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JP4879052B2 - A/dコンバータ - Google Patents
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JP4879052B2 - A/dコンバータ - Google Patents

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本発明は、無線通信機器等に使用される並列比較型A/Dコンバータに関するものである。
図8は、従来の並列比較型A/Dコンバータの回路構成例を示した図である(例えば、特許文献1参照。)。
図8において、A/Dコンバータ100は、A/D変換を行うために使用する各基準電圧を生成するためのラダー抵抗回路101と、各コンパレータ102と、各コンパレータ102のそれぞれの出力信号を所定の方法でデジタル値に変換するエンコーダ103とを備えている。
ここでA/Dコンバータ100がNビットの分解能を有する場合、ラダー抵抗回路101は2個の抵抗で構成され、この場合2−1個のコンパレータ102を有している。ラダー抵抗回路101によって発生した各基準電圧は対応するコンパレータ102の一方の入力端にそれぞれ入力され、該各コンパレータ102の他方の入力端には被変換用アナログ電圧がそれぞれ入力されている。
図9は、コンパレータ102の回路例を示した図であり、該コンパレータ102は、各入力電圧の差分を増幅して出力する構成をなしている。また、コンパレータ102の構成には、外部からのクロックによって入力電圧をトリガする方式もあり、チョッパー型比較器と呼ばれる形式もあるが基本的に入力信号の差分を増幅することにおいて同様であることからその説明を省略する。各コンパレータ102は、アナログ入力電圧と基準電圧群との電圧比較を行っているため、各コンパレータ102の出力信号は、アナログ入力電圧と対応する基準電圧との電圧差が逆転するところを境にしてハイレベル又はローレベルになる。
エンコーダ103は、前記境となるレベルを検出してデジタル値に変換する。コンパレータ102にクロックによる入力のトリガ機能がない場合はエンコーダ103でその機能を補完する。このような並列比較型と呼ばれるA/Dコンバータは、前記クロックによってすべてのコンパレータを同時に作動させ、各コンパレータの比較結果をエンコーダ103に伝えてデジタル値に変換するためフラッシュ型A/Dコンバータとも呼ばれ、アナログ信号を高速にデジタル値に変換することが可能な回路である。
図10は、並列比較型のA/Dコンバータの他の例を示した図である(例えば、非特許文献1参照。)。
図10では、入力信号を正負の1対の差動信号にしたものであり、各増幅器112と対応するコンパレータ114との間にそれぞれトラックホールド回路113を設けている。各トラックホールド回路113は対抗する増幅器112の出力信号を一時的に保存する回路であり、トリガ回路と同様の機能を有している。
図11は、図10の増幅器112の回路例を示した図である。
図11において、入力信号の差動化に伴い基準電圧も差動化され、増幅器112は、入力信号Vin+と基準電圧Vr+との差電圧、入力信号Vin−と基準電圧Vr−との差電圧をそれぞれ増幅して差動信号として対応する出力端OUT+,OUT−から出力する。
図12は、図10のトラックホールド回路113の回路構成例を示した図であり、トラックホールド回路113は、スイッチと容量からなり、該スイッチがオフした瞬間の電圧を容量に蓄えて次段の回路に出力する。
図13は、図10のコンパレータ114の回路を示した図である。
なお、各トラックホールド回路113と対応する各コンパレータ114との間に増幅回路が必要である場合は、例えば図14のような回路構成の増幅器を使用する。また、図9及び図11〜図14において、入力端IN+,IN−及び出力端OUT+,OUT−は、それぞれの回路の差動信号に対する入力端と出力端としての符号を示しており、各回路の入力端と出力端が同じであるということを示しているものではない。
なお、この他に、従来の並列比較型A/Dコンバータとして、アナログレベル比較器の出力の変化点を判定する回路網を従来の1段から2段に増やすことにより、比較器の出力信号がメタステーブル状態になったときにも誤った結果を出力して変換精度を落とすことがないようにしたものがあった(例えば、特許文献2参照)。
特許第3102820号公報 特開平9−261058号公報 ’A 6b 1.1Gsample/s CMOS A/Dconverter’G.Geelen,ISSCC Digest of Technical Papers,Session8.2,Feb 2001
このようなA/Dコンバータでは、変換ビット数が増えるにつれて回路規模が増大し、消費電流もそれに伴って増大するという問題があった。また、変換速度の増加に伴って回路の動作速度も上がるため、同様に消費電流が増大するという問題があった。このように消費電流が増大すると、各内部回路の電源電圧及び接地電圧が回路の配線抵抗によって変動し、該変動がノイズになってA/Dコンバータの変換精度を劣化させていた。具体的には、図8の例では、電源電圧及び接地電圧が変動することによって、見かけ上、入力電圧が変化したことになり、出力信号に誤差が生じることになる。このようなノイズは、各コンパレータ102ごとに差があり、また変化する割合も高速であるため、従来の構成ではノイズを除去することができなかった。
このようなノイズの影響を極力受けないようにするために、図10のような入力信号を差動化する構成が考案されていた。このような方式では、入力信号の電圧差のみが増幅されて次段に伝えられており、通常前記のようなノイズは各コンパレータの電源電圧及び接地電圧にそれぞれ一様に乗ってくることから、入力電圧の差分だけをとる場合には影響を受けなかった。しかし、差動信号を扱っている範囲内では効果があるものの差動信号でなくなった時点で影響を受けることになり、精度の劣化が生じていた。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、電源電圧や接地電圧の変動によって生じるノイズの影響を受けることなく、変換精度の高精度化を図ることができるA/Dコンバータを得ることを目的とする。
この発明に係るA/Dコンバータは、アナログ信号からなる1対の差動入力信号をA/D変換して所定のビット数の出力信号を生成して出力する並列比較型のA/Dコンバータにおいて、
差動化された1対の基準電圧から複数の差動基準電圧を生成して出力する基準電圧生成回路部と、
前記差動入力信号と対応する1対の前記差動基準電圧との差分をそれぞれ増幅して出力する各増幅器からなる増幅回路部と、
前記各増幅器から出力された差動信号の各電圧を対応してそれぞれ保持する各トラックホールド回路からなるトラックホールド回路部と、
該各トラックホールド回路で保持された1対の電圧の電圧比較を対応して行い、該比較結果を示す差動信号を生成して出力する各コンパレータからなる比較回路部と、
該各コンパレータから入力された各差動信号を所定の方法でエンコードして前記所定のビット数の出力信号を生成して出力するエンコード部と、
を備えるものである。
具体的には、前記エンコード部は、該各コンパレータから入力された各差動信号を所定の方法でエンコードして前記所定のビット数の差動出力信号を生成して出力するようにした。
また、前記エンコード部は、前記所定のビット数の出力信号を電流出力形式で生成するようにした。
また、前記増幅回路部の各増幅器は、前記差動入力信号と対応する1対の前記差動基準電圧との差分をそれぞれ電源電圧近傍まで増幅して出力するようにした。
また、前記増幅回路部の各増幅器及び前記比較回路部の各コンパレータは、制御電極が入力端をなす各入力トランジスタがそれぞれ同一導電型であるようにした。
具体的には、前記各トラックホールド回路は、
入力された差動信号の各電圧を対応して保持するための1対の各コンデンサと、
入力された差動信号の各電圧を、外部から入力された制御信号に応じて対応する前記各コンデンサに出力する1対のスイッチ回路と、
を備え、
前記各スイッチ回路は、
両端が短絡され、制御電極に前記制御信号の信号レベルを反転させた反転制御信号がそれぞれ入力された同一導電型の2つのダミートランジスタと、
該各ダミートランジスタの間に接続されるように該各ダミートランジスタと直列に接続され、制御電極に入力された前記制御信号に応じてスイッチングを行う、前記各ダミートランジスタと同一導電型のスイッチングトランジスタと、
でそれぞれ構成されるようにした。
また具体的には、前記各増幅器は、
1対の入力トランジスタからなる第1の差動対と、
該第1の差動対に所定の定電流を供給する第1の定電流源と、
1対の入力トランジスタからなる第2の差動対と、
該第2の差動対に所定の定電流を供給する第2の定電流源と、
前記第1及び第2の各差動対の負荷をなす負荷回路と、
をそれぞれ備え、
前記第1の差動対は、前記差動入力信号の一方の入力信号と、前記差動入力信号の他方の入力信号に対応する差動基準電圧の一方の基準電圧が対応してそれぞれ入力され、前記第2の差動対は、前記差動入力信号の他方の入力信号と、前記差動入力信号の一方の入力信号に対応する差動基準電圧の他方の基準電圧が対応してそれぞれ入力されるようにした。
また、前記各増幅器は、
1対の入力トランジスタからなる第1の差動対と、
該第1の差動対に所定の定電流を供給する第1の定電流源と、
1対の入力トランジスタからなる第2の差動対と、
該第2の差動対に所定の定電流を供給する第2の定電流源と、
前記第1及び第2の各差動対の負荷をなす負荷回路と、
をそれぞれ備え、
前記第1の差動対は、前記差動入力信号をなす各入力信号が対応してそれぞれ入力され、前記第2の差動対は、前記差動基準電圧をなす各基準電圧が対応してそれぞれ入力されるようにしてもよい。
本発明のA/Dコンバータによれば、前記増幅回路部の各増幅器、前記トラックホールド回路部の各トラックホールド回路、前記比較回路部の各コンパレータ及びエンコード部が、すべて差動信号の形式で信号処理を行うようにしたことから、変換周波数の増大や回路規模の増加による消費電流の増加に伴って生じる電源やグランドノイズの影響を低減させることができ、電源電圧や接地電圧の変動によって生じるノイズの影響を受けることなく、変換精度の高精度化を図ることができる。
また、エンコード部の出力信号を単相形式にすることにより、A/Dコンバータを大規模回路内部に混載する際に他の論理回路とのインタフェースを従来と同じようにすることができ、汎用性を高めることができる。
また、エンコード部の出力信号を電流出力形式にしたことから、接続する外部回路との距離が長い場合にもノイズの影響を受けにくくすることができると共に、差動信号として伝達するため他回路へのノイズの拡散を防止することができる。
また、各増幅器は、前記差動入力信号と対応する1対の前記差動基準電圧との差分をそれぞれ電源電圧近傍まで増幅するようにしたことから、電源側ノイズとグランド側ノイズが混在しにくくすることができ、A/Dコンバータ全体としてのノイズの影響を小さくすることができる。
また、各トラックホールド回路のスイッチ回路を同一導電型のトランジスタで構成したことから、回路規模を小さくすることができる。また、各トラックホールド回路のコンデンサの動作電圧レベルをトランジスタのスレッシュホールド電圧を超える範囲にすることができ、該コンデンサを通常のトランジスタで代用することができ回路面積を縮小させることができる。
また、各増幅器及び各コンパレータは、制御電極が入力端をなす各入力トランジスタがそれぞれ同一導電型であるようにしたことから、トランジスタ特性のばらつきの影響を受けにくくすることができる。
また、各ダミートランジスタの間にスイッチングトランジスタを接続するようにしたことから、電荷を保持するコンデンサへのフィードスルーだけでなく前段回路へのキックバックも防止することができ、A/Dコンバータの特性を向上させることができる。
また、各増幅器において、第1の差動対は、前記差動入力信号をなす各入力信号が対応してそれぞれ入力され、前記第2の差動対は、前記差動基準電圧をなす各基準電圧が対応してそれぞれ入力されるようにしたことから、アナログ入力信号と基準電圧に別々に重畳したコモンノイズの影響を受けにくくすることができる。
次に、図面に示す実施の形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
第1の実施の形態.
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるA/Dコンバータの構成例を示した図である。
図1において、A/Dコンバータ1は、m+1(mは0を含む正の整数)ビットの分解能を有しており、1対の差動入力信号Vin+,Vin−をA/D変換して差動出力信号を生成し出力する並列比較型A/Dコンバータである。
A/Dコンバータ1は、A/D変換を行うために使用する各基準電圧を生成するための抵抗RA1〜RAn(nは正の整数)及びRB1〜RBnからなるラダー抵抗回路部2と、増幅器AMP1〜AMPnからなる増幅回路部3と、対応する増幅器AMP1〜AMPnの出力信号を一時的に保存するトラックホールド回路TH1〜THnからなるトラックホールド回路部4と、コンパレータCMP1〜CMPnからなる比較回路部5と、コンパレータCMP1〜CMPnの各出力信号から前記差動出力信号を生成して出力するエンコーダ6とを備えている。なお、ラダー抵抗回路部2は基準電圧生成回路部を、エンコーダ6はエンコード部をそれぞれなす。
A/Dコンバータ1には、正負の1対の差動化された所定の基準電圧REF+,REF−が入力されており、基準電圧REF+と基準電圧REF−との間には抵抗RA1〜RAnが直列に接続され、基準電圧REF−と基準電圧REF+との間には抵抗RB1〜RBnが直列に接続されている。増幅器AMP1〜AMPnには、それぞれ差動入力信号Vin+及びVin−が入力されており、増幅器AMPk(k=1〜n−1)には、抵抗RAkと抵抗RAk+1との接続部の電圧Vrk+と抵抗RBkと抵抗RBk+1との接続部の電圧Vrk−がそれぞれ入力され、増幅器AMPnには、基準電圧REF+及びREF−がそれぞれ入力されている。増幅器AMP1〜AMPnの各出力端は、トラックホールド回路TH1〜THnの対応する入力端にそれぞれ接続され、トラックホールド回路TH1〜THnの各出力端は、コンパレータCMP1〜CMPnの対応する入力端にそれぞれ接続され、更にコンパレータCMP1〜CMPnの各出力端はそれぞれエンコーダ6に接続されている。
図2は、図1の増幅器AMP1〜AMPnの回路例を示した図であり、増幅器AMP1〜AMPnは同じ回路であることから、図2では任意の増幅器AMPkを例にして示している。
図2において、増幅器AMPkは、外部より入力される差動入力信号Vin+,Vin−と差動化基準電圧Vrk+,Vrk−との差分を増幅して電源電圧Vddに近い範囲の電圧にして出するものであり、NMOSトランジスタM1〜M4、抵抗R1,R2及び定電流源11,12で構成されている。なお、NMOSトランジスタM1及びM2は第1の差動対を、NMOSトランジスタM3及びM4は第2の差動対を、定電流源11は第1の定電流源を、定電流源12は第2の定電流源を、抵抗R1及びR2は負荷回路をそれぞれなす。
NMOSトランジスタM1のゲートには入力信号Vin−が、NMOSトランジスタM2のゲートには電圧Vrk+がそれぞれ入力されている。NMOSトランジスタM1及びM2の各ソースは接続され、該接続部と接地電圧との間には定電流源11が接続されている。NMOSトランジスタM1のドレインは抵抗R1を介して電源電圧Vddに接続され、NMOSトランジスタM2のドレインは抵抗R2を介して電源電圧Vddに接続されている。NMOSトランジスタM3のゲートには電圧Vrk−が、NMOSトランジスタM4のゲートには入力信号Vin+がそれぞれ入力されている。
また、NMOSトランジスタM3及びM4の各ソースは接続され、該接続部と接地電圧との間には定電流源12が接続されている。NMOSトランジスタM3のドレインは抵抗R1を介して電源電圧Vddに接続され、NMOSトランジスタM4のドレインは抵抗R2を介して電源電圧Vddに接続されている。NMOSトランジスタM1のドレインとNMOSトランジスタM3のドレインと抵抗R1との接続部から信号Vak+が、NMOSトランジスタM2のドレインとNMOSトランジスタM4のドレインと抵抗R2との接続部から信号Vak−がそれぞれ出力され、信号Vak+と信号Vak−は差動信号をなしている。
NMOSトランジスタM1及びM2は差動対をなしており、定電流源11は該差動対に所定のバイアス電流を供給し、抵抗R1及びR2は該差動対の負荷をなしている。また、NMOSトランジスタM3及びM4は差動対をなしており、定電流源12は該差動対に所定のバイアス電流を供給し、抵抗R1及びR2は該差動対の負荷をなしている。増幅器AMPkは、入力信号Vin+と電圧Vrk+との差電圧、入力信号Vin−と電圧Vrk−との差電圧をそれぞれ増幅して差動信号Vak+,Vak−として出力する。なお、図3で示すように、NMOSトランジスタM2のゲートに入力信号Vin+を、NMOSトランジスタM4のゲートに電圧Vrk+をそれぞれ入力するようにしてもよい。このように、図2及び図3で示した増幅器AMPkは、従来例の図11ではあった出力段のソースフォロア回路を削除して出力レベルを電源電圧側にシフトさせると共に、Pチャネル型トランジスタを使用しないようにして、製造ばらつきによる誤差を低減させることができる。
図4は、図1のトラックホールド回路TH1〜THnの回路例を示した図であり、トラックホールド回路TH1〜THnは同じ回路であることから、図4では任意のトラックホールド回路THkを例にして示している。
図4において、トラックホールド回路THkは、増幅器AMPkから出力された差動信号Vak+,Vak−を受けてその電圧範囲のまま保持し次段のコンパレータCMPkに出力するものであり、PMOSトランジスタM11〜M16及びコンデンサC11,C12で構成されている。なお、PMOSトランジスタM11〜M13が1つのスイッチ回路をなすと共にPMOSトランジスタM14〜M16が1つのスイッチ回路をなす。また、PMOSトランジスタM11,M13,M14,M16はそれぞれダミートランジスタをなし、PMOSトランジスタM12,M15はそれぞれスイッチングトランジスタをなす。
増幅器AMPkの出力信号Vak+が入力される入力端11+と出力端12+との間にはPMOSトランジスタM11〜M13が直列に接続され、出力端12+と接地電圧との間にはコンデンサC11が接続されている。また、増幅器AMPkの出力信号Vak−が入力される入力端11−と出力端12−との間にはPMOSトランジスタM14〜M16が直列に接続され、出力端12−と接地電圧との間にはコンデンサC12が接続されている。
PMOSトランジスタM11,M13,M14,M16は、それぞれドレインとソースが接続されてダミースイッチをなしている。PMOSトランジスタM11,M13,M14,M16の各ゲートには制御信号ckがそれぞれ入力され、PMOSトランジスタM12及びM14の各ゲートには制御信号ckの信号レベルを反転させた制御信号ckbがそれぞれ入力されている。
制御信号ckbがローレベルのときに、信号Vak+の電圧がコンデンサC11に保持されると共に信号Vak−の電圧がコンデンサC12に保持される。この際、PMOSトランジスタM11〜M13は1つのスイッチを構成し、同様にPMOSトランジスタM14〜M16は1つのスイッチを構成しており、各スイッチはそれぞれPMOSトランジスタのみで構成されている。
従来は、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタを使用した相補型スイッチを使用しており、このような相補型スイッチは、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタを制御する2種類の制御信号に時間差があると誤差につながることから精密なタイミング制御を行う必要があった。これに対して、図4のように各スイッチをPMOSトランジスタのみで構成することにより、従来のような精密なタイミング制御を行う必要がなくなる。
また、従来のスイッチでは、出力端側のみにダミースイッチが設けられていたため、スイッチがオフする際に、ゲートとドレイン間に蓄えられていた電荷が入力端側の回路に影響を与えるキックバック現象が発生していた。これに対して、図4では、入力端側と出力端側にそれぞれダミースイッチを設けたことから、負荷容量側へのチャージスルーだけでなく入力端側へのキックバックも抑えることができる。
次に、図5は、図1のコンパレータCMP1〜CMPnの回路例を示した図であり、コンパレータCMP1〜CMPnは同じ回路であることから、図5では任意のコンパレータCMPkを例にして示している。
図5において、コンパレータCMPkは、トラックホールド回路THkから入力された信号Vbk+,Vbk−の差分を比較し差動信号Vck+,Vck−として出力するものであり、NMOSトランジスタM21〜M28及びPMOSトランジスタM29〜M34で構成されている。
差動対をなすNMOSトランジスタM21及びM22の各ソースは接続され、該接続部と接地電圧との間にNMOSトランジスタM23が接続されている。NMOSトランジスタM21のゲートにはトラックホールド回路THkの出力信号Vbk+が入力され、NMOSトランジスタM22のゲートにはトラックホールド回路THkの出力信号Vbk−が入力されている。NMOSトランジスタM23のゲートには所定のバイアス電圧Vb2が入力されており、NMOSトランジスタM23は定電流源をなしている。
電源電圧VddとNMOSトランジスタM21のドレインとの間にはPMOSトランジスタM29が接続され、電源電圧VddとNMOSトランジスタM22のドレインとの間にはPMOSトランジスタM31が接続されている。PMOSトランジスタM29及びM31の各ゲートには所定のバイアス電圧Vb1がそれぞれ入力されており、PMOSトランジスタM29及びM31はそれぞれ定電流源をなしている。また、NMOSトランジスタM24及びM25の各ソースは接続されて接地電圧に接続され、NMOSトランジスタM24のゲートはNMOSトランジスタM25のドレインに、NMOSトランジスタM25のゲートはNMOSトランジスタM24のドレインにそれぞれ接続されている。
PMOSトランジスタM29のドレインとNMOSトランジスタM24のドレインとの間にはPMOSトランジスタM30が接続され、PMOSトランジスタM31のドレインとNMOSトランジスタM25のドレインとの間にはPMOSトランジスタM32が接続されている。PMOSトランジスタM30及びM32の各ゲートにはバイアス電圧Vb2がそれぞれ入力されている。また、NMOSトランジスタM24及びM25の各ドレインとの間には、NMOSトランジスタM28が接続されており、NMOSトランジスタM28のゲートには制御信号ckが入力されている。
電源電圧Vddと接地電圧との間には、PMOSトランジスタM33とNMOSトランジスタM26が直列に接続されると共にPMOSトランジスタM34とNMOSトランジスタM27が直列に接続され、NMOSトランジスタM26のゲートがNMOSトランジスタM25のドレインに、NMOSトランジスタM27のゲートがNMOSトランジスタM24のドレインにそれぞれ接続されている。PMOSトランジスタM33とNMOSトランジスタM26の接続部から出力信号Vck+が出力され、PMOSトランジスタM34とNMOSトランジスタM27の接続部から出力信号Vck−が出力される。
図5のコンパレータCMPkでは、入力信号Vbk+及びVbk−をNMOSトランジスタM21及びM22で受け、PMOSトランジスタM29〜M32で構成されたフォールデッドカスコード回路で折り返される正帰還の負荷回路と、比較制御用のスイッチをなすPMOSトランジスタM28を有している。また、PMOSトランジスタM33,M34及びNMOSトランジスタM26,M27で構成された出力段では、前段からの入力信号を正帰還の負荷で出力する回路形式になっている。
エンコーダ6は、各コンパレータCMP1〜CMPnから入力された各差動信号の変化点を検出し、所定の方法でエンコードして差動のデジタル値に変換して、1対の各出力端子D0+,D0−〜Dm+(mは正の整数),Dm−に出力する。
図6は、図1のエンコーダ6内の出力回路OUT0〜OUTmの回路例を示した図であり、該各出力回路OUT0〜OUTmは同じ回路であることから、図6では任意の出力端子Dj+(j=0〜m),Dj−に接続された出力回路OUTjを例にして示している。
出力回路OUTjは、差動対をなすNMOSトランジスタM41,M42及び定電流源41で構成されており、NMOSトランジスタM41及びM42の各ソースは接続され、該接続部と接地電圧との間に定電流源41が接続されている。NMOSトランジスタM41のドレインは出力端子Dj+に、NMOSトランジスタM42のドレインは出力端子Dj−にそれぞれ接続されている。出力回路OUTjは、電圧出力ではなく電流を出力する形式であり、受ける側の外部回路では該電流を通常の論理回路で受けられる電圧に変換する電流‐電圧変換回路を付加する必要がある。
図6では、前記電流‐電圧変換回路は、カレントミラー回路を形成するPMOSトランジスタM45及びM46で構成されており、PMOSトランジスタM45及びM46において、各ソースは接続されて該接続部が電源電圧Vddに接続され、各ゲートは接続されて該接続部がPMOSトランジスタM45のドレインに接続されている。PMOSトランジスタM45のドレインは出力端子Dj+に接続され、PMOSトランジスタM46のドレインは出力端子Dj−に接続されており、該接続部が出力端Dojをなして前記論理回路の入力端に接続される。出力端子Dj+,Dj−から出力された電流は、PMOSトランジスタM45及びM46が負荷となって電流から電圧に変換し、前記論理回路に出力される。
なお、トラックホールド回路THkとコンパレータCMPkとの間に増幅器を挿入する場合は、該増幅器は図7のようになる。該増幅器は、差動対をなすNMOSトランジスタM6及びM7、該差動対の負荷をなす抵抗R6,R7及び該差動対にバイアス電流を供給する定電流源15で構成されている。NMOSトランジスタM6のゲートにトラックホールド回路THkからの出力信号Vbk−が、NMOSトランジスタM7のゲートにトラックホールド回路THkからの出力信号Vbk+がそれぞれ入力されている。抵抗R6とNMOSトランジスタM6のドレインとの接続部が図5のNMOSトランジスタM21のゲートに接続され、抵抗R7とNMOSトランジスタM7のドレインとの接続部が図5のNMOSトランジスタM22のゲートに接続される。
このように、本第1の実施の形態におけるA/Dコンバータは、増幅回路部3の各増幅器AMP1〜AMPn、トラックホールド回路部4の各トラックホールド回路TH1〜THn、比較回路部5の各コンパレータCMP1〜CMPn及びエンコーダ6が、それぞれ差動入力で差動出力の構成をなすようにした。このことから、電源電圧や接地電圧の変動によって生じるノイズの影響を受けることなく、変換精度を高めることができる。
なお、前記第1の実施の形態の説明では、エンコーダ6から差動出力信号が出力される場合を例にしたが、エンコーダ6から差動ではない出力信号が出力されるようにしてもよい。
本発明の第1の実施の形態におけるA/Dコンバータの構成例を示した図である。 図1における増幅器AMP1〜AMPnの回路例を示した図である。 図1における増幅器AMP1〜AMPnの他の回路例を示した図である。 図1におけるトラックホールド回路TH1〜THnの回路例を示した図である。 図1におけるコンパレータCMP1〜CMPnの回路例を示した図である。 図1におけるエンコーダ6内の出力回路OUT0〜OUTmの回路例を示した図である。 各トラックホールド回路TH1〜THnと対応する各コンパレータCMP1〜CMPnとの間にそれぞれ挿入する増幅器の回路例を示した図である。 従来の並列比較型A/Dコンバータの回路構成例を示した図である。 図8のコンパレータ102の回路例を示した図である。 従来の並列比較型A/Dコンバータの他の回路構成例を示した図である。 図10の増幅器112の回路例を示した図である。 図10のトラックホールド回路113の回路構成例を示した図である。 図10のコンパレータ114の回路を示した図である。 各トラックホールド回路113と対応する各コンパレータ114との間にそれぞれ挿入する増幅器の従来例を示した回路図である。
符号の説明
1 A/Dコンバータ
2 ラダー抵抗回路部
3 増幅回路部
4 トラックホールド回路部
5 比較回路部
6 エンコーダ
RA1〜RAn,RB1〜RBn 抵抗
AMP1〜AMPn 増幅器
TH1〜THn トラックホールド回路
CMP1〜CMPn コンパレータ
OUTk 出力回路

Claims (8)

  1. アナログ信号からなる1対の差動入力信号をA/D変換して所定のビット数の出力信号を生成して出力する並列比較型のA/Dコンバータにおいて、
    差動化された1対の基準電圧から複数の差動基準電圧を生成して出力する基準電圧生成回路部と、
    前記差動入力信号と対応する1対の前記差動基準電圧との差分をそれぞれ増幅して出力する各増幅器からなる増幅回路部と、
    前記各増幅器から出力された差動信号の各電圧を対応してそれぞれ保持する各トラックホールド回路からなるトラックホールド回路部と、
    該各トラックホールド回路で保持された1対の電圧の電圧比較を対応して行い、該比較結果を示す差動信号を生成して出力する各コンパレータからなる比較回路部と、
    該各コンパレータから入力された各差動信号を所定の方法でエンコードして前記所定のビット数の出力信号を生成して出力するエンコード部と、
    を備えることを特徴とするA/Dコンバータ。
  2. 前記エンコード部は、該各コンパレータから入力された各差動信号を所定の方法でエンコードして前記所定のビット数の差動出力信号を生成して出力することを特徴とする請求項1記載のA/Dコンバータ。
  3. 前記エンコード部は、前記所定のビット数の出力信号を電流出力形式で生成することを特徴とする請求項1又は2記載のA/Dコンバータ。
  4. 前記増幅回路部の各増幅器は、前記差動入力信号と対応する1対の前記差動基準電圧との差分をそれぞれ電源電圧近傍まで増幅して出力することを特徴とする請求項1、2又は3記載のA/Dコンバータ。
  5. 前記増幅回路部の各増幅器及び前記比較回路部の各コンパレータは、制御電極が入力端をなす各入力トランジスタがそれぞれ同一導電型であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のA/Dコンバータ。
  6. 前記各トラックホールド回路は、
    入力された差動信号の各電圧を対応して保持するための1対の各コンデンサと、
    入力された差動信号の各電圧を、外部から入力された制御信号に応じて対応する前記各コンデンサに出力する1対のスイッチ回路と、
    を備え、
    前記各スイッチ回路は、
    両端が短絡され、制御電極に前記制御信号の信号レベルを反転させた反転制御信号がそれぞれ入力された同一導電型の2つのダミートランジスタと、
    該各ダミートランジスタの間に接続されるように該各ダミートランジスタと直列に接続され、制御電極に入力された前記制御信号に応じてスイッチングを行う、前記各ダミートランジスタと同一導電型のスイッチングトランジスタと、
    でそれぞれ構成されることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のA/Dコンバータ。
  7. 前記各増幅器は、
    1対の入力トランジスタからなる第1の差動対と、
    該第1の差動対に所定の定電流を供給する第1の定電流源と、
    1対の入力トランジスタからなる第2の差動対と、
    該第2の差動対に所定の定電流を供給する第2の定電流源と、
    前記第1及び第2の各差動対の負荷をなす負荷回路と、
    をそれぞれ備え、
    前記第1の差動対は、前記差動入力信号の一方の入力信号と、前記差動入力信号の他方の入力信号に対応する差動基準電圧の一方の基準電圧が対応してそれぞれ入力され、前記第2の差動対は、前記差動入力信号の他方の入力信号と、前記差動入力信号の一方の入力信号に対応する差動基準電圧の他方の基準電圧が対応してそれぞれ入力されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載のA/Dコンバータ。
  8. 前記各増幅器は、
    1対の入力トランジスタからなる第1の差動対と、
    該第1の差動対に所定の定電流を供給する第1の定電流源と、
    1対の入力トランジスタからなる第2の差動対と、
    該第2の差動対に所定の定電流を供給する第2の定電流源と、
    前記第1及び第2の各差動対の負荷をなす負荷回路と、
    をそれぞれ備え、
    前記第1の差動対は、前記差動入力信号をなす各入力信号が対応してそれぞれ入力され、前記第2の差動対は、前記差動基準電圧をなす各基準電圧が対応してそれぞれ入力されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載のA/Dコンバータ。
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