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JP4887638B2 - 燃料電池システムの制御装置 - Google Patents
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JP4887638B2 - 燃料電池システムの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに係り、特に燃料電池の電流電圧特性を学習する燃料電池システムの制御装置に関する。
燃料電池は、燃料ガスと酸化剤ガスとの供給が続く限り発電を継続できる発電装置であるが、使用過程において電極触媒や電解質が劣化し、電流電圧特性及び最大出力が低下する。
このように経時変化する燃料電池の電流と電圧の特性を学習するシステムとして、特許文献1に開示されたシステムがある。この技術は、燃料電池の電流と電圧の関係の近似式を導出し、この近似式の各項の係数を学習パラメータとしている。そして燃料電池の電流電圧の検出値から最小二乗法などの一般的な学習アルゴリズムを用いて、その学習パラメータ値を演算することによって、電流と電圧との関係を学習するものである。
また、特許文献2には、燃料電池へ供給する燃料ガスの圧力と燃料電池の温度に基づいて燃料電池の基本出力特性を導出し、この基本出力特性と燃料電池の内部抵抗とを用いて燃料電池の電流電圧特性を推定する技術が開示されている。
特開2000−357526号公報(第5頁、図2) 特開2002−231295号公報(第6頁、図2)
しかしながら、燃料電池の出力電流と出力電圧の関係は、燃料電池に供給するガス圧力の変動によっても変化する。つまり、燃料電池の出力電流が一定であっても、ガス圧力が変動する場合には、出力電圧が変動し、出力電流と出力電圧の関係が一時的に変化してしまう。従って、このような場合に、燃料電池の電流と電圧の特性の学習を実施すると、一時的に、その学習結果が変動してしまうという問題点があった。
上記問題点を解決するために本発明は、燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学反応させて発電する燃料電池と、該燃料電池に燃料ガスを供給する燃料供給手段と、該燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段とを備えた燃料電池システムの制御装置において、前記燃料電池の出力電流を検出する出力電流検出手段と、前記燃料電池の出力電圧を検出する出力電圧検出手段と、前記出力電流と前記出力電圧との関係である電流電圧特性を学習する電流電圧特性学習手段と、前記電流電圧特性に影響を与える前記燃料電池の状態量を検出する状態検出手段と、前記状態量の変動量に基づいて、前記電流電圧特性学習手段による学習を許可または禁止する学習許可手段と、を備え、前記学習許可手段は、所定時間における前記酸化剤ガスの圧力の変動量と前記燃料ガスの圧力の変動量とが、共に第1の閾値以下である場合には、前記出力電流と前記出力電圧の関係の学習を許可することを要旨とする燃料電池システムの制御装置である。
学習許可手段は、燃料電池の電流電圧特性に影響を与える燃料電池の状態量、例えば、燃料ガス圧力、酸化剤ガス圧力、出力電流の変動量に応じて、電流電圧特性学習手段による電流電圧特性の学習を許可または禁止するので、状態量の変動量が燃料電池の電流電圧特性に影響を与えない場合には学習を許可し、状態量の変動量が燃料電池の電流電圧特性に影響を与える場合には学習を禁止することができる。
本発明によれば、燃料電池の電流電圧特性に影響を与える状態量の変動量が閾値を超える場合には、電流電圧特性の学習を行わないことによって、誤学習を防止し、常に正確な電流電圧特性の学習を行うことができる。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る燃料電池システムの制御装置の実施例1を備えた燃料電池システムの構成を例示する概略構成図である。図1において、燃料電池システム1は、例えば固体高分子電解質を用いた燃料電池スタック2、燃料ガスとして水素を貯蔵する水素タンク3、水素圧力制御弁4、エゼクタ5、水素循環流路7、水素パージ弁8、酸化剤ガスとして空気を供給するコンプレッサ9、空気供給流路10、空気圧力制御弁11、空気入口温度センサ12、空気入口圧力センサ13、水素入口温度センサ14、水素入口圧力センサ15、燃料電池スタック2の出力電流を検出する電流センサ18、燃料電池スタック2の出力電圧を検出する電圧センサ19、電力制御装置20、燃料電池システム1全体を制御するとともに電流電圧特性学習手段および学習許可手段を兼ねるコントローラ21を備えている。
水素タンク3から供給される水素は、水素圧力制御弁4を経由して、エゼクタ5に供給される。エゼクタ5に供給された水素は、水素循環流路7を通過してきた水素と混合され、燃料電池スタック2のアノードに供給される。燃料電池スタック2のアノード入口での水素の温度と圧力はそれぞれ、水素入口温度センサ14、水素入口圧力センサ15で測定される。水素圧力制御弁4は、水素入口圧力センサ15で測定される圧力が燃料電池の要求出力に応じた圧力となるようにコントローラ21から制御される。通常は水素パージ弁8は閉じており、燃料電池スタック2のアノード出口から排出される水素は、水素循環流路7を介してエゼクタ5へ循環する。燃料電池スタック2内に水溢れ(以下フラッディング)等が発生した場合や、燃料電池スタック2の運転圧を低下させる場合などには、水素パージ弁8を開けて水素循環流路7および燃料電池スタック2に存在する水素を排出する。
酸化剤ガスとなる空気は、コンプレッサ9により供給される。コンプレッサ9が圧縮した空気は、空気供給経路10を介して燃料電池スタック2へ供給される。燃料電池スタック2のカソード入口での空気の圧力は空気入口圧力センサ13で測定され、カソード出口側に配置された空気圧力制御弁11で制御される。また、燃料電池スタック2のカソード入口での空気の温度は空気入口温度センサ12により計測される。
空気入口温度センサ12、空気入口圧力センサ13、水素入口温度センサ14、水素入口圧力センサ15、電流センサ18、および電圧センサ19は、それぞれコントローラ21の入力端子に接続され、各検出信号をコントローラ21へ入力する。
また、水素圧力調整弁4、水素パージ弁8、コンプレッサ9、空気圧力制御弁11、および電力制御装置20は、それぞれコントローラ21の出力端子に接続され、コントローラ21が出力する制御信号により制御される。
コントローラ21は、入力された各センサの信号から燃料電池スタック2の運転状態を判断し、燃料電池システム1全体を制御する。またコントローラ21は、各センサから入力された燃料電池スタック2の状態量の変動量に基づいて、燃料電池スタック2の電流電圧特性の学習を許可または禁止する。
また、コントローラ21は、特に限定されないが本実施例では、CPUと、制御プログラムおよび制御マップ等の制御パラメータを予め記憶したROMと、作業用RAMと、入出力インタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。
また、燃料電池スタック2から取り出す電力は、電力制御装置20によって制御される。この電力制御装置20は、入力電圧を昇圧及び降圧できる昇降圧型のDC/DCコンバータであり、燃料電池スタック2と、ここでは図示しない電気負荷の間に配置され、燃料電池スタック2の発電電力を制御する。
図2は、実施例1における燃料電池スタック2の電流電圧特性の学習方法を説明するフローチャートであり、所定時間周期に実行される。本実施例は、燃料電池スタックに供給する水素ガス圧力及び空気圧力を燃料電池の電流電圧特性に影響を与える状態量とした実施例である。尚、以下のフローチャートでは、今回の状態量の検出値に添え字[t]を付与し、前回(所定時間前)の状態量の検出値に添え字[t−1]を付与している。
まず、ステップ(以下、ステップをSと略す)10において、電流センサ18を用いて燃料電池スタック2より出力される電流値It を検出する。次いで、S12において、電圧センサ19を用いて燃料電池スタック2より出力される電圧値Vt を検出する。
次に、S14において、水素入口圧力センサ15を用いて、燃料電池スタック2入口の水素の圧力値PHt を検出し、S16で空気入口圧力センサ13を用いて燃料電池スタック2入口の空気の圧力値PAt を検出する。
次に、S18とS20において、水素圧力値と空気圧力値のそれぞれの定常判断を行う。これら水素圧力と空気圧力は、運転圧力が変動していると出力電流と出力電圧の関係が変動するため、燃料電池の電流電圧特性を安定して学習できない。従って、燃料電池の電流電圧特性の変化の検出は、水素圧力と空気圧力の両方の圧力が定常であるときに行なう。
このため、S18では、S14で検出した水素圧力値PHt と水素圧力値の前回値PHt-1 との変動量|PHt −PHt-1 |が第1の閾値ΔP1 以下となった場合に、定常と判断する。S20では、S18で検出した空気圧力値PAt と空気圧力値の前回値PAt-1 との変動量|PAt −PAt-1 |が第1の閾値ΔP1 以下となった場合に、定常と判断する。
S18またはS20で定常と判断されなかった場合には、電流電圧特性の学習を禁止し、S24へ進む。S18及びS20で水素圧力値及び空気圧力値が共に定常と判断された場合には、燃料電池スタック2の電流電圧特性の学習を許可してS22へ進む。
S22では、S10及びS12で検出された電流電圧データ(It ,Vt )を用いて燃料電池スタック2の電流電圧特性の学習を行う。
ここでは、電流値It と電圧値Vt とを用いて、入力(独立変数)を電流、出力(従属変数)を電圧として近似した1次関数で表す。その1次関数を、
Y=A・X+B …式(1)
と定式化する。ここで、Xは電流、Yは電圧とする。また、学習するパラメータとして、電流電圧特性の傾きをA、電流電圧特性のY切片をBとする。
そして、学習値の更新方法は、計測した実電圧と、上記式(1)に実電流を入力して求めた学習値との誤差に基づいて、学習パラメータを、逐次型最小二乗法を用いた逐次パラメータ推定アルゴリズムにて更新を行うことで実現する。
また、この他の電流電圧特性の学習方法として、電流を入力として、その電流に対する学習結果として電圧を出力するテーブルデータを持ち、検出した電流と電圧の関係に基づいて、そのテーブルデータを更新して学習を行う方法などを用いてもよい。
S24では、今回の燃料電池の状態量(PHt ,PAt )を前回値の格納領域へ格納して、次回の本ルーチンの実行に備え、本処理を終了する。
以上説明した本実施例によれば、電流電圧特性に影響を与える状態量として、酸化剤ガス圧力と燃料ガス圧力を用い、燃料ガス圧力及び酸化剤ガス圧力の変動量が定常と判断する第1の閾値を設定することで、酸化剤ガスと燃料ガスの圧力変動による燃料電池の電流電圧特性の影響がわかり、的確な電流電圧特性の学習の許可又は禁止の判断をすることができるという効果がある。
尚、本実施例の変形例として、ガス圧力の定常判断は、燃料電池スタック2に供給する水素圧力と空気圧力の目標ガス圧力を用いて、それぞれの目標ガス圧力の変動量が所定値以下となった場合としてもよい。この場合、目標ガス圧力は、例えば図3に示したテーブルデータを用いて算出する。これにより、燃料電池に供給するガス圧力を検出しなくても、目標ガス圧力による燃料電池の電流電圧特性を学習できるので、ガス圧力を検出するセンサのノイズに影響しないシステムを構成することができる。
次に実施例2を説明する。実施例2の燃料電池システムの制御装置が適用されるシステム構成図は、図1に示した実施例1と同様である。
図4は、実施例2における燃料電池スタック2の電流電圧特性の学習方法を説明するフローチャートであり、所定時間周期に実行される。図2に示した実施例1のフローチャートとは、水素ガス圧力及び空気圧力の定常判断が異なり、図2のS18に代えてS30,S20に代えてS32が設けられている。その他のステップは、図2と同様であるので、同じステップ番号を付与して重複する説明を省略する。
燃料電池スタック2へ供給する水素圧力が変動すると、出力電流と出力電圧の関係が変動するため、安定して燃料電池の電流電圧特性を学習できない。従って、燃料電池の電流電圧特性の変化の検出は、水素圧力が定常であるときに行なう必要がある。
このため、S30において、S14で検出した水素圧力値PHt と水素圧力値の前回値PHt-1 との変動量|PHt −PHt-1 |が第2の閾値ΔP2 以下となった場合に、定常と判断する。そして、圧力が定常の場合には、S32へ進み、圧力が定常でない場合は、学習を禁止してS24へ進む。
次に、S32において、S16で検出した空気圧力値PAt の定常判断を行う。空気圧力が変動すると、出力電流と出力電圧の関係が変動するため、安定して燃料電池の電流電圧特性を学習できない。従って、燃料電池の電流電圧特性の変化の検出は、空気圧力が定常であるときに行なう必要がある。ここでは、S16で検出した空気圧力値PAt と空気圧力値の前回値PAt-1 との変動量|PAt −PAt-1 |が第3の閾値ΔP3 以下となった場合に、定常と判断する。ここで、空気圧力は水素圧力よりも電流電圧特性への影響が大きいため、第3の閾値ΔP3 を第2の閾値ΔP2 より小さくした方が、より精度の高い電流電圧特性を学習することができる。
そして、圧力が定常の場合には、燃料電池スタック2の電流電圧特性の学習を許可してS22へ進み、圧力が定常でない場合は、電流電圧特性の学習を禁止してS24へ進む。S22及びS24の処理は、図2の実施例1と同様である。
以上説明した本実施例によれば、燃料電池の電流電圧特性に影響を与える状態量として、酸化剤ガス圧力と燃料ガス圧力とを用い、酸化剤ガス圧力の変動量が第2の閾値以下であり、かつ燃料ガス圧力の変動量が第3の閾値以下である場合には、出力電流と出力電圧の関係の学習を許可することとしたので、これらの閾値を個別に設定することができ、酸化剤ガス圧力の変動量と燃料ガス圧力の変動量の、それぞれの電流電圧特性に対する影響度に応じて、燃料電池の電流電圧特性の学習を許可または禁止の判断をすることができるという効果がある。
次に実施例3を説明する。実施例3の燃料電池システムの制御装置が適用されるシステム構成図は、図1に示した実施例1と同様である。
図5は、実施例3における燃料電池スタック2の電流電圧特性の学習方法を説明するフローチャートであり、所定時間周期に実行される。図2に示した実施例1のフローチャートに対して、S40〜S48の処理が異なり、S10〜S16,S22〜S24の処理は同じである。
本実施例では、S40における燃料電池の負荷が通常負荷域か極高負荷域かの判断が付加され、通常負荷域における定常判断は、実施例1と同様の第1の閾値ΔP1 を用いている。しかし、燃料電池の極高負荷域における定常判断は、極高負荷域では濃度分極の影響が大きいため、ガス圧力の変動量に対して電圧の変動量が非常に大きくなるので、第1の閾値ΔP1 より小さくした第7の閾値ΔP7 を用いている。
図5のS40において、燃料電池の発電量が極高負荷域であるかの判断を行う。ここでは、燃料電池の出力電流It が第4の閾値I4 以上である場合には、極高負荷域と判断してS42へ進み、第4の閾値I4 未満である場合には、通常負荷域と判断してS46へ進む。
S42及びS44においては、極高負荷域でのガス圧力の変動量が定常であるかの判断を行う。このため、S42では、S14で検出した水素圧力値PHt と水素圧力値の前回値PHt-1 との変動量|PHt −PHt-1 |が第7の閾値ΔP7 (ΔP7 <ΔP1 )以下となった場合に、定常と判断する。S44では、S18で検出した空気圧力値PAt と空気圧力値の前回値PAt-1 との変動量|PAt −PAt-1 |が第7の閾値ΔP7 以下となった場合に、定常と判断する。
S42またはS44で定常と判断されなかった場合には、電流電圧特性の学習を禁止し、S24へ進む。S42及びS44で水素圧力値及び空気圧力値が共に定常と判断された場合には、燃料電池スタック2の電流電圧特性の学習を許可してS22へ進む。
S46及びS48においては、通常負荷域でのガス圧力の変動量が定常であるかの判断を行う。このため、S46では、S14で検出した水素圧力値PHt と水素圧力値の前回値PHt-1 との変動量|PHt −PHt-1 |が第1の閾値ΔP1 以下となった場合に、定常と判断する。S48では、S18で検出した空気圧力値PAt と空気圧力値の前回値PAt-1 との変動量|PAt −PAt-1 |が第1の閾値ΔP1 以下となった場合に、定常と判断する。
S46またはS48で定常と判断されなかった場合には、電流電圧特性の学習を禁止し、S24へ進む。S46及びS48で水素圧力値及び空気圧力値が共に定常と判断された場合には、燃料電池スタック2の電流電圧特性の学習を許可してS22へ進む。S22及びS24の処理は、図2の実施例1と同様である。
以上説明した本実施例によれば、燃料電池の出力電流が第4の閾値以上である場合には、そうでない場合に比べて酸化剤ガス圧力または燃料ガス圧力の変動量を定常と判断する第1から第3の閾値を小さくする構成としたので、燃料電池の極高負荷の濃度分極が顕著に現れる領域では、酸化剤ガス圧力と燃料ガス圧力の変動量に対する燃料電池の出力電圧の変動量が大きくなるので、この閾値を設定することにより、より正確に燃料電池の電流電圧特性の学習を許可するか否かを判断することができる。
次に実施例4を説明する。実施例4の燃料電池システムの制御装置が適用されるシステム構成図は、図1に示した実施例1と同様である。
図6は、実施例4における燃料電池スタック2の電流電圧特性の学習方法を説明するフローチャートであり、所定時間周期に実行される。本実施例は、燃料電池スタックの出力電流を燃料電池の電流電圧特性に影響を与える状態量とした実施例である。
まず、S10において、電流センサ18を用いて燃料電池スタック2より出力される電流値It を検出する。次いで、S12において、電圧センサ19を用いて燃料電池スタック2より出力される電圧値Vt を検出する。
次に、S50において、燃料電池スタック2の発電量が極低負荷域、或いは、極高負荷域であるかの判断を行う。ここでは、燃料電池の出力電流It が第5の閾値I5 と、第5の閾値I5 より大きい第6の閾値I6 との間にある場合には、通常負荷と判断してS52へ進み、第5の閾値I5 未満、或いは、第6の閾値を超えていれば、極低負荷域、或いは、極高負荷域と判断して、S54へ進む。
次に、S52において、S10で検出した出力電流It が定常であるかの判断を行う。この定常判断は、燃料電池システムの負荷変動時に安定して計測できない電流電圧データを除去するために行う。ここでは検出した出力電流It と出力電流の前回値It-1 との変動量|It −It-1 |が第8の閾値ΔI8 以下になった場合に、定常と判断する。また、この他の発電状態の定常判断方法として、所定時間計測した電流の分散値が所定値以下になった場合に、定常と判断するという方法などを適用してもよい。そして、出力電流が定常であると判断した場合には、燃料電池の電流電圧特性の学習を許可してS22へ進み、定常でなければ、燃料電池の電流電圧特性の学習を禁止してS24へ進む。
次に、S22では、S10及びS12で検出された電流電圧データ(It ,Vt )を用いて燃料電池スタック2の電流電圧特性の学習を行う。S22の学習内容は、実施例1のS22と同様である。
S24では、今回の燃料電池の状態量(PHt ,PAt )を前回値の格納領域へ格納して、次回の本ルーチンの実行に備え、本処理を終了する。
一方、S54では、極高負荷域、或いは、極低負荷域でのS10で検出した出力電流It が定常であるかの判断を行う。燃料電池は極高負荷域では濃度分極の影響が大きい為、電流の変動量に対して電圧の変動量が非常に大きくなる。同様に極低負荷域では活性化分極の影響が大きい為、電流の変動量に対して電圧の変動量が非常に大きくなる。従って、この領域では、第8の閾値ΔI8 より小さくした第9の閾値ΔI9 を設け、検出した出力電流It と出力電流の前回値It-1 との変動量|It −It-1 |が第9の閾値ΔI9 以下になった場合に、定常と判断する。このことにより、より精度の高い電流電圧特性の学習をすることができる。
S54で定常と判断した場合には、燃料電池の電流電圧特性の学習を許可してS22へ進み、定常でなければ、燃料電池の電流電圧特性の学習を禁止してS24へ進む。S22及びS24の処理は、図2の実施例1と同様である。
以上説明したように、燃料電池の出力電流が第5の閾値以上であり、かつ、第5の閾値より大きい第6の閾値以下である場合には、出力電流の変動量が、第8の閾値以下である場合に、電流電圧特性の学習を許可し、出力電流が第5の閾値未満である場合、或いは、出力電流が第6の閾値以上である場合には、出力電流の変動量が、第8の閾値より小さい第9の閾値以下である場合に、電流電圧特性の学習を許可する構成としたので、極高負荷の濃度分極が顕著に現れる領域、或いは、極低負荷の活性化分極が顕著に現れる領域では、これ以外の通常負荷領域と比べて、燃料電池の出力電流の変動に対する出力電圧の変動量が大きいと考えられるため、この閾値を、これ以外の領域の閾値と比べて小さくすることにより、燃料電池の特徴に合わせた電流電圧特性の学習を行うことができる。
なお、燃料電池の電流電圧特性を学習する際には、ガス圧力の定常判断と出力電流の定常判断を組み合わせて実施してもよいとする。
本発明に係る燃料電池システムの制御装置の実施例1を説明するシステム構成図である。 実施例1における学習制御処理を説明するフローチャートである。 実施例1において目標ガス圧力を算出するためのテーブルデータ例である。 実施例2における学習制御処理を説明するフローチャートである。 実施例3における学習制御処理を説明するフローチャートである。 実施例4における学習制御処理を説明するフローチャートである。
符号の説明
1:燃料電池システム
2:燃料電池スタック
3:水素タンク
4:水素圧力調整弁
5:エゼクタ
7:水素循環流路
8:水素パージ弁
9:コンプレッサ
10:空気供給流路
11:空気圧力制御弁
12:空気入口温度センサ
13:空気入口圧力センサ
14:水素入口温度センサ
15:水素入口圧力センサ
18:電流センサ
19:電圧センサ
20:電力制御装置
21:コントローラ(電流電圧特性学習手段、学習許可手段)

Claims (6)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学反応させて発電する燃料電池と、該燃料電池に燃料ガスを供給する燃料供給手段と、該燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段とを備えた燃料電池システムの制御装置において、
    前記燃料電池の出力電流を検出する出力電流検出手段と、
    前記燃料電池の出力電圧を検出する出力電圧検出手段と、
    前記出力電流と前記出力電圧との関係である電流電圧特性を学習する電流電圧特性学習手段と、
    前記電流電圧特性に影響を与える前記燃料電池の状態量を検出する状態検出手段と、
    前記状態量の変動量に基づいて、前記電流電圧特性学習手段による学習を許可または禁止する学習許可手段と、を備え
    前記学習許可手段は、
    所定時間における前記酸化剤ガスの圧力の変動量と前記燃料ガスの圧力の変動量とが、共に第1の閾値以下である場合には、前記出力電流と前記出力電圧の関係の学習を許可することを特徴とする燃料電池システムの制御装置。
  2. 前記学習許可手段は、
    所定時間における前記酸化剤ガスの圧力の変動量が第2の閾値以下であり、かつ前記燃料ガスの圧力の変動量が第3の閾値以下である場合には、前記出力電流と前記出力電圧の関係の学習を許可する手段であることを特徴とする請求項に記載の燃料電池システムの制御装置。
  3. 前記第2の閾値は、前記第3の閾値より小さく設定することを特徴とする請求項に記載の燃料電池システムの制御装置。
  4. 前記出力電流が第4の閾値以上である場合には、前記第1乃至第3の何れかの閾値に代えて、それぞれより小さく設定した第7の閾値を用いることを特徴とする請求項乃至請求項の何れか1項に記載の燃料電池システムの制御装置。
  5. 前記酸化剤ガスの目標圧力を演算する目標酸化剤ガス圧力演算手段と、
    前記燃料ガスの目標圧力を演算する目標燃料ガス圧力演算手段とを備え、
    前記学習許可手段は、
    前記酸化剤ガスの目標圧力の変動量と前記燃料ガスの目標のガス圧力の変動量に基づいて、前記出力電流と前記出力電圧の関係の学習を許可することを特徴とする請求項乃至請求項の何れか1項に記載の燃料電池システムの制御装置。
  6. 前記学習許可手段は、
    前記出力電流が第5の閾値以上であり、かつ、第5の閾値より大きい第6の閾値以下である場合には、前記出力電流の変動量が、第8の閾値以下である場合に、前記出力電流と前記出力電圧の学習を許可し、
    前記出力電流が第5の閾値未満である場合、或いは、前記出力電流が第6の閾値以上である場合には、前記出力電流の変動量が、第8の閾値より小さい第9の閾値以下である場合に、前記出力電流と前記出力電圧の学習を許可することを特徴とする請求項乃至請求項の何れか1項に記載の燃料電池システムの制御装置。
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