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JP4878684B2 - 低比重シリカ担持触媒 - Google Patents
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JP4878684B2 - 低比重シリカ担持触媒 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロパンもしくはイソブタンの気相接触アンモ酸化反応、または気相接触酸化反応に用いる、モリブデン、バナジウム、アンチモン、ニオブを含有するシリカ担持触媒、および該シリカ担持触媒を用いた不飽和ニトリルまたは不飽和カルボン酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、プロピレンまたはイソブチレンに代わってプロパンまたはイソブタンを原料とし、気相接触アンモ酸化反応や気相接触酸化反応によって不飽和ニトリルや不飽和カルボン酸を製造する技術が注目されており、多数の触媒が提案されている。
それらの中でも特に注目されている触媒系は、反応温度が低く、比較的安定性の高い元素で構成され、また不飽和ニトリルや不飽和カルボン酸の選択率、収率が比較的高いMo−V−Sb−Nbを含む触媒系であり、該触媒系を用いた不飽和ニトリルの製造法が、特開平9−157241号公報、特開平10−28862号公報、特開平10−81660号公報、特開平10−310539号公報、特開平10−330343号公報、特開平11−42434号公報、特開平11−43314号公報、特開平11−57479号公報、特開平11−263745号公報、特開2000−1464号公報、特開2000−143244号公報、特開2000−070714号公報、特開2000−093796号公報、米国特許第6,043,185号明細書等に、該触媒系を用いた不飽和カルボン酸の製造方法が、特開平9−316023号公報、特開平10−118491号公報、特開平10−120617号公報、特開平10−137585号公報、特開平10−230164号公報、特開平11−285637号公報、特開平11−343261号公報、特開2000−51693号公報、特開平11−343262号公報、特開平10−36311号公報、特開平10−45664号公報、特開平9−278680号公報、特開平10−128112号公報等に開示されている。
【0003】
プロパン又はイソブタンの気相接触アンモ酸化反応や気相接触酸化反応は、発熱量の大きな反応である。それゆえ、蓄熱を避け温度分布を均一に保つには流動床反応方式が好ましい。流動床反応に用いるためには、強度が大きく、且つ流動性の高い触媒であることが必要である。そこで触媒強度を付与すべくシリカに担持されたシリカ担持触媒が用いられ、さらに触媒の流動性を高めるために、粒子の見掛け比重を小さく且つ形状を球状にすることが必要である。上記先行文献に記載した触媒のうちシリカ担持触媒はシリカゾルを用いて製造されており、該シリカ担持触媒は、粒子の見掛け比重が大きいため流動性が低いという問題があった。
【0004】
特開平8−141401号公報では、請求項1にモリブデン酸化物および/またはバナジウム酸化物を含む酸化物のシリカ担持触媒で、嵩比重が1.2g/cm3以下のシリカ担持触媒が記載されているが、実施例に記載されているのは、嵩比重が0.87〜0.97g/cm3である、Mo−V−Te−Nb系のシリカ担持触媒のみである。Mo−V−Sb−Nb系のシリカ担持触媒で、細孔容積が0.15cm3/g以上であるシリカ担持触媒の開示はない。該公報の実施例ではシリカ原料は全てシリカゾルを用いて製造している。本発明者らの研究によれば、 Mo−V−Sb−Nb系のシリカ担持触媒の製造において、シリカ原料としてシリカゾルを用いた場合には、細孔容積が0.15cm3/g以上のシリカ担持触媒を得ることができなかった(本発明の比較例を参照)。
【0005】
また、上記引例に記載以外の触媒系として、Mo−V−Te−Nb系のシリカ担持触媒(特開平6−285372号公報、特開平7−144132号公報、特開平8−225506号公報、特開平8−141401号公報、特開平8−57319号公報、特開平10−28862号公報、特開平10−81660号公報、特開平11−42434号公報、特開平11−47598号公報、特開平11−239275号公報等)、V−Sb系のシリカ担持触媒(特開平1−268668号公報、特開平2−2877号公報、特開平2−111444号公報、特開平2−258065号公報、特開平4−275266号公報、特開平5−293374号公報、特開平8−290058号公報、特開平10−272362号公報、特開平11−310562号公報等)等がある。
【0006】
これらの触媒系の製造方法として、上記引例にはシリカ原料としてシリカゾルを用いることが開示されているが、該方法で細孔容積を大きくしようとしてシリカの量を増やしても、細孔容積の増大はわずかであったり、該方法によって選択率、活性等の反応成績が低下するという問題が生じたり、また、細孔容積を大きくしようとして触媒調製の際の水の量をふやしても、細孔容積は変わらずに逆に形状が悪化する等の問題が生じ、触媒の製造工程において触媒の形状を球形に保持できる条件の範囲が狭いという問題があった。
【0007】
【発明の解決しようとする課題】
本発明の目的は、プロパンまたはイソブタンの気相接触アンモ酸化反応によって不飽和ニトリルを、または気相接触酸化反応によって不飽和カルボン酸を製造する際に用いるシリカ担持触媒で、少なくとも、従来の製造法で得られたシリカ担持触媒と同等の反応成績を維持しながら、流動性の高いシリカ担持触媒を提供することである。また、該シリカ担持触媒の製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、プロパンまたはイソブタンの気相接触アンモ酸化反応によって不飽和ニトリルを、または気相接触酸化反応によって不飽和カルボン酸を製造する際に用いるモリブデン、バナジウム、アンチモン、ニオブを含むシリカ担持触媒の製造方法を鋭意検討した結果、平均1次粒子系が50nm以下である粉体シリカを用いることで、細孔容積が0.15cm3/g以上であるシリカ担持触媒を製造できることを見いだし、本発明をなすに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
1. プロパンまたはイソブタンの気相接触アンモ酸化反応によって不飽和ニトリル、または気相接触酸化反応によって不飽和カルボン酸を製造する際に用いる、下記(a)、(b)、(c)の要件を満たすシリカ担持触媒、
(a)下記式(I)で示される成分組成を有していること。
Mo1aSbbNbcdn (I)
(式中、ZはW、Cr、Ti、Al、Ta、Zr、Hf、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Zn、B、Ga、In、Ge、Sn、P、Pb、Bi、Y、希土類元素およびアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素を表す。a、b、c、dおよびnはMo、1原子あたりの原子比を表し、a、b、c、dは各々0.1≦a≦1、0.01≦b≦0.6、0.01≦c≦0.3、0≦d≦1であり、そしてnは構成金属の酸化状態によって決まる原子比である。)
【0010】
(b)式(I)で示される成分組成を有する酸化物が、20〜60重量%のシリカに担持されていること。
(c)細孔容積が0.15cm3/g以上であること。
(d)嵩比重が1.0g/cm 3 以下
2. プロパンまたはイソブタンの気相接触アンモ酸化反応によって不飽和ニトリルを製造する際に、または気相接触酸化反応によって不飽和カルボン酸を製造する際に用いる、モリブデン酸化物および/またはバナジウム酸化物を含有するシリカ担持触媒の製造方法において、平均1次粒子径が50nm以下である粉体シリカをシリカ原料の一部または全部に用い、粉体シリカに対して重量比で5倍以上の水に懸濁させて懸濁シリカ原料液としてから構成金属と混合することを特徴とするシリカ担持触媒の製造方法、
【0011】
3. シリカ原料が粉体シリカを10重量%以上含有することを特徴とする2に記載のシリカ担持触媒の製造方法、
4. 粉体シリカの嵩比重が、0.2g/cm3以下であることを特徴とする2または3に記載のシリカ担持触媒の製造方法、
5. 粉体シリカが、高熱法で製造されたものであることを特徴とする2、3または4に記載のシリカ担持触媒の製造方法、
6. モリブデン酸化物および/またはバナジウム酸化物を含有するシリカ担持触媒が、下記式(I)で示される成分組成を有する酸化物のシリカ担持触媒であることを特徴とする2〜5のいずれかに記載のシリカ担持触媒の製造方法、Mo1aSbbNbcdn (I)
(式中、ZはW、Cr、Ti、Al、Ta、Zr、Hf、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Zn、B、Ga、In、Ge、Sn、P、Pb、Bi、Y、希土類元素およびアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素を表す。a、b、c、dおよびnはMo、1原子あたりの原子比を表し、a、b、c、dは各々0.1≦a≦1、0.01≦b≦0.6、0.01≦c≦0.3、0≦d≦1であり、そしてnは構成金属の酸化状態によって決まる原子比である。)
【0012】
7. 実質的に酸素を含まないガス雰囲気下、500℃〜700℃で焼成する工程を有することを特徴とする2〜6のいずれかに記載のシリカ担持触媒の製造方法、
8.プロパンまたはイソブタンの気相接触アンモ酸化反応によって不飽和ニトリルを製造する方法において、1に記載のシリカ担持触媒を用いることを特徴とする不飽和ニトリルの製造方法、
9.プロパンまたはイソブタンの気相接触酸化反応によって不飽和カルボン酸を製造する方法において、1に記載のシリカ担持触媒を用いることを特徴とする不飽和カルボン酸の製造方法、である。
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のシリカ担持触媒は、下記(a)、(b)、(c)の要件を満たすシリカ担持触媒である。
(a)下記式(I)で示される成分組成を有していること。
Mo1aSbbNbcdn (I)
(式中、ZはW、Cr、Ti、Al、Ta、Zr、Hf、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Zn、B、Ga、In、Ge、Sn、P、Pb、Bi、Y、希土類元素およびアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素を表す。a、b、c、dおよびnはMo、1原子あたりの原子比を表し、a、b、c、dは各々0.1≦a≦1、0.01≦b≦0.6、0.01≦c≦0.3、0≦d≦1であり、そしてnは構成金属の酸化状態によって決まる原子比である。)
(b)上記式(I)で示される成分組成を有する酸化物が、20〜60重量%のシリカに担持されていること。
(c)細孔容積が0.15cm3/g以上であること。
【0014】
(a)に関して説明する。Zは好ましくは、Al、Ge、Sn、Zr、W、Ti、Cr、Ta、Re、B、In、P、Bi、Y、希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素である。aは好ましくは0.1≦a≦0.5、より好ましくは0.15≦a≦0.4であり、bは好ましくは0.1≦b≦0.4、より好ましくは0.13≦b≦0.3である。cは好ましくは0.02≦c≦0.2、より好ましくは0.03≦c≦0.15である。dは好ましくは0≦d≦0.5、より好ましくは0.01≦d≦0.3である。好ましくはa<bである。
【0015】
(b)に関して説明する。式(I)で示される成分組成を有する酸化物が、30重量%〜55重量%のシリカに担持されていることが好ましく、40重量%〜50重量%のシリカに担持されていることが特に好ましい。シリカが60重量%より多いと選択率が低く、シリカが20重量%より少ないと触媒の強度が弱くなる。
なおシリカの重量%は、(I)式の酸化物の重量をW1、シリカの重量をW2として、下記の式(II)式で定義される。W1は、仕込み組成と仕込み金属成分の酸化数に基づいて算出された重量である。W2は、仕込み組成に基づいて算出された重量である。
シリカの重量%=100×W2/(W1+W2) (II)
【0016】
(c)に関して説明する。細孔容積は0.15cm3/g以上で0.80cm3/g以下であり、好ましくは0.20cm3/g以上で0.60cm3/g以下である。細孔容積が0.15cm3/gより小さいと流動性が悪く、0.80cm3/gより大きいと触媒強度が弱くなる。
細孔容積の測定は、水銀圧入法で測定することができる。細孔容積は、細孔径分布曲線のバックグラウンドが0の場合、1000オングストローム以下の累積細孔容積であり、細孔径分布曲線のバックグラウンドが0でない場合は、1000オングストローム以下の累積細孔容積からバックグラウンド容積を差し引くことによって求める。
【0017】
バックグラウンドが0でない場合は、細孔径分布曲線のピークのすそが0に収束していない場合であり、バックグラウンド容積とは、細孔径分布曲線のピークのバックグラウンドを直線で結んだときに、その直線が細孔径分布曲線と接するが、その接したときの細孔径以下(ピークの小細孔側が0に収束していない場合)、またはその細孔径以上(ピークの大細孔側が0に収束していない場合)の容積である。
【0018】
具体例として、実施例の図1、図3、比較例の図4、図5のうち、図1については小細孔側でバックグラウンド容積を差し引いて細孔容積としてある。計算にあたりシリンダーモデルを用いるものとする。
本発明の触媒は、好ましくは、下記で定義する球体指標を用いると、80〜100であり、特に好ましくは90〜100である。このような範囲にあると触媒の流動性が高いため好ましい。
【0019】
球体指標とは、倍率150倍で粒子群の写真撮影を行い、全粒子の数、球体粒子の数を数えることによって得られる粒子群の球体の度合いを示す指標である。即ち、まず球体率(=球体粒子/全粒子×100)を算出する。20μ以下の粒子は、球体粒子、全粒子のいずれからも除外して数える。形が球体でない粒子のうち、半円や外周が円である等2つに割れる等の形態から原型は球体であったが割れた粒子は、球体粒子、全粒子のいずれからも除外して数えた。原型が球体であったかどうか不明な粒子は、全粒子に数えた場合と、全粒子に数えない場合で各々で球体率を計算し、その平均値から、球体指標、すなわち球体率の1の位を切捨てた値Aと、該値に10を加えた値Bを用いてA〜Bと表記した値である。
【0020】
本発明のシリカ担持触媒は、細孔容積が0.15cm3/g以上であるので、該シリカ担持触媒の形状の球体指標が80〜100であっても、下記で定義する未使用のシリカ担持触媒の嵩比重が1.0g/cm3以下である。一方、細孔容積が0.15cm3/g未満であっても、形状の球体指標が80未満であれば嵩比重は1.0g/cm3以下となりうる。ここで未使用と定義するのは、流動床反応においてシリカ担持触媒が磨耗した場合に、嵩比重が変化することがあるからである。
【0021】
なお、シリカ担持触媒の嵩比重D(g/cm3)は、容量V(cm3)が正確にわかっている約25cm3メスシリンダー(直径約21mm)に、シリカ担持触媒を充填したときの重量W(g)から次式(III)によって算出される。
D=W/V (III)
シリカ担持触媒充填量W(g)の測定方法は、図7の(a)に示すようにロートをその下端がメスシリンダー上面から3cmの高さになるように設置し、ロートからシリカ担持触媒をメスシリンダーに自由落下させ、メスシリンダーからシリカ担持触媒があふれるようになったところでメスシリンダーへのシリカ担持触媒の供給を停止し、図7の(b)に示すようにカッターナイフ等を用いてメスシリンダーの上面を超えて積まれたシリカ担持触媒を削ぎ落とす。
【0022】
この間、メスシリンダーに振動等を与えないようにする。メスシリンダーの外側の器壁等に付着しているシリカ担持触媒をハケ等で除去したのち、シリカ担持触媒の充填されたメスシリンダーの重量を測定し、あらかじめ測定しておいたメスシリンダーの重量を引くことによって充填されたシリカ担持触媒の重量を測定する。この作業を2回繰り返しその平均値をW(g)とする。
シリカ担持触媒にドーナツ状の穴が開くなどして形状が悪化し、球体指標が0〜10に近づくと、嵩比重は1.0g/cm3以下と小さくなるかもしれないが、それは形状が悪化してメスシリンダーへの充填量が減少したためであって、実質的な比重支配要因である細孔容積は0.15cm3/g未満と変わらない。すなわち、細孔容積によって決まる触媒粒子自体の比重は変わらず、一方形状悪化によって触媒流動性は悪化する。
【0023】
以下、本発明のシリカ担持触媒の製造方法について説明する。
本発明のシリカ担持触媒の製造方法は、プロパンまたはイソブタンの気相接触アンモ酸化反応によって不飽和ニトリルを製造する際に用いる、または気相接触酸化反応によって不飽和カルボン酸を製造する際に用いる、モリブデン酸化物および/またはバナジウム酸化物を含有するシリカ担持触媒の製造方法において、平均1次粒子径が50nm以下である粉体シリカをシリカ原料の少なくとも一部として用いることを特徴とするシリカ担持触媒の製造方法である。
【0024】
シリカには、一般名でコロイダルシリカ、シリカゾル等の透明性の状態をとるゾル(商品名としてはスノーテックス、カタロイドS等)と、ゾルにならずに水の中で懸濁をする不透明白色の粉体シリカがあるが、本発明のシリカ担持触媒の製造方法においては、平均1次粒子径が50nm以下である粉体シリカをシリカ原料の一部または全部として用いて製造される。中でも粉体シリカとシリカゾルを混合して用いることが好ましく、粉体シリカの全シリカ原料中の好ましい含有量は、全シリカ原料に対して、10〜90重量%であり、より好ましくは25〜60重量%である。
【0025】
ここで不透明とは、5重量%の懸濁液としたときに波長λ=600nmでの吸光度A(=log10(I0/I))>0.5である状態を指す。I0は入射光の強さ、Iは透過した光の強さであり、厚さ1cmの石英セルに液を入れて測定される。
シリカゾルと粉体シリカの違いは、シリカゾルが電気2重層によってシリカの1次粒子間の静電気的な反発力によって1次粒子の凝集を抑制し、この結果、透明性の状態をとっているのに対して、粉体シリカの場合はシリカの1次粒子は水素結合等によって粒子間で結合を形成し、この結果、不透明性の状態をとることと考えられる。粉体シリカは水に懸濁させて得られた懸濁シリカ原料液として用いることが好ましい。
【0026】
粉体シリカの平均1次粒子径は、50nm以下0.1nm以上であることが好ましく、更に好ましくは30nm以下0.5nm以上であり、特に好ましくは15nm以下1nm以上である。平均1次粒子径は透過型電子顕微鏡等、高分解能電子顕微鏡を用いて測定することができる。粉体シリカの平均1次粒子径が50nmより大きいと、粉体シリカの添加量に対して、細孔容積の増大の度合いが小さく、また0.1nmより小さいと、触媒製造工程における取り扱い性がよくない。
【0027】
粉体シリカの嵩比重は、0.001g/cm3以上0.2g/cm3以下が好ましく、更に好ましくは0.005g/cm3以上0.1g/cm3以下であり、特に好ましくは0.01g/cm3以上0.05g/cm3以下である。
粉体シリカの平均1次粒子径、嵩比重が好ましい範囲であれば、製法は高熱法、沈降法等の公知の方法(Indutrial and Engineering Chemistry 51巻 232(1959年)、AngwandteChemie 72巻 744(1960年)、Chem.Ing.Techn.48巻 922(1976年)、Encyclopadie der Technischen Chemie 4 Aufl.21巻 462(1982年)、日本アエロジル株式会社カタログ No.17 AEROSILの基本特性等)を用いることができるが、高熱法、すなわち、四塩化珪素を900〜1000℃程度の高温下、酸素、水素とともに噴霧して製造されたものが好ましい。
【0028】
本発明の方法によって製造されたシリカ担持触媒は、細孔容積が大きく比重が小さいばかりか、幅広い触媒製造条件、すなわち幅広い固形分濃度でシリカ担持触媒の球体率を高くすることができる。
ここで固形分濃度とは下記式(IV)によって定義される触媒調製の際の水の量によって変化する値である。固形分重量とは、室温で固体、あるいは液体であっても水を除去したときに固形分として残る触媒原料の重量であり、結晶水を含む場合は、更にこれを除いた値である。例えば、結晶水を含む触媒原料の場合は、結晶水の重量を除いた触媒原料の重量であり、シリカゾル等のゾルや水溶液形態の触媒原料であれば、水を除いた触媒原料の重量である。過酸化水素等の室温で液体である原料は固形分重量に含めない。
C=[(固形分重量)/(触媒原料液重量)]×100 (IV)
【0029】
本発明でいうモリブデン酸化物および/またはバナジウム酸化物を含有するシリカ担持触媒とは、V−Sb系触媒、Mo−V−Te−Nb系触媒、Mo−V−Sb−Nb系触媒といった酸化物をシリカに担持して得られるシリカ担持触媒である。中でも前記式(I)で示される成分組成を有するMo−V−Sb−Nb系酸化物をシリカに担持して得られるシリカ担持触媒が好ましい。
【0030】
シリカ担持触媒に含まれるシリカ量は、シリカ担持触媒の全重量に対して20〜60重量%であり、30重量%〜55重量%のシリカに担持されていることが好ましく、40重量%〜50重量%のシリカに担持されていることが特に好ましいが好ましい。シリカが60重量%より多いと選択率が低く、シリカが20重量%より少ないと触媒の強度が弱くなる。
本発明のシリカ担持触媒は実質的に酸素を含まないガス雰囲気下、500℃〜700℃、好ましくは570℃〜650℃で焼成されて製造されることが好ましい。実質的に酸素を含まないガス雰囲気下とは微量酸素分析計で測定して1000ppm以下である。
【0031】
本発明のシリカ担持触媒を製造するためのシリカ以外の構成成分の原料は下記の化合物を用いることができる。
モリブデン原料としては、ヘプタモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸化物、モリブデン酸、モリブデンのオキシ塩化物、モリブデンの塩化物、モリブデンのアルコキシド等を用いることができ、好ましくはヘプタモリブデン酸アンモニウムである。
【0032】
バナジウム原料としては、メタバナジン酸アンモニウム、酸化バナジウム(V)、バナジウムのオキシ塩化物、バナジウムのアルコキシド等を用いることができ、好ましくはメタバナジン酸アンモニウム、酸化バナジウム(V)である。
アンチモン原料としては、酸化アンチモン(III)、酸化アンチモン(IV)、酸化アンチモン(V)、メタアンチモン酸(III)、アンチモン酸(V)、アンチモン酸アンモニウム(V)、塩化アンチモン(III)、塩化酸化アンチモン(III)、硝酸酸化アンチモン(III)、アンチモンのアルコキシド、アンチモンの酒石酸塩等の有機酸塩、金属アンチモン等を用いることができ、好ましくは酸化アンチモン(III)である。
【0033】
ニオブの原料としては、シュウ酸水溶液にニオブ酸を溶解させた水溶液を好適に用いることができる。シュウ酸/ニオブのモル比は1〜10であり、好ましくは2〜6、特に好ましくは2〜4である。得られた水溶液に過酸化水素を添加してもよい。過酸化水素/ニオブのモル比は好ましくは0.5〜10であり、特に好ましくは2〜6である。
Z成分の原料としては、Z成分のシュウ酸塩、水酸化物、酸化物、硝酸塩、酢酸塩、アンモニウム塩、炭酸塩、アルコキシド等を用いることができる。
【0034】
本発明のシリカ担持触媒は下記の原料調合、乾燥および焼成の3つの工程を経て製造することができる。
本発明において、好ましいシリカ担持触媒である前記式(I)の成分組成を有する酸化物を担持したシリカ担持触媒を例として以下に製造方法を述べる。
<原料調合工程>
ヘプタモリブデン酸アンモニウム、メタバナジン酸アンモニウム、酸化アンチモン(III)を水に懸濁させ、好ましくは70〜100℃、1〜5時間攪拌しながら反応させる。得られたモリブデン、バナジウム、アンチモンを含有する混合液を空気酸化、または過酸化水素等によって液相酸化し混合液(a)を得る。
液相酸化に過酸化水素水を用いる場合は、過酸化水素/Sbのモル比は好ましくは0.5〜2である。目視でオレンジ色〜茶色になるまで酸化するのが好ましい。
【0035】
一方、ニオブ酸をシュウ酸水溶液に溶解してニオブ原料液を調製する。ニオブ原料液に過酸化水素水を添加しておくことが好ましい。好ましくは過酸化水素/Nbのモル比が1〜3である。他方、粉体シリカは、あらかじめ水に懸濁させて粉体シリカ懸濁液にしておくことが好ましい。粉体シリカに対して重量比で5倍以上の水、好ましくは10倍以上の水に懸濁させると粘度が下がるため扱いやすい。混合液(a)にシリカゾルとニオブ原料液と粉体シリカ懸濁液を添加する。Z成分を含む触媒を製造する場合には、上記調合順序のいずれかのステップにおいてZ成分を含む原料を添加して触媒原料液を得ることができる。固形分濃度Cは5〜30重量%が好ましく、特に好ましくは15〜20重量%である。
【0036】
<乾燥工程>
原料調合工程で得られた触媒原料液を噴霧乾燥法によって乾燥させ、乾燥粉体を得ることができる。噴霧乾燥法における噴霧化は、遠心方式、二流体ノズル方式または高圧ノズル方式を採用することができる。乾燥熱源は、スチーム、電気ヒーターなどによって加熱された空気を用いることができる。このとき熱風の乾燥機入口温度は150〜300℃が好ましい。
<焼成工程>
乾燥工程で得られた乾燥粉体を焼成することによってシリカ担持触媒を得ることができる。焼成は回転炉、トンネル炉、管状炉、流動焼成炉等を用い、実質的に酸素を含まない窒素等の不活性ガス雰囲気下、好ましくは、不活性ガスを流通させながら、500〜700℃、好ましくは570〜670℃で実施することができる。焼成時間は0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間である。不活性ガス中の酸素濃度は、微量酸素分析計で測定して1000ppm以下、好ましくは、100ppm以下である。焼成は反復することができる。この焼成の前に大気雰囲気下または大気流通下で200℃〜420℃、好ましくは250℃〜350℃で10分〜5時間前焼成することができる。また焼成の後に大気雰囲気下で200℃〜400℃、5分〜5時間、後焼成することもできる。
【0037】
このようにして製造されたシリカ担持触媒は、プロパンまたはイソブタンを気相接触アンモ酸化させて不飽和ニトリルを、またはプロパンまたはイソブタンを気相接触酸化させて不飽和カルボン酸を製造する際の触媒として用いることができる。好ましくはプロパンまたはイソブタンを気相接触アンモ酸化させて不飽和ニトリルを製造する際の触媒として用いることができる。
プロパンまたはイソブタンとアンモニアの供給原料は必ずしも高純度である必要はなく、工業グレードのガスを使用することができる。
【0038】
反応系に供給する酸素源として空気、酸素を富化した空気、または純酸素を用いることができる。更に、希釈ガスとしてヘリウム、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気、窒素などを供給してもよい。
気相接触アンモ酸化の場合、反応系に供給するアンモニアのプロパンまたはイソブタンに対するモル比は0.1〜1.5、好ましくは0.2〜1.2である。反応に供給される分子状酸素のプロパンまたはイソブタンに対するモル比は、0.2〜6、好ましくは0.4〜4である。
【0039】
気相接触酸化の場合、反応系に供給される分子状酸素のプロパンまたはイソブタンに対するモル比は、0.1〜10、好ましくは0.1〜5である。また、反応系に水蒸気を添加することも好ましい態様である。反応に供給され水蒸気のプロパンまたはイソブタンに対するモル比は、0.1〜70、好ましくは0.5〜40である。
反応圧力は絶対圧で0.01〜1MPa、好ましくは0.1〜0.3MPaである。
【0040】
反応温度は350℃〜600℃、好ましくは380℃〜470℃である。
接触時間は0.1〜30(g・s/ml)、好ましくは0.5〜10(g・s/ml)である。
反応は、固定床、流動床、移動床など従来の方式を採用できるが流動床が好ましい。反応は単流方式でもリサイクル方式でもよい。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明をプロパンのアンモ酸化反応、プロパンの酸化反応の実施例で説明する。各例において、プロパン転化率およびアクリロニトリル選択率は、それぞれ次の定義に従う。
プロパン転化率(%)=[(反応したプロパンのモル数)/(供給したプロパンのモル数)]×100
アクリロニトリル選択率(%)=[(生成したアクリロニトリルのモル数)/(反応したプロパンのモル数)]×100
【0042】
【実施例1】
<触媒調製>
組成式がMo10.3Sb0.23Nb0.07n/SiO2(40重量%)で示されるシリカ担持触媒を次のようにして調製した。
水1000gにヘプタモリブデン酸アンモニウム[(NH46Mo724・4H2O]250g、メタバナジン酸アンモニウム[NH4 VO3 ]49.7g、酸化アンチモン(III)[Sb23 ]47.5gを添加し、油浴を用いて100℃で2時間、大気下で還流して反応させ、この後、50℃に冷却し、続けてシリカ含有量30重量%のシリカゾル(スノーテックスN−30、日産化学製)を336g添加した。1時間攪拌した後、5重量%過酸化水素水221gを添加し、50℃で1時間撹拌することによって酸化処理を行い、混合液(a)を得た。 この酸化処理によって液色は濃紺色から茶色へと変化した。
【0043】
一方、水120gにNb25 換算で76重量%を含有するニオブ酸17.3g、シュウ酸二水和物[H224 ・2H2O]33.7gを加え、攪拌下、60℃にて加熱して溶解させた後、30℃にて冷却してニオブ原料液を得た。
他方、水1100gに粉体シリカ(アエロジル200、日本アエロジル(株)製)101gを添加し、ホモジナイザーで5000rpmで3分攪拌し、懸濁シリカ原料液を得た。該粉体シリカの平均1次粒子系はカタログ値(電子顕微鏡による測定)で12nmであり、また該粉体シリカの嵩比重を1リットルのビーカを用いて、触媒の嵩比重の測定に準じて測定した結果、0.05g/cm3であった。
【0044】
該ニオブ原料液を上記混合液(a)に添加し、続けて懸濁シリカ原料液を添加した。その後、空気雰囲気下、50℃で30分間撹拌して触媒原料液を得た。
得られた触媒原料液を遠心式噴霧乾燥器を用い、入口温度230℃と出口温度120℃の条件で乾燥して微小球状の乾燥粉体を得た。得られた乾燥粉体100gを石英容器に充填し、容器を回転させながら600Ncc/min.の窒素ガス流通下、640℃で2時間焼成してシリカ担持触媒を得た。用いた窒素ガスの酸素濃度は微量酸素分析計(306WA型、テレダインアナリティカルインスルーメント社製)を用いて測定した結果、1ppmであった。触媒の組成と主要な製法因子を表1に記載した。
【0045】
<細孔容積測定>
あらかじめブランクデータのわかっているディラトメータ(型番CD6P、容量約35cm3、CARLO ERBA社製)に触媒0.500gをとり、脱気装置で0.1mmHgで1時間脱気したのち、水銀を充填した。その後、該ディラトメータをPorosimeter2000(CARLO ERBA社製)に取り付け、大気圧から2000barまで40分で昇圧することによって、細孔分布、細孔容積を測定した。データ処理は付属のソフトウエアであるマイルストン200を用いて(計算モデル;Cylindrical model、Pores average calc.mode;Range/50%)行った。
【0046】
得られた累積細孔容積曲線と細孔径分布曲線を用い、1000オングストローム以下の累積細孔容積から(細孔径分布曲線のバックグラウンドが0の場合)、または1000オングストローム以下の累積細孔容積からバックグラウンド容積を差し引くことによって(細孔径分布曲線のバックグラウンドが0でない場合)、細孔容積を求めた。図1に累積細孔容積曲線と細孔径分布曲線を、表1に細孔容積を示した。
【0047】
<触媒形態観察>
走査型電子顕微鏡(X−650、日立製作所製)を用い倍率150倍で粒子群の写真撮影を行い、全粒子の数、球体粒子の数を数えることによって、下記に示す球体率、球体指標という値に換算した。図2に示す写真は、像を観察して代表的な場所をとったが、場所によるムラは電顕で観察する限り、なかった。球体率(=球体粒子/全粒子×100)の算出にあたり、粒子径が20μm以下の粒子は、球体粒子、全粒子のいずれからも除外して数えた。形が球体でない粒子のうち、半円や外周が円である等2つに割れる等の形態から原型は球体であったが割れた粒子は、球体粒子、全粒子のいずれからも除外して数えた。原型が球体であったかどうか不明な粒子は、全粒子に数えた場合と、全粒子に数えない場合で各々で球体率を計算し、その平均値から、球体指標に換算した。ここで球体指標とは、球体率の1の位を切捨てた値Aと、該値に10を加えた値Bを用いてA〜Bと表記した値である。球体指標を表1に、写真を図2に示した。
【0048】
<嵩比重測定>
容量が24.46cm3であるメスシリンダー(直径21mm)に、図7の(a)のようにロートをその下端がメスシリンダー上面から3cmの高さになるように設置し、ロートからシリカ担持触媒をメスシリンダーに自由落下させ、図7の(b)に示すようにメスシリンダーからシリカ担持触媒があふれるようになったところでメスシリンダーへのシリカ担持触媒の供給を停止し、図7の(c)に示すようにカッターナイフ等を用いてメスシリンダーの上面を超えて積まれたシリカ担持触媒を削ぎ落とすことによってシリカ担持触媒をメスシリンダーに充填した。この間、メスシリンダーに振動を与えないようにした。メスシリンダーの外側の器壁等に付着しているシリカ担持触媒をハケ等で除去したのち、シリカ担持触媒の充填されたメスシリンダーの重量を測定し、あらかじめ測定しておいたメスシリンダーの重量を引くことによって充填されたシリカ担持触媒の重量を測定した。この作業を2回繰り返しその平均値を用いて、シリカ担持触媒の嵩比重を測定した。結果を表1に記載した。
【0049】
<プロパンのアンモ酸化反応試験>
触媒W=0.35gを内径4mmの固定床型反応管に充填し、反応温度T=420℃、プロパン:アンモニア:酸素:ヘリウム=1:0.7:1.7:5.3のモル比の混合ガスを流量F=4.0(ml/min)で流した。このとき圧力Pはゲージ圧で0MPaであった。接触時間は2.1(=W/F×60×273/(273+T)×((P+0.101)/0.101))(g・s/ml)である。反応ガスの分析はオンラインガスクロマトグラフィーで行った。得られた結果を表1に示す。
【0050】
【実施例2】
<触媒調製>
組成式が実施例1と同じであるシリカ担持触媒を次のようにして調製した。
懸濁シリカ原料液の調製にあたり、粉体シリカ101gに代えて202gを、水1100gに代えて2250gを用い、またシリカゾルを用いなかった以外は実施例1の触媒調製を反復して、触媒を調製した。
<細孔容積測定>
実施例1の細孔容積測定と同様の方法で細孔容積を求めた。図3に累積細孔容積曲線と細孔径分布曲線を、表1に細孔容積を示した。
<触媒形態観察>
実施例1の触媒形態観察と同様の方法で、球体指標を測定した。結果を表1に示した。
【0051】
<嵩比重測定>
実施例1の嵩比重測定と同様の方法で嵩比重を測定した。結果を表1に示した。
<プロパンのアンモ酸化反応試験>
得られた触媒について、混合ガスを流量F=4.0(ml/min)の代わりに5.0(ml/min)で流し、接触時間を1.7(g・s/ml)とした以外は実施例1と同じ条件下にて行った。得られた結果を表1に示す。
【0052】
【比較例1】
<触媒調製>
組成式が実施例1と同じであるシリカ担持触媒を次のようにして調製した。
シリカゾル336gに代えて673gを用い、懸濁シリカ原料液を用いなかった以外は実施例1の触媒調製を反復して、触媒を調製した。
<細孔容積測定>
実施例1の細孔容積測定と同様の方法で細孔容積を求めた。図4に累積細孔容積曲線と細孔径分布曲線を、表1に細孔容積を示した。
<触媒形態観察>
実施例1の触媒形態観察と同様の方法で、球体指標を測定した。結果を表1に示した。
【0053】
<嵩比重測定>
実施例1の嵩比重測定と同様の方法で嵩比重を測定した。結果を表1に示した。
<プロパンのアンモ酸化反応試験>
得られた触媒について実施例1と同じ条件下にて行った。得られた結果を表1に示す。
【0054】
【比較例2】
組成式が実施例1と同じであるシリカ担持触媒を次のようにして調製した。
混合液(a)の調製にあたり、水1000gに代えて1860gを用いて固形分濃度を実施例1にそろえた以外は比較例1の触媒調製を反復して、触媒を調製した。
<細孔容積測定>
実施例1の細孔容積測定と同様の方法で細孔容積を求めた。図5に累積細孔容積曲線と細孔径分布曲線を、表1に細孔容積を示した。嵩比重は下がっているものの、細孔容積は比較例1と同じであることがわかる。
<触媒形態観察>
実施例1の触媒形態観察と同様の方法で、球体指標を測定した。結果を表1に、写真を図6に示した。触媒形状が著しく悪化していることがわかる。
【0055】
<嵩比重測定>
実施例1の嵩比重測定と同様の方法で嵩比重を測定した。結果を表1に示した。
<プロパンのアンモ酸化反応試験>
得られた触媒について、混合ガスを流量F=4.0(ml/min)の代わりに5.5(ml/min)で流し、接触時間を1.5(g・s/ml)とした以外は実施例1と同じ条件下にて行った。得られた結果を表1に示す。
【0056】
【実施例3】
<触媒調製>
組成式がMo10.23Sb0.25Nb0.09n/SiO2(45重量%)で示されるシリカ担持触媒を次のようにして調製した。
混合液(a)の調製にあたり、メタバナジン酸アンモニウム49.7gに代えて38.1gを、酸化アンチモン47.5gに代えて51.6gを、5重量%過酸化水素水221gに代えて240gを、シリカゾル336gに代えて551gを用い、ニオブ原料液の調製にあたり、ニオブ酸17.3gに代えて22.3gを、シュウ酸二水和物33.7gに代えて43.4gを用い、さらにニオブ原料液に5重量%過酸化水素水173.32gを添加し、懸濁シリカ原料液の調製にあたり、粉体シリカ101gに代えて81.5gを、水1100gに代えて1050gを用いた以外は実施例1の触媒調製を反復して、触媒を調製した。
【0057】
<細孔容積測定>
実施例1の細孔容積測定と同様の方法で細孔容積を求めた。表1に細孔容積を示した。
<触媒形態観察>
実施例1の触媒形態観察と同様の方法で、球体指標を測定した。結果を表1に示した。
<嵩比重測定>
実施例1の嵩比重測定と同様の方法で嵩比重を測定した。結果を表1に示した。
<プロパンのアンモ酸化反応試験>
得られた触媒について、混合ガスを流量F=4.0(ml/min)の代わりに5.0(ml/min)で流し、接触時間を1.7(g・s/ml)とした以外は実施例1と同じ条件下にて行った。得られた結果を表1に示す。
【0058】
【実施例4】
<触媒調製>
組成式が実施例3と同じであるシリカ担持触媒を次のようにして調製した。
混合液(a)の調製にあたり、シリカゾル551gに代えて411gを用い、懸濁シリカ原料液の調製にあたり、粉体シリカ81.5gに代えて123gを、水1050gに代えて1200gを用いた以外は実施例3の触媒調製を反復して、触媒を調製した。
<細孔容積測定>
実施例1の細孔容積測定と同様の方法で細孔容積を求めた。表1に細孔容積を示した。
【0059】
<触媒形態観察>
実施例1の触媒形態観察と同様の方法で、球体指標を測定した。結果を表1に示した。
<嵩比重測定>
実施例1の嵩比重測定と同様の方法で嵩比重を測定した。結果を表1に示した。
<プロパンのアンモ酸化反応試験>
得られた触媒について実施例3と同じ条件下にて行った。得られた結果を表1に示す。
【0060】
【比較例3】
<触媒調製>
組成式が実施例3と同じであるシリカ担持触媒を次のようにして調製した。
シリカゾル551gに代えて823gを用い、懸濁シリカ原料液を用いなかった以外は実施例3の触媒調製を反復して、触媒を調製した。
<細孔容積測定>
実施例1の細孔容積測定と同様の方法で細孔容積を求めた。表1に細孔容積を示した。
<触媒形態観察>
実施例1の触媒形態観察と同様の方法で、球体指標を測定した。結果を表1に示した。
【0061】
<嵩比重測定>
実施例1の嵩比重測定と同様の方法で嵩比重を測定した。結果を表1に示した。
<プロパンのアンモ酸化反応試験>
得られた触媒について実施例3と同じ条件下にて行った。得られた結果を表1に示す。
【0062】
【実施例5】
<触媒調製>
組成式がMo10.3Sb0.22Nb0.07n/SiO2(50重量%)で示される触媒を次のようにして調製した。
混合液(a)の調製にあたり、酸化アンチモン47.5gに代えて45.4gを、5重量%過酸化水素水221gに代えて212gを、シリカゾル336gに代えて672gを用い、懸濁シリカ原料液の調製にあたり、粉体シリカ101gに代えて99gを、水1100gに代えて1300gを用いた以外は実施例1の触媒調製を反復して、触媒を調製した。
<細孔容積測定>
実施例1の細孔容積測定と同様の方法で細孔容積を求めた。表1に細孔容積を示した。
【0063】
<触媒形態観察>
実施例1の触媒形態観察と同様の方法で、球体指標を測定した。結果を表1に示した。
<嵩比重測定>
実施例1の嵩比重測定と同様の方法で嵩比重を測定した。結果を表1に示した。
<プロパンのアンモ酸化反応試験>
得られた触媒について、混合ガスを流量F=4.0(ml/min)の代わりに3.0(ml/min)で流し、接触時間を2.8(g・s/ml)とした以外は実施例1と同じ条件下にて行った。得られた結果を表1に示す。
【0064】
【比較例4】
<触媒調製>
組成式が実施例5と同じであるシリカ担持触媒を次のようにして調製した。
シリカゾル672gに代えて1003gを用い、懸濁シリカ原料液を用いなかった以外は実施例5の触媒調製を反復して、触媒を調製した。
<細孔容積測定>
実施例1の細孔容積測定と同様の方法で細孔容積を求めた。表1に細孔容積を示した。
<触媒形態観察>
実施例1の触媒形態観察と同様の方法で、球体指標を測定した。結果を表1に示した。
<嵩比重測定>
実施例1の嵩比重測定と同様の方法で嵩比重を測定した。結果を表1に示した。
<プロパンのアンモ酸化反応試験>
得られた触媒について実施例5と同じ条件下にて行った。得られた結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
Figure 0004878684
【0066】
【発明の効果】
本発明のシリカ担持触媒は、従来のシリカ担持触媒と同等の反応成績を維持しつつ、且つ細孔容積が大きいという特徴を有し、これによって、流動性が高いため、気固接触効率が高くなるため流動床運転が行いやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたシリカ担持触媒の累積細孔容積曲線と細孔径分布曲線を示すチャート図である。
【図2】実施例1で得られたシリカ担持触媒の走査型電子顕微鏡写真である(倍率150倍)。
【図3】実施例2で得られたシリカ担持触媒の累積細孔容積曲線と細孔径分布曲線を示すチャート図である。
【図4】比較例1で得られたシリカ担持触媒の累積細孔容積曲線と細孔径分布曲線を示すチャート図である。
【図5】比較例2で得られたシリカ担持触媒の累積細孔容積曲線と細孔径分布曲線を示すチャート図である。
【図6】比較例2で得られたシリカ担持触媒の走査型電子顕微鏡写真である(倍率150倍)。
【図7】嵩比重の測定方法の説明図である。

Claims (9)

  1. プロパンまたはイソブタンの気相接触アンモ酸化反応によって不飽和ニトリル、または気相接触酸化反応によって不飽和カルボン酸を製造する際に用いる、下記(a)、(b)、(c)及び(d)の要件を満たすシリカ担持触媒。
    (a)下記式(I)で示される成分組成を有していること。
    Mo1aSbbNbcdn (I)
    (式中、ZはW、Cr、Ti、Al、Ta、Zr、Hf、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Zn、B、Ga、In、Ge、Sn、P、Pb、Bi、Y、希土類元素およびアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素を表す。a、b、c、dおよびnはMo、1原子あたりの原子比を表し、a、b、c、dは各々0.1≦a≦1、0.01≦b≦0.6、0.01≦c≦0.3、0≦d≦1であり、そしてnは構成金属の酸化状態によって決まる原子比である。)
    (b)式(I)で示される成分組成を有する酸化物が、20〜60重量%のシリカに担持されていること。
    (c)細孔容積が0.15cm3/g以上であること。
    (d)嵩比重が1.0g/cm 3 以下
  2. プロパンまたはイソブタンの気相接触アンモ酸化反応によって不飽和ニトリルを製造する際に、または気相接触酸化反応によって不飽和カルボン酸を製造する際に用いる、モリブデン酸化物および/またはバナジウム酸化物を含有するシリカ担持触媒の製造方法において、平均1次粒子径が50nm以下である粉体シリカをシリカ原料の一部または全部に用い、粉体シリカに対して重量比で5倍以上の水に懸濁させて懸濁シリカ原料液としてから構成金属と混合することを特徴とするシリカ担持触媒の製造方法。
  3. シリカ原料が粉体シリカを10重量%以上含有することを特徴とする請求項2に記載のシリカ担持触媒の製造方法。
  4. 粉体シリカの嵩比重が、0.2g/cm3以下であることを特徴とする請求項2または3に記載のシリカ担持触媒の製造方法。
  5. 粉体シリカが、高熱法で製造されたものであることを特徴とする請求項2、3または4に記載のシリカ担持触媒の製造方法。
  6. モリブデン酸化物および/またはバナジウム酸化物を含有するシリカ担持触媒が、下記式(I)で示される成分組成を有する酸化物のシリカ担持触媒であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のシリカ担持触媒の製造方法。
    Mo1aSbbNbcdn (I)
    (式中、ZはW、Cr、Ti、Al、Ta、Zr、Hf、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Zn、B、Ga、In、Ge、Sn、P、Pb、Bi、Y、希土類元素およびアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素を表す。a、b、c、dおよびnはMo、1原子あたりの原子比を表し、a、b、c、dは各々0.1≦a≦1、0.01≦b≦0.6、0.01≦c≦0.3、0≦d≦1であり、そしてnは構成金属の酸化状態によって決まる原子比である。)
  7. 実質的に酸素を含まないガス雰囲気下、500℃〜700℃で焼成する工程を有することを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載のシリカ担持触媒の製造方法。
  8. プロパンまたはイソブタンの気相接触アンモ酸化反応によって不飽和ニトリルを製造する方法において、請求項1に記載のシリカ担持触媒を用いることを特徴とする不飽和ニトリルの製造方法。
  9. プロパンまたはイソブタンの気相接触酸化反応によって不飽和カルボン酸を製造する方法において、請求項1に記載のシリカ担持触媒を用いることを特徴とする不飽和カルボン酸の製造方法。
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