しかしながら、上記特許文献に記載のPLCシステムに採用される一括リストア技術は、主PLCの所定記憶媒体から読み出したバックアップ用データをそのままデータバスを介して必要な各ユニットに設定するものであるから、ほぼ同一箇所に設置されかつバス接続される一群のPLC(主PLC及び増設用PLC)並びにその周辺コンポーネントの一括リストアには有効ではあるが、フィールドネットワークを介して分散配置される複数PLCの一括リストアに適用するためには、それら記憶媒体から読み出されたバックアップ用データをさらにネットワーク上の各PLCが受信処理可能なデータに変換する処理が必要となり、主PLC側のソフトウェア負担が増大する。
加えて、このように記憶媒体から読み出されるバックアップ用データをフィールドネットワーク上の各PLCが受信処理可能なデータに変換する処理を主PLC側のソフトウェアに負担させると、フィールドネットワーク上に新たに別のPLCが追加されたり、既存のPLCが別の機種に交換されたりすると、その都度、主PLC側のソフトウェアをインストールし直さねばならず、煩雑に耐えないと言う問題点がある。
この発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、PLCやPLCのリモートI/Oターミナル等のような制御用機器を複数台分散配置すると共に、それらをフィールドネットワークを介して結んで構成される分散型制御システムにおいて、それらのフィールドネットワークを介して結ばれた複数の制御用機器のそれぞれにおける設定情報のリストアを、ツール装置を使用することなく、簡単な操作で、かつ特定の制御用機器に過大なソフトウェア負担をかけることなく、実行可能とすることにある。
又、この発明は、制御用機器として安全制御用の安全PLCが使用される場合のように、設定用データの設定誤りが許されない状況においても、そのようなリストア作業を現場作業員等の設定操作に不慣れな者でも間違いなく実行可能とすることにある。
この発明のさらに他の目的並びに作用効果については、明細書の以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
上記の発明が解決しようとする課題は、以下の構成を有する分散型制御システムにより解決することができる。
基本的な前提事項として、この分散型制御システムは、PLCやPLCのリモートI/Oターミナル等のような制御用機器を複数台分散配置すると共に、それらをフィールドネットワークを介して結んで構成され、前記複数台の制御用機器のそれぞれには、その機器の動作仕様を定義するための設定情報がストアされる設定情報記憶手段と、前記設定情報記憶手段にストアされた設定情報の内容を、フィールドネットワークを介して受信されるリストア要求フレームに応答して自動的にリストアするリストア動作自動実行手段とが含まれており、それにより、前記フィールドネットワークに直接又は間接に接続されたツール装置を操作して、フィールドネットワーク上にリストア要求フレームを送り出すことにより、そのリストア要求フレームの送信先となる制御用機器の設定情報記憶手段の内容を遠隔操作でリストア可能とされている。
なお、「制御用機器」としては。PLCやリモートI/Oターミナルのほか、汎用ディスクリートI/O、フィールドアダプタ、セーフティネットワークコントローラ、セーフティディスクリートI/O等々のように、この種の制御現場に通常配置される様々な制御用機器を挙げることができる。
「PLC」としては、ユーザプログラム実行機能及び通信機能を少なくとも有するものであればよく、その物理的な形態は、PLCの全体を複数の制御モジュール(CPUユニット、I/Oユニット、各種高機能ユニット、通信ユニット等々)で構成してなるビルディングブロック型のものでもよいし、それらの制御モジュールの機能を1つのハウジングに収容してなるオールインワン型のものでもよい。なお、「PLC」は、一般制御用の汎用PLCであっても、安全制御用の安全PLCであってもよく、システム構成として、これらが混在しているものでもよい。
「設定情報」とは、対象となる制御用機器の動作仕様を定義するための情報であり、例えば、PLCの設定情報(ユーザプログラム、システム設定など)やリモートI/Oターミナルの設定情報(IO設定など)を意味するものである。ただし、設定対象となる「設定情報」には、ネットワーク設定用パラメータ(フィールドノードアドレス、フィールド速度)は、含まれない。すなわち、ネットワーク設定用パラメータについては、ユーザが必要に応じて予め各制御用機器に設定していることを前提とする。制御用機器がビルディングブロック型PLCのように複数のユニットから構成される場合は、設定情報自体も各ユニットに対応して用意される。オールインワン型の制御用機器の場合には、その制御用機器に関する設定情報となる。
上記の基本的な前提事項に加えて、この分散型制御システムは、次のような構成が付加される。すなわち、前記制御用機器の少なくとも1つは、設定情報発信局として位置付けられると共に、その他の制御用機器は設定情報受信局として位置付けられる。そして、発信局として位置付けられた制御用機器には、「フレーム構成データ記憶手段」と「リストア要求自動送信手段」とが設けられる。
フレーム構成データ記憶手段には、受信局として位置付けられた制御用機器の設定情報記憶手段の記憶内容を遠隔操作でリストアする際に、前記ツール装置からフィールドネットワーク上に送り出されるべきリストア要求フレームのフレーム構成データが記憶される。また、リストア要求自動送信手段は、所定の起動指令が与えられるのに応答して、前記フレーム構成データ記憶手段に一連に記憶されたフレーム構成データを各受信局毎に順次に読み出してリストア要求フレームを作成すると共に、こうして作成されたリストア要求フレームをフィールドネットワーク上へと送り出す動作を実行する。
ここで、「所定の起動指令」の与え方については、様々な方法が考えられる。1つの例としては、当該発信局となる制御用機器それ自体に起動スイッチを設け、この起動スイッチの手動操作を待ってリストア要求自動送信処理を開始するものが考えられる。他の例としては、ユーザプログラムを介して制御されるフラグを設け、このフラグが“1”にセットされたタイミングを検知して、リストア要求自動送信処理を開始するものが考えられる。さらに他の例としては、ネットワークを介して他の制御用機器から所定の起動コマンドが到来したことを検知して、リストア要求自動送信処理を開始するものが考えられる。
以上の構成により、前記発信局となる制御用機器に対して所定の起動指令を与えるだけで、前記ツール装置を操作することなく、前記受信局となる各制御用機器の設定情報記憶手段の内容を遠隔操作でリストア可能とされる。
ここで、「フレーム構成データ」には、各制御用機器のそれぞれが解釈実行可能な「リストア要求コマンド」と、そのリストア要求コマンドを修飾する「コマンド修飾データ」とが含まれる。「コマンド修飾データ」には、そのリストア要求コマンドの送信元となる「送信元ノードアドレス」及びそのリストア要求コマンドの送信先となる「送信先ノードアドレス」のほか、そのリストア要求コマンドによりリストアされるべき「設定情報」が少なくとも含まれる。
「フレーム構成データ記憶手段」には、原則として、それらの「フレーム構成データ」の全てが各制御用機器毎に記憶される。もっとも、全ての制御用機器において共通に使用可能であれば、「リストア要求コマンド」については、各制御用機器毎に重複して記憶させる必要はないであろう。また、「送信元ノードアドレス」のように、既知のデータについても、各制御用機器毎に重複して記憶させる必要はないであろう。
「フレーム構成データ記憶手段」の物理的形態としては、様々なものを採用することができる。1つの例としては、設定情報発信局として位置付けられる制御用機器(例えば、PLC)側にフレーム構成データ記憶手段として機能する不揮発性メモリパッケージを内蔵又は外付けにより、固定的に組み込むと共に、当該制御用機器にツール装置を接続することにより、その不揮発性メモリパッケージに対して、必要なフレーム構成データを現場で書き込むことが考えられる。他の例としては、別の場所でツール装置を使用してフレーム構成データが予め書き込まれたメモリパッケージを、設定情報発信局として位置付けられる制御用機器(例えば、PLC)側に内蔵又は外付けで組み込むことが考えられる。さらに他の例としては、設定情報発信局として位置付けられる制御用機器(例えば、PLC)側に不揮発性メモリカードを装着するためのカードスロットを内蔵又は外付けで設け、別の場所でツール装置を使用してフレーム構成データが予め書き込まれたメモリカードを、このカードスロットに装着することが考えられる。
なお、上述の分散制御システムにおいて、「リストア」とは、なんらかの設定情報が既にストアされている状態において、その設定情報を更新する場合と、なんの設定情報もストアされていない空の状態において、なんらかの設定情報を新たにストアする場合との双方の意味を含んでいる。
以上の構成よりなる分散制御システムによれば、設定情報発信局として位置付けられる制御用機器に対して所定の起動指令を与えさえすれば、その制御用機器から受信局として位置付けられた各制御機器のそれぞれに対して、リストア要求フレームが自動的に送信されると共に、これを受けて各制御用機器のそれぞれにおいては、自動的にリストア動作が行われるから、従前のように、操作の煩雑なツール装置を使用せずとも、ネットワークを介して結ばれた他の制御用機器の設定情報を、誰でも簡単に、リストアさせることが可能となる。
しかも、フレーム構成データ記憶手段には、前記ツール装置からフィールドネットワーク上に送り出されるべきリストア要求フレームのフレーム構成データそのものが記憶されているので、発信局として位置付けられた制御用機器の側では、単に、フレーム構成データ記憶手段から読み出されたデータを所定のフォーマットにしたがって配列・送信するだけでリストア要求フレームの自動送信動作を実現することができ、発信局として位置付けられた制御用機器のソフトウェア構成を徒に複雑化することもない。
加えて、ネットワーク上における制御用機器の増減、変更等の情報は、別途ツール装置で各制御用機器に対するリストア要求フレームを作成する際にフレーム構成データそのものに既に反映されているため、そのようなネットワーク上における制御用機器の増減、変更などがあったとしても、発信局として位置付けられた制御用機器側のソフトウェア構成それ自体には影響するとがなく、そのため、そのような制御用機器の増減、変更があっても、発信局として位置付けられた制御用機器側のソフトウェアは影響を受けない利点がある。
すなわち、ツール装置の機能を発信局として位置付けられた制御用機器に移植すると、ネットワーク上に新たに接続された制御用機器をリストア対象とするときに、発信局として位置付けられた制御用機器に組み込まれたソフトウェアを更新しなければならない。通常、制御用機器(PLC等)の組み込みソフトウェアを更新することは、簡単にはできない。これに対して、本発明では、ツール装置を構成するパソコン上のツールソフトを更新するだけで、発信局となる制御用機器の組み込みソフトウェアはそのままに、新たなリストア対象制御機器に対応することができる。
その結果、本発明の分散型制御システムによれば、(1)ユニット交換時、PCツールによるシステム再設定が不要なため(PC立ち上げ⇒ツール起動⇒ファイル選択⇒ファイルダウンロードの一連の作業不要)、ダウンタイムを軽減できること、(2)現場作業者にツール教育を行う必要がないこと、(3)誤った設定ファイルをダウンロードする危険性もないこと、(4)特に、安全アプリケーションにおける設定ツールの場合、容易にシステム設定パラメータやプログラムが変更されたり、動作モードが変更されること(プログラム⇔運転)を防止するために、設定ファイルへのアクセスや、特定機能の実行に対してパスワードにより保護されていることが多く、現場作業者へのパスワード開示が課題があったが、この方法によれば、パスワードの開示不要となること、等々の格別の作用効果を奏するものである。
なお、上述の分散制御システムにおいて、発信局側の前記リストア要求自動送信手段は、リストア要求フレームの送信動作に先立って、送信先となる制御機器に現在ストアされている設定情報とリストア予定の設定情報との同一性を判定すると共に、同一性が否定されたときにかぎり、その制御機器に対するリストア要求送信動作を実行し、同一性が肯定されるときには、その制御機器に対するリストア要求送信動作をスキップする、ようにしてもよい。
このような構成によれば、既にストアされている設定情報とこれからリストアされる設定情報とが同一であるにも拘わらずリストア動作が無駄に行われることによる無駄時間を節減して、システム全体としてのリストア所要時間の短縮を図ることができる。
また、上述の分散制御システムにおいて、受信局側の前記リストア動作自動実行手段は、リストア動作に先立って、受信されたリストア要求に付されたパスワードと自機に保存されたパスワードとの同一性を判定すると共に、同一性が肯定されるときにかぎり、その受信された設定情報に基づくリストア動作を実行し、同一性が否定されるときには、その受信された設定情報に基づくリストア動作をスキップするように仕組まれていてもよい。
このような構成によれば、リストア要求フレームにパスワードを適宜に組み込むことにより、リストア要求自動送信動作の起動については現場に委ねつつも、リストアされる制御機器のそれぞれ毎に、設定情報作成者の側で、リストアの可否を任意にコントロールすることができる。
また、上述の分散制御システムにおいて、発信局側の前記リストア要求自動送信手段は、リストア要求フレームの送信動作に先立って、送信先となる制御用機器のデバイスタイプとリストア予定の制御情報に付されたデバイスタイプとの同一性を判定すると共に、同一性が肯定されるときにかぎり、その制御機器に対するリストア要求フレーム送信動作を実行し、同一性が否定されるときには、その制御機器に対するリストア要求フレーム送信動作をスキップする、ようにしてもよい。
このような構成によれば、同一性が肯定されるときにかぎり、その制御機器に対するリストア要求フレーム送信動作を実行し、同一性が否定されるときには、その制御機器に対するリストア要求フレーム送信動作をスキップすることにより、通信ネットワーク上のいずれかのノードにおいて、制御用機器の交換時に誤って別のデバイスタイプの制御用機器を装着してしまったような場合には、デバイスタイプの同一性が否定されることとなるため、このようなデバイス誤まりに気づかずに、設定情報がリストアされてしまうことによりシステムの誤動作を未然に防止することができる。
さらに、上述の分散制御システムにおいて、前記受信局となる制御用機器のそれぞれには、リストア動作の実行状況を発信局となる制御用機器へと通知するための通知手段が設けられていてもよい。
このような構成によれば、発信局となる制御用機器の側でリストア要求自動送信動作を起動させたのち、受信局となる制御用機器において、リストア動作の実行状況を確認できる利点がある。
本発明によれば、設定情報発信局として位置付けられる制御用機器に対して所定の起動指令を与えさえすれば、その制御用機器から受信局として位置付けられた各制御機器のそれぞれに対して、リストア要求フレームが自動的に送信されると共に、これを受けて各制御用機器のそれぞれにおいては、自動的にリストア動作が行われるから、従前のように、操作の煩雑なツール装置を使用せずとも、ネットワークを介して結ばれた他の制御用機器の設定情報を、誰でも簡単に、リストアさせることが可能となる。
しかも、フレーム構成データ記憶手段には、前記ツール装置からフィールドネットワーク上に送り出されるべきリストア要求フレームのフレーム構成データそのものが記憶されているので、発信局として位置付けられた制御用機器の側では、単に、フレーム構成データ記憶手段から読み出されたデータを所定のフォーマットにしたがって配列・送信するだけでリストア要求フレームの自動送信動作を実現することができ、発信局として位置付けられた制御用機器のソフトウェア構成を徒に複雑化することもない。
加えて、ネットワーク上における制御用機器の増減、変更等の情報は、別途ツール装置で各制御用機器に対するリストア要求フレームを作成する際にフレーム構成データそのものに既に反映されているため、そのようなネットワーク上における制御用機器の増減、変更などがあったとしても、発信局として位置付けられた制御用機器側のソフトウェア構成それ自体には影響するとがなく、そのため、そのような制御用機器の増減、変更があっても、発信局として位置付けられた制御用機器側のソフトウェアは影響を受けない利点がある。
以下に、本発明に係る分散型制御システムの好適な実施の一形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明が適用される分散型制御システムの一例を示すシステム構成図が図1に示されている。本発明が適用される分散型制御システムは、PLCやPLCのリモートI/Oターミナルなどのような制御用機器を複数台分散配置すると共に、それらをフィールドネットワークを介して結んで構成される。図示の例にあっては、2台のPLC1a,1bと4台のリモートI/Oターミナル2a〜2dとをフィールドネットワーク(以下、単に「ネットワーク」と称する)3により結んで構成されている。各PLC1a,1bのそれぞれは、この例にあっては、ビルディング・ブロック型のPLCとして構成されており、それぞれCPUユニット10、通信ユニット11、及び2台のI/Oユニット12,12を含んでいる。
当業者にはよく知られているように、PLCのCPUユニット10には、ユーザプログラムを格納するためのユーザプログラムメモリと、PLCとしての機能を実現するためのシステムプログラムを格納するシステムプログラムメモリと、入出力データを格納するためのI/Oメモリと、各種システム設定を記憶するためのシステム設定メモリなどが設けられている。
また、システムプログラムは、I/Oメモリの出力データを読み出してI/Oユニット12へと送り出すと共に、I/Oユニット12の入力データを読み込んでI/Oメモリに書き込むI/Oリフレッシュ処理と、I/Oメモリの入出力データを参照してユーザプログラムを実行すると共に、その実行結果でI/Oメモリの内容を書き換えるユーザプログラム実行処理と、ユーザ操作の受付け、表示信号の送出、ツール装置との交信、リモートI/Oターミナルとの交信などを行う周辺サービス処理とが組み込まれている。
そして、この周辺サービス処理において、通信ユニット11を介してリモートI/Oターミナル2a〜2dと適宜交信することによって、リモートI/Oターミナルへの出力データの送出、リモートI/Oターミナルからの入力データの取り込みなどが行われる。また、ネットワーク3に接続される図示しないツール装置と交信することによって、ユーザプログラムの書き換え処理、編集処理、モニタ処理などの種々公知の周辺サービス処理が実現される。
また、制御用機器を構成するPLC1a,1b及びリモートI/Oターミナル2a〜2dのそれぞれでは、図示しないツール装置からネットワーク3上へと送信されたリストア要求フレームが受信された場合、これに応答して自機の設定情報を自動的にリストアする機能が仕組まれている。ここで言う「設定情報」とは、例えばPLCの場合であれば、ユーザプログラムや各種のシステム設定などがこれに相当するものであり、リモートI/Oターミナル2a〜2dの場合であれば、I/O設定などがこれに相当する。
そして、本発明にあっては、それらの「設定情報」のリストアを、ツール装置の存在なくして実行可能とするために、制御用機器の少なくとも1台を、設定情報発信局として位置付けると共に、発信局として位置付けられた制御用機器には、「フレーム構成データ記憶手段」と「リストア要求自動送信手段」とを設けるようにしている。
ここで、フレーム構成データ記憶手段には、受信局として位置付けられた制御用機器の設定情報記憶手段の記憶内容を遠隔操作でリストアする際に、ツール装置からフィールドネットワーク上に送り出されるべきリストア要求フレームのフレーム構成データが、受信局として位置付けられた制御用機器のそれぞれに対応させて一連に記憶される。
また、リストア要求自動送信手段は、所定の起動指令が与えられるのに応答して、フレーム構成データ記憶手段に一連に記憶されたフレーム構成データを各受信局毎に順次に読み出してリストア要求フレームを作成すると共に、こうして作成されたリストア要求フレームをフィールドネットワークへと送り出す動作を実行するように構成されている。図1の例の場合、PLC1aが設定情報発信局として位置付けられ、他のPLC1b及び4台のリモートI/Oターミナル2a〜2dが設定情報受信局として位置付けられる。
PLC1aには上述のリストア要求フレームのフレーム構成データが保持される。PLC1aにリストア要求フレームのフレーム構成データを保持させるについては、様々な方法が考えられる。
図2に示される例にあっては、CPUユニット10の側にカードスロット10cを設ける一方、これに装着されるメモリカード4にはあらかじめフレーム構成データ4aを格納させておき、このメモリカード4をカードスロット10cに装着することによって、CPUユニット10に対してフレーム構成データを保持させるようにしている。
図3の例にあっては、CPUユニット10の側にコネクタ10cを設ける一方、これにケーブルを介してハンディツール5を接続し、ハンディツール5に設けられたカードスロット5aに対してフレーム構成データ4aを格納させたメモリカード4を装着することによって、CPUユニット10に対してフレーム構成データを保持させることを可能としている。
図4の例にあっては、CPUユニット10内の回路基板上にパッケージメモリで構成された不揮発性メモリ6を固定的にまたは着脱可能に設ける一方、この不揮発性メモリ6内に現場であるいはあらかじめ別の場所でツール装置を利用してフレーム構成データを書き込むことにより、CPUユニット10に対してフレーム構成データを保持させることを可能としている。
このように、設定情報発信局として位置付けられた制御用機器がPLCの場合、これにフレーム構成データを保持させる手法としては様々な構成を採用することができる。以下の説明においては、図2に示される方法によりフレーム構成データを保持させたものとして話を進めることとする。
なお、図1〜図4において、10−1はリストア動作を起動するためのリストア起動スイッチであり、10−2はリストア対象を自機とネットワーク全体とに切り替えるためのリストア対象切替スイッチである。これらのスイッチの動作については、後にフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
なお、当業者にはよく知られているものであるが、CPUユニット10及び通信ユニット11のハードウェアブロック図を念のため図13に示す。同図に示されるように、CPUユニット10内には、メモリカードインタフェース101、不揮発性メモリ102、RAM103、MPUブロック104、バス制御部105、表示部106、設定部107、及びUSBインタフェース108が設けられている。
メモリカードインタフェース101は、先ほど説明したカードスロット10cに対応するものである。不揮発性メモリ102は、システムプログラムメモリ、ユーザプログラムメモリ、I/Oメモリ、システム設定メモリ等々を総称するものであり、本発明で着目される「設定情報」はこの不揮発性メモリ102に主として格納されている。RAM103はワークエリアなどとして使用される。MPUブロック104はMPUとASICとを含んで構成され、不揮発性メモリ102から読み出されたシステムプログラムに従って動作することにより、先ほど説明したIOリフレッシュ処理、ユーザプログラム実行処理、周辺サービス処理の機能を実現するものである。バス制御部105は通信ユニット11との間のデータのやり取りを司るものである。表示部106はCPUユニットの外表面に設けられる図示しない表示ランプや数値表示器の動作を制御するものである。設定部107は各種の設定操作に供されるものであり、本発明に関連しては、先ほど説明したリストア起動スイッチ10−1及びリストア対象切替スイッチ10−2などが含まれている。USBインタフェース108はCPUに対してUSBケーブルを接続するために供される。
一方、通信ユニット11には、不揮発性メモリ111、RAM112、MPUブロック113、バス制御部114、表示部115、設定部116、及び通信物理層117とが含まれている。
不揮発性メモリ111は、通信ユニットとしての機能を実現するためのシステムプログラム等を格納するものである。RAM112はワークエリアとして機能するものである。MPUブロック113は、不揮発性メモリ111から各種のシステムプログラムを読み込んで実行することによって、通信ユニットとしての機能を実現する。バス制御部114はCPUユニット10とのデータのやり取りに供される。表示部115は通信ユニット11の外表面に設けられた各種ランプの表示制御に供される。設定部116は、例えばDIPスイッチなどで構成され、ノードアドレスの設定や通信速度の設定に供される。通信物理層117は、ネットワーク3を介して他の制御用機器(PLCやリモートI/Oターミナルなど)との間で通信動作の実現のために供される。
そして、後に図6〜図11のフローチャートを参照して説明する処理を実現するためのシステムプログラムは、CPUユニット10内の不揮発性メモリ102に格納され、MPUブロック104によって実行される。
次に、リモートI/Oターミナルのハードウェアブロック図が図14に示されている。同図に示されるように、リモートI/Oターミナル2には、MPUブロック201、I/O回路202、通信物理層203、不揮発性メモリ204、表示部205、及び設定部206がそれぞれ設けられている。
MPUブロック201はリモートI/Oターミナル全体を統括制御するものであり、不揮発性メモリ204に格納されたシステムプログラムを実行することによって、リモートI/Oターミナルとして必要な各種の機能を実現する。I/O回路202は外部端子台からの入力信号の取り込みや外部端子台に対する出力信号の送出に供される。通信物理層203は、ネットワーク3に接続されて、上位となるPLCとの間で入出力データの送受信に供される。不揮発性メモリ204は先に説明したように、システムプログラムを記憶する他、I/O回路202から取り込まれた入力データ及びI/O回路202へと出力されるべき出力データのバッファ領域としても使用される。表示部205は、リモートI/Oターミナルの外表面に設けられたランプ等の表示制御に供される。設定部206は、例えばDIPスイッチ等で構成されて、当該リモートI/Oターミナルのノードアドレス及び通信速度の設定などに供される。
次に、メモリカード4(図2及び図3参照)または不揮発性メモリ6(図4参照)に格納される「フレーム構成データ」のデータ構造を図5を参照しながら説明する。
先に説明したように、「フレーム構成データ」とは、受信局として位置付けられた制御用機器(図1の場合、PLC1b、4台のリモートI/Oターミナル2a〜2d)の設定情報記憶手段(図13の例であれば不揮発性メモリ102、図14の例であれば不揮発性メモリ204)の記憶内容を遠隔操作でリストアする際に、図示しないツール装置からネットワーク3上に送り出されるべきリストア要求フレームを構成するデータのことを意味している。
このフレーム構成データは、基本的には、スタートコード、リストア要求コマンド、コマンド修飾データ、エンドコード等からなる。そして、フレーム構成データ記憶手段として機能するメモリカード4(図2及び図3参照)または不揮発性メモリ6(図4参照)には、図5(a)に示されるように、各制御用機器毎の記憶エリアが設けられ、それらの記憶エリアには上述のフレーム構成データが格納される。
なお、これら一連のフレーム構成データの末尾には、メモリカード4又は不揮発性メモリ6に格納されたデータの信頼性を確認するためにチェック用コード(例えば、冗長検査コード、ハッシュコード、署名コード等)が格納される。
図5(a)に示される各制御用機器毎のエリアには、もちろん、上述のフレーム構成データの全てを格納してもよいが、スタートコード、エンドコード、リストア要求コマンド等のデータについては、全ての制御用機器について共通ないしは既知であるから、メモリ容量節減のためには、それらのデータは各機器毎に重ねて記憶させておかなくてもよいであろう。
この例にあっては、図5(b)に示されるように、メモリカード4または不揮発性メモリ6に格納されるフレーム構成データとしては、図5(b)に示されるように、スタートコード、エンドコード、及びリストア要求コマンドを除く、コマンド修飾データのみを格納するようにしている。具体的には、このコマンド修飾データは、各制御用機器のそれぞれに対応する「ノードアドレス」、「デバイスタイプ」、「パスワード」、「設定情報」、及び「固有ID」とから構成されている。
ここで、「ノードアドレス」とは、ネットワーク上でその制御用機器を一意に特定するためのアドレスである。リストア要求フレームの送信は、このノードアドレスに対して行われる。また、後述するように、リストア対象が「ネットワーク全体」のとき自機に対してリストアを行う場合には、このノードアドレスによってリストア対象が自機であることが認識される。
「デバイスタイプ」とは、制御用機器の種別を表すコードである。例えば、汎用ディスクリートI/O、通信アダプタ、セーフティネットワークコントローラ、セーフティディスクリートI/O等のような機器の種別や、製造元、製品コードなどにより構成される。
「パスワード」とは、設定情報の作成者により決定されるコードであって、例えばこのパスワードを管理者のレベルに応じて階層構造的に設定すれば、自動リストア処理の起動それ自体については現場作業員に委ねつつも、このパスワードのレベルを適宜に設定することによって、実際にリストア動作の行われる機器の選択が可能となる。
「設定情報」とは、リストア対象となる情報本体であって、この設定情報の内容如何で、それが設定される制御用機器の動作仕様が決定される。制御用機器がPLCのように複数のユニットから構成される場合には、図5(c)に示されるように、「設定情報」は各ユニット毎の設定情報により構成され、また個々のユニット毎の設定情報にはそれぞれ後述するユニット固有のIDが付加される。なお、制御用機器が複数のユニットに分離されていない単独構成の場合には、もちろん、「設定情報」についても単一とされる。
「機器の固有ID」とは、「設定情報」のバージョン毎に一意に決定される固有のIDである。具体的には、例えば、冗長検査コード、ハッシュコード、署名コード、タイムスタンプ、あるいはそれらの組み合わせにより構成することができる。この「機器固有ID」を参照することによって、その制御機器またはその制御用機器内のユニットに現在存在する「設定情報」のバージョンを確認することができる。現在リストアしようとしているバージョンと既にストアされているバージョンとが同一であれば、両者の内容は同一であるから、これを重ねてリストアする無駄を排除することができる。
次に、以上説明したハードウェア構成及びデータ構造を前提とする本発明システムの動作を図6〜図12のフローチャートを参照しながら順次詳細に説明する。
発信局となるPLC1aのCPU10の処理の全体を示すゼネラルフローチャートが図6に示されている。同図において、電源投入により処理が開始されると、まず、初期処理によって、通常動作モードの処理またはリストアモードの処理を実行するために必要な各種のフラグやレジスタ類の初期設定を行う(ステップ101)。
続いて、メモリカード4の装着状態及びリストア起動スイッチ10−1の動作状態を参照する。ここで、メモリカード4がカードスロット10cに装着されていないか(ステップ102NO)、あるいはメモリカード4がカードスロット10cに装着されていても(ステップ102YES)、リストア起動スイッチ10−1がオフ状態であれば(ステップ103NO)、通常動作モードの処理(ステップ104)が実行される。
先に説明したように、この通常動作モードの処理(ステップ104)は、I/Oリフレッシュ処理、ユーザプログラム実行処理、周辺サービス処理などをサイクリックに実行するものである。
これに対して、メモリカード4がカードスロット10cに装着されていて(ステップ102YES)、かつリストア起動スイッチ10−1がオン状態であると(ステップ103YES)、リストアモードの処理(ステップ105)が実行される。このリストアモード処理(ステップ105)こそが、本発明の要部をなすものである。
発信局側機器でのリストアモード処理の全体を示すゼネラルフローチャートが図7に示されている。同図において、処理が開始されると、メモリカード4内の記憶領域(図5(a)参照)から各機器へ送信されるべきリストア要求フレームを構成する一連の「フレーム構成データ」を読み出すと共に(ステップ201)、読み出された一連のデータを適宜処理して得られたデータとメモリ内に格納されたチェック用コードとの照合一致を確認する(ステップ202)。
ここで、一連の「フレーム構成データ」を処理して得られたデータとチェック用コードとが一致しなければ(ステップ203NO)、CPUユニットの外表面に設けられたランプを点滅させるなどの異常処理が実行される(ステップ207)。これに対して、一連の「フレーム構成データ」を処理して得られたデータとチェックコードとが一致すると判定されると(ステップ203YES)、続いて、リストア対象切替スイッチ10−2の動作状態が参照される。ここで、リストア対象切替スイッチ10−2の動作状態が自機と判定された場合には(ステップ204「自機」)、ステップ206へと移行して自機のリストア処理が実行されるのに対し、ネットワーク全体と判定されると(ステップ204「ネットワーク全体」)、ステップ205へと移行して、ネットワーク全体のリストア処理が実行される。
このように、図示の実施形態においては、リストアモード処理の開始に先立ち、チェックコードに基づいてメモリカードから読み出されたデータの信頼性が自動的にチェックされると共に、CPUユニット10に設けられたリストア対象切替スイッチ10−2を「自機」または「ネットワーク全体」のいずれかに設定することによって、自機のみに関するリストア処理と自機を含むネットワーク全体のリストア処理とを択一的に実行させることができるようになっている。
次に、ネットワーク全体のリストア処理の詳細を示すフローチャート(その1〜その3)が図8〜図10に示されている。図8において処理が開始されると、まず、ステップ301においては、ネットワーク上の全ての制御用機器に関してリストア処理が完了したかどうかの判定が行われる。ここで、全ての機器に関して完了したと判定されれば(ステップ301YES)、終了処理が実行されて、例えばCPUユニットの外表面に設けられた図示しないランプが所定の態様で表示される(ステップ304)。
これに対して、リストア処理が全ての機器に関して未だ完了していないと判定されれば(ステップ301NO)、続いて、制御用機器1台分のフレーム構成データが読み出され(ステップ302)、そのフレーム構成データに含まれるノードアドレスを参照することによって、自機のデータか又は他機のデータかの判定が行われる。ここで、他機のデータと判定されると(ステップ303「他機」)、図9に進んで、対象機器に対して、デバイスタイプの送信要求コマンドを送出すると共に、そのレスポンスに基づいて、対象機器からデバイスタイプを取得する(ステップ305)。
続いて、対象機器から取得したデバイスタイプとメモリカードから読み出されたデバイスタイプとが照合(同一性判定)される(ステップ306)。ここで、両者が不一致と判定されると(ステップ306)、これはネットワーク上の制御用機器を交換時に誤って別の機種のものと交換してしまったような虞れが推定されるため、直ちに異常処理(ステップ311)を実行することによって、その旨をCPUユニットの外表面に設けられた図示しないランプを所定の態様で表示させることによってその旨をユーザに通知する。
これに対して、対象機器から取得したデバイスタイプとメモリカードから読み出されたデバイスタイプとが一致する場合には(ステップ306YES)、続いて、対象機器に対してその機器の固有IDに関する送信リクエストコマンドを送出すると共に、そのレスポンスを取得することによって、その対象機器の固有IDを取得する(ステップ307)。
続いて、対象機器から取得された機器の固有IDとメモリカードから読み出された機器の固有IDとの照合(同一性判定)が行われる(ステップ308)。ここで両者が一致する場合には(ステップ308YES)、これからリストアしようとする新たな設定情報のバージョンと既にその機器にストアされている設定情報のバージョンとが同一であることを意味するため、リストア前後で設定情報は変更しないから、無駄なリストア処理時間を生ずることがないように、以後の送信処理(ステップ309)は一切スキップされる。
これに対して、対象機器から取得された機器の固有IDとメモリカードから読み出された機器の固有IDとが不一致の場合には(ステップ308NO)、これからリストアしようとする新たな設定情報のバージョンと既にストアされている設定情報のバージョンとが異なることを意味するものであるから、直ちに、リストア要求フレームを作成して、これを対象機器のノードアドレスへと送信する。このリストア要求フレームの作成は、例えば、スタートコード、リストア要求コマンド、送信元ノードアドレス、送信先ノードアドレス、パスワード、設定情報、機器の固有ID、エンドコード等を順に配列することによって行われることは当業者であれば容易に理解されるであろう。
その後、ステップ310へ進んで、対象機器からのレスポンスを待機し、ここでレスポンスの内容が異常であったりあるいは所定時間内にレスポンスが到来しなければ、ステップ312へと進んで、異常処理を実行し、CPUユニットの外表面に設けられた図示しないランプを所定の態様で動作させる。これに対して、対象機器からのレスポンスが所定時間内に到来しかつそれが正常を意味するものであれば(ステップ310「正常」)、図8のフローチャートの先頭に戻って、以上の処理を、全ての機器に関して完了と判定されるまで(ステップ301)、繰り返し実行することとなる。
一方、図8のフローチャートにおいて、メモリカードから読み出されたフレーム構成データが自機のデータであると判定されると(ステップ303「自機」)、図10のフローチャートへ移って、自機に関するリストア処理が実行される。
すなわち、まず、ステップ313においては、自機のデバイスタイプ(例えば、不揮発性メモリ102に格納)とメモリカードから読み出されたデバイスタイプとの照合が行われ、両者が不一致の場合には自機において装着誤りを推定して異常処理を実行する(ステップ319)。一方、デバイスタイプが一致する場合には(ステップ313YES)、続いて自機のパスワード(例えば、不揮発性メモリ102に格納)とメモリカードから読み出されたパスワードとの照合(同一性判定)を行う(ステップ314)。ここで、両者が不一致の場合には(ステップ314NO)、リストア不許可と判定して、同様に異常処理を実行する(ステップ319)。これらの異常処理(ステップ319)は、例えば、CPUユニットの外表面に設けられた図示しないランプを所定の態様で動作させることにより行われる。
こうして、デバイスタイプの一致及びパスワードの一致が確認された場合に限り(ステップ313YES,314YES)、自機の固有ID(例えば、不揮発性メモリ102に格納)とメモリカードから読み出された固有IDとの照合が行われる(ステップ315)。ここで、両者が一致する場合には(ステップ315YES)、既にストアされている設定情報のバージョンとこれからリストアしようとする設定情報のバージョンとが同一であるから、先ほどと同様に、無駄なリストア時間を避けるために、以後のリストア処理は一切スキップされる。
これに対して、自機の固有IDとメモリカードから読み出された固有IDとが不一致の場合には、両設定情報のバージョンが異なることを意味するから、リストアの必要性を認識して、以後の処理へと移行する。
この実施形態においては、PLCは複数のユニットにより構成されているため、全てのユニットのそれぞれに関して、必要により個別にリストア処理が可能とされている。すなわち、まずステップ316においては、対象ユニットの設定が全て完了しているか否かの判定を行う。ここで全て完了していると判定されれば(ステップ316YES)、続いてステップ320へ進んで、全ユニットのリストアが正常に終了したか否かの判定を行う。ここで正常終了が判定されれば(ステップ320YES)、直ちに処理は終了するのに対し、何らかの異常が判定されれば(ステップ320NO)、異常処理が実行されて(ステップ321)、例えばCPUユニットの外表面に設けられた図示しないランプが所定の態様で動作する。
一方、ステップ316において、対象ユニットの設定が未だ全て完了していないと判定されれば(ステップ316NO)、続いて、対象ユニットの固有ID(例えば、不揮発性メモリ102に格納)とメモリカードから読み出された固有IDとの照合(同一性判定)が行われる(ステップ317)。ここで、両者が一致すると判定されると(ステップ317YES)、既にストアされている設定情報とこれからリストアしようとする設定情報とがバージョンが同一であるから、それらの内容も同一であると推定して、リストア処理はスキップされる。
これに対して、両者が不一致の場合には(ステップ317NO)、既にストアされている設定情報とこれからリストアされる設定情報とのバージョンが一致しないことから、それら設定情報の内容も同一ではないと推定して、直ちに機器の固有IDの保存処理及び対象ユニット(自機)に関するリストア処理が行われる(ステップ318)。
このように、リストア処理に先立っては、必ず固有ID同士の照合(同一性判定)が行われるため、多数のユニットを有するPLCに関してリストア処理を行う場合にも、それらのユニットの中で、書き換えが必要であるユニットに限ってだけ、リストア処理を行うことができるから、全体としてのリストア時間を大幅に削減することができる。
次に、リストア要求フレームを受信する受信局側機器における処理を図12のフローチャートを参照しながら説明する。同図に示される処理は、リストア要求コマンドの受信により起動される。すなわち、当該受信局側機器においては、自機に宛てて何らかのフレームが到来した場合、そのフレームのコマンドを解読することによって、リストア要求コマンドの受信を確認し、図12に示される処理を起動するのである。
まず、リストア要求コマンドの受信が確認された場合には、続いて、そのリストア要求フレームに含まれるコマンド修飾データを読み出し、これを解読する(ステップ501)。続いて、ステップ502においては、自機のパスワードと受信したパスワードとの照合(同一性判定)が行われる。ここで、照合不一致と判定されると(ステップ502NO)、直ちにステップ509へと移行して、発信局となる制御用機器に対して異常レスポンス送信が行われる。これにより、発信局となる制御機器においては、リストア対象となる制御機器において何らかの異常が生じたことを認識することができる。
ステップ502において、両者のパスワードが一致すれば(ステップ502YES)、少なくともリストアは許可されたこととなるため、続いてステップ503へ進んで、自機の固有IDと受信した固有IDとの照合が行われる。ここで両者が一致すれば(ステップ503YES)、既にストアされている設定情報のバージョンとこれからリストアされる設定情報のバージョンとが同一でその内容も同一であると推定されるから、無駄なリストア処理を排除するため、以後の処理はスキップされ、直ちにステップ509へ移行して、異常レスポンスの送信が行われる。これにより、発信局となる制御用機器においては、リストア対象となる制御用機器において何らかの異常が生じたことを直ちに認識することができる。
ステップ503において、両者の固有IDが不一致と判定されると(ステップ503NO)、以後、当該制御用機器(例えばPLC)を構成する各ユニット毎に、両固有IDが不一致であることを条件とした個別のリストア処理が実行される。
すなわち、まずステップ504においては、対象ユニットの設定が全て完了したかどうかの判定が行われる。ここで、対象ユニットの設定が全て完了したものと判定されると(ステップ504YES)、ステップ507へ進んで、全ユニットのリストアが正常に終了したか否かの判定が行われる。ここで正常終了の場合には(ステップ507YES)、発信局となる制御用機器に対して正常レスポンスが送信されるのに対し、正常終了でない場合には(ステップ507NO)、ステップ509へ進んで異常レスポンスの送信が行われる。これにより、発信局となる制御用機器においては、対象となる制御用機器並びにその内部の各ユニットにおいて、予定されたリストア処理が正常に終了したか否かを認識することができる。
ステップ504において、対象ユニットの設定が未だ完了していないと判定されると(ステップ504NO)、続いて、ステップ505へと移って、対象ユニットの固有IDと受信した固有IDとの照合(同一性判定)が行われる。ここで、両者が一致すると判定されると(ステップ505YES)、既にストアされている設定情報とこれからリストアされようとする設定情報とがバージョンが同一であるから、その内容も同一であると認識して、無駄なリストア処理を排除するため、その後の処理はスキップされる。
これに対して、ステップ505において、対象ユニットの固有IDと受信した固有IDとが不一致と判定されると(ステップ505NO)、いわゆるリストア処理が実行される(ステップ506)。このリストア処理においては、まず、機器の固有IDの保存処理及び対象ユニットの設定処理(受信したデータで書き換える処理)が実行される。
このように以上の実施形態においては、発信局となる制御用機器のみならず、受信局となる制御用機器においても、機器単位またはユニット単位で固有IDの照合処理を実行するため、仮に、発信局となる制御用機器の側で固有ID照合処理を省略したとしても、受信局となる制御用機器内においては固有IDが不一致の機器ないしユニットに限ってリストア処理が実行されるため、設定情報の容量が比較的大きなシステムプログラムあるいはユーザプログラム等を対象とする場合、各受信局側における処理時間の無駄を排除し、全体としての短時間でのリストア処理が可能となる。
次に、図7のフローチャートにおいて、リストア対象が自機であると判定された場合に実行される自機のリストア処理(ステップ206)の詳細を図11のフローチャートを参照して説明する。
同図において処理が開始されると、まず、メモリカードから読み出された自機のノードアドレスを元に自機の設定情報の検索が行われ(ステップ401)、続いて、自機の設定情報が読み出される(ステップ402)。すなわち、自機に既にストアされている設定情報が読み出されるわけである。
続いて、ステップ403においては、自機のデバイスタイプとメモリカードから読み出されたデバイスタイプとの照合(同一性判定)が行われる(ステップ403)。ここで両者が不一致とされると(ステップ403NO)、ステップ410へと進んで、異常処理が実行され、例えばCPUユニットの外表面に設けられた図示しないランプが所定の態様で表示される。
ステップ403において、自機のデバイスタイプとメモリカードから読み出されたデバイスタイプとが一致すると判定される場合には(ステップ403YES)、続いてステップ404へと移行して、自機のパスワードとメモリカードから読み出されたパスワードとの照合が行われる(ステップ404)。ここで両者が不一致の場合には(ステップ404NO)、ステップ410へと進んで、同様な異常処理が実行される。
ステップ404において、両者が一致すると判定される場合には(ステップ404YES)、続いてステップ405へと進んで、自機の固有IDとメモリカードから読み出された固有IDとの照合(同一性判定)が行われる。ここで、両者が一致すると判定される場合には(ステップ405YES)、両設定情報のバージョンが同一であるから、無駄なリストア処理を排除するため、以後の処理はスキップされ、ステップ410へと進んで同様な異常処理が実行される。
ステップ405において、自機の固有IDとメモリカードから読み出された固有IDとが一致すると判定される場合には(ステップ405NO)、続いて各ユニット単位における個別のリストア処理が実行される。すなわち、まずステップ406においては、対象となるユニットの設定が全て完了したか否かの判定が行われる。ここで、全て完了と判定される場合には(ステップ406YES)、さらに全ユニットのリストアが正常に終了したことを条件として(ステップ409)、所定の終了処理が行われ、その制御用機器がPLCの場合には、例えばCPUユニットの外表面に設けられた図示しないランプが所定の態様で表示される(ステップ411)。これに対して、いずれかのユニットにおいて異常終了と判定されれば(ステップ409NO)、ステップ410へと進んで、同様な異常処理が実行される。
ステップ406において、何れかのユニットにおいて未だ設定が未完であると判定されると(ステップ406NO)、続いてステップ407へ進んで、対象ユニットの固有IDとメモリカードから読み出された固有IDとの照合(同一性判定)が行われる。ここで両者が一致すると判定される場合には(ステップ407YES)、それらの設定情報はバージョンが同一であるから、内容も同一であると推定して、以後の設定処理はスキップされる。
これに対して、ステップ407において、両IDが不一致と判定されると(ステップ407NO)、既にストアされている設定情報とこれからリストアされようとする設定情報とはバージョンが異なり、当然にその内容も異なるものと推定して、本来のリストア処理が実行される(ステップ408)。このリストア処理(ステップ408)においては、まず、メモリカードから読み出された機器の固有IDを保存すると共に、対象ユニットに関し必要な設定情報の書き換え処理が行われる。
このように、この実施形態の制御システムにおいては、発信局として位置付けられたPLCの側において、そのCPUの外表面に設けられたリストア対象切替スイッチ10−2を自機の側に設定することによって、ネットワーク上の他の制御用機器に対し何ら影響を与えることなく、自機のみにおいてメモリカードに格納された情報に基づくリストア処理を、リストア起動スイッチ10−1の操作だけで実行させることができる。
以上説明したように、この実施形態の分散型制御システムによれば、別途あらかじめメモリカード4や不揮発性メモリ6にツール装置等を利用してリストア対象機器のそれぞれに対応するリストア要求フレームの構成データを記憶させておきさえすれば、以後、そのメモリカード4または不揮発性メモリ6を、発信局として位置付けられた制御用機器(例えば、PLC等)側に組み込むことによって、リストア起動スイッチ10−1の操作だけで、自機またはネットワーク全体を対象として、それらの制御機器に対してリストア要求フレームを自動送信させることによって、ツール装置における複雑な操作に煩わされることなく、それらの制御機器に関するリストア動作を自動的に行わせることができる。
そのため、従前のように、ツール装置を現場に持ち込んだり、あるいはあらかじめ現場作業員にツール装置の使用方法を指導する必要もなくなり、設定情報の変更操作を特別な熟練作業員のみならず現場の一般の作業員にも実行させることができる。
一方、現場作業員にリストア動作の起動は委ねつつも、設定情報作成者の側ではこれに適宜パスワードを組み込むことによって、不必要な制御用機器または不必要なユニットに対してリストアが自動的に行われてしまう危険を未然に防止することができる。
また、発信局となる制御用機器、及び/又は、受信局となる制御用機器においては、リストア動作に先立って、設定情報のバージョン確認(同一性確認)が行われるため、発信局側から受信局側へと無駄な送信処理が回避されると共に、受信局側においても無駄な設定処理が回避され、両者が相俟って、ネットワーク全体を対象とする場合においても、リストア所要時間を可及的に短縮することができる。
また、発信局となる制御用機器の側では、リストア起動スイッチのみならずリストア対象切替スイッチを設けて、リストア対象を自機とネットワーク全体とに選択可能としているため、自機のみに対する設定情報のリストアが必要であるにも拘わらず、ネットワーク全体に対してリストアを行わざるを得ないといった不都合を生ずることもなく、各場合に応じて適切な範囲に絞り込んで、設定情報のリストアが可能となる。
加えて、発信局となる制御用機器の側において、ネットワーク上へとリストア要求フレームを送信するに際しては、既にメモリカードまたは不揮発性メモリ内に記憶されたフレーム構成データを単に読み出して、所定のフォーマットに従って配列するだけであるから、このような便利な機能を制御用機器の1つに組み込んだとしても、その機器においてソフトウェアを複雑な構成とする必要がなく、またそのようなソフトウェアは、単に読み出し処理とフレーム構成処理とを実行するだけであるから、ネットワーク上に新たに制御機器が追加されたり、変更されたりしたような場合にも、メモリカードや不揮発性メモリ上のデータは変更されるものの、それを処理する発信局側の処理については何ら変更することがなく、そのため、ネットワーク上のそれらの機器変更の度に発信局側のソフトウェアを再インストールする必要がないという利点がある。
すなわち、本発明において特筆すべき点は、従前のツール装置が有する各機器の設定情報と本発明に係るメモリカードなどに格納される設定情報の形態の違いにある。すなわち、従前のツール装置における設定情報は、図15(a)に示されるように、各機器の有するパラメータをただ羅列しただけのものであるため、これからリストア要求フレームを作成するためには、ユーザが必要なパラメータを選択して、リストア要求フレームを構成するための煩雑な処理を必要とするのに対し、本発明において例えばメモリカードに格納されるデータは、図15(b)に示されるように、パラメータを設定するためのリストア要求フレームのフレーム構成データであるため、これをただそのまま読み出して所定のフォーマットに従って配列し直すだけで、直ちにリストア要求フレームをネットワーク上に送信することができ、そのため、発信局となる制御用機器に組み込むとしても、いたずらにソフトウェアを複雑化することもないのである。
なお、以上の実施形態においては、リストア処理の起動を、発信局側に設けられたリストア起動スイッチ10−1に基づいて行ったが、発信局側の制御機器が例えばPLCであるような場合には、所定のメモリ内にユーザプログラムの実行結果で制御されるフラグを設け、このフラグのオンオフタイミングにより、リストア動作に起動をかけたり、あるいはPLCに通信を介して接続されたリモートI/Oユニットの側にリストア起動スイッチを設け、このスイッチの操作信号を通信を介してPLCに送信することで、PLC側におけるリストア動作の起動をかけるようにしても同様な効果を得ることができる。
また、以上の実施形態においては、フレーム構成データをPLCに保存するようにしたが、この種の産業用ネットワークに接続される他の制御用機器(例えば、リモートI/Oターミナル、セーフティネットワークコントローラ等々)に設けてもよいことは勿論である。
また、以上の実施形態においては、このような自動リストア処理を実行するための処理を、発信局として位置付けられたPLCのCPUユニットに組み込んだが、発信局となる制御用機器がPLCの場合、そのようなソフトウェアが組み込まれるべきユニットは必ずしもCPUユニットに限られるものではなく、例えば通信ユニットそれ自体に設けたり、その他各種の高機能ユニットにそれぞれ設けてもよいことは勿論である。