JP4885811B2 - ポリカーボネート樹脂とその製造法および電子写真感光体 - Google Patents
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Description
(1)下記の一般式〔1〕で表される繰返し単位(1)および一般式〔2〕で表される繰返し単位(2)を、繰返し単位(1)と繰返し単位(2)の合計に対する繰返し単位(1)のモル比〔(1)/((1)+(2))〕が、0.001〜1となる割合で有するポリカーボネート樹脂。
(3)上記(1)又は(2)に記載のポリカーボネート樹脂を架橋して得られる架橋ポリカーボネート樹脂。
(4)脂肪族不飽和炭化水素基を含有するポリカーボネート樹脂に、珪素原子上に水素原子および加水分解性の基を有する珪素化合物を反応させることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
(5) 前記珪素化合物が珪素原子上に水素原子と加水分解性の基および非加水分解性の基を有する珪素化合物である上記(4)に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
(6)前記珪素化合物が下記一般式〔4〕で表される珪素化合物である上記(4)又は(5)に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
(7)導電性基体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、該感光層に上記(3)記載の架橋ポリカーボネート樹脂を含有していることを特徴とする電子写真感光体。
(8)前記架橋ポリカーボネート樹脂が、請求項5記載の方法で製造したポリカーボネート樹脂を架橋させてなる架橋ポリカーボネート樹脂である上記(7)に記載の電子写真感光体。
(9)前記架橋ポリカーボネート樹脂が、脂肪族不飽和炭化水素基を含有するポリカーボネート樹脂に、トリアルコキシシランを反応させてなるポリカーボネート樹脂の架橋物である上記(7)に記載の電子写真感光体。
(10)前記架橋ポリカーボネート樹脂が、脂肪族不飽和炭化水素基を含有するポリカーボネート樹脂に、トリストリアルキルシロキシシランを反応させてなるポリカーボネート樹脂の架橋物である上記(8)記載の電子写真感光体。
(11)前記感光層が、少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層と、少なくとも電荷輸送物質およびバインダー樹脂を含有する電荷輸送層からなるものである上記(7)〜(10)のいずれかに記載の電子写真感光体。
このようにして得られる架橋ポリカーボネート樹脂は、高い透明性を保持しているので、高度の透明性の要求される素材に適している。また、架橋密度を高めても脆性が低下するという問題を生ずることなく、耐熱性や耐衝撃性、耐摩耗性などの機械的性質、さらに電気絶縁性に優れていることから、このような諸性質を兼ね備えていることが要求される電気機器、電子機器、光学機器などの構成部材や部品、自動車部品、金属あるいは木工製品のコート材、塗料など広い産業分野において、有用性の高い素材として利用することができる。
実施例1
(1)ポリカーボネート樹脂の製造
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン74gを、6重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液550ミリリットルに溶解した溶液に、塩化メチレン250ミリリットルを加えて攪拌しながら、冷却下、該溶液にホスゲンガスを950ミリリットル/分間の割合で15分間吹き込んだ。ついで、この反応液を静置して有機層を分離し、重合度が2〜4であり、分子末端がクロロホーメート基であるポリカーボネートオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。
つぎに、ここで得られたポリカーボネート樹脂0.5gおよび珪素化合物としてメチルジエトキシシラン0.097gを、使用直前に蒸留した重クロロホルム20ミリリットルに溶解し、触媒として白金−1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液(濃度:5重量%)0.014gを加え、室温において、攪拌下に1時間反応させた。ここで得られた重合体につき、1H−NMRスペクトルの測定をし、この反応前の測定結果と対比したところ、アリル基に基づく吸収ピーク(3.5ppmおよび5.1ppm)が消失し、新たに1.2ppmおよび3.7ppmにエトキシ基に基づく吸収ピークが認められた。したがって、この重合体は、下記化学構造を有するシリル基含有ポリカーボネート樹脂であると認められた。
上記(1)で得られたアリル基含有ポリカーボネート樹脂0.5gおよび珪素化合物としてメチルジエトキシシラン0.097gをメチレンクロライド5ミリリットルに溶解し、触媒として白金−シクロメチルビニルシロキサン錯体の5重量%濃度の末端ジビニルポリジメチルシロキサン溶液0.002gを添加した後、これをポリエチレンテレフタレートフィルム上にアプリケータでキャストした。ついで、このキャストフィルムを、1時間風乾した後、120℃において、常圧で2時間反応させ、さらに、120℃、1mmHgで、12時間乾燥してヒドロシリル化および脱水縮合を行うことにより、架橋化されたポリカーボネート樹脂フィルムを得た。この架橋ポリカーボネート樹脂は、下記化学構造を有するものであった。
上記(3)で得られた架橋ポリカーボネート樹脂フィルムにつき、20℃での塩化メチレンへの溶解性の有無を調べた結果、全く不溶であった。つぎに、この架橋ポリカーボネート樹脂フィルムについて、その透明性を評価するため可視光線の光線透過率を測定するとともに、スガ試験機社製のスガ摩耗試験機NUS−ISO−3型を用いて、耐摩耗性の評価試験をした。摩耗試験の条件としては、500gの荷重をかけた摩耗紙(スガ試験機社製;粒径3ミクロンのアルミナ粒子を含有)上で、試料を2000回往復運動させた後の試料の重量減少量を測定する方法を採用した。これら結果を第1表に示す。第1表中の透明性の欄に、○印が表示してあるものは、350〜600nmの波長域の全域における光線透過率が90%以上であったことを示し、×印が表示してあるものは、350〜600nmの波長域において光線透過率が90%未満の波長域があったことを示す。
(1)ポリカーボネート樹脂の製造
実施例1で用いた2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンに代えて、3,3'−ジアリル−4,4'−ジヒドロキシビフェニル17.8gを用いた他は、実施例1と同様にして、ポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂の還元粘度〔ηsp/c〕は、0.86デシリットル/gであった。また、1H−NMRスペクトルを測定した結果、3.5ppmおよび5.1ppmのアリル基に基づく吸収ピークと、7〜8ppmの全芳香族水素に基づく吸収ピークとの強度比から、このポリカーボネート樹脂の共重合組成を算出した結果、〔a〕2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに由来する繰返し単位と、〔b〕3,3'−ジアリル−4,4'−ジヒドロキシビフェニルに由来する繰返し単位とが、〔a〕:〔b〕=0.85:0.15であった。
ついで、このポリカーボネート樹脂に、実施例1の(2)と同様にして、シリル基含有ポリカーボネート樹脂を製造した。このものは、下記化学構造を有するものであると認められた。
上記(1)で得られたアリル基含有ポリカーボネート樹脂を実施例1の(3)と同様に処理して、架橋ポリカーボネート樹脂を得た。このものは、下記化学構造を有するものであった。
上記(3)で得られた架橋ポリカーボネート樹脂は、20℃の塩化メチレンに全く不溶であった。また、この樹脂についても実施例1の(4)と同様にして、透明性および耐摩耗性の評価をした。結果を第1表に示す。
(1)ポリカーボネート樹脂の製造
実施例1で用いた2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに代えて、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン87gを用い、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンに代えて、9,9−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)フルオレン30.7gを用いた他は、実施例1と同様にして、ポリカーボネート樹脂を得た。ここで得られたポリカーボネート樹脂の還元粘度〔ηsp/c〕は、0.85デシリットル/gであった。また、1H−NMRスペクトルを測定した結果、3.5ppmおよび5.1ppmのアリル基に基づく吸収ピーク、および7〜8ppmの全芳香族水素に基づく吸収ピークの強度比から、このポリカーボネート樹脂の共重合組成を算出した結果、〔a〕1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンに由来する繰返し単位と、〔b〕9,9−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)フルオレンに由来する繰返し単位とが、〔a〕:〔b〕=0.80:0.20であった。
ついで、このポリカーボネート樹脂に、実施例1の(2)と同様にして、シリル基含有ポリカーボネート樹脂を製造した。このものは、下記化学構造を有するものであると認められた。
上記(1)で得られたアリル基含有ポリカーボネート樹脂を実施例1の(3)と同様に処理して、架橋ポリカーボネート樹脂を得た。このものは、下記化学構造を有するものであった。
上記(3)で得られた架橋ポリカーボネート樹脂は、20℃の塩化メチレンに全く不溶であった。また、この樹脂についても実施例1の(4)と同様にして、透明性および耐摩耗性の評価をした。結果を第1表に示す。
(1)ポリカーボネート樹脂の製造
実施例1で用いた2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに代えて2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン83gを用い、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンに代えて、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン12.8gおよび2,7−ジヒドロキシ−3,6−ジアリルナフタレン5.5gを用いた他は、実施例1と同様にして、ポリカーボネート樹脂を得た。ここで得られたポリカーボネート樹脂の還元粘度〔ηsp/c〕は、0.83デシリットル/gであった。また、1H−NMRスペクトルを測定した結果、3.5ppmおよび5.1ppmのアリル基に基づく吸収ピークと、1.7ppmの2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンに基づく吸収ピークおよび7〜8ppmの全芳香族水素に基づく吸収ピークの強度比から、このポリカーボネート樹脂の共重合組成を算出した結果、〔a〕2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンに由来する繰返し単位と、〔b〕1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンに由来する繰返し単位、および〔c〕2,7−ジヒドロキシ−3,6−ジアリルナフタレンに由来する繰返し単位とが、〔a〕:〔b〕:〔c〕=0.85:0.10:0.05であった。
ついで、このポリカーボネート樹脂に、実施例1の(2)と同様にして、シリル基含有ポリカーボネート樹脂を製造した。このものは、下記化学構造を有するものであると認められた。
上記(1)で得られたアリル基含有ポリカーボネート樹脂を実施例1の(3)と同様に処理して、架橋ポリカーボネート樹脂を得た。このものは、下記化学構造を有するものであった。
上記(3)で得られた架橋ポリカーボネート樹脂は、20℃の塩化メチレンに全く不溶であった。また、この樹脂についても実施例1の(4)と同様にして、透明性および耐摩耗性の評価をした。結果を第1表に示す。
(1)ポリカーボネート樹脂の製造
実施例1で用いた2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに代えて1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン109gを用い、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンに代えて2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニニル)プロパン6.5gおよび1,1−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン17.4gを用いた他は、実施例1と同様にして、ポリカーボネート樹脂を得た。ここで得られたポリカーボネート樹脂の還元粘度〔ηsp/c〕は、0.78デシリットル/gであった。また、1H−NMRスペクトルを測定した結果、3.5ppmおよび5.1ppmのアリル基に基づく吸収ピークと、6.8ppmの2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンに基づく吸収ピーク、および7〜8ppmの全芳香族水素に基づく吸収ピークの強度比から、このポリカーボネート樹脂の共重合組成を算出した結果、〔a〕1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに由来する繰返し単位と、〔b〕2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンに由来する繰返し単位、および〔c〕1,1−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンに由来する繰返し単位とが、〔a〕:〔b〕:〔c〕=0.80:0.05:0.15であった。(2)シリル基含有ポリカーボネート樹脂の製造ついで、このポリカーボネート樹脂に、実施例1の(2)と同様にして、シリル基含有ポリカーボネート樹脂を製造した。このものは、下記化学構造を有するものであると認められた。
上記(1)で得られたアリル基含有ポリカーボネート樹脂を実施例1の(3)と同様に処理して、架橋ポリカーボネート樹脂を得た。このものは、下記化学構造を有するものであった。
上記(3)で得られた架橋ポリカーボネート樹脂は、20℃の塩化メチレンに全く不溶であった。また、この樹脂についても実施例1の(4)と同様にして、透明性および耐摩耗性の評価をした。結果を第1表に示す。
(1)ポリカーボネート樹脂の製造
実施例1で用いた2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに代えて3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−プロペン73gを用い、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンに代えてビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン23.6gおよび下記シリコーン変性ビスフェノール1gを用いた他は、実施例1と同様にして、ポリカーボネート樹脂を得た。
(2)シリル基含有ポリカーボネート樹脂の製造
ついで、このポリカーボネート樹脂に、実施例1の(2)と同様にして、シリル基含有ポリカーボネート樹脂を製造した。このものは、下記化学構造を有するものであると認められた。
上記(1)で得られたビニル基含有ポリカーボネート樹脂を実施例1の(3)と同様に処理して、架橋ポリカーボネート樹脂を得た。このものは、下記化学構造を有するものであった。
上記(3)で得られた架橋ポリカーボネート樹脂は、20℃の塩化メチレンに全く不溶であった。また、この樹脂についても実施例1の(4)と同様にして、透明性および耐摩耗性の評価をした。結果を第1表に示す。
(1)ポリカーボネート樹脂の製造
実施例1で用いた2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンに代えて2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン5.2gを用い、かつ、分子量調節剤として用いたp−tert−ブチルフェノールに代えて2−アリルフェノール11.8gを用いたほかは、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂を得た。
ついで、このポリカーボネート樹脂に、実施例1の(2)と同様にして、シリル基含有ポリカーボネート樹脂を製造した。このものは、下記化学構造を有するものであると認められた。
上記(1)で得られたアリル基含有ポリカーボネート樹脂を実施例1の(3)と同様に処理して、架橋ポリカーボネート樹脂を得た。このものは、下記化学構造を有するものであった。
上記(3)で得られた架橋ポリカーボネート樹脂は、20℃の塩化メチレンに全く不溶であった。また、この樹脂についても実施例1の(4)と同様にして、透明性および耐摩耗性の評価をした。結果を第1表に示す。
(1)ポリカーボネート樹脂の製造
実施例2と同様にして、実施例2と同一の化学構造を有するポリカーボネート樹脂を製造した。
(2)シリル基含有ポリカーボネート樹脂の製造
上記(1)で得たポリカーボネート樹脂に、珪素化合物としてジメチルエトキシシラン0.076gを反応させた他は、実施例2の(2)と同様にして、シリル基含有ポリカーボネート樹脂を得た。このものは、下記化学構造を有するものであった。
上記(1)で得られたアリル基含有ポリカーボネート樹脂を、珪素化合物としてジメチルエトキシシラン0.076gに変更した他は、実施例2の(3)と同様に処理して、架橋ポリカーボネート樹脂を得た。このものは、下記化学構造を有するものであった。
上記(3)で得られた架橋ポリカーボネート樹脂は、20℃の塩化メチレンに全く不溶であった。また、この樹脂についても実施例1の(4)と同様にして、透明性および耐摩耗性の評価をした。結果を第1表に示す。
(1)ポリカーボネート樹脂の製造
実施例2と同様にして、実施例2と同一の化学構造を有するポリカーボネート樹脂を製造した。(2)シリル基含有ポリカーボネート樹脂の製造上記(1)で得たポリカーボネート樹脂に、珪素化合物としてトリス(トリメチルシロキシ)シラン0.215gを反応させた他は、実施例2の(2)と同様にして、シリル基含有ポリカーボネート樹脂を得た。このものは、下記化学構造を有するものであった。
上記(1)で得られたアリル基含有ポリカーボネート樹脂を、珪素化合物としてトリス(トリメチルシロキシ)シラン0.215gに変更した他は、実施例2の(3)と同様に処理して、架橋ポリカーボネート樹脂を得た。このものは、下記化学構造を有するものであった。
上記(3)で得られた架橋ポリカーボネート樹脂は、20℃の塩化メチレンに全く不溶であった。また、この樹脂についても実施例1の(4)と同様にして、透明性および耐摩耗性の評価をした。結果を第1表に示す。
(1)ポリカーボネート樹脂の製造
実施例2と同様にして、実施例2と同一の化学構造を有するポリカーボネート樹脂を製造した。
(2)シリル基含有ポリカーボネート樹脂の製造
上記(1)で得たポリカーボネート樹脂に、珪素化合物としてトリエトキシシラン0.119gを反応させた他は、実施例2の(2)と同様にして、シリル基含有ポリカーボネート樹脂を得た。このものは、下記化学構造を有するものであった。
上記(1)で得られたアリル基含有ポリカーボネート樹脂を、珪素化合物としてトリエトキシシラン0.119gに変更した他は、実施例2の(3)と同様に処理して、架橋ポリカーボネート樹脂を得た。このものは、下記化学構造を有するものであった。
上記(3)で得られた架橋ポリカーボネート樹脂は、20℃の塩化メチレンに全く不溶であった。また、この樹脂についても実施例1の(4)と同様にして、透明性および耐摩耗性の評価をした。結果を第1表に示す。
前述の特開平4−29314号公報記載の実施例と同じ方法により、ポリカーボネート樹脂を製造し、架橋処理した後、得られた架橋ポリカーボネート樹脂の透明性および耐摩耗性の評価をした。すなわち、攪拌機と温度計、ガス導入管および還流冷却器を備えた三つ口フラスコに、乾燥窒素ガスを流しながら濃度48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液53.7重量部、水230.8重量部、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒトロキシフェニル)プロパン31.4重量部、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン27.3重量部を仕込んで溶解した。この溶液を20℃に冷却し、攪拌しながらホスゲンガス26.2重量部を1時間かけて徐々に導入した。ついで、濃度48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液8.4重量部を加え、さらに反応停止剤としてp−tert−ブチルフェノール0.61重量部を加え、30℃で1時間重合反応を続けた。反応終了後、塩化メチレン層を分離して塩酸酸性にした後、水洗して溶存塩類を除去した。その後、塩化メチレンを蒸発して固体を得た。この重合体の還元粘度は1.2デシリットル/gであった。
上記比較例1において得られた架橋処理を施す前のポリカーボネート樹脂0.5gとアゾビスイソブチロニトリル0.025gに、塩化メチレン5ミリリットルを加えて溶解し、塗工液とした。この塗工液を、厚み250ミクロンのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、アプリケーターを用いてキャスト製膜した。つぎに、これを140℃において1時間加熱することにより、架橋反応を行い、ついで、120℃、1mmHgにおいて12時間乾燥することによって、架橋ポリカーボネート樹脂フィルムを得た。
原料の二価フェノールとして2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを用いて製造した還元粘度0.77デシリットル/gのポリカーボネート樹脂0.5gを、塩化メチレン5ミリリットルに溶解させた後、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、実施例1の(3)と同様にキャスト製膜した。このようにして得られた架橋ポリカーボネート樹脂につき、前記実施例1の(4)と同様に透明性および耐摩耗性の評価をした。結果を第1表に示す。
導電性基体としてアルミニウム金属を蒸着したポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを用い、その表面に、電荷発生層と電荷輸送層を順次積層して積層型感光層を形成した電子写真感光体を製造した。電荷発生物質としてオキソチタニウムフタロシアニン0.5重量部を用い、バインダー樹脂としてはブチラール樹脂0.5重量部を用いた。これらを溶媒の塩化メチレン19重量部に加え、ボールミルにて分散し、この分散液をバーコーターにより、前記導電性基体フィルム表面に塗工し、乾燥させることにより、膜厚約0.5ミクロンの電荷発生層を形成した。
電荷輸送層のバインダー樹脂として、実施例1記載のアリル基含有ポリカーボネート樹脂に代えて、実施例2〜6、参考例1、実施例8〜10に記載のアリル基またはビニル基含有ポリカーボネート樹脂をそれぞれ使用した他は、いずれも実施例11と同様にして、電子写真感光体を製造し評価した。これら評価結果を第2表に示す。
電荷輸送層のバインダー樹脂として、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを原料とするポリカーボネート樹脂(還元粘度;0.77デシリットル/g)を使用した他は、実施例11と同様にして、電子写真感光体を製造し評価した。その結果を第2表に示す。
電荷輸送層のバインダー樹脂として、前記特開平4−291348号公報に記載の実施例と同一の方法で製造した、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンと2,2−ビス(3−アリル−4−ヒトロキシフェニル)プロパンとに由来する繰返し単位のモル比が1:1であり、還元粘度が1.2デシリットル/gのポリカーボネート樹脂を用い、これに、架橋剤としてペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、および光重合開始剤〔チバ・ガイギー社製;イルガキュア−907〕を配合し、モノクロルベンゼンとジクロルベンゼンとの混合溶媒に溶解させて、浸漬法により塗膜を形成した。
Claims (14)
- 下記の一般式〔1〕で表される繰返し単位(1)および一般式〔2〕で表される繰返し単位(2)を、繰返し単位(1)と繰返し単位(2)の合計に対する繰返し単位(1)のモル比〔(1)/((1)+(2))〕が、0.001〜1となる割合で有するポリカーボネート樹脂。
〔式〔1〕中、Ar1 は、下記の〔1b〕又は〔1c〕で表される。
{式〔1b〕及び〔1c〕中のAは、−(CH2)h−、−O−(CH2)h−、−CO−(CH2)h−、−COO−(CH2)h−で表される基(ただし、hは0〜6の整数である)であり、FGは、−SiR7 3-m−Zm(ただし、Zは炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、トリアルキルシロキシ基またはハロゲン原子であり、R7は各々独立に炭素数1〜6の飽和または不飽和炭化水素基、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基であり、mは1〜3の整数である)であり、式〔1b〕及び〔1c〕中のR1は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリールオキシ基であり、qは1または2であり、rは各々独立に0〜4の整数であり、sは1〜6の整数である。}、
一般式〔2〕中のAr2は、下記の〔2a〕、〔2b〕、〔2c〕又は〔2d〕で表 される。
(式〔2a〕〜〔2d〕中のR6、rは、それぞれ、前記R1、rと同じ意味を有し、kは0〜6の整数、tは0〜6の整数、gは0〜200の整数である。
また、X2は、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−CR3R4−(ただし、R3、R4は各々独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、トリフルオロメチル基または炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基である)、炭素数5〜12の置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基、炭素数2〜12の置換もしくは無置換のα,ω−アルキレン基、9,9−フルオレニリデン基、1,8−メンタンジイル基、2,8−メンタンジイル基、置換もしくは無置換のピラジリデン基、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリーレン基または下記一般式〔3〕、
(式〔3〕中のR5は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリールオキシ基であり、tは0〜6の整数であり、gは0〜200の整数である。)で表される基である。)〕 - 請求項1に記載のポリカーボネート樹脂を架橋して得られる架橋ポリカーボネート樹脂。
- 脂肪族不飽和炭化水素基を含有するポリカーボネート樹脂に、珪素原子上に水素原子および加水分解性の基を有する珪素化合物を反応させることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記珪素化合物が珪素原子上に水素原子と加水分解性の基および非加水分解性の基を有する珪素化合物である請求項3に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 導電性基体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、該感光層に請求項2記載の架橋ポリカーボネート樹脂を含有していることを特徴とする電子写真感光体。
- 前記架橋ポリカーボネート樹脂が、請求項4記載の方法で製造したポリカーボネート樹脂を架橋させてなる架橋ポリカーボネート樹脂である請求項6に記載の電子写真感光体。
- 前記架橋ポリカーボネート樹脂が、脂肪族不飽和炭化水素基を含有するポリカーボネート樹脂に、トリアルコキシシランを反応させてなるポリカーボネート樹脂の架橋物である請求項6に記載の電子写真感光体。
- 前記架橋ポリカーボネート樹脂が、脂肪族不飽和炭化水素基を含有するポリカーボネート樹脂に、トリストリアルキルシロキシシランを反応させてなるポリカーボネート樹脂の架橋物である請求項6記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が、少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層と、少なくとも電荷輸送物質およびバインダー樹脂を含有する電荷輸送層からなるものである請求項6〜9のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 下記の一般式〔1〕で表される繰り返し単位(1)および一般式〔2〕で表される繰り返し単位(2)を、繰り返し単位(1)と繰り返し単位(2)の合計に対する繰り返し単位(1)のモル比〔(1)/((1)+(2))〕が、0.001〜1となる割合で有するポリカーボネート樹脂を架橋して得られる架橋ポリカーボネート樹脂の製造方法であって、
脂肪族不飽和炭化水素基を含有するポリカーボネート樹脂と、
珪素原子上に水素原子および加水分解性の基を有する珪素化合物と、
遷移金属触媒、塩基系触媒およびラジカル化学種から選択される1種または2種以上の物質
とを溶媒の存在下に混合して混合液を得、得られた混合液を用いて膜を形成し、その後、加熱処理してヒドロシリル化反応及び架橋反応を行なう、前記架橋ポリカーボネート樹脂の製造方法。
〔式〔1〕中、Ar1 は、下記の〔1a〕で表される。
{式〔1a〕中のX1は、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−CR3R4−(ただし、R3、R4は各々独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、トリフルオロメチル基または炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基である)、炭素数5〜12の置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基、炭素数2〜12の置換もしくは無置換のα,ω−アルキレン基、9,9−フルオレニリデン基、1,8−メンタンジイル基、2,8−メンタンジイル基、置換もしくは無置換のピラジリデン基、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリーレン基または下記一般式〔3〕、
(式〔3〕中のR5は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリールオキシ基であり、tは0〜6の整数であり、gは0〜200の整数である。)で表される基であり、式〔1a〕中のAは、−(CH2)h−、−O−(CH2)h−、−CO−(CH2)h−、−COO−(CH2)h−で表される基(ただし、hは0〜6の整数である)であり、FGは、−SiR7 3-m−Zm(ただし、Zは炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、トリアルキルシロキシ基またはハロゲン原子であり、R7は各々独立に炭素数1〜6の飽和または不飽和炭化水素基、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基であり、mは1〜3の整数である)であり、p1、p2は0〜4の整数(ただしp1+p2は1〜8の整数である)であり、式〔1a〕中のR1は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリールオキシ基である。}、
一般式〔2〕中のAr2は、下記の〔2a〕、〔2b〕、〔2c〕又は〔2d〕で表される。
(式〔2a〕〜〔2d〕中のX2、R6、t、gは、それぞれ、前記X1、R1、t、gと同じ意味を有し、kは0〜6の整数、rは0〜4の整数である)〕 - 前記珪素化合物が珪素原子上に水素原子と加水分解性の基および非加水分解性の基を有する珪素化合物である請求項11に記載の架橋ポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記珪素化合物がトリアルコキシシラン又はトリストリアルキルシロキシシランである、請求項13に記載の架橋ポリカーボネート樹脂の製造方法。
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