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JP4882995B2 - エアダクト - Google Patents
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この発明は、エアクリーナとエンジンとの間に介在されるエアダクトに係り、特にエンジンの停止時に、エンジンの吸気系から漏出される燃料蒸気を捕捉する機能を備えたエアダクトに関するものである。
従来、自動車におけるこの種の燃料蒸気捕捉装置としては、例えば特許文献1〜3に開示されるような構成が提案されている。特許文献1に記載の従来構成では、エアクリーナのハウジング内にフィルタエレメントがエア流路と交差するように配置されている。フィルタエレメントに対してエア流の下流側に位置するように、ハウジング内には燃料吸着部材がエア流路と交差した状態で配置されている。この燃料吸着部材は、不織布等のシート基材に粒状活性炭を保持してなる保持シートを、不織布等の被覆シートにより被覆して構成されている。
また、特許文献2に記載の従来構成では、エアクリーナのハウジング内にフィルタエレメントがエア流路と交差するように配置されている。フィルタエレメントに対してエア流の下流側に位置するように、エアクリーナのハウジングの内壁面には複数の補強リブが突設されている。補強リブ間には粉末状の活性炭をバインダで固めてなる燃料吸着材が埋め込み形成されている。
さらに、特許文献3に記載の従来構成では、エアクリーナとエンジンとの間に設けられるエアダクトの内壁面の一部に、活性炭繊維の織布ダクト等よりなる燃料吸着材が設けられている。
特開2006−348834号公報 特開2001−336454号公報 特開2006−226123号公報
ところが、これらの従来構成においては、次のような問題があった。すなわち、特許文献1に記載の従来構成では、燃料吸着部材がエア流路と交差した状態で配置されているため、エンジンへの吸気エア流の圧力損失が高く、従って、吸気抵抗が高くなってエンジンの稼働効率を低下させるという問題があった。
これに対して、特許文献2及び特許文献3に記載の従来構成では、燃料吸着材がエアクリーナのハウジングの内壁面またはエアダクトの内壁面に設けられているため、前記のように吸気エア流の圧力損失が高くなるおそれを解消できる。しかしながら、エアクリーナのハウジングまたはエアダクトの内壁面に設けられた燃料吸着材では、前記のようにエア流路と交差して配置された燃料吸着部材と比較して、燃料蒸気の脱離性能が劣る。
すなわち、エンジンの運転時には、吸気エアがハウジングまたはエアダクト内の中央部付近に沿って流れやすくて、内壁面の燃料吸着材付近はそれほど流れない。このため、既に燃料吸着材に吸着されて捕捉された状態にある燃料蒸気が、燃料吸着材から脱離されにくい。そして、燃料蒸気が十分に脱離されない状態でエンジンが停止されると、残留燃料蒸気の存在のために燃料吸着性能も低下するという問題があった。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、吸気エア流の圧力損失を低減することができるとともに、燃料蒸気の脱離性能を向上させることができ、ひいては燃料吸着性能を向上できるエアダクトを提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明においては、エアクリーナとエンジンとの間に介在されるエアダクトにおいて、その内周に燃料吸着フィルタを配置するとともに、この燃料吸着フィルタのエア流上流側にエア流を旋回させるための旋回流発生手段を設け、前記旋回流発生手段をダクト内周に設けるとともに、その内径を円筒状をなす燃料吸着フィルタの内径よりも大きくしたことを特徴とする。
求項の発明においては、前記燃料吸着フィルタの外周面とダクト内周面との間に隙間を形成するとともに、その隙間のエア流上流側を燃料吸着フィルタの前端側の環状枠に形成された凹溝を介してエア流路に向かって開放したことを特徴とする。
請求項の発明においては、前記燃料吸着フィルタの外周面とダクト内周面との間に隙間を形成するとともに、その隙間のエア流下流側を燃料吸着フィルタの後端側の環状枠に形成された凹溝を介してエア流路に向かって開放したことを特徴とする。
請求項の発明においては、前記燃料吸着フィルタは、粒状活性炭を繊維シートに保持させて構成されたことを特徴とする。
従って、この発明のエアダクトを備えた車両において、エンジンの運転時には、エアクリーナ及びエアダクトを介してエンジンの吸気系にエアが流入される。この場合、燃料吸着フィルタがエア流と交差することなく、エアダクトの内周に配置されているため、燃料吸着フィルタの配置によってエア流の圧力損失が上昇するおそれを抑制することができる。
一方、エンジンの停止時には、エンジンの吸気系から排出される燃料蒸気が、エアダクトの内周に配置された燃料吸着フィルタにより吸着して捕捉される。そして、エンジンが運転される場合には、旋回流発生手段によりエア流が旋回されて、その旋回流がエアダクト内の中心付近のみでなく、旋回流の外周側の部分がエアダクトの内周の燃料吸着フィルタ上を移動する。このため、燃料吸着フィルタに吸着捕捉された状態にある燃料蒸気を、その燃料吸着フィルタから容易に脱離させることができ、従って、燃料吸着フィルタの燃料吸着性能を良好に保つことができる。
また、前記の構成において、前記旋回流発生手段をダクト内周に設けるとともに、その内径を前記燃料吸着フィルタの内径よりも大きく構成した場合には、旋回流発生手段により大きな旋回半径の旋回流を発生させることができて、燃料吸着フィルタの脱離性能を一層向上させることができる。
さらに、前記の構成において、前記燃料吸着フィルタの外周面とダクト内周面との間に隙間を形成するとともに、その隙間のエア流上流側を燃料吸着フィルタの前端側の環状枠に形成された凹溝を介してエア流路に向かって開放した場合には、隙間を介して燃料吸着フィルタ内にエア流を通過させることができて、燃料吸着フィルタからの燃料蒸気の脱離性能を一層向上させることができる。
また、前記の構成において、燃料吸着フィルタの外周面とダクト内周面との間に隙間を形成するとともに、その隙間のエア流下流側を燃料吸着フィルタの後端側の環状枠に形成された凹溝を介してエア流路に向かって開放した場合には、燃料吸着フィルタの外周側をその上流側開放部から下流側開放部に流れるエア流を形成できて、燃料蒸気の脱離性能を向上できる。
以上のように、この発明によれば、吸気エア流の圧力損失を低減することができるとともに、燃料蒸気脱離性能及び吸着性能を向上させることができるという効果を発揮する。
(第1実施形態)
以下に、この発明の第1実施形態を、図1及び図2に基づいて説明する。
図1に示すように、エアクリーナ11とエンジン12との間には、エアダクト13が介在されている。このエアダクト13は、第1ダクト13A,第2ダクト13B及び第3ダクト13Cをエアクリーナ11側,すなわちエア流の上流側から順に連結することによって構成されている。そして、エンジン12の運転時には、エアクリーナ11により濾過されたエアが、エアダクト13の各ダクト13A〜13Cを介して、エンジン12の吸気系に供給される。
中間の第2ダクト13Bの内周には、円筒状の燃料吸着フィルタ14が同ダクト13Bに対して同心状に配置されている。この燃料吸着フィルタ14は、燃料蒸気を吸着する活性炭よりなる吸着材14aと、その吸着材14aをほぼ均等な分散配置状態に保持する一対の不織布等の保持シート14bと、バックファイア等の炎や外力から保護する一対の外側の耐熱ネット14cとを備えている。保持シート14b及び耐熱ネット14cの両端周縁には、合成樹脂よりなる環状枠15が固着されている。そして、エンジン12の停止時に、そのエンジン12の吸気系から漏出される燃料蒸気が燃料吸着フィルタ14の吸着材14aに吸着されて捕捉される。
図1及び図2に示すように、前記燃料吸着フィルタ14に対してエア流の上流側の位置において、エアダクト13の第1ダクト13A内には、旋回流発生手段としての旋回流発生機構16が設けられている。この旋回流発生機構16は、第1ダクト13Aの内周面に突出形成された複数枚の螺旋形状をなす羽根17によって構成されている。また、各羽根17の内径D1は、燃料吸着フィルタ14の内径D2よりも大きくなるように形成されている。そして、エンジン12の運転時に、この旋回流発生機構16の各羽根17により、第1ダクト13A内においてエア流が旋回されて、その旋回流の外周側の部分が第2ダクト13B内の燃料吸着フィルタ14上を移動される。
さて、このエアダクト13を備えた車両において、エンジン12が運転されると、エアクリーナ11及びエアダクト13を介してエンジン12の吸気系にエアが流入される。この場合、燃料吸着フィルタ14がエア流と交差することなく、エアダクト13の第2ダクト13Bの内周に配置されているため、エア流の圧力損失が上昇するおそれはない。
一方、エンジン12が停止されたときには、エンジン12の吸気系から漏出される燃料蒸気が、第2ダクト13Bの内周に配置された燃料吸着フィルタ14の吸着材14aにより吸着して捕捉される。従って、エンジン12からの燃料蒸気が、外気中に排出されることが防止される。
そして、エンジン12が運転されたときには、第1ダクト13A内において旋回流発生機構16の各羽根17によりエア流が旋回され、その旋回流の外周側の部分が第2ダクト13Bの燃料吸着フィルタ14上を移動する。このため、エアがフィルタ14の内部を通り、燃料吸着フィルタ14の吸着材14aに吸着されて捕捉された状態にある燃料蒸気が、その吸着材14aから容易に脱離される。
従って、この第1実施形態においては、以下の効果を発揮する。
(1) 羽根17によって発生された旋回流によって、燃料吸着フィルタ14に吸着された燃料蒸気を有効に脱離できる。そのため、エンジン12の停止時に漏出される燃料蒸気を効果的に吸着して捕捉することができる。
(2) 燃料吸着フィルタ14がエア流と交差することなく、エアダクト13の第2ダクト13Bの内周に配置されているため、エンジンの吸気抵抗が増大するおそれを回避できて、吸気効率を向上できる。
(3) 旋回流発生機構16の羽根17の内径D1が、燃料吸着フィルタ14の内径D2よりも大きくなるように構成されている。よって、旋回流発生機構16の羽根17により大きな旋回半径の旋回流を発生させることができて、燃料吸着フィルタ14の脱離性能を向上させることができる。
(4) 前記のように、旋回流発生機構16の羽根17の内径D1が、燃料吸着フィルタ14の内径D2よりも大きくなるように構成されているため、燃料吸着フィルタ14の内径D2が確保されていれば、羽根17による吸気抵抗の増加を防止できる。
(5) 羽根17は第1ダクト13Aの内周に一体形成されているため、部品点数が増えることはなく、構成が簡単である。
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
さて、この第2実施形態においては、図3に示すように、エアダクト13の第1ダクト13Aが螺旋状凹凸面21aにより蛇腹状をなす可撓ホース21から構成されている。また、この可撓ホース21の内周の螺旋状凹凸面21aにより、旋回流発生手段としての旋回流発生機構16が構成されている。そして、エンジン12の運転時に、可撓ホース21内において螺旋状凹凸面21aによりエア流が旋回され、その旋回流が燃料吸着フィルタ14上を移動する。
従って、この第2実施形態においても、前記第1実施形態に記載の効果と同様の効果を得ることができるとともに、さらに以下の効果を得ることができる。
(6) 第1ダクト13Aが蛇腹状の可撓ホース21から構成されているため、第1ダクト13Aを曲げやすく、エンジンルーム内の曲がった空間等を有効に利用して第1ダクト13Aを配置することができる。
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
さて、この第3実施形態においては、図4及び図5に示すように、燃料吸着フィルタ14の外周面と第2ダクト13Bの内周面との間に、隙間22が形成されている。また、燃料吸着フィルタ14におけるエア流上流側(燃料吸着フィルタ14の前端側)の環状枠15の外周には複数の凹溝23が形成され、これらの凹溝23を介して前記隙間22のエア流上流側がエアダクト13内のエア流路側に向かって開放されている。
そして、この第3実施形態においても、前記第1実施形態の場合と同様に、第1ダクト13A内において旋回流発生機構16の各羽根17によりエア流が旋回される。この場合、燃料吸着フィルタ14の外周面と第2ダクト13Bの内周面との間の隙間22エア流上流側が凹溝23を介して開放された状態にある。このため、前記旋回流の一部が凹溝23から隙間22内に進入した後、燃料吸着フィルタ14の外周側から燃料蒸気を脱離させながらフィルタ14の内部を通過して内周側に移行する。
このため、この第3実施形態においては、以下の効果を発揮する。
(7) 燃料吸着フィルタ14に吸着された燃料蒸気を同フィルタ14の裏面側からのエア流によっても脱離させることができる。従って、燃料吸着フィルタ14の吸着材14aからの燃料蒸気の脱離性能を一層向上させることができる。
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記第3実施形態において、燃料吸着フィルタ14のエア流下流側の環状枠15を、図5に示すように上流側の環状枠15と同様な凹溝23を有する構成に変更して、燃料吸着フィルタ14の外周の隙間22をエア流の下流側(燃料吸着フィルタ14の後端側)に対して開放すること。このように構成すれば、燃料吸着フィルタ14の外周側から内周側に通過するエア流に加えて、燃料吸着フィルタ14の外周側をその上流側開放部から下流側開放部を経てフィルタ14の下流側に流れるエア流と、燃料吸着フィルタ14の内周側から外周側へ通過して、さらに下流側開放部からフィルタ14の下流側に流れるエア流とを形成できて、燃料蒸気の脱離性能をさらに向上できる。
・ 第3実施形態において、燃料吸着フィルタ14のエア流下流側の環状枠15にのみを凹溝23を形成して、燃料吸着フィルタ14の外周の隙間22をエア流の下流側にのみ開放すること。このように構成すれば、燃料吸着フィルタ14の内周側から外周側へ通過して環状枠15から流出するエア流が形成される。従って、この場合も燃料蒸気の脱離性能を向上できる。
・ 前記第3実施形態において、旋回流発生機構16を第2実施形態の可撓ホース21の螺旋状凹凸面21aにより構成すること。
・ 前記各実施形態では、燃料吸着フィルタ14として円筒状のものを用いたが、その燃料吸着フィルタとして、第2ダクト13Bの軸線方向に延びる複数の竹割状の部分円筒状ものを同第2ダクト13Bの内周面に円周方向に沿って並設すること。
第1実施形態のエアダクトを示す部分断面図。 図1の2−2線における拡大断面図。 第2実施形態のエアダクトを示す部分断面図。 第3実施形態のエアダクトを示す部分断面図。 図4の5−5線における拡大断面図。
符号の説明
11…エアクリーナ、12…エンジン、13…エアダクト、14…燃料吸着フィルタ、15…環状枠、16…旋回流発生手段としての旋回流発生機構、17…羽根、21…可撓ホース、21a…螺旋状凹凸面、22…隙間、23…凹溝、D1,D2…内径。

Claims (4)

  1. エアクリーナとエンジンとの間に介在されるエアダクトにおいて、
    その内周に燃料吸着フィルタを配置するとともに、この燃料吸着フィルタのエア流上流側にエア流を旋回させるための旋回流発生手段を設け
    前記旋回流発生手段をダクト内周に設けるとともに、その内径を円筒状をなす燃料吸着フィルタの内径よりも大きくしたことを特徴とするエアダクト。
  2. 前記燃料吸着フィルタの外周面とダクト内周面との間に隙間を形成するとともに、その隙間のエア流上流側を燃料吸着フィルタの前端側の環状枠に形成された凹溝を介してエア流路に向かって開放したことを特徴とする請求項に記載のエアダクト。
  3. 前記燃料吸着フィルタの外周面とダクト内周面との間に隙間を形成するとともに、その隙間のエア流下流側を燃料吸着フィルタの後端側の環状枠に形成された凹溝を介してエア流路に向かって開放したことを特徴とする請求項またはに記載のエアダクト。
  4. 前記燃料吸着フィルタは、粒状活性炭を繊維シートに保持させて構成されたことを特徴とする請求項1〜のうちのいずれか一項に記載のエアダクト。
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