JP4895451B2 - 脂肪族熱可塑性ポリエステルを含む組成物、その製法およびその利用 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、脂肪族熱可塑性ポリエステルを含む組成物、その製造方法、そのフィルム、フォーム、ボトルまたは熱成型物品の製造における利用、得られるフィルム、フォーム、ボトルおよび熱成型物品並びに得られた該フィルムの利用に関するものである。
【0002】
【背景技術】
脂肪族熱可塑性ポリエステルおよび特にε-カプロラクトンのポリマーは、良好な生分解性および良好な引張り強さを包含する、極めて多くの望ましい諸特性を有している。これら諸特性は、該脂肪族熱可塑性ポリエステルおよび特にε-カプロラクトンのポリマーを、とりわけポリマー工業において魅力あるものとしている。
しかし、これらの脂肪族熱可塑性ポリエステルおよび特にε-カプロラクトンのポリマーを、多くの用途において利用可能とするために、これらポリマーは、溶融状態において、伸張硬化挙動をとることにより特徴付けられるものである必要がある。これらポリマーの用途としては、特に例えばゴミ袋、農業用フィルム、包装用フィルム、カバー、オムツまたは接着フィルムを製造するために利用されるフィルム、フォーム、ボトルおよび熱成型物品、例えば植物苗用のポット等を例示することができる。
【0003】
不幸なことに、これら熱可塑性ポリエステルおよび特にε-カプロラクトンのポリマーは、それ自体では上記の溶融状態における伸張硬化挙動を示すことはない。
有機パーオキシドとの反応またはγ-線の照射により、網状構造が誘発されることによって、ε-カプロラクトンポリマーの耐熱性が増大することが知られている。しかし、これらの場合、形成されるフィルム内の不均質領域の出現およびその結果としての該フィルム表面の好ましからぬ特性のために、得られるポリマーは、極めて高いゲル化率(不溶性ポリマーの割合)によって特徴付けられる。その上、極めて高頻度で、吹き込み成型の際に得られる気泡(吹込み成型物)の破壊が見られ、これはフィルムを得ることを不可能にする。
ε-カプロラクトンポリマーに澱粉を添加した場合に、得られる組成物が、フィルムの製造を可能とするのに必要な諸特性を示すことも知られている (C. Bastioli, Macromol. Symp. 1998, 135:193-204)。不幸にも、これら組成物中に存在する該ε-カプロラクトンポリマーは、形成すべきフィルムの十分な生産効率を保証する目的で、外部温度が極めて高い場合には、不利なことに、極めて遅い結晶化速度を持つことによって特徴付けられる。
【0004】
従って、本発明の目的は、上記のような諸欠点を示さない、脂肪族熱可塑性ポリマー、特にε-カプロラクトンポリマーを含む組成物を提供することにある。
本発明は、またこのような組成物の製造方法を提供することをも目的とする。
本発明は、更に、フィルム、フォーム、ボトルまたは熱成型物品を製造における、上記組成物の利用、並びにその結果得られたフィルム、フォーム、ボトルまたは熱成型物品およびこの得られたフィルムの、ゴミ袋、農業用フィルム、包装用フィルム、カバー、オムツおよび接着性フィルム製造における利用をも目的とする。
【0005】
【発明の開示】
上記目的を達成するために、本発明は、第一に1.1〜2.5なる範囲内のRMFI値によって特徴付けられる、脂肪族熱可塑性ポリマーを含む組成物に関する。
本発明の目的にとって、用語「RMFI」とは、円筒状のダイス(高さ8 mm±0.025、径2.095 mm±0.003)について得られるMFI8/2と、図1に示されたような円錐形のダイスについて得られたMFI0.3/1との間の比を得るための、同一の温度にて測定された2つのMFI間の比を意味するものとする。この円錐形ダイスは、円錐角60°±0.5、外径9.48 mm、内径1.0 mm±0.025、全高さ2.55 mm±0.025および円筒部分の高さ0.3 mm±0.025によって特徴付けられる。
これら2つのMFIは、5 kgの負荷の下で、かつ同一の温度下で、上記のような諸特性を持つ、キャリブレーションされたダイスを横切って通過するポリマーの量を測定することによって得られる。この測定温度は、一般に20℃〜40℃以上、かつ該脂肪族熱可塑性ポリマーの溶融温度まで、特に20℃〜40℃以上、かつε-カプロラクトンポリマーの溶融温度までの範囲内にある。好ましくは、この測定温度は、40℃以上、かつ該脂肪族熱可塑性ポリマーの溶融温度まで、特に40℃以上、かつε-カプロラクトンポリマーの溶融温度までの範囲内にある。この測定温度は、ε-カプロラクトンのホモポリマーに対して、通常は100℃である。これらMFIは、dg/分なる単位で表される。
【0006】
上記のRMFIの値は、本発明の組成物における、分岐度の指標である。このRMFIの値は、1.1〜2.5なる範囲内にあり、これは一般に0ではないが、低い分岐度に相当する。
本発明の組成物は、一般に1.1以上、好ましくは1.2以上および特に好ましくは1.3以上のRMFI値によって特徴付けられる。
本発明の組成物は、一般に2.5以下、好ましくは2以下および特に好ましくは1.8以下のRMFI値によって特徴付けられる。
本発明の組成物は、同様に0.5%以下のゲル化率によって特徴付けられる。
本発明の目的にとって、用語「ゲル化率」とは、8時間後のソックスレーによるクロロホルム抽出液中の、不溶性ポリマーの割合を意味するものとする。
本発明の組成物は、通常0.5%以下、好ましくは0に等しいゲル化率によって特徴付けられる。
本発明の組成物は、同様に時間の関数としての、伸張粘度の指数関数的な増加によって特徴付けられる、溶融状態における、伸張下での硬化挙動を示す。
【0007】
「伸張粘度」なる用語は、押出しにより得られ、かつ測定前に内部応力の緩和処理に付されたサンプルについて、20℃〜40℃以上、かつ該脂肪族熱可塑性ポリマーの溶融温度まで、特に20℃〜40℃以上、かつε-カプロラクトンポリマーの溶融温度(この温度は、通常ε-カプロラクトンのホモポリマーに対して、80℃である)までの範囲内の温度にて、伸張勾配1 s-1に対して、レオメータにより測定したような、伸張粘度を意味するものとする。
本発明の組成物は、更に時間の関数としての、伸張粘度の指数関数的な増加に対応する変曲点が、一般的に3秒以下、好ましくは2秒以下であることによって特徴付けられる。
「脂肪族熱可塑性ポリマー」なる用語は、本発明の目的にとって、そのエステル官能基が、場合により置換された少なくとも2つの炭素原子を含む連鎖によって分離されている、脂肪族ポリエステルまたはコポリエステルを意味するものとする。
【0008】
このようなポリエステルまたはコポリエステルとしては、ヒドロキシアルカノエートの誘導体、特に3-ヒドロキシブチレート、3-ヒドロキシバレレートおよび3-ヒドロキシプロピオネートの誘導体を挙げることができるが、同様にポリブチレンサクシネートおよびε-カプロラクトンのポリマーをも例示できる。
これらε-カプロラクトンのポリマーが、特に好ましい。
本発明の組成物の、該脂肪族熱可塑性ポリマーは、従って好ましくはε-カプロラクトンのポリマーである。
「ε-カプロラクトンのポリマー」なる用語は、ε-カプロラクトンのホモポリマーのみならず、高いε-カプロラクトン含有率、例えば少なくとも50質量%なる含有率をもつ、他のモノマー、好ましくは他の環状ラクトンとのコポリマーを意味するものとする。これらの環状ラクトンとしては、例えばβ-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、1,4-ジオキサン-2-オン、1,4-ジオキセパン-2-オン、1,5-ジオキセパン-2-オン、グリコリド(1,4-ジオキサン-2,5-ジオン)およびこれらの置換誘導体並びにL-ラクチド、D-ラクチド、DL-ラクチドを例示することができる。
これらε-カプロラクトンのポリマーは、好ましくはε-カプロラクトンのホモポリマーである。
【0009】
上記の脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンのポリマーを含む、本発明の組成物は、また一般的に動粘度および頻度を対数グラフにプロットした場合に、これらの間のほぼ直線的な関係(ニュートン性のプラトー部分を示さない)によって特徴付けられる。
この動粘度は、通常20℃〜40℃以上、かつ該脂肪族熱可塑性ポリエステルの溶融温度まで、特に20℃〜40℃以上、かつε-カプロラクトンポリマーの溶融温度(この温度は、通常ε-カプロラクトンのホモポリマーに対して、80℃である)までの範囲内の温度にて、0.1〜100 rad/秒なる範囲内にて、2つの平行な板の間に置かれ、かつ変形条件下にある、径25 mmおよび加圧されたプレート内での断面の厚み2 mmのサンプルについて、付加された変形下で、レオゴニオメータによって測定される。
更に、本発明の組成物は、一般に20℃〜40℃以上、かつ該脂肪族熱可塑性ポリエステルの溶融温度まで、特に20℃〜40℃以上、かつε-カプロラクトンポリマーの溶融温度(この温度は、通常ε-カプロラクトンのホモポリマーに対して、80℃である)までの範囲内の温度および0.1 rad/秒において、5以下、好ましくは2.5以下のtanδの値を持つことによって特徴付けられる。
【0010】
「tanδ」なる用語は、本発明の目的にとって、破壊係数G''と弾性率G'との間の比であり、同様な温度、即ち20℃〜40℃以上、かつ該脂肪族熱可塑性ポリエステルの溶融温度まで、特に同様な温度、即ち20℃〜40℃以上、かつε-カプロラクトンポリマーの溶融温度(この温度は、通常ε-カプロラクトンのホモポリマーに対して、80℃である)までの範囲内の温度にて、2つの平行な板の間に置かれ、かつ変形条件下にあり、径25 mmおよび加圧されたプレート内の断面の厚み2 mmを有するサンプルについて、与えられた変形条件下で、レオゴニオメータによって測定される。
本発明の組成物は、更に通常0.85〜1.05なる範囲のRMFI値により特徴付けられる、対応する組成物よりも迅速な結晶化速度によって特徴付けられる。
このように、本発明の組成物は、通常最初の冷却の際に、その熱履歴を消した後に、走査速度10°K/分にて示差熱分析により測定された、少なくとも1℃なる結晶化速度を示し、これは0.85〜1.05なる範囲のRMFI値により特徴付けられる、対応する組成物よりも高い。
【0011】
「0.85〜1.05なる範囲のRMFI値により特徴付けられる、対応する組成物」とは、本発明の目的にとって、本発明の組成物のあらゆる観点において対応するが、0.85〜1.05なる範囲のRMFI値により特徴付けられる組成物を意味するものとする。このような0.85〜1.05なる範囲のRMFI値は、一般に分岐度0に相当する。
別の方法によれば、結晶化の速度論は、変形の頻度および与えられた熱処理に対して、時間の関数として動粘度を測定することによって、明らかにすることができる。また、本発明の組成物は、同一の温度において測定された、この結晶化速度と、0.85〜1.05なる範囲のRMFI値により特徴付けられる対応する組成物の結晶化速度との間の比が1以上となるような、結晶化速度を示す。
「結晶化速度」なる用語は、本発明の目的にとって、これら結晶が本発明の組成物内で成長する速度を意味する。
【0012】
この結晶化速度は、与えられた変形条件下で、レオゴニオメータによって測定することができる。与えられた変形の頻度に対する、時間の関数としての該動粘度の測定は、結晶化の全過程に渡り、このレオロジー特性の推移を追跡することにより実現される。結晶化の際に、該動粘度が増大した場合に観測される、曲線の勾配が、この結晶化速度の尺度となる。本発明の組成物は、好ましくは同一温度条件下で測定された、この結晶化速度と、0.85〜1.05なる範囲のRMFI値により特徴付けられる、対応する組成物の結晶化速度との間の比が1.25以上、特に好ましくは1.5以上となるような、結晶化速度を持つ。
本発明の組成物は、同様に同一温度条件下で測定された、該組成物の結晶化の誘導時間と、0.85〜1.05なる範囲のRMFI値により特徴付けられる、対応する組成物の誘導時間との比が、1以下となるような、該結晶化の誘導時間を示す。
【0013】
「結晶化の誘導時間」とは、本発明の目的にとって、本発明の組成物内で、核形成を生じるのに必要な時間を意味するものとする。
この結晶化の誘導時間は、上記の如く、該動粘度を時間の関数として測定した際に、該動粘度が有意に増加し始める前に、一定に維持されている時間に相当する。
本発明の組成物は、好ましくは同一温度条件下で測定された、その結晶化の誘導時間と、0.85〜1.05なる範囲のRMFI値により特徴付けられる、対応する組成物の誘導時間との比が、0.85以下、特に好ましくは0.7以下となるような、結晶化の誘導時間を示す。
本発明の組成物は、好ましくはゲル浸透クロマトグラフィーによって測定した、数平均分子量が、10000 g/mole以上である、脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンのポリマーを含む。
該脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーの数平均分子量は、10000以上、より好ましくは25000以上、より一層好ましくは40000 g/mole以上である。
好ましくは、本発明の組成物は、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定した、数平均分子量が200000 g/mole以下である、脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーを含む。
該脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーの数平均分子量は、好ましくは200000以下であり、より好ましくは175000以下であり、より一層好ましくは150000 g/mole以下である。
【0014】
「ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定した、数平均分子量」なる用語は、ポリマーラボラトリーズ(Polymer Laboratories) Mix-C型のカラムおよびウォーターズディファレンシャルリフラクトメータ(Waters Differential Refractometer) R401型の屈折計を使用して、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定した、数平均分子量を意味するものとする。サンプルの濃度は、20 mg/mlであり、また流量は1 ml/分である。使用した標準物質は、標準のポリスチレンである。特に、ε-カプロラクトンポリマーの場合には、使用する溶媒は、クロロホルムであり、使用する転換率は0.6である。
本発明の組成物の、該脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーは、一般に単一のポリマーで構成される。
同様に、本発明の組成物の該脂肪族熱可塑性ポリエステルは、少なくとも2つの脂肪族熱可塑性ポリエステルを含む混合物から得ることができる。特に、本発明の組成物のε-カプロラクトンポリマーは、同様に少なくとも2つのε-カプロラクトンポリマーを含む混合物から得ることができる。
【0015】
該脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーは、少なくとも2つの脂肪族熱可塑性ポリエステル、特に少なくとも2つのε-カプロラクトンポリマーを含む混合物から得ることができる。これら混合物を構成するポリマーの数平均分子量は異なるが、本発明の組成物の該脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーは、上で規定したような数平均分子量によって特徴付けられる。
好ましくは、本発明の組成物の該脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーは、ポリマー全質量を基準として、0.1〜99.9質量%の低分子量を持つ1種の脂肪族熱可塑性ポリエステル、特に1種のε-カプロラクトンポリマーおよびポリマー全質量を基準として、99.9〜0.1質量%の高い分子量を持つ1種の脂肪族熱可塑性ポリエステル、特に1種のε-カプロラクトンポリマーを含む混合物で構成される。
特に好ましくは、本発明の組成物の該脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーは、ポリマー全質量を基準として、0.1〜80質量%の低分子量を持つ1種の脂肪族熱可塑性ポリエステル、特に1種のε-カプロラクトンポリマーおよびポリマー全質量を基準として、99.9〜20質量%の高い分子量を持つ1種の脂肪族熱可塑性ポリエステル、特に1種のε-カプロラクトンポリマーを含む混合物で構成される。
【0016】
より一層好ましくは、本発明の組成物の該脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーは、ポリマー全質量を基準として、0.1〜70質量%の低分子量を持つ1種の脂肪族熱可塑性ポリエステル、特に1種のε-カプロラクトンポリマーおよびポリマー全質量を基準として、99.9〜30質量%の高い分子量を持つ1種の脂肪族熱可塑性ポリエステル、特に1種のε-カプロラクトンポリマーを含む混合物で構成される。
最も好ましくは、本発明の組成物の該脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーは、ポリマー全質量を基準として、10〜60質量%の低分子量を持つ1種の脂肪族熱可塑性ポリエステル、特に1種のε-カプロラクトンポリマーおよびポリマー全質量を基準として、90〜40質量%の高い分子量を持つ1種の脂肪族熱可塑性ポリエステル、特に1種のε-カプロラクトンポリマーを含む混合物で構成される。
【0017】
該低分子量の脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーは、通常10000 g/mole以上かつ60000 g/mole以下の、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した数平均分子量を有し、また該高分子量の脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーは、通常60000 g/moleを越え、かつ200000 g/mole以下の数平均分子量を有する。
該低分子量を持つ脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーは、一般に60000 g/mole以下のゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した数平均分子量を有する。
該低分子量を持つ脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーは、一般に10000以上、好ましくは25000以上、特に好ましくは40000 g/mole以上のゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した数平均分子量を有する。
該高分子量の脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーは、通常60000 g/moleを越える、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した数平均分子量を有する。
【0018】
該高分子量の脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーは、通常200000以下、好ましくは175000以下、特に好ましくは150000 g/mole以下のゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した数平均分子量を有する。
更に、本発明の組成物は、ある一定量の他の生分解性ポリマー、例えばポリアクリル酸、天然産または熱可塑性の澱粉、および変性または未変性セルロースなどを含むことができる。
更に、本発明の組成物は、該脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーに対して通常使用される、1または複数の添加物、例えば安定化剤、酸化防止性添加剤、静電防止剤、有機または無機着色剤、粘着防止剤、核生成剤および充填材等を含むことができる。
好ましくは、本発明の組成物は、更に少なくとも1種の充填材を含むことができる。
【0019】
該脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーに対して通常使用される、あらゆる充填材を使用することができる。特に、例えば中性または塩基性のカーボンブラック、金属酸化物(特に、酸化鉄)、シリカ、カオリン、マイカ、タルク、ゼオライト、ガラス繊維、天然繊維(亜麻繊維、木材繊維、サイザル麻繊維)、生分解性充填材(再生紙、天然産澱粉)および炭酸カルシウム等を挙げることができる。同様に、該充填材は、本発明の組成物中に容易に分散できるように、表面処理することも可能である。
特に好ましい充填材は、炭酸カルシウムである。
本発明の組成物は、通常少なくとも1種の充填材を、80質量%まで、好ましくは60質量%まで、より好ましくは50質量%まで、および最も好ましくは40質量%までの量で含む。
本発明の組成物は、また同様に少なくとも1種の安定化剤を含むことができる。
【0020】
該脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマー用のあらゆる安定化剤を使用することができる。特に好ましい安定化剤は、立体障碍性のフェノール基含有化合物、燐原子含有化合物およびこれらの混合物である。例えば、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ペンタエリスリトールテトラキス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオネート)、トリス-(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイトまたはペンタエリスリトールテトラキス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオネート)とトリス-(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイトとの、好ましくは等量混合物等の化合物が重要である。極めて適した安定化剤の一つは、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼンである。
本発明の化合物は、如何なる方法によっても得ることができる。良好な結果は、本発明の方法によって該組成物を調製した場合に得られる。
本発明は、また押出機内にて溶融状態で、脂肪族熱可塑性ポリエステルと、該脂肪族熱可塑性ポリエステルに対して、0.01〜0.2質量%なる範囲の量のラジカル発生剤とを反応させることによる、該脂肪族熱可塑性ポリエステル含有組成物の製造方法にも関わる。
【0021】
この脂肪族熱可塑性ポリエステルを以下に定義するが、これは好ましくはε-カプロラクトンポリマーである。
上記ラジカル発生剤は、一般にこのラジカル発生剤と、脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーとの反応を可能とするのに十分な量で、本発明の方法において使用される。その上、あらゆる過剰量のラジカル発生剤が、存在するポリマーの架橋を伴うことから、その量は該所定量(必要量)を越えないものであることが望ましい。
該ラジカル発生剤の量は、一般に該脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーに対して、0.01〜0.2質量%なる範囲内にある。
この量は、通常該脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーに対して、少なくとも0.01質量%に等しく、好ましくは少なくとも0.025質量%に等しく、より好ましくは少なくとも0.05質量%である。一般に、この量は、該脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーに対して、多くとも0.2、好ましくは多くとも0.15、より好ましくは多くとも0.125質量%である。
【0022】
該ラジカル発生剤としては、好ましくは有機パーオキシドおよびより好ましくはアルキルパーオキシドである。これらの中でも、t-ブチルクミルパーオキシド、1,3-ジ-(2-t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ-(t-ブチル)パーオキシドおよび2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルパーオキシ)-3-ヘキシンを挙げることができる。2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン(DHBP)が特に好ましい。
該ラジカル発生剤は、ある期間に渡り連続的に導入でき、かつ溶融状態にある該物質中に良好に分散できる限りにおいて、任意の方法によって導入することができる。このようにして、例えば該ラジカル発生剤は、粉砕、例えばスプレー型または蒸発型の注入装置によって、導入することができる。
好ましくは、該ラジカル発生剤は、二酸化炭素との混合物として、この発生剤を含有する脂肪族熱可塑性ポリエステルを介して、あるいはこの発生剤を含有する充填材を介して、該押出機に導入することができる。
【0023】
本発明の好ましい第一の態様によれば、該ラジカル発生剤は、二酸化炭素との混合物として、押出機内に導入することができる。該ラジカル発生剤と二酸化炭素との混合物との混合、およびこの混合物の該押出機への導入を可能とするあらゆる装置を、この目的のために利用できる。これらの温度および圧力条件に従えば、該二酸化炭素は、液体、気体または臨界状態にあるものであり得る。
本発明の第二の好ましい態様によれば、該ラジカル発生剤は、このラジカル発生剤を含有する、1種の脂肪族熱可塑性ポリエステルによって、好ましくはε-カプロラクトンポリマーによって、該押出機内に導入される。
第一の変法によれば、該ラジカル発生剤、好ましくはDHBPを、固体状態にある1種の脂肪族熱可塑性ポリエステル、好ましくはε-カプロラクトンポリマーと、同様に固体状態にある該ラジカル発生剤、好ましくはDHBPとの混合物として、該押出機に導入される。特に好ましくは、該ε-カプロラクトンポリマーは、粒子が粒径100μm以下である、粉末状態にある。特に好ましくは、該DHBPは、このDHBPで含浸されたタルク粉末の形状にある。
【0024】
第二の変法によれば、該ラジカル発生剤、好ましくはDHBPを、予備処理の際に予め該ラジカル発生剤(好ましくは、DHBP)により含浸した、1種の脂肪族熱可塑性ポリエステル、好ましくはε-カプロラクトンポリマーによって、該押出機内に導入する。
本発明の第三の好ましい態様によれば、このラジカル発生剤を含む充填剤によって、該発生剤を該押出機内に導入する。特に好ましくは、該DHBPは、固体状態にある炭酸カルシウムと固体状態にあるDHBPとの混合物として、例えば該DHBPで含浸したタルク粉末として、該押出機内に導入される。
「溶融状態での反応」なる用語は、本発明の目的にとって、実質的に溶媒または希釈剤の不在下で、少なくとも該脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーの溶融温度に等しい温度にて行われる、あらゆる反応を意味するものとする。
【0025】
「押出機」とは、少なくとも一つの供給領域、および出口における圧縮領域に先立つ排出領域を含む、公知のあらゆる装置を意味する。ここで、該圧縮領域は、該溶融物を強制的に該排出領域に送る。該排出領域の後には、更に造粒装置または該押出された物質に、例えばフィルムまたはボトル用パリソン等の所定形状を付与する装置を備えることができる。有利には、同一方向または逆方向に回転する、2つのスクリューの運動に基づく、公知の押出機の助けを得ることができる。
好ましくは、本発明の方法で使用する押出機は、連続する供給領域、該材料の溶融領域、均質化領域、反応領域、随意の添加物導入領域、随意の脱気領域および圧縮領域に先立つ排出領域を含むように構成される。これら領域各々は、極めて特殊な機能を持ち、かつ極めて特異的な温度条件下にある。
該供給領域は、このまたはこれらのポリマーの供給を保証する機能を持つ。これは、通常20℃以下の温度条件下にある。
【0026】
該材料の溶融領域は、該材料を確実に溶融状態にする機能を有する。
該均質化領域は、溶融状態にある該材料を均質にする機能を持つ。
該反応領域は、該反応を確実に行う機能を有する。
該材料を溶融する領域およびこれを均質化する領域の温度は、通常該ポリマーの溶融温度以上で、かつ該ラジカル発生剤の半減期が、該領域における該材料の滞留時間の10倍となる時点における温度以下である。
該反応領域における温度は、通常該ラジカル発生剤の半減期が、この領域における該材料の滞留時間以下となった時点における温度以上である。
該添加物導入領域は、該添加物の添加の際に、これらの導入を保証する機能を有する。この領域の温度は、通常上記の反応領域の温度と同程度、またはそれよりも僅かに高い温度である。
【0027】
該脱気領域は、該ラジカル発生剤の、揮発性の分解生成物の除去を可能とする機能を持つ。この領域の温度は、通常上記の反応領域の温度と同程度、またはそれよりも僅かに低い温度である。
該圧縮領域は、該材料を該排出領域に強制的に送るために、この材料を圧縮する機能を果たす。この圧縮領域における温度は、通常該排出される材料の粘度の関数である。
該排出領域は、該材料の排出を保証する機能を持つ。この排出領域における温度は、通常該排出される材料の粘度の関数である。
該ラジカル発生剤が、二酸化炭素との混合物として該押出機に導入される場合、これは、好ましくは該押出機の、該材料を溶融する領域に導入される。
該ラジカル発生剤が、1種の脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーによって、該押出機に導入される場合、この発生剤は、該押出機の該供給領域に導入することが好ましい。
該ラジカル発生剤を、この発生剤を含む1種の充填材によって、該押出機に導入する場合、この発生剤は、該押出機の該供給領域に導入することが好ましい。
【0028】
この処理中に、何れかの場所で、1または複数の上記のような添加剤を、該脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーに配合することができる。
この方法の好ましい形態において、少なくとも1種の充填材を、この工程中に添加する。
好ましい該充填材は、上記のようなものである。特に好ましい1種の充填材は、炭酸カルシウムである。
本発明の方法においては、通常少なくとも1種の充填材を、80質量%まで、好ましくは60質量%まで、より好ましくは50質量%まで、最も好ましくは40質量%まで添加する。
本発明の方法では、同様に例えば少なくとも1種の安定化剤を添加することができる。
好ましい安定化剤は、上記のようなものである。非常に適した安定化剤の一つは、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼンである。
安定化剤を添加する場合、これは該充填材の添加と同時に行うことが好ましい。該添加剤は、従って該添加物導入領域に導入される。
【0029】
本発明は、更に本発明の方法によって得られる、脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーを含む組成物にも関連する。
同様に、本発明は、本発明の組成物を、フィルム、フォーム、ボトルまたは熱成型物品の製造において利用することにも関わる。
本発明は、同様に本発明の組成物から得られるフィルムにも関連する。好ましくは、得られるこれらフィルムは、押出し吹込み成型による製品である。
本発明は、同様に得られたこれらフィルムの、ゴミ袋、農業用フィルム、包装用フィルム、カバー、オムツおよび接着性フィルムの製造における利用にも関わる。
本発明は、同様に本発明の組成物から得られる、フォームにも関連する。
本発明は、同様に本発明の組成物から得られる、ボトルにも関連する。
本発明は、同様に本発明の組成物から得られる、熱成型物品にも関連する。
【0030】
本発明による脂肪族熱可塑性ポリエステル、特にε-カプロラクトンポリマーを含む組成物は、有利にはレオロジー挙動(伸張粘度、tanδ、動粘度)によって特徴付けられ、例えば該組成物は吹込み成型する際の耐変形性の増大により特徴付けられ、結果として吹込み成型工程は著しく安定となり、気泡の形成が著しく安定化され、かつ成型品の厚みが均一となる。
その上、本発明の組成物は、極めて低い、更にはゼロに等しいゲル化率(不溶性ポリマーの割合)を持つことにより特徴付けられ、これが、これらフィルムが不均質領域を持たず、あるいは極めて少なく、かつ結果として目的とする用途に適した極めて良好な表面特性および透明性を持つ理由である。
本発明の組成物は、更に従来技術による対応する組成物よりも、著しく大きな結晶化速度により特徴付けられる。この特徴のために、実現される該フィルムの生産能率は、低温および周囲温度によって殆ど影響されない。
本発明の組成物から得られる、これらフィルム、フォーム、ボトルまたは熱成型物品は、高い生分解性をもつものである。最後に、得られるこれらフィルムは、同様に極めて良好な印刷的性によっても特徴付けられる。
【0031】
【実施例】
以下の実施例は、本発明を例示するものであり、その範囲を何等制限するものではない。
ポリ - ε - カプロラクトン
使用するポリ-ε-カプロラクトンは、ソルベイアンテロックス(SOLVAY INTEROX)社により市販されている、商品として入手できるポリ-ε-カプロラクトンCAPA(登録商標)650およびCAPA(登録商標)680である。これらは、以下のように特徴付けられる:
数平均分子量は、ポリ-ε-カプロラクトンCAPA(登録商標)650については44000 g/moleおよびポリ-ε-カプロラクトン CAPA(登録商標)680については70000 g/moleである。この数平均分子量は、溶媒としてクロロホルムを使用し、ポリマーラボラトリーズ Mix-C型のカラムおよびウォーターズディファレンシャルリフラクトメータ R401型の屈折計を使用して、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定する。サンプルの濃度は20 mg/mlであり、またその流量は1 ml/minである。使用した標準物質は、標準のポリスチレンであり、使用した転換率は、0.6である。
【0032】
溶融温度は、ポリ-ε-カプロラクトンCAPA(登録商標)650およびポリ-ε-カプロラクトン CAPA(登録商標)680について58-60℃である。この溶融温度は、2度目の通過におけるおよび走査速度10°K/分における、示差熱分析によって測定する。
ソルベイアンテロックス社により市販されている、ポリ-ε-カプロラクトンCAPA(登録商標)65100をも同様に使用した。このポリ-ε-カプロラクトンは、化学的にポリ-ε-カプロラクトンCAPA(登録商標)650と同一であるが、100μm以下の粒径を持つ粒子からなる粉末として供給される。
ラジカル発生剤
使用するラジカル発生剤は、パーオキシドシミー(PEROXID CHEMIE)社により商標:ルパーゾル(LUPERSOL:登録商標) 101の下で市販されている、2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチルパーオキシヘキサン(DHBP)またはパーオキシドシミー社によりDHBP-45-ICなる名称の下で市販されている、タルク上に吸収された2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチルパーオキシヘキサン(DHBP)である。
【0033】
充填材
充填材を使用する場合、これはオムヤ(OMYA)ベネルクスによりOMYA BLHTMの下で市販されている炭酸カルシウムである。
安定化剤
安定化剤を使用する場合、これはチバ(CIBA)社によりイルガノックス(IRGANOX:登録商標) 1330として市販されている、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼンである。
押出機
使用する第一の押出機は、同一方向に回転する2軸スクリュー押出機、WERNER & PFLEIDERER ZSK(登録商標)40である。これらスクリューの径は40 mmであり、その長さは1360 mmである。該スクリューの回転速度は、200 rpm (回転数/分)である。
この押出機は、順次供給領域、材料の溶融領域、均質化領域、反応領域、随意の添加物導入領域、および圧縮領域に先立つ排出領域を含むように構成される。これら領域各々は、夫々特定の温度を持つ。
【0034】
ε-カプロラクトンポリマー用の該供給領域は、20℃以下の温度を持つ。
該材料の溶融領域は、130℃なる温度を持つ。該DHBPは、以下に記載するような装入装置によって、二酸化炭素との混合物として、この領域に導入される。
該均質化領域は、130℃なる温度を持つ。
該反応領域は、180℃なる温度を持つ。
添加物(充填材および安定化剤)用の該導入領域は、これら添加物を添加する場合には、180℃なる温度を持つ。
該圧縮領域は、180℃なる温度条件下にある。
該排出領域は、180℃なる温度条件下にある。
使用する第二の押出機は、同一方向に回転する2軸スクリュー押出機、WERNER & PFLEIDERER ZSK(登録商標)58である。これらスクリューの径は58 mmであり、その長さは2160 mmである。該スクリューの回転速度は、200 rpm (回転数/分)である。
【0035】
この押出機は、順次供給領域、材料の溶融領域、均質化領域、反応領域、随意の添加物導入領域、および脱気領域に先立つ圧縮-排出領域を含むように構成される。これら領域各々は、夫々特定の温度を持つ。
ε-カプロラクトンポリマー用の該供給領域は、20℃以下の温度を持つ。該DHBPは、ε-カプロラクトンポリマーとの混合物として、この領域に導入される。
該材料の溶融領域は、120℃なる温度を持つ。
該均質化領域は、120℃なる温度を持つ。
該反応領域は、180℃なる温度を持つ。
該脱気領域は、160℃なる温度条件下にある。
該圧縮-排出領域は、120℃なる温度条件下にある。
【0036】
二酸化炭素との混合物として DHBP ルパーゾル (LUPERSOL: 登録商標 )101 を導入する装置
二酸化炭素との混合物として有機パーオキシドを導入する装置を、模式的に図2に示す。
タンク6に収容された該DHBP ルパーゾル(登録商標) 101を、ポンプ1を介して混合チャンバー2に供給する。タンク4に収容された液状二酸化炭素を、ポンプ1'を介して混合チャンバー2に供給する前に、極低温温度調節装置3内で-10℃に冷却する。次いで、該混合チャンバー内で調製された、該DHBPと液状二酸化炭素との混合物を、圧力センサ5によって圧力が高められた、注入装置7に搬送する。
該液状二酸化炭素用のタンク4は、二酸化炭素の圧が掛かったボンベである。
該ポンプ1および1'は、GILSON 305および306型のポンプである。二酸化炭素に対して準備されたポンプ1'の上部には、GILSONの温度調節キット 5/10/25SG を備えており、これはその上部を-10℃に冷却することを可能とする。この冷媒は、JUBALO F30型の極低温温度調節装置内で冷却されたイソプロパノールである。
【0037】
同様な低温温度調節装置を使用して、液状二酸化炭素を冷却する(低温温度調節装置3)。
該混合チャンバー2は、GILSON 811C型のスクリューを備えた分析型混合装置である。
該注入装置7は、高圧下(約7.4 MPa (74 bar)を越える)での稼動が可能な注入装置である。
GILSON 806型の圧力センサ5は、該ポンプ1'と該混合チャンバー2との間に設けられ、該注入装置内の圧力を高める(約9.0〜12.0 MPa (90〜120 bar))。
該導入装置の注入装置は、該押出機のスリーブに対して垂直に設けられ、該押出機スクリューネジ山の接線方向を通る。これは、該押出機の該溶融領域に対して、正確に垂直に配置される。該二酸化炭素は、一般に該注入装置の位置において、臨界状態にある。
DHBP-45-IC とポリ - ε - カプロラクトン CAPA (登録商標) 65100 との混合の実施
該2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチルパーオキシヘキサンDHBP-45-ICとポリ-ε-カプロラクトンCAPA(登録商標)65100とを、1 kg のポリ-ε-カプロラクトンCAPA(登録商標)65100につき30 g のDHBP-45-ICなる比率で、低速で攪拌されている混合機内で混合した。
【0038】
得られる組成物の特長付け
得られた組成物を、以下のようにして特徴付けする:
MFIを測定して、RMFIを決定する。
ゲル化率を測定する。
数平均分子量を測定する。
該組成物の結晶化温度を測定する。
レオロジー的動力学特性(ARES)の測定を行い、一方では結晶化速度および誘導時間を決定し、他方では頻度の関数として、粘弾性特性(動粘度、tanδ)を測定する。
伸張流動特性(RME)を測定して、伸張粘度を決定する。
RMFI の決定
このRMFIは、円筒状ダイス(高さ8 mm±0.025、径2.095 mm±0.003)について得られるMFI8/2と、図1に示したような円錐形のダイスについて得られたMFI0.3/1との間の比を算出することにより得られる。この円錐形ダイスは、円錐角60°±0.5、外径9.48 mm、内径1.0 mm±0.025、全高さ2.55 mm±0.025および円筒部分の高さ0.3 mm±0.025によって特徴付けられる。該2つのMFIは、負荷5 kgの下で、かつ同一の温度下で、100℃において上記の如き諸特性を持つ、キャリブレーションされたダイスを横切って通過するポリマーの量を測定することによって得られる。これらMFIは、dg/分なる単位で表される。
【0039】
ゲル化率の測定
このゲル化率は、8時間後のソックスレー法による、クロロホルム抽出液中の不溶性ポリマーの割合である。
数平均分子量の測定
この数平均分子量は、溶媒としてクロロホルムを使用し、ポリマーラボラトリーズMix-C型のカラムおよびウォーターズディファレンシャル リフラクトメータ R401型の屈折計を利用して、ゲル浸透クロマトグラフィー法に従って測定する。サンプル濃度は、20 mg/mlであり、またその流量は1 ml/minである。使用した標準物質は、標準ポリスチレンであり、また使用した転換率は、0.6である。
結晶化温度の測定
上記組成物の結晶化温度は、1回目の冷却において、該組成物の熱履歴を除去した後に、走査速度10 K/minにて、示差熱分析によって測定する。
このように、-50℃にて5分間維持したサンプルを、10 K/minなる一定の走査速度にて、温度120℃まで高める。120℃にて5分間維持した後、該サンプルを、走査速度10 K/minにて冷却し、この冷却の際に、該結晶化温度を測定する。
【0040】
レオロジー性動力学特性の測定
レオロジー性動力学特性の測定は、ADVANCED RHEOLOGICAL EXPANSION SYSTEM (ARES)としてRHEOMETRICSにより市販されている、与えられた変形の下で、レオゴニオメータによって行う。この測定は、2枚の平行な板間に配置され、他方の板に対する一方の板の運動により与えられた、周期的な変形状態にある、径25 mmおよび加圧プレート内の断面の厚み2 mmを持つサンプルについて行われる。
該結晶化速度および誘導時間を測定するために、該サンプルを所定の熱処理にかけ、結晶化過程全体に渡り、時間の関数としての、所定の変形頻度における動粘度の推移を追跡する。この熱処理は、加熱速度24℃/分にて、該サンプルを150℃まで加熱し、該サンプルを150℃にて10分間維持し、該サンプルを冷却速度24℃/分にて47℃まで冷却し、次いで2℃/分なる冷却速度にて45℃まで冷却することからなる。頻度1 rad/秒および45℃における、時間の関数としての動粘度の推移は、グラフに示した。
結晶化により動粘度が増加した場合に観測される、曲線の勾配は、結晶化速度の尺度となる。
【0041】
結晶化の誘導時間は、該ε-カプロラクトンポリマーにおける核形成時点の有意な増加の前に、該動粘度が一定に維持される期間に対応し、時間0は、温度が45℃に達したことに対応する。
頻度の関数として、粘弾性特性(動粘度、tanδ)を測定するために、該サンプルを80℃の一定温度にて変形させる。この測定の結果(図 ARES)は、rad/秒で表される頻度の関数として、80℃におけるPa.sで表した動粘度またはPaで表されるモジュールG''(破壊係数)およびG'(弾性率)の変動によって表される。tanδは、これらモジュールG''およびG'の比である。
伸張レオロジーの測定
伸張レオロジーの測定は、RHEOMETRICS社によって、RME (RHEOMETRICS ELONGATIONAL RHEOMETER FOR MELTS)なる名称の下で市販されている、レオメータによって行われる。該サンプル(52x7x1.5 mm)を押出しにより得、測定に先立って内部応力の緩和処理にかける。
この測定の結果(図 RME)は、伸張勾配(s-1単位で表される)1に対する、80℃における、時間の関数としての、(kPa.sで表した)溶融状態における伸張粘度の変動によって表される。
【0042】
フィルム
得られた該組成物から、押出し吹込み成型により、可能な場合には、DOLCI 20型の押出機によって製造した。一軸スクリュー押出機は、製品が上部に対して垂直に排出されるように、径30 mmおよびギャップ0.75 mm (28.5 mmの中心部)を持ち、該押出機の軸に対して垂直に配向した環状ダイスに、溶融状態にある該材料を通す前に、該材料を溶融状態(75-150℃)にするのに利用される。該材料の流量は、該スクリューの回転速度を変えることにより調節する。この環状パリソンは、内側の空気圧によって膨らみ、このようにして該ダイス上に数cm形成された、該気泡の回りに均一に分配された空気流により外側から冷却される。該空気は冷却されるが、有利には周囲温度下にある。膨張率(該ダイス周囲に対する該フィルム周囲の比に等しいものとして定義される)は、内部空気の圧力を調節することによって制御される。該気泡は、2つのガイドによって平坦にされ、次いで2つのロール間に挟まれ、そのロールの少なくとも一方は、ゴム製であり、かつ少なくとも一つは駆動状態にある。従って、該環状パリソンは、また2つの把持ロールによって軸方向に引き伸ばされる。その延伸率(該フィルムの巻き取り速度対該フィルムの該ダイスからの排出速度の比に等しいものとして定義される)は、該把持ロールの速度を変更することによって調節する。このフィルムの最終的な厚みは、該ダイスのギャップ、該膨張率および該延伸率の関数である。
【0043】
得られたフィルムの特長付け
引っ張り応力、耐衝撃性および耐亀裂性の測定を、得られたフィルムについて行った。
引っ張り応力の測定
引っ張り応力の測定は、規格 ISO 527-3 (1993)に従って、50 x 15 mm2なる寸法の試験片につき、23℃および50%相対湿度にて、速度100 mm/min (機械の引っ張り速度、INSTRON)にて行う。
押出し方向または押出し方向に対する垂直方向における、名目上の応力(初期断面に対する引っ張り力の比)および伸び率(初期長さ、例えば50 mmに対する引っ張り後の長さの比)を決定する。
該名目上の応力は、MPa単位で表され、また伸び率は%で表される。
耐衝撃性の測定
耐衝撃性は、ISO 7765-1 (1998) (方法A)に従って測定する。このようにして決定した質量を、該サンプルの厚みと関連付けて、結果をg/μm単位で表す。
【0044】
亀裂伝播に対する抵抗性の測定
亀裂伝播に対する抵抗性は、一定の半径を持つ試験片について、23℃および50%相対湿度にて、1.6 kgfの振り子を用いて、規格ASTM-D1922に記載されている「エルメンドルフ(Elmendorf)」の方法に従って測定する。低い耐亀裂性を持つフィルムの場合、該サンプルの状態を明確にするために、複数のサンプルを重ね合わせた。衝撃を受けた際の溶着を回避するために、また測定が妨害されないように、極めて薄い挿入物によって異なる層を分離した。
押出し方向または押出しに対して直交する方向における、亀裂伝播に対する抵抗性を測定する。
亀裂伝播に対する抵抗性は、単位Nで表される。
実施例1
ポリ-ε-カプロラクトンCAPA(登録商標)680を、流量30 kg/hにて、WERNER & PFLEIDERER ZSK(登録商標)40押出機の供給領域内に導入し、この押出機の種々の領域に渡り展開させた。
【0045】
該押出機の溶融領域内で、二酸化炭素との混合物としての、DHBP LUPERSOL(登録商標)101を、上記の導入装置によって、該ポリ-ε-カプロラクトンへスプレーした。このDHBP LUPERSOL(登録商標)101は、1分間につき、該ポリ-ε-カプロラクトンCAPA(登録商標)680 1 kg当たり1 g の割合、および二酸化炭素5 ml中570μlのDHBPなる割合で導入した。
かくして得た組成物について測定したRMFI、ゲル化率、数平均分子量、結晶化温度(Tc)およびtanδの値を、以下の表4に報告する。
80℃における、時間(単位:s)の関数としての、伸び率勾配1(単位s-1で表示)に対する、伸張粘度(単位kPa.sで表示される)の変動を、図3に示す(記号:○)。
80℃における、頻度(単位rad/sで表示される)の関数としての、動粘度(単位Pa.sで表示される)の変化を、図4に示す(記号:○)。
二枚のフィルム(No. 1.1、1.2)を、上記方法に従って、かつ以下に記載の条件を使用して、上記実施例1の組成物から製造した。
【0046】
【表1】
【0047】
これら二枚のフィルムは、夫々1.2および2.3 g/μmなる耐衝撃性によって特徴付けられる。該フィルムNo. 1.1は、それぞれ0.3 Nおよび0.65 Nなる、押出し方向および押出しに対して直交する方向における耐亀裂伝播性によって特徴付けられる。
実施例2 ( 比較例 )
DHBPを使用せずに、実施例1を繰り返した。
かくして得た組成物について測定したRMFI、ゲル化率、数平均分子量、結晶化温度(Tc)およびtanδの値を、以下の表4に報告する。
80℃における、時間(単位:s)の関数としての、伸び率勾配1(単位s-1で表示)に対する、(単位kPa.sで表示される)伸張粘度の変動を、図3に示す(記号:◇)。 80℃における、頻度(単位rad/sで表示される)の関数としての、動粘度(単位Pa.sで表示される)の変化を、図4に示す(記号:◇)。
この実施例2の組成物から、押出し吹込み成型によってフィルムを得ることはできなかった。
【0048】
実施例3
実施例1において、ポリ-ε-カプロラクトンCAPA(登録商標)680を、40質量%のポリ-ε-カプロラクトンCAPA(登録商標)680と、60質量%のポリ-ε-カプロラクトンCAPA(登録商標)650との混合物に代えて、実施例1を繰り返した。ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定した、その数平均分子量は55000 g/moleである。
かくして得た組成物について測定したRMFI、ゲル化率、数平均分子量、結晶化温度(Tc)およびtanδの値を、以下の表4に報告する。
80℃における、時間(単位:s)の関数としての、伸び率勾配1(単位s-1で表示)に対する、伸張粘度(単位kPa.sで表示される)の変動を、図5に示す(記号:□)。 80℃における、頻度(単位rad/sで表示される)の関数としての、動粘度(単位Pa.sで表示される)の変化を、図6に示す(記号:□)。
上記の方法で、かつ以下に示す条件下で、この実施例3で得た組成物から、一枚のフィルムを製造した。
【0049】
【表2】
【0050】
このフィルムについて行った引っ張り応力測定は、以下のような結果を与える。即ち、押出し方向における名目上の応力は46 MPaであり、押出し方向における伸び率は1000%であり、押出しに対して直交する方向における応力は48 MPaであり、かつ押出しに対して直交する方向における伸び率は950%である。
このフィルムは、0.9 g/μmなる耐衝撃性によって特徴付けられる。
このフィルムは、また夫々0.7 N および0.95 Nなる、押出し方向および押出しに対して直交する方向における、耐亀裂伝播性によって特徴付けられる。
実施例4 ( 比較例 )
DHBPを使用せずに、実施例3を繰り返した。
かくして得た組成物について測定したRMFI、ゲル化率、数平均分子量、結晶化温度(Tc)およびtanδの値を、以下の表4に報告する。
80℃における、時間(単位:s)の関数としての、伸び率勾配1(単位s-1で表示)に対する、伸張粘度(単位kPa.sで表示される)の変動を、図5に示す(記号:+)。
80℃における、頻度(単位rad/sで表示される)の関数としての、動粘度(単位Pa.sで表示される)の変化を、図6に示す(記号:+)。
この実施例4の組成物から、押出し吹込み成型によってフィルムを得ることは不可能であった。
本発明(実施例3)で得た組成物の結晶化速度と、対応する組成物(比較例としての実施例4)の結晶化速度との比は、3.45に等しい。
本発明(実施例3)で得た組成物の誘導時間と、対応する組成物(比較例としての実施例4)の誘導時間との比は、0.65に等しい。
実施例5
最終組成物に対して、30質量%の炭酸カルシウムOMYA BLHTMおよびポリ-ε-カプロラクトン1 kg 当たり3.5 g の安定化剤 IRGANOX(登録商標)1330を加えて、実施例3を繰り返した。
かくして得た組成物について測定したRMFI、ゲル化率、数平均分子量、結晶化温度(Tc)およびtanδの値を、以下の表4に報告する。
80℃における、時間(単位:s)の関数としての、伸び率勾配1(単位s-1で表示)に対する、伸張粘度(単位kPa.sで表示される)の変動を、図7に示す(記号:△)。
80℃における、頻度(単位rad/sで表示される)の関数としての、動粘度(単位Pa.sで表示される)の変化を、図8に示す(記号:△)。
上記の方法で、かつ以下に示す条件下で、この実施例5で得た組成物から、一枚のフィルム(No. 5.1)を製造した。
【0051】
【表3】
【0052】
このフィルムNo. 5.1は、0.8 g/μm以下の耐衝撃性によって特徴付けられる。実施例6 ( 比較例 )
DHBPを使用せずに、実施例5を繰り返した。
かくして得た組成物について測定したRMFI、ゲル化率、数平均分子量、結晶化温度(Tc)およびtanδの値を、以下の表4に報告する。
80℃における、時間(単位:s)の関数としての、伸び率勾配1(単位s-1で表示)に対する、伸張粘度(単位kPa.sで表示される)の変動を、図7に示す(記号:*)。
80℃における、頻度(単位rad/sで表示される)の関数としての、動粘度(単位Pa.sで表示される)の変化を、図8に示す(記号:*)。
この実施例6の組成物から、押出し吹込み成型によってフィルムを得ることは不可能であった。
【0053】
実施例7
40質量%のポリ-ε-カプロラクトンCAPA(登録商標)680および60質量%のポリ-ε-カプロラクトンCAPA(登録商標)650を含む混合物を、押出機WERNER & PFLEIDERER ZSK(登録商標)58の供給領域に導入し、該押出機の種々の領域に通した。
同様に、該押出機の供給領域に、上記のようなDHBP-45-ICとポリ-ε-カプロラクトンCAPA(登録商標)65100との混合物として、DHBPを導入した。該ポリ-ε-カプロラクトンの全流量は、150 kg/hであり、またDHBPの量は該ポリ-ε-カプロラクトンの混合物1 kg当たり1 g であった。
かくして得た組成物について測定したRMFI、ゲル化率、数平均分子量、結晶化温度(Tc)およびtanδの値を、以下の表4に報告する。
80℃における、時間(単位:s)の関数としての、伸び率勾配1(単位s-1で表示)に対する、(単位kPa.sで表示される)伸張粘度の変動を、図9に示す(記号:■)。
【0054】
80℃における、頻度(単位rad/sで表示される)の関数としての、動粘度(単位Pa.sで表示される)の変化を、図10に示す(記号:■)。
上記の方法で、かつ実施例3の組成物からフィルムを製造する際に使用したものと同様な条件下で、この実施例7で得た組成物から、一枚のフィルムを製造した。
得られたこのフィルムは、均質な厚みおよび実施例3の組成物から得たフィルムと同様な諸特性により特徴付けられる。
実施例8 ( 比較例 )
DHBPを使用せずに、実施例7を繰り返した。
かくして得た組成物について測定したRMFI、ゲル化率、数平均分子量、結晶化温度(Tc)およびtanδの値を、以下の表4に報告する。
80℃における、時間(単位:s)の関数としての、伸び率勾配1(単位s-1で表示)に対する、(単位kPa.sで表示される)伸張粘度の変動を、図9に示す(記号:▲)。 80℃における、頻度(単位rad/sで表示される)の関数としての、動粘度(単位Pa.sで表示される)の変化を、図10に示す(記号:▲)。
この実施例8の組成物から、押出し吹込み成型によってフィルムを得ることは不可能であった。
【0055】
【表4】
【0056】
表4の結果を分析すると、本発明の組成物が、対応する比較組成物について観測された値よりも、少なくとも1℃高い結晶化温度(Tc)によって特徴付けられることが分かる。更に、本発明の組成物の結晶化速度は、対応する比較組成物について観測された値よりも、かなり高いことが確認される。
本発明の組成物は、更に対応する比較組成物について観測された値よりも、明らかに低いtanδ値によって特徴付けられる。
図3、5、7および9を検討すると、本発明の組成物が、更に時間の関数としての伸張粘度の指数関数的な増加により特徴付けられ、このことは対応する比較組成物とは逆に、応力下での構造上の硬化に特徴的なものである。
【0057】
その上、時間の関数としての伸張粘度の指数関数的な増加に対応する、変曲点は、対応する比較組成物とは逆に、3秒以下である。
図4、6、8および10 (対数グラフ)を検討すると、本発明の組成物は、更に動粘度と変形頻度との間におけるほぼ直線的な関係によって特徴付けられることが分かる。この点について、対応する比較組成物は、ニュートン性プラトーとして減少する、変形頻度に対する動粘度の推移により特徴付けられる。
得られたフィルムに関連する結果を検討すると、本発明の組成物は、フィルムの製造を可能とすることが分かる。これらのフィルムは、張力、衝撃および亀裂に対して抵抗性である。これに対して、対応する比較組成物では、押出し吹込み成型によるフィルムの製造は不可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 円錐形のダイスを表す図である。
【図2】 二酸化炭素との混合物として有機パーオキシドを導入する装置を、模式的に表した図である。
【図3】 実施例1、2において、80℃における、時間(単位:s)の関数としての、伸び率勾配1(単位s-1で表示)に対する、伸張粘度(単位kPa.sで表示される)の変動を表した図である。
【図4】 実施例1、2において、80℃における、頻度(単位rad/sで表示される)の関数としての、動粘度(単位Pa.sで表示される)の変化を表した図である。
【図5】 実施例3、4において、80℃における、時間(単位:s)の関数としての、伸び率勾配1(単位s-1で表示)に対する、伸張粘度(単位kPa.sで表示される)の変動を表した図である。
【図6】 実施例3、4において、80℃における、頻度(単位rad/sで表示される)の関数としての、動粘度(単位Pa.sで表示される)の変化を表した図である。
【図7】 実施例5、6において、80℃における、時間(単位:s)の関数としての、伸び率勾配1(単位s-1で表示)に対する、伸張粘度(単位kPa.sで表示される)の変動を表した図である。
【図8】 実施例5、6において、80℃における、頻度(単位rad/sで表示される)の関数としての、動粘度(単位Pa.sで表示される)の変化を表した図である。
【図9】 実施例7、8において、80℃における、時間(単位:s)の関数としての、伸び率勾配1(単位s-1で表示)に対する、(単位kPa.sで表示される)伸張粘度の変動を表した図である。
【図10】 実施例7、8において、80℃における、頻度(単位rad/sで表示される)の関数としての、動粘度(単位Pa.sで表示される)の変化を表した図である。
Claims (16)
- 熱可塑性ポリエステル押出し物の製造方法であって、少なくとも1種のε-カプロラクトンのポリマー及び該ε-カプロラクトンのポリマーに対して0.01〜0.2質量%の量で存在するラジカル発生剤を含む組成物が、押出機における溶融状態での反応に供されること、該ラジカル発生剤が押出機へある期間にわたって連続的に導入されること、及び該方法が1.1〜2.5なる範囲内のRMFIの値を有する押出し物を製造することを特徴とする、上記製造方法。
- 該組成物がさらに少なくとも1種の充填材を含む、請求項1記載の方法。
- 該組成物がさらに少なくとも1種の安定化剤を含む、請求項1又は2記載の方法。
- 該安定化剤が1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ペンタエリスリトールテトラキス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオネート)、トリス-(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト又はそれらの混合物である、請求項3記載の方法。
- 該ラジカル発生剤が、二酸化炭素、ε-カプロラクトンのポリマーまたは充填材との混合物として押出機へ導入される、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
- 該ラジカル発生剤が、スプレー型または蒸発型の注入装置によって導入される、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
- 該ラジカル発生剤が、有機パーオキシドである、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
- 該ラジカル発生剤が、t-ブチルクミルパーオキシド、1,3-ジ-(2-t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ-(t-ブチル)パーオキシド、または2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルパーオキシ)-3-ヘキシンである、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
- 該ε-カプロラクトンのポリマーがε-カプロラクトンホモポリマーである、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
- 該ε-カプロラクトンのポリマーがε-カプロラクトンと、β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、1,4-ジオキサン-2-オン、1,4-ジオキセパン-2-オン、1,5-ジオキセパン-2-オン、グリコリド、L-ラクチド、D-ラクチドまたはDL-ラクチドとのコポリマーである、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
- 該コポリマーが少なくとも50質量%のε-カプロラクトン含有率を有する請求項10記載の方法。
- 該ε-カプロラクトンのポリマーが、10000〜60000g/moleの数平均分子量を有するポリマー成分を0.1〜80質量%、及び60000g/moleを越え200000g/moleまでの数平均分子量を有するポリマー成分を99.9〜20質量%含む、請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
- 該押出機が供給領域、溶融領域、均質化領域、該ε-カプロラクトンのポリマーがラジカル発生剤と反応する反応領域、及び排出領域を含む、請求項1〜12のいずれか1項記載の方法。
- −供給領域が20℃以下の温度を有し、
−溶融領域と均質化領域各々が、該ポリマーの溶融温度以上で、かつ該ラジカル発生剤の半減期が、該領域における組成物の滞留時間の10倍となる時点における温度以下の温度を有し、及び
−反応領域の温度が、該ラジカル発生剤の半減期が、この領域における組成物の滞留時間以下となる時点における温度以上である、
請求項13記載の方法。 - 熱成型物品の製造における、請求項1〜14のいずれか1項記載の方法の使用。
- フィルム、フォームまたはボトルの製造における、請求項1〜14のいずれか1項記載の方法の使用。
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