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JP4884782B2 - ショック・アブソーバ - Google Patents
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本発明は、ショック・アブソーバに関する。
従来のショック・アブソーバとして、特許文献1のように、小孔からなるオリフィスをピストンの半径方向に貫通形成し、このオリフィスをピストンの移動方向へ複数連設したものがある。このショック・アブソーバでは、衝撃入力時にピストンが移動すると粘性液体がオリフィスを通じて圧力室から非圧力室へ流入して衝撃吸収を行うことができる。
しかし、かかる構造では、ピストンの移動と共にオリフィスが順次閉塞されて抗力を増加させるため、粘性液体がオリフィスを通過するときのサージにより抗力変動があった。また、ピストンが移動するとピストンがシリンダの小径部に嵌入してオリフィスが順次閉塞される構造であるため、ピストンが粘性液体の粘性抵抗を受ける粘性液体流れ方向での長さ(以下「粘性長さ」と言う。)が変化し、粘性抵抗の温度による変化の影響を受け易く、温度変化により抗力が変動する問題があった。
特開2001−198228号公報 特開2003−14027号公報
解決しようとする問題点は、サージ及び温度変化により抗力が変動する点である。
本発明は、サージ及び温度変化による抗力変動を抑制可能とするために、粘性液体を封入して液体室を形成するシリンダと、前記液体室内に移動可能に配置されたピストンと、前記粘性液体を通過させて前記ピストンに抗力を与えつつ移動を許容するオリフィスとを備えたショック・アブソーバにおいて、前記オリフィスは、前記シリンダの内周に周回状に形成された薄刃部及び前記ピストンの移動時に前記シリンダの内周に対して相対移動する前記ピストンの外周に形成され前記薄刃部との間で形成される通路面積をピストンの移動ストロークに応じて漸次傾斜変化させる傾斜変化部からな前記傾斜変化部は、前記薄刃部に対する相対位置が前記移動ストローク分ずれることにより前記通路面積の漸次傾斜変化を行わせることを最も主要な特徴とする。
本発明のショック・アブソーバは、粘性液体を封入して液体室を形成するシリンダと、前記液体室内に移動可能に配置されたピストンと、前記粘性液体を通過させて前記ピストンに抗力を与えつつ移動を許容するオリフィスとを備えたショック・アブソーバにおいて、前記オリフィスは、前記シリンダの内周に周回状に形成された薄刃部及び前記ピストンの移動時に前記シリンダの内周に対して相対移動する前記ピストンの外周に形成され前記薄刃部との間で形成される通路面積をピストンの移動ストロークに応じて漸次傾斜変化させる傾斜変化部からなり、前記傾斜変化部は、前記薄刃部に対する相対位置が前記移動ストローク分ずれることにより前記通路面積の漸次傾斜変化を行わせるため、通路面積を連続的に変化させることができ、サージによる抗力変動を抑制することができる。また、薄刃部及び傾斜変化部により通路面積を変化させると共に、粘性液体に接するピストンの粘性長さが変化しないので、粘性抵抗の影響を受け難く、温度変化による抗力変動を抑制することができる。
サージ及び温度変化による抗力変動を抑制可能にするという目的を、薄刃部及び傾斜変化部により実現した。
[ショック・アブソーバの構造]
図1は、本発明の実施例1に係るショック・アブソーバの断面図である。
図1のように、ショック・アブソーバ1は、シリンダ3とピストン5とオリフィス7とを備えている。
シリンダ3は、引き抜き鋼管などで形成され、オイル等の粘性液体を封入して液体室9を形成している。シリンダ3の内周には、薄刃部11が周回状に形成されている。薄刃部11には、カット部13a,13bが設けられ、薄刃部11の粘性長さをより短くしている。薄刃部11の断面形状は、カット部の設定によりステップ形状或いは両テーパ(両面傾斜)形状等、種々選択することができる。
ピストン5は、ピストン・ロッド15を一体に備え、液体室9内に移動可能に配置されている。ピストン5には、基部側外周に周方向数カ所のスリット17が形成され、圧力室19と非圧力室21とを連通している。ピストン5の先端側外周には、傾斜変化部としてテーパ部23が長さLの範囲で設けられている。従って、本実施例において傾斜変化部の傾斜は、テーパ部23のテーパの大きさを意味する。シリンダ3及びピストン5間には、リターン・スプリング25が介設されている。
オリフィス7は、粘性液体を通過させて前記ピストン5に抗力を与えつつ移動を許容するもので、前記薄刃部11及びテーパ部23によって構成される。オリフィス7は、薄刃部11及びテーパ部23間で形成される通路面積をピストン5の移動ストロークに応じて漸次傾斜変化させる構成となっている。本実施例では、ピストン5がシリンダ3内で移動するとき、移動ストロークに応じて通路面積を漸次減少させるように傾斜変化させ、薄刃部11が、ピストン5の一般部外周27に嵌合すると通路面積はほぼ零となる。従って、傾斜変化とは、本実施例において、オリフィス7の通路面積がピストン5の移動に応じて漸次減少することを意味する。
[衝撃吸収]
ピストン・ロッド15に制御対象物から衝撃入力があると、ピストン・ロッド15からピストン5に力が伝達され、ピストン5がシリンダ3に対して移動する。
ピストン5の移動により圧力室19内の粘性液体がオリフィス7を通過して非圧力室21側へ流動し、ピストン5の移動が許容される。粘性液体がオリフィス7を通過するとき、動圧抵抗によりピストン5に抗力が付与されてその動きが制限され、入力された衝撃が緩和される。このとき、ピストンの移動ストロークに応じてオリフィス7の通路面積が漸次減少するように傾斜変化するから、ピストン5に作用する動圧抵抗が次第に高くなる。
ピストン5の移動ストロークが大きくなり、その一般部外周27が薄刃部11に嵌合すると通路面積はほぼ零となってロック状態となる。
ピストン・ロッド15に対する制御対象物からの入力が無くなると、リターン・スプリング25の付勢力によりピストン5が、非圧力室21側へ押し戻され、元の状態に復帰する。
[実施例1の効果]
本発明実施例1のショック・アブソーバ1は、粘性液体を封入して液体室9を形成するシリンダ3と、液体室9内に移動可能に配置されたピストン5と、粘性液体を通過させてピストン5に抗力を与えつつ移動を許容するオリフィス7とを備えたショック・アブソーバ1において、オリフィス7は、シリンダ3の内周に周回状に形成された薄刃部11及びピストン5の外周に形成され薄刃部11との間で形成される通路面積をピストン5の移動ストロークに応じて漸次傾斜変化させるテーパ部23からなるため、通路面積を連続的に傾斜変化させることができ、サージによる抗力変動を抑制することができる。また、薄刃部11及びテーパ部23により通路面積を変化させると共に、流動する粘性液体に接するピストン5の粘性長さが変化しないので、粘性抵抗の温度による変化の影響を受け難く、温度変化に対して抗力変動を抑制することができる。これら抗力変動の抑制により、ショック・アブソーバ1の衝撃吸収特性を安定させることができる。
シリンダ3を引き抜き鋼管で形成する設計も可能となり、安価に製造することが可能となる。
ピストン5のテーパ部23は、NC制御工作機械により曲面を含めた任意のテーパ面に形成することができ、設計の自由度を拡げることができる。
図2は、本発明の実施例2に係り、(a)、(b)共に薄刃部の断面図である。 図2(a)の薄刃部11Aは、シリンダ3Aの内周面に周溝27を周回状に形成し、周溝27に、矩形断面のリング部材としてピストン・リング29を嵌合固定したものである。ピストン・リング29の材質は、鋳鉄、テフロン(登録商標)(充填剤入りを含む)等が用いられている。
この図2(a)の構造でも、実施例1と同様な効果を奏することができる。
また、シリンダ3A側に周溝27を設けることで薄刃部11Aを構成することができるため、シリンダ3A側の加工がより容易となる。
図2(b)は、ピストン・リング29にカット部31を設けて薄刃部11Bとしたものである。
カット部31を設けることで、粘性液体に接する粘性長さをより短くすることができ、粘性抵抗の温度による変化の影響をより受け難くすることができる。
図3は、本発明の実施例3に係り、(a)は、ピストンの断面図、(b)は、同端面図である。
図3(a)、(b)のように、本実施例では、ピストン5Cの傾斜変化部を、深さ傾斜溝部33とした。深さ傾斜溝部33は、溝深さを変化させたものであり、ピストン5Cの基部側から先端側へ漸次深くなるように設定されている。従って、本実施例の傾斜変化部の傾斜は、溝深さの変化を意味する。ピストン5Cの先端側の外径は、一般部外周27の外径と同等に設定されている。但し、先端側の外径を、一般部外周27の外径よりも若干小さく形成することも可能である。
従って、ピストン5Cの移動ストロークに応じて薄刃部11,11A,11Bが深さ傾斜溝部33の溝深さの浅い側に位置することになり、通路面積を連続的に変化させることができ、同様な効果を奏することができる。また、溝深さの変化でオリフィス7の通路面積を傾斜変化させるため、溝深さの変化及び溝の本数の設定により抗力を容易に調整することができる。
図4は、本発明の実施例4に係るピストンの平面図である。
図4のように、本実施例では、ピストン5Dの傾斜変化部を、幅傾斜溝部35とした。幅傾斜溝部35は、溝幅を変化させたものであり、ピストン5Dの基部側から先端側へ漸次広くなるように設定されている。従って、本実施例の傾斜変化部の傾斜は、溝幅の変化を意味する。ピストン5Dの先端側の外径は、一般部外周27の外径と同等に設定されている。但し、先端側の外径を、一般部外周27の外径よりも若干小さく形成することも可能である。
従って、ピストン5Dの移動ストロークに応じて薄刃部11,11A,11Bが幅傾斜溝部35の溝幅の狭い側に位置することになり、通路面積を連続的に変化させることができ、同様な効果を奏することができる。また、溝幅の変化でオリフィス7の通路面積を傾斜変化させるため、溝幅の変化及び溝の本数の設定により抗力を容易に調整することができる。
ピストンの傾斜変化部を、実施例4,5の構造を合わせたものにすることもできる。すなわち、深さ傾斜溝部33、幅傾斜溝部35に代えて溝深さ及び溝幅を変化させる深さ幅傾斜溝部としたものである。この深さ幅傾斜溝部は、溝深さ及び溝幅を変化させたものであり、ピストンの基部側から先端側へ漸次深く且つ漸次広くなるように設定されている。従って、本実施例の傾斜変化部の傾斜は、溝深さ及び溝幅の変化を意味する。
本実施例では、限られた長さにおいて通路面積をより急峻に変化させることができる。
ショック・アブソーバの断面図である(実施例1)。 (a)(b)は、薄刃部の断面図である(実施例2)。 (a)は、ピストンの断面図、(b)は、ピストンの端面図である(実施例3)。 ピストンの平面図である(実施例4)。
符号の説明
1 ショック・アブソーバ
3,3A,3B シリンダ
5,5C,5D ピストン
7 オリフィス
9 液体室
11,11A,11B 薄刃部
23 テーパ部(傾斜変化部)
27 周溝
29 ピストン・リング(リング部材)
33 深さ傾斜溝部(傾斜変化部)
35 幅傾斜溝部(傾斜変化部)

Claims (6)

  1. 粘性液体を封入して液体室を形成するシリンダと、
    前記液体室内に移動可能に配置されたピストンと、
    前記粘性液体を通過させて前記ピストンに抗力を与えつつ移動を許容するオリフィスとを備えたショック・アブソーバにおいて、
    前記オリフィスは、前記シリンダの内周に周回状に形成された薄刃部及び前記ピストンの移動時に前記シリンダの内周に対して相対移動する前記ピストンの外周に形成され前記薄刃部との間で形成される通路面積をピストンの移動ストロークに応じて漸次傾斜変化させる傾斜変化部からな
    前記傾斜変化部は、前記薄刃部に対する相対位置が前記移動ストローク分ずれることにより前記通路面積の漸次傾斜変化を行わせる、
    ことを特徴とするショック・アブソーバ。
  2. 請求項1記載のショック・アブソーバであって、
    前記傾斜変化部は、テーパ部である
    ことを特徴とするショック・アブソーバ。
  3. 請求項1記載のショック・アブソーバであって、
    前記傾斜変化部は、溝深さを変化させる深さ傾斜溝部である
    ことを特徴とするショック・アブソーバ。
  4. 請求項1記載のショック・アブソーバであって、
    前記傾斜変化部は、溝幅を変化させる幅傾斜溝部である
    ことを特徴とするショック・アブソーバ。
  5. 請求項1記載のショック・アブソーバであって、
    前記傾斜変化部は、溝深さ及び溝幅を変化させる深さ幅傾斜溝部である
    ことを特徴とするショック・アブソーバ。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載のショック・アブソーバであって、
    前記薄刃部は、前記シリンダの内周面に形成された周溝に嵌合固定されたリング部材で構成された
    ことを特徴とするショック・アブソーバ。
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