JP4879950B2 - 蛍光体の製造方法 - Google Patents
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本発明のβ型サイアロン蛍光体は、光学活性元素Mを含有し、空気透過法により測定される比表面積が0.8m2/g以下であることを特徴とする。好ましくは、0.4m2/g以下である。比表面積を0.8m2/g以下とすることにより、より発光効率を向上させることができる。すなわち、比表面積が小さいということは、蛍光体を構成する個々の粒子の粒径が大きく、結晶の均一性が高いことを示している。一般に結晶の均一性が高いと、蛍光体の発光効率は高くなる。ここで、空気透過法とは、一般にリーナース法と呼ばれている方法をいい、試料充填層を透過した空気の流速と圧力降下の測定から比表面積を求めることができる。
本発明のβ型サイアロン蛍光体の製造方法は、2種以上の金属化合物粉末を含む混合物を焼成する焼成工程を有する。そして、当該混合物は、少なくとも以下の(A)および(B)を含む。
(A)光学活性元素Mを含む金属化合物粉末、
(B)焼成温度より低い温度で液相を形成する化合物であって、Si、Alから選択される少なくとも1つを含有する化合物(以下、コーティング化合物と称することがある。)によってコーティングされた金属化合物粉末。
上述した本発明の蛍光体は、半導体発光装置の蛍光材料として好適に用いることができる。本発明では、半導体発光素子と、該半導体発光素子が発する光によって励起される蛍光体と、を少なくとも有し、該蛍光体のうち少なくとも1つは、上記本発明の蛍光体である、半導体発光装置をも提供する。本発明の半導体発光装置は、蛍光材料として上述した本発明の蛍光体を用いること以外は、従来公知の一般的な構造を採用することができる。なお、半導体発光素子は、活性層としてInGaN層を有することが好ましい。
<実施例1>
原料金属化合物粉末は、平均粒径0.5μm、O含有量0.93重量%、α型含有量92重量%のSi3N4粉末、比表面積5.0m2/g、Si含有量0.65重量%、O含有量1.46重量%のSiO2でコーティングされたAlN粉末(東洋アルミ製、TOYALITE−FLC)、および純度99.9重量%のEu2O3粉末を用いた。各原料金属化合物粉末の材料比率(重量%))は、Si3N4が95.8%(47.9g)、AlNが3.4%(1.7g)、Eu2O3が0.8%(0.4g)である。これらの金属化合物粉末を乳鉢で混合した後、BN製のルツボに充填し、当該ルツボを黒鉛抵抗加熱方式の電気炉に導入した。電気炉内を真空ポンプにより排気した後、室温から800℃まで毎時500℃の速度で加熱し、800℃で純度が99.999体積%の窒素を導入して圧力を1MPaとし、毎時500℃で1900℃まで昇温し、1900℃で8時間保持して焼成を行なった。焼成後得られた蛍光体はさらにSi3N4焼結体製の乳鉢で粉砕し、微粉末状とした。得られた蛍光体粉末のCuのK−α線を用いたX線回折パターンをリガク製のX線回折装置により調べたところ、β型サイアロンが生成していることがわかった。また、この蛍光体粉末を波長365nmの光を発するランプで照射した結果、緑色に発光することを確認した。さらに、得られた蛍光体粉末の比表面積を筒井理化学工業製LEA−NURSEにより測定したところ、0.65m2/gであった。この蛍光体粉末の吸収(励起)スペクトルおよび発光スペクトルを日立製作所製F−4500により測定した結果は図2に示すとおりである。図2(a)が吸収(励起)スペクトルでり、図2(b)が発光スペクトルである。なお、吸収(励起)スペクトルは、発光ピークである537nmの強度をスキャンして測定した。また、発光スペクトルは、励起ピークである297nmの光で励起した際のものである。また、β相が占める割合は、X線回折強度比より75重量%、光学活性元素、Si、Al以外の金属元素の含有比率は、CID−DCA発光分光分析装置で測定した結果、30ppmであった。
原料金属化合物粉末は、実施例1と同様のものを用い、合計の重量が50gからなる当該金属化合物粉末の混合物を、175mlのエタノールと共に内径100mmφのボールミル用ポットにいれ、10mmφのSi3N4ボールを用いて、回転速度60回転/分で2時間回転させ、スラリー状とした。この間温度は15〜30℃であった。次に得られたスラリーをスプレードライ方式により噴霧温度100℃〜200℃、窒素流量350L/時間で噴霧乾燥を行ない、原料金属化合物粉末の凝集体からなる顆粒を45.2g得た。噴霧乾燥装置には日本ビュッヒ製B−290を用いた。図4は、上記方法で形成された顆粒を1000倍に拡大して示すSEM写真である。図4のSEM写真より、顆粒の平均粒径は50μm以下であることがわかった。次に、得られた顆粒をBN製のルツボに入れ、実施例1と同様の条件で黒鉛抵抗加熱方式の電気炉により焼成した。得られた蛍光体粉末の比表面積は0.39m2/gであった。この蛍光体粉末の吸収(励起)スペクトルおよび発光スペクトルを実施例1と同様に図2に示す。なお、吸収(励起)スペクトルは、発光ピークである529nmの強度をスキャンして測定した。また、発光スペクトルは、励起ピークである302nmの光で励起した際のものである。また、β相が占める割合は、80重量%、光学活性元素、Si、Al以外の金属元素の含有比率は、20ppmであった。
原料金属化合物粉末として、平均粒径0.5μm、O含有量0.93重量%、α型含有量92重量%のSi3N4粉末、比表面積3.3m2/g、O含有量0.79重量%のAlN粉末、および純度99.9重量%のEu2O3粉末を用意した。ついで、実施例1のSi3N4 50gを、粒径30nmのSiO2粉末0.7gとともに100mlのエタノール溶媒に分散させ、スラリー状とし、該スラリーをスプレードライ方式により噴霧温度150℃〜200℃、窒素流量450L/時間で噴霧乾燥を行ない、Si3N4粉末の表面がSiO2粉末でコーティングされた状態とした。次に、このコーティングされたSi3N4粉末が95.8%(47.9g)、AlNが3.4%(1.7g)、Eu2O3が0.8%(0.4g)の混合比率(重量%)で乳鉢を用いて混合した後、BN製のルツボに充填し、実施例1、2と同様の条件で黒鉛抵抗加熱方式の電気炉により焼成した。得られた蛍光体粉末の比表面積は0.75m2/gであった。この蛍光体粉末の吸収(励起)スペクトルおよび発光スペクトルを実施例1と同様に図2に示す。なお、吸収(励起)スペクトルは、発光ピークである537nmの強度をスキャンして測定した。また、発光スペクトルは、励起ピークである297nmの光で励起した際のものである。また、β相が占める割合は、70重量%、光学活性元素、Si、Al以外の金属元素の含有比率は、27ppmであった。
原料金属化合物粉末として、平均粒径0.5μm、O含有量0.93重量%、α型含有量92重量%のSi3N4粉末、比表面積3.3m2/g、O含有量0.79重量%のAlN粉末、および純度99.9重量%のEu2O3粉末を用い、実施例1と同様の条件で混合、焼成を行なった。得られた蛍光体粉末の比表面積は1.15m2/gであった。この蛍光体粉末の吸収(励起)スペクトルおよび発光スペクトルを図3に示す。なお、吸収(励起)スペクトルは、発光ピークである537nmの強度をスキャンして測定した。また、発光スペクトルは、励起ピークである297nmの光で励起した際のものである。また、β相が占める割合は、65重量%、光学活性元素、Si、Al以外の金属元素の含有比率は、120ppmであった。
原料金属化合物粉末として、比較例1と同様のものを用い、合計の重量が50gからなる当該金属化合物粉末の混合物を、175mlのエタノールと共に内径100mmφのボールミル用ポットにいれ、10mmφのSi3N4ボールを用いて、回転速度60回転/分で2時間回転させ、スラリー状とした。この間温度は15〜30℃であった。次に得られたスラリーをスプレードライ方式により噴霧温度100℃〜200℃、窒素流量350L/時間で噴霧乾燥を行い、原料金属化合物粉末の凝集体からなる顆粒を44.0g得た。噴霧乾燥装置には日本ビュッヒ製B−290を用いた。次に、得られた顆粒をBN製のルツボに入れ、実施例1と同様の条件で黒鉛抵抗加熱方式の電気炉により焼成した。得られた蛍光体粉末の比表面積は1.12m2/gであった。この蛍光体粉末の吸収(励起)スペクトルおよび発光スペクトル図3に示す。なお、吸収(励起)スペクトルは、発光ピークである529nmの強度をスキャンして測定した。また、発光スペクトルは、励起ピークである302nmの光で励起した際のものである。また、β相が占める割合は、67重量%、光学活性元素、Si、Al以外の金属元素の含有比率は、132ppmであった。
<実施例4〜6>
上記実施例1〜3で得られたEu付活β型サイアロン蛍光体と、Ce付活La3Si8N11O4蛍光体、Eu付活CaAlSiN3蛍光体を表1に示す重量比で混合することにより、白色を発する蛍光体の混合物を作製した。ここで、実施例1のβ型サイアロン蛍光体は実施例4に、実施例2のβ型サイアロン蛍光体は実施例5に、実施例3のβ型サイアロン蛍光体は実施例6にそれぞれ用いた。ついで、シリコーン樹脂/蛍光体の重量比が100g/15gとなるように、得られた蛍光体の混合物を透光性樹脂であるシリコーン樹脂に分散させ、図1に示される半導体発光装置と同様の半導体発光装置を作製した。半導体発光素子には、発光ピーク波長が405nmであるものを使用した。
使用した蛍光体が比較例1、2のβ型サイアロン蛍光体であること以外は、実施例4と同様の構成を有する蛍光体の混合物を用いて半導体発光装置を作製した。ここで、比較例1のβ型サイアロン蛍光体は比較例3に、比較例2のβ型サイアロン蛍光体は比較例4にそれぞれ用いられ、各蛍光体は表1に示す重量比率で混合されている。
蛍光体として、実施例1〜3のEu付活β型サイアロン蛍光体と上記Eu付活CaAlSiN3蛍光体とを表1に示す重量比で混合し、半導体発光素子に発光ピーク波長が450nmであるものを使用したこと以外は、実施例4〜6と同様にして図1に示される半導体発光装置を作製した。ここで、実施例1のβ型サイアロン蛍光体は実施例7に、実施例2のβ型サイアロン蛍光体は実施例8に、実施例3のβ型サイアロン蛍光体は実施例9にそれぞれ用いた。また、シリコーン樹脂/蛍光体の重量比は、100g/7gとした。
使用した蛍光体が比較例1、2のβ型サイアロン蛍光体である以外は、実施例7と同様の構成を有する蛍光体を表1に示す重量比で混合し、半導体発光装置を作製した。ここで、比較例1のβ型サイアロン蛍光体は比較例5に、比較例2のβ型サイアロン蛍光体は比較例6にそれぞれ用いた。
<実施例10>
図5に示される構造を有する画像表示装置を作製した。図5は、本発明の画像表示装置の一例を示す模式図である。図5において画像表示装置は、励起光源としてGaN系半導体レーザ501と本発明の蛍光体を備えた多数の画素からなるスクリーン508を有する。該半導体レーザ501から発せられるレーザ光は、変調器502により変調され、その後、電気光学偏向器503により、ラスターのピッチむらを補正する。その後、ウォブリング用ガルバノメータ504および垂直偏向用ガルバノメータ505により、垂直走査を行なう。その後、リレーレンズ506でレーザ光を伝達および集光し、回転多面鏡507により水平走査を行ない、強度変調されたレーザ光を本発明の蛍光体を備えた多数の画素からなるスクリーン508上に2次元走査し、スクリーン508上に画像が表示される。ここで、本実施例においては、蛍光体には、実施例4〜6で使用したEu付活β−サイアロン蛍光体、Eu付活CaAlSiN3蛍光体およびCe付活La3Si8N11O4蛍光体を用い、半導体レーザ501には、405nmに発光ピーク波長を有するものを用いた。
使用する蛍光体を、実施例7〜9で使用したEu付活β−サイアロン蛍光体およびEu付活CaAlSiN3蛍光体とし、半導体レーザ501を450nmに発光ピーク波長を有するものとしたこと以外は、実施例10と同様の構成からなる画像表示装置を作製した。
図6に示される構造を有する画像表示装置を作製した。図6は、本発明の画像表示装置の別の一例を示す模式図である。図6の画像表示装置600は、実施例5の半導体発光装置からなる光源601と、光源601からの光を導く導光板602と、該導光板602からの光を分光するカラーフィルタを備えた液晶パネル603とを有する液晶表示装置である。
光源601を実施例8の半導体発光装置としたこと以外は、実施例12と同様の構成からなる液晶表示装置を作製した。
Claims (6)
- 金属化合物粉末を含む混合物を焼成する焼成工程を含む、光学活性元素Euを含有するβ型サイアロン蛍光体の製造方法であって、
前記混合物は、
(A)Eu 2 O 3 またはEuNからなる金属化合物粉末と、
(B)焼成温度より低い温度で液相を形成する化合物であって、Si、Alから選択される少なくとも1つを含有する酸化物によってコーティングされたSi 3 N 4 からなる金属化合物粉末、前記酸化物によってコーティングされたAlNからなる金属化合物粉末から選択される少なくとも1つと、
(C)Si 3 N 4 からなる金属化合物粉末、AlNからなる金属化合物粉末から選択される少なくとも1つと、
を含むことを特徴とするβ型サイアロン蛍光体の製造方法。 - 前記焼成温度より低い温度で液相を形成する化合物であって、Si、Alから選択される少なくとも1つを含有する酸化物は、SiO2であることを特徴とする請求項1に記載のβ型サイアロン蛍光体の製造方法。
- 前記焼成工程において、前記金属化合物粉末を含む混合物を、粉末の凝集体からなる顆粒に成形した後、該顆粒を焼成することを特徴とする請求項1または2に記載のβ型サイアロン蛍光体の製造方法。
- 前記顆粒の成形は、前記金属化合物粉末を含む混合物と溶媒とを含有するスラリーを噴霧乾燥させることにより行なわれることを特徴とする請求項3に記載のβ型サイアロン蛍光体の製造方法。
- 前記焼成工程の前に、前記(B)焼成温度より低い温度で液相を形成する化合物であって、Si、Alから選択される少なくとも1つを含有する酸化物によってコーティングされた金属化合物粉末を作製するコーティング工程を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のβ型サイアロン蛍光体の製造方法。
- 前記コーティング工程は、コーティングさせる金属化合物粉末と、焼成温度より低い温度で液相を形成する化合物であって、Si、Alから選択される少なくとも1つを含有する酸化物と、溶媒とを含有するスラリーを噴霧乾燥させる噴霧乾燥工程を含むことを特徴とする請求項5に記載のβ型サイアロン蛍光体の製造方法。
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