JP4881739B2 - L−アルギニン、l−オルニチンまたはl−シトルリンの製造法 - Google Patents
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Description
例えば、コリネ型細菌では、アルギニン・リプレッサー(以下、ArgRという)によって、L−アルギニンの生合成に関与する酵素をコードする遺伝子から構成されるオペロン(以下、アルギニン・オペロンと略す)の転写が抑制されている(特許文献1参照)。また、コリネ型細菌では、L−グルタミン酸からL−アルギニンに至る生合成経路上の第2番目の酵素であるN−アセチルグルタミン酸キナーゼ(EC:2.7.2.8、以下、ArgBと略すこともある)がL−アルギニンによるフィードバック阻害を受けることが知られている(非特許文献2参照)。
例えば、アルギニンの生合成に関与する遺伝子を含むDNA断片でコリネバクテリウム・グルタミカムを形質転換し、さらに突然変異処理を施すことにより、アルギニンの生産性の向上したコリネバクテリウム・グルタミカムK65(FERM BP−1115)株が取得されたことが報告されている(特許文献2参照)。
しかし、これまでに、ArgBとArgRをコードするDNAの両方に変異が導入された株において、ArgBまたはArgRをコードするDNAにどのような変異を導入すればL−アルギニンの生産性が向上するかについての報告はない。
(1)(i)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第20〜38番目のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列、または
(ii)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第20〜38番目のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が置換され、かつ第1〜19番目または39〜294番目のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列を有し、かつN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性を有するポリペプチド。
(2)(i)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26〜31番目のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列、または
(ii)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26〜31番目のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が置換され、かつ第1〜25番目または第32〜294番目のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列
を有し、かつN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性を有するポリペプチド。
(3)(i)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26または31番目のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列、
(ii)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26および31番目のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列、または
(iii)上記(i)または(ii)のアミノ酸配列において、置換された部位以外の1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列
を有し、かつN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性を有するポリペプチド。
(4)(i)配列番号3、5、7、9および11で表されるアミノ酸配列から選ばれるアミノ酸配列、
(ii)配列番号3、5および7で表されるアミノ酸配列から選ばれるアミノ酸配列において、それぞれの配列の第26番目のアミノ酸以外のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列、
(iii)配列番号9で表されるアミノ酸配列において、第31番目のアミノ酸以外のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列、または
(iv)配列番号11で表されるアミノ酸配列において、第26および31番目のアミノ酸以外のアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列を有し、かつN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性を有するポリペプチド。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1つのポリペプチドをコードするDNA。
(6)配列番号4、6、8、10および12で表される塩基配列から選ばれる塩基配列を有するDNA。
(7)配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNAの塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ
(i)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−アラニン以外のアミノ酸であるポリペプチドをコードするDNA、
(ii)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第31番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−メチオニン以外のアミノ酸であるポリペプチドをコードするDNA、または
(iii)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−アラニン以外のアミノ酸であり、かつ第31番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−メチオニン以外のアミノ酸であるポリペプチドをコードするDNA
であり、かつN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA。
(8)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−バリン、L−ロイシンまたはL−イソロイシンであり、第31番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−バリンである、上記(7)のDNA。
(9)配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNAの塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ
(i)配列番号2で表される塩基配列の5’末端から第76〜78番目の領域に相応する領域がグアニン−チミジン−チミジン、シトシン−チミジン−グアニン、もしくはアデニン−チミジン−シトシンである塩基配列を有するDNA、
(ii)配列番号2で表される塩基配列の5’末端から第91〜93番目の領域に相応する領域がグアニン−チミジン−グアニンである塩基配列を有するDNA、または
(iii)配列番号2で表される塩基配列の5’末端から第76〜78番目の領域に相応する領域がグアニン−チミジン−チミジン、シトシン−チミジン−グアニン、もしくはアデニン−チミジン−シトシンであり、かつ第91〜93番目の領域に相応する領域がグアニン−チミジン−グアニンである塩基配列を有するDNA
であり、かつN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA。
(10)上記(5)〜(9)のいずれか1つのDNAをベクターに組み込んで得られる組換え体DNA。
(11)上記(10)の組換え体DNAを導入して得られる微生物。
(12)上記(5)〜(9)のいずれか1つのDNAを有する微生物。
(13)アルギニン・リプレッサーのアルギニン・オペロンの転写抑制活性が低下または喪失していることを特徴とする上記(11)または(12)の微生物。
(14)オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ活性が低下または喪失していることを特徴とする上記(11)〜(13)のいずれか1つの微生物。
(15)アルギニノコハク酸シンターゼ活性が低下または喪失していることを特徴とする上記(11)〜(14)のいずれか1つの微生物。
(16)微生物がコリネバクテリウム属に属する微生物である、上記(11)〜(15)のいずれか1つの微生物。
(17)微生物がコリネバクテリウム・グルタミカムに属する微生物である、上記(11)〜(16)の微生物。
(18)上記(11)〜(17)のいずれか1つの微生物を培地に培養し、培養物中にL−アルギニン、L−オルニチンまたはL−シトルリンを生成、蓄積させ、該培養物からL−アルギニン、L−オルニチンまたはL−シトルリンを採取することを特徴とするL−アルギニン、L−オルニチンまたはL−シトルリンの製造法。
配列番号1で表されるアミノ酸配列は、コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株のArgBのアミノ酸配列であり、配列番号2で表される塩基配列を有するDNAによりコードされる。なお、配列番号2で表される塩基配列を有するDNAは、DDBJ/GenBank/EMBLにNCgl1342として登録されている。
置換されるアミノ酸の数は、置換後のアミノ酸配列を有するポリペプチドがArgB活性を有しており、好ましくはL−アルギニンによるフィードバック阻害の低減または解除されたArgB活性を有していれば特に限定されるものではないが、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1または2個である。
天然型アミノ酸としては、L−アラニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−グルタミン、L−グルタミン酸、グリシン、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−アルギニン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン、L−バリン、L−システインなどがあげられる。
A群:ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、バリン、ノルバリン、アラニン、2−アミノブタン酸、メチオニン、O−メチルセリン、t−ブチルグリシン、t−ブチルアラニン、シクロヘキシルアラニン
B群:アスパラギン酸、グルタミン酸、イソアスパラギン酸、イソグルタミン酸、2−アミノアジピン酸、2−アミノスベリン酸
C群:アスパラギン、グルタミン
D群:リジン、アルギニン、オルニチン、2,4−ジアミノブタン酸、2,3−ジアミノプロピオン酸
E群:プロリン、3−ヒドロキシプロリン、4−ヒドロキシプロリン
F群:セリン、スレオニン、ホモセリン
G群:フェニルアラニン、チロシン
本発明のポリペプチドとしては、例えば、配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26または31番目のいずれか一方、あるいは両方のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列を有し、かつArgB活性を有するポリペプチドをあげることができる。
欠失、置換または付加されるアミノ酸の数は特に限定されないが、1個から数十個、好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個である。
置換されるアミノ酸は、上記の配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から20〜38番目のアミノ酸配列中で置換することが可能なアミノ酸と同様である。
本発明のポリペプチドがArgB活性を有するためには、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドと、少なくとも60%以上、通常は80%以上、特に95%以上の相同性を有していることが好ましい。
また、本発明のDNAとしては、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNAの塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ
(i)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−アラニン以外のアミノ酸であるポリペプチドをコードするDNA、
(ii)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第31番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−メチオニン以外のアミノ酸であるポリペプチドをコードするDNA、
(iii)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−アラニン以外のアミノ酸であり、かつ第31番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−メチオニン以外のアミノ酸であるポリペプチドをコードするDNA、
(iv)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−バリン、L−ロイシンまたはL−イソロイシンであるポリペプチドをコードするDNA、
(v)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第31番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−バリンであるポリペプチドをコードするDNA、
(vi)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−バリン、L−ロイシンまたはL−イソロイシンであり、かつ第31番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−バリンであるポリペプチドをコードするDNA、
(vii)配列番号2で表される塩基配列の5’末端から第76〜78番目の領域に相応する領域がグアニン−チミジン−チミジン、シトシン−チミジン−グアニン、もしくはアデニン−チミジン−シトシンである塩基配列を有するDNA、
(viii)配列番号2で表される塩基配列の5’末端から第91〜93番目の領域に相応する領域がグアニン−チミジン−グアニンである塩基配列を有するDNA、または
(ix)配列番号2で表される塩基配列の5’末端から第76〜78番目の領域に相応する領域がグアニン−チミジン−チミジン、シトシン−チミジン−グアニン、もしくはアデニン−チミジン−シトシンであり、かつ第91〜93番目の領域に相応する領域がグアニン−チミジン−グアニンである塩基配列を有するDNA
であり、かつN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNAをあげることができる。
本発明の微生物の種類は特に限定されないが、例えばコリネ型細菌をあげることができる。
コリネバクテリウム属に属する微生物としては、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)、コリネバクテリウム・アセトアシドフィラム(Corynebacterium acetoacidophilum)、コリネバクテリウム・アセトグルタミカム(Corynebacterium acetoglutamicum)、コリネバクテリウム・カルナエ(Corynebacterium callunae)、コリネバクテリウム・ハーキュリス(Corynebacterium herculis)、コリネバクテリウム・リリウム(Corynebacterium lilium)、コリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacterium melassecola)、コリネバクテリウム・サーモアミノゲネス(Corynebacterium thermoaminogenes)等をあげることができ、具体的には、Corynebacterium glutamicum ATCC13032、Corynebacterium glutamicum ATCC13060、Corynebacterium glutamicum ATCC13826(旧属種Brevibacterium flavum)、Corynebacterium glutamicum ATCC14020(旧属種Brevibacterium divaricatum)、Corynebacterium glutamicum ATCC13869(旧属種Brevibacterium lactofermentum)、Corynebacterium acetoacidophilum ATCC13870、Corynebacterium acetoglutamicum ATCC15806、Corynebacterium callunae ATCC15991、Corynebacterium herculis ATCC13868、Corynebacterium lilium ATCC15990、Corynebacterium melassecola ATCC17965、Corynebacterium thermoaminogenes ATCC9244等をあげることができる。
本発明の微生物のArgRのアルギニン・オペロン転写抑制活性は、親株の活性と比べて低下していればよいが、50%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、5%以下であることがさらに好ましく、活性がゼロ、すなわち喪失していることが最も好ましい。
例えば、本発明の微生物がコリネバクテリウム・グルタミカムに属する微生物である場合、野生株としては、コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株をあげることができる。
本発明のDNAは、配列番号2で表される塩基配列を有するDNA、または配列番号2で表される塩基配列と相同性の高い塩基配列を有し、かつArgB活性を有するポリペプチドをコードするDNAから調製して得ることができる。
配列番号2で表される塩基配列を有するDNA、または配列番号2で表される塩基配列と相同性の高い塩基配列を有し、かつArgB活性を有するポリペプチドをコードするDNAは、これらのDNAを有する微生物から調製して得ることができるが、パーセプティブ・バイオシステムズ社製8905型DNA合成装置等を用いて化学合成しても得ることができる。
コリネバクテリウム属に属する微生物としては、コリネバクテリウム・グルタミカム、コリネバクテリウム・アセトアシドフィラム、コリネバクテリウム・エフィシエンス(Corynebacterium efficiens)、コリネバクテリウム・クレナタム(Corynebacterium crenatum)等をあげることができ、例えば、Corynebacterium glutamicum ATCC13032、Corynebacterium glutamicum K65(FERM BP−1115)、Corynebacterium acetoacidophilum ATCC13870、Corynebacterium efficiens JCM 44549等をあげることができるが、配列番号2で表される塩基配列を有するDNAを有するCorynebacterium glutamicum ATCC13032が好ましく用いられる。
培養後、例えば斎藤らの方法〔Biochim.Biophys.Acta,72,619(1963)〕に準じて該微生物の染色体DNAを単離精製する。
また、単離精製した染色体DNAを用いて、モレキュラー・クローニング第3版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー等に記載された方法に準じてDNAライブラリーを作製し、モレキュラー・クローニング第3版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、DNAクローニング等の実験書に記載されているコロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法、サザンハイブリダイゼーション法等により、得られたDNAライブラリーからArgBをコードするDNAを含むクローンを取得することもできる。
例えば、配列番号2で表される塩基配列を有するDNA、または配列番号13〜18で表される塩基配列からなるDNAをプライマーとしてコリネバクテリウム・グルタミカムに属する微生物の染色体DNAを鋳型にPCRを行い、増幅したDNA断片などを例示することができる。
また、決定されたDNA断片の塩基配列に基づいて、パーセプティブ・バイオシステムズ社製8905型DNA合成装置等を用いて化学合成することにより目的とするDNA断片を調製することもできる。
配列番号2で表される塩基配列を有するDNA、または配列番号2で表される塩基配列と相同性の高い塩基配列を有し、かつArgB活性を有するポリペプチドをコードするDNAに、必要に応じてモレキュラー・クローニング第3版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、Nucleic Acids Research,10,6487(1982)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,79,6409(1982)、Gene,34,315(1985)、Nucleic Acids Research,13,4431(1985)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82,488(1985)等に記載の部位特異的変異導入法、例えば、PCRを用いる方法等により部位特異的変異を導入することにより本発明のDNAを取得することができる。
ベクターとしては、本発明のDNAを導入する微生物(以下、宿主微生物という)に導入可能なベクターであれば特に限定されるものではなく、例えば、pHSG299〔Gene,61,63−74(1987)〕、pBTrp2、pBTac1、pBTac2(いずれもベーリンガーマンハイム社製)、pHelix1(ロシュ・ダイアグノスティクス社製)、pKK233−2(アマシャム・ファルマシア・バイオテク社製)、pSE280(インビトロジェン社製)、pGEMEX−1(プロメガ社製)、pQE−8(キアゲン社製)、pET−3(ノバジェン社製)、pKYP10(特開昭58−110600号)、pKYP200〔Agric.Biol.Chem.,48,669(1984)〕、pLSA1〔Agric.Biol.Chem.,53,277(1989)〕、pGEL1〔Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,82,4306(1985)〕、pBluescriptII SK(+)、pBluescript II KS(−)(ストラタジーン社製)、pTrS30〔エシェリヒア・コリJM109/pTrS30(FERM BP−5407)より調製〕、pTrS32〔エシェリヒア・コリJM109/pTrS32(FERM BP−5408)より調製〕、pPAC31(国際公開98/12343号パンフレット)、pUC19〔Gene,33,103(1985)〕、pSTV28(宝酒造社製)、pUC118(宝酒造社製)、pPA1(特開昭63−233798号)、pCG116、pCG1(特開平6−277082号)、pCS299P(国際公開00/63388号パンフレット)等があげられるが、宿主微生物中では自立複製できないベクターを用いると本発明の組換え体DNAを宿主微生物の染色体に組み込むことができるので好ましい。
宿主微生物中で自立複製できないベクターは、特に限定されないが、抗生物質に対する耐性に関与する遺伝子を有するベクターであれば、相同組換えにより宿主微生物の染色体上に本発明の組換え体DNAが組み込まれた微生物を容易に選択できるので好ましく、さらにバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)に由来するレバンシュークラーゼ(EC:2.4.1.10)をコードするDNA(sacB)を有するベクターであれば、宿主微生物の染色体上に元来存在しているArgBをコードするDNAが本発明のDNAに置換された微生物を容易に選択できるので好ましい。このようなベクターとしては、例えば、実施例1で示すプラスミドpESB30等をあげることができる。
本発明の微生物のArgRの活性を低下または喪失させる変異の導入は、この宿主微生物への本発明のDNAの導入操作の前に行なってもよいし、宿主微生物に本発明のDNAを導入した後に行なってもよい。
ArgRの活性を低下または喪失させるには、ArgRの活性を低下または喪失させる微生物をN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン等の突然変異誘発物質で処理し、突然変異処理前と比べてL−アルギニンの生産性が向上した微生物の中から選択して得てもよいし、ArgBをコードするDNAに部位特異的変異を導入する方法と同様の方法を用いてArgRをコードするDNAに塩基の置換、欠失または付加等を行なって得てもよい。
L−アルギニンの結合領域としては、例えば、コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032のArgRをコードするDNAの塩基配列である配列番号19で表される塩基配列においては、第45〜240番目の領域をあげることができる。他の微生物のArgRをコードするDNAにおいても、該領域に相応する領域中またはその近傍がL−アルギニンの結合領域である。
宿主微生物への本発明のDNAの導入は、本発明の組換え体DNAを宿主微生物に導入することのできる方法であれば、いずれの方法を用いてもよい。
例えば、電気穿孔法〔Appl.Microbiol.Biotech.,52,541(1999)〕やプロトプラスト法〔J.Bacteriol.,159,306(1984)〕等をあげることができる。
本発明の微生物は、本発明のDNAを有し、ArgRの活性が低下または喪失した微生物であればいずれの微生物であってもよいが、本発明の微生物をL−オルニチンの製造に用いる場合は、L−アルギニンの生合成経路上の酵素であるオルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ(EC:2.1.3.3、以下、ArgFという)の活性が親株と比べて低下または喪失している微生物であることが好ましい。ArgF活性が親株と比べて低下または喪失した株は、ArgBおよびArgRへ変異を導入する場合と同様に、突然変異処理により得てもよいし、ArgBやArgRに部位突然変異を導入する方法と同様な方法を用いてArgFをコードするDNAに塩基の置換、欠失または付加等を行って得てもよい。なお、ArgFをコードするDNAは公知であり、例えばDDBJ/GenBank/EMBLに記載の塩基配列情報を用いることができる。ArgFをコードするDNAとしては例えば、配列番号31で表される塩基配列を有するDNAをあげることができる。
本発明の微生物を培地に培養する方法は、微生物の培養に用いられる通常の方法であればいずれの方法でもよい。
炭素源としては、本発明の微生物が資化し得るものであればよく、グルコース、フラクトース、スクロース、マルトース、これらを含有する糖蜜、デンプンあるいはデンプン加水分解物等の炭水化物、酢酸、乳酸、コハク酸等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール類等を用いることができる。
無機塩としては、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等を用いることができる。
培養は、振とう培養、深部通気撹拌培養等の好気的条件下で行う。培養温度は20〜42℃が好ましく、30〜40℃がさらに好ましい。培地のpHは5〜9の範囲で、中性付近に維持することが好ましい。培地のpHの調整は、無機あるいは有機の酸、アルカリ溶液、尿素、炭酸カルシウム、アンモニア、pH緩衝液等を用いて行う。
培養終了後、培養物から菌体などの沈殿物を除去し、活性炭処理、イオン交換樹脂処理などの公知の方法を併用することにより、培養物中に蓄積したL−アルギニン、L−オルニチンまたはL−シトルリンを回収することができる。
(1)相同組換え用ベクターの調製
カナマイシンに対する耐性を付与する遺伝子を有するプラスミドpHSG299〔Gene,61,63(1987)〕をPstIで処理し、切断部位にBacillus subtilisに由来するレバンシュークラーゼ遺伝子sacBを含む2.6キロベースペア(以下、kbと略す)のDNA断片〔Mol.Microbiol.,6,1195(1992)〕を連結し、プラスミドpESB30を得た。
(2)第26番目のアラニンがバリンに置換されたArgBをコードするDNAの調製
配列番号30で表される塩基配列の第19〜38番目の塩基配列を有するDNA(配列番号13で表される塩基配列からなるDNA)および配列番号30の第1027〜1047番目の塩基配列に相補的な配列を有するDNA(配列番号14で表される塩基配列からなるDNA)をDNA合成機を用いて合成した。
また、配列番号2で表される塩基配列の77番目のシトシンをチミジンに置換した配列番号4で表される塩基配列(配列番号1で表されるアミノ酸配列の26番目のアラニンがバリンに置換された、配列番号3で表されるアミノ酸配列をコードする)の68〜89番目の塩基配列に相補的な塩基配列からなるDNA(配列番号15で表される塩基配列からなるDNA)、および配列番号4で表される塩基配列の65〜87番目の塩基配列からなるDNA(配列番号16で表される塩基配列からなるDNA)をDNA合成機を用いて合成した。
(3)第31番目のメチオニンがバリンに置換されたArgBをコードするDNAの調製
配列番号2で表される塩基配列の91番目のアデニンをグアニンに置換した配列番号10で表される塩基配列(配列番号1で表されるアミノ酸配列の31番目のメチオニンがバリンに置換された配列をコード)の83〜102番目の塩基配列に相補的な塩基配列からなるDNA(配列番号17で表される塩基配列からなるDNA)および配列番号10で表される塩基配列の79〜99番目の塩基配列からなるDNA(配列番号18で表される塩基配列からなるDNA)をDNA合成機を用いて合成した。
得られたDNA断片の塩基配列をシークエンサーを用いて決定したところ、該DNA断片は、配列番号10で表される塩基配列を有していることを確認した。
(4)ArgBの一アミノ酸置換用プラスミドの造成
上記(2)および(3)で得られた、配列番号4および10で表される塩基配列を有するDNA断片を、それぞれTaq polymerase(ベーリンガーマンハイム社製)およびdATP存在下で72℃、10分間処理し、それぞれのDNA断片の3’末端にアデニンを1塩基付加した。
(5)ArgBの二アミノ酸置換用プラスミドの造成
配列番号13で表される塩基配列からなるDNAと配列番号15で表される塩基配列からなるDNAとの組み合わせ、および配列番号14で表される塩基配列からなるDNAと配列番号16で表される塩基配列からなるDNAとの組み合わせをそれぞれプライマーセットとして用い、pEargB31を鋳型とする以外は、上記(2)と同様な操作を行ない、約1.0kbのDNA断片を得た。該DNA断片の塩基配列をシークエンサーを用いて決定したところ、該DNA断片は、配列番号12で表される塩基配列を有していた。
なお、配列番号12で表されるDNAは、配列番号11で表されるアミノ酸配列をコードするDNAであって、配列番号1で表されるアミノ酸配列の第26番目のアラニンおよび第31番目のメチオニンがそれぞれバリンに置換されたアミノ酸配列をコードするDNAである。
(1)野生株の染色体上のArgBへのアミノ酸置換の導入
実施例1で調製したプラスミドpEargB26、pEargB31およびpEargB2631をそれぞれ用い、レストらの方法〔Appl.Microbiol.Biotech.,52,541(1999)〕に準じて電気穿孔法によりコリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株を形質転換し、カナマイシン耐性株を選択した。カナマイシン耐性株の中の1株から染色体を調製し、サザンハイブリダイゼーション法(モレキュラー・クローニング第3版)により調べた結果、それぞれの株の染色体にpEargB26、pEargB31およびpEargB2631がCampbellタイプの相同組換えにより組み込まれていることが確認された。このような株では、染色体上に元来存在しているArgBをコードするDNAと本発明のDNAが染色体上に近接して存在しており、その間で2回目の相同組換えが起こりやすくなっている。
このようにして得られたコロニーより染色体DNAを調製し、該染色体DNAを鋳型とし、配列番号13で表される塩基配列からなるDNAと配列番号14で表される塩基配列からなるDNAをプライマーセットとし、Pfu turbo DNAポリメラーゼ(ストラタジーン社製)と添付のバッファーを用いてPCRを行い、PCR産物の塩基配列をシークエンサーを用いて決定した。
同様に、pEargB31を導入した株の中から染色体上のArgBをコードするDNAが配列番号10で表される塩基配列を有するDNAにより置換されている株を取得し、該株をB31株と命名した。
(2)ArgR内部配列欠失用プラスミドの造成
コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株の染色体DNAを、斎藤らの方法〔Biochim.Biophys.Acta,72,619(1963)〕により調製した。
(3)ArgR内部配列欠失株の造成
プラスミドpEdel−argRを用いる以外は上記(1)と同様の方法により、コリネバクテリウムグルタミカム株ATCC13032株の染色体上のArgRをコードするDNAが配列番号19で表される塩基配列の第560〜940番目の領域が欠失したDNAで置換された株を取得した。得られた株をR株と命名した。
(4)ArgR内部配列欠失株の染色体上のArgBへのアミノ酸置換の導入
宿主としてR株を用い、プラスミドとしてpEargB26、pEargB31およびpEargB2631を用いる以外は、上記(1)と同様の方法により、染色体上のArgBをコードするDNAが、配列番号4、10または12で表される塩基配列を有するDNAで置換され、かつ染色体上のArgRをコードするDNAが配列番号19で表される塩基配列の第560〜940番目の領域が欠失したDNAで置換された株を取得した。それぞれの株をRB26株、RB31株およびRB2631株と命名した。
実施例2で取得したB26株、B31株、B2631株、R株、RB26株、RB31株およびRB2631株をBY寒天培地(7gの肉エキス、10gのペプトン、3gの塩化ナトリウム、5gの酵母エキス、15gのバクトアガーを水1Lに含みpH7.2に調整した培地)で30℃、24時間培養した。
遠心分離により培養物から菌体を除去し、上清中のL−アルギニン、L−オルニチンおよびL−シトルリンの蓄積量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量した。結果を第1表に示す。
(1)ArgF内部配列欠失用プラスミド造成用のDNA造成
配列番号31で表される塩基配列の第21〜43番目の塩基配列にタグ配列を付加した塩基配列からなるDNA(配列番号24で表される塩基配列からなるDNA)および配列番号31で表される塩基配列の第1366〜1385番目の塩基配列にタグ配列を付加した塩基配列の相補配列からなるDNA(配列番号25で表される塩基配列からなるDNA)をDNA合成機を用いて合成した。
(2)ArgF内部配列欠失用プラスミドの造成1
斎藤らの方法〔Biochim.Biophys.Acta,72,619(1963)〕に準じてコリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株の染色体DNAを調製した。
(3)ArgF内部配列欠失用プラスミドの造成2
このプラスミドを鋳型とし、配列番号24で表される塩基配列からなるDNAおよび配列番号25で表される塩基配列からなるDNAをプライマーセットとし、Pfu turbo DNAポリメラーゼ(ストラタジーン社製)および添付のバッファーを用いてPCRを行い、約1.0kbのDNA断片を得た。該DNA断片をTaq DNA polymerase(ベーリンガーマンハイム社製)およびdATP存在下で72℃、10分間反応させ、3’末端にアデニンを1塩基付加した。実施例1で調製したpESB30−Tおよびアデニンを付加したDNA断片およびライゲーションキットVer.1(宝酒造社製)を用い、リガーゼ反応を行った。得られたプラスミドをpEargFと命名した。
(4)ArgBにアミノ酸置換を有するArgF内部配列欠失株の造成
宿主としてB26株、B31株、R株、RB26株、RB31株、およびATCC13032株を用い、プラスミドとしてpEargFを用いる以外は実施例2(1)と同様の操作を行い、それぞれの株について、染色体上のArgFをコードするDNA内が、該DNA内の369塩基対が欠失したDNAに置換された株を得、それぞれFB26株、FB31株、FR株、FRB26株、FRB31株およびF株と命名した。
実施例4で調製したFB26株、FB31株、FR株、FRB26株、FRB31株およびF株ならびにATCC13032株を、BY寒天培地で30℃で24時間培養し、各菌株をそれぞれ種培地(25gのグルコース、0.5gのリン酸二水素カリウム、1.5gのリン酸水素二カリウム、0.5gの硫酸マグネシウム、20gのペプトン、3gの尿素、50μgのビオチン、0.3gのL−アルギニンを水1Lに含み、炭酸カルシウムを10g加えた培地)6mlを含む試験管に植菌し、32℃で振盪しながら24時間培養した。得られた種培養液2mLを、それぞれ本培養培地(100gのグルコース、30gの硫酸アンモニウム、0.6gの硫酸マグネシウム、0.5gのリン酸二水素カリウム、0.25gのL−アルギニン、16mgの硫酸鉄7水和物、16mgの硫酸マンガン5水和物、4.9mgの硫酸亜鉛7水和物、4.9mgの硫酸銅5水和物、16mgの塩化カルシウム、16mgのβ−アラニン、8mgのチアミン塩酸塩、180μgのビオチン、16gのコーンスティープリカーを水930mLに含み水酸化ナトリウム水溶液によりpH7.2に調整後、炭酸カルシウムを30g加えた培地)20mLを含むバッフルつきフラスコに植菌し、32℃で振盪しながら48時間培養した。
(1)ArgBの一アミノ酸置換用プラスミドの造成
配列番号2で表される塩基配列の第76〜78番目の領域をctgに置換した配列番号6で表される塩基配列(配列番号1で表されるアミノ酸配列の26番目のアラニンがロイシンに置換された、配列番号5で表されるアミノ酸配列をコード)の68〜89番目の塩基配列に相補的な塩基配列からなるDNA(配列番号26で表される塩基配列からなるDNA)、および配列番号6で表される塩基配列の65〜87番目の塩基配列からなるDNA(配列番号27で表される塩基配列からなるDNA)をDNA合成機を用いて合成した。
(2)ArgR内部配列欠失株へのArgB−アミノ酸置換の導入
宿主としてR株を用い、プラスミドとしてpEargB26LおよびpEargB26Iを用いる以外は、実施例2(1)と同様の操作を行ない、R株において染色体上のArgBをコードするDNAが配列番号6で表される塩基配列を有するDNAに置換された株および染色体上のArgBをコードするDNAが配列番号8で表される塩基配列を有するDNAに置換された株をそれぞれ取得した。それぞれの株を、RB26L株、RB26I株と命名した。
(3)ArgBアミノ酸置換およびArgR内部配列欠失株によるL−アルギニン、L−オルニチンおよびL−シトルリン生産試験
RB26株、RB26L株およびRB26I株を用いる以外は、実施例3と同様の方法でこれらの株のL−アルギニン、L−オルニチンおよびL−シトルリンの生産性を調べた。
コリネバクテリウム・グルタミカムのArgGをコードするDNAの塩基配列を含む配列番号32で表される塩基配列をもとにプライマーを合成し、コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株の染色体DNAを鋳型としてPCRを行い、ArgGをコードするDNAにおいて約400塩基対が欠失したDNA断片を含むプラスミドを構築する。
以上の方法は実施例4記載の方法に準じて行なうことができる。
配列番号14−人工配列の説明:合成DNA
配列番号15−人工配列の説明:合成DNA
配列番号16−人工配列の説明:合成DNA
配列番号17−人工配列の説明:合成DNA
配列番号18−人工配列の説明:合成DNA
配列番号20−人工配列の説明:合成DNA
配列番号21−人工配列の説明:合成DNA
配列番号22−人工配列の説明:合成DNA
配列番号23−人工配列の説明:合成DNA
配列番号24−人工配列の説明:合成DNA
配列番号25−人工配列の説明:合成DNA
配列番号26−人工配列の説明:合成DNA
配列番号27−人工配列の説明:合成DNA
配列番号28−人工配列の説明:合成DNA
配列番号29−人工配列の説明:合成DNA
Claims (15)
- (i)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26または31番目のアミノ酸がL−バリン、L−ロイシンまたはL−イソロイシンに置換されたアミノ酸配列、
(ii)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26および31番目のアミノ酸がL−バリン、L−ロイシンまたはL−イソロイシンに置換されたアミノ酸配列、または
(iii)上記(i)または(ii)のアミノ酸配列において、置換された部位以外の1〜20個のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドに比べL−アルギニンによるフィードバック阻害が低減または解除されたN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性を有するポリペプチド。 - (i)配列番号3、5、7、9および11で表されるアミノ酸配列から選ばれるアミノ酸配列、
(ii)配列番号3、5および7で表されるアミノ酸配列から選ばれるアミノ酸配列において、それぞれの配列の第26番目のアミノ酸以外のアミノ酸配列中の1〜20個のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列、
(iii)配列番号9で表されるアミノ酸配列において、第31番目のアミノ酸以外のアミノ酸配列中の1〜20個のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列、または
(iv)配列番号11で表されるアミノ酸配列において、第26および31番目のアミノ酸以外のアミノ酸配列中の1〜20個のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドに比べL−アルギニンによるフィードバック阻害が低減または解除されたN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性を有するポリペプチド。 - 請求項1または2記載のポリペプチドをコードするDNA。
- 配列番号4、6、8、10および12で表される塩基配列から選ばれる塩基配列からなるDNA。
- 配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするDNAの塩基配列と95%以上の同一性を有し、かつ
(i)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−バリン、L−ロイシンまたはL−イソロイシンであるポリペプチドをコードするDNA、
(ii)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第31番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−バリン、L−ロイシンまたはL−イソロイシンであるポリペプチドをコードするDNA、または
(iii)配列番号1で表されるアミノ酸配列のN末端から第26番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−バリン、L−ロイシンまたはL−イソロイシンであり、かつ第31番目のアミノ酸残基に相応するアミノ酸残基がL−バリン、L−ロイシンまたはL−イソロイシンであるポリペプチドをコードするDNAであり、かつ配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドに比べL−アルギニンによるフィードバック阻害が低減または解除されたN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA。 - 配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNAの塩基配列と95%以上の同一性を有し、かつ
(i)配列番号2で表される塩基配列の5’末端から第76〜78番目の領域に相応する領域がグアニン−チミジン−チミジン、シトシン−チミジン−グアニン、もしくはアデニン−チミジン−シトシンである塩基配列を有するDNA、
(ii)配列番号2で表される塩基配列の5’末端から第91〜93番目の領域に相応する領域がグアニン−チミジン−グアニンである塩基配列からなるDNA、または
(iii)配列番号2で表される塩基配列の5’末端から第76〜78番目の領域に相応する領域がグアニン−チミジン−チミジン、シトシン−チミジン−グアニン、もしくはアデニン−チミジン−シトシンであり、かつ第91〜93番目の領域に相応する領域がグアニン−チミジン−グアニンである塩基配列からなるDNAであり、かつ配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドに比べL−アルギニンによるフィードバック阻害が低減または解除されたN−アセチルグルタミン酸キナーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNA。 - 請求項3〜6のいずれか1項に記載のDNAをベクターに組み込んで得られる組換え体DNA。
- 請求項7記載の組換え体DNAを導入して得られる微生物。
- 請求項3〜6のいずれか1項に記載のDNAを有する微生物。
- アルギニン・リプレッサーのアルギニン・オペロンの転写抑制活性が低下または喪失していることを特徴とする請求項8または9記載の微生物。
- オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ活性が低下または喪失していることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の微生物。
- アルギニノコハク酸シンターゼ活性が低下または喪失していることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の微生物。
- 微生物がコリネバクテリウム属に属する微生物である、請求項8〜12のいずれか1項に記載の微生物。
- 微生物がコリネバクテリウム・グルタミカムに属する微生物である、請求項8〜13のいずれか1項に記載の微生物。
- 請求項8〜14のいずれか1項に記載の微生物を培地に培養し、培養物中にL−アルギニン、L−オルニチンまたはL−シトルリンを生成、蓄積させ、該培養物からL−アルギニン、L−オルニチンまたはL−シトルリンを採取することを特徴とするL−アルギニン、L−オルニチンまたはL−シトルリンの製造法。
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