子50)等を実装することが可能となり、高機能化が可能となる。また、多層基板を小さくすることも可能となり、従来の配線板と比較して、高密度化することができる。
また、充填樹脂40が、キャビティ14全体ではなく、キャビティ14の底部に、半導体素子30の上面部(頭部)のみが埋められて固定されるように充填され、半導体素子30の側面の周囲は空隙14aである。従って、第1及び第2の基板10,20、充填樹脂40,封止樹脂315の熱膨張率の差に基づく膨張の差や、充填樹脂40や半導体素子30の封止樹脂315に含まれている湿分或いは吸収された湿分が、半導体素子30の発生する熱などの要因により膨張した場合であっても、応力が緩和され、半導体素子30と接続用パッド211との接続部への応力が抑制され、接続及びその信頼性を確保することができる。
さらに、貫通孔215が第2絶縁性樹脂基材21に形成されており、キャビティ14と外部との空気の流通が可能である。従って、充填樹脂40や封止樹脂315に含まれている湿分等が熱などの要因により膨張し、所謂水蒸気爆発を起こしても、貫通孔215を通じて膨張したガスが拡散され、半導体素子30等に加わる応力を抑えることができる。また、貫通孔215を介して接する外部の空気の冷却作用によって、キャビティ14内の温度上昇を抑制することができるので、湿分等の膨張も抑制される。そのため、接続用パッド211と半導体素子30との接続の信頼性を一層確実にすることができる。
また、放熱用の導体パターンが形成されているので、基板に回路パターンのみを配置する場合よりも、熱伝導度の高い導体が基板表面に配置され、放熱効率が高まる。
次に、図4乃至図7を参照して、多層配線板1の製造方法を説明する。
(1)第1の基板10の作成
ガラスエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の絶縁性樹脂をガラス織布等の心材に含浸させたプリプレグである樹脂絶縁層の片面又は主面に銅箔が貼り付けられた絶縁性樹脂基材を用意する。続いて、銅箔を予め定められているパターンにパターニングする。
続いて、絶縁性樹脂基材を積層して加熱プレスすることにより、図4(a)に示すように多層化し、第2絶縁性樹脂基材12を形成する。
なお、絶縁性樹脂としては、前述のように、例えば、ガラスエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等が使用可能であり、心材としては、例えば、ガラス織布、ガラス不織布、アラミド不織布などを使用可能である。従って、絶縁性樹脂基材は、例えば、ガラス布エポキシ樹脂基材、ガラス布ビスマレイミドトリアジン樹脂基材、ガラス布ポリフェニレンエーテル樹脂基材、アラミド不織布−エポキシ樹脂基材、アラミド不織布−ポリイミド樹脂基材などから選択された硬質の樹脂基材から構成される。ただし、これらに限定されるものではなく、フェノール樹脂基材などでもよい。さらに、一般的に配線板に使用されるものを用いることができる。例えば、両面又は片面銅張り積層板や、金属膜を有しない樹脂板、樹脂フィルム、又はこれらの複合材料の片面または両面に金属箔を貼り付けたものが使用可能である。
また、積層される各樹脂基材は、前述のように、その厚さが20〜350μmの範囲にあることが望ましい。厚さが20μm未満では、層間の絶縁性の確保が困難になり易い。一方、厚さが350μmを超えると、層間の接続を確保することが困難になる。
また、銅箔は、前述のように、その厚さが5〜20μmの範囲にあることが望ましい。厚さが5μm未満では、後述するレーザ加工により、第1絶縁性樹脂基材11にビア用の開口を形成する際に、開口周縁の銅箔が変形する虞があり、導体回路を形成し難くなる。一方、厚さが20μmを超えると、エッチングにより、微細な線幅の導体回路パターンを形成し難い。
なお、より厚い銅箔をメッキ等で形成し、これをハーフエッチング処理することにより、その厚さを適宜調整してもよい。この場合には、銅箔の厚みに、上記の数値より大きいものを用いて、エッチング後の銅箔の厚さが、5〜20μmとなるように調整したものであることが望ましい。
樹脂絶縁層の両面に銅箔を張り付けた両面銅張積層板を用いる場合には、それぞれの銅箔の厚さは、上記の範囲内であるが、両面で厚さが異なってもよい。これにより、基板としての強度を確保して後工程での処理を阻害しないようにすることができる。
このようにして形成した樹脂基材の所定の領域を、ザグリ加工、パンチング、レーザ加工などにより除去して、図4(b)に示すように、開口12aを有する第2絶縁性樹脂基材12を形成する。
また、一方で、第1絶縁性樹脂基材11を用意し、ビア形成予定位置に、パンチング、ドリル、レーザ加工などにより、ビアホール113を形成する。続いて、全体に銅メッキを施し、さらに、この銅メッキをパターニングすることにより、図5(a)に示すように、導体パターン111,112と、ビア114が形成された第1絶縁性樹脂基材11が形成される。
また、層間絶縁体13についても、ザグリ加工、パンチング、ドリル、前述したレーザ加工などにより、図5(b)に示すように、開口13aを形成する。
なお、第2絶縁性樹脂基材12及び層間絶縁体13の開口の高さ、すなわちキャビティ14の高さは、収容される半導体素子30自体の厚さ及び封止樹脂40の厚さに応じて決定される。これにより、半導体素子30は、キャビティ14に全体が収容されて、傾きも抑制される。第2絶縁性樹脂基材12及び層間絶縁体13の開口12a、13aのサイズ、すなわちキャビティ14のサイズは、収容される半導体素子30の寸法より大きくなるように形成される。これにより、半導体素子30の周囲、すなわち半導体素子30と第1の基板10との間に空隙14aを形成するための領域を形成する。また、半導体素子30とのクリアランスが確保されるので、半導体素子30をキャビティ14に収納した際の不具合を防止することができる。
導体パターン111及び112とビア114の形成された第1絶縁性樹脂基板11と、開口13aの形成された層間絶縁体13及び第2絶縁性樹脂基材12を、順に、接着材層を介して、図5(c)に示すように積層する。続いて、積層したものを圧着することにより、キャビティ14の形成された第1の基板10が得られる。ここで、接着剤層には、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、熱硬化型ポリフェニレンエーテル樹脂、エポキシ樹脂とシリコーン樹脂との複合樹脂等、種々の接着剤を用いることができる。層間絶縁体13を構成するプリプレグを第1絶縁性樹脂基材11と第2絶縁性樹脂基材12を接着する接着剤層として使用することもできる。
(2)第2の基板20の作成
樹脂絶縁層の両面に銅箔が貼り付けられた絶縁性樹脂基材21を用意する。絶縁性樹脂基材21には、第1の基板10の第1絶縁性樹脂基材11と同じ材料を用いることができる。樹脂絶縁層は、単層でもよく、2層以上に積層して形成したものを用いることもできる。絶縁性樹脂基材21には、上記両面銅張積層板だけでなく、片面のみに銅箔を貼り合わせた片面銅張積層板を用いることができる。
絶縁性樹脂基材21の半導体素子30に面する一方の面にレジストを塗布、露光、現像してパターニングした後、エッチングすることにより接続用パッド211を形成する。他面にも同様の処理を施し、導体パターン212を形成する。
続いて、レーザ源から発生させたレーザ光等により、絶縁性樹脂基材21のビアホール形成位置に、他方の面側からビアホール214を形成する。そして、開口に銅めっきを形成するようにメッキレジストを設け、無電解めっきにより、開口に銅めっき膜を堆積させた後、メッキレジストを除去し、さらに開口の銅めっき膜上に半田を充填して、図6(a)に示すように、接続用パッド211と導体パターン212とを接続するビア213を形成する。
(3)半導体素子30の準備
まず、半導体素子形成用のプリント配線板31を用意する。プリント配線板31は、図6(b)に斜視図で、図6(c)に図6(b)のA−A’線での断面図で示すように、例えば、スルーホールと連結されたボンディングパッド312及びバンプ電極314とICチップ用ダイパッド313とを有する両面銅張積層板311から構成される。なお、ボンディングパッド312は、プリント配線板31のICチップ用ダイパッド313と同一面に形成され、ICチップ321、322との接続用のパッドであり、バンプ電極314は、プリント配線板31のICチップ用ダイパッド313の反対面に形成され、第2の基板20の接続用パッド211との接続用のパッドであり、スルーホールを介してボンディングパッド312に接続されている。
プリント配線板31のICチップ用ダイパッド313上に導電性を有する接着剤等により第1のICチップ321をダイボンディングする。さらに、第1のICチップ321上に接着材により第2のICチップ322をダイボンディングする。これにより、図6(d)に示すように、プリント配線板31上に、第1と第2のICチップ321と322を積層して配置する。さらに、図6(d)に示すように、第1と第2のICチップ321、322上のパッドとプリント配線板31のボンディングパッド312とを金線等のボンディングワイヤ323により接続する。
その後、第1と第2のICチップ321,322やボンディングワイヤ323などが露出しないように封止樹脂315により封止し、図6(e)に示す半導体素子30を形成する。封止方法としては、封止樹脂をポティングする方法やオーバーモールドする方法等を使用できる。
続いて、半導体素子30の露出面のボンディングパッド312上に、金属バンプ、半田バンプ等の接続用の端子などを配置する。
(4)半導体素子30の実装
上記工程で作成された第2の基板20の絶縁性樹脂基材21の接続用パッド211上に、アンダーフィル材316を塗布し、続いて、半導体素子30のバンプ電極314を接続することにより、図6(c)に示すように、第2の基板20に半導体素子30を実装する。
(5)充填樹脂40の塗布
キャビティ14の全容積から半導体素子30の体積を除いた容積(すなわち、キャビティ14内に半導体素子30を収容した時のキャビティ14内の空隙の容積)よりも、形成後の体積が小さくなる量の充填樹脂40を用意する。用意した充填樹脂40を、例えば、ディスペンサにより、図7(a)に示すように、キャビティ14内の第1絶縁性樹脂基材11の半導体素子30に対向する面に塗布する。なお、塗布する代わりに、充填樹脂40の粒やブロックを投入する等してもよい。
(6)第1及び第2の基板10,20の積層(空隙の形成)
第1の基板10と第2の基板20とを、図7(b)に示すように、半導体素子30がキャビティ14に収容されるように接着材層を介して積層及び位置合わせし、加熱しつつ圧着する。このとき、充填樹脂40は熱により溶融され、半導体素子30の上面部(頭部)の形状になじむように変形し、半導体素子30の第1の基板10と対向する面を含む頭部とキャビティ14の内面との間隔を充填し、部分的に空隙14aを生成する。
(7)貫通孔215、ビア101の形成
上記レーザ加工により、第2の基板20側から、絶縁性樹脂基材21を貫通してキャビティ14に連通する貫通孔215、ビア101形成用の貫通口を形成する。そして、上記の無電解めっきにより、ビア101形成用の貫通口に銅めっき膜を堆積させて、ビア101を形成する。
このようにして、半導体素子30をキャビティ14に収容して実装した図1に示す構成の多層配線板1が製造される。
上述したように、このようにして製造された多層配線板1では、キャビティ14に収容された半導体素子30の側面に空隙14aが形成されているので、半導体素子30からの熱による膨張、冷却による収縮などにより発生する応力が緩和される。そのため、半導体素子30と第2の基板20との接続部の劣化などを抑えることができる。
また、樹脂等に残留している湿分が、半導体素子30の発生する熱などの要因により膨張した場合であっても、空隙14aにより、応力が緩和される。さらに、湿分が膨張してキャビティ14内に噴出した場合でも、貫通孔215を通じて外部に放出して圧力の上昇を回避できる。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されず、その変形及び応用等は任意である。
充填樹脂40は、図1に示すように、半導体素子30の頭部が埋め込まれるように配置されることが、半導体素子30の基板面に平行な方向の安定を確保するために望ましい。しかし、これに限定されず、例えば、図8(a)に示すように、半導体素子30の上面と第1絶縁性樹脂基材11との間のみに配置してもよい。また、図8(b)に示すように、充填樹脂40を半導体素子30の側面部に配置してもよい。この場合、キャビティ14内の全ての空隙は貫通孔215に連通していることが望ましい。
また、間隙14aを半導体素子30の周囲全体に分散して配置してもよい。例えば、充填樹脂40として、内部に気泡などの微小孔(ボイド)を含むスポンジ質の樹脂を使用し、図9に示すように、半導体素子30の周囲を充填樹脂40で覆いつつ、気泡・ボイド14bから構成される間隙を半導体素子30の周囲全体に配置するようにしてもよい。
また、貫通孔215は、ある方が望ましいが、配置しなくてもよい。特に、第1の基板10と第2の基板20との接合後に、キャビティ14が外部と連通している構成の場合には、特段貫通坑215を設ける必要は無い。
また、半導体素子30を第2の基板20に実装する方法は、フリップチップに限定されない。例えば、ICチップ321をプリント配線板31に接続する場合と同様に、ワイヤーボンディングにより半導体素子30を第2基板20に接続してもよい。
また、図10(a)に示すようなTAB(Tape Automated Bonding)テープ331にICチップ321をマウントし、TABテープ331上の電極332を第2の基板20の接続用パッド211に接続する手法を採用してもよい。
また、図10(b)に示すように、第2の基板20上に直接ICチップ(ベアチップ)321をマウントする等してもよい。この場合、フリップチップ方式により、ICチップ312の下面に形成した接続パッドを第2の基板20上の接続パッドに直接接続してもよい。また、ICチップ321を第2の基板20に接着剤によりダイボンディングし、第2の基板20上の接続用パッド211とICチップ312の接続パッドとを金線などのワイヤーでワイヤボンディング方式により接続するしてもよい。
なお、第1絶縁性樹脂基材11,第2絶縁性樹脂基材12、及び第2の基板20としては、特に、エポキシ樹脂をガラス織布に含浸させてガラス転移させたBステージのプリプレグと、銅箔とを積層して加熱プレスすることにより得られる片面または両面銅張積層板又はその積層体を用いることが望ましい。銅箔をエッチングした後の取り扱い中に第1絶縁性樹脂基材11の変形が防止されるので、第1絶縁性樹脂基材11に形成された導体回路パターンやビアの位置がずれることがなく、位置精度に優れるからである。各基材又は基板は、多層板に限らず、単層板でもよい。
上記実施の形態では、第2の基板20に接続用パッド211を形成し、この接続用パッド211に半導体素子30を固定した後で、第1の基板10に固定したが、半導体素子30の固定方法や組み立て手順は任意である。例えば、図11(a)に示すように、第1の基板10のキャビティ14内に充填樹脂40を配置し、続いて、半導体素子30を配置する。続いて、絶縁性樹脂基材21をキャビティ14を塞ぐように配置して、加熱圧着することにより、図11(b)に示すように、半導体素子30をキャビティ14に収容してもよい。
この場合、例えば、図12(a)に示すように、レーザなどでビアホール214を加工し、さらに、図12(b)に示すように、絶縁性樹脂基材21の表面及びビアホール214内にメッキを施して銅メッキ層231を形成し、これをパターニングすることにより、導体パターン212とビア213とを形成するようにしてもよい。この構成の場合には、ビア213が半導体素子30のバンプ電極314に直接接続される。
また、図13に拡大して示すように、ビア213内に半田232を充填してもよい。この場合には、ビア213が半導体素子30のバンプ電極314に直接接続される。
上記実施の形態においては、多層配線板1のキャビティ14内に、2つのICチップ321,322を含む1つの半導体素子30を収容する例を示したが、キャビティ14に収容される電子部品の種類や数に制限は無い。例えば、コンデンサ、インダクタンス等の電子部品でもよく、これらの組み合わせをキャビティ14内に収納してもよい。また、収納される電子部品が、1つのモジュールにモジュール化されている必要はなく、図14(a)に示すように、複数の電子部品モジュールをキャビティ14内に配置してもよい。図14(a)には、3つのモジュール化された電子部品30a,30b、30cをキャビティ14内に配置する例を示す。この構成の場合、各モジュール30a〜30cの少なくも頭部の一部が、充填樹脂40により固定され、モジュール30a〜30c相互の間及び、モジュール30a〜30cとキャビティ14の内面との間に空隙が形成されることが望ましい。
また、図14(b)に示すように、複数の電子部品321a〜321cをプリント配線板31に配置し、これをモールドして1つの電子部品モジュールとし、これをキャビティ14内に配置するようにしてもよい。
上記の実施の形態では、ビア114、213、101の形成に際して、無電解めっきにより、ビアホール113、214に銅めっき膜を堆積した。しかし、堆積される金属めっき膜は、銅に限定されず、金、銀、亜鉛、鉄、ニッケル等であってもよい。めっきは、無電解めっきに限定されず、電解めっきを用いることもできる。金属膜を堆積する方法は、めっきに限定されず、真空蒸着、スパッタ蒸着、分子線エピタキシ、イオンプレーティング、CVD等を用いることができる。
その他、キャビティ14内の半導体素子30の周囲に間隙を形成しつつ種々の変形及び応用が可能である。
本発明の実施の形態に係る多層配線板の構成を示す断面図である。 図1に示す多層配線板のキャビティを中心とする構成を示す平面図である。 多層配線板に半導体素子などの電子部品を付加した構成を例示する断面図である。 図1の多層配線板の製造方法を示す概略図であり、特に、第2絶縁性樹脂基材の製造工程を示す図である。 図1の多層配線板の製造方法を示す概略図であり、特に、第1の基板の製造工程を示す図である。 図1の多層配線板の製造方法を示す概略図であり、特に、第2の基板と半導体素子を取り付ける製造工程を示す図である。 図1の多層配線板の製造方法を示す概略図であり、特に、第1の基板のキャビティ内に充填樹脂を配置して、第1の基板と第2の基板とを接合する製造工程を示す図である。 図1の多層配線板の変形例を示す概略断面図であり、充填樹脂の配置を異ならせた例を示す図である。 図1の多層配線板の変形例を示す概略断面図であり、充填樹脂として多孔質のものを使用し、キャビティ全体に充填した例を示す図である。 第2の基板に半導体素子を固定する手法を例示する図である。 図1の多層配線板の製造方法の変形例を示す概略図であり、第1の基板と第2の基板を接合した後に、第2の基板にビアや導体パターンを形成する製造工程を示す図である。 図1の多層配線板の製造方法の変形例を示す概略図であり、第1の基板と第2の基板を接合した後に、第2の基板にビアや導体パターンを形成する製造工程を示す図である。 ビアに半田を充填した例を示す図である。 キャビティに収容する電子部品の応用例を示す図であり、(a)は複数の電子部品モジュールを収納する例、(b)は、1つの電子部品モジュールに複数の電子部品(素子)を配置する例を示す。
符号の説明
1 多層配線板
10 第1の基板
11 第1絶縁性樹脂基材
12 第2絶縁性樹脂基材
13 層間絶縁体
14 キャビティ
14a 空隙
14b ボイド
20 第2の基板
21 絶縁性樹脂基材
30 半導体素子
40 充填樹脂
101 ビア
111、112 導体パターン
113 ビアホール
114 ビア
121〜124 導体パターン(配線層)
211 接続用パッド
212 導体パターン(配線層)
213 ビア
214 ビアホール
215 貫通孔
311 両面銅張積層板
312 ボンディングパッド
313 ICチップ用ダイパッド
314 バンプ電極
315 封止樹脂
316 アンダーフィル材
321,322 ICチップ
323 ボンディングワイヤ
331 TABテープ
332 電極

Claims (11)

  1. 複数の配線層を備え、内部にキャビティが形成された多層配線基板と、
    前記キャビティ内に収容され、封止樹脂で封止されてなる半導体素子と、
    前記キャビティ内に空隙が形成されるように部分的に充填され、前記半導体素素子を支持固定する充填樹脂と、
    から構成され、
    前記充填樹脂は、前記封止樹脂と同様の弾性率を有する弾性樹脂からなり、当該充填樹脂は、前記半導体素子と前記キャビティの内側面及び底面との間に介在することで、前記半導体素子の基板面に平行な方向及び前記半導体素子の基板面に垂直な方向を支持固定する多層配線板。
  2. 前記半導体素子の上面部が前記充填樹脂に埋められ、前記半導体素子の側面部に空隙が形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の多層配線板。
  3. 前記多層配線基板には、前記キャビティと連通する開口が形成されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の多層配線板。
  4. 前記半導体素子は、前記配線層の接続部に、ワイヤーボンディング、TAB、フリップチップ、ベアチップ接続のいずれかにより接続されている、ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の多層配線板。
  5. 記充填樹脂は、前記封止樹脂と前記多層配線基板との間に充填されている、ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の多層配線板。
  6. 前記充填樹脂は弾性を有する絶縁性樹脂から構成されている、ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の多層配線板。
  7. 前記充填樹脂が、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂のいずれかから構成される、ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の多層配線板。
  8. 前記半導体素子は、素子基板と、該素子基板の一面に配置された半導体チップと、前記素子基板の他面に配置された接続パッドと、を備え、該素子基板の接続パッドは前記多層配線基板の配線層の接続部に接続されている、ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の多層配線板。
  9. 前記多層配線基板に、前記半導体素子の発生する熱を放熱する放熱部が形成されている、ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の多層配線板。
  10. 前記多層配線基板には、前記半導体素子の接続部に繋がるビアが形成されており、前記半導体素子は、前記ビアを介して前記配線層が構成する回路に接続されている、ことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の多層配線板。
  11. キャビティが形成された第1の基板と、封止樹脂で封止されてなる半導体素子が接続された第2の基板と、を用意し、
    前記キャビティ内に前記封止樹脂と同様の弾性率を有する弾性樹脂からなる充填樹脂を配置して、
    前記第2の基板を、前記半導体素子が前記キャビティに収容され、前記充填樹脂に前記半導体素子の上部を埋め込むとともに、前記半導体素子の周囲に部分的に空隙を形成するように、前記第1の基板に積層するとともに
    前記充填樹脂を、前記半導体素子と前記キャビティの内側面及び底面との間に介在させることで、当該充填樹脂によって前記半導体素子の基板面に平行な方向及び前記半導体素子の基板面に垂直な方向を支持固定させる、
    ことを特徴とする多層配線板の製造方法。
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