以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
図1〜図33は本発明方法で使用した乗り物の乗員保護装置の第1実施形態を示し、図1は車両の前半部室内を各センサの配置状況とともに示す側面図であり、図2は本発明方法で使用した装置を適用した座席の透視斜視図、図3は座席片側を透視して示す拡大正面図、図4は肩サポートの分解斜視図、図5は乗員外側保護エアバッグの遠距離保護エアバッグと近距離保護エアバッグを格納した肩サポートの外側面図、図6はショルダーベルトの取出口の斜視図、図7はショルダーベルトのバックルへの掛止部分の斜視図である。
図8は座席から遠距離保護エアバッグが膨張展開した状態を示す斜視図、図9は遠距離保護エアバッグの膨張展開状態を示す拡大斜視図、図10は遠距離保護エアバッグへのガス供給経路を示す要部拡大斜視図である。
図11は座席から近距離保護エアバッグが膨張展開した状態を示す斜視図、図12は近距離保護エアバッグの膨張展開状態を示す拡大斜視図、図13は近距離保護エアバッグへのガス供給経路を示す要部拡大斜視図である。
図14は座席から遠距離保護エアバッグおよび近距離保護エアバッグが膨張展開した状態を示す斜視図、図15は遠距離保護エアバッグおよび近距離保護エアバッグの膨張展開状態を示す拡大斜視図、図16は遠距離保護エアバッグおよび近距離保護エアバッグへのガス供給経路を示す要部拡大斜視図である。
図17は通常走行状態にある車両を乗員の着座部分で示す正面図、図18は通常走行状態にある車両右側の座席を示す斜視図、図19は通常走行状態にある車両左側の座席を示す斜視図である。
図20はロールオーバー初期状態にある車両を乗員の着座部分で示す正面図、図21はロールオーバー初期状態にある車両右側の座席を示す斜視図、図22はロールオーバー初期状態にある車両左側の座席を示す斜視図である。
図23はロールオーバーで略横倒し状態にある車両を乗員の着座部分で示す正面図、図24はロールオーバーで略横倒し状態にある車両右側の座席を示す斜視図、図25はロールオーバーで略横倒し状態にある車両左側の座席を示す斜視図である。
図26はロールオーバーで略天地逆状態にある車両を乗員の着座部分で示す正面図、図27はロールオーバーで略天地逆状態にある車両右側の座席を示す斜視図、図28はロールオーバーで略天地逆状態にある車両左側の座席を示す斜視図である。
図29は側面衝突で荷重入力状態にある車両を乗員の着座部分で示す正面図、図30は側面衝突で荷重入力状態にある車両右側の座席を示す斜視図、図31は側面衝突で荷重入力状態にある車両左側の座席を示す斜視図である。
図32は乗員保護装置を制御するフローチャートの説明図、図33はロールオーバーの判断マップである。
乗員保護装置1は、図1に示すように乗り物としての自動車2の前席(以下、座席と称する)3に適用され、この座席3には、乗員Mを片側の肩部Msから腰部Mwの他側に亘って斜めに拘束するショルダーベルト4aを有するシートベルト装置4を備えている。尚、前記座席3は、車両右側のものを座席3R、車両左側のものを座席3Lとして表示する。
乗員保護装置1には、車体2Bのロールオーバーを検出するロールオーバー検出手段10と、車体2Bの側面衝突を検出する側突検出手段11と、が設けられるとともに、図2に示すように前記ショルダーベルト4aに沿って膨張展開して乗員Mの胸部Mc前側を気体クッションで拘束するベルトエアバッグ20と、図3に示すように乗員Mの車室外方側で膨張展開して乗員Mの車室外方側となる頭部Mh側方および胸部Mc側方を気体クッションで拘束する乗員外側保護エアバッグ30と、図1に示すように車体2Bのロールオーバー時または側面衝突時に、前記ベルトエアバッグ20および前記乗員外側保護エアバッグ30を展開制御する制御手段としてのコントローラ12と、を備えている。
前記シートベルト装置4は、図2に示すように前記ショルダーベルト4aと、乗員Mの腰部Mwを左右両側に亘って拘束するラップベルト4bと、を備えた3点式シートベルトとして構成され、ショルダーベルト4aは座席3のシートバック3aに取り付けられる。
前記ショルダーベルト4aは、乗員Mの車室内中央側の肩部Msから腰部Mwの車室外方側に亘って斜めに配索してある。
即ち、ショルダーベルト4aは、シートバック3aの車室内中央側(図2中右側)の上端部からシートバック3aの車室外方側(図2中左側)の下端部へと配索され、該ショルダーベルト4aの下端部をタング4cに挿通して前記ラップベルト4bへと連続し、該ラップベルト4bの車室内中央側端部をシートクッション3bの車室内中央側の側端部後部に設けたリトラクタ4dに巻き取ってある。
前記タング4cは、シートクッション3bの車室外方側の側端部後部に設けたバックル4eに係脱自在に掛止される。
ショルダーベルト4aの上端部は、シートバック3aに設けたベルト取出口3cからシートバック3aの内方に取り込まれ、該シートバック3aの内部に設けられたベルト巻取り装置としての電動リトラクタ4fに巻き取られるようになっている。
前記電動リトラクタ4fは、正逆の巻取りが可能な電動式アクチュエータとしての電動モータ(図示省略)を備えている。
尚、図2,図3では車両右側の座席3Rで示したが、車両左側の座席3Lにあっても同様の構成となり、この左側座席3Lではシートベルト装置4の構成が右側座席3Rに対して左右対称となる。
前記ベルトエアバッグ20は、前記ショルダーベルト4aの略上端部から略下端部に亘って配置され、図6,図7に示すようにそのベルトエアバッグ20の上端部および下端部にガスを導入するチューブ20a,20bが設けられている。
また、前記シートバック3aの車室外方側上端部には、シートベルト装置4の電動リトラクタ4fの緊急巻取りに連動して車両前方に突出し、乗員Mの肩部Msの移動を阻止する肩サポート40が設けられる。
肩サポート40は、図4に示すように扁平な卵形を成し、その下端部の内側に突設した固定ピン41が車室外方側のシートバックサイドフレーム3dの取付け穴3eに回動自在に嵌合支持されるとともに、上端部の内側に形成した長穴42の内周にラックギア42aを形成し、前記電動リトラクタ4fにシャフト43を介してピニオンギア44を連動させ、該ピニオンギア44を上記ラックギア42aに噛合させてある。
そして、前記肩サポート40は、通常時は乗員Mの乗降に支承が無いように上端部が車両後方に移動した位置にあり、電動リトラクタ4fがショルダーベルト4aを緊急巻取りした際には、これに伴ってピニオンギア44が回転して前記肩サポート40の上端部を車両前方に突出させて、車体外方に移動する乗員Mの肩部Msを受け止めることが可能となっている。
前記乗員外側保護エアバッグ30は、図3に示すように遠距離保護エアバッグ31と近距離保護エアバッグ32とによって構成され、これら遠距離保護エアバッグ31および近距離保護エアバッグ32は、図5に示すように遠距離保護エアバッグ31を近距離保護エアバッグ32よりも上方に配置した状態で、前記肩サポート40内に折り畳んで格納してある。
前記乗員外側保護エアバッグ30、つまり、遠距離保護エアバッグ31および近距離保護エアバッグ32は、乗員Mの頭部Mhの側方を拘束する頭部保護エアバッグ33,35と、乗員Mの胸部Mc側方を拘束する胸部保護エアバッグ34,36と、を備えている(図8〜図13参照)。
即ち、遠距離保護エアバッグ31は、図8,図9に示すように互いに独立した頭部保護エアバッグ33と胸部保護エアバッグ34とを備えているとともに、近距離保護エアバッグ32は、図11,図12に示すように互いに独立した頭部保護エアバッグ35と胸部保護エアバッグ36とを備えている。
前記遠距離保護エアバッグ31の頭部保護エアバッグ33は胸部保護エアバッグ34よりも容積が大きく形成されるとともに、前記近距離保護エアバッグ32の頭部保護エアバッグ35は胸部保護エアバッグ36よりも容積が大きく形成されている。
前記遠距離保護エアバッグ31の頭部保護エアバッグ33および胸部保護エアバッグ34は、図10に示すようにガスを導入するためのチューブ33a,34aが設けられており、これらチューブ33a,34a間には前記コントローラ12からの指令により切り換え制御される電磁弁50が設けられる。
遠距離保護エアバッグ31の頭部保護エアバッグ33は乗員Mの頭部Mhの車室外方側で大きく膨張展開するとともに、遠距離保護エアバッグ31の胸部保護エアバッグ34は乗員Mの胸部Mcの車室外方側で大きく膨張展開するようになっており、前記頭部保護エアバッグ33の上端部には、乗員Mの頭上に延びて展開する頭上保護部分33bが一体に設けられている。
また、前記近距離保護エアバッグ32の頭部保護エアバッグ35および胸部保護エアバッグ36は、図13に示すようにガスを導入するためのチューブ35a,36aが設けられており、これらチューブ35a,36a間には前記コントローラ12からの指令により切り換え制御される電磁弁51が設けられる。
近距離保護エアバッグ32の頭部保護エアバッグ35は乗員Mの頭部Mhの車室外方側で大きく膨張展開するとともに、近距離保護エアバッグ32の胸部保護エアバッグ36は乗員Mの胸部Mcの車室外方側で大きく膨張展開するようになっている。
尚、図8では遠距離保護エアバッグ31の膨張展開状態を右側座席3Rに示し、図11では近距離保護エアバッグ32の膨張展開状態を左側座席3Lに示したが、左側座席3Lにあっても遠距離保護エアバッグ31の膨張展開状態は同様となり、また、右側座席3Rにあっても近距離保護エアバッグ32の膨張展開状態は同様となる。
また、遠距離保護エアバッグ31と近距離保護エアバッグ32とが同一の座席3で同時に膨張展開される時は、図14〜図16に示すように遠距離保護エアバッグ31は頭部保護エアバッグ33のみが膨張展開するとともに、近距離保護エアバッグ32は胸部保護エアバッグ36のみが膨張展開し、遠距離保護エアバッグ31の胸部保護エアバッグ34および近距離保護エアバッグ32の頭部保護エアバッグ35は膨張されないようになっている。
前記ベルトエアバッグ20と、前記乗員外側保護エアバッグ30を構成した遠距離保護エアバッグ31の頭部保護エアバッグ33、胸部保護エアバッグ34および近距離保護エアバッグ32の頭部保護エアバッグ35、胸部保護エアバッグ36と、には、図2に示すようにシートバック3aの内部に配置した共通のインフレータ60からガスが供給される。
このとき、前記ベルトエアバッグ20および前記乗員外側保護エアバッグ30は、前記インフレータ60に設けたそれぞれ別のガス供給経路61,62からガスが供給される。
即ち、一方のガス供給経路61はインフレータ60の上端に接続されるとともに、他方のガス供給経路62はインフレータ60の下端に接続され、これら両ガス供給経路61,62へのガス供給は前記コントローラ12からの指令により制御される。
一方のガス供給経路61は、ベルトエアバッグ20のチューブ20aに接続されるとともに、他方のガス供給経路62は、図3に示すようにコントローラ12からの指令により切り換え制御される電磁弁52に接続され、この電磁弁52には乗員外側保護エアバッグ30に繋がる経路63と、ベルトエアバッグ20の下端部に設けたチューブ20bに繋がる経路64と、に接続される。
更に、前記経路63はコントローラ12からの指令により切り換え制御される電磁弁53に接続され、この電磁弁53には遠距離保護エアバッグ31の前記電磁弁50に繋がる経路65と、近距離保護エアバッグ32の前記電磁弁51に繋がる経路66と、が接続される。
このように本実施形態では、前記ベルトエアバッグ20と乗員外側保護エアバッグ30との膨張展開を、図1に示すようにロールオーバー検出手段10および側突検出手段11の検出信号に基づいてコントローラ12から出力する指令により制御することにより、ロールオーバーおよび側面衝突から乗員Mを保護するようになっている。
ここで、前記ロールオーバー検出手段10を、車体2Bの横転角速度を検出する車体角速度検出センサ13で構成するとともに、車体2Bの横転方向を検出する車体回転方向検出センサとしての前記車体角速度検出センサ13で構成してある。
そして、前記ロールオーバー検出手段10は、車体角速度検出センサ13で検出したロールレイトと、このロールレイトを積分したロール角と、で決定される閾値Bを図33に示し、これをマップとしてコントローラ12は閾値Bを超えたときにロールオーバーであると判断するようになっている。
また、前記側突検出手段11を、車体の横加速度を検出する横加速度検出センサ16で構成してある。
更に、本実施形態の乗員保護装置1では、保護しようとする乗員Mの左右着座位置を検出する乗員着座位置検出センサとしての圧力センサ14,15を備えており、一方の圧力センサ14はシートバック3aに埋設されるとともに、他方の圧力センサ15はシートクッション3bに埋設され、これら両圧力センサ14,15により乗員Mの荷重を確実に検出できるようになっている。
更にまた、本実施形態では乗員Mの上半身の車両左右方向への移動を検出する乗員移動検出センサとしての前記圧力センサ14,15およびカメラ17、超音波センサ18が設けられる。
従って、本実施形態では前記各センサ13,16の検出信号に基づいて自動車2の走行状態(通常走行状態、ロールオーバー状態、側面衝突状態)をコントローラ12で判断するようになっており、本実施形態の乗員保護方法では、ロールオーバー時に、車体横転時の回転中心から遠い側に着座している乗員Mに対して、ベルトエアバッグ20を膨張展開した後、乗員外側保護エアバッグ30を膨張展開するとともに、車体横転時の回転中心に近い側に着座している乗員Mに対して、ベルトエアバッグ20と乗員外側保護エアバッグ30とを略同時に膨張展開し、側面衝突時に、側突荷重Fの入力側に着座している乗員Mに対して、乗員外側保護エアバッグ30を膨張展開するとともに、側突荷重Fの入力側とは反対側に着座している乗員Mに対して、ベルトエアバッグ20を膨張展開するようになっている。
即ち、本実施形態の乗員保護装置1では、自動車2の走行状態に応じてベルトエアバッグ20と、遠距離保護エアバッグ31の頭部保護エアバッグ33および胸部保護エアバッグ34と、近距離保護エアバッグ32の頭部保護エアバッグ35および胸部保護エアバッグ36と、の膨張展開がそれぞれ制御されるようになっており、以下、それぞれの制御状態を順を追って述べる。
図17〜図19は自動車2が通常走行状態にあるときを示し、右側座席3Rおよび左側座席3Lのベルトエアバッグ20は収縮しており、遠距離保護エアバッグ31の頭部保護エアバッグ33および胸部保護エアバッグ34と、近距離保護エアバッグ32の頭部保護エアバッグ35および胸部保護エアバッグ36と、はそれぞれ折り畳まれて所定場所に格納された状態にある。
図20〜図22は自動車2がロールオーバー初期状態にあるときを示し、本実施形態では自動車2が左側に横転する場合を例にとってあり、右側座席3Rが車体横転時の回転中心(図示省略)から遠い側となり、左側座席3Lがその回転中心に近い側となっている。
この場合、ロールオーバーが検出された時に、右側座席3Rおよび左側座席3Lのシートベルト装置4の電動リトラクタ4fをベルトエアバッグ20の膨張展開に先行して緊急巻取りするようになっている。
即ち、ロールオーバー初期状態では、右側座席3Rおよび左側座席3Lの電動リトラクタ4fがいち早く作動して、ショルダーベルト4aを緊急巻取りして、座席3R,3Lに着座した乗員Mの上半身をシートバック3aに強く拘束する。
また、同時にシャフト43およびギア44が回転するため、それぞれの肩サポート40,40の上端部が車両前方に突出され、座席3R,3Lに着座した乗員Mの上半身が車体外方に移動するのを阻止する。
図23〜図25は自動車2のロールオーバーによる車体横転が進行した状態を示し、図23に示すように車体2Bが略横倒し状態にあり、また、図26〜図28は自動車2のロールオーバーによる車体横転が更に進行した状態を示し、図26に示すように車体2Bが略天地逆状態になっている。
このようにロールオーバーが進行した状態では、前記コントローラ12は、車体横転時の回転中心から遠い側、つまり本実施形態では右側座席3Rに着座している乗員Mに対して、ベルトエアバッグ20に膨張展開する指令を出力した後、乗員外側保護エアバッグ30を膨張展開する指令を出力するようになっている。
また、同時に車体横転時の回転中心に近い側、つまり本実施形態では左側座席3Lに着座している乗員Mに対して、ベルトエアバッグ20と乗員外側保護エアバッグ30とを膨張展開する指令を略同時に出力するようになっている。
即ち、右側座席3Rでは、図23に示す車体2Bの横倒し状態では、図24に矢印で示すようにベルトエアバッグ20にガス供給して膨張展開した後、図26に示す車体2Bの天地逆状態では、図27に矢印で示すように遠距離保護エアバッグ31にガス供給して頭部保護エアバッグ33および胸部保護エアバッグ34が膨張展開(図8〜図10参照)される。
また、左側座席3Lでは、図23に示す車体2Bの横倒し状態で、図25に矢印で示すようにベルトエアバッグ20にガス供給して膨張展開するとともに、近距離保護エアバッグ32の頭部保護エアバッグ33および胸部保護エアバッグ34を膨張展開(図11〜図13参照)し、この状態は図26に示す車体2Bの天地逆状態となっても図28に示す展開状態が継続される。
図29〜図31は自動車2が側面衝突された状態を示し、本実施形態では自動車2の右側から側突荷重Fが入力される場合を例にとってあり、右側座席3Rが側突荷重Fの入力側となり、左側座席3Lが側突荷重Fの入力側とは反対側となっている。
そして、この側面衝突状態では前記コントローラ12は、側突荷重Fの入力側、つまり右側座席3Rに着座している乗員Mに対して、乗員外側保護エアバッグ30を膨張展開する指令を出力するようになっている。
この場合、前記乗員外側保護エアバッグ30は、図30に示すように遠距離保護エアバッグ31と近距離保護エアバッグ32が用いられ、遠距離保護エアバッグ31では胸部保護エアバッグ34を膨張することなく頭部保護エアバッグ33のみが膨張展開されるとともに、近距離保護エアバッグ32では頭部保護エアバッグ35が膨張することなく胸部保護エアバッグ36が膨張展開する(図14〜図16参照)。
また、これと同時に側突荷重Fの入力側とは反対側、つまり左側座席3Lに着座している乗員Mに対して、ベルトエアバッグ20を膨張展開する指令を出力するようになっている。
従って、図31に示すように左側座席3Lではベルトエアバッグ20が膨張展開して、乗員Mの車両中央側への移動を阻止するようになっている。
以上説明したベルトエアバッグ20および乗員外側保護エアバッグ30の作動は、図32に示すフローチャートに従ってコントローラ12から出力される指令信号によって制御されるようになっており、まず、ステップS1でロールオーバーを判定するフラグ(flag*RO)を0に設定した後、ステップS2で乗員着座位置を入力して、ステップS3でタイマーを0セットし、次に、ステップS4,S5,S6でロールレイト、ロール角度および横加速度を順次入力する。
このとき、前記フラグ(flag*RO)が立つ(=1)ことにより、肩サポート40および電動リトラクタ4fが作動することを意味する。
そして、ステップS7で横加速度から側面衝突(側突)されたかどうかを判断して、側面衝突でない場合はステップS8によって判断したタイマーが規定時間内である場合は、ステップS9ではカメラ17および超音波センサ18で計測した乗員頭部Mhの移動量を入力するとともに、ステップS10で圧力センサ14,15で計測したシート圧力を入力する。
次に、ステップS11でタイマーの時間を計算した後、ステップS12で乗員Mの横移動量が規定値内かどうかを判断し、移動量が規定値を超えたと判断した場合はステップS13によってフラグ(flag*RO)の状態を判断し、フラグが立っていない場合(flag*RO=0)は肩サポート40および電動リトラクタ4fが作動していると判断されなかった場合で、ステップS14で電動リトラクタ4fを作動して乗員Mをシートバック3aに引き込むとともに、肩サポート40を作動させて(図21,図22参照)車両前方に突出させた後、ステップS15によってフラグを立ててflag*RO=1に設定する。
次に、ステップS16では図33に示すマップからロールレイトとロール角度が閾線Bを超えたかどうかを判断し、その閾線Bを超えない領域Bnoにある場合はステップS3にリターンしてタイマーを0に設定して再度入力レータに戻る一方、前記閾線Bを超えた領域Byesにある場合は自動車2がロールオーバーであると判断し、ステップS17で車体2Bの回転方向を入力する。
そして、ステップS18で乗員Mの着座位置を判断、つまり、車体横転時の回転中心から遠い側(Far Side)に着座しているか、その回転中心に近い側(Near Side)に着座しているかを判断し、Far Sideであると判断した場合はステップS19でベルトエアバッグ20を膨張展開する指令を出力した後、ステップS20で遠距離保護エアバッグ31を膨張展開する指令を出力する(図24,図27参照)。
前記ステップS18で回転中心に近いNear Sideであると判断した場合は、ステップS21でベルトエアバッグ20および近距離保護エアバッグ32を膨張展開する指令を出力する(図25,図28参照)。
また、前記ステップS12で乗員Mの横移動量が規定値を超えなかったと判断した場合はステップS22によってフラグの状態を判断し、電動リトラクタ4fおよび肩サポート40が作動している状態であると判断した場合(flag*RO=1)は、ステップS23で電動リトラクタ4fを逆転させてショルダーベルト4aを元の状態に戻すとともに、突出状態にある肩サポート40を後退させて元の状態に戻す(図18,図19参照)。
一方、前記ステップS7で側面衝突であると判断した場合は、ステップS24で乗員Mの着座位置(衝突側であるか非衝突側であるか)を判断し、乗員Mが衝突側に着座している場合は、ステップS25によって近距離保護エアバッグ32の胸部保護エアバッグ36および遠距離保護エアバッグ31の頭部保護エアバッグ33を膨張展開する指令を出力し(図30参照)、乗員Mが非衝突側に着座していると判断した場合は、ステップS26によってベルトエアバッグ20を膨張展開する指令を出力する(図31参照)。
以上の構成により本実施形態の自動車2の乗員保護装置1によれば、ロールオーバー検出手段10や側突検出手段11を設けるとともに、乗員Mの胸部Mc前側を気体クッションで拘束するベルトエアバッグ20と、乗員Mの頭部Mh側方および胸部Mc側方を気体クッションで拘束する乗員外側保護エアバッグ30と、を設け、車体2Bのロールオーバー時または側面衝突時にコントローラ12によって前記ベルトエアバッグ20および前記乗員外側保護エアバッグ30を展開制御するようにしたので、乗員Mの胸部Mc前側を拘束するベルトエアバッグ20以外に、乗員外側保護エアバッグ30によって乗員Mの頭部Mh側方および胸部Mc側方を拘束することができるので、前記ベルトエアバッグ20で乗員Mが車室内中央側に移動するのを抑えるとともに、特に、乗員Mと車室内側方部との間に乗員外側保護エアバッグ30が膨張展開することにより、乗員Mの頭部Mhおよび胸部Mcがセンタピラーやドア等の車室内側方部に衝突するのを確実に保護することができる。
また、本実施形態の乗員保護方法によれば、ロールオーバー時に、車体横転時の回転中心から遠い側に着座している乗員Mに対して、ベルトエアバッグ20を膨張展開した後、乗員外側保護エアバッグ30を膨張展開するとともに、車体横転時の回転中心に近い側に着座している乗員Mに対して、ベルトエアバッグ20と乗員外側保護エアバッグ30とを略同時に膨張展開し、側面衝突時に、側突荷重Fの入力側に着座している乗員Mに対して、乗員外側保護エアバッグ30を膨張展開するとともに、側突荷重Fの入力側とは反対側に着座している乗員Mに対して、ベルトエアバッグ20を膨張展開するようにしたので、ロールオーバー時および側面衝突時それぞれの場合にあっても、左右いずれの座席3に着座している乗員Mに対応して適切に保護することができる。
更に、本実施形態の乗員保護装置1によれば、コントローラ12は、ロールオーバー時に車体横転時の回転中心から遠い側に着座している乗員Mに対して、ベルトエアバッグ20に膨張展開する指令を出力した後、乗員外側保護エアバッグ30を膨張展開する指令を出力するようにしたので、ロールオーバー発生時に回転中心から遠い側に着座している乗員Mの挙動に対応して、ベルトエアバッグ20が膨張展開した後に乗員外側保護エアバッグ30が膨張展開するので、乗員Mを適正かつ確実に保護することができる。
更にまた、コントローラ12は、ロールオーバー時に車体横転時の回転中心に近い側に着座している乗員Mに対して、ベルトエアバッグ20と乗員外側保護エアバッグ30とを膨張展開する指令を略同時に出力するようにしたので、ロールオーバー発生時に回転中心に近い側に着座している乗員Mの挙動に対応して、ベルトエアバッグ20と乗員外側保護エアバッグ30とが同時に膨張展開するので、乗員Mを適正かつ確実に保護することができる。
また、コントローラ12は、側面衝突時に側突荷重Fの入力側に着座している乗員Mに対して、乗員外側保護エアバッグ30を膨張展開する指令を出力するようにしたので、側面衝突時に側突荷重Fの入力側に着座している乗員Mの挙動に対応して乗員外側保護エアバッグ30が膨張展開するので、乗員Mは車室内の側面部材に直接衝突するのを防止して乗員Mを適正かつ確実に保護することができる。
更に、コントローラ12は、側面衝突時に側突荷重Fの入力側とは反対側に着座している乗員Mに対して、ベルトエアバッグ20を膨張展開する指令を出力するようにしたので、側面衝突時に側突荷重Fの入力側とは反対側に着座している乗員Mの挙動に対応してベルトエアバッグ20が膨張展開するので、乗員Mが車室内中央側に移動して隣の乗員Mに当たるのを適正かつ確実に防止できる。
更にまた、前記ロールオーバー時に、シートベルト装置4の電動リトラクタ4fをベルトエアバッグ20の膨張展開に先行して緊急巻取りするようにしたので、乗員Mをいち早くシートバック3aに拘束できるので、ベルトエアバッグ20を膨張展開した際の保護効果をより高めることができる。
また、乗員外側保護エアバッグ30は、乗員Mの頭部側方を拘束する頭部保護エアバッグ33,35と、乗員Mの胸部側方を拘束する胸部保護エアバッグ34,36と、を備えて構成したので、乗員Mが車室内の側面部材に衝突する際に頭部保護エアバッグ33,35によって頭部Mhを確実に保護し、胸部保護エアバッグ34,36によって胸部Mcを確実に保護することができる。
更に、前記頭部保護エアバッグ33は、乗員Mの頭上に延設展開する頭上保護部分33bを一体に設けてあるので、車体2Bが天地略逆に横転した状態で乗員Mが天井に直接衝突するのを防止して、頭部Mhを保護することができる。
更にまた、シートバック3aの車室外方側上端部に、シートベルト装置4の電動リトラクタ4fの緊急巻取りに連動して車両前方に突出し、乗員Mの肩部移動を阻止する肩サポート40を設けたので、この肩サポート40によって乗員Mの上半身が車室外方に移動するのを阻止できるため、前記乗員外側保護エアバッグ30による乗員保護効果を更に高めることができる。
また、本実施形態のシートベルト装置4では、ショルダーベルト4aを乗員Mの車室内中央側の肩部Msから腰部Mwの車室外方側に亘って斜めに配索したので、乗員Mが車室内中央側に移動するのをショルダーベルト4a自体で抑えることができるため、乗員Mが隣の乗員Mにぶつかってしまうのを効率よく防止することができる。
更に、ベルトエアバッグ20および乗員外側保護エアバッグ30は、共通のインフレータ60に設けたそれぞれ別のガス供給経路61,62からガスを供給するようにしたので、1つのインフレータ60でそれぞれのエアバッグ20,30にガス供給できるので、部品点数の削減および構成の簡素化を図ることができる。
更にまた、シートベルト装置4の電動リトラクタ4fは、正逆の巻取りが可能な電動式アクチュエータを備えたので、電動リトラクタ4fでショルダーベルト4aを緊急巻取りした後、その緊急性が排除された後に電動リトラクタ4fを逆転することにより、ショルダーベルト4aを元の状態に戻すことができる。
また、ロールオーバー検出手段10は、車体2Bの横転角速度を検出する車体角速度検出センサ13と、車体2Bの横転方向を検出するその車体角速度検出センサ13と、を備えて構成したので、ロールオーバーの発生と方向を精度良く検出することができる。
更に、側突検出手段11は、車体の横加速度を検出する横加速度検出センサ16、を備えて構成したので、側面衝突の発生と衝突荷重Fの大きさとを迅速かつ精度良く検出することができる。
更にまた、ロールオーバー検出手段は、車体角速度検出センサで検出したロールレイトと、このロールレイトを積分したロール角と、で決定される閾値を超えたときにロールオーバーであると判断するようにしたので、コントローラ12によるロールオーバー判断を迅速かつ正確に行うことができる。
ところで、本実施形態ではロールオーバーを自動車2が左回転される場合を示した関係上、車体横転時の回転中心から遠い側を右側座席3R、車体横転時の回転中心に近い側を左側座席3Lとしたが、ロールオーバーが右回転の場合は、車体横転時の回転中心から遠い側が左側座席3L、車体横転時の回転中心に近い側が右側座席3Rとなる。
また、側面衝突時にあっても自動車2の右側から側突荷重Fが入力される場合を示した関係上、右側座席3Rが側突荷重Fの入力側となり、左側座席3Lが側突荷重Fの入力側とは反対側としたが、左側から側突荷重Fが入力される場合は、左側座席3Lが側突荷重Fの入力側となり、右側座席3Rが側突荷重Fの入力側とは反対側となる。
図34〜図56は本発明の第2実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図34は本発明方法で使用した装置を適用した座席の透視斜視図、図35は座席片側を透視して示す拡大正面図、図36は乗員外側保護エアバッグの腰サポートエアバッグの格納状態を示す斜視図、図37は図36中A部の拡大斜視図である。
図38は腰サポートエアバッグの展開状態を車体外方から見た拡大斜視図、図39は第1腰サポートエアバッグの膨張展開状態を車体外方から見た拡大斜視図、図40は第1腰サポートエアバッグおよび第2腰サポートエアバッグの膨張展開状態を車体外方から見た拡大斜視図である。
図41は通常走行状態にある車両を乗員の着座部分で示す正面図、図42は通常走行状態にある車両右側の座席を示す斜視図、図43は通常走行状態にある車両左側の座席を示す斜視図である。
図44はロールオーバー初期状態にある車両を乗員の着座部分で示す正面図、図45はロールオーバー初期状態にある車両右側の座席を示す斜視図、図46はロールオーバー初期状態にある車両左側の座席を示す斜視図である。
図47はロールオーバーで略横倒し状態にある車両を乗員の着座部分で示す正面図、図48はロールオーバーで略横倒し状態にある車両右側の座席を示す斜視図、図49はロールオーバーで略横倒し状態にある車両左側の座席を示す斜視図である。
図50はロールオーバーで略天地逆状態にある車両を乗員の着座部分で示す正面図、図51はロールオーバーで略天地逆状態にある車両右側の座席を示す斜視図、図52はロールオーバーで略天地逆状態にある車両左側の座席を示す斜視図である。
図53は側面衝突で荷重入力状態にある車両を乗員の着座部分で示す正面図、図54は側面衝突で荷重入力状態にある車両右側の座席を示す斜視図、図55は側面衝突で荷重入力状態にある車両左側の座席を示す斜視図であり、図56は本実施形態の乗員保護装置を制御するフローチャートの説明図である。
本実施形態の乗員保護装置1Aは、基本的に第1実施形態の乗員保護装置1と略同様の構成となり、ショルダーベルト4aに沿って膨張展開するベルトエアバッグ20と、乗員Mの車室外方側で膨張展開して乗員Mの車室外方への移動を気体クッションで拘束する乗員外側保護エアバッグ100と、を備えており、これらベルトエアバッグ20および乗員外側保護エアバッグ100をコントローラ12(図1参照)によって展開制御するようになっている。
また、シートバック3aの内方に設けられるベルト巻取り装置は、本実施形態では火薬の爆発力で巻取りが可能な火薬式プリテンショナーを備えており、特に、本実施形態では正逆の巻取りが可能な電動式アクチュエータと、火薬の爆発力で巻取りが可能な前記火薬式プリテンショナーと、の両者を備えていて、火薬式プリテンショナー付きの電動リトラクタ4gとして構成される。
ここで、本実施形態にあっては図34,図35に示すように、前記乗員外側保護エアバッグ100を、座席3のシートバック3aの上端部からシートバック3aとシートクッション3bの連結部を経てシートクッション3bの前端部に亘って配置される第1腰サポートエアバッグ101および第2腰サポートエアバッグ102と、図49,図51,図52,図54に示すように頭部Mhの側方を保護するカーテンエアバッグ110と、によって構成してある。
尚、便宜上、前記第1腰サポートエアバッグ101と前記第2腰サポートエアバッグ102とをまとめて、以下、腰保護エアバッグ108と称するものとする。
第1腰サポートエアバッグ101は座席3に近接して配置され、この第1腰サポートエアバッグ101の車室外側に第2腰サポートエアバッグ102が近接して配置され、これら腰保護エアバッグ108は、格納状態では図34,図36に示すようにシートバック3aとシートクッション3bの側面に沿って略く字状に折り畳まれるとともに、それらの展開状態では図39,図40に示すようにシートバック3aの上端部と、シートバック3aとシートクッション3bの連結部と、シートクッション3bの前端部と、をそれぞれ頂点として三角形状に膨張される。
腰保護エアバッグ108は、図36に示すように前端部がピン103によってシートクッション3bの前端部側面に固定されるとともに、中間部がピン104によってシートバック3aとシートクッション3bの連結部に固定され、かつ、後端部が前記電動リトラクタ4gに連動したシャフト43に設けた第1プーリ45に巻取りおよび巻戻しを可能として可逆的に巻き取られている。
ここで、乗員外側保護エアバッグ100を構成する前記腰保護エアバッグ108は、膨張展開した状態から初期状態に格納させる可逆手段120を備えている。
可逆手段120は、図36に示すように腰保護エアバッグ108の中間部に跨り、一端部がシートクッション3bに固定された紐状体105と、この紐状体105の他端部を巻取りおよび巻戻し可能に巻取る第2プーリ107を設けたモータ106と、によって構成してある。
従って、電動リトラクタ4gによってショルダーベルト4aを緊急巻取りした際に、同時にモータ106を作動して紐状体105を巻き戻すことにより、図38に示すように腰保護エアバッグ108は三角形状に展開され、このように三角形状に展開しつつ第1腰サポートエアバッグ101にガス供給することにより、図39に示すように第1腰サポートエアバッグ101が膨張し、また、腰保護エアバッグ108にガス供給することにより、図40に示すようにこれら腰保護エアバッグ108が膨張する。
また、三角形状に展開された腰保護エアバッグ108は、電動リトラクタ4gを逆転してショルダーベルト4aを元の状態に復帰させるとともに、モータ106を紐状体105の巻取り方向に回転することにより、腰保護エアバッグ108の後端部は第1プーリ45から巻き戻されるとともに、紐状体105は第2プーリ107に巻き取られて、図36に示す初期状態に復帰させることができるようになっている。
前記第1腰サポートエアバッグ101は、展開された際に乗員Mの上体に直接接触しないように複数条の縫い目101aが設けられている。
また、本実施形態ではインフレータ60の下端部に繋がるガス供給経路62に接続される電磁弁52で分配された経路63,64は、一方の経路64が第1実施形態と同様にベルトエアバッグ20の下端部のチューブ20bに繋がるが、他方の経路64は、図36にも示すように前記第1腰サポートエアバッグ101および前記第2腰サポートエアバッグ102に繋がるチューブ101b,102aにガス分配する電磁弁54に接続されている。
尚、前記カーテンエアバッグ110は、前記インフレータ60とは別に設けたインフレータ(図示省略)をコントローラ12からの指令で作動することにより膨張展開される。
そして、本実施形態の乗員保護装置1Aにあっても、自動車2の走行状態に応じてベルトエアバッグ20と、第1腰サポートエアバッグ101および前記第2腰サポートエアバッグ102と、カーテンエアバッグ110と、の膨張展開が制御されるようになっており、以下、それぞれの制御状態を順を追って述べる。
図41〜図43は自動車2が通常走行状態にあるときを示し、右側座席3Rおよび左側座席3Lのベルトエアバッグ20は収縮しており、また、腰保護エアバッグ108およびカーテンエアバッグ(図示省略)はそれぞれ折り畳まれて所定場所に格納された状態にある。
図44〜図46は自動車2がロールオーバー初期状態にあるときを示し、本実施形態では自動車2が左側に横転する場合を例にとってあり、右側座席3Rが車体横転時の回転中心(図示省略)から遠い側となり、左側座席3Lがその回転中心に近い側となっている。
この場合、ロールオーバーが検出された時に、シートベルト装置4の電動リトラクタ4gをベルトエアバッグ20の膨張展開に先行して緊急巻取りするようになっている。
即ち、ロールオーバー初期状態では、右側座席3Rおよび左側座席3Lの電動リトラクタ4gがいち早く作動して、ショルダーベルト4aを緊急巻取りして、座席3R,3Lに着座した乗員Mの上半身をシートバック3aに強く拘束する。
このとき、シャフト43および第1プーリ45が回転し、これと同時にモータ106を作動して第2プーリ107を回転することにより、第1プーリ45に腰保護エアバッグ108の後端部が巻き取られるとともに、第2プーリ107から紐状体105が巻き戻され、腰保護エアバッグ108が展開開始(図38参照)される。
図47〜図49は自動車2のロールオーバーによる車体横転が進行した状態を示し、図47に示すように車体2Bが略横倒し状態にあり、また、図50〜図52は自動車2のロールオーバーによる車体横転が更に進行した状態を示し、図50に示すように車体2Bが略天地逆状態になっている。
このようにロールオーバーが進行した状態では、前記コントローラ12は、車体横転時の回転中心から遠い側となる右側座席3Rに着座している乗員Mに対して、ベルトエアバッグ20に膨張展開する指令を出力した後、第1腰サポートエアバッグ101を膨張展開する指令を出力するようになっている。
また、同時に車体横転時の回転中心に近い側となる左側座席3Lに着座している乗員Mに対して、ベルトエアバッグ20と第1腰サポートエアバッグ101とを膨張展開する指令を略同時に出力するようになっている。
即ち、右側座席3Rでは、図47に示す車体2Bの横倒し状態では、図48に示すようにベルトエアバッグ20にガス供給して膨張展開した後、図50に示す車体2Bの天地逆状態では、図51に示すように第1腰サポートエアバッグ101が膨張展開(図39参照)されるとともに、カーテンエアバッグ110が膨張展開される。
また、左側座席3Lでは、図47に示す車体2Bの横倒し状態で、図49に示すようにベルトエアバッグ20にガス供給して膨張展開するとともに、第1腰サポートエアバッグ101およびカーテンエアバッグ110を膨張展開し、この状態は図50に示す車体2Bの天地逆状態となっても図52に示すように継続される。
このとき、図49に示すように第1腰サポートエアバッグ101が膨張展開される際、図35に示すようにインフレータ60から経路62、電磁弁52、経路63および電磁弁54を経て、チューブ101bから第1腰サポートエアバッグ101にガス導入されることにより、その第1腰サポートエアバッグ101が膨張展開される。
図53〜図55は自動車2が側面衝突された状態を示し、本実施形態にあっても自動車2が右側から側突荷重Fが入力される場合を例にとってあり、右側座席3Rが側突荷重Fの入力側となり、左側座席3Lが側突荷重Fの入力側とは反対側となっている。
そして、この側面衝突状態では前記コントローラ12は、側突荷重Fの入力側、つまり右側座席3Rに着座している乗員Mに対して、第1腰サポートエアバッグ101および第2腰サポートエアバッグ102を膨張展開する指令とカーテンエアバッグ110を膨張展開する指令を同時に出力するようになっている。
また、これと同時に側突荷重Fの入力側とは反対側、つまり左側座席3Lに着座している乗員Mに対して、ベルトエアバッグ20を膨張展開する指令を出力するようになっている。
即ち、側面衝突時には右側座席3Rでは、図54に示すように腰保護エアバッグ108とカーテンエアバッグ110とが同時に膨張展開されるとともに、左側座席3Lでは、図55に示すように左側座席3Lではベルトエアバッグ20が膨張展開して、乗員Mの車両中央側への移動を阻止するようになっている。
このとき、図54に示すように第1腰サポートエアバッグ101および第2腰サポートエアバッグ102が膨張展開される際、図35に示すようにインフレータ60から経路62、電磁弁52、経路63および電磁弁54を経た後、チューブ101b,102aからガス導入されることにより、これら腰保護エアバッグ108が膨張展開される。
また、これと同時に側突荷重Fの入力側とは反対側、つまり左側座席3Lに着座している乗員Mに対して、ベルトエアバッグ20を膨張展開する指令を出力するようになっている。
従って、図55に示すように左側座席3Lではベルトエアバッグ20が膨張展開して、乗員Mの車両中央側への移動を阻止するようになっている。
以上説明したベルトエアバッグ20および乗員外側保護エアバッグ100の作動を、図56に示すフローチャートに従って説明する。尚、同フローチャートを説明するにあたって図32に示した第1実施形態のフローチャートと同一処理部分に同一符号を付して説明を簡略するものとする。
即ち、本実施形態のフローチャートでは、ステップS1でフラグ(flag*RO)を0に設定した後、ステップS2で乗員着座位置を入力し、ステップS3でタイマーを0セットし、ステップS4,S5,S6でロールレイト、ロール角度および横加速度を順次入力する。
そして、ステップS7で側面衝突でないと判断し、ステップS8でタイマーが規定時間内であると判断した場合は、ステップS9,S10で乗員頭部移動量およびシート圧力を順次入力し、ステップS11でタイマーの時間を計算した後、ステップS12で乗員Mの横移動量が規定値を超えたと判断した場合は、ステップS13によってフラグ(flag*RO)が立っていないと判断した場合(flag*RO=0)は、ステップS14′で電動リトラクタ4gを作動してショルダーベルト4aを緊急巻取りするとともに、腰保護エアバッグ108を展開(図45,図46参照)した後、ステップS15によってフラグを立てる(flag*RO=1)。
次に、ステップS16でマップ(図33参照)の閾線Bを超えている(領域Byes)と判断した場合は、自動車2がロールオーバーであるとしてステップS17で車体2Bの回転方向を入力し、ステップS18で乗員Mの着座位置を判断し、車体横転時の回転中心から遠いFar Sideであると判断した場合は、ステップS19でベルトエアバッグ20を膨張展開する指令を出力した後、ステップS20′で第1腰サポートエアバッグ101とカーテンエアバッグ110を膨張展開する指令を出力する(図48,図51参照)。
前記ステップS18で回転中心に近いNear Sideであると判断した場合は、ステップS21′でベルトエアバッグ20と第1腰サポートエアバッグ101およびカーテンエアバッグ110とを膨張展開する指令を出力する(図49,図52参照)。
また、前記ステップS12で乗員Mの横移動量が規定値を超えなかったと判断した場合はステップS22によってフラグが立っていると判断した場合(flag*RO=1)は、ステップS23′で電動リトラクタ4gを逆転させてショルダーベルト4aを元の状態に戻すとともに、モータ106を作動して紐状体105を巻取り、展開している腰保護エアバッグ108を元の状態に格納する(図42,図43参照)。
一方、前記ステップS7で側面衝突であると判断し、かつ、ステップS24で乗員Mが衝突側に着座していると判断した場合は、ステップS25′によって火薬式プリテンショナーを作動するとともに、腰保護エアバッグ108とカーテンエアバッグ110とを膨張展開する指令を出力し(図54参照)、乗員Mが非衝突側に着座していると判断した場合は、ステップS26によってベルトエアバッグ20を膨張展開する指令を出力する(図55参照)。
以上の構成により本実施形態の自動車2の乗員保護装置1によれば、第1腰サポートエアバッグ101および第2腰サポートエアバッグ102と、カーテンエアバッグ110と、によって乗員外側保護エアバッグ100を構成したので、この乗員外側保護エアバッグ100とベルトエアバッグ20との共働で乗員Mをロールオーバーおよび側面衝突から確実に保護できるようになり、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏するのは勿論のこと、特に本実施形態では乗員外側保護エアバッグ100を構成する腰保護エアバッグ108に可逆手段120を設けて、膨張展開した状態から初期状態に格納させることができるので、一旦、展開した腰保護エアバッグ108を元の状態に格納することができる。
また、ショルダーベルト4aを巻き取るリトラクタ4gに火薬の爆発力で巻取りが可能な火薬式プリテンショナーを備えたので、緊急巻取り時にショルダーベルト4aによる乗員Mの拘束を瞬時に行うことができるため、迅速に乗員Mを保護することができる。
更に、電動式アクチュエータと、火薬の爆発力で巻取りが可能な前記火薬式プリテンショナーと、の両者を備えて電動リトラクタ4gとして構成したことにより、迅速な乗員保護を可能としつつ正逆の巻取りが可能となり、緊急巻取りしたショルダーベルト4aを元の状態に復帰させることが可能となる。
図57〜図76は本発明の第3実施形態を示し、前記第1,第2実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図57は本発明装置を適用した座席の透視斜視図、図58は座席片側を透視して示す拡大正面図、図59は乗員外側保護エアバッグの格納状態を示す斜視図、図60は乗員外側保護エアバッグの頭部保護エアバッグおよび腰保護エアバッグの膨張展開状態を示す斜視図である。
図61は通常走行状態にある車両を乗員の着座部分で示す正面図、図62は通常走行状態にある車両右側の座席を示す斜視図、図63は通常走行状態にある車両左側の座席を示す斜視図である。
図64はロールオーバー初期状態にある車両を乗員の着座部分で示す正面図、図65はロールオーバー初期状態にある車両右側の座席を示す斜視図、図66はロールオーバー初期状態にある車両左側の座席を示す斜視図である。
図67はロールオーバーで略横倒し状態にある車両を乗員の着座部分で示す正面図、図68はロールオーバーで略横倒し状態にある車両右側の座席を示す斜視図、図69はロールオーバーで略横倒し状態にある車両左側の座席を示す斜視図である。
図70はロールオーバーで略天地逆状態にある車両を乗員の着座部分で示す正面図、図71はロールオーバーで略天地逆状態にある車両右側の座席を示す斜視図、図72はロールオーバーで略天地逆状態にある車両左側の座席を示す斜視図である。
図73は側面衝突で荷重入力状態にある車両を乗員の着座部分で示す正面図、図74は側面衝突で荷重入力状態にある車両右側の座席を示す斜視図、図75は側面衝突で荷重入力状態にある車両左側の座席を示す斜視図であり、図76は本実施形態の乗員保護装置を制御するフローチャートの説明図である。
本実施形態の乗員保護装置1Bは、基本的に第1実施形態の乗員保護装置1と略同様の構成となり、ショルダーベルト4aに沿って膨張展開するベルトエアバッグ20と、乗員Mの車室外方側で膨張展開して乗員Mの車室外方への移動を気体クッションで拘束する乗員外側保護エアバッグ200と、を備えており、これらベルトエアバッグ20および乗員外側保護エアバッグ200をコントローラ12(図1参照)によって展開制御するようになっている。
また、シートバック3aの内方に設けられるベルト巻取り装置は、第2実施形態と同様に火薬式プリテンショナー付きの電動リトラクタ4gとして構成されるとともに、第1実施形態と同様にシートバック3aの車室外方側上端部に、電動リトラクタ4gの緊急巻取りに連動する肩サポート40が設けられる。
ここで、本実施形態にあっては図57,図58に示すように、前記乗員外側保護エアバッグ200を、前記肩サポート40内に折り畳んで格納される頭部保護エアバッグ201と、第2実施形態に示したと同様の腰保護エアバッグ108とで構成してある。
前記腰保護エアバッグ108は、第1腰サポートエアバッグ101と第2腰サポートエアバッグ102とで構成され、インフレータ60の下端部に接続されたガス供給経路62から電磁弁52で分配された一方の経路63が第1腰サポートエアバッグ101に直接繋がり、かつ、その経路63に設けた電磁弁55で分配された一方の経路67が第2腰サポートエアバッグ102に繋がるとともに、電磁弁55で分配された他方の経路68が前記頭部保護エアバッグ201に繋がる。
また、前記電磁弁52で分配された他方の経路64は、ベルトエアバッグ20の下端部に設けたチューブ20bに繋がっている。勿論、ベルトエアバッグ20の上端部に設けたチューブ20aには、前記インフレータ60の上端部に接続されたガス供給経路61が繋がっている。
前記頭部保護エアバッグ201は図60に示すように膨張展開すると、乗員Mの頭部Mhが車室内側方部に衝突するのを防止するとともに、同図に示すように腰保護エアバッグ108が膨張展開することにより、乗員Mの腰部Mwが車室内側方部に衝突するのを防止するようになっている。
また、前記腰保護エアバッグ108には、紐状体105および第2プーリ107を設けたモータ106からなる可逆手段120を備えて、腰保護エアバッグ108を膨張展開した状態から初期状態に格納させるようになっている。
そして、本実施形態の乗員保護装置1Bにあっても、自動車2の走行状態に応じてベルトエアバッグ20と、第1腰サポートエアバッグ101および前記第2腰サポートエアバッグ102と、頭部保護エアバッグ201と、の膨張展開が制御されるようになっており、以下、それぞれの制御状態を順を追って述べる。
図61〜図63は自動車2が通常走行状態にあるときを示し、右側座席3Rおよび左側座席3Lのベルトエアバッグ20は収縮しており、また、腰保護エアバッグ108および頭部保護エアバッグ201はそれぞれ折り畳まれて所定場所に格納された状態にある。
図64〜図66は自動車2がロールオーバー初期状態にあるときを示し、本実施形態では自動車2が左側に横転する場合を例にとってあり、右側座席3Rが車体横転時の回転中心(図示省略)から遠い側となり、左側座席3Lがその回転中心に近い側となっている。
この場合、ロールオーバーが検出された時に、シートベルト装置4の電動リトラクタ4gをベルトエアバッグ20の膨張展開に先行して緊急巻取りするようになっている。
即ち、ロールオーバー初期状態では、右側座席3Rおよび左側座席3Lの電動リトラクタ4gがいち早く作動して、ショルダーベルト4aを緊急巻取りして、座席3R,3Lに着座した乗員Mの上半身をシートバック3aに強く拘束する。
このとき、シャフト43が回転してギア44および第1プーリ45が回転され、ギア44の回転により肩サポート40が車両前方に突出するとともに、第1プーリ45の回転により腰保護エアバッグ108の後端部が巻き取られ、これと同時にモータ106を作動して第2プーリ107を回転することにより、紐状体105が巻き戻されて腰保護エアバッグ108が展開開始(図38参照)される。
図67〜図69は自動車2のロールオーバーによる車体横転が進行した状態を示し、図67に示すように車体2Bが略横倒し状態にあり、また、図70〜図72は自動車2のロールオーバーによる車体横転が更に進行した状態を示し、図70に示すように車体2Bが略天地逆状態になっている。
このようにロールオーバーが進行した状態では、前記コントローラ12は、車体横転時の回転中心から遠い側となる右側座席3Rに着座している乗員Mに対して、ベルトエアバッグ20に膨張展開する指令を出力した後、頭部保護エアバッグ201および第1腰サポートエアバッグ101を膨張展開する指令を出力するようになっている。
また、同時に車体横転時の回転中心に近い側となる左側座席3Lに着座している乗員Mに対して、ベルトエアバッグ20と頭部保護エアバッグ201および第1腰サポートエアバッグ101とを膨張展開する指令を略同時に出力するようになっている。
即ち、右側座席3Rでは、図67に示す車体2Bの横倒し状態では、図68に示すようにベルトエアバッグ20にガス供給して膨張展開した後、図70に示す車体2Bの天地逆状態では、図71に示すように頭部保護エアバッグ201および第1腰サポートエアバッグ101が膨張展開(図60参照)される。
また、左側座席3Lでは、図67に示す車体2Bの横倒し状態で、図69に示すようにベルトエアバッグ20にガス供給して膨張展開するとともに、頭部保護エアバッグ201および第1腰サポートエアバッグ101を膨張展開し、この状態は図70に示す車体2Bの天地逆状態となっても図72に示すように継続される。
図73〜図75は自動車2が側面衝突された状態を示し、本実施形態にあっても自動車2が右側から側突荷重Fが入力される場合を例にとってあり、右側座席3Rが側突荷重Fの入力側となり、左側座席3Lが側突荷重Fの入力側とは反対側となっている。
そして、この側面衝突状態では前記コントローラ12は、側突荷重Fの入力側、つまり右側座席3Rに着座している乗員Mに対して、頭部保護エアバッグ201を膨張展開する指令と、第1腰サポートエアバッグ101および第2腰サポートエアバッグ102を膨張展開する指令と、を同時に出力するようになっている。
また、これと同時に側突荷重Fの入力側とは反対側、つまり左側座席3Lに着座している乗員Mに対して、ベルトエアバッグ20を膨張展開する指令を出力するようになっている。
即ち、側面衝突時には右側座席3Rでは、図74に示すように頭部保護エアバッグ201と、第1腰サポートエアバッグ101および第2腰サポートエアバッグ102と、が同時に膨張展開されるとともに、左側座席3Lでは、図75に示すようにベルトエアバッグ20が膨張展開して、乗員Mの車両中央側への移動を阻止するようになっている。
以上説明したベルトエアバッグ20および乗員外側保護エアバッグ200の作動を、図76に示すフローチャートに従って説明する。尚、同フローチャートを説明するにあたって図56に示した第2実施形態のフローチャートと同一処理部分に同一符号を付して説明を簡略するものとする。
即ち、本実施形態のフローチャートでは、ステップS1でフラグ(flag*RO)を0に設定した後、ステップS2で乗員着座位置を入力し、ステップS3でタイマーを0セットし、ステップS4,S5,S6でロールレイト、ロール角度および横加速度を順次入力する。
そして、ステップS7で側面衝突でないと判断し、ステップS8でタイマーが規定時間内であると判断した場合は、ステップS9,S10で乗員頭部移動量およびシート圧力を順次入力し、ステップS11でタイマーの時間を計算した後、ステップS12で乗員Mの横移動量が規定値を超えたと判断した場合は、ステップS13によってフラグ(flag*RO)が立っていないと判断した場合(flag*RO=0)は、ステップS14′で電動リトラクタ4gを作動してショルダーベルト4aを緊急巻取りするとともに、腰保護エアバッグ108を展開(図65,図66参照)した後、ステップS15によってフラグを立てる(flag*RO=1)。
次に、ステップS16でマップ(図33参照)の閾線Bを超えている(領域Byes)と判断した場合は、自動車2がロールオーバーであるとしてステップS17で車体2Bの回転方向を入力し、ステップS18で乗員Mの着座位置を判断し、車体横転時の回転中心から遠いFar Sideであると判断した場合は、ステップS19でベルトエアバッグ20を膨張展開する指令を出力した後、ステップS20″で第1腰サポートエアバッグ101と頭部保護エアバッグ201を膨張展開する指令を出力する(図68,図71参照)。
前記ステップS18で回転中心に近いNear Sideであると判断した場合は、ステップS21″でベルトエアバッグ20と第1腰サポートエアバッグ101および頭部保護エアバッグ201とを膨張展開する指令を出力する(図69,図72参照)。
また、前記ステップS12で乗員Mの横移動量が規定値を超えなかったと判断した場合はステップS22によってフラグが立っていると判断した場合(flag*RO=1)は、ステップS23′で電動リトラクタ4gを逆転させてショルダーベルト4aを元の状態に戻すとともに、モータ106を作動して紐状体105を巻取り、展開している腰保護エアバッグ108を元の状態に格納する(図62,図63参照)。
一方、前記ステップS7で側面衝突であると判断し、かつ、ステップS24で乗員Mが衝突側に着座していると判断した場合は、ステップS25″によって火薬式プリテンショナーを作動するとともに、腰保護エアバッグ108と頭部保護エアバッグ201とを膨張展開する指令を出力し(図74参照)、乗員Mが非衝突側に着座していると判断した場合は、ステップS26によってベルトエアバッグ20を膨張展開する指令を出力する(図75参照)。
以上の構成により本実施形態の自動車2の乗員保護装置1Bによれば、第1腰サポートエアバッグ101および第2腰サポートエアバッグ102と、頭部保護エアバッグ201と、によって乗員外側保護エアバッグ200を構成したので、この乗員外側保護エアバッグ200とベルトエアバッグ20との共働で乗員Mをロールオーバーおよび側面衝突から確実に保護できるようになり、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、腰保護エアバッグ108に可逆手段120を設けるとともに、シートベルト装置4のベルト巻取り装置を火薬式プリテンショナーを備えた電動リトラクタ4gとしたので、第2実施形態と略同様の作用効果をすることができる。
ところで、本発明は前記第1〜第3実施形態に例をとって説明したが、これら実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができる。