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JP4881338B2 - 蒸気タービンおよびその抽気運転方法 - Google Patents
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JP4881338B2 - 蒸気タービンおよびその抽気運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は蒸気タービンおよびその抽気運転方法に係り、とりわけ各タービン段落出口から適切に抽気して熱効率の向上を図ることができる蒸気タービンおよびその抽気運転方法に関する。
近年、地球温暖化の抑制が強く望まれ、蒸気タービンを備えた発電プラントにおいても発電効率の改善により発電用の燃料消費を減らし、二酸化炭素の排出を抑制することが必要とされている。そのため、蒸気タービンのタービン翼列の性能向上、および発電プラントの熱バランスの改善による発電効率が重要な課題となっている。
蒸気タービンはタービンノズルと、タービン動翼段とからなる複数のタービン段落を有しているが、タービン性能の向上を図るには、タービン段落の損失を改善する必要がある。タービン段落の損失には、様々なものがあり、ノズル翼やタービン動翼の翼型形状そのものに起因するプロファイル損失と、翼列間を流れる流体力に起因する二次流れ損失と、作動流体が翼列間を通過せずに翼列間外部を通過、つまり漏洩することによる外部漏洩損失とに分けることができる。
特に、外部漏洩損失には、作動流体が翼列間から外部へ漏洩することによるタービン出力の低下の他に、漏洩した作動流体が、下流段落で翼列間を通過した作動流体と合流するに起因する損失増加が発生する。作動流体の主流と漏洩流量の各々は、流れのベクトル方向が大きく異なっており、合流することで複雑な流れとなり、下流段落での翼列損失を招きタービン性能を低減させている。
一般的な蒸気タービンのタービン段落の構成を図10に示す。各タービン段落11は、タービンノズル1と、タービン動翼段5とを有し、このうちタービンノズル1はダイアフラム外輪17と、ダイアフラム内輪16と、ダイアフラム外輪17とダイアフラム内輪16との間に形成され、かつ周方向に配列されたノズル翼1aとを有している。タービンノズルは、ケーシング12とともに蒸気タービンの静止部を構成している。ダイアフラム内輪16とロータ13の間には、作動流体の漏洩を減らすためにラビリンスパッキン18が周方向に設けられている。
このように形成されたタービンノズル1の下流側には、各タービンノズル1に対向してタービン動翼段5が配設されている。このタービン動翼段5は、ロータ(タービン軸)13に設けられたロータディスク21の外周に周方向に所定間隔で列状に植設された複数のタービン動翼5aを有する。いる。タービン動翼段5はその外周端に、周方向に複数設けられているタービン動翼5aの先端部を一体として束ねて固定させるシュラウド20を有する。シュラウド20の外周側にて動翼段5を取り囲む静止部であるケーシング12には、シュラウド20とこのケーシング12の間における作動流体の漏洩を減少させるためのチップパッキン4がその内面に取り付けられている。
一方、一般的に蒸気タービンプラントの熱サイクルは、再熱−再生サイクルからなっている。図9に蒸気タービンプラントの再熱−再生サイクルの概略配置図を示す。
図9に示すようにボイラ31で高温・高圧の蒸気が生成され、生成された蒸気のもつエネルギーは高圧タービン32で仕事をすることにより動力として回収される。仕事を終えた蒸気は、再びボイラ31で加熱(再熱)され、中圧タービン33へ送られ仕事を行なう。その後蒸気は低圧タービン34でも仕事を行なって更に動力を発生させる。そして発生させた動力により発電機45を回転させて発電する。低圧タービン34にて仕事を終えた蒸気は、復水器35へ導かれ復水し、水となって復水ポンプ38、復水熱交換器39、グランド蒸気復水器40、低圧給水加熱器41、脱気器42およびブースタポンプ43を経て、給水ポンプ36によりボイラ31へ送られる。給水ポンプ36からの給水はボイラ31へ送られる途中で高圧給水加熱器37により加熱され、このことによってボイラ31での燃料消費を節約することができる。
高圧給水加熱器37の熱源は、蒸気タービン32、33内の可逆断熱膨張途中の一部の蒸気を蒸気タービン外部に取り出した蒸気からなる。このように膨張途中で外部に取り出された蒸気を抽気と称しているが、給水加熱器37,41においては、抽気の保有する潜熱がボイラ31への給水により再生される。特に、再熱−再生サイクルの熱効率は、蒸気タービンの高圧タービン32、中圧タービン33の初圧・初温および排圧による影響を受けるとともに、蒸気タービンの高圧タービン32、中圧タービン33内での可逆熱膨張の途中から外に取り出す抽気の量にも関係している。高圧タービン32、中圧タービン33内部より高温蒸気の多くを抽気して高圧給水加熱器37に供給し、給水を加熱することにより、ボイラで消費される燃料を節約することができる。しかしながら、抽気を多くすれば高圧タービン32や中圧タービン33での蒸気流量が低下し、高圧タービン32、中圧タービン33の出力が低下して熱効率の低下を招く恐れがある。このため、蒸気タービンプラントの熱効率を向上させるには、高圧タービン32、中圧タービン33での抽気量や抽気方法を最適化することが重要である。
上記の通り、従来の蒸気タービンでは、高圧タービン32、中圧タービン33から抽気された作動流体と、高圧タービン32、中圧タービン33を通過した作動流体が合流するため、下流段落に流入する作動流体が複雑な流れとなり、蒸気タービン32、33の翼列間における損失を増加させタービン効率を低下させる課題があった。さらに、図10に示すように一般的に蒸気タービンにおいて、抽気管22はタービン段落11出口の円周方向の1箇所に設置され、局所的に作動流体を外部に取り出している。このため抽気するタービン段落では、円周方向において流量の分布が形成され下流段階で性能を低下させる問題があった。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、蒸気タービンの抽気構造を改善することで、損失低減によるタービン性能向上と熱サイクル向上を図ることができる蒸気タービンおよびその抽気運転方法を提供することを目的とする。
本発明は、タービン軸を内部に配置するケーシングと、前記ケーシングの内部に設けられて当該ケーシングとともに静止部を構成し、ダイアフラム外輪と、ダイアフラム内輪と、ダイアフラム外輪とダイアフラム内輪との間の環状流路の周方向に複数配置されたノズル翼とを有するタービンノズルと、このタービンノズルの下流側の位置にて前記タービン軸の周方向に複数配置されるタービン動翼からなり、前記タービンノズルとともにタービン段落を形成するタービン動翼段とを備え、タービン段落は前記ケーシングの内部に前記タービン軸に沿って上流側から下流側へと複数段が配置されるとともに、これら複数段のタービン段落のうち少なくとも2つのタービン段落出口部の前記静止部にそれぞれ抽気機構を設けて前記タービン段落出口部の作動流体をそれぞれ抽気させ、前記各抽気機構にて抽気された作動流体は合流させられて外部に供給され、かつ、前記複数の抽気機構は、上流側が下流側よりもその抽気流量が多くなるよう構成されていることを特徴とする蒸気タービンである。
本発明は、複数の抽気機構のうち少なくとも1つは、静止部の内表面に開口する複数の抽気孔を有することを特徴とする蒸気タービンである。
本発明は、静止部内表面に開口する抽気孔は、抽気される作動流体がタービン軸の軸方向の速度成分を持って流入するように形成されることを特徴とする蒸気タービンである。
本発明は、静止部内表面に開口する複数の抽気孔を備える抽気機構は、さらに各抽気孔に連通する抽気管を有する蒸気タービンである。
本発明は、各抽気機構にて抽気された作動流体は合流させられて外部に供給されるように構成されていることを特徴とする蒸気タービンである。
本発明は、少なくとも、最も下流側に位置する以外の抽気機構には、それぞれ絞り機構が設けられていることを特徴とする蒸気タービンである。
本発明は、タービン動翼段のうち少なくとも1つは外周にシュラウド部を有し、タービン動翼段出口部においてシュラウド内周端部がシュラウド外周端部のよりも上流側に位置し、前記シュラウド内周端部と前記シュラウド外周端部とが半径方向に傾斜する傾斜面により接続されていることを特徴とする蒸気タービンである。
本発明は、タービンノズルとタービン動翼段の一対にて構成されるタービン段落の複数を備え、当該複数のタービン段落を直列に配置した作動流体通路に上流側から下流側に向って作動流体を通流させることにより前記タービン動翼段を回転させる蒸気タービンの抽気運転方法であって、前記複数のタービン段落のうち一のタービン段落から流出した作動流体から、作動流体の一部を抽気する工程と、前記一のタービン段落よりも下流側の別のタービン段落から流出した作動流体から、前記一のタービン段落にて抽気した作動流体よりも少ない流量の作動流体を抽気する工程とを備えたことを特徴とする蒸気タービンの抽気運転方法である。
本発明は、一のタービン段落にて抽気した作動流体を減圧して前記別のタービン段落にて抽気した作動流体と合流させることを特徴とする蒸気タービンの抽気運転方法である。
本発明によれば、蒸気タービンにおいて抽気を適切に行なうことができ、熱効率の向上を図ることができる。
第1の実施の形態
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図4は本発明による蒸気タービンの第1の実施の形態を示す図である。
本実施の形態に係る蒸気タービンは、蒸気タービンプラントのうち、特に高圧タービンや中圧タービンに好適な蒸気タービンである。
図1に示すように、蒸気タービンはケーシング12と、ケーシング12内に回転可能に設けられたロータ(タービン軸)13と、ケーシング12内部に設けられた複数のタービンノズル1と、ロータ13に設けられた複数のタービン動翼段5とを備えている。
このうちタービンノズル1と、タービン動翼段5とによってタービン段落11が構成される。ケーシング12内には複数段のタービン段落11が、ロータ13に沿って上流側から下流側にへと配設されている。蒸気タービンに導入される作動流体は、このタービン段落の中を作動流体流路として上流側から下流側に向けて通流し、その間にタービン動翼段5およびロータ13を回転させる。
各タービンノズル1はダイアフラム外輪17と、ダイアフラム内輪16と、ダイアフラム外輪17とダイアフラム内輪16との間に周方向に配列された多数のノズル翼1aとを有している。タービンノズル1のダイアフラム外輪17はケーシング12の内部に固定されて設けられ、ケーシング12とともに蒸気タービンの静止部を構成している。
またタービン動翼段5は、ロータ13に設けられたロータディスク21の外周に周方向に所定間隔をおいて列状に多数植設されたタービン翼5aを有している。また、タービン動翼段5の外周端には、周方向に複数設けられているタービン動翼5aの先端部を一体として束ねて固定するためのシュラウド20が備えられている。ロータ13とタービン動翼段5は、ケーシング12やタービンノズル1といった静止部の内側(内周側)に配設されて蒸気タービンの回転部を構成している。
ダイアフラム内輪16には、静止部であるダイアフラム内輪16と回転部であるロータ13との間から作動流体が漏洩しないようラビリンスパッキン18が周方向に設けられている。さらにダイアフラム外輪17の内周面17bには、静止部であるダイアフラム外輪17とタービン動翼段5のシュラウド20との間隙26から作動流体が漏洩しないようチップパッキン4が取り付けられている。
ところで、ケーシング12の内周面12bやダイアフラム外輪17の内周面17bといった静止部の内表面には、各タービン段落11の出口近傍に、抽気孔22aが形成されている。各抽気孔22aはケーシング12やダイアフラム外輪17の内側を通流する作動流体を抽気して外部に取り出すものであり、各抽気孔22aは抽気管22に連通している。これら抽気孔22aと抽気管22とにより、各タービン段落11の出口で抽気を行なう抽気機構25が構成されている。
ここで、本実施の形態においては、抽気孔22aはケーシング12の内周面12bやダイアフラム外輪17の内周面17b、すなわち静止部におけるロータ13の軸に対する円筒面に開口しており、ここから径方向(放射方向)、すなわちロータ13の軸に直交する方向に延びている。
なお、本実施の形態では、各タービン段落11それぞれの出口近傍に抽気機構25を設けたが、抽気機構25については、全てのタービン段落11の出口近傍に設ける必要はなく、一部のタービン段落11の出口近傍に設けられていなくても構わない。
各タービン段落11の出口に設けられた抽気機構25の抽気管22に合流管24が接続され、複数の抽気孔22aからそれぞれ抽気された蒸気は合流管24にて合流する。この合流管24は後述するようにケーシング12内に設けられていてもよいが、ケーシング12、すなわち蒸気タービンの外部に設けられていてもよい。各タービン段落にて抽気機構25により抽気され、合流管24にて合流させられた作動流体は、蒸気タービンの外部に設けられた給水加熱器37に供給される。抽気機構25にて抽気され、給水加熱器37に供給された作動流体は、給水ポンプ36から送られてくる給水と給水加熱器37内で熱交換しこの給水を加熱する。給水加熱器にて加熱された給水はその後ボイラ31へ送られる。
抽気機構25の抽気管22が接続される合流管24については、図2に示すようにケーシング12内部に設けてもよい。この場合、合流管24を抽気機構25内の作動流体流路よりも大径とすることが好ましい。このようにして、抽気機構25にて抽気され、大径の合流管24にて合流させられた作動流体をケーシング12外方へ取り出すことも可能である。
上述の通り、本実施の形態の蒸気タービンにおいては、複数のタービン段落11の出口部に抽気機構25が設けられており、これらの各抽気機構25にも受けられた抽気管22が合流管24にて合流するように構成されているが、各タービン段落11を流れる作動流体はそれぞれその圧力が異なるため、各抽気管22を単に合流管24にて合流させるだけとすると、圧力差により場合によっては逆流が生じる可能性がある。
このため、本実施の形態では、抽気機構25の各抽気管22には、圧力を調整するための絞り機構22bが設けられている。なお、図1に示した蒸気タービンでは、全ての抽気管22に圧力調整用の絞り機構22bをつけているが、最下流のタービン段落11に設けられた抽気機構25については、必ずしも圧力を低下させる必要はないため、この圧力調整用の絞り機構22bを省略することができる。また、図1に示した本実施の形態では絞り機構22bとしてオリフィスを採用しているが、絞り機構22bとしては、このほか絞り弁や絞り流路部とすることも可能である。
そして、本実施の形態においてはさらに、各抽気機構25にて抽気される作動流体の流量が、上流側のタービン段落11から下流側のタービン段落11に向かって減少するように構成されている。すなわち、本実施の形態においては、上流側のタービン段落11の出口部に設けられた抽気機構25での抽気流量が、下流側のタービン段落11の出口部に設けられた抽気機構25での抽気流量よりも多くなるように構成されている。
ここで、各抽気機構25での抽気流量については、例えば抽気機構25の作動流体流路の流路断面積が最も小さくなる部位(最狭部)の流路断面積によって設定することができる。したがって、各抽気機構25の抽気流量が上流側ほど多くなり、下流側に向かって減少するようにするためには、例えば上流側の抽気機構25における最狭部の管径など流路断面積をより大きく取り、下流側の抽気機構25における管径最狭部の流路断面積を小さく取ればよい。特に、本実施の形態においては、各抽気機構25には絞り機構22bとしてオリフィスが設けられているため、このオリフィスの部分を各抽気機構25の作動流体流路うちで流路断面積が最も小さくなる部位(最狭部)となるように設定すれば、オリフィスの孔径が上流側の抽気機構25ほど大きくなるように設定することで、各抽気機構25にて抽気される作動流体の流量が、上流側のタービン段落11から下流側のタービン段落11に向かって減少するような構成を実現することができる。すなわち、オリフィス部を各抽気機構25の作動流体流路の最狭部とする場合、圧力調整用の絞り機構22bであるオリフィスが流量調整の機能も備えることとなる。
なお、ここで、抽気機構25の作動流体流路の最狭部を決定するにあたっては、作動流体流路が並列になっている部分については、並列になっている部分の各断面積の合計を流路断面積として取り扱う。
ところで抽気機構25により抽気される作動流体の流量(抽気流量)は、作動流体流路の最狭部の断面積以外にも、作動流体の温度、圧力などによっても異なる。
上述例では、絞り機構22bとしてのオリフィスの孔径(断面積)を上流側の抽気機構25から下流側の抽気機構25に向って徐々に小さくすることで上流側のタービン段落11から下流側のタービン段落11に向って抽気流量が減少する構成としたが、これに限るものではない。すなわち、上述の通り抽気流量は流路断面積の他、蒸気条件(温度・圧力)によっても異なるため、例えば上流側のタービン段落11から下流側のタービン段落11に向って徐々に作動流体の圧力および温度が低下する場合などでは、抽気機構25の作動流体流路の断面積が上流側から下流側に向って略同一、あるいは徐々に大きくなっても、各抽気機構25からの抽気流量を上流側のタービン段落11から下流側のタービン段落11に向って減少する構造とすることが可能である。
従って、本実施の形態においては、抽気機構25の作動流体流路の流路断面積が最も小さくなる部位(最狭部)の流路断面積のほか、各タービン段落11における圧力、温度に基づいて各タービン段落11における抽気機構25による抽気流量をそれぞれ設定することにより、各抽気機構25にて抽気される作動流体の流量が、上流側のタービン段落11から下流側のタービン段落11に向って減少するような構成を実現できる。
次にこのような構成から成る本実施の形態の作用について説明する。
図1において、ケーシング12内に流入する作動流体は、各タービン段落11のタービンノズル1からタービン動翼段5内に流入し、蒸気タービンの回転部であるタービン動翼段5およびロータ13を回転させる。この間、ケーシング12内の作動流体は、各タービン段落11の出口部に設けられた抽気孔22aから抽気管22を経て抽気される。このとき抽気管22からの抽気量は、上述のように上流のタービン段落11から下流のタービン段落11へ向かって減少する。
図3は、蒸気タービンの軸方向位置と、その位置における抽気流量を示したグラフである。各タービン段落11の出口部における抽気機構25による抽気流量を決定するにあたって、本実施の形態では、図3に破線で示したような蒸気タービンの入口部からの軸方向位置によって、上流側から下流側へ向かって減少するような抽気流量特性を、予め最適な特性として与えておく。そして、蒸気タービンの設計の際に、各タービン段落11の出口部の蒸気タービン内での軸方向位置が決定した時点で、図3に示したように各位置を抽気流量特性上にプロットする。このようにすることで抽気流量特性から抽気流量を決定することができる。
なお、図3に破線で示した抽気流量特性の曲線については、蒸気タービンプラント全体のヒートバランスのシミュレーションを行なうことによって適切に定めることが可能である。また、図3においては横軸を蒸気タービンの入口部からの軸方向位置としているが、抽気流量特性の曲線は、蒸気タービンの作動流体流路内の静圧の関数として与えることも可能である。
図4に本実施の形態におけるタービン動翼5a出口における、タービン動翼の翼高さ方向の作動流体の温度分布を示す。
タービン動翼段5は、複数設けられているタービン動翼5aに流入する作動流体の熱エネルギーを動力に変換する。このため、タービン動翼段5出口の作動流体温度は、タービンの駆動動力として仕事を行なうことによりタービン段落11の入口温度よりも低下する。
他方、タービン動翼段5外周端のシュラウド20と静止部であるダイアフラム外輪17の内面17bとの間にはチップパッキン4の間隙26が形成されている。このチップパッキン4の間隙26を通過した作動流体は仕事を行なわないため、タービン段落11入口温度の状態でタービン動翼5出口に流れ込み、図4に示すように翼長の高い部分の温度が上昇する。
タービン動翼5出口で抽気を行なわない場合では、タービンノズル1を流出してチップパッキン4とシュラウド20との間隙26へと漏洩した漏洩流体は、間隙26を通過した後に再びタービン段落11の通路部へ向かい、タービン段落11の通路部であるタービン動翼5aの間を流れてきた作動流体の主流と合流する。しかしながら、このときの主流に合流しようとする漏洩流体の流れの向きは、ロータ13の中心軸方向、すなわち径方向の内側であるため、タービン段落11の通路部であるタービン動翼5aの間を流れてきた作動流体の主流の流れの向き(略軸方向)とは大きく異なる。このため、この漏洩流体が主流に合流する際には、作動流体の主流の流れを乱すことによって、それ以降のタービン段落11におけるタービン翼列性能を低下させていた。
これに対し本実施の形態によれば、複数のタービン段落11のタービン動翼5の出口部に抽気機構25を設け、この抽気機構25に設けられた抽気孔22aから抽気を行なうことによって、間隙26からの漏洩流体の流量を減少させ、漏洩流体がタービン段落11の作動流体の主流に流れ込んで合流することを抑制し、翼列性能を向上させることができる。
特に、タービン動翼5aのスロート面積に対するシュラウド20部分とケーシング12の内面12bとの間の間隙26の断面積(スロート面積と動翼チップ部間隙断面積の比)は、タービン動翼5aの翼長が短く半径の小さい上流のタービン段落ほど大きくなる。このため、本実施の形態においては、上流のタービン段落11では抽気流量を大きくし、下流のタービン段落11では上流側のタービン段落11での抽気流量よりもその抽気流量を少なくすることにより、効果的にタービン性能を向上させることができる。さらに、間隙26を通過した漏洩流量は、仕事をしていないため、タービン動翼段5を通過した流体温度よりも高温となる。このような高温の流体を給水加熱器37で抽気として使用することにより、給水を効果的に加熱できる。このように間隙26を通過した漏洩流体を効果的に抽気することで、ボイラ31での燃料消費をより一層節約することができ、蒸気タービンプラントの熱効率を向上させることができる。
また、図2に示したように、各タービン段落11にて抽気された作動流体を、ケーシング12内部で大径の合流管24により合流させてからケーシング12外部へ取り出すこととすれば、各タービン段落11の出口部から取り出される抽気管22からの放熱を抑制することができる。これにより、抽気の温度低下を少なくして給水加熱器37に供給することができるので、蒸気タービンプラントン熱効率をさらに向上させることができる。さらにこの際に、抽気の圧力が高い抽気機構25の抽気管22には絞り機構22bを設けて減圧させることで、合流後の圧力を一定に保ち安定に運転することができる。
第2の実施の形態
次に本発明の第2の実施の形態について、図5乃至図6により説明する。図5乃至図6に示す第2の実施の形態は、各タービン段落11毎に設けた抽気機構25の構成が異なるのみであり、他は図1乃至図4に示す第1の実施の形態と略同一である。図5乃至図6に示す第2の実施の形態において、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を符して詳細な説明は省略する。
図5(a)は抽気機構を蒸気タービンの子午断面にて示す拡大図、図5(b)は図5(a)のB線断面図である。図5(a)(b)に示すように、各タービン段落11の出口毎に抽気機構25が設けられ、各抽気機構25の抽気孔22aは、その一端がダイアフラム外輪17の内周面17b、すなわち蒸気タービンの静止部の内周面に周方向に間隔をおいて複数開口するように設けられている。すなわち本実施の形態においては、抽気機構25の抽気孔22aは、各タービン段落11を包囲する静止部(ケーシング12あるいはダイアフラム外輪17)の周方向に全周に亘って一定の間隔をあけて複数設けられている。そして、各抽気機構25の抽気孔22aは、それぞれこの静止部の内周面に設けられた開口部から径方向(放射方向)、すなわちロータ13の軸に直交する方向に延びている。また、ダイアフラム外輪17の内部には、ダイアフラム外輪17の内周面17bに沿って全周に延びる連通管9が設けられており、抽気機構25の抽気孔22aの他端は、この連通管9に開口するように形成されている。連通管9の外側部には、抽気機構25の抽気管22が接続され、抽気管22には絞り機構22bが第1の実施の形態と同様に設けられている。
このような本実施の形態の構成においては、ダイアフラム外輪17の内周面17bに複数設けられた抽気孔22aによりそれぞれ抽気された作動流体は、ダイアフラム外輪17の内周面17bに沿って全周に延びる連通管9に流入して集合し、連通管9から抽気管22を介して、さらに図2に示した合流管24を経て給水加熱器37に送られる。
タービン動翼5先端のシュラウド20と、ダイアフラム外輪17の内周面17bとの間の間隙26を通過する作動流体である漏洩流体はダイアフラム外輪17の内周面17bの全周にて発生する。すなわち、本実施の形態のように、抽気機構25の抽気孔22aを静止部の内周面の全周に設けることによって、全周から作動流体を抽気して、ダイアフラム外輪17の内周面17bとの間の間隙26を通過した漏洩流体がタービン段落11の翼列を通過する作動流体の主流に合流することを全周において抑制することができる。これにより、主流が局所的に変化することで周方向に不均一な流量分布が生じることを防ぎ、抽気段落以降の翼列性能の低減を抑制することができる。
ところで、図5(a)(b)では、抽気孔22を蒸気タービン静止部の内周面に開口した放射状の孔として設けているが、これには限らず、抽気孔22を子午断面においてロータ軸3に平行に設けることも可能である。このような例を変形例として図6を用いて次に説明する。
図6は抽気機構を蒸気タービンの子午断面にて示す拡大図、図6(b)は図6(a)のB線断面図である。この変形例においても、各タービン段落11を包囲する静止部(ケーシング12あるいはダイアフラム外輪17)の周方向に全周に亘って一定の間隔をあけて複数設けられており、また、ダイアフラム外輪17の内部には、ダイアフラム外輪17の内周面17bに沿って全周に延びる連通管9が設けられており、抽気機構25の抽気孔22aがこの連通管9に開口するように形成されている。また、連通管9の外側部には、抽気機構25の抽気管22が接続され、抽気管22には絞り機構22bが設けられている。そして本変形例では、図6(a)(b)に示すように、各抽気孔22aの開口部が、タービン動翼段5のシュラウド20の下流側に配置されるダイアフラム外輪17の側壁17aに位置するよう設けている。この場合、ダイアフラム外輪17の側壁17aはロータ13直交する面となっており、したがって側壁12aその一端が開口する各抽気孔22aは、子午断面においてロータ13の軸に平行に形成され、抽気孔22aに抽気される作動流体はロータ軸3の軸方向の速度成分を持って流入する。 シュラウド20と、ダイアフラム外輪17の内周面17bとの間の間隙26を通過する作動流体である漏洩流体はロータ13の軸方向の速度成分をもって流れるため、このような構成とすることによって、この漏洩流体の流れ方向と、抽気孔22aからの作動流体の抽気の方向とを同一のとすることができ、抽気による圧力損失を低減することができる。
すなわち、本実施の形態において、抽気孔22aはケーシング12あるいはダイアフラム外輪17といった静止部の内表面にその一端が開口し、ロータ13の軸に対する周方向に全周に亘って複数設けられているものであり、各抽気孔22a自体は、径方向(放射方向)に配置されていても、軸方向に配置されていても構わない。特に、図6に示したように、各抽気孔22aを蒸気タービンの子午断面においてロータ13の軸に平行に形成する場合、抽気孔22aをタービン動翼段5の回転方向に合わせて円周方向に傾けて配置し、よりスムーズに漏洩流体が抽気される構成とすることもできる。
なお、図5(a)(b)や図6(a)(b)に示したような本実施の形態に係る抽気機構25については、図1乃至図4に示した第1の実施の形態のタービン段落11のすべてに設けるようにしてもよく、あるいはタービン段落11のうち少なくとも1つに設けるようにしてもよい。
第3の実施の形態
次に本発明の第3の実施の形態について図7および図8により説明する。図7および図8に示す第3の実施の形態は、各タービン動翼段5の外周端部に設けられたシュラウド20の構成が異なるのみであり、他は図1乃至図4に示す第1の実施の形態と略同一である。
図7および図8に示す第3の実施の形態において、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を符して詳細な説明は省略する。
図7および図8に示すように、タービン動翼5段の外周部のシュラウド20は、その出口においてシュラウド内周部の長手方向長さがシュラウド外周部の長手方向長さより短くなっており、これにより半径方向に傾斜する傾斜部20aが形成されている。すなわち、本実施の形態においては、シュラウド20は、動翼段出口部においてシュラウド内周端部がシュラウド外周端部のよりも上流側に位置しており、シュラウド内周端部と前記シュラウド外周端部とが半径方向に傾斜する傾斜面である傾斜部20aにより接続されている。
図8は、各タービン動翼5aにおける、翼高さと局所的なエネルギー損失との関係を示したグラフである。一般的にタービン動翼5の出口は、図8に示すように翼長の高い部分でエネルギー損失が大きくなる。これにより、エネルギー損失の大きい流体が下流段落に流れ、さらにエネルギー損失を招いていてタービンの効率を低下させている。
このため、本実施の形態のように、タービン動翼段5の外周部に位置するシュラウド20の出口側を、半径方向に傾斜する傾斜面である傾斜部20aとしたので、タービン動翼5のケーシング12の内周面12b近傍(翼長が高い部分)で発生したエネルギー損失の大きい作動流体をスムーズに傾斜部20aにより抽気孔22a側へ案内して抽気することが可能となる。これにより、下流側のタービン段落11へエネルギー損失の大きい流体を受け渡さなくて済むため、下流側のタービン段落11における損失低下を抑制することができる。また、このようにエネルギー損失の大きい、翼長の高い部分を流れる流体の温度は作動流体の主流の温度よりも高いため、これを抽気に用いることで効果的に給水を加熱することができ、蒸気タービンプラントの熱効率の向上も期待できる。
なお、本実施の形態に係るタービン動翼段5のシュラウド部20の構成については、図1乃至図4に示した第1の実施の形態のタービン段落11のすべてに設けるようにしてもよく、あるいはタービン段落11のうち少なくとも1つに設けるようにしてもよい。また、図5あるいは図6の第2の実施の形態と適宜組み合わせることも可能である。
図1は本発明の第1の実施の形態による蒸気タービンを示す断面図。 図2は本発明の第1の実施の形態の変形例による蒸気タービンを示す断面図。 図3は本発明の第1の実施の形態による蒸気タービンの作用を説明する図。 図4は本発明の第1の実施の形態による蒸気タービンの作用を説明する補足図。 図5(a)(b)は本発明の第2の実施の形態による蒸気タービンを示す図。 図6(a)(b)は本発明の第2の実施の形態の変形例による蒸気タービンを示す図。 図7は本発明の第3の実施の形態による蒸気タービンを示す断面図。 図8は本発明の第3の実施の形態による蒸気タービンの作用を説明する図。 蒸気タービンプラントの概略を示す配置図。 従来の蒸気タービンを示す断面図。
符号の説明
1 タービンノズル
1a ノズル翼
5 タービン動翼
4 チップパッキン
9 連通管
11 タービン段落
12 ケーシング
12a 側壁
12b 内周面
13 ロータ
16 ダイアフラム内輪
17 ダイアフラム外輪
18 ラビリンスパッキン
20 シュラウド
21 ロータディスク
22 抽気管
22a 抽気孔
22b 絞り機構
24 合流管
25 抽気機構
26 間隙

Claims (6)

  1. タービン軸を内部に配置するケーシングと、
    前記ケーシングの内部に設けられて当該ケーシングとともに静止部を構成し、ダイアフラム外輪と、ダイアフラム内輪と、ダイアフラム外輪とダイアフラム内輪との間の環状流路の周方向に複数配置されたノズル翼とを有するタービンノズルと、
    このタービンノズルの下流側の位置にて前記タービン軸の周方向に複数配置されるタービン動翼からなり、前記タービンノズルとともにタービン段落を形成するタービン動翼段とを備え、
    タービン段落は前記ケーシングの内部に前記タービン軸に沿って上流側から下流側へと複数段が配置されるとともに、これら複数段のタービン段落のうち少なくとも2つのタービン段落出口部の前記静止部にそれぞれ抽気機構を設けて前記タービン段落出口部の作動流体をそれぞれ所定の抽気流量だけ抽気させ、前記各抽気機構にて抽気された作動流体は合流させられて外部に供給され、かつ、
    各抽気機構はそれぞれ絞り機構を有し、各絞り機構の断面積は、上流側が下流側よりもその抽気流量が多くなるよう設定され、上流側のタービン段落の抽気機構にて抽気された作動流体は当該抽気機構の絞り機構により減圧されて下流側のタービン段落の抽気機構にて抽気された作動流体と合流することを特徴とする蒸気タービン。
  2. 複数の抽気機構のうち少なくとも1つは、静止部の内表面に開口する複数の抽気孔を有することを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン。
  3. 静止部内表面に開口する抽気孔は、抽気される作動流体がタービン軸の軸方向の速度成分を持って流入するように形成されることを特徴とする請求項2記載の蒸気タービン。
  4. 静止部内表面に開口する複数の抽気孔を備える抽気機構は、さらに各抽気孔に連通する抽気管を有する請求項2または3のいずれか記載の蒸気タービン。
  5. タービン動翼段のうち少なくとも1つは外周にシュラウド部を有し、タービン動翼段出口部においてシュラウド内周端部がシュラウド外周端部のよりも上流側に位置し、前記シュラウド内周端部と前記シュラウド外周端部とが半径方向に傾斜する傾斜面により接続されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか記載の蒸気タービン。
  6. タービンノズルとタービン動翼段の一対にて構成されるタービン段落の複数を備え、当該複数のタービン段落を直列に配置した作動流体通路に上流側から下流側に向って作動流体を通流させることにより前記タービン動翼段を回転させる蒸気タービンの抽気運転方法であって、
    前記複数のタービン段落のうち一のタービン段落から流出した作動流体から、作動流体の一部を抽気機構により抽気する工程と、
    前記一のタービン段落よりも下流側の別のタービン段落から流出した作動流体から、前記一のタービン段落にて抽気した作動流体よりも少ない流量の作動流体を抽気機構により抽気する工程とを備え
    各抽気機構はそれぞれ絞り機構を有し、各絞り機構の断面積は、上流側が下流側よりもその抽気流量が多くなるよう設定され、一のタービン段落の抽気機構にて抽気された作動流体は当該抽気機構の絞り機構により減圧されて下流側のタービン段落の抽気機構にて抽気された作動流体と合流することを特徴とする蒸気タービンの抽気運転方法。
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