本発明の実施の一形態を図1ないし図6に基づいて説明する。
図1は、リライタブルプリンタ1の外観斜視図である。リライタブルプリンタ1は、用紙収納部201及び消去部301を備える消去装置100と、印刷部401を備えるプリントユニット101とにより構成される(図2参照)。消去装置100はリライタブルプリンタ1の後方側に位置付けられ、プリントユニット101はリライタブルプリンタ1の前方側に位置付けられている。そして、リライタブルプリンタ1は、消去装置100のハウジング100aの前面100bとプリントユニット101のハウジング101aの背面101bとが接続されて構成されており、外観上、一つの装置として視認することができる。また、このとき、消去装置100とプリントユニット101のそれぞれが有する通信インターフェイス507、607(図3参照)はコネクトケーブルCB(図3参照)によってデータ通信自在に接続される。なお、消去装置100とプリントユニット101とは、分離可能となっている。
プリントユニット101のハウジング101aの正面には、用紙発行部103が設けられている。また、図1中、正面から見て用紙発行部103よりも左側上方部分には、表示部104と操作部105とが配置されている。表示部104は、横長に形成された液晶表示装置であり、数行程度の情報を表示することができる。
消去装置100の用紙収納部201(図2参照)には、熱による印刷および消去が可能なリライタブル用紙Pがセットされる。リライタブル用紙Pは、用紙表面にロイコ染料や顕色剤などを含む可逆性感熱記録層が重層されており、加熱後の急冷によって印刷内容が定着し、加熱後の徐冷によって印刷内容が消去されるという特性を有している。
図2は、リライタブルプリンタ1の縦断側面図である。リライタブルプリンタ1の内部には、リライタブル用紙Pの搬送経路106が形成されている。搬送経路106は、消去装置100内の第1の搬送経路100cとプリントユニット101内の第2の搬送経路101cとが接続して形成され、消去装置100の用紙収納部201とプリントユニット101の用紙発行部103とを連絡し、用紙収納部201にセットされたリライタブル用紙Pを用紙収納部201から用紙発行部103まで案内する。消去装置100内に形成される第1の搬送経路100cは、用紙収納部201とハウジング100aの前面100bの用紙排出部100dとを連絡する。プリントユニット101内に形成される第2の搬送経路101cは、ハウジング101aの背面101bの用紙導入部101dと用紙発行部103とを連絡する。用紙導入部101dはリライタブル用紙Pの挿入を許容する形状に形成されて消去装置100の用紙排出部100d付近に設けられ、消去装置100で印刷内容が消去されて用紙排出部100dから排出されるリライタブル用紙Pを受け止める位置に配置されている。搬送経路106を構成する第1の搬送経路100cおよび第2の搬送経路101cはいずれも、板状の板金によって形成される板状部材109が対向配置されて構成されている。
消去装置100は、用紙収納部201および消去部301を主体に構成され、リライタブルプリンタ1の上流側に配置されている。
用紙収納部201は、昇降自在に設けられたリフタ202を主体に構成され、リライタブル用紙Pを収納する。リフタ202は、複数枚のリライタブル用紙Pを積層状態で載置支持可能である。リフタ202は、アクチュエータからなるリフタ駆動部203(図3参照)に駆動されて昇降する。リフタ202の上方には、その回転によってリフタ202に載置されている最上位のリライタブル用紙Pに搬送力を付与して第1の搬送経路100cに送り出すピックアップローラ205が設けられている。ピックアップローラ205に対する第1の搬送経路100cの下流側近傍には、リバースローラ207が配置されている。リバースローラ207は、第1の搬送経路100cを挟んで、消去装置100が対応可能なリライタブル用紙Pの厚さ程度に離間した状態で対向配置されている。リバースローラ207は第1の搬送経路100cの搬送方向とは逆方向に回転し、ピックアップローラ205の回転によって用紙収納部201から重層状態で搬送される下位のリライタブル用紙Pを分離して、最上位のリライタブル用紙Pのみが搬送経路106に搬送されるようにする。
消去部301は、第1の搬送経路100cを介して対向配置されているヒートローラ302とプレスローラ303とを主体に構成され、通電によって発熱する。ヒートローラ302の第1の搬送経路100cの上方位置に、プレスローラ303は第1の搬送経路100cの下方位置にそれぞれ配置されている。ヒートローラ302は、通電によって発熱するヒータ304(図3参照)を内蔵し、第1の搬送経路100cを搬送されるリライタブル用紙Pを加熱することができる。プレスローラ303は、第1の搬送経路100cを介してヒートローラ302に付勢されている。
ピックアップローラ205、リバースローラ207およびヒートローラ302は、第1の搬送経路100c上のリライタブル用紙Pに搬送力を与えて用紙排出部100dまで搬送する第1の搬送機構209を構成し、アクチュエータからなる第1のコントローラ208a(図3参照)に駆動されて回転する。また、ヒートローラ302に付勢されているプレスローラ303は、ヒートローラ302の回転に伴って追従回転する。
プリントユニット101は、印刷部401を主体に構成され、リライタブルプリンタ1の上流側に配置されている。
印刷部401は、第2の搬送経路101cを介して対向配置されているライン型のサーマルプリントヘッド402とプラテン403とを主体に構成され、リライタブル用紙に対する印刷を行う。このような印刷部401の配置位置は、用紙発行部103の近傍である。
プリントユニット101の内部には第2の搬送経路101cが形成されており、その上流側端部をなす用紙導入部101dから消去装置100の用紙排出部100dから排出されたリライタブル用紙Pが導入される。プリントユニット101は、導入されたリライタブル用紙Pを搬送するための第2の搬送機構407を備えている。第2の搬送機構407は、第2の搬送経路101cに沿って複数対設けられた一対の搬送ローラ対408を主体に構成され、第2の搬送経路101c上のリライタブル用紙Pに搬送力を与えて用紙発行部103まで搬送する。第2の搬送機構407を構成する個々の搬送ローラ対408は、第2の搬送経路101cを介して対向配置され、一方のローラ部材が他方のローラ部材に付勢されて構成されている。そして、当該他方のローラ部材はアクチュエータからなる第2のコントローラ208b(図3参照)に駆動されて回転し、当該一方のローラ部材はこれに追従回転する。
また、リライタブルプリンタ1を構成する消去装置100およびプリントユニット101は、それぞれセンサ類を備える。
消去装置100は、環境温度センサ151および重層センサ153を備える。環境温度センサ151は、用紙収納部201の側壁に配置され、用紙収納部201内の温度を検出する。重層センサ153は、第1の搬送経路100c中、リバースローラ207の直後に位置させてその下流側に配置されている。
プリントユニット101は、用紙温度センサ152、用紙レジストセンサ154が示されている。用紙温度センサ152は、第2の搬送経路101c中、用紙導入部101dと印刷部401との間に位置させて配置され、プリントユニット101に導入されたリライタブル用紙Pの温度を検出する。用紙レジストセンサ154は、透過型の光センサであり、第2の搬送経路101c中、印刷部401の直前に位置させてその上流側に配置されている。
ここで、重層センサ153について説明する。重層センサ153は、第1の搬送経路100c中、リバースローラ207の直後に位置させて、その下流側に配置されている。この重層センサ153は、第1の搬送経路100c上を搬送されるリライタブル用紙Pの重層状態を検知するためのセンサである。重層センサとしては、(a)用紙を挿通可能に離間した二つの平行平板電極間の間に位置付けられた用紙について、この用紙による電極の静電容量や静電容量の変化を出力する静電容量式、(b)発光素子と受光素子とを離間して配置しその間に位置付けられた用紙について、発光素子から発せられ用紙を透過した後に受光素子に入る検出光の強さや検出光の透過率の変化を出力する光学式、(c)超音波発信機と超音波受信機とを離間して配置しその間に位置付けられた用紙について、超音波発信機から発信される超音波が用紙を通過し減衰した後の超音波の出力波形や出力波形の変化を出力する超音波式、などがある。重層センサ153には、これらの方式を含め用紙厚に応じた検出信号を出力するセンサであれば種々のものを採用することができる。重層センサ153は、リライタブル用紙Pを検出するとCPU502(図3参照)に向けて検出信号を出力する。CPU502は、予め、重層センサ153が一枚分または所定枚分のリライタブル用紙Pを検出した際の検出信号の出力値である基準レベルを認識しており、この基準レベルと重層センサ153から入力された検出信号の入力レベルとを比較することで、重層センサ153が検出した第1の搬送経路100c上のリライタブル用紙Pの重なりの有無を判定し、重なり枚数を算出する。すなわち、重層センサ153とCPU502とは、重なりの有無を判定し、リライタブル用紙Pの重なり枚数を算出する用紙状態判定部510を構成する。なお、重層センサ153は、リライタブル用紙Pの重なり枚数が1枚であるときにもCPU502に向けて検出信号を出力する。この場合、用紙状態判定部510は、重層センサ153から入力される検出信号を受けて、第1の搬送経路100c上のリライタブル用紙Pの重なり枚数が1枚であると算出する。すなわち、用紙状態判定部510は、第1の搬送経路100c上で重層センサ153が配置されている位置にリライタブル用紙Pが存在するか否かを検出する給紙センサとしての役割も果たしている。
なお、別の実施の形態として、用紙状態判定部510は、上記のような用紙厚に応じた検出信号を出力する重層センサ153と、この検出信号の出力レベルと単位枚数(例えば一枚)の用紙厚に対する重層センサ153の検出信号の出力レベルである基準レベルと、を比較して、重なり枚数を判断する処理を実行するプロセッサとにより構成され、この用紙状態判定部510から消去装置100のCPU502にはリライタブル用紙Pの重なり枚数の値そのものが入力されるようにしてもよい。この場合、用紙状態判定部510が出力するリライタブル用紙Pの重なり枚数が2以上である場合、消去装置100のCPU502は、リライタブル用紙Pは重なりがある状態であると判定する。
図3は、リライタブルプリンタ1のハードウェア構成を示すブロック図である。リライタブルプリンタ1を構成する消去装置100およびプリントユニット101は、双方が有する通信インターフェイス507、607を接続するコネクトケーブルCBによって、データ通信自在に接続される。
消去装置100は、情報処理を実行するハードウェア資源として、情報処理部501を有している。情報処理部501は、各種演算処理を実行して各部を集中的に制御するCPU502に、フラッシュROM504とEEPROM505とがバスラインBL1を介して接続されることにより構成されている。フラッシュROM504は、各種設定値や各種テーブル等を書き替え自在に記憶し、その記憶内容を給電なしに保持可能である。このフラッシュROM504には、リライタブル用紙Pの重なり枚数と、CPU502が実行する消去処理(図5参照)に用いられるリライタブル用紙の加熱消去に関するパラメータとの関係定義を記憶した定義ファイルF(図4参照)が記憶されている。定義ファイルFにおいて、パラメータは、リライタブル用紙Pの重なり枚数が増加するとこのリライタブル用紙Pに加える印刷内容の消去のための熱エネルギー量が増加するように消去装置100の各部が駆動制御されるべく、重なり枚数との関係が定義されている。EEPROM505は、制御プログラム等を書き替え自在に記憶し、その記憶内容を給電なしに保持可能である。フラッシュROM504とEEPROM505とは、データを記憶する記憶部508としての役割を果たす。
また、CPU502は、バスラインBL1を介して、リフタ202(図2参照)の駆動源となるリフタ駆動部203、第1の搬送機構209(図2参照)を駆動制御する第1のコントローラ208a、ヒータ304を制御するヒータコントローラ305、センサ類からの信号を取り込むセンサ入力回路506のそれぞれと接続し、これら各部を制御する。センサ入力回路506には、環境温度センサ151および重層センサ153の他に、ヒータ温度センサ159も接続されている。ヒータ温度センサ159は、消去部301を構成するヒータ304の近傍に位置させてヒートローラ302に内蔵されている。
さらに、CPU502は、バスラインBL1を介して、消去装置100と外部機器との間のデータ通信を実現させるための通信インターフェイス507が接続されている。
プリントユニット101は、情報処理を実行するハードウェア資源として、情報処理部601を有している。情報処理部601は、CPU602に、SRAM603とフラッシュROM604とEEPROM605とがバスラインBL2を介して接続されることにより構成されている。SRAM603は、一時記憶データ等の可変データを書き替え自在に記憶し、ワークエリアとして利用される。
また、CPU602は、バスラインBL2を介して、サーマルプリントヘッド402を制御するヘッド制御回路404、第2の搬送機構407を駆動制御する第2のコントローラ208b、表示部104、操作部105、センサ入力回路606のそれぞれと接続し、これら各部を制御する。センサ入力回路606には、用紙温度センサ152および用紙レジストセンサ154の他に、ヘッド温度センサ160も接続されている。ヘッド温度センサ160は、印刷部401を構成するサーマルプリントヘッド402に搭載されている。
さらに、CPU602は、バスラインBL2を介して、プリントユニット101と外部機器との間のデータ通信を実現させるための通信インターフェイス607が接続されている。
図4は、定義ファイルFの内容の一例を示す模式図である。定義ファイルFは、リライタブル用紙Pの重なり枚数と、CPU502が実行する消去処理に用いられるリライタブル用紙の加熱消去に関するパラメータとの関係を記憶している。このパラメータは、消去装置100のCPU502が、第1の搬送経路100c上を搬送されるリライタブル用紙Pに対し、リライタブル用紙Pの可逆性感熱記録層に含まれる顕色成分(ロイコ染料や顕色剤)が分解されて人間が視認できない程度にまでリライタブル用紙Pの表示内容が消色される程度の熱エネルギーをリライタブル用紙Pに加えるために行う各部の駆動制御に用いられるパラメータである。このパラメータは、一例として、以下に示すものを使用することができる。
図4(a)は、パラメータとして消去部301を加熱して消去部301を所定の温度に設定するために必要な駆動パワーを採用した場合の重なり枚数とパラメータとの関係定義を示している。また、図4(b)は、パラメータとして第1の搬送機構209が第1の搬送経路100c上のリライタブル用紙Pを搬送する搬送速度を所定の速度に設定するために必要な第1の搬送機構209の駆動パルスを採用した場合の重なり枚数とパラメータとの関係定義を示している。このように、リライタブル用紙の加熱消去に関するパラメータとしては、消去部301を加熱するための駆動パワー、第1の搬送機構209を駆動制御するための駆動パルスを採用することができ、このほかにも、パラメータとして消去部301を構成するヒートローラ302が第1の搬送機構209上のリライタブル用紙Pを押圧する圧接力を所定の大きさに設定するための駆動パワーを採用することもできる。
図5は、消去装置100のCPU502が実行する処理の流れを示すフローチャートである。消去装置100は起動中、第1のコントローラ208aを制御して第1の搬送機構209を駆動している。また、消去装置100は起動中、用紙状態判定部510が算出する第1の搬送経路100c上の重層センサ153が配置されている位置におけるリライタブル用紙Pの重なり枚数を取得し(ステップS101)、この重なり枚数が1枚以上であるか否かを判定している(ステップS102)。重なり枚数が1枚以上でないと判定した場合(ステップS102のN)、CPU502は処理をステップS101に戻して、再びリライタブル用紙Pの重なり枚数を取得する。これに対し、重なり枚数が1枚以上であると判定した場合(ステップS102のY)、CPU502は、続く処理として、取得した重なり枚数が2以上であるか否かを判定し(ステップS103)、重なり枚数が2枚以上であると判定した場合のみ(ステップS103のY)、第1の搬送経路100cを搬送されるリライタブル用紙Pの一部に2枚以上貼り付いた重層部分があるか否かを示す重層フラグを1に設定する(ステップS104)。
ステップS103のNもしくはS104に続く処理として、CPU502は定義ファイルFを参照してステップS101において取得した重なり枚数に対応するパラメータを取得し(ステップS105)、続いて、この取得したパラメータに基づく消去処理を実行する(ステップS106)。
ステップS106において消去装置100のCPU502が実行する消去処理は、消去部301を制御してリライタブル用紙Pに印刷された印刷内容を消去する処理である。消去処理では、CPU502は、ヒータ温度センサ159から入力されるヒートローラ302の温度情報を参照し、CPU502はヒータコントローラ305を制御してヒータ304からヒートローラ302に与える熱エネルギーの量を調整し、消去部301の温度を所定の温度に設定する。一例として、定義ファイルFに記憶されているパラメータが消去部301を加熱するための駆動パワーである場合(図4(a)参照)、CPU502は、消去部301の温度をステップS105に示す処理において取得したパラメータ(駆動パワー)に従ってヒータコントローラ305を制御して、消去部301を構成するヒートローラ302の温度を所定の温度に設定する。また、別の一例として、定義ファイルFに記憶されているパラメータが第1の搬送機構209を駆動制御するための駆動パルスである場合(図4(b)参照)、CPU502は、消去部301の温度を所定の温度に維持したまま、ステップS105に示す処理において取得したパラメータ(駆動パルス)に従って第1のコントローラ208aを制御して、第1の搬送機構209の駆動速度を調整してリライタブル用紙Pの搬送速度を所定の搬送速度に設定する。また、別の一例として、パラメータとしてヒートローラ302がリライタブル用紙Pを押圧する圧接力を所定の大きさに設定するための駆動パワーが採用されている場合は、CPU502は、その駆動パワーに基づいてヒートローラ302の圧接力を変化させる図示しない押圧機構を駆動制御するようにしてもよい。このように、CPU502は、消去処理において、ステップS105に示す処理において取得したパラメータに基づく処理を実行し、消去部301がリライタブル用紙Pに伝わる熱エネルギーを変化させる。
ステップS106に示す消去処理に続く処理として、CPU502は、用紙状態判定部510が算出する第1の搬送経路100c上のリライタブル用紙Pの重なり枚数を取得し(ステップS107)、ステップS101において取得した重なり枚数から変化があるか否かを判定する(ステップS108)。CPU502は、重なり枚数の変化があったと判定するまでステップS106〜S107に示す処理を繰り返し実行する(ステップS108のN)。重なり枚数の変化があったと判定すると(ステップS108のY)、CPU502は、変化後の重なり枚数が1枚以上であると判定した場合には処理をステップS103まで戻す(ステップS109のY)。これに対し、変化後の重なり枚数が1枚以上ではないと判定した場合(ステップS109のN)、重層センサ153の位置にリライタブル用紙Pの終端が到達したとして重層フラグが1であるか否かを判定した後に処理を終了する(ステップS110)。ここで、CPU502は、ステップS110における判定において、重層フラグが1でない場合(ステップS110のN)、処理をそのまま終了する。これに対し、CPU502は、ステップS110における判定において、重層フラグが1である場合(ステップS110のY)、データ通信自在に接続するプリントユニット101に対して印刷不実行命令を送信した後に(ステップS111)処理を終了する。
消去部301を構成するヒートローラ302と用紙状態判定部510を構成する重層センサ153とは離間して配置されている。そのため、消去装置100のCPU502はステップS106に示す処理において、用紙状態判定部510が重なり枚数の算出を行ったリライタブル用紙P上の検出箇所が第1の搬送機構209によってヒートローラ302の位置に位置付けられたタイミングで、その検出箇所の重なり枚数に対応するパラメータに基づく消去処理を実行する。
プリントユニット101のCPU602は、図示しない外部機器から受信した印刷データに基づいて印刷部401を制御し、リライタブル用紙Pに対する印刷を行う。そして、プリントユニット101のCPU602は、消去装置100から送信される印刷不実行命令を受けることによって消去装置100から排出されプリントユニット101の用紙導入部101dに導入されるリライタブル用紙Pに重層部分があるか否かを判断する。プリントユニット101のCPU602は、消去装置100のCPU502から印刷不実行命令を受けたことにより、導入されたリライタブル用紙Pに重層部分があると判断した場合、印刷部401に対して印刷を行わせないで、プリントユニット101に導入されたリライタブル用紙Pをそのまま用紙発行部103まで搬送する。
なお、別の実施の形態として、プリントユニット101の第2の搬送機構407の途中で印刷部401と用紙導入部101dとの間に重層センサを配置して、その重層センサが発する検出信号に基づいてプリントユニット101のCPU602がリライタブル用紙Pに重層部分があるか否かを判定するようにしてもよい。
図6は、重層状態にあるリライタブル用紙Pが第1の搬送経路100cに搬送された場合にリライタブルプリンタ1が行う処理の一例を示す説明図である。上記のように構成された本実施の形態のリライタブルプリンタ1では、複数枚貼り付いて層をなした重層状態のままリバースローラ207を通過し第1の搬送経路100cに搬送されたリライタブル用紙Pに対しても、印刷内容の消去に必要な熱エネルギーがリライタブル用紙Pに加えられて、リライタブル用紙Pに印刷された印刷内容が消去される。以下、定義ファイルFで重なり枚数と対応して定義づけられるリライタブル用紙の加熱消去に関するパラメータとして消去部301を加熱するための駆動パワーを採用した場合(図4(a)参照)に、重層状態にあるリライタブル用紙Pが第1の搬送経路100cに搬送された場合にリライタブルプリンタ1が行う処理の一例について、図6に基づいて説明する。
消去装置100を構成する用紙状態判定部510は、第1の搬送経路100cに沿って搬送されるリライタブル用紙Pの箇所が重層センサ153の位置に位置付けられると、重層センサ153が発する検出信号を基に重層センサ153の位置にあるリライタブル用紙Pの重なり枚数を算出する。図6(a)に示す例では、用紙状態判定部510はリライタブル用紙Pの箇所L1の重なり枚数として1を算出する。そのため、消去装置100のCPU502は、定義ファイルFを参照して、重なり枚数=1に対応する消去部301の駆動パワーとしてW1を取得し、第1の搬送機構209によってリライタブル用紙Pが搬送されてリライタブル用紙Pの箇所L1が消去部301に位置付けられたタイミングで駆動パワーW1でヒータコントローラ305を制御し、消去部301の温度をT1とする。
第1の搬送機構209によってリライタブル用紙Pが第1の搬送経路100cに沿って搬送され、リライタブル用紙Pの重なり開始箇所L2が重層センサ153の位置に位置付けられると(図6(b))、用紙状態判定部510は重なり開始箇所L2の重なり枚数として2を算出する。また、このとき、消去装置100のCPU502は、図5のステップS104に示す処理を実行して、重層フラグを1に設定する。そして、消去装置100のCPU502は、定義ファイルFを参照して、重なり枚数=2に対応する消去部301の駆動パワーとしてW2を取得し、第1の搬送機構209によってリライタブル用紙Pが搬送されてリライタブル用紙Pの重なり開始箇所L2が消去部301に位置付けられたタイミングで駆動パワーW2でヒータコントローラ305を制御し、消去部301の温度をT2とする。
引き続き、リライタブル用紙Pは第1の搬送機構209によって搬送され、そのことによってリライタブル用紙Pの重なり終了箇所L3が重層センサ153の位置に位置付けられると(図6(c))、消去装置100のCPU502は、第1の搬送機構209によってリライタブル用紙Pが搬送されてリライタブル用紙Pの重なり終了箇所L3が消去部301に位置付けられたタイミングでヒータコントローラ305を制御し、駆動パワーW1でヒータコントローラ305を制御して消去部301の温度をT1とする。
そして、リライタブル用紙Pの終端L4が重層センサ153の位置に位置付けられると(図6(d))、消去装置100のCPU502は、第1の搬送機構209によってリライタブル用紙Pが搬送されてリライタブル用紙Pの終端L4が消去部301に位置付けられたタイミングでヒータコントローラ305の制御を中止し、消去部301への加熱を中止する。さらに、重層フラグ=1であることにより、消去装置100のCPU502は、プリントユニット101に対して印刷不実行命令を送信する。プリントユニット101は消去装置100から送信される印刷不実行命令を受信すると、このリライタブル用紙Pに重層部分があると判定し、このリライタブル用紙Pに対する印刷を実行せずにそのリライタブル用紙Pを用紙発行部103から発行する。
このように、本実施の形態のリライタブルプリンタ1によれば、第1の搬送経路100cを搬送されるリライタブル用紙Pの重なり枚数が判定されることでリライタブル用紙の重なりが判定され、予め定められたリライタブル用紙Pの重なり枚数とリライタブル用紙Pの加熱消去に関するパラメータとの関係定義に従って、判定されたリライタブル用紙Pの重なり枚数に対応するパラメータに基づくリライタブル用紙Pの消去が行われ、すなわちリライタブル用紙の重なり状態に応じた熱エネルギーがリライタブル用紙に加えられて印刷内容の消去が行われるため、重層された状態で搬送されるリライタブル用紙Pに対しても、リライタブル用紙Pの印刷内容を消去することができる。
次いで、別の実施の形態を図7に基づいて説明する。この場合、図1ないし図6に基づいて説明した実施の一形態と同一の部分は同一符号で示し、説明も省略する。
本発明の別の実施の一形態のリライタブルプリンタ1を構成する消去装置100は、用紙状態判定部510によってリライタブル用紙Pの重なりが判定された場合に、重なり枚数を問わず、搬送されるリライタブル用紙Pに与える印刷内容の消去のための熱エネルギーを増加させる点が、前述した実施の形態と相違する。
本実施の形態の用紙状態判定部510は、第1の搬送経路100c上の重層センサ153が配置されている位置におけるリライタブル用紙Pの用紙状態を判定し、重層センサ153が検出した検出信号の出力値を基準レベルと比較して、「用紙無し」、「用紙有り」もしくは「用紙重なり」のいずれかを示す用紙状態情報を出力する。「用紙無し」は、重層センサ153が配置されている第1の搬送経路100c上の位置にリライタブル用紙Pが位置付けられていないことを示す。「用紙有り」は、当該位置に重層状態にない単票のリライタブル用紙Pが位置付けられていることを示す。「用紙重なり」は、当該位置に重層状態にあるリライタブル用紙Pが位置付けられていることを示す。
図7は、本実施の形態の消去装置100のCPU502が実行する処理の流れを示すフローチャートである。消去装置100は起動中、用紙状態判定部510から入力される用紙状態情報を取得し(ステップS201)、入力された用紙状態情報に基づいてリライタブル用紙Pの有無を判定する(ステップS202)。用紙状態情報が「用紙有り」もしくは「用紙重なり」のいずれかの状態を示すものであってリライタブル用紙Pが存在すると判定した場合(ステップS202)、CPU502は、用紙状態に応じた消去処理を実行する(ステップS206)。このとき、用紙状態が「用紙重なり」を示すものである場合(ステップS203のY)、前述した実施の形態におけるステップS104(図5参照)と同様に、重層フラグを1に設定した後に(ステップS204)、用紙状態に応じた消去処理を実行する(ステップS206)。
本実施の形態における消去処理(ステップS206)では、消去装置100のCPU502は、リライタブル用紙Pが「用紙重なり」の状態にあると判定した場合、リライタブル用紙Pが「用紙有り」の状態にあると判定した場合よりも、リライタブル用紙Pに与える印刷内容の消去のための熱エネルギーを増加させて、リライタブル用紙Pの印刷内容を消去する。一例として、リライタブル用紙Pが「用紙重なり」の状態にある場合に消去装置100のCPU502は、「用紙有り」の状態にある場合よりも消去部301のヒートローラ302に加える駆動パワーを増加させることで、リライタブル用紙Pに与える印刷内容の消去のための熱エネルギーを増加させる。また、別の一例として、リライタブル用紙Pが「用紙重なり」の状態にある場合に消去装置100のCPU502は、「用紙有り」の状態にある場合よりも第1の搬送機構209の駆動パルスを減少させてリライタブル用紙Pの搬送速度を下げ、消去部301がリライタブル用紙Pと接触する時間を長くして、リライタブル用紙Pに与える印刷内容の消去のための熱エネルギーを増加させる。
ステップS206に示す消去処理に続く処理として、CPU502は、用紙状態判定部510から入力される用紙状態情報を取得し(ステップS207)、ステップS201において取得した用紙状態情報から変化があるか否かを判定する(ステップS208)。CPU502は、用紙状態情報の変化があったと判定するまでステップS206〜S207に示す処理を繰り返し実行する(ステップS208のN)。用紙状態情報の変化があったと判定すると(ステップS208のY)、CPU502は、用紙状態情報が「用紙有り」もしくは「用紙重なり」のいずれかの状態を示すものであってリライタブル用紙Pが存在すると判定した場合には処理をステップS203まで戻す(ステップS209のY)。これに対し、用紙状態情報が「用紙無し」であってリライタブル用紙Pが存在しないと判定した場合(ステップS209のN)、重層センサ153の位置にリライタブル用紙Pの終端が到達したとして重層フラグが1であるか否かを判定した後に処理を終了する(ステップS210)。ここで、CPU502は、ステップS210における判定において、重層フラグが1でない場合(ステップS210のN)、処理をそのまま終了する。これに対し、CPU502は、ステップS210における判定において、重層フラグが1である場合(ステップS210のY)、データ通信自在に接続するプリントユニット101に対して印刷不実行命令を送信した後に(ステップS211)処理を終了する。
以上のような処理を実行する本実施の形態のリライタブルプリンタ1によっても、前述した実施の形態のリライタブルプリンタ1と同様に、リライタブル用紙Pの重なりを判定し、判定したリライタブル用紙Pの重なり状態に応じた熱エネルギーがリライタブル用紙Pに加えられて印刷内容の消去が行われるため、重層状態で搬送されるリライタブル用紙Pに対しても、リライタブル用紙Pの印刷内容を消去することができる。
100…消去装置(リライタブル用紙消去装置)、100c…第1の搬送経路、100d…用紙排出部、101…プリントユニット、101c…第2の搬送経路、101d…用紙導入部、103…用紙発行部、209…第1の搬送機構、301…消去部、401…印刷部、407…第2の搬送機構、508…記憶部、510…用紙状態判定部(重なり判定手段、重なり枚数を判定する手段)、P…リライタブル用紙