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JP4883628B2 - マグネトロンスパッタの設計支援方法、装置及びプログラム - Google Patents
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マグネトロンスパッタの設計支援方法、装置及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、ターゲットの表面側に形成した磁場により封じ込めたプラズマから発生するイオン原子をターゲットに衝突させてスパッタリングを起こしてウェハ上に薄膜を形成するマグネトロンスパッタの設計支援方法、装置及びプログラムに関し、特に、スパッタリングによるターゲットのエロージョン分布(削れ量分布)とウェハ上の成膜分布をシミュレーションにより予測するマグネトロンスパッタの設計支援方法、装置及びプログラムに関する。
従来、マグネトロンスパッタは、半導体、MEMS(Micro Electro Mechanical System)、磁気デバイスなどの製造で使用されている。
マグネトロンスパッタとは、成膜材料であるターゲット付近に永久磁石等で磁場をつくることでプラズマを閉じ込め、永久磁石を回転しながらプラズマから発生するイオン原子を高速にターゲットに衝突させることでスパッタリングを起こし、目的のウェハ上に薄膜を形成する製造装置である。
このマグネトロンスパッタではウェハ面上に成膜される膜厚を均一にしつつ、ターゲット交換回数が少なくなるようエロージョン分布(削れ量分布)が均一であることが求められる。
マグネトロンスパッタにおいては、ターゲットから放出される電子が磁力線に巻きつく性質をもつことから、ターゲットの裏面側に永久磁石を配置することでターゲット表面上に磁場を生成しプラズマを閉じ込める。この場合、ターゲットに対する永久磁石の配置により磁場分布が変わり、エロージョン分布や成膜分布が変化してしまう。
また、ターゲット表面上に生成される磁場はターゲットの透磁率にも依存する。そのため、最適な成膜分布並びにエロージョン分布を得る永久磁石の配置設計を行うためにはシミュレーションによる高精度な予測が必要不可欠である。
マグネトロンスパッタにおける成膜分布ならびにエロージョン分布は、ターゲット表面上の磁場中に形成されるプラズマの状態ならびにターゲットの材料特性に依存している。そのためターゲットのエロージョン分布の物理現象を正確に予測するためには、
(1)2次電子放出過程
(2)磁場中のプラズマ状態
(3)加速イオンの衝突過程
の3工程を解析する必要がある。
特許文献1にあっては、これらの物理現象を計算するために、プラズマの作る電場構造は仮定して荷電粒子の軌道をニュートン運動方程式に従って計算する。また、プラズマ密度や電場構造も計算から求めるPIC(Particle in Cell)法が従来手法として存在する。
特開平6−280010号公報
ところで、このような従来のターゲットのエロージョン分布を予測する方法にあっては、荷電粒子の運動方程式を計算する場合、乱数を用いて粒子を発生させ、大量の粒子軌道による統計的な平均値を元に計算するモンテカルロ法が用いられる。
しかしながら、ターゲット面状のエロージョン分布を正確に求めるには単位微小面積あたり数百個の粒子を計算する必要があり、現在のコンピュータの能力では計算時間が膨大にかかってしまう。
また、プラズマ中での電子とアルゴンの衝突確率やアルゴンイオンがターゲットに衝突し発生する2次電子発生量および初期速度等は測定が困難であり、精度よい計算を行うために、各パラメータのあわせ込みに多大な時間を要するという問題がある。
本発明は、荷電粒子やプラズマ流体の運動を計算することなく、プラズマを封じ込める磁場構造のみからターゲットのエロージョン分布とウェハの成膜分布を短時間で計算して予測可能とするマグネトロンスパッタの設計支援方法、装置及びプログラムを提供することを目的とする。
(方法)
本発明はマグネトロンスパッタの設計支援方法を提供する。本発明は、成膜材料であるターゲットの裏面側に配置された回転する磁石によりターゲットの表面側に磁場を形成してプラズマを閉じ込め、プラズマから発生するイオン原子を高速にターゲットに衝突させることでスパッタリングを起こしてウェハ等の対象物上に薄膜を形成するマグネトロンスパッタの設計支援方法に於いて、
磁石の停止状態で生成される静磁場構造モデルを読み込んで記憶部に格納する静磁場構造モデル読込ステップと、
静磁場構造モデルの任意の位置にターゲット表面と平行しプラズマが生成される断面を指定する断面指定ステップと、
静磁場構造モデルの指定断面において面に対して垂直な磁場がゼロとなる領域の中心を通る無端形状を持つエロージョン中心線分を計算するエロージョン中心線分計算ステップと、
エロージョン中心線分のエロージョンレートに基づいてターゲット表面での静止エロージョンレート分布を計算する静止エロージョンレート分布計算ステップと、
磁石の回転に伴う静止エロージョンレートの積分により回転エロージョンレート分布を計算する回転エロージョンレート分布計算ステップと、
回転エロージョンレートを用いて対象物上の成膜レート分布を計算する成膜レート分布計算ステップと、
を備えたことを特徴とする。
本発明のマグネトロンスパッタの設計支援方法は、更に、静磁場構造モデル読込ステップで読み込む静磁場構造モデルを静磁場解析により生成する静磁場解析ステップを設けても良い。
断面指定ステップは、ユーザの指定操作に基づいて静磁場構造モデルに対し任意の断面を指定する。
静磁場構造モデルは、対象空間を微小な直方体メッシュに分割し、直方体メッシュの所定の1頂点の座標(X[Ix],Y[Iy],Z[Iz])毎に、対象空間に存在する磁石及びターゲットの材料物性と形状に基づき三次元的に計算された磁場(Bx,By,Bz)を配置する。
エロージョン中心線分計算ステップは、静磁場構造モデルの指定断面が、直方体メッシュを切断する場合、直方体メッシュの切断面を挟んで垂直方向に位置する2つの頂点に設定された垂直磁場の補間計算により断面位置の垂直磁場を算出する。
エロージョン中心線分計算ステップは、
静磁場構造モデルの指定断面を構成する2次元メッシュにおける格子点間の線分の中から垂直磁場の一方がプラス磁場で他方がマイナス磁場となる線分を抽出し、
抽出した線分毎に、プラス磁場とマイナス磁場の線形補間計算により線分上の垂直磁場がゼロとなる位置を計算し、計算した垂直磁場ゼロ位置が相互に隣接するように並び替えを行い、エロージョン中心線を示す座標データを生成する。
エロージョン中心線分計算ステップは、必要に応じて、プラズマ粒子の回転運動に伴う遠心力によるずれ量を、エロージョン中心線分の曲率に基づいて算出して修正するようにしても良い。
静止エロージョンレート分布計算ステップは、ガウス関数モデルに基づいて静止エロージョンレート分布を計算する。
静止エロージョンレート分布計算ステップは、予め設定されたエロージョン中心線分上でのエロージョンレートと分布幅を読み込むと共に、静磁場構造モデルの指定断面を構成する2次元メッシュの格子点からエロージョン中心線分までの距離を計算し、エロージョンレート、分布幅及び距離を計算パラメータとしてガウス関数モデルに基づき各格子点の属するセルの静止エロージョンレートを計算する。
静止エロージョンレート分布計算ステップは、2次元メッシュの格子点からエロージョン中心線分までの距離として、格子点と静止エロージョン中心線を構成する全ての座標点との距離を計算し、計算した距離の中の最小距離を選択する。
回転エロージョン分布計算ステップは、指定断面における二次元メッシュの任意の位置のエロージョンレートを、任意の位置を含むセルの4つの格子点の静止エロージョンレート計算ステップで計算されたエロージョンレートに基づく補間計算により算出し、2次元メッシュの各格子点と任意の位置の各エロージョンレートの磁石の回転に伴う積分により回転エロージョンレート分布を計算する。
成膜レート分布計算ステップは、回転エロージョンレート分布と散乱角度依存性から成膜レート分布を計算する。
(装置)
本発明はマグネトロンスパッタの設計支援装置を提供する。本発明は、成膜材料であるターゲットの裏面側に配置された回転する磁石によりターゲットの表面側に磁場を形成してプラズマを閉じ込め、プラズマから発生するイオン原子を高速にターゲットに衝突させることでスパッタリングを起こしてウェハ等の対象物上に薄膜を形成するに於いて、
磁石の停止状態で生成される静磁場構造モデルを読み込んで記憶部に格納する静磁場構造モデル読込部と、
静磁場構造モデルの任意の位置にターゲット表面と平行しプラズマが生成される断面を指定する断面指定部と、
静磁場構造モデルの指定断面において面に対して垂直な磁場がゼロとなる領域の中心を通る無端形状を持つエロージョン中心線分を計算するエロージョン中心線分計算部と、
エロージョン中心線分のエロージョンレートに基づいて静磁場構造モデルの指定断面での静止エロージョンレート分布を計算する静止エロージョンレート分布計算部と、
磁石の回転に伴う静止エロージョンレートの積分により回転エロージョンレート分布を計算する回転エロージョンレート分布計算部と、
回転エロージョンレートを用いて対象物上の成膜レート分布を計算する成膜レート分布計算部と、
を備えたことを特徴とする。
(プログラム)
本発明は、マグネトロンスパッタの設計支援装置のコンピュータにより実行されるプログラムを提供する。
本発明のプログラムは、成膜材料であるターゲットの裏面側に配置され回転する磁石によりターゲットの表面側に磁場を形成してプラズマを閉じ込め、プラズマから発生するイオン原子を高速にターゲットに衝突させることでスパッタリングを起こしてウェハ等の対象物上に薄膜を形成するマグネトロンスパッタの設計支援装置のコンピュータに、
磁石の停止状態で生成される静磁場構造モデルを読み込んで記憶部に格納する静磁場構造モデル読込ステップと、
静磁場構造モデルの任意の位置に前記ターゲット表面に平行しプラズマが生成される断面を指定する断面指定ステップと、
静磁場構造モデルの指定断面において面に対して垂直な磁場がゼロとなる領域の中心を通る無端形状を持つエロージョン中心線分を計算するエロージョン中心線分計算ステップと、
エロージョン中心線分のエロージョンレートに基づいて静磁場構造モデルの指定断面での静止エロージョンレート分布を計算する静止エロージョンレート分布計算ステップと、
磁石の回転に伴う静止エロージョンレートの積分により回転エロージョンレート分布を計算する回転エロージョンレート分布計算ステップと、
回転エロージョンレートを用いて対象物上の成膜レート分布を計算する成膜レート分布計算ステップと、
を実行させることを特徴とする。
(シミュレーション方法)
本発明はマグネトロンスパッタのシミュレーション方法を提供する。本発明は、成膜材料であるターゲットの裏面側に配置された回転する磁石によりターゲットの表面側に磁場を形成してプラズマを閉じ込め、前記プラズマから発生するイオン原子を高速に前記ターゲットに衝突させることでスパッタリングを起こしてウェハ等の対象物上に薄膜を形成するマグネトロンスパッタのシミュレーション方法に於いて、
磁石の停止状態で生成される静磁場構造モデルを読み込んで記憶部に格納する静磁場構造モデル読込ステップと、
磁場構造モデルの任意の位置にターゲット表面に平行しプラズマが生成される断面を指定する断面指定ステップと、
静磁場構造モデルの指定断面において面に対して垂直な磁場がゼロとなる領域の中心を通る無端形状を持つエロージョン中心線分を計算するエロージョン中心線分計算ステップと、
エロージョン中心線分のエロージョンレートに基づいて静磁場構造モデルの指定断面での静止エロージョンレート分布を計算する静止エロージョンレート分布計算ステップと、
磁石の回転に伴う静止エロージョンレートの積分により回転エロージョンレート分布を計算する回転エロージョンレート分布計算ステップと、
回転エロージョンレートを用いて対象物上の成膜レート分布を計算する成膜レート分布計算ステップと、
を備えたことを特徴とする。
(シミュレーション装置)
本発明はマグネトロンスパッタのシミュレーション装置を提供する。本発明は、成膜材料であるターゲットの裏面側に配置された回転する磁石によりターゲットの表面側に磁場を形成してプラズマを閉じ込め、プラズマから発生するイオン原子を高速にターゲットに衝突させることでスパッタリングを起こしてウェハ等の対象物上に薄膜を形成するマグネトロンスパッタのシミュレーション装置に於いて、
磁石の停止状態で生成される静磁場構造モデルを読み込んで記憶部に格納する静磁場構造モデル読込部と、
磁場構造モデルの任意の位置にターゲット表面に平行しプラズマが生成される断面を指定する断面指定部と、
静磁場構造モデルの指定断面において面に対して垂直な磁場がゼロとなる領域の中心を通る無端形状を持つエロージョン中心線分を計算するエロージョン中心線分計算部と、
エロージョン中心線分のエロージョンレートに基づいて磁場構造モデルの指定断面での静止エロージョンレート分布を計算する静止エロージョンレート分布計算部と、
磁石の回転に伴う静止エロージョンレートの積分により回転エロージョンレート分布を計算する回転エロージョンレート分布計算部と、
回転エロージョンレートを用いて対象物上の成膜レート分布を計算する成膜レート分布計算部と、
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、マグネトロンスパッタの静磁場構造モデルから直接エロージョン分布や成膜分布を計算することで、プラズマ分布や荷電粒子の運動を詳細に計算せずに、磁石形状の変更によるエロージョン分布や成膜分布の変化を短時間に予測することが可能である。
またマグネトロンスパッタの静磁場構造モデルを元にエロージョン分布並びに成膜分布を計算できるため、最適なプロセス条件となる磁場を生成する永久磁石の配置を短時間で予測することが可能である。
更に、乱数を用いて荷電粒子の生成・ターゲット衝突・成膜粒子散乱まで計算するモンテカルロ法ではウェハ面内の分布を正確に計算するために例えば二次元メッシュに分割した単位領域となる1セル当り数10〜100個必要としたが、本発明の計算では、1セルにつき1回の計算のみで可能であり、コンピュータによる計算負荷を大幅に低減し、パーソナルコンピュータのもつ通常の計算能力により短時間でエロージョン分布と成膜分布を効率良く予測し、予測結果に基づく適確なマグネトロンの設計作業や磁石配置を決める調整作業が実現できる。
図1は本発明によるマグネトロンスパッタ設計支援装置の実施形態を示した機能構成のブロック図である。
図1において、本実施形態のマグネトロンスパッタ設計支援装置10は、コンピュータによるプログラムの実行により実現される機能である。本実施形態のマグネトロンスパッタ設計支援装置10には、制御部14、記憶部16が設けられる。
更にマグネトロンスパッタの設計支援のため、静磁場構造モデル読込部18、計算パラメータ読込部20、断面指定部22、エロージョン中心線分計算部24、エロージョン中心線分修正部26、静止エロージョンレート分布計算部28、回転エロージョンレート分布計算部30、成膜レート分布計算部32及び出力処理部34が設けられている。
記憶部16には、マグネトロンスパッタ設計支援装置10の処理開始時に読み込まれる静磁場構造モデルデータ36と計算パラメータ38、及び処理実行を通じて生成されるエロージョン中心線データ40、静止エロージョンレート分布データ42、回転エロージョンレート分布データ44及び成膜レート分布データ46が格納される。
更に本実施形態にあっては、マグネトロンスパッタ設計支援装置10に対し磁場解析装置12が設けられており、磁場解析装置によるマグネトロンスパッタの磁場解析により生成した静磁場構造モデルデータ36を読み込むようにしている。
この磁場解析装置12は、本実施形態のマグネトロンスパッタ設計支援装置10と別に設けてもよいし、マグネトロンスパッタ設計支援装置10に含めてもよい。もちろん磁場解析装置12の処理機能も、コンピュータによる磁場解析プログラムの実行により実現される機能である。
マグネトロンスパッタ設計支援装置10に設けた静磁場構造モデル読込部18は、例えば磁場解析装置12で生成した設計対象とするマグネトロンスパッタにおける磁石の停止状態で生成される静磁場構造モデルを読み込んで、記憶部16に静磁場構造モデルデータ36として格納する。
計算パラメータ読込部20は、静止エロージョンレート分布計算部28で使用するエロージョン中心線分上のエロージョンレートと、その分布幅を読み込み、記憶部16に計算パラメータ38として格納する。
断面指定部22は静磁場構造モデルを対象に、その任意の位置にマグネトロンスパッタにおけるターゲット表面に平行しプラズマが生成される断面を指定する。この断面指定はユーザによる指定で任意の断面位置を指定することができる。
エロージョン中心線分計算部24は、静磁場構造モデルの指定断面において垂直磁場がゼロとなる領域の中心を通る無端形状、即ちリング状のエロージョン中心線分を計算して記憶部16にエロージョン中心線データ40を格納する。
エロージョン中心線分修正部26は、必要に応じて選択実行され、マグネトロンスパッタにおけるプラズマ粒子の回転運動に伴うエロージョン中心線分のずれ量を、エロージョン中心線分の曲率に基づいて算出して修正する。
このエロージョン中心線分修正部26による修正処理は、行わずに、そのままエロージョン中心線分計算部24で計算したエロージョン中心線データ40を使用してもよい。
静止エロージョンレート分布計算部28は、エロージョン中心線分のエロージョンレートに基づいて、静磁場構造モデルの指定断面における静止エロージョンレート分布を計算する。
本実施形態にあっては、静止エロージョン分布の計算方法として、ガウス関数モデルに基づいた静止エロージョンレート分布の計算を例にとっている。なお静止エロージョンレート分布の計算には、ガウス関数モデル以外に、ローレンツ関数モデル等を使用することも可能である。
ガウス関数モデルを用いた静止エロージョンレート分布の計算にあっては、計算パラメータ読込部20で読み込んだ計算パラメータ38であるエロージョン中心線上のエロージョンレートと分布幅を使用することになる。
回転エロージョンレート分布計算部30は、静止エロージョンレート分布データ42を用いて、マグネトロンスパッタにおける永久磁石の回転に伴う回転エロージョンレート分布を計算し、回転エロージョンレート分布データ44として記憶部16に格納する。即ち、マグネトロンスパッタにおける永久磁石の回転運動に合わせて静止エロージョンレート分布を積分することで、回転エロージョンレート分布を計算することができる。
成膜レート分布計算部32は、回転エロージョンレート分布データ44を用いてウェハ上の成膜レート分布を計算して、記憶部16に成膜レート分布データ46として格納する。この成膜レート分布計算部32による計算処理は、回転エロージョンレート分布と散乱角依存性からウェハ上の成膜レート分布を計算することができる。
出力処理部34は、回転エロージョンレート分布計算部30及び成膜レート分布計算部32で計算された記憶部16の回転エロージョンレート分布データ44及びまたは成膜レート分布データ46を読み出して、マグネトロンスパッタ設計支援処理の処理結果、即ち計算処理により予測された回転エロージョンレート分布及び成膜レート分布として出力し、設計対象としているマグネトロンスパッタにおける永久磁石の配置位置、形状が適切か否かの評価に利用する。
出力処理部34による出力結果は、数値データとして表示してもよいし、マグネトロンスパッタの設計モデル上に画像データと併せて表示するようにしてもよい。
図2は本発明によるマグネトロンスパッタ設計支援処理のプログラムが実行されるコンピュータのハードウェア環境のブロック図である。図2において、CPU48のバス50に対しては、RAM52、ROM54、ハードディスクドライブ56、キーボード60,マウス62,ディスプレイ64を接続するデバイスインタフェース58、更にネットワークアダプタ66が設けられている。
ハードディスクドライブ56には本実施形態におけるマグネトロンスパッタ設計支援のためのプログラムが格納されている。コンピュータを起動すると、BIOSによるブートアップ処理によりハードディスクドライブ56からOSがRAM52に読出し配置され、このOSによるハードディスクドライブ56のアプリケーションプログラムである本実施形態のマグネトロンスパッタ設計支援のためのプログラムがRAM52に読出し配置され、CPU48により実行され、図1のマグネトロンスパッタ設計支援装置10に示した各機能が実現される。
図3は図1の実施形態によるマグネトロンスパッタ設計支援処理を示したフローチャートであり、このフローチャートの内容が本実施形態におけるマグネトロンスパッタ設計支援処理のためのプログラムの内容を表わしている。
図3において、本実施形態のマグネトロンスパッタ設計支援処理は、まずステップS1で静磁場構造モデル読込部18が例えば磁場解析装置12で生成されているマグネトロンスパッタにおける静磁場構造モデルを読み込み、同時に計算パラメータ読込部20により静止エロージョンレート分布の計算で使用する計算パラメータを読み込み、それぞれ記憶部16に格納する。
続いてステップS2で、断面指定部22により、そのときユーザが指定している静磁場構造モデルに対するプラズマ生成位置となる断面位置を読み込む。
次にステップS3で、エロージョン中心線分計算部24により静磁場構造モデルに対する指定断面において垂直磁場がゼロとなる領域の中心を通るエロージョン中心線分を計算により導出する。
続いてステップS4でエロージョン中心線分の修正指定か否かチェックする。もし修正指定があればステップS5に進み、エロージョン中心線分修正部26によりエロージョン中心線分の曲率に基づいてプラズマ粒子の回転運動に伴う偏心力によるずれ量を算出し、エロージョン中心線分を修正する。ステップS4でエロージョン中心線分の修正指定がなければ、ステップS5をスキップしてステップS6に進む。
ステップS6にあっては、静止エロージョンレート分布計算部28により、本実施形態にあってはガウス関数モデルに基づき静止エロージョンレート分布を計算する。
続いてステップS7で、回転エロージョンレート分布計算部30が静止エロージョンレートに基づいて、磁石の回転に伴う積分により回転エロージョンレート分布を計算する。
続いてステップS8で成膜レート分布計算部32が回転エロージョンレート分布に基づきウェハ上の成膜レート分布を計算する。最終的にステップS9で、出力処理部34が、ステップS7で計算された回転エロージョンレート分布とステップS8で計算された成膜レート分布の計算結果を出力する。
続いて図1のマグネトロンスパッタ設計支援装置10及び図3のフローチャートに示したマグネトロンスパッタ設計処理のための各処理機能を詳細に説明する。
図4は本実施形態が対象とするマグネトロンスパッタの概念構造を示した説明図である。図4において、マグネトロンスパッタは、成膜材料であるターゲット70の裏面側に永久磁石68を配置することで、ターゲット表面70−1上に磁力線72による磁場を生成し、プラズマ73を封じ込める。
プラズマ73は、ターゲット表面70−1に対し磁力線72が平行となる位置で形成される。これはプラズマ73が、磁力線72に巻き付くように運動する性質と、磁場の弱いところでプラズマの密度が高くなる性質を持つことに依存している。このため、ターゲット表面70−1におけるエロージョンレートは、プラズマ73の密度が高くなる垂直磁場成分が0となる位置でピークを持つ。
そこで本実施形態にあっては、磁力線72による垂直磁場がゼロとなるエロージョン中心線分を抽出する。このエロージョン中心線分を抽出するため、本実施形態にあっては、対象とするマグネトロンスパッタについて磁場解析により静磁場構造モデルを生成して読み込む。
図5は本実施形態で使用する静磁場構造モデルの説明図である。図5において、静磁場構造モデル78は対象空間を直方体メッシュに分割し、直方体メッシュごとに計算対象とするマグネトロンスパッタにおける永久磁石68及びターゲット70の材料物性と形状に基づき、3次元的に計算された静磁場データを読み込むことになる。
この静磁場構造モデル78を構成する各直方体メッシュの磁場要素と座標は、次のように表すことができる。
磁場要素:
Bx[Ix][Iy][Iz]、By[Ix][Iy][Iz]、Bz[Ix][Iy][Iz]
座標:
X[Ix]、Y[Iy]、Z[Iz]
ここでX[Ix]は、Ix番目のX座標を示し、Y[Iy]はIy番目のY座標を示し、更にZ[Iz]はIz番目のZ座標を示している。このIx,Iy,Izで指定される位置での磁場ベクトルは(Bx,By,Bz)であり、ターゲット表面70−1に対し垂直方向にZ軸を取ることから、垂直磁場成分はBzで表わされる。
図5に示すような対象空間を直方体メッシュで分割して各直方体メッシュについて座標位置と磁場要素で構成される静磁場構造モデルデータを読み込んで記憶部16に記憶すると、続いて、そのときユーザが指定した静磁場構造モデル78に対する例えば図5の断面指定位置80につき、この指定断面における2次元メッシュの磁場解析により、エロージョン中心線分計算部24による垂直磁場が0となるセルを通るエロージョン中心線分を計算する。
エロージョン中心線分の計算の際には、図5に示した静磁場構造モデル78における断面指定位置80による指定断面を構成する2次元メッシュのセル格子点の垂直磁場成分を求める必要がある。
断面指定位置80が静磁場構造モデル78における垂直メッシュの境界部分であった場合には、記憶部16に格納した静磁場構造モデルの垂直磁場Bzをそのまま使用することができるが、図6に取り出して示すように、モデル垂直断面におけるセルを切断する位置に指定断面82が設定された場合には、この指定断面82における垂直磁場を補間計算により求める必要がある。
図6にあっては、例えばセル格子点84,86に挟まれた補間点88の垂直磁場Bz cutは、Z=Zcutとすると、次式により補間計算する。
Figure 0004883628
即ち(2)式で格子点84を基準とした格子点86までの線分に対する補間点88までの距離の比率ΔZを求め、この補間点88の距離の比率ΔZを用いて、(1)式により格子点84,86の垂直磁場成分Bzを用いた補間計算により、補間点88の垂直磁場Bz_cutを計算している。
このような指定断面における垂直磁場を補間計算により求めることで、離散的な直方体メッシュである静磁場構造モデルに対する任意の断面指定であっても、指定断面の垂直磁場成分を求めることができる。
図7は本実施形態におけるターゲット表面上の磁力線分布とエロージョン中心線分の説明図である。図7において、ターゲット70の裏面に配置した永久磁石によりターゲット表面上に磁力線72が形成されている。このような磁力線72の形成は、ターゲット70の裏面側に外周側に位置するほぼ円筒状の永久磁石のN極を配置し、中心部に円柱状の永久磁石のS極を配置することで、外周から中心に向かう磁力線72を形成することができる。
このような磁力線72に対し、プラズマは磁力線72の垂直磁場がゼロとなる位置で密度が高くなり、ターゲット表面のエロージョンがピークになり、このピーク値を示す破線で示すエロージョン中心線分90が存在することになる。
図8は図5の静磁場構造モデル78に対する断面指定位置80の指定で得られた指定断面82におけるエロージョン中心線分の説明図である。図8において、指定断面82は、図6のように直方体メッシュを垂直方向に直交した指定断面82で切断していることから、XY平面での2次元メッシュであり、この例では横8つ、縦9つのセル92−11〜92−89に分割されている。
この指定断面82におけるセル92−11〜92−89のそれぞれは、セル格子点にそれぞれ垂直磁場のデータを持っており、この垂直磁場につきゼロとなる位置を繋げることでエロージョン中心線分90を生成することができる。
即ち、指定断面82を構成する2次元メッシュにおけるセル92−11〜92−89について得られた垂直磁場Bzcut_[Ix][Iy]から、エロージョン中心となるBz_cut=0の等高線を、エロージョン中心線分90として計算する。
具体的には、図9に示すように、エロージョン中心線分を表わす座標点は指定断面における2次元メッシュの格子間線分上にあるとし、垂直磁場成分Bz_cutに対する線形補間で、Bz_cut=0となる座標[Lx,Ly]を計算する。
x軸方向の格子間線分上での線分座標は次式で計算することができる。
Figure 0004883628
ここで(3)式は、図9において隣接する格子点の垂直磁場成分Bz_cutの値が、一方がプラス磁場で他方がマイナス磁場となる線分を抽出している。この(3)式の条件式により図9において抽出される線分は、2つの格子点の一方がプラス磁場、他方がマイナス磁場となっている線分94−1〜94−4である。
このようにして(3)式の条件式を満足する線分が抽出できたならば、(4)式により両側の格子点の垂直磁場の値の重み配置による補間計算により、Bz_cut=0、即ち垂直磁場がゼロとなる垂直磁場ゼロ点96−1〜96−4の座標[Lx,Ly]を計算することができる。
ここで前記(3)(4)式で算出されたエロージョン中心線分を表す座標(Lx,Ly)は複数存在するため、サイズNの配列Lx[N],Ly[N]として物理メモリである記憶部16に格納した後、各座標が隣接するように並び替えを行う。
このようにして静磁場構造モデル78における指定断面82のエロージョン中心線分が計算できたならば、図1の静止エロージョンレート分布計算部28により静止エロージョンレート分布を計算する。
図10(A)はエロージョン中心線分に対する静止エロージョンレート分布を示している。図10(A)において、ターゲット70の表面に相当する指定断面について計算されたエロージョン中心線分90を中心に、エロージョン中心線分90の位置でエロージョンが最大となり、離れるにつれてエロージョンが減少する静止エロージョンレート分布98を計算する。
この指定断面となるターゲット面位置におけるエロージョンレートを算出するためには、2次元メッシュにより配置された各セルからエロージョン中心線分90までの距離ΔLをまず計算する必要がある。
図10(B)は指定断面82における各セルの格子点とエロージョン中心線分90との距離を示している。指定断面82で計算されたエロージョン中心線分90に対し、いま座標[x,y]を持つ格子点100の距離ΔL[x,y]を計算する。
実際の計算は、図10(C)のように、エロージョン中心線分90は垂直磁場ゼロ点96−1〜96−11に示す離散的な座標データであることから、これら垂直磁場ゼロ点96−1〜96−11と格子点100の間の距離を計算することになる。即ち、エロージョン中心線分90を構成する全座標点と格子点100との間の距離をすべて計算し、計算した距離の中の最小距離、例えば図10(C)の場合には最小距離ΔL6、即ちエロージョン中心線分90の座標点96−6との距離を、エロージョンレートを計算するための距離として求める。
図11は、図10(C)においてセル格子点に対しエロージョン中心線分との距離を検出するフローチャートである。図11において、まずステップS1で計算対象となる格子点の座標[Ix,Iy]を初期化し、ステップS2でエロージョン中心線分上の座標点を初期化する。
続いてステップS3で計算対象格子点と最初のエロージョン中心線分の座標点との間の距離を計算し、レジスタtmpに出力する。続いてステップS4でレジスタtmpの距離がそのときの最小距離minより小さければ、最小距離レジスタminにそのときのレジスタtmpの値を格納する。
続いてステップS5でエロージョン中心線分の座標値ILが最大値Nに達したか否か判定し、達していなければ、ステップS3からの次のエロージョン中心線分の座標点との間の距離の計算を繰り返す。
ステップS5でエロージョン中心線分のすべての座標点についての距離の計算が済むと、このときステップS4における最小距離レジスタLminには最終距離が格納されており、これがエロージョン分布計算の距離として保持される。
続いてステップS6で、計算対象とする格子点のX座標のIxが最大値Ixmaxに達していなければ、1つ増加してステップS2からの処理を繰り返す。ステップS6でIxmaxに達した場合には、ステップS7に進み、Y座標であるIyが最大値に達するまで1つずつ増加しながら、ステップS2からの処理を繰り返す。
これによって、例えば図10(C)における指定断面82における2次元メッシュのすべての格子点についてエロージョン中心線分90との距離ΔLを計算することができる。
このようにして図1のエロージョン中心線分計算部24でエロージョン中心線データ40が作成されたならば、必要に応じてエロージョン中心線分修正部26による修正処理を行う。
このエロージョン中心線分の修正は、マグネトロンスパッタにおけるプラズマ粒子の運動速度が速い場合には、プラズマ粒子の回転運動に伴う遠心力によりエロージョン中心線分が垂直磁場がゼロとなる位置からずれる現象を生ずる。そこで、必要な場合にはプラズマ粒子の回転運動に伴う遠心力によるずれをエロージョン中心線について修正する必要がある。
プラズマ粒子の回転運動に伴う遠心力は、エロージョン中心線分の曲率に比例する。したがって、エロージョン中心線分上の座標(Ly[N],Ly[N])における曲率ベクトル(KLx[N],KLy[N])は次式で計算することができる。
Figure 0004883628
このようにして曲率ベクトルが計算できたならば、曲率に比例してエロージョン中心線分を次式で修正することができる。ここで係数shiftLは、適宜設定した定数、または付近の格子点における垂直磁場とその値から求まる垂直磁場勾配の少なくとも一方をパラメータとする適当な関数のいずれでもよい。
Figure 0004883628
次に図1の静止エロージョンレート分布計算部28による処理の詳細を説明する。本実施形態の静止エロージョンレートの計算処理にあっては、ガウス関数モデルを用いて計算する。
ガウス関数モデルにあっては、図11のフローチャートにより求めた指定断面における各格子点のエロージョン中心線分Lまでの距離ΔLと、図1の計算パラメータ読込部20で読み込んだ計算パラメータであるエロージョン中心線分90上でのエロージョンレートα[μm/S]と、その分布幅であるβ[mm]を用いて、ターゲット表面上の位置である指定断面の格子点位置(x,y)におけるエロージョンレートEr st(x,y)を次式で算出する。
Figure 0004883628
(5)
この(5)式により得られた値は、格子点[Ix][Iy]におけるエロージョンレートEr_st[Ix][Iy]として、物理メモリである記憶部16に静止エロージョンレート分布データ42として格納される。
なお、エロージョンレートの計算モデルは(5)式のガウス関数に限るものではなく、その他にも、ローレンツ関数や三角関数、ガウス関数のパラメータα,βを磁場および磁場勾配の何らかの関数としたようなモデルも適用可能である。
次に図1の回転エロージョンレート分布計算部30による回転エロージョンレートの計算処理を説明する。
図12は静止エロージョンレート分布を回転して回転エロージョンレート分布を求める処理の説明図である。本実施形態が対象とするマグネトロンスパッタにあっては、成膜分布及びエロージョン分布を均一にするため、図12(A)に示すように永久磁石を回転させ、これに伴ってエロージョン中心線分に基づいて計算した静止エロージョンレート分布98も回転し、図12(B)の回転エロージョン分布106が得られる。
なおマグネトロンスパッタにおける静止エロージョンレート分布98は、回転した際にターゲット70全体を均一にエロージョンするため、その平面形状は完全なリング状とならず、一部で中心部に窪んだ形状としている。
マグネトロンスパッタにおけるプラズマは磁力線に巻き付いて運動するため、永久磁石を回転させた際の各瞬間におけるエロージョンレートは前記(5)式で記述できる。したがって、永久磁石の回転運動に合わせて前記(5)式で与えられる静止エロージョンレート分布を積分することで、回転エロージョンレート分布を計算することができる。
即ち、永久磁石の回転中心を座標原点とすると、回転動作時の回転エロージョンレートEr_rt(x,y)は、次式で計算される。
Figure 0004883628
ここで、前記()式で与えられる静止エロージョンレートEr_stは、例えば図10(C)に示したような指定断面82となる2次元メッシュの格子点で離散化された値である。
ここで、回転運動を考慮した回転エロージョンレート分布Er_rt(r)を前記(6)式で計算するためには、指定断面の2次元メッシュの各格子点につして求めた静止エロージョンレート分布だけでは、計算点の数が不足して回転エロージョンレート分布の分解能が低くなることから、計算点を増加させるため2次元メッシュの格子点以外の任意の複数点のエロージョンレートを計算する必要がある。
この任意のセル位置(x,y)におけるエロージョンレートの補間が必要である。この任意のセル位置(x,y)におけるエロージョンレートの計算は2段階の計算で行う。
(1) 1段階目の計算
1段階目の計算は任意の位置(x,y)を含むセルを導出する。ここで[Ix][Iy]番目のセルの座標をX[Ix],Y[Iy]とすると、2次元メッシュでは次式の不等号を満たすIx,Iyが指定されるセルに座標(x,y)が含まれる。
Figure 0004883628
(2) 2段目の計算
2段目の計算にあっては、任意の位置(x,y)におけるエロージョンレートを補間により算出する。この補間は有限要素法の補間公式を用いる。例えば図13に示す前記(7)式の条件で指定されたセル92を例にとると、セル92の任意の位置(x,y)となるセル補間点104に対し、セル92の格子点102−1〜102−4のそれぞれに前記(5)式で算出されたエロージョンレート分布Er_stが保存されている。そこで、この場合には、有限要素法の補間公式として次式によりセル補間点104のエロージョンレートEr_st(x,y)を算出することができる。
Figure 0004883628
ここで(8)式は、格子点102−1〜102−3に対するセル補間点104の格子点102−1を原点としたセル92内の相対座標(Δx,Δy)を求めている。
そして(9)式にあっては、セル補間点104の相対座標Δx,Δyを用いた線形補間計算により、格子点102−1〜102−4のエロージョンレートの値からセル補間点104のエロージョンレートEr_st(x,y)を求めている。
このようにして指定断面における格子点及び任意の複数位置についての静止エロージョンレート分布が計算できたならば、前記(6)式の積分を実行することで、回転運動を考慮した回転エロージョンレート分布を計算することができる。
次に図14について、図1の成膜レート分布計算部32による成膜レート分布を説明する。図4に示したように、永久磁石68の磁場によりターゲット70の表面上に封じ込められたプラズマから発生するイオン原子の衝突でエッチングされたスパッタ粒子75は、散乱角依存性を持って散乱し、ウェハ74に付着して成膜76を生成する。
このスパッタ粒子の散乱角依存性はcos[θ]で表すことができる。ここで回転エロージョンレート分布が前記(6)式で与えられる場合、ウェハ74上の成膜レート分布Sput_rt(r)は次式で計算することができる。
Figure 0004883628
ここで(r’,θ’)はターゲット70上の座標を示す。またLrr’はウェハ74の薄膜形成面の位置とターゲット表面位置までの距離に基づく値を示している。
ここで前記(10)式は次式のように分解することができる。
Figure 0004883628
ここで(12)式において、TLはターゲットと成膜対象であるウェハ間の距離、rmax tgはターゲット半径である。
また本発明は、本実施形態のプログラムを格納した記録媒体を提供する。この記録媒体はCD−ROM、フロッピィディスク(R)、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの可搬型記憶媒体や、コンピュータシステムの内外に備えられたハードディスクドライブなどの記憶装置の他、回線を介してプログラムを保持するデータベースあるいは他のコンピュータシステム並びにそのデータベースや、更に回上の伝送媒体を含むものである。
また上記の実施形態はマグネトロンスパッタの試験設計装置としての実施形態を例に取るものであったが、まったく同じ内容を持つ装置はマグネトロンスパッタにおけるターゲットのエロージョンレート及びウェハの成膜レート分布をコンピュータ上で計算して予測するシミュレーション方法及びシミュレーション装置として実現することもできる。
なお本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
ここで本発明の特徴をまとめて列挙すると次の付記のようになる。
(付記)

(付記1)(方法)
成膜材料であるターゲットの裏面側に配置された回転する磁石により前記ターゲットの表面側に磁場を形成してプラズマを閉じ込め、前記プラズマから発生するイオン原子を高速に前記ターゲットに衝突させることでスパッタリングを起こしてウェハ等の対象物上に薄膜を形成するマグネトロンスパッタの設計支援方法に於いて、
前記磁石の停止状態で生成される静磁場構造モデルを読み込んで記憶部に格納する静磁場構造モデル読込ステップと、
前記静磁場構造モデルの任意の位置に前記ターゲット表面と平行しプラズマが生成される断面を指定する断面指定ステップと、
前記静磁場構造モデルの指定断面において面に対して垂直な磁場がゼロとなる領域の中心を通る無端形状のエロージョン中心線分を計算するエロージョン中心線分計算ステップと、
前記エロージョン中心線分のエロージョンレートに基づいて前記静磁場構造モデルの指定断面での静止エロージョンレート分布を計算する静止エロージョンレート分布計算ステップと、
前記磁石の回転に伴う前記静止エロージョンレートの積分により回転エロージョンレート分布を計算する回転エロージョンレート分布計算ステップと、
前記回転エロージョンレートを用いて前記対象物上の成膜レート分布を計算する成膜レート分布計算ステップと、
を備えたことを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援方法。(1)
(付記2)(静磁場解析)
付記1記載のマグネトロンスパッタの設計支援方法に於いて、更に、前記静磁場構造モデル読込ステップで読み込む静磁場構造モデルを静磁場解析により生成する静磁場解析ステップを設けたことを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援方法。
(付記3)(ユーザによる断面指定)
付記1記載のマグネトロンスパッタの設計支援方法に於いて、前記断面指定ステップは、ユーザの指定操作に基づいて前記静磁場構造モデルに対し任意の断面を指定することを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援方法。(2)
(付記4)(静磁場構造モデルのデータ構造詳細)
付記1記載のマグネトロンスパッタの設計支援方法に於いて、前記静磁場構造モデルは、対象空間を微小な直方体メッシュに分割し、前記直方体メッシュの所定の1頂点の座標(X[Ix],Y[Iy],Z[Iz])毎に、前記対象空間に存在する前記磁石及びターゲットの材料物性と形状に基づき三次元的に計算された磁場(Bx,By,Bz)を配置することを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援方法。(3)
(付記5)(断面指定と補間計算)
付記4記載のマグネトロンスパッタの設計支援方法に於いて、前記エロージョン中心線分計算ステップは、前記静磁場構造モデルの指定断面が、前記直方体メッシュを切断する場合、前記直方体メッシュの切断面を挟んで垂直方向に位置する2つの頂点に設定された垂直磁場の補完計算により断面位置の垂直磁場を算出することを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援方法。(4)
(付記6)(中心線分位置の計算)
付記4記載のマグネトロンスパッタの設計支援方法に於いて、前記エロージョン中心線分計算ステップは、
前記静磁場モデルの指定断面を構成する2次元メッシュにおける格子点間の線分の中から垂直磁場の一方がプラス磁場で他方がマイナス磁場となる線分を抽出し、
抽出した線分毎に、プラス磁場とマイナス磁場の線形補間計算により線分上の垂直磁場がゼロとなる位置を計算し、計算した垂直磁場ゼロ位置が相互に隣接するように並び替えを行い、エロージョン中心線を示す座標データを生成することを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援方法。(5)
(付記7)(エロージョン中心線の修正)
付記1記載のマグネトロンスパッタの設計支援方法に於いて、前記エロージョン中心線分計算ステップは、プラズマ粒子の回転運動に伴う遠心力によるずれ量を、前記エロージョン中心線分の曲率に基づいて算出して修正することを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援方法。(6)
(付記8)(静止エロージョンレート分布計算の詳細)
付記6記載のマグネトロンスパッタの設計支援方法に於いて、前記静止エロージョンレート分布計算ステップは、ガウス関数等の解析関数モデルに基づいて前記静止エロージョンレート分布を計算することを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援方法。
(付記9)(静止エロージョンレート分布の計算パラメータ)
付記8記載のマグネトロンスパッタの設計支援方法に於いて、前記静止エロージョンレート分布計算ステップは、予め設定されたエロージョン中心線分上でのエロージョンレートと分布幅を読み込むと共に、前記静磁場構造モデルの指定断面を構成する2次元メッシュの格子点から前記エロージョン中心線分までの距離を計算し、前記エロージョンレート、分布幅及び距離を計算パラメータとして前記ガウス関数モデルに基づき前記各格子点の属するセルの前記静止エロージョンレートを計算することを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援方法。(7)
(付記10)(中心線分との距離計算)
付記9記載のマグネトロンスパッタの設計支援方法に於いて、前記静止エロージョンレート分布計算ステップは、2次元メッシュの格子点から前記エロージョン中心線分までの距離として、前記格子点と前記静止エロージョン中心線を構成する全ての座標点との距離を計算し、計算した距離の中の最小距離を選択することを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援方法。
(付記11)(回転エロージョンレート分布計算の詳細)
付記4記載のマグネトロンスパッタの設計支援方法に於いて、前記回転エロージョン分布計算ステップは、前記指定断面における二次元メッシュの任意の位置のエロージョンレートを、前記任意の位置を含むセルの4つの格子点の前記静止エロージョンレート計算ステップで計算されたエロージョンレートに基づく補間計算により算出し、前記2次元メッシュの各格子点と前記任意の位置の各エロージョンレートの前記磁石の回転に伴う積分により回転エロージョンレート分布を計算することを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援方法。
(付記12)(成膜レート分布計算の詳細)
付記1記載のマグネトロンスパッタの設計支援方法に於いて、前記成膜レート分布計算ステップは、前記回転エロージョンレート分布と散乱角度依存性から成膜レート分布を計算することを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援方法。(8)
(付記13)(装置)
成膜材料であるターゲットの裏面側に配置された回転する磁石により前記ターゲットの表面側に磁場を形成してプラズマを閉じ込め、前記プラズマから発生するイオン原子を高速に前記ターゲットに衝突させることでスパッタリングを起こしてウェハ等の対象物上に薄膜を形成するマグネトロンスパッタの設計支援装置に於いて、
前記磁石の停止状態で生成される静磁場構造モデルを読み込んで記憶部に格納する静磁場構造モデル読込部と、
前記静磁場構造モデルの任意の位置に前記ターゲット表面と平行しプラズマが生成される断面を指定する断面指定部と、
前記静磁場構造モデルの指定断面において面に対して垂直な磁場がゼロとなる領域の中心を通る無端形状を持つエロージョン中心線分を計算するエロージョン中心線分計算部と、
前記エロージョン中心線分のエロージョンレートに基づいて前記静磁場構造モデルの指定断面での静止エロージョンレート分布を計算する静止エロージョンレート分布計算部と、
前記磁石の回転に伴う前記静止エロージョンレートの積分により回転エロージョンレート分布を計算する回転エロージョンレート分布計算部と、
前記回転エロージョンレートを用いて前記対象物上の成膜レート分布を計算する成膜レート分布計算部と、
を備えたことを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援装置。(9)
(付記14)(ユーザによる断面指定)
付記13記載のマグネトロンスパッタの設計支援装置に於いて、前記断面指定部は、ユーザの指定操作に基づいて前記静磁場構造モデルに対し任意の断面を指定することを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援装置。
(付記15)(静磁場構造モデルのデータ構造詳細)
付記13記載のマグネトロンスパッタの設計支援装置に於いて、前記静磁場構造モデルは、対象空間を微小な直方体メッシュに分割し、前記直方体メッシュの所定の1頂点の座標(X[Ix],Y[Iy],Z[Iz])毎に、前記対象空間に存在する前記磁石及びターゲットの材料物性と形状に基づき三次元的に計算された磁場(Bx,By,Bz)を配置することを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援装置。
(付記16)(断面指定と補間計算)
付記15記載のマグネトロンスパッタの設計支援装置に於いて、前記エロージョン中心線分計算部は、前記静磁場構造モデルの指定断面が、前記直方体メッシュを切断する場合、前記直方体メッシュの切断面を挟んで垂直方向に位置する2つの頂点に設定された垂直磁場の補完計算により断面位置の垂直磁場を算出することを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援装置。
(付記17)(中心線分位置の補間計算)
付記16記載のマグネトロンスパッタの設計支援装置に於いて、前記エロージョン中心線分計算部は、
前記静磁場構造モデルの指定断面を構成する2次元メッシュにおける格子点間の線分の中から垂直磁場の一方がプラス磁場で他方がマイナス磁場となる線分を抽出し、
抽出した線分毎に、プラス磁場とマイナス磁場の線形補間計算により線分上の垂直磁場がゼロとなる位置を計算し、計算した垂直磁場ゼロ位置が相互に隣接するように並び替えを行い、エロージョン中心線を示す座標データを生成することを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援装置。
(付記18)(静止エロージョンレート分布計算の詳細)
付記17記載のマグネトロンスパッタの設計支援装置に於いて、前記静止エロージョンレート分布計算部は、ガウス関数モデルに基づいて前記静止エロージョンレート分布を計算することを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援装置。
(付記19)(静止エロージョンレート分布の計算パラメータ)
付記18記載のマグネトロンスパッタの設計支援装置に於いて、前記静止エロージョンレート分布計算部は、予め設定されたエロージョン中心線分上でのエロージョンレートと分布幅を読み込むと共に、前記静磁場構造モデルの指定断面を構成する2次元メッシュの格子点から前記エロージョン中心線分までの距離を計算し、前記エロージョンレート、分布幅及び距離を計算パラメータとして前記ガウス関数モデルに基づき前記各格子点の属するセルの前記静止エロージョンレートを計算することを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援装置。
(付記20)(プログラム)
成膜材料であるターゲットの裏面側に配置された一定速度で回転する磁石により前記ターゲットの表面側に磁場を形成してプラズマを閉じ込め、前記プラズマから発生するイオン原子を高速に前記ターゲットに衝突させることでスパッタリングを起こしてウェハ等の対象物上に薄膜を形成するマグネトロンスパッタの設計支援装置のコンピュータに、
前記磁石の停止状態で生成される静磁場構造モデルを読み込んで記憶部に格納する静磁場構造モデル読込ステップと、
前記静磁場構造モデルの任意の位置に前記ターゲット表面に平行しプラズマが生成される断面を指定する断面指定ステップと、
前記静磁場構造モデルの指定断面において面に対して垂直な磁場がゼロとなる領域の中心を通る無端形状を持つエロージョン中心線分を計算するエロージョン中心線分計算ステップと、
前記エロージョン中心線分のエロージョンレートに基づいて前記静磁場構造モデルの指定断面での静止エロージョンレート分布を計算する静止エロージョンレート分布計算ステップと、
前記磁石の回転に伴う前記静止エロージョンレートの積分により回転エロージョンレート分布を計算する回転エロージョンレート分布計算ステップと、
前記回転エロージョンレートを用いて前記対象物上の成膜レート分布を計算する成膜レート分布計算ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。(10)
(付記21)(シミュレーション方法)
成膜材料であるターゲットの裏面側に配置された回転する磁石により前記ターゲットの表面側に磁場を形成してプラズマを閉じ込め、前記プラズマから発生するイオン原子を高速に前記ターゲットに衝突させることでスパッタリングを起こしてウェハ等の対象物上に薄膜を形成するマグネトロンスパッタのシミュレーション方法に於いて、
前記磁石の停止状態で生成される静磁場構造モデルを読み込んで記憶部に格納する静磁場構造モデル読込ステップと、
前記静磁場構造モデルの任意の位置に前記ターゲット表面に平行しプラズマが生成される断面を指定する断面指定ステップと、
前記静磁場構造モデルの指定断面において垂直磁場がゼロとなる領域の中心を通る無端形状を持つエロージョン中心線分を計算するエロージョン中心線分計算ステップと、
前記エロージョン中心線分のエロージョンレートに基づいて前記静磁場構造モデルの指定断面での静止エロージョンレート分布を計算する静止エロージョンレート分布計算ステップと、
前記磁石の回転に伴う前記静止エロージョンレートの積分により回転エロージョンレート分布を計算する回転エロージョンレート分布計算ステップと、
前記回転エロージョンレートを用いて前記対象物上の成膜レート分布を計算する成膜レート分布計算ステップと、
を備えたことを特徴とするマグネトロンスパッタのシミュレーション方法。
(付記22)(シミュレーション装置)
成膜材料であるターゲットの裏面側に配置された回転する磁石により前記ターゲットの表面側に磁場を形成してプラズマを閉じ込め、前記プラズマから発生するイオン原子を高速に前記ターゲットに衝突させることでスパッタリングを起こしてウェハ等の対象物上に薄膜を形成するマグネトロンスパッタのシミュレーション装置に於いて、
前記磁石の停止状態で生成される静磁場構造モデルを読み込んで記憶部に格納する静磁場構造モデル読込部と、
前記静磁場構造モデルの任意の位置に前記ターゲット表面に平行しプラズマが生成される断面を指定する断面指定部と、
前記静磁場構造モデルの指定断面において面に対して垂直な磁場がゼロとなる領域の中心を通る無端形状を持つエロージョン中心線分を計算するエロージョン中心線分計算部と、
前記エロージョン中心線分のエロージョンレートに基づいて前記静磁場構造モデルの指定断面での静止エロージョンレート分布を計算する静止エロージョンレート分布計算部と、
前記磁石の回転に伴う前記静止エロージョンレートの積分により回転エロージョンレート分布を計算する回転エロージョンレート分布計算部と、
前記回転エロージョンレートを用いて前記対象物上の成膜レート分布を計算する成膜レート分布計算部と、
を備えたことを特徴とするマグネトロンスパッタのシミュレーション装置。
本発明によるマグネトロンスパッタ設計支援装置の実施形態を示した機能構成のブロック図 本発明のプログラムが実行されるコンピュータのハードウェア環境のブロック図 図1の実施形態によるマグネトロンスパッタ設計支援処理を示したフローチャート 本実施形態が対象とするマグネトロンスパッタの構造説明図 本実施形態で使用する静磁場構造モデルの説明図 静磁場構造モデルに対する指定断面の垂直磁場を補間計算する説明図 ターゲット表面上の磁力線分布とエロージョン中心線分の説明図 静磁場構造モデルの指定断面におけるエロージョン中心線分の説明図 指定断面の2次元メッシュにおけるエロージョン中心線分を形成する垂直磁界がゼロとなる格子間線分の座標位置を計算する説明図 セル格子点に対しエロージョン中心線分との距離を検出する処理の説明図 セル格子点に対しエロージョン中心線分との距離を検出する処理のフローチャート 静止エロージョンレート分布を回転して回転エロージョンレート分布を求める処理の説明図 セル格子点の静止エロージョンレートから任意の位置のエロージョンレートを計算するための説明図 ターゲットの回転エロージョンレート分布からウェハの成膜レート分布を求める処理の説明図
符号の説明
10:マグネトロンスパッタ設計支援装置
12:磁場解析装置
14:制御部
16:記憶部
18:静磁場構造モデル読込部
20:計算パラメータ読込部
22:断面指定部
24:エロージョン中心線分計算部
26:エロージョン中心線分修正部
28:静止エロージョンレート分布計算部
30:回転エロージョンレート分布計算部
32:成膜レート分布計算部
34:出力処理部
36:静磁場構造モデルデータ
38:計算パラメータ
40:エロージョン中心線データ
42:静止エロージョンレート分布データ
44:回転エロージョンレート分布データ
46:成膜レート分布データ
48:CPU
50:バス
52:RAM
54:ROM
56:ハードディスクドライブ
58:デバイスインタフェース
60:キーボード
62:マウス
64:ディスプレイ
66:ネットワークアダプタ
68:永久磁石
70:ターゲット
72:磁力線
73:プラズマ
74:ウェハ
75:スパッタ粒子
76:成膜
78:静磁場構造モデル
80:断面指定位置
82:指定断面
84,86:格子点
88:補間点
90:エロージョン中心線分
92,92−11〜92−89:セル
94−1〜92−4:線分
96−1〜96−4:垂直磁場ゼロ点
98:静止エロージョンレート分布
100:格子点
102−1〜102−4:セル格子点
104:セル補間点
106:回転エロージョンレート分布
108:散乱方向

Claims (10)

  1. 成膜材料であるターゲットの裏面側に配置された回転する磁石により前記ターゲットの表面側に磁場を形成してプラズマを閉じ込め、前記プラズマから発生するイオン原子を高速に前記ターゲットに衝突させることでスパッタリングを起こしてウェハ等の対象物上に薄膜を形成するマグネトロンスパッタの設計支援方法に於いて、
    前記磁石の停止状態で生成される静磁場構造モデルを読み込んで記憶部に格納する静磁場構造モデル読込ステップと、
    前記静磁場構造モデルの任意の位置に前記ターゲット表面と平行しプラズマが生成される断面を指定する断面指定ステップと、
    前記静磁場構造モデルの指定断面において面に対して垂直な磁場がゼロとなる領域の中心を通る無端形状のエロージョン中心線分を計算するエロージョン中心線分計算ステップと、
    前記エロージョン中心線分のエロージョンレートに基づいて前記ターゲット表面での静止エロージョンレート分布を計算する静止エロージョンレート分布計算ステップと、
    前記磁石の回転に伴う前記静止エロージョンレートの積分により回転エロージョンレート分布を計算する回転エロージョンレート分布計算ステップと、
    前記回転エロージョンレートを用いて前記対象物上の成膜レート分布を計算する成膜レート分布計算ステップと、
    を備えたことを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援方法。
  2. 請求項1記載のマグネトロンスパッタの設計支援方法に於いて、前記断面指定ステップは、ユーザの指定操作に基づいて前記静磁場構造モデルに対し任意の断面を指定することを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援方法。
  3. 請求項1記載のマグネトロンスパッタの設計支援方法に於いて、前記静磁場構造モデルは、対象空間を微小な直方体メッシュに分割し、前記直方体メッシュの所定の1頂点の座標(X[Ix],Y[Iy],Z[Iz])毎に、前記対象空間に存在する前記磁石及びターゲットの材料物性と形状に基づき三次元的に計算された磁場(Bx,By,Bz)を配置することを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援方法。
  4. 請求項3記載のマグネトロンスパッタの設計支援方法に於いて、前記エロージョン中心線分計算ステップは、前記静磁場構造モデルの指定断面が、前記直方体メッシュを切断する場合、前記直方体メッシュの切断面を挟んで垂直方向に位置する2つの頂点に設定された垂直磁場の補完計算により断面位置の垂直磁場を算出することを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援方法。
  5. 請求項3記載のマグネトロンスパッタの設計支援方法に於いて、前記エロージョン中心線分計算ステップは、
    前記静磁場構造モデルの指定断面を構成する2次元メッシュにおける格子点間の線分の中から垂直磁場の一方がプラス磁場で他方がマイナス磁場となる線分を抽出し、
    抽出した線分毎に、プラス磁場とマイナス磁場の線形補間計算により線分上の垂直磁場がゼロとなる位置を計算し、計算した垂直磁場ゼロ位置が相互に隣接するように並び替えを行い、エロージョン中心線を示す座標データを生成することを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援方法。
  6. 請求項1記載のマグネトロンスパッタの設計支援方法に於いて、前記エロージョン中心線分計算ステップは、プラズマ粒子の回転運動に伴う遠心力によるずれ量を、前記エロージョン中心線分の曲率に基づいて算出して修正することを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援方法。
  7. 請求項6記載のマグネトロンスパッタの設計支援方法に於いて、前記静止エロージョンレート分布計算ステップは、予め設定されたエロージョン中心線分上でのエロージョンレートと分布幅を読み込むと共に、前記静磁場構造モデルの指定断面を構成する2次元メッシュの格子点から前記エロージョン中心線分までの距離を計算し、前記エロージョンレート、分布幅及び距離を計算パラメータとして前記各格子点の属するセルの前記静止エロージョンレートを計算することを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援方法。
  8. 請求項1記載のマグネトロンスパッタの設計支援方法に於いて、前記成膜レート分布計算ステップは、前記回転エロージョンレート分布と散乱角度依存性から成膜レート分布を計算することを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援方法。
  9. 成膜材料であるターゲットの裏面側に配置された回転する磁石により前記ターゲットの表面側に磁場を形成してプラズマを閉じ込め、前記プラズマから発生するイオン原子を高速に前記ターゲットに衝突させることでスパッタリングを起こしてウェハ等の対象物上に薄膜を形成するマグネトロンスパッタの設計支援装置に於いて、
    前記磁石の停止状態で生成される静磁場構造モデルを読み込んで記憶部に格納する静磁場構造モデル読込部と、
    前記磁場構造モデルの任意の位置に前記ターゲット表面と平行しプラズマが生成される断面を指定する断面指定部と、
    前記静磁場構造モデルの指定断面において面に対して垂直な磁場がゼロとなる領域の中心を通る無端形状を持つエロージョン中心線分を計算するエロージョン中心線分計算部と、
    前記エロージョン中心線分のエロージョンレートに基づいて前記磁場構造モデルの指定断面での静止エロージョンレート分布を計算する静止エロージョンレート分布計算部と、
    前記磁石の回転に伴う前記静止エロージョンレートの積分により回転エロージョンレート分布を計算する回転エロージョンレート分布計算部と、
    前記回転エロージョンレートを用いて前記対象物上の成膜レート分布を計算する成膜レート分布計算部と、
    を備えたことを特徴とするマグネトロンスパッタの設計支援装置。
  10. 成膜材料であるターゲットの裏面側に配置された一定速度で回転する磁石により前記ターゲットの表面側に磁場を形成してプラズマを閉じ込め、前記プラズマから発生するイオン原子を高速に前記ターゲットに衝突させることでスパッタリングを起こしてウェハ等の対象物上に薄膜を形成するマグネトロンスパッタの設計支援装置のコンピュータに、
    前記磁石の停止状態で生成される静磁場構造モデルを読み込んで記憶部に格納する静磁場構造モデル読込みステップと、
    前記磁場構造モデルの任意の位置に前記ターゲット表面に平行しプラズマが生成される断面を指定する断面指定ステップと、
    前記静磁場構造モデルの指定断面において面に対して垂直な磁場がゼロとなる領域の中心を通る無端形状を持つエロージョン中心線分を計算するエロージョン中心線分計算ステップと、
    前記エロージョン中心線分のエロージョンレートに基づいて前記磁場構造モデルの指定断面での静止エロージョンレート分布を計算する静止エロージョンレート分布計算ステップと、
    前記磁石の回転に伴う前記静止エロージョンレートの積分により回転エロージョンレート分布を計算する回転エロージョンレート分布計算ステップと、
    前記回転エロージョンレートを用いて前記対象物上の成膜レート分布を計算する成膜レート分布計算ステップと、
    を実行させることを特徴とするプログラム。
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