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JP4882408B2 - バイオアッセイ用基材 - Google Patents
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Description

本発明は、生体試料中の多数の蛋白質、核酸等の並列検出および分析に用いられるバイオアッセイ基材に関する。より詳細には、本発明は、プロテオミクス、ならびに遺伝子活性の細胞内蛋白質レベルでの測定に用いられるバイオアッセイ基材に関する。
マイクロアレイを用いて試料検体の情報を得る技術は、生物学、医学において欠くことのできない技術になりつつある。例えばDNAマイクロアレイでは、複雑な生物系においてもゲノム全体の発現パターンの研究が可能となり、遺伝子情報量の爆発的な増加がもたらされている。
マイクロアレイのシグナル検出において、S/N比とは、ラベル化された試料検体から得られたシグナル量(シグナル)をラベル化された試料検体から得られたシグナル物質以外の部位から発生したシグナル量(ノイズ)で除した値のことをいい、S/N比が高いと検出感度が高くなると一般的に言われている。
マイクロアレイ用基板として用いられる素材は、ガラスもしくはプラスチック製であることが多いが、通常これらの材料表面は化学的に不活性であることから、生理活性物質を固定化するためには表面修飾を施す必要がある。ガラスやプラスチックなどの不活性な表面に様々な官能基を直接導入することは困難であるため、まずアミノ基を導入しておき、そのアミノ基を介して官能基を導入する方法が一般的である。
基板表面へのアミノ基の導入方法として、アミノアルキルシランによる処理、窒素雰囲気下でのプラズマ処理、アミノ基含有高分子物質のコーティングなどが挙げられるが、処理の簡便性、均一性、再現性の観点から、アミノアルキルシランによる処理が多用されている。一般的に用いられているアミノアルキルシランとしては、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルメチルジメトキシシランなどの1級アミノ基を有するアミノアルキルシランが挙げられる。
アミノ基を介して官能基を導入する方法として、例えば、2官能性アルデヒドを有するグルタルアルデヒドで処理することにより、基板にアルデヒド基を導入することが知られている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。マレイミド基を導入する場合は、一端にマレイミド基、一端に活性エステルを有する架橋剤であるN−(6−マレイミドカプロイロキシ)スクシンイミドなどで処理することができる(特許文献4)。また、同様にN−ヒドロキシスクシンイミド活性エステルを導入する場合には、両端に活性エステル基を有するEthyleneglycol−O,O−bis (succinimidylsuccinate)などを用いる。
しかし、固相基板に上記のような表面処理では、基材表面が平滑であるために生理活性物質を固定化するための官能基密度が低いためシグナル強度が低くS/N比の低下の原因となっていた。S/N比の低下の原因となる問題もあった。そのため、シグナル量の高いバイオアッセイ用基材が求められていた。
「DNAマイクロアレイ実戦マニュアル」、林崎良英、岡崎康司編、羊土社、2000年、p.57 特開2002−176991号公報 特開2002−181817号公報 特表2002−532699号公報 特開平11−187900号公報
本発明は、従来基材に比べてシグナル強度が高くなるバイオアッセイ用基材を提供することを目的とする。
本発明は、
(1)基材の固相表面に生理活性物質を固定化するためのバイオアッセイ用基材であって、基材の固相表面に、生理活性物質結合成分としてp−ニトロフェニルオキシカルボニル−ポリエチレングリコールメタクリレート、架橋成分として−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、及びマトリックス成分として2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成単位に有する高分子化合物を有し、かつ粒子が基材表面と前記高分子化合物を介して化学的共有結合により結合されて保持されていることを特徴とするバイオアッセイ用基材。
(2)前記粒子が前記高分子化合物に被覆されている(1)記載のバイオアッセイ用基材。
(3)前記粒子が、無機化合物、有機化合物、または有機無機複合化合物からなる(1)又は(2)記載のバイオアッセイ用基材。
(4)前記粒子が、酸化チタン粒子、又はシリカ粒子である(1)又は(2)記載のバイオアッセイ用基材。
(5)前記粒子が、ポリスチレン樹脂粒子、ポリイミド樹脂粒子、又はポリ(メタ)アクリル樹脂粒子である(1)又は(2)記載のバイオアッセイ用基材。
(6)前記粒子の平均径が1〜1000nmである(1)〜(5)いずれか1項に記載のバイオアッセイ
用基材。
(7)前記基材がスライド形状基板、96穴プレート、容器、又はマイクロフルイディスク基板である(1)〜(6)いずれか1項に記載のバイオアッセイ用基材。
(8)(1)〜(7)いずれか1項に記載のバイオアッセイ用基材に生理活性物質を固定化したマイクロアレイ。
(9)(1)〜()いずれか1項に記載のバイオアッセイ用基材の製造方法であって、前記高分子化合物、前記粒子及び溶媒を含む溶液を基材に浸漬又は塗布する工程を含むバイオアッセイ用基材の製造方法。
である。

本発明のバイオアッセイ用基材によれば、検出対象物質のシグナル強度が向上し、検出精度の高いマイクロアレイを得ることができる。
本発明のバイオアッセイ用基材は、基材の固相表面に高分子化合物を有し、かつ粒子が保持されていることを特徴とする。粒子を基材表面に保持することにより基材の表面積を増大させ、それにともない生理活性物質結合基密度を増大させることが出来、シグナル強度を増大させることが出来る。
本発明に使用する粒子は、特に限定しないが、無機化合物、有機化合物、または有機無機複合化合物からなる粒子が好適に使用できる。平均粒子径は、100μm以下、好ましくは1〜5000nm、より好ましくは1〜1000nmであることが好ましい。
無機化合物からなる粒子は種々あるが任意に使用できるが、例えばカーボン、ガラス、シリカ、金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属塩(炭酸塩、亜硫酸塩、硫酸塩、金属ハライド等)、金属硫化物、金属窒化物、金属炭化物等が挙げられる。これらの具体例を示すと、例えば、金、水酸化金、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄(フェライト等)、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バナジウム、酸化タングステン、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、塩化第一銅、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ケイ酸ナトリウム、窒化アルミニウム等が例示される。
またカーボン製ビーズ は、石炭、ピッチ、黒鉛、コークス、カーボンブラックや木材(糖質)、樹脂などの炭素分を多く含有する原料物質を炭化焼成することによって得られるカーボン製粒子も使用できる。
またシリカ粒子は、市販製品としてはsicastar(登録商標)(micromod社)が知られている。
有機化合物からなる粒子は、樹脂からなる粒子が好ましい。樹脂としてはフェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、スチリルピリジン樹脂、トリアジン系樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、カーボネート樹脂、ビニルアルコール樹脂、ポリプロピレン樹脂、シクロポリオレフィン樹脂、などが知られている。市販製品としては、フェノール樹脂微粒子であるスミライトレジンACSシリーズ(住友ベークライト株式会社)、ベルパール(鐘紡株式会社)およびユニベックス(ユニチカ株式会社)、micromer(登録商標)(micromod社)などが知られている。
本発明における粒子は、高分子化合物を介して基材の表面と化学的に結合していることが好ましい。そのため、必要に応じて、粒子を硫酸や塩酸、プラズマ処理などで活性化することにより高分子化合物と粒子との結合を容易に行うことが出来る。
本発明に用いる高分子化合物としては、生理活性物質結合成分、架橋成分、及びマトリックス成分を構成単位に有するものが好ましい。この高分子化合物は例えば、生理活性物質結合成分を有する単量体、架橋成分を有する単量体、及びマトリックス成分を有する単量体を共重合して得られる。
本発明に使用する生理活性物質結合成分を有する単量体は、特に構造を限定しないが、一般式[1](式中Rは水素原子またはメチル基を示し、Yは炭素数1〜10のアルキレンオキシ基またはアルキル基を示す。Wは生理活性物質結合基を示す)で表される(メタ)アクリル基とWが炭素数1〜10のアルキレンオキシ基の連鎖またはアルキル基の連鎖を介して結合した化合物であることが好ましい。アルキレンオキシ基Yの繰り返し数qは1〜20の整数であり、繰り返し数2以上20以下の場合は、繰り返されるアルキレンオキシ基の炭素数は同一であっても、異なっていてもよい。
Figure 0004882408
生理活性物質結合基Wとしては、p−ニトロフェニルエステル基、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル基、コハク酸イミドエステル基、フタル酸イミドエステル基、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミドエステル基、アルデヒド基、アミノ基、エポキシ基、等が挙げられるが、p−ニトロフェニルエステル基又はN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基がより低いpHにて生理活性物質を固定化できるため好ましい。
本発明に用いる架橋成分を有する単量体としては、架橋可能な官能基を有するもので、架橋可能な官能基の反応が高分子化合物合成中に進行しないものであれば特に制限されるものではない。
架橋可能な官能基としては、例えば加水分解によりシラノール基を生成する官能基やグリシジル基などが用いられるが、より低温で架橋できることから加水分解によりシラノール基を生成する官能基が好ましい。
本発明に用いる架橋成分を有する単量体は、一般式[2]で表される単量体(式中Rは水素原子またはメチル基を示し、Zは炭素数1〜20のアルキル基を示す。ただし、Zはなくても構わない。A、A、Aの内、少なくとも1個は加水分解可能基であり、その他はアルキル基を示す)であることが好ましい。
Figure 0004882408
一般式[2]で表される加水分解によりシラノール基を生成する官能基を有する単量体は、(メタ)アクリル基と加水分解によりシラノール基を生成する官能基が炭素数1〜20のアルキル鎖を介して、または直接結合した化合物である。加水分解によりシラノール基を生成する官能基とは、水と接触すると容易に加水分解を受けシラノール基を生成する基であり、例えば、ハロゲン化シリル基、アルコキシシリル基、フェノキシシリル基、アセトキシシリル基等を挙げることができる。なかでもアルコキシシリル基がシラノール基を生成し易い点から好ましい。
アルコキシシリル基を含有する単量体としては、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロペニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、8−(メタ)アクリロキシオクタニルトリメトキシシラン、11−(メタ)アクリロキシウンデニルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシアルキルシラン化合物等を挙げることができる。なかでも3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシランがホスホリルコリン基を有する単量体との共重合性が優れている点、入手が容易である点等から好ましい。これらのアルコキシシリル基を有する単量体は、単独または2種以上の組み合わせで用いられる。
本発明に用いるマトリックス成分を有する単量体は特に構造を限定しないが、一般式[3]で表される(メタ)アクリル基結合した化合物であることが好ましい。(式中R1は水素原子またはメチル基を示し、Xはホスホリルコリン基を有する基、アルキレングリコール残基を有する基を示す)。
Figure 0004882408
ホスホリルコリン基を有する単量体としては、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエチルホスホリルコリン、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン、10−(メタ)アクリロイルオキシエトキシノニルホスホリルコリン、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルホスホリルコリン等を挙げられるが、入手性から2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンが好ましい。
アルキレングリコール残基は、例えばアルキレングリコール残基Tの繰り返しからなる基であり、繰り返し数は、1〜100の整数であり、より好ましくは2〜100の整数であり、更に好ましくは2〜95の整数であり、最も好ましくは20〜90の整数である。繰り返し数2以上100以下の場合は、繰り返されるアルキレングリコール残基Tの炭素数は同一であっても、異なっていてもよい。
アルキレングリコール残基Tの炭素数は1〜10であり、より好ましくは1〜6であり、更に好ましくは2〜4であり、より更に好ましくは2〜3であり、最も好ましくは2である。
アルキレングリコール残基を有する単量体としては、例えばメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基の一置換エステルの(メタ)アクリレート類、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールを側鎖とする(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール (メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール (メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール (メタ)アクリレート等が挙げられるが、入手性からメトキシポリエチレングリコールメタクリレートが好ましい。
本発明に使用する高分子化合物の合成方法は、特に限定されるものではないが、合成の容易さから、少なくとも生理活性物質結合成分を有する単量体、架橋成分を有する単量体およびマトリックス成分を有する単量体を含む混合物を、重合開始剤存在下、溶媒中でラジカル重合することが好ましい。
溶媒としてはそれぞれの単量体が溶解するものであればよく、例えば、メタノール、エタノール、t−ブチルアルコール、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム等を挙げることができる。これらの溶媒は、単独または2種以上の組み合わせで用いられる。プラスチック基材に該高分子化合物を塗布する場合は、エタノール、メタノールが基材を変性させないため好ましい。
重合開始剤としては通常のラジカル開始剤ならいずれでもよく、例えば、2,
2’−アゾビスイソブチルニトリル(以下「AIBN」という)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1 −カルボニトリル)等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の有機過酸化物等を挙げることができる。
本発明に使用する高分子化合物の化学構造は、各単量体が共重合されたものであれば、その結合方式がランダム、ブロック、グラフト等いずれの形態をなしていてもかまわない。
本発明に使用する高分子化合物の分子量は、高分子化合物と未反応の単量体との分離精製が容易になることから、数平均分子量は5000以上が好ましく、10000以上がより好ましい。
高分子化合物を基材表面又は粒子に被覆する方法の例を以下に示す。例えば有機溶剤に高分子化合物を0.05〜10重量%の濃度になるように第1の溶媒に溶解した高分子溶液を調製した後、第2の溶媒に分散した粒子と混合する。この際、粒子と高分子化合物とが反応により化学的に共有結合することが好ましい。このようにして得られた混合溶液中に基材を浸漬、吹きつけ等の公知の方法で基材表面に塗布した後、室温下ないしは加温下にて乾燥させることにより行われる。
第1の溶媒及び第2の溶媒は同じでも異なっていてもかまわないが、有機溶剤であることが好ましい。例えばエタノール、メタノール、t−ブチルアルコール、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム等の単独溶媒またはこれらの混合溶剤が使用される。中でも、エタノール又はメタノールがプラスチック基材を変性させず、乾燥させやすいため好ましい。
本発明に用いる基材としては、スライド形状基板、96穴プレート、容器、マイクロフルイディスク基板が好ましい。例えばプラスチック製基板、ガラス製基板、金属蒸着膜を有する基板などがあげられる。プラスチック製基板の具体例としては、シクロオレフィンポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレンポ、ポリサロフォン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリメチルペタクリレートを素材とした基板などがあげられる。
本発明のバイオアッセイ用基材を使用して生理活性物質を固定化することにより、シグナル強度の高いバイオアッセイが可能となる。
以下に本発明に使用する高分子化合物の合成例、及びバイオアッセイ用基材の実施例を示す。
(p−ニトロフェニルオキシカルボニル−ポリエチレングリコールメタクリレート(MEONP)の合成)
0.01molのポリエチレングリコールモノメタクリレート(Blenmer PE−200(n=4) 日本油脂(株)製)を20mLのクロロホルムに溶解させた後、−30℃まで冷却した。−30℃に保ちながらこの溶液に、予め作成しておいた0.01molのp−ニトロフェニルクロロフォーメート(Aldrich製)と0.01molのトリエチルアミン(和光純薬(株)製)及びクロロホルム20mLの均一溶液をゆっくりと滴下した。−30℃にて1hr反応させた後、室温でさらに2hr溶液を攪拌した。その後反応液から塩をろ過により除去し、溶媒を留去してp−ニトロフェニルオキシカルボニル−ポリエチレングリコールメタクリレート(MEONP)を得た。得られたモノマーを重クロロホルム溶媒中1H―NMRで測定し、エチレングリコール残基が4.5単位含まれていることを確認した。
(高分子化合物の合成例1)
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(MPTES)、MEONPをそれぞれ順に0.9mol/L、0.05mol/L、0.05mol/Lになるように脱水エタノールに溶解させ、モノマー混合溶液を作製した。そこにさらに0.002mol/LのAIBNを添加し、均一になるまで撹拌した。その後、アルゴンガス雰囲気下、60℃で3時間反応させた後、反応溶液をジエチルエーテルとクロロホルムの混合溶媒中に滴下し、沈殿を収集した。得られた高分子化合物を1H―NMRで測定し、1.46および1.65ppm付近に現れるBMAのメチレンに帰属されるピーク、3.34ppm付近に現れるMPCのトリメチルに帰属されるピーク、それぞれの積分値より、この高分子化合物の組成比を算出した。表1に結果を示した。
Figure 0004882408
(基板1)
飽和環状ポリオレフィン樹脂をスライドガラス形状(寸法:76mm×26mm×1mm)に加工して固相基板を作成し、酸素プラズマ処理を行った。
(粒子1)
シリカナノビーズとしてmicromod社sicastar(登録商標):平均粒子径70nm(品番43−00−701)を用いた。
溶液1(粒子を有する高分子化合物の溶液調製)
合成例1にて得られた高分子化合物、及び粒子1をエタノールに溶解し、高分子化合物0.3重量%、粒子0.2重量%の溶液を調製した。
溶液2(高分子化合物の溶液調整)
合成例1にて得られた高分子化合物をエタノールに溶解し、高分子化合物0.3重量%の溶液を調製した。
(実施例1)
基板1を溶液1に浸漬し引き上げ、100℃にて2時間加熱することによりバイオアッセイ用基材を得た。
(比較例1)
溶液2を用いた以外は実施例1と同様にしてバイオアッセイ用基材を得た。
(評価)
(DNA溶液の調整)
DNA溶液1: 5’末端にアミノ基を有した鎖長24bpのオリゴDNA(TAGAAGCATTTGCGGTGGACGATG(配列番号1)(シグマジェノシス社製)を0.1μg/μlの濃度になるように所定の緩衝液で溶解した。
DNA溶液2; 5’末端にCy3標識を有した鎖長24bpのオリゴDNA(CATCGTCCACCGCAAATGCTTCTA(配列番号2)(シグマジェノシス社製)を0.002μg/μlの濃度になるように3×SSC、0.2%SDSの溶液に溶解した。
(スポットおよびハイブリダイゼーション)
実施例1では、DNA溶液1を96穴プレートに分注し、マイクロピン式のマイクロアレイスポッターを用いて基板上にスポットした。スポット終了後、80℃のオーブン中で静止した。
その後、0.1Nの水酸化ナトリウム溶液に5分間浸漬することによって、活性エステル基を不活性化することにより、ブロッキング処理を行った。次に、この基板上に、DNA溶液2を展開し、カバーグラスで覆い、65℃の多湿容器内で3時間放置することで、固定化されたオリゴDNAとCy3標識オリゴDNAとのハイブリダイゼーションを行った。その後、2×SSC、0.5%SDS中で洗浄し、次に純水洗浄することによりDNAハイブリダイゼーション後の基板を作製した。
DNAハイブリダイゼーション後の蛍光カウント値、バックグランド値の測定して、スポットの蛍光量を数値化した結果を表2に示す。
蛍光量の測定には、Packard BioChip Technologies社製マイクロアレイスキャナー「ScanArray」を用いた。測定条件は、レーザー出力90%、PMT感度60%、励起波長649nm、測定波長670nm、解像度50μmであった。
実施例は、比較例と比べてハイブリシグナル量が高いバイオアッセイ用基材であることがわかった。
Figure 0004882408

Claims (9)

  1. 基材の固相表面に生理活性物質を固定化するためのバイオアッセイ用基材であって、基材の固相表面に、生理活性物質結合成分としてp−ニトロフェニルオキシカルボニル−ポリエチレングリコールメタクリレート、架橋成分として−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、及びマトリックス成分として2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成単位に有する高分子化合物を有し、かつ粒子が基材表面と前記高分子化合物を介して化学的共有結合により結合されて保持されていることを特徴とするバイオアッセイ用基材。
  2. 前記粒子が前記高分子化合物に被覆されている請求項1記載のバイオアッセイ用基材。
  3. 前記粒子が、無機化合物、有機化合物、または有機無機複合化合物からなる請求項1又は2記載のバイオアッセイ用基材。
  4. 前記粒子が、酸化チタン粒子、又はシリカ粒子である請求項1又は2記載のバイオアッセ
    イ用基材。
  5. 前記粒子が、ポリスチレン樹脂粒子、ポリイミド樹脂粒子、又はポリ(メタ)アクリル樹脂粒子である請求項1又は2記載のバイオアッセイ用基材。
  6. 前記粒子の平均径が1〜1000nmである請求項1〜5いずれか1項に記載のバイオアッセイ用基材。
  7. 前記基材がスライド形状基板、96穴プレート、容器、又はマイクロフルイディスク基板である請求項1〜6いずれか1項に記載のバイオアッセイ用基材。
  8. 請求項1〜7いずれか1項に記載のバイオアッセイ用基材に生理活性物質を固定化したマイクロアレイ。
  9. 請求項1〜いずれか1項に記載のバイオアッセイ用基材の製造方法であって、前記高分子化合物、前記粒子及び溶媒を含む溶液を基材に浸漬又は塗布する工程を含むバイオアッセイ用基材の製造方法。
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