JP4888643B2 - 導電性高分子微粒子分散体及びそれを用いる導電性塗料 - Google Patents
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Description
1)長期貯蔵安定に優れ、
2)基材に塗布し乾燥させることにより、容易に基材との密着性に優れた導電層を形成でき、
3)形成された導電層は、薄膜で高い透明性を保持することができ、
4)該導電層は、高い耐摩耗性を有し、
5)更に、塗布した状態で湿度に依存せず低い抵抗値を保持できる
等の優れた特徴を有する導電性塗料及び該導電性塗料に使用する導電性高分子微粒子分散体に関するものである。
いる為に、ここで得られた導電性分散液は、PET等のフィルム上に薄膜で塗布した場合、ここで用いられるPVAが導通を妨げる事から、低い抵抗値を得る事ができない。
従って、ここでは、得られたポリピロール均一水分散液を、基板に塗布した後に乾燥してフィルム化してその抵抗値を測定しているが、ポリピロールーPVA複合の膜をフィルム化するには数10μm以上の厚さが必要であり、この厚みでの透明性は全くなく、単な
る黒色の複合フィルムの抵抗値を評価しているにすぎないのである。
さらには、水溶性高分子であるPVAや界面活性剤を大量に含むことで、空気中の水分の影響によるイオン導電性が発現するため、抵抗値が湿度に依存して変化するという欠点があった。
1)長期貯蔵安定に優れ、
2)基材に塗布し乾燥させることにより、容易に基材との密着性に優れた導電層を形成でき、
3)形成された導電層は、薄膜で高い透明性を保持することができ、
4)該導電層は、高い耐摩耗性を有し、
5)更に、塗布した状態で湿度に依存せず低い抵抗値を保持できる
等の優れた特徴を有する導電性塗料及び該導電性塗料に使用する導電性高分子微粒子分散体を極めて経済的に提供する事にある。
即ち、本発明は、水中において、導電性高分子を形成するモノマーを反応性乳化剤の存在下で化学酸化重合することにより得られる、導電性高分子微粒子分散体に関する。
また、本発明は、前記導電性高分子微粒子分散体を含有する導電性塗料に関する。
前記化学酸化重合と同時にラジカル重合を行う前記導電性高分子微粒子分散体、
前記導電性高分子を形成するモノマーが、ピロール、アニリン、チオフェン及びそれらの
誘導体よりなる群から選択される1種もしくは2種以上を含む前記導電性高分子微粒子分散体、
反応性乳化剤と共重合可能な水溶性モノマーを更に添加して重合する前記導電性高分子微粒子分散体、
前記導電性高分子微粒子分散体であって、導電性高分子を形成するモノマーが重合したポリマー粒子の表面が、反応性乳化剤のポリマーで被覆されているか又は反応性乳化剤と反応性乳化剤と共重合可能な水溶性モノマー及び/又は親水性モノマーとで共重合したポリマーで被覆されている導電性高分子微粒子分散体、
である。
従って、本発明の導電性塗料は、上記の導電性高分子微粒子分散体を含有するので、所要の導電性及び基材との密着性の他、高い耐摩耗性を有する塗膜を形成することができる。
また、反応性乳化剤と共重合可能な水溶性モノマー及び/又は親水性モノマーを添加して重合(化学酸化重合及びラジカル重合)を行うと、導電性高分子の微粒子化と同時にポリマー粒子表面に被覆(付着)して形成された共重合体が、基材との密着性を向上させるバインダーとして作用するため、導電性を阻害し、また、透明性を低下させる成分となるバインダー樹脂を新たに添加する必要がなく、そのため、密着性、透明性に優れ、抵抗値の低い導電層が得られるのである。
また、上記導電層は、導電性微粒子の抵抗値の湿度依存性を引き起こす、過剰な水溶性高分子や界面活性剤を使用せず製造されるため、その抵抗値は湿度に依存しないものとなる。
更に、導電性微粒子の分散を損なわないバインダーの選定を新たに行う必要もなく、バインダーを加える工程もない事から、簡略化がはかれ生産性も向上するため、極めて経済的である。
本発明に使用する反応性乳化剤は、重合可能な置換基を有する乳化剤であり、重合可能な置換基としては、二重結合を有する置換基等が挙げられる。
本発明に使用する反応性乳化剤の具体例としては、以下に示す式(A)ないし式(F)で表される構造を有する化合物を含有するものが挙げられる。
尚、反応性乳化剤と共重合可能なモノマーとしては、水溶性、親水性のラジカル重合性モノマーであれば特に制限はなく、アクリル系モノマーやビニル系モノマーなどが挙げられ、特に好ましくはアクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、N−ビニルピロリドン、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル等が挙げられる。
チオフェンおよびそれらの誘導体よりなる群から選択される1種もしくは2種以上である。
ェニルピロール、N−ナフチルピロール、N−メチル−3−メチルピロール、N−メチル−3−エチルピロール、N−フェニル−3−メチルピロール、N−フェニル−3−エチルピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−ブチルピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−n−プロポキシピロール、3−n−ブトキシピロール、3−フェニルピロール、3−トルイルピロール、3−ナフチルピロール、3−フェノキシピロール、3−メチルフェノキシピロール、3−アミノピロール、3−ジメチルアミノピロール、3−ジエチルアミノピロール、3−ジフェニルアミノピロール、3−メチルフェニルアミノピロール、3−フェニルナフチルアミノピロール等が挙げられる。また、アニリン誘導体としては、o−メチルアニリン、m−メチルアニリン、o−エチルアニリン、m−エチルアニリン、o−エトキシアニリン、m−ブチルアニリン、m−ヘキシルアニリン、m−オクチルアニリン、2,3−ジメチルアニリン、2,5−ジメチルアニリン、2,5−ジメトキシアニリン、o−シアノアニリン、2,5−ジクロロアニリン、2−ブロモアニリン、5−クロロ−2−メトキシアニリン、3−フェノキシアニリン等が上げられる。また、チオフェン誘導体としては、3−メチルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−ステアリルチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−メトキシジエトキシメチルチオフェン、3−フェニルチオフェン、3−ベンジルチオフェン、3−メチル−4−フェニルチオフェン等が挙げられる。好ましくは、ピロール、チオフェン及びアニリンが挙げられ、特に好ましくは、ピロールが挙げられる。
ラジカル開始剤を使用する際の使用量としては、上記酸化剤の使用量と同様の使用量が挙げられる。
(a)水(例えばイオン交換水)に導電性高分子を形成するモノマー、反応性乳化剤及び所望により反応性乳化剤と共重合可能な水溶性モノマー及び/又は親水性モノマー、また、所望によりドーパントを添加して混合攪拌する工程、
(b)上記で調製した水溶液に、酸化剤及び所望によりラジカル開始剤を添加し、所望により加熱することにより化学酸化重合(場合により、化学酸化重合及びラジカル重合)し、導電性高分子微粒子分散体を製造する工程。
また、必要に応じてバインダー等を加えて、導電性塗料として使用することもできる。尚、使用するバインダーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フ
ェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン樹
脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
上記に記載した方法により得られた導電性塗料は、慣用の方法で基材上にコーティングし、必要に応じて加熱を行って、乾燥させることによって容易に基材上に導電層を形成させることができる。
従って、本発明の製造方法により得られた導電性高分子微粒子分散体は、導電性塗料、防錆塗料、半導体材料、コンデンサ用電解質、有機EL素子の正孔輸送材、二次電池用電極材として有用である。
ジカル重合)に際し、ドーパントを共存させることによって、更なる導電性能の向上も可能である。更には、導電性高分子微粒子水分散体を基材上にコーティングした際、反応性乳化剤と共重合したポリマーが基材との密着性を向上させるバインダーとして作用し、それにより、別途バインダーを添加する必要がなく、そのため、密着性、透明性に優れた、抵抗値の低い導電性薄膜が得られるものである。
イオン交換水40gにピロール65mgと反応性乳化剤A 0.15gを加えて10分撹拌し、過硫酸アンモニウム(0.19M)10mLを添加して、反応温度60℃で24時間重合反応を行った。黒色の導電性高分子微粒子の水分散体を得た。
イオン交換水20gにアクリロニトリル40mgを溶解させ、これに、イオン交換水10gにピロール65mgと反応性乳化剤A 0.15gをそれぞれ溶解させたものを加え、過硫酸アンモニウム(0.19M)10mLを添加して、反応温度60℃で24時間重合反応を行った。黒色の導電性高分子微粒子の水分散体を得た。
イオン交換水40gにピロール65mgと反応性乳化剤B 0.375g(有効成分0.15g)を加えて10分撹拌し、過硫酸アンモニウム(0.19M)10mLを添加して、反応温度60℃で24時間重合反応を行った。黒色の導電性高分子微粒子の水分散体を得た。
イオン交換水40gにピロール65mgと反応性乳化剤A 0.15gを加えて10分
撹拌し、過硫酸アンモニウム(0.19M)10mLを添加して、反応温度25℃で24時間重合反応を行った。黒色の導電性高分子微粒子の水分散体を得た。
導電性高分子を形成するモノマーとして、アニリンを用いた以外は、実施例1と同様に行った。
イオン交換水20gにアクリロニトリル40mgを溶解させ、これに、イオン交換水10gにピロール65mgと反応性乳化剤C 0.167g(有効成分0.15g)をそれぞれ溶解させたものを加え、過硫酸アンモニウム(0.19M)10mLを添加して、反応温度60℃で24時間重合反応を行った。黒色の導電性微粒子水分散体を得た。
反応性乳化剤を添加しなかった以外は、実施例1と同様に行った。ポリピロールの凝集体が得られ、水溶液中に分散せず、導電性薄膜は作成できなかった。
反応性乳化剤の代わりに、ドデシル硫酸ナトリウム0.15gを使用した以外は、実施例1と同様に行った。
反応性乳化剤の代わりに、ポリビニルアルコール(完全ケン化タイプ、重合度1700、5%水溶液)を0.65g(固形分32.5mg)使用した以外は、実施例1と同様に行った。ポリピロールの凝集体が得られ、水溶液中に分散せず、導電性薄膜は作成できなかった。
実施例1〜6および比較例1〜3で得た導電性高分子微粒子について、平均粒子径および全均一係数を、Microtrac Nanotrac UPA−EX150(日機装株式会社製)による粒度分布測定(モノディスパースモード)から求めた。この粒度分布から、全体積を100%として累積曲線を求め、その累積曲線が50%となる点の粒子径を平均粒子径とした。また、60%の粒子径(d60%)を10%の粒子径(d10%)で除した値(d60%/d10%)と、90%の粒子径(d90%)を40%の粒子径(d40%)で除した値(d90%/d40%)を加えた値((d60%/d10%)+(d90%/d40%))を全均一係数とした。従って、(d60%/d10%)および(d90%/d40%)がそれぞれ1.0に近いほど、また((d60%/d10%)+(d90%/d40%))が2.0に近いほど、粒子径分布幅が狭くなることを示す。結果を表2に表した。
実施例1〜6および比較例1〜3で得た導電性高分子微粒子分散液の分散安定性の評価は、遠心式自動粒度分布測定装置CAPA−500(株式会社堀場製作所製)を用いて、5000rpmの遠心下での相対吸光度の経時変化から評価した。10分間遠心後の相対吸光度を表2に表した。
表2
実施例1〜6および比較例1〜3で得た導電性高分子微粒子分散液をバーコーター#8を用いて均一に塗布し、乾燥させて得られた導電性薄膜の表面抵抗値(Ω)をハイレスタ抵抗計およびローレスタ抵抗計(それぞれ三菱化学株式会社製)を用いて測定した。湿度50%における測定結果を表3に表した。
実施例1〜6および比較例1〜3の導電性薄膜の光線透過率(透明性、%)は、分光光度計(日本分光株式会社製)を用いて、ベースの基材をリファレンスとして550nmで測定した。結果を表3に表した。
実施例1〜6および比較例1〜3の導電性薄膜の密着性の評価は、JISK5600−5−6により行った。評価の基準は、0〜5に分類した。結果を表3に表した。
実施例1〜6および比較例1〜3の導電性薄膜の耐摩耗性の評価は、JISL0849による摩擦試験を行い、乾燥及び湿潤条件における耐摩耗性について、JISL0801に基づき、良好な順に5級から1級まで分類した。結果を表3に表した。
Claims (6)
- 水中において、導電性高分子を形成するモノマーを反応性乳化剤の存在下で化学酸化重合することにより得られる、導電性高分子微粒子分散体。
- 前記化学酸化重合と同時にラジカル重合を行う請求項1記載の導電性高分子微粒子分散体。
- 前記導電性高分子を形成するモノマーが、ピロール、アニリン、チオフェン及びそれらの誘導体よりなる群から選択される1種もしくは2種以上を含む請求項1記載の導電性高分子微粒子分散体。
- 反応性乳化剤と共重合可能な水溶性モノマー及び/又は親水性モノマーを更に添加して重合する請求項1ないし3の何れか1項に記載の導電性高分子微粒子分散体。
- 請求項1ないし4の何れか1項に記載の導電性高分子微粒子分散体であって、導電性高分子を形成するモノマーが重合したポリマー粒子の表面が、反応性乳化剤のポリマーで被覆されているか又は反応性乳化剤と反応性乳化剤と共重合可能な水溶性モノマー及び/又は親水性モノマーとで共重合したポリマーで被覆されている導電性高分子微粒子分散体。
- 請求項1ないし5の何れか1項に記載の導電性高分子微粒子分散体を含有する導電性塗料。
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