しかし、上述の管部材の取付方法においては、スリーブ固定部材106に押圧面107が設けられているため、貫通スリーブ104を挿通するための貫通孔102の径を正確な大きさに形成する必要がある。すなわち、貫通孔102の径の大きさが押圧面107の径の大きさよりも大きい場合には、貫通スリーブ104を貫通孔102の中心に配置することができず、充填材Cの肉厚にばらつきが生じるため気密性、水密性を確保することが困難であるという問題がある。
この発明は上記のような種々の課題を解決することを目的としてなされたものであって、貫通孔の開口部の径の誤差にも対応することができ、さらに、管部材を構造体の中心に配置することができ、該管部材の外周に充填される充填材の肉厚を均等にすることができ、構造体内外の気密性、水密性を確実に確保することのできる貫通配管具に関する。
上記目的を達成するために、請求項1記載の貫通配管具は、構造体に形成された貫通孔に挿通されると共に、その外周面に螺子溝が形成された略円筒状の管部材と、管部材の一方側から該管部材に螺嵌され、前記貫通孔の一方側の開口部を覆う一方側蓋部材と、管部材の他方側から該管部材に螺嵌され、前記貫通孔の他方側の開口部を覆う他方側蓋部材と、前記一方側蓋部材、及び、他方側蓋部材の少なくとも一方の前記貫通孔の開口部側面に形成され、前記管部材を前記貫通孔の開口部中心へ導く突起と、前記貫通孔内部において前記管部材の外周面に外嵌され、且つ、前記貫通孔の開口部の径と略同様の径を有する可撓性のセンターリングと、を具備することを特徴としている。
請求項2記載の貫通配管具は、構造体に形成された貫通孔に挿通されると共に、その外周面に螺子溝が形成された略円筒状の管部材と、管部材の一方側に形成され、前記貫通孔の一方側の開口部を覆う一方側蓋部材と、管部材の他方側から該管部材に螺嵌され、前記貫通孔の他方側の開口部を覆う他方側蓋部材と、前記一方側蓋部材、及び、他方側蓋部材の少なくとも一方の前記貫通孔の開口部側面に形成され、前記管部材を前記貫通孔の開口部中心へ導く突起と、と略同様の径を有する可撓性のセンターリングと、を具備することを特徴としている。
請求項3記載の貫通配管具は、前記貫通孔の開口部と、前記一方側蓋部材、若しくは、前記他方側蓋部材との間に、雨水の浸入を防ぐケースに覆われた防水コンセントを前記構造体の側面に取付けるための取付枠を介在させることを特徴としている。
請求項4記載の貫通配管具は、前記一方側蓋部材、若しくは、前記他方側蓋部材が、雨水の浸入を防ぐケースに覆われた防水コンセントを前記構造体の側面に取付けるための取付枠であることを特徴としている。
請求項1記載の貫通配管具によれば、一方側蓋部材が、管部材の一方側から螺嵌され、貫通孔の一方側の開口部を覆っている。そして、他方側蓋部材が、管部材の他方側から螺嵌され、貫通孔の他方側の開口部を覆っている。そのため、構造体の貫通孔に管部材を取付ける際には、貫通孔の開口部の両側から一方側蓋部材、及び、他方側蓋部材を貫通孔の開口部方向に締めこむだけでよく、別途該構造体に螺子等で固定する必要がない。そのため、作業工程が簡便になると共に、該構造体に螺子孔が形成されることがないので、気密性、水密性を損なうことがない。また、一方側蓋部材、及び、他方側蓋部材の少なくとも一方の貫通孔の開口部側面には、これらに螺嵌された管部材を該貫通孔の開口部中心へ導く突起を具備している。そのため、貫通孔の開口部の径が所望の径から誤差が生じている際にも、管部材を貫通孔の開口部の中心に配置することができるので、貫通孔の内周面と管部材の外周面との間に充填される充填材の肉厚にばらつきが生じることがなく、確実に気密性、水密性を確保することができる。さらに、充填材を充填した直後に管部材に外力が作用したとしても管部材が貫通孔の開口部中心からずれることがなく、また、充填材硬化後に管部材に外力が作用したとしても充填材が切れたり、剥がれたりすることがないので気密性、水密性が損なわれることがない。
請求項2記載の貫通配管具によれば、一方側蓋部材が、管部材の一方側に形成され、貫通孔の一方側の開口部を覆っている。そして、他方側蓋部材が、管部材の他方側から螺嵌され、貫通孔の他方側の開口部を覆っている。そのため、構造体の貫通孔に管部材を取付ける際には、貫通孔の開口部の他方側から他方側蓋部材を貫通孔の開口部方向に締めこむだけでよく、別途該構造体に螺子等で固定する必要がない。そのため、作業工程が簡便になると共に、該構造体に螺子孔が形成されることがないので、気密性、水密性を損なうことがない。また、一方側蓋部材、及び、他方側蓋部材の少なくとも一方の貫通孔の開口部側面には、これらに螺嵌された管部材を該貫通孔の開口部中心へ導く突起を具備している。そのため、貫通孔の開口部の径が所望の径から誤差が生じている際にも、管部材を貫通孔の開口部の中心に配置することができるので、貫通孔の内周面と管部材の外周面との間に充填される充填材の肉厚にばらつきが生じることがなく、確実に気密性、水密性を確保することができる。さらに、充填材を充填した直後に管部材に外力が作用したとしても管部材が貫通孔の開口部中心からずれることがなく、また、充填材硬化後に管部材に外力が作用したとしても充填材が切れたり、剥がれたりすることがないので気密性、水密性が損なわれることがない。
請求項1記載の貫通配管具によれば、貫通孔内部において管部材に外嵌され、且つ、貫通孔の開口部の径と略同様の径を有する可撓性のセンターリングを具備している。そのため、貫通孔の内周面と、管部材の外周面との間に充填材を充填する際にも、管部材が貫通孔の開口部中心に設置された状態であるので、該管部材の周囲に充填される充填材の肉厚にばらつきが生じることがなく、より確実に気密性、水密性を確保することができる。また、貫通孔の厚み方向の長さが長くなることに伴い、使用される管部材の長さも長尺になった場合にも、該貫通孔内部の全区間に渡って、該管部材が撓むことがなく、該管部材の周囲に充填される充填材の肉厚にばらつきが生じることがなく、より確実に気密性、水密性を確保することができる。さらに、充填材の過充填を抑制するためのバックアップ材としての効果も有している。
請求項3記載の貫通配管具によれば、貫通孔の開口部と、一方側蓋部材、若しくは、他方側蓋部材との間に、雨水の浸入を防ぐケースに覆われた防水コンセントを構造体の側面に取付けるための取付枠を介在させている。そのため、貫通孔の開口部方向に一方側蓋部材、若しくは、他方側蓋部材を締めこむだけで、これらと構造体の側面との間で取付枠が挟持され、主として構造体の屋外に設置される防水コンセントの取付作業が簡便になる。さらに、構造体の側面に別途螺子孔が形成されることがないので、確実に気密性、水密性を確保することができる。
請求項4記載の貫通配管具によれば、前記一方側蓋部材、若しくは、前記他方側蓋部材が、雨水の浸入を防ぐケースに覆われた防水コンセントを前記構造体の側面に取付けるための取付枠である。そのため、貫通孔の開口部方向へ取付枠を締めこむだけで構造体の側面に取付枠を取付けることができ、主として構造体の屋外に設置される防水コンセントの取付作業が簡便になる。さらに、構造体の側面に別途螺子孔が形成されることがないので、確実に気密性、水密性を確保することができる。
この発明における貫通配管具の最良の実施形態について、以下に説明する。本発明に係る貫通配管具1は、図5に示すように、構造体2に形成され、その開口部31が略円形の貫通孔3に挿通されると共に、該貫通孔3の内周面32と、螺子溝41が形成されたその外周面42との間に、図3に示すように、充填材5が充填される略円筒状の管部材4と、前記貫通孔3に挿通される管部材4の一方側から該管部材4に螺嵌され、前記貫通孔3の一方側の開口部31を覆う一方側蓋部材6aと、前記貫通孔3に挿通される管部材4の他方側から該管部材4に螺嵌され、前記貫通孔3の他方側の開口部31を覆う他方側蓋部材6bと、前記一方側蓋部材6a、及び、他方側蓋部材6bの少なくとも一方の前記貫通孔3の開口部側面61a、61bに形成され、前記管部材4を前記貫通孔3の開口部31中心へ導く突起7と、を具備している。
前記構造体2として、例えば、住宅の外壁や、その内部の間仕切壁等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、床板、家具、そして、扉等にも使用することができる。また、構造体2の材質もコンクリートや木質材料、石膏ボード、そして窯業系材料等の様々な材料に対して使用することができ、これらも特に限定されるものではない。そして、貫通孔3はその両側の開口部31が、図5に示すように、略円形となるように形成されており、さらに、構造体2の厚み方向に、該構造体2の肉厚を貫通するように形成され、その形状は、略円柱状となっている。また、貫通孔3は、前述のように、略円柱状でなくとも、例えば、図6に示すように、その両側に略円形の開口部31を有し、例えば石膏ボード等の壁体8を2枚組み合わせて構成される構造体2等にも使用することができる。また、貫通孔3の開口部31の径は少なくとも該貫通孔3に挿入される管部材4の開口部43の径よりも大きく形成されていればよい。
前記管部材4は、図1に示すように、略円筒状に形成され、さらに、その外周面42には螺子溝41が形成されている。そして、本実施形態においては、螺子溝41は、管部材4の外周面42の全体に渡って形成されているが、一部のみに螺子溝41が形成されていてもよく、適宜変更することができる。また、管部材4の形状は、少なくとも貫通孔3に挿通される部分が略直線状に形成されていることが好ましく、それ以外の箇所の形状は、前述の箇所と同様に略直線形状であってもよく、また、折曲していてもよい。さらに、管部材4は、図16に示すように、その両端部にジョイント9を介して他の管部材10と接続されていてよい。そして、管部材4は、その材料として塩化ビニル、ポリプロピレン等の安価で汎用性が高く、そして成形性に優れた合成樹脂を好適に使用することができ、該管部材4が硬質であっても、また、可撓性を有していてもよい。
しかし、管部材4は金属製の材料を使用してもよく、その使用用途に応じて材料を適宜選択することができる。そして、管部材4の内部には、電源に使用される電線や、ホームネットワーク等に使用される光ケーブル、LANケーブル等の配線、さらに、排水や水道水等の液状物質や、管状の部材を通すことが可能である。また、図17に示すように、該管部材4の端部には螺子溝41が形成されていない平面部43が、相対向するように設けられていてもよい。こうすることで、一方側蓋部材6a、他方側蓋部材6bの両方若しくは片方を、貫通孔3の開口部31側へ締めこむ際に、平面部43をペンチやモンキーレンチ等の挟持工具11によって挟持することで、管部材4が回転することなく、一方側蓋部材6a、他方側蓋部材6bの両方若しくは片方を貫通孔3の開口部31側へ締めこむことができる。こうすることで、構造体2の片側からでも作業を行うことができるのである。
そして、貫通孔3の内周面32と、螺子溝41が形成された管部材4の外周面42との間は、図3に示すように充填材5が充填されている。また、充填材5として、例えばシリコン系のコーキング材が好適に使用されるが、貫通孔3の内周面32と、管部材4の外周面42との間を確実に封止することができるものであれば、これらに限定されるものではなく周知の充填材5を適宜使用することができる。そして、充填材5が充填される場所は、例えば図3に示すように、貫通孔3の厚み方向に渡って該貫通孔3の内周面32と、管部材4の外周面42の間の全区間を充填材5で満たすようにされることが好ましい。しかし、図4に示すように、貫通孔3の厚み方向の長さが長い場合には、該貫通孔3の開口部31からその内側に数センチ程度内部にまで充填材5が充填されていれば、気密性、水密性を確保することができる。さらに、図6に示すように、構造体2が2枚の壁体8から構成される場合には、それぞれの壁体8に形成された貫通孔3の開口部31付近に充填材5が充填されるようにしておけばよい。
前記センターリング12は、図3に示すように、貫通孔3内部であって、一方側蓋部材6aと他方側蓋部材6bとの間において、管部材4の外周面42に外嵌されている。また、センターリング12の径は、貫通孔3の開口部31の径と、略同等、若しくは、若干大きく形成されていることが好ましい。そして、センターリング12は、シリコン系、NBR(ニトリルゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、等の可撓性の材料から形成されていることが好ましい。そのため、センターリング12の径が、貫通孔3の開口部31の径よりも若干大きい場合でも、該センターリング12が該開口部31の径に適合するように、適宜変形するのである。また、センターリング12は、図3に示すように、貫通孔3の厚み方向の略中央部分に設置されることが好ましく、こうすることで、管部材4の外周面42と貫通孔3の内周面32との間に充填材5を充填する際にも、作業者が自ら管部材4を保持している必要がなく、前述の作業を効率的に行うことができる。さらに、図4に示すように、貫通孔3の厚み方向の長さが長い場合には、2つのセンターリング12を使用することで、貫通孔3内部の全区間に渡って管部材4が撓むことがない。なお、図3、図4にはセンターリング12を1つ、若しくは、2つ使用する例を示しているが、該センターリング12の使用する数は、適宜変更することができる。
そして、図4(a)に示すように、貫通孔3の開口部31からその内側に数センチ程度の箇所にセンターリング12を設置しておくことで、作業者自らが管部材4を保持せずとも該管部材4は貫通孔3の開口部31の中心に保持されるため、前述のように充填材5を充填する作業を簡便にすることができると共に、該センターリング12が充填材5のバックアップ材としても機能も果たす。すなわち、貫通孔3の厚み方向の長さが長い場合には、貫通孔3の内周面32と管部材4の外周面42との間の全区間に充填材5を充填しようとすると大量の充填材5が必要となるが、前述のようにセンターリング12を設置することで、図4(b)に示すように、充填材5の過充填を防止することができるのである。また、貫通孔3内部にセンターリング12を設置することで、構造体2内外の気密性、水密性の向上にも貢献することができる。尚、本実施形態においては、センターリング12を使用する例を示しているが、該センターリング12を使用せずとも、後述の突起7によって管部材4を貫通孔3の開口部31中心に配置することができるので、十分な気密性、水密性を確保することができる。
また、貫通孔3内部にセンターリング12を設置する際には、まず、図1に示すように、センターリング12の略中央に形成され、管部材4の開口部の径と略同等の径を有する挿通孔121に管部材4を挿通し、該管部材4の外周面42に該センターリング12を外嵌する。そして、図3に示すように、センターリング12がその外周面42に外嵌された管部材4を、貫通孔3に挿通する。この際に、貫通孔3の開口部31の径よりもセンターリング12の径が若干大きい場合には、該センターリング12の縁部122と貫通孔3の内周面32と間に摩擦が生じるが、該センターリング12の挿通孔121の縁部123が管部材4の螺子溝41に嵌合するため、該センターリング12の位置がずれることがない。しかし、センターリング12がその外周面42に外嵌された管部材4を貫通孔3に挿通する際に、該センターリング12の位置がずれる際には、図18(a)に示すように、例えばセンターリング12の略中央付近に該センターリング12の挿通孔121の縁部123を嵌合するための嵌合溝13を別途設けてもよいし、また、その他にも、図18(b)に示すように、センターリング12の位置ずれを防止するための係止突片14を、それぞれ管部材4の外周面42の外径方向に渡って、若しくは、外径方向の一部に突設する等してもよい。
前記一方側蓋部材6aは、例えば図1に示すように、貫通孔3に挿通される管部材4の一方側から該管部材4に螺嵌され、若しくは、図2に示すように、管部材4の一方側に予め形成されている。そして、これらの一方側蓋部材6aは貫通孔3の一方側の開口部31を覆うように形成されている。一方、前記他方側蓋部材6bは、例えば図3に示すように、貫通孔3に挿通される管部材4の他方側から該管部材4に螺嵌され、貫通孔3の他方側の開口部31を覆うように形成されている。また、一方側蓋部材6a、及び、他方側蓋部材6bの略中央には管部材4の外周面42に形成された螺子溝41と螺嵌する螺子溝62をその内周面63に有する螺子孔64が設けられている。そして、一方側蓋部材6a、及び、他方側蓋部材6bにおける少なくとも一方の貫通孔3の開口部側面61a、61bには、該開口部側面61a、61bから貫通孔3の開口部31方向に突設するように、管部材4を該貫通孔3の開口部31中心へ導く突起7が形成されている。また、突起7は、本実施形態においては、貫通孔3の開口部31の径と略同等の径であって、螺子孔64の同心円上外側に等間隔に3つ形成されている。
そして、突起7は、図1に示すように、一方側蓋部材6a、及び、他方側蓋部材6bの少なくとも一方の開口部側面61a、61bから貫通孔3の開口部31方向にかけて、次第にその外周側が縮径方向に直方体の一部を切欠くように傾斜面71が形成されている。そして突起7の外周側には貫通孔3の内周面32と当接する平面部72が形成されている。そのため、貫通孔3の両側から、一方側蓋部材6a、及び、他方側蓋部材6bを、図3に示すように、貫通孔3の開口部31を覆うように取付けた際には、管部材4が貫通孔3の開口部31中心に保持される。また、貫通孔3の開口部31に施工誤差が生じたとしても、突起7の傾斜面71が確実に管部材4を貫通孔3の開口部31中心へ誘導する。すなわち、突起7が合成樹脂製である場合には、管部材4を開口部31中心に誘導した後には、該突起7と開口部31との摩擦で変形する等して、平面部72が貫通孔3の内周面32と当接する。また、突起7が金属製である場合には、突起7が開口部31を押広げ、平面部72が貫通孔3の内周面と当接するのである。そして、突起は少なくとも側蓋部材6a、若しくは、他方側蓋部材6bのどちらか一方に設けられていれば、管部材4を確実に貫通孔3の開口部31中心へ導くことができる。従って、管部材4の外周面42と貫通孔3の内周面32との間に充填材5を充填した際には、該管部材4の外周面42における充填材5の肉厚が均一となるため、確実に気密性、水密性を確保することができる。さらにその場合に、充填材5が硬化する前に管部材4に外力が作用したとしても、該管部材4の貫通孔3の開口部31に対する位置が変化することなく、該管部材4を常に貫通孔3の開口部31中心に保持することができ、施工後にも漏水等の不良が起こることがない。
また、一方側蓋部材6aと突起7、若しくは、他方側蓋部材6bと突起7は、安価で成形性に優れた、塩化ビニルやポリプロピレン等の汎用性合成樹脂が好適に使用されるが、金属性でもよく用途に応じて適宜選択することができる。しかし、一方側蓋部材6a、及び、他方側蓋部材6bの形状やその厚み、さらには材質は、本実施形態のものに限定されるものではなく、少なくとも一方側蓋部材6a、及び、他方側蓋部材6bが貫通孔3の開口部31を覆うことができる形状であれば適宜変更することができる。また、突起7の形状も上述の形状に限定されるものではなく、後述の図15に示すように、該突起7が一方側蓋部材6a、及び、他方側蓋部材6bの少なくとも一方の側面61に、その全体形状が該側面61から離反するにつれて縮径するような略円錐台形状に形成されていてもよく、また、その他の形状であってもよい。
以上のように構成される貫通配管具1の実施形態について以下に示す。第1の実施形態に係る貫通配管具1を以下に示す。第1の実施形態に係る貫通配管具1は、図1に示すように、既述の管部材4、センターリング12、一方側蓋部材6a、及び他方側蓋部材6bから形成されている。そして、本実施形態においては、一方側蓋部材6a、及び他方側蓋部材6bが、共にその全体形状が所定厚みを有する略円盤状となるように形成され、また、その略中央には管部材4の外周面42に形成された螺子溝41と螺嵌する螺子溝62をその内周面63に有する螺子孔64が形成されている。また、一方側蓋部材6a、及び他方側蓋部材6bの外縁部65には滑り止めのための溝66が形成されていることが好ましい。
そして、管部材4を貫通孔3に取付ける際には、まず、管部材4にセンターリング12を取付け、該管部材4を貫通孔3に挿通する。この場合には、図3(a)に示すように、センターリング12は貫通孔3の厚み方向の略中央部に設置されていることが、次工程における充填材5の充填作業が容易になるため好ましい。そして、貫通孔3の両側の開口部31から充填材5を充填する。この状態においては、管部材4は、センターリング12によって貫通孔3の開口部31中心に保持されているので、管部材4の外周面42には充填材5の肉厚が均一になるように充填される。次いで、貫通孔3の両側の開口部31を一方側蓋部材6a、及び、他方側蓋部材6bで該開口部31を覆い、且つ、これらと構造体2の側面21とが当接するように該開口部側31へ締めこむ。この際には、一方側蓋部材6a、及び、他方側蓋部材6bの貫通孔3の開口部側面61a、61bに形成された突起7が、管部材4を貫通孔3の開口部31中心に導くのである。また、充填材5が硬化する前に管部材4に外力が作用しても常に管部材4を貫通孔3の開口部31中心に保持することができる。
第2の実施形態に係る貫通配管具1を以下に示す。第2の実施形態に係る貫通配管具1は、図1に示すように、既述の管部材4、センターリング12、一方側蓋部材6a、及び他方側蓋部材6bから形成されている。また、一方側蓋部材6a、及び他方側蓋部材6bは、第1の実施形態にかかる一方側蓋部材6a、及び他方側蓋部材6bと同様の形状のものを使用している。そして、図4に示すように、本実施形態に係る貫通孔3の厚み方向の長さが、図3に示す第1の実施形態に係る貫通孔3の厚み方向の長さよりも、長尺に形成されている。そのため、センターリング12は、図4(a)に示すように、貫通孔3の両側の開口部31から数センチ内側の位置にそれぞれ1つずつ設置されている。これにより、貫通孔3内部の全区間に渡って管部材4が撓むことがなく、また、管部材4の外周面42と貫通孔3の内周面32との間に充填材5を充填する作業を行う際にも、図4(b)に示すように、充填材5の過充填を防止することができる。さらに、管部材4が撓んで、該管部材4の貫通孔3の開口部31に対する位置がずれることがないので、常に該管部材4を該開口部31中心に保持することができる。また、管部材4を貫通孔3に取付ける方法も、センターリング12を2つ設ける以外は第1の実施形態と同様である。
第3の実施形態に係る貫通配管具1を以下に示す。第3の実施形態に係る貫通配管具1は、図2に示すように、既述の管部材4、センターリング12、一方側蓋部材6a、及び他方側蓋部材6bから形成されている。また、本実施形態に係る一方側蓋部材6a、及び、他方側蓋部材6bは第1、及び、第2の実施形態と同様の形状のものを使用しているが、一方側蓋部材6aは、管部材4の一方側に予め形成されている。そのため、管部材4の外周面42と貫通孔3の内周面32との間に充填材5を充填する際には、センターリング12を含む一方側蓋部材6aが形成された管部材4の一部を予め挿入しておく。そして、一方側蓋部材6aと貫通孔3の開口部31との隙間から充填材5を充填し、前記隙間を塞ぐように一方側蓋部材6aと構造体2の側面21とが当接するまで、管部材4を押し込む。そして、貫通孔3の他方側の開口部31からも充填材5を充填した後、他方側蓋部材6bを該開口部31側へ締めこめばよいのである。こうすることで、第1や第2の実施形態と比較して、一方側蓋部材6aを貫通孔3の一方側の開口部31方向へ締めこむ作業を省略することができるので、より作業効率を向上することができると共に、確実に気密性、水密性を確保することができる。また、本実施形態においては、一方側蓋部材6aが管部材4に予め形成されているが、一方側蓋部材6a、及び、他方側蓋部材6bのいずれか一方に予め管部材4に形成されていればよい。
第4の実施形態に係る貫通配管具1を以下に示す。第4の実施形態に係る貫通配管具1は、図7に示すように、既述の管部材4、センターリング12、一方側蓋部材6a、及び他方側蓋部材6bから形成されている。また、本実施形態に係る他方側蓋部材6b、及び、一方側蓋部材6aは第1乃至第3に係る実施形態と同様の形状のものを使用している。しかし、図8に示すように、貫通孔3の開口部31と一方側蓋部材6aとの間に、雨水の浸入を防ぐケース151に覆われた防水コンセント15を構造体2の側面21に取付けるための取付枠152を介在させている。
尚、防水コンセント15はガレージや庭等における住宅の外側面に設けられた、防水性を有する電源である。そして、防水コンセント15は、図8に示すように、その内部に設置され構造体2から引出された電気配管16及びその内部の配線(不図示)を雨水等の外的要因から保護するためのケース151と、該ケース151の外側に設けられ、掃除機や照明等の電化製品の電源コード17端部に設けられたプラグ先端の刃171が挿入される刃挿入孔153と、ケース151を構造体2の側面21に取付けるための取付枠152と、ケース151と取付枠152との間に介在され、これらの間の防水性を確保するためのパッキン154とを具備している。また、本実施形態においては、刃挿入孔153はケース151の外側に下向きに設けられ、また、該刃挿入孔153はケース151に設けられたフード155に覆われている。そして、ケース151を取付枠152に取付ける際には、図8に示すように、例えば螺子156が使用される。
また、取付枠152は、構造体2の一方側から突出した管部材4を挿通するための挿通孔152aが設けられており、該挿通孔152aは、管部材4を挿通することができる程度の大きさに形成されているのは勿論である。さらに、図9に示すように、取付枠152を一方側蓋部材6aと構造体2の側面21との間に挟持するので、少なくとも一方側蓋部材6aにおける貫通孔3の開口部側面61aと取付枠152の外側面152bとが当接し、該取付枠152を挟持することができる程度の大きさに挿通孔152aが形成されている。そして、本実施形態においては、略矩形の挿通孔152aが取付枠152に形成されているが、その形状は円形や楕円形であってもよく、適宜変更することができる。そのため、貫通孔3の一方側の開口部31から充填材5を充填した後に、図9に示すように、取付枠152の内側面152cを構造体2の側面21と当接させ、その外側から一方側蓋部材6aによって螺合することで、該取付枠152を容易に構造体2の側面21に取付けることができるのである。その後には、電気配管16内部の配線(不図示)を設置する等し、さらに、取付枠152の外側からパッキン154、及び、ケース151を取付けるのである。また、本実施形態における一方側蓋部材6aの突起7は、その内側に介在される取付枠152の挿通孔152aの肉厚よりも長尺に形成されているので、この場合においても、管部材4を貫通孔3の開口部31中心に取付けることができるのである。そのため、構造体2の側面21に防水コンセント15を取付ける作業を簡便に行うことができると共に、確実に気密性、水密性を確保することができる。また、管部材4の貫通孔3への取付け方法は、取付枠152を構造体2の側面21と一方側蓋部材6aとの間に介在させること以外は既述の通りである。
第5の実施形態に係る貫通配管具1を以下に示す。第5の実施形態に係る貫通配管具1は、図10に示すように、既述の管部材4、センターリング12、一方側蓋部材6a、及び他方側蓋部材6bから形成されている。また、本実施形態に係る他方側蓋部材6bは、第1乃至第4に係る実施形態と同様の形状のものを使用している。しかし、図11に示すように、一方側蓋部材6aが、既述の防水コンセント15を構造体2の側面21に取付けるための取付枠152である。すなわち、図10に示すように取付枠152の略中央には、その内周面152dに螺子溝152eを有する螺子孔152fが形成されており、一方側蓋部材6aと同様に突起7を有し、貫通孔3の開口部31を覆うものである。そのため、図12に示すように、取付枠152が貫通孔3の開口部31を覆い、該取付枠152の内側面152cを、構造体2の側面21と当接するように、該取付枠152を管部材4に螺嵌する。そのため、第1の実施形態と同様に管部材4を貫通孔3の開口部31中心に取付けることができ、さらに図12に示すように、取付枠152の外側にパッキン154、及び、ケース151を取付けることができる。こうすることで、構造体2の側面21に防水コンセント15を取付ける作業を簡便に行うことができると共に、確実に気密性、水密性を確保することができる。また、管部材4の貫通孔3への取付け方法は、一方側蓋部材6aが取付枠152となったこと以外は既述の通りである。
また、既述の第4の実施形態、及び第5の実施形態においては、図9、及び、図12に示すように、構造体2の両側から充填材5を充填する例を示したが、これらは、図13、及び、図14に示すように、防水コンセント15が取付けられている屋外側にのみ充填材5を充填し、さらに、該屋外側の一方側蓋部材(取付枠)6a(152)には、突起7を設けないようにしてもよい。そして、充填材5も屋外側の開口部31付近にのみ充填している。こうすることで、一方側蓋部材(取付枠)6a(152)を管部材4に螺嵌する際に、屋外側の開口部31付近に均一に充填された充填材5の形状を乱すことがなく、気密性、水密性を確実に確保することができる。また、図13、及び、図14に示すように、これらの他方側蓋部材6bの突起7を後述する円錐台形状の突起7が形成されたものも使用することができる。
第6の実施形態に係る貫通配管具1を以下に示す。第6の実施形態に係る貫通配管具1は、図15に示すように、既述の管部材4、センターリング12、一方側蓋部材6a、及び他方側蓋部材6bから形成されている。しかし、一方側蓋部材6a、及び、他方側蓋部材6bに形成される突起7が、図15に示すように、それぞれの片側の側面61から突出し、その全体形状が側面61から離反するにつれて縮径するような略円錐台形状となるように形成されている。また、この場合には、突起7の内周面にも螺子溝63が形成されていてもよい。
そして、本実施形態では、一方側蓋部材6a、及び、他方側蓋部材6bの形状は同様のものを使用しているが、これらを用いて管部材4を貫通孔3に取付ける際には、図15に示すように、一方側蓋部材6aに形成された略円錐台形状の突起7を開口部31へ挿入する。また、他方側蓋部材6bは、突起7が形成されていない側面61で開口部31を覆うようにしている。こうすることで、他方側部材6bを管部材4に螺嵌する際に、他方側の開口部31付近に均一に充填された充填材5の形状を乱すことがなく、気密性、水密性を確実に確保することができる。また、この際に使用される一方側蓋部材6aは、既述の実施形態3のように、予め管部材4に一方側蓋部材6aが形成されているものを使用するほうが、作業が簡便で好ましいが、既述の実施形態1のように、管部材4と一方側蓋部材6aとが分離したものを使用しても同様の効果を得ることができる。そして、この際には、図15に示す充填材5が充填されている側が、例えば屋外側となるように施工することが気密性、水密性を確保するという観点から好ましい。また、本実施形態においても、図15(a)に示すように、センターリング12を使用してもよいし、図15(b)に示すように、センターリング12を使用せずともよく、適宜作業者が選択することができる。そして、一方側蓋部材6a、及び、他方側蓋部材6bの外縁部65の溝66も必要に応じて適宜設けること画できる。
以上のような第1乃至第6の実施形態に係る貫通配管具1によれば、構造体2に螺子孔が形成されることなく管部材4を貫通孔3の開口部31中心に取付けることができ、確実に気密性、水密性を確保することができるのである。そして、これらの実施形態に係る貫通配管具1は一例であり、これらを構成する部材の大きさや形状、さらに、これらの組合せ、使用方法等は適宜変更することができる。また、上述の実施形態においては、充填材5を貫通孔3の両側の開口部31から充填しているが、片側の開口部31からのみ充填材5を充填してもよいし、センターリングの使用の有無も適宜選択することができる。そして、一方側蓋部材6aと貫通孔3の開口部31、及び、他方側蓋部材6bと貫通孔3の開口部31との間に例えば、図19(a)に示すように、円形のゴム製のパッキン18を適宜介在させることができ、また、図19(b)に示すように、一方側蓋部材6a、及び、他方側蓋部材6bの締め付けの緩みを防止するために、これらの外側に円盤状の緩み防止ナット19を設け、すなわち、ダブルナット方式によりその緩みを防止してもよい。