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JP4893886B2 - 高速せん断加工ができるせん断プレス機械 - Google Patents
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JP4893886B2 - 高速せん断加工ができるせん断プレス機械 - Google Patents

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Description

本発明は、スライド速度を増速した高速でせん断加工を行なえるプレス機械に関する。
一般的に、構造・機能上の固有的事情から、ストロークが大きい(長い)プレス機械の速度は低速になる。プレス機械は高速性が高くなるにつれてストロークが一段と小さく(短く)なる。また、ストロークを小さくしても、プレス加工およびワーク搬入出のサイクルタイムの整合性に係る問題から、高速化することが難しい場合も多い。つまり、大ストロークで高速のプレス機械は現存していない。
プレス加工態様と製品の精度・品質との関係は、密接である。単品素材(ブランク)にプレス加工(例えば、絞り等の塑性加工)を施す場合は、スライド速度を低速にすることが好ましい。しかし、せん断加工の場合は、せん断速度が高速であればあるほど、せん断断面の仕上がり精度・品質が向上する(優れている)。
かくして、従来は、比較的に低速な作業(プレス加工)を分担すると言えるプレス機械の他に、比較的に高速な作業(せん断加工)を分担させるせん断加工専用装置を採用している場合が多い。つまり、せん断加工専用装置を用いて、例えば、連続素材をせん断加工することで多数の単品素材(ブランク)を作成させる。その後に、プレス機械を用いて、供給・セットされた単品素材(ブランク)にプレス加工を施すことで、製品(単品素材)を生産している。
従来のせん断加工専用装置は、固定刃に対して移動刃を相対移動させることでせん断加工を行なう構造である。また、せん断加工専用装置の動力をプレス機械(クラウン内)に装着された駆動源(例えば、メインモータ乃至メインシャフト)を利用する場合が多い。具体的には、駆動源と移動刃用駆動軸との間に構造複雑な動力伝達機構(歯車列,連結桿,カム駆動部,カム等)を介装しなければならない。
しかるに、プレス機械の駆動源を利用すると、せん断加工速度の高速化は難しい。むしろ、試打ち運転に切換えた場合のように通常スライド速度(平均的スライド速度)に比較して一段と低速になる場合が多い。したがって、せん断加工の点からは、精度・品質が劣悪(バリ,チギレ,傷等が発生)になる。
この問題解消策として、溝入れ機構を増設した装置(特許文献1)と、プレス機械の駆動源とは異なる副駆動源を設けた装置(特許文献2)が提案されている。
提案前者装置(溝入れ機構)は、摺動体22,縮小爪体30,回転支持体28,押動体29およびシリンダ32等を含み、凸状部19aを有する溝入れ用の転造ロール19を半径方向に進退動させて、連続素材(パイプA)のせん断箇所外周に予め任意の深さの面取り用溝A1を転造する。つまり、高速化を断念しつつも品質を向上させることを企図する観点から、せん断加工に先行して予備成形(転造)を施す考え方である。
提案後者装置は、駆動源(主モータ6)を用いて駆動される素材切断装置10(駆動部14,係合ピン15,カム板駆動体16等を含む。)に、駆動源(6)に優先してカッター13を高速駆動可能とする副駆動機構(副駆動源20を含む。)を併設したものである。つまり、プレス機械側に依存することなく高速化を企図する観点から、プレス機械には接近配設するもののプレス機械(駆動源)とは無関係の副駆動機構を増設する考え方である。
特開2004−249448公報 特開2003−220443公報
いずれの提案装置も、従来のせん断加工専用装置の場合に比較して、駆動構造が倍する程(2重的)に複雑かつ大型となり、普遍的な装置小型化および低コスト化の要請に応えられない。大幅な装置コスト高をも招く。しかも、運用の実際においては、装置複雑化・大型化・高コスト化する割には、高速化の程度は低い。
本発明の目的は、高速せん断加工を行なえる小型のプレス機械を提供することにある。
請求項1の発明は、シリンダおよびシリンダ内を上室と大気解放の下室とに仕切る駆動ピストンを含む駆動シリンダ装置を有し、駆動ピストンの上室側に円盤形状の大きな受圧面が形成されかつ下室側には下方に延びる駆動ピンが形成され、シリンダおよびシリンダ内を上室と下室とに仕切る従動ピストンを含む従動シリンダ装置を有し、従動ピストンの上室側に円盤形状の小さな受圧面が形成されかつ下室側には下方に延びる従動ピンが形成され、固定刃に対して移動刃を相対移動させることで素材をせん断加工可能なせん断加工部を有し、駆動シリンダ装置のシリンダおよび従動シリンダ装置のシリンダをスライド昇降に同期昇降可能として上プレートに取付けるとともに下降する従動ピンが移動刃に当接可能としてせん断加工部を下プレートに取付け、駆動シリンダ装置の上室と従動シリンダ装置の上室とを作動流体が往復流動可能に連通させるとともに、駆動シリンダ装置の上室から従動シリンダ装置の上室に作動流体が往流動している状態で従動シリンダ装置の下室内の作動流体を外部に排出可能かつ従動シリンダ装置の上室から駆動シリンダ装置の上室に作動流体が復流動している状態で外部から従動シリンダ装置の下室内に作動流体を供給可能に形成し、スライド下降中に駆動シリンダ装置の駆動ピンが下プレートに当接したときに位置拘束可能でかつ駆動ピンの位置拘束後のスライド下降に伴う作動流体の往流動により従動シリンダ装置の従動ピンを下降させかつ移動刃に当接させて移動刃を急速下降可能に形成されている、ことを特徴とする。
また、請求項2の発明は、従動シリンダ装置が内筒体を利用して構成されかつ駆動シリンダ装置が該内筒体とこれを包囲する外筒体とを利用して構成された2重シリンダ構造であること、を特徴とする。
また、請求項3の発明は外筒体と内筒体とが同芯配設され、請求項4の発明は駆動シリンダ装置の駆動ピンが同芯円軌跡上に配設された複数本とされ、さらに請求項5の発明は、従動ピンと移動刃との間に空走距離が設けられている、ことを特徴とする。
さらに、請求項6の発明は、駆動シリンダ装置の上室と従動シリンダ装置の上室とが当該各シリンダに加工された流路を通して作動流体が往復流動可能に形成されている。
請求項1の発明によれば、スライドの下降運動を利用しかつ当該スライド速度を増速した高速で高品質のせん断加工ができるとともに、従来のせん断加工専用装置(乃至提案前・後者装置)および複雑な動力伝達機構を一掃化できるから、大幅なコスト低減化および装置小型化を促進できる。しかも、ブランクの作成にかぎらずせん断加工製品の生産もできるので、作業全体を通しての生産性が高くかつプレス機械自体の稼働率を向上できる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、さらに両シリンダ装置の剛性を高めつつ、装置コスト低減と小型化を一段と促進できる。
請求項3の発明によれば、請求項2の発明の効果に加え、さらにシリンダ装置の構造簡素化を促進できる。
請求項4の発明によれば、請求項2、3の各発明の効果に加え、さらに高速せん断加工に関する力学的な均一化および安定化を図れる。
請求項5の発明によれば、請求項1〜4の各発明の効果に加え、さらに無負荷状態において従動ピンの下降速度を加速できるから、一段と高速でかつシャープなせん断加工を行なえる。
請求項6の発明によれば、請求項1〜5の各発明の効果に加え、さらにシリンダ装置間の配管を一掃できるから、構造上の安全が高められかつ構造簡素化、装置コスト低減および装置小型化を一段と促進できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
本プレス機械は、図1〜図3に示す如く、シリンダ22および駆動ピストン24を含みかつ駆動ピストン24に大きな受圧面Akと駆動ピン26とが形成された駆動シリンダ装置20と、シリンダ42および従動ピストン44を含みかつ従動ピストン44に小さな受圧面Ajと従動ピン45とが形成された従動シリンダ装置40と、固定刃2に対して移動刃5を相対移動させることで素材をせん断加工可能なせん断加工部1とを有し、駆動シリンダ装置20のシリンダ22および従動シリンダ装置40のシリンダ42をスライド昇降に同期昇降可能として上プレート10に取付けるとともに下降する従動ピン45が移動刃5に当接可能な位置としてせん断加工部1を下プレート50に取付け、駆動シリンダ装置20の上室23と従動シリンダ装置40の上室43とを作動流体が往復流動可能に連通させるとともに、駆動シリンダ装置の上室から従動シリンダ装置の上室に作動流体が往流動している状態で従動シリンダ装置の下室内の作動流体を外部(63)に排出可能かつ従動シリンダ装置の上室から駆動シリンダ装置の上室に作動流体が復流動している状態で外部から従動シリンダ装置の下室内に作動流体を供給可能に形成し、スライド下降中に駆動シリンダ装置の駆動ピンが下プレート50(対抗ピン51)に当接して位置拘束された以降のスライド下降に伴う作動流体の往流動により従動ピン45を下降かつ当接させて移動刃5を急速下降可能に形成されている。
図1(縦断面図)の基線Zを中心とする右半分にせん断加工を実行する以前の状態を示し、左半分にせん断加工を実行した後の状態を示してある。図2は平面図である。
プレス機械は、駆動機構(クランク機構や、サーボモータ駆動機構)によりスライドを昇降させ、スライド側に取付けられた上型とボルスタ側に取付けられた下型との協働により、ブランクにプレス加工を施すことができる。但し、プレス機械の構造は周知であるから図示を省略した。
図1において、上プレート10は、スライドに着脱自在な構造で、せん断加工部1およびシリンダ装置(20,40)に関してはスライド側を形成する。つまり、駆動シリンダ装置20(詳しくは、シリンダ22)および従動シリンダ装置40(詳しくは、シリンダ42)を、上プレート10ごとスライドに取付ければスライドの昇降運動に同期して昇降運動させることができる。下プレート50は、ボルスタに着脱自在な構造で、せん断加工部1およびシリンダ装置(20,40)に関してはボルスタ側を形成する。
この実施の形態では、駆動シリンダ装置20および従動シリンダ装置40をスライドに着脱自在な上プレート10に取付けかつせん断加工部1をボルスタに着脱自在な下プレート50に取付けたダイセット構造としてある。
さらに、駆動シリンダ装置20および従動シリンダ装置40は、円筒体の2重シリンダ構造である。すなわち、従動シリンダ装置40が内筒体35を利用して構成され、駆動シリンダ装置20は、この内筒体35と外筒体31とを利用して構成さている。外筒体31と内筒体35とは、基線Zを中心(芯)として同芯配設されている。
詳しくは、従動シリンダ装置40は、内筒体35を利用したシリンダ42と円盤形状の受圧面(受圧面積Aj)を持つ従動ピストン44とを含み、図1,図2に示す基線Zを中心に配設されている。シリンダ42は、内筒体35と上蓋部(上プレート10)と下蓋部47から形成されている。従動ピストン44の上側が上室43で、下側が下室46である。この従動ピストン44には、下方に延びる従動ピン(ピストンロッド相当)45が一体的に形成されている。すなわち、従動シリンダ装置40は、シリンダ42およびシリンダ内を上室43と下室46とに仕切る従動ピストン44を含み、従動ピストン44の上室側に円盤形状の小さな受圧面Ajが形成されかつ下室側には下方に延びる従動ピン45が形成されている。
シリンダ42を構成する内筒体35に溝構造の連通穴36が形成され、上蓋部(上プレート10)にも溝構造の連通穴11が形成されている。これら連通穴36,11は、上室43と駆動シリンダ装置20(上室23)とを連通する。また、下蓋部47には、連通路(連通管)49が設けられ、解放口が給排ポート48となる。
駆動シリンダ装置20は、内筒体35とこれを包囲する外筒体31とを利用して構成されたシリンダ22と円環形状の受圧面(受圧面積Ak)を持つ駆動ピストン24とを含み、基線Zを中心に配設されている。シリンダ22は、内外筒体35,31と上蓋部(上プレート10)と下蓋部28からなる。駆動ピストン24の上側が上室23で、下側が下室27である。この駆動ピストン24には、下方に延びる駆動ピン(ピストンロッド相当)26が一体的に形成されている。駆動ピン26の数は、図2に示す如く、基線Zを中心とする円軌跡(R)上に等間配設された複数(6)本である。すなわち、駆動シリンダ装置20は、シリンダ22およびシリンダ内を上室23と大気解放の下室27とに仕切る駆動ピストン24を含み、駆動ピストン24の上室側に円盤形状の大きな受圧面Akが形成されかつ下室側には下方に延びる駆動ピン26が形成されている。
シリンダ22を構成する外筒体31には、圧調整ポート32を有する連通路33が形成され、上蓋部(上プレート10)には上室23と従動シリンダ装置40(上室43)とを連通する溝構造の連通穴11が形成されている。
つまり、駆動シリンダ装置20の上室23と従動シリンダ装置40の上室43とが当該各シリンダ(31,10、35,10)に加工された流路(33,36、11)を通して作動流体が往復流動可能に形成されている。外部接続管路の場合に比較して、構造簡単でかつ高圧(例えば、200kg/cm)に対する安全性を高められる。
なお、下蓋部28には、駆動ピン26を出入可能な貫通口が設けられている。下室27は、大気解放(下室内圧力27Pは大気圧)であるから、連通路等は設ける必要がない。つまり、下蓋部28は、駆動ピストン24の下限位置を規制する部材として働く。
すなわち、駆動シリンダ装置20(上室23)と従動シリンダ装置40(上室43)とを作動流体が往復流動可能に連通されている。そして、駆動シリンダ装置20(上室23)から従動シリンダ装置40(上室43)に作動流体が往流動している状態で、従動シリンダ装置の下室(46)内の作動流体を外部(タンク63)に排出可能である。
これとは反対に、従動シリンダ装置40(上室43)から駆動シリンダ装置20(上室23)に作動流体が復流動している状態で、外部(63)から従動シリンダ装置40の下室(46)内に作動流体を供給可能である。
ここに、スライド側(10)に設けた駆動シリンダ装置20の受圧面積Akは大きく、従動シリンダ装置40の受圧面積Ajは小さい。この実施の形態では、受圧面積Akが受圧面積Ajの5倍(=Ak/Aj)とされている。つまり、単位時間内において、駆動シリンダ装置20(上室23)から流出される作動流体(例えば、非圧縮性の油)の量Q23と従動シリンダ装置40(上室43)に流入される作動流体の量Q43とが等しければ、受圧面積の相異から、従動ピストン44(従動ピン45)の変位量S44を駆動ピストン24の変位量S24の5倍とすることができる。すなわち、従動ピン45の下降速度を駆動ピン26の速度(詳しくは、スライドの下降速度)の5倍に増速することができる。
スライドモーション(クランク角度とスライド位置との関係を示す線図)には、スライド速度がプレス加工領域として望まれる低速である低速領域と、プレス加工領域直前までの時間短縮を図るために高速とされた高速領域と、スライドストローク(1回の昇降)を通じた平均的なスライド速度である平均的速度領域とが含まれる。例えば、高速領域内でのスライド速度は、平均的スライド速度の4倍である。
かくして、上記した作動流体の入出流を、高速領域内でのスライド速度(4倍速度)を利用して実行させれば、従動ピン45の下降速度を平均的スライド速度の場合に比較して20(=5×4)倍とすることができる。実際には、スライド自体の下降速度も加算されるので、21倍に近い。
さて、下プレート50に取付けられたせん断加工部1は、図1に示す移動刃5と紙面奥に配設された固定刃2とを相対移動(上下方向移動)させることにより、各刃2,5の貫通穴6に挿入された連続素材(素材9)をせん断加工して単品素材(素材9)を作成・生産することができる。せん断加工部1は、下降する従動ピン45が移動刃5に当接可能として下プレート50に取付けられる。
固定刃2は上エンドブロック55と下エンドブロック57とに固定され、移動刃5はブロック55,57間に取付けられた上下に延びるガイド56に摺動自在に装着されている。いわゆるダイセット構造としてある。下プレート50(および下エンドブロック57)に設けた貫通穴52には、昇降用ピストン53が嵌装されている。
この昇降用ピストン53は、下方のクッション装置(図示省略)に連結されており、常態(無負荷状態)では移動刃2を図1の右半分に示した上限側位置に上昇させ、せん断加工中はクッション作用を伝達しかつせん断加工終了時には図1の左半分に示した下限位置まで移動刃2を下降させることができる。
また、下プレート50には、実質的には下プレート50の一部を構成する対抗ピン51が設けられている。この本数は、上プレート10の駆動ピン26の本数(6本)と同じである。駆動ピン26および対抗ピン51の長さは、スライド(10)が下降した場合に、従動ピン45が移動刃5に当接する時期よりも早期に両者26,51が当接可能な値として決定される。
すなわち、スライド(10)下降中に駆動シリンダ装置20の駆動ピン26が下プレート50(51)に当接したときに位置拘束可能である。この位置拘束後のスライド下降に伴って作動流体の往流動が生じ、この往流動により従動シリンダ装置40の従動ピン45を下降させかつ移動刃5に当接させ、当該移動刃5を急速下降可能に形成されている。
しかも、この実施の形態では、従動ピン45と移動刃5との間に図1に示す空走距離dを設け、従動ピン45と移動刃5との当接開始時点を、駆動ピン26と下プレート50(51)との当接開始時点よりも、遅延可能に形成してある。つまり、従動ピン45の当接直前の加速性を助長できる。かくして、従動ピン45が移動刃5(素材9)に当接する瞬間のインパクト(せん断力)を強力化できる。
給排出装置60は、図3に示すポンプ61、タンク63、ソレノイドバルブ65、パイロットチェッキバルブ74、圧力調整弁78、管継手79および流路(配管)を含み、従動シリンダ装置40の上室43および下室46に作動流体を給出入可能に形成されている。アキュムレータ72は、従動シリンダ装置40の上室内圧力43Pの値を一定保持させるために設けられている。なお、駆動シリンダ装置20の上室内圧力23Pの値は、上室内圧力43Pの値よりも流路抵抗相当分だけ大きい。
スライド下降中にソレノイドバルブ65が下降ポート66に切換えられていると、従動シリンダ装置40(下室46)内の作動流体を、給排ポート48,管継手79,下室圧調整系統(流路)75を通しかつパイロットチェッキバルブ74及び排出管64を通して外部(タンク63)に排出できる。
と同時的に、上室内圧力調整手段[アキュムレータ72,上室圧調整系統(流路73),管継手79,圧調整ポート32を含む。]内に、パイロットチェッキバルブ74,流路76,圧力調整弁78を通して、ポンプ61で付勢(加圧)された作動流体を補充することができる。したがって、せん断加工中の各上室42,23内の圧力を常に所定値(例えば、200kg/cm)に調整することができる。
駆動ピン26が対抗ピン51に当接した瞬間を検出して下降ポート66から中立ポート67に自動切換可能である。スライド位置(乃至移動方向)の検出により他のポート66、68への切換えも自動的に行なわれる。
中立ポート67に切換えられている場合には、ソレノイドバルブ65の2箇所の出力ポートは、いずれもタンク63に戻る戻りポートにつながる。つまり、ソレノイドバルブ65の2箇所の出力ポートは大気圧となる。そうすると、パイロットチェッキバルブ74の2箇所のパイロット部にも圧力がないことになる。すなわち、パイロットチェッキバルブ74は閉じたままとなり、下室圧調整系統(流路)75および上室圧調整系統71(流路76)のいずれもが閉じられる。
スライド上昇中に上昇ポート68に切換えられている場合は、ポンプ61で付勢されたタンク内の作動流体を、供給管62,パイロットチェッキバルブ74,下室圧調整系統(流路)75,給排ポート48を通して従動シリンダ装置40(下室46)内に供給することができる。また、上室圧調整系統71から、圧力調整弁78,配管64を通して、作動流体をタンク63に排出することができる。
次に、この実施の形態の作用・動作を説明する。
図1の右半分を参照して、クランク角度が0度から進みスライド(上プレート10)が上死点から下降し始めると、シリンダ装置20,40は同期して下降する。駆動ピン26は、上室内圧力23Pにより押し下げられてシリンダ22(27)に位置規制(吊下がった状態)されている。
この段階では、駆動ピン26は、まだ対抗ピン51に当接していない。従動ピン45も移動刃5に当接していない。従動シリンダ装置40の上室内圧力43Pと下室内圧力46Pとは、バランスしている。
クランク角度が例えば90度(高速領域)内に突入すると、駆動ピン26の下端が対抗ピン51の上端に当接する。これ以降のスライド下降に伴い駆動シリンダ装置20(シリンダ22)がさらに下降すると、駆動ピストン24が図3で上室23の容積を小さくする方向に相対移動する。上室23内の作動流体の圧力23Pが高くなる。
すると、ソレノイドバルブ65が中立ポート67から下降ポート66に切換えられるので、従動シリンダ装置40の下室46内の作動流体がタンク63に排出される。下室46内の作動流体の圧力46Pは低下する。つまり、駆動シリンダ装置20(上室23)から従動シリンダ装置40(上室43)に連通路(11等)を通して作動流体が往移動する。
小さい受圧面積Ajの従動ピストン44(従動ピン45)の下降速度は、大きな受圧面積Akの駆動ピストン24とシリンダ22の相対速度の20倍に増速される。スライド(上プレート1)自体の下降速度も加重される。つまり、平均的スライド速度に比較して大幅な高速(超高速)で、従動ピン45を急速下降させることができる。しかも、空走距離dが設けられているので、加速性を助長できる。
その後に、従動ピン45の下端が移動刃5に当接しかつ固定刃2との協働により、素材9のせん断加工を開始する。移動刃5は高速で下方に移動する。従動シリンダ装置40(および駆動シリンダ装置20)の上室43(23)内の圧力43P(23P)がアキュムレータ72の作動により所定値(例えば、200kg/cm)に維持されているから、安定した高速せん断加工ができる。せん断面は高品質である。
スライド(10)が下死点から上死点に向けて上昇し始めると、ソレノイドバルブ65が上昇ポート68に切換えられる。従動シリンダ装置40の下室46に外部(63)から作動流体が供給されるので、下室内圧力46Pが高まり従動ピン45(従動ピストン44)を上室43の内容積を小さくする方向に押上げる。この際、上室43内の作動流体は、圧力調整弁78を通してタンク63に排出される。上室内圧力43Pを過大化させない。
なお、スライド(上プレート1)の上昇に伴い駆動ピン26が対抗ピン51から離れると、駆動シリンダ装置20の上室(23)内の圧力23Pにより、駆動ピン26(駆動ピストン24)は図1の右半分に示す初期状態に戻される。ソレノイドバルブ65は中立ポート67に一旦切換えられる。
しかして、この実施の形態では、上プレート10に受圧面積Akの大きな駆動シリンダ装置20と受圧面積Ajの小さな従動シリンダ装置40とをスライド(10)の昇降と同期昇降可能に取付けかつ上室(23,43)同士を連通させ、下プレート50にせん断加工部1(固定刃2、移動刃5)を設け、駆動ピン26が下プレート50(51)との当接により位置拘束された以降に従動ピン45を移動刃5に当接させて当該移動刃5を急速下降可能に形成されているので、スライドの下降運動を利用しかつ当該スライド速度を増速した高速で高品質のせん断加工ができるとともに、従来のせん断加工専用装置(乃至提案前・後者装置)および複雑な動力伝達機構を一掃化できるから、大幅なコスト低減化および装置小型化を促進できる。しかも、ブランクの作成にかぎらずせん断加工製品の生産もできるので、作業全体を通しての生産性が高くかつプレス機械自体の稼働率を向上できる。
特に、せん断加工により作成された単品素材(ブランク)にプレス加工を施した後(または、施す前)に、当該ブランクの端面(せん断面)に格別の後処理加工(例えば、磨き)を施すことなく、そのまま製品としたいとする要請に応えられる。
また、近年の帰結的指摘[従来のせん断加工専用装置(乃至提案前・後者装置)は、あくまでも専用機であることから、連続素材から多数の単品素材を加工し終わると、休止せざるをえない。せん断加工の高速化が進めば進むほど、休止期間が長くなる。稼働率が極めて低い。逆に、プレス機械側からすれば、ブランクが供給されなければ休止状態である。そうであるなら、プレス機械にブランク作成用のせん断加工をさせるべきである。]、つまり、ブランクや製品の一部(せん断面)の精度・品質の一層の高度化並びに大幅な製品コスト低減の観点から、稼働率の低い従来せん断加工専用装置(乃至提案前・後者装置)の設置を許し難いという要求に、十二分に応えられる。
また、従動シリンダ装置40(内筒体35)と駆動シリンダ装置20(内筒体35、外筒体31)が2重シリンダ構造であるから、両シリンダ装置の剛性を高めつつ、増速変換装置(20,40)およびプレス機械全体としてのコスト低減と小型化を一段と促進できる。
また、外筒体31と内筒体35とが同芯配設されているので、シリンダ装置の構造簡素化を促進できる。
駆動シリンダ装置20の駆動ピン26が同芯円軌跡(R)上に配設された複数(6)本とされているので、高速せん断加工に関する力学的な均一化および安定化を図れる。
従動ピン45と移動刃5との間に空走距離dが設けられているから、無負荷状態において従動ピン45の下降速度を加速できる。よって、一段と高速でかつシャープなせん断加工を行なえる。
さらに、駆動シリンダ装置20の上室23と従動シリンダ装置40の上室43とが当該各シリンダ(31,35、10)に加工された流路(33,36、11)を通して作動流体を往復流動させることから、シリンダ装置間の配管を一掃できる。すなわち、構造上の安全が高められかつ構造簡素化、装置コスト低減および装置小型化を一段と促進できる。
駆動シリンダ装置20および従動シリンダ装置40がスライドに着脱自在な上プレート10に取付けられかつせん断加工部1がボルスタに着脱自在な下プレート50に取付けられたダイセット構造であるから、せん断加工態様やその対象に対する適応性が広い。例えば、ブランクの作成とせん断加工製品の生産を迅速かつ正確に切換えられ、生産性および稼働率を一層向上できる。
(第2の実施の形態)
この実施の形態は、図4に示す如く、板材88を高速せん断加工することができるように形成されている。駆動シリンダ装置20、従動シリンダ装置40等は、構造・機能ともに第1の実施の形態の場合(図1〜図3)と同様であるのから、これらについての説明は省く。
図4において、上型(84)とともに板材せん断用金型80を構成する下型86は、貫通穴を有するエンドブロック87を介して下プレート50に取付けられている。上型(パンチ84)は、パンチホルダー81に下向きに取付けられている。このパンチホルダー81は、板押え83にバネ82を介して保持されている。板押え83は、バネ82よりも強い担持バネ(図示省略)を介して下プレート50に担持されている。
図4の右半分に示す状態(無負荷状態)では、パンチ84の先端(下端)は、板押え83の貫通穴内に収まっている。従動ピン45が下降してパンチホルダー81をバネ82の上向き付勢力に抗して押し下げる。バネ82が収縮しはじめ、担持バネの上向き付勢力に打勝つまで収縮が進むと、板押え83が板材88を下型86に押し付ける。
従動ピン45がさらに下降すると、パンチ84が板材88をせん断加工して素材(ブランク乃至製品)89を生産する。素材89はエンドブロック87および下プレート50の貫通穴52を通して下方に排出される。
しかして、この実施の形態の場合も、第1の実施の形態の場合と同様に、高速なせん断加工を安定かつ確実に行なえる。この板材せん断用金型(せん断加工部)80を、図1に示すせん断加工部1と交換すれば、連続素材(6)を高速せん断加工して複数の単品素材(ブランク)を迅速かつ確実に作成できる。
以上の第1、2の実施の形態では、1つの駆動シリンダ装置20と1つの従動シリンダ装置40との組合せによる2重シリンダ構造とされていたが、この構造に限定されない。例えば、それぞれが独立した構造の1または2以上の任意数の駆動シリンダ装置(20)と従動シリンダ装置(40)との組合せ構造として構築しても、本発明を実施することができる。
本発明は、高品質せん断面を持つブランクの作成やせん断加工製品の生産を効率よく行なう場合に好適な高速せん断加工を行なえる。
本発明の第1の実施の形態を説明するための縦断面図である。 同じく、一部を断面した平面図である。 同じく、給排出装置を説明するための系統図である。 本発明の第2の実施の形態を説明するための縦断面図である。
符号の説明
1 せん断加工部
2 固定刃
5 移動刃
10 上プレー
20 駆動シリンダ装置
31 外筒体
35 内筒体
40 従動シリンダ装置
50 下プレー
60 給排出装置
80 板材せん断用金型

Claims (6)

  1. シリンダおよびシリンダ内を上室と大気解放の下室とに仕切る駆動ピストンを含む駆動シリンダ装置を有し、駆動ピストンの上室側に円盤形状の大きな受圧面が形成されかつ下室側には下方に延びる駆動ピンが形成され、
    シリンダおよびシリンダ内を上室と下室とに仕切る従動ピストンを含む従動シリンダ装置を有し、従動ピストンの上室側に円盤形状の小さな受圧面が形成されかつ下室側には下方に延びる従動ピンが形成され、
    固定刃に対して移動刃を相対移動させることで素材をせん断加工可能なせん断加工部を有し、
    駆動シリンダ装置のシリンダおよび従動シリンダ装置のシリンダをスライド昇降に同期昇降可能として上プレートに取付けるとともに下降する従動ピンが移動刃に当接可能としてせん断加工部を下プレートに取付け、
    駆動シリンダ装置の上室と従動シリンダ装置の上室とを作動流体が往復流動可能に連通させるとともに、駆動シリンダ装置の上室から従動シリンダ装置の上室に作動流体が往流動している状態で従動シリンダ装置の下室内の作動流体を外部に排出可能かつ従動シリンダ装置の上室から駆動シリンダ装置の上室に作動流体が復流動している状態で外部から従動シリンダ装置の下室内に作動流体を供給可能に形成し、
    スライド下降中に駆動シリンダ装置の駆動ピンが下プレートに当接したときに位置拘束可能でかつ駆動ピンの位置拘束後のスライド下降に伴う作動流体の往流動により従動シリンダ装置の従動ピンを下降させかつ移動刃に当接させて移動刃を急速下降可能に形成されている、高速せん断加工ができるプレス機械。
  2. 前記従動シリンダ装置が内筒体を利用して構成されかつ前記駆動シリンダ装置が該内筒体とこれを包囲する外筒体とを利用して構成された2重シリンダ構造とされている、請求項1記載の高速せん断加工ができるプレス機械。
  3. 前記外筒体と前記内筒体とが同芯として配設されている、請求項2記載の高速せん断加工ができるプレス機械。
  4. 前記駆動シリンダ装置の駆動ピンが同芯円軌跡上に配設された複数本とされている、請求項2または請求項3記載の高速せん断加工ができるプレス機械。
  5. 前記従動ピンと前記移動刃との間に空走距離を設け、前記従動ピンと前記移動刃との当接開始時点を前記駆動ピンと下プレートとの当接開始時点よりも遅延可能に形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載された高速せん断加工ができるプレス機械。
  6. 前記駆動シリンダ装置の上室と従動シリンダ装置の上室とが当該各シリンダに加工された流路を通して作動流体が往復流動可能に形成されている、請求項1〜5のいずれかに記載された高速せん断加工ができるプレス機械。
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