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JP4896488B2 - 冷間プレス法による燃料電池用導電性セパレータの製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は燃料電池用導電性セパレータの製造方法に係り、特に冷間プレス法による燃料電池用導電性セパレータの製造方法に関する。
これまで、燃料電池用導電性セパレータとしては、金属基体の表面を不動態化した金属セパレータ板、導電性粒子と熱硬化性樹脂とからなる複合材料を圧縮、移送、射出等の成形機にて金型成形したセパレータ板、ブロック状に成形した複合材料成形体をセパレータ形状へと切削加工したセパレータ板等が検討されている。
具体的には、金属基体を用いたものとして、例えば金属基体の表面部に耐酸性かつ電気伝導性を有する樹脂膜を配設したもの(例えば、特許文献1参照。)、金属基体の表面部に金属系導電性塗装層と黒鉛系導電性塗装層からなる2層の塗装層を設けたもの(例えば、特許文献2参照。)、金属基体として最外層を耐食性金属とした多層金属板を用いたもの(例えば、特許文献3参照。)等が検討されている。
一方、導電性粒子と熱硬化性樹脂とからなる複合材料を圧縮等の成形機にて金型成形するものとして、例えば特定の平均粒径を有する導電性粒子および特定の平均分子量を有するフェノール樹脂を用い、射出成形による生産を容易にしたもの(例えば、特許文献4参照。)、特定のエポキシ樹脂およびフェノール樹脂を用い、成形性、機械的強度を向上させたもの(例えば、特許文献5参照。)、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂の硬化剤、硬化促進剤を含有させ、焼成等の熱処理を不要としたもの(例えば、特許文献6参照。)等が検討されている。
また、燃料電池用導電性セパレータにおける溝の成形加工に関しては、例えば突型部を有する第1型および第2型からなる成形型を用い、燃料電池用導電性セパレータを形成するための材料である炭素系素材を厚み方向に強圧することで、突型部を炭素系素材に転写し溝を形成する方法(例えば、特許文献7参照。)、燃料電池用導電性セパレータを形成するための材料を均一なシート状に成形した後、所定の溝を有する圧延ローラーを用いてその溝形の形状をシート状成形物に転写する方法(例えば、特許文献8参照。)等が検討されている。
特開2003−249240号公報 特開2004−111079号公報 特開2005−5137号公報 特開2000−331690号公報 特開2001−261935号公報 特開2002−83609号公報 特開平10−55809号公報 特開2002−198062号公報
しかしながら、金属基体の表面を不動態化した燃料電池用導電性セパレータは、微細な傷等によって起こる突発的不良を防止しがたい。また、ブロック状に成形した複合材料成形体を切削加工するものは、作業時間がかかり製造費用が増大するという課題がある。
一方、導電性粒子と熱硬化性樹脂とからなる複合材料を圧縮成形、移送成形、射出成形等により成形するものは、複雑な金型が必要となり、製造費用が増大するという課題がある。また、燃料電池用導電性セパレータにおいては、導電性を向上させるため一般に導電性粒子を高充填することが好ましいが、導電性粒子を高充填した複合材料は成形時の流動性が低くなり、圧縮成形、移送成形、射出成形等を行うことが困難となる。
成形時の流動性の低下に対しては、例えば導電性粒子の平均粒径を特定の範囲にしたり、熱硬化性樹脂の平均分子量を特定の範囲にしたりすることで改善が試みられているが、未だ十分に解決されているとは言い難い。
また、圧縮成形法により燃料電池用導電性セパレータを製造する場合、圧縮成形だけでは最終形状に近いものを得ることが困難なことから、圧縮成形後に機械加工を施さなければならず、作業時間がかかり製造費用が増大するという課題がある。また、射出成形法により燃料電池用導電性セパレータを製造する場合、金型内における流動性の違いにより、部分ごとに導電性粒子と熱硬化性樹脂との含有量の比率が異なるという課題がある。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、圧縮成形、移送成形、射出成形等で用いられるような複雑な金型を用いず、導電性に優れたものとするために導電性粒子を高充填した場合であっても製造することができ、かつ、平坦性等にも優れたものとすることができる燃料電池用導電性セパレータの製造方法を提供することを目的としている。
本発明の燃料電池用導電性セパレータの製造方法は、主として平均粒子径が0.5〜25μmの黒鉛粉末と熱硬化性樹脂とを含む複合材料を得る複合材料調製工程と、前記複合材料からなる半硬化状態の樹脂シートを40〜50℃の温度で2〜120時間の加熱処理によって得るシート調製工程と、加熱された前記半硬化状態の樹脂シートに対して、ガス流路形成用パターンが形成された一対の対向する金型により前記半硬化状態の樹脂シートよりも低い温度で冷間プレスを行い燃料電池用導電性セパレータを得る冷間プレス工程とを有する冷間プレス法による燃料電池用導電性セパレータの製造方法であって、前記シート調製工程における前記半硬化状態の樹脂シートは、黒鉛粉末中で両面を押し付けられ、前記両面に黒鉛粉末が付着されることにより表面処理されていることを特徴とするものである。
記熱硬化性樹脂はフェノール系樹脂もしくはエポキシ系樹脂を主成分とするものであることが好ましい
また、本発明では、シート調製工程において製造される半硬化状態の樹脂シートが連続したものであり、このような連続した半硬化状態の樹脂シートに対して冷間プレス工程を連続的に行うことが好ましい。そして、この冷間プレス工程では、半硬化状態の樹脂シートを冷間プレスすると同時に、所定の大きさに切断することが好ましい。
本発明によれば、予め半硬化状態とした樹脂シートを用いて冷間プレスを行うものとすることで、従来の圧縮成形、移送成形、射出成形等で用いられるような複雑な金型を用いる必要がなく、導電性粒子を高充填した場合であっても確実に成形することができ、また平坦性に優れた燃料電池用導電性セパレータを製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の燃料電池用導電性セパレータの製造方法は、主として導電性材料と熱硬化性樹脂とを含む複合材料を得る複合材料調製工程と、この複合材料からなる半硬化状態の樹脂シートを得るシート調製工程と、加熱された半硬化状態の樹脂シートに対して、ガス流路形成用パターンが形成された一対の対向する金型によりこの半硬化状態の樹脂シートよりも低い温度で冷間プレスを行い燃料電池用導電性セパレータを得る冷間プレス工程とを有することを特徴とするものである。
本発明に用いられる複合材料は、上記したように主として導電性材料と熱硬化性樹脂とを含むものである。導電性材料としては、導電性を有するものであれば必ずしも限定されるものではないが、金属粉や金属短繊維以外のものが好ましい。すなわち、金属粉や金属短繊維を用いた場合、燃料電池内に存在するイオン群や高温、さらには電界の影響により、燃料電池用導電性セパレータの表面が腐食しやすくなるためである。
導電性材料としては、具体的には炭素質材料が好ましく用いられる。炭素質材料としては特に限定されるものではないが、最終的に燃料電池用導電性セパレータとした場合に、導電性が高くなるような物質および形状であることが好ましい。
このような炭素質材料としては、例えば人造や天然の黒鉛粉末が好ましいものとして挙げられる。人造黒鉛には石油系コークスと石炭系コークス由来の2種類があり、また天然黒鉛には燐片状の黒鉛と土壌黒鉛があり、本発明ではいずれを用いてもよい。
また、炭素質材料として黒鉛粉末を用いる場合には、平均粒子径が0.5μm以上100μm以下の範囲内のものを用いることが好ましく、平均粒子径が0.5μm以上25μm以下の範囲のものを用いればより好ましい。このような平均粒子径のものを用いることによって、燃料電池用導電性セパレータの導電性等を良好なものとすることができる。
導電性基材として黒鉛粉末を用いる場合には、平均粒子径の異なる二種類以上の黒鉛粒子を用いてもよい。平均粒子径の異なる二種類以上の黒鉛粉末を用いる場合、各黒鉛粉末の平均粒子径は上述した平均粒子径の範囲内から選ばれることが好ましい。黒鉛粉末をこのような平均粒子径の異なる二種類以上のものからなるものとすることにより、燃料電池用導電性セパレータ中に黒鉛粉末を高い密度で充填することが可能となり、導電性等を良好なものとすることができる。
炭素質材料としては黒鉛粉末以外のものを用いることもできる。すなわち、カーボン繊維、カーボンブラック、筒状や球状等のフラーレン等を用いることができる。また、炭素質材料としては、2種類以上の炭素質材料を併用することもできる。炭素質材料として繊維状のものを用いる場合、短繊維状のものが好ましく、繊維径に対する繊維長の比率であるアスペクト比が3〜300のものが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、特に耐熱性、耐薬品性、機械的強度に優れたものが好適に用いられる。熱硬化性樹脂としては、具体的にはエポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、グアナミン系樹脂、フェノール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、マレイミド系樹脂などが挙げられ、これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの熱硬化性樹脂の中でも、特にエポキシ系樹脂やフェノール系樹脂が取り扱いの容易さや性能面から好適に用いられ、さらにこれらの中でもフェノール樹脂が価格面から好適に用いられる。
本発明における複合材料は上記したような導電性材料と熱硬化性樹脂とから主としてなるものであるが、本発明の趣旨に反しない限度において、かつ、必要に応じて、硬化剤、硬化触媒、エポキシシラン類等のカップリング剤、その他の添加剤等の各種添加剤が添加されていてもよい。
本発明における複合材料は、例えば上記したような必須成分である導電性材料および熱硬化性樹脂を配合するとともに、必要に応じて上記したような各種添加剤を配合した後、これらをヘンシェルミキサ、万能混合機等の混合装置を用いて均一に混合することにより得ることができる(複合材料調製工程)。
さらに、この複合材料はシート化や硬化反応等を行い半硬化状態の樹脂シートとする(シート調製工程)。なお、未硬化状態(A−ステージ)とは、熱硬化性樹脂の三次元架橋が形成されていない状態のことであり、完全硬化状態(C−ステージ)とは熱硬化性樹脂の三次元架橋が完成された状態のことであり、半硬化状態(B−ステージ)とは未硬化状態でも完全硬化状態でもない状態を言う。
樹脂シートが未硬化状態である場合、そのままの状態では次工程である冷間プレス工程において樹脂シートが硬すぎるため冷間プレスを行うことができず、一方、硬さを低減するために冷間プレス工程で加熱すると液状化してしまい、やはり冷間プレスを行うことができない。また、樹脂シートが完全硬化状態である場合についても、そのままの状態では次工程である冷間プレス工程において樹脂シートが硬すぎるため冷間プレスを行うことができず、一方、冷間プレス工程で加熱しても、すでに完全硬化状態であるため硬さは低減せず、やはり冷間プレスを行うことができない。
本発明では、冷間プレス工程に用いられる樹脂シートを半硬化状態とすることにより、完全硬化状態としたものとは異なり、冷間プレス工程において樹脂シートを加熱することによりその硬さを有効に低減させることができる。また、冷間プレス工程に用いられる樹脂シートを半硬化状態とすることにより、冷間プレス工程での加熱により未硬化状態のもののように液状化してしまうといったことを抑制でき、冷間プレスを確実に行うことができるようになる。
半硬化状態の樹脂シートの調製は、例えば複合材料を単にシート化して未硬化状態の樹脂シートとした後、これに加熱処理を行うことにより硬化反応を進めて半硬化状態の樹脂シートとすることにより行ってもよいし、また、複合材料の硬化反応を進めた後にシート化して半硬化状態の樹脂シートとすることにより行ってもよい。
未硬化状態の樹脂シートを得た後、これに加熱処理を行い半硬化状態の樹脂シートとする方法としては、例えば複合材料を二軸ロール機等を用いて加熱せずに混練しシート化することにより未硬化状態の樹脂シートを得た後、この未硬化状態の樹脂シートに各種加熱処理装置を用いて加熱処理を行うことにより硬化反応を進めて半硬化状態の樹脂シートとする方法が挙げられる。
樹脂シートを得る方法としては、上記したような二軸ロール機等を用いる方法以外にも、例えば複合材料を所定の金型に充填し加圧成形する方法、複合材料をその溶融温度以上に加熱して所定の金型に流し込む方法等が挙げられ、これらの方法は適宜選択して用いることができる。
未硬化状態の樹脂シートの硬化反応を進めて半硬化状態の樹脂シートとする加熱処理は必ずしも制限されるものでないが、次工程である冷間プレス工程での加熱の際に容易に液状とならず、またこの加熱により冷間プレスが行える程度の硬さにまで硬さを低減できる程度の加熱処理とすることが好ましい。
この加熱処理は、例えば40℃〜50℃の温度で2時間〜120時間程度とすることが好ましい。40℃未満あるいは2時間未満であると硬化反応が十分でなく、冷間プレス工程での加熱により樹脂シートが液状化しやすくなるおそれがある。また、50℃を超えるか120時間を超えると硬化反応が進みすぎ、冷間プレス工程での加熱により冷間プレスが行える程度の硬さにまで樹脂シートの硬さを低減できなくなるおそれがある。
一方、複合材料の硬化反応を進めた後にシート化して半硬化状態の樹脂シートとする方法としては、例えば複合材料を二軸加熱ロール機を用いて加熱しながら混練することにより硬化反応を進めた後に、この二軸加熱ロール機からシート状に押し出して半硬化状態の樹脂シートとする方法が挙げられる。なお、このような場合であっても必要に応じて上記したような加熱処理を行ってもよい。このような方法によれば、予め硬化反応を進めているので、加熱処理を省略、あるいは、加熱処理を行う場合であってもその処理時間を短縮することができる。
このような半硬化状態の樹脂シートには、炭素繊維織布等の形状保持材が内部に組み込まれていてもよい。このような形状保持材を内部に組み込んでおくことで、次工程である冷間プレス工程での加熱移送の際に容易に変形しないものとすることができる。
また、このような半硬化状態の樹脂シートは、その表面に導電性材料を付着させる表面処理が行われていれば好ましい。半硬化状態の樹脂シートの表面に導電性材料を付着させておくことで、燃料電池用導電性セパレータとした場合に、その接触抵抗を小さくすることができ、燃料電池の発電効率を良好なものとすることができる。
付着させる導電性材料としては、複合材料の製造に用いられる導電性材料と同様なものを用いることができ、例えば炭素質材料が好適なものとして挙げられる。表面処理を行う時期については必ずしも制限されるものではなく、例えば未硬化状態の樹脂シートを加熱処理して半硬化状態の樹脂シートとする場合には、未硬化状態の樹脂シートの段階で行ってもよいし、半硬化状態の樹脂シートとしてから行ってもよい。また、表面処理の方法としては、例えば樹脂シートへ導電性材料を吹き付ける方法、導電性材料へ樹脂シートを押しつける方法等が挙げられ、さらにこれらの後に導電性材料を確実に樹脂シートへ付着させるための加圧処理等の方法を用いてもよく、適宜選択して用いることができる。
このようにして調製された半硬化状態の樹脂シートは加熱された状態で、ガス流路形成用パターンが形成された一対の対向する金型によりこの半硬化状態の樹脂シートよりも低い温度で冷間プレスを行い、燃料電池用導電性セパレータとする(冷間プレス工程)。本発明では、加熱された状態の半硬化状態の樹脂シートに対して、一対の対向する金型により冷間プレスを行うものとすることで、例えば射出成形法のように、金型内での流動性が異なるため燃料電池用導電性セパレータの各部分で導電性材料と熱硬化性樹脂との含有量が異なったり、平坦性が低下したりするといったことを抑制することができる。
図1は、このような冷間プレス工程の一例を示したものであり、連続する半硬化状態の樹脂シート1に対して連続的に冷間プレスを行う場合の一例を示したものである。半硬化状態の樹脂シート1を冷間プレスする冷間プレス機2は、例えば加熱部3と成形部4とから主としてなるものである。
加熱部3は、成形部4へ半硬化状態の樹脂シート1を送り込む前に、この半硬化状態の樹脂シート1を加熱するためのものであり、例えばヒータ等を有するものである。また、成形部4は一対の対向する金型として上金型5と下金型6とを有するものである。これら上金型5および下金型6の対向する面には、燃料電池用導電性セパレータのガス流路を形成するためのガス流路形成用パターン7、8が形成されており、またそれらの内部には冷却のための冷却部9、10が形成されている。
図に示す例では、上金型5および下金型6のガス流路形成用パターン7、8が互いに直交するように形成されている。また、図に示す例では特に図示していないが、冷間プレス機2には、例えば上金型5および下金型6を稼働させるための加圧装置等が設けられている。
このような冷間プレス機2による冷間プレス工程は、まず図中左側から連続する半硬化状態の樹脂シート1がその上下に配置された搬入ゴムロール11,12、13、14等の回転力によって冷間プレス機2の加熱部3へと送られる。この加熱部3では、半硬化状態の樹脂シート1がヒータ等により加熱される。
この加熱部3における半硬化状態の樹脂シート1の加熱の際の温度条件は特に重要なものであり、次のような条件を満たすものとすることが好ましい。(1)半硬化状態の樹脂シート1を成形部4で冷間プレスする際に、冷間プレス以外の部分が変形しないこと。(2)半硬化状態の樹脂シート1を成形部4へ搬送することができ、また成形部4から搬出することができること。(3)成形部4における冷間プレスにより半硬化状態の樹脂シート1にガス流路を確実に形成(転写)できること。
上記した(1)〜(3)の条件が満たされないと、例えば半硬化状態の樹脂シート1を成形部4へ搬入したり、あるいは、それから搬出したりすることが困難となり、連続的に冷間プレスを行うことが困難となり、また、得られた燃料電池用導電性セパレータに変形が発生したり、そのガス流路の形成が不十分であったりすることがある。上記(1)〜(3)の条件を満たす温度としては、熱硬化性樹脂の種類等によっても若干異なるが、一般に60℃以上、90℃以下とすることが好ましい
そして、所定の温度に加熱された半硬化状態の樹脂シート1は成形部4へと送られ、それよりも低い温度に保たれた上金型5および下金型6で両主面を加圧することで、それらのガス流路形成用パターン7、8を半硬化状態の樹脂シート1の両主面にそれぞれ転写しガス流路15、16を形成する。上金型5および下金型6の温度は半硬化状態の樹脂シート1の温度よりも低ければ特に制限されるものではないが、一般に20℃以上、50℃以下とすることが好ましい。
両主面にガス流路15、16を形成したものはそのままの状態で燃料電池用導電性セパレータとしてもよいが、さらに加熱を行って硬化反応を完全に行った方がよいものや、急速冷却を行った方がよいものもあるため、例えば図1に示すように成形部4の後に、さらに加熱や冷却を行うための後処理部17を設けて加熱や冷却を行ってもよい。そして、両主面にガス流路15、16を形成したものは、搬出ゴムロール18、19により冷間プレス機2の外へと搬出する。
なお、このような冷間プレス機2では、半硬化状態の樹脂シート1の冷間プレスと同時に、半硬化状態の樹脂シート1を所定の大きさに切断するようにしてもよい。例えば、成形部4の上金型5および下金型6のそれぞれの周囲に半硬化状態の樹脂シート1を切断可能な切断歯を設けておき、半硬化状態の樹脂シート1の冷間プレスと同時に切断を行うようにしてもよい。このようにすることで、所定形状に切断された燃料電池用導電性セパレータを連続的に得ることが可能となる。
以上、本発明における冷間プレス工程について図1を参照して説明したが、本発明の冷間プレス工程は必ずしも図1に示されるようなものに限られるものではない。例えば、二軸加熱ロール等で複合材料を混練するとともにシート化したものは半硬化状態であるとともに加熱されているため、上記したような温度条件が満たされていれば、そのまま冷間プレス機2の成形部4へと搬入することができ、加熱部3での加熱を省略することができる。
また、例えば、図1に示す冷間プレス工程では半硬化状態の樹脂シート1を連続したものとし、この半硬化状態の樹脂シート1に対して連続的に加熱および冷間プレスを行うようにしたが、このようなものに代えて、例えば半硬化状態の樹脂シートを予め燃料電池用導電性セパレータ1つ分の大きさとしておき、このような半硬化状態の樹脂シートを1つずつ冷間プレス機に搬入し加熱および冷間プレスを行うようにしてもよい。
以下、本発明を実施例を参照してさらに詳細に説明する。
参考例1)
まず、半硬化状態の樹脂シートの製造に用いる複合材料を調製した。複合材料を調製するための導電性材料として黒鉛粉末(平均粒径3μm)、熱硬化性樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(軟化温度87℃)、硬化剤としてノボラック型フェノール樹脂(軟化温度85℃)、硬化触媒としてイミダゾール触媒(軟化温度84℃)、滑剤としてカルナバ天然ワックス(軟化温度85℃)を用いた。
各成分の配合比は、複合材料全体に対して、黒鉛粉末が88重量%、カルナバ天然ワックスが0.2重量%となるようにし、残部がクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、イミダゾール触媒となるようにした。なお、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂とノボラック型フェノール樹脂とは当量比とし、イミダゾール触媒は、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ノボラック型フェノール樹脂およびイミダゾール触媒の合計量中、0.75重量%となるようにした。そして、このような配合比とした配合物をヘンシェルミキサに投入し、均一に混合して複合材料とした。
この複合材料を90℃の二軸ロール機にて加熱混練した後、この二軸ロール機よりシート状に掻き取り樹脂シートを得た。そして、この樹脂シートを燃料電池用導電性セパレータ1つ分の大きさに切り分けた後、この切り分けられた樹脂シートを50℃の空気循環型の加熱乾燥機内に入れ、24時間加熱して硬化反応を進め、半硬化状態の樹脂シートとした。
この半硬化状態の樹脂シートを65℃に加熱してから、ガス流路形成用パターンが形成され、30℃に維持された対向する上金型および下金型により冷間プレスを行い、ガス流路を形成し、燃料電池用導電性セパレータとした。
参考例2)
まず、半硬化状態の樹脂シートの製造に用いる複合材料を調製した。複合材料を調製するための導電性材料として黒鉛粉末(平均粒径3μm)、熱硬化性樹脂としてクレゾール型のフェノール樹脂(軟化温度84℃)、滑剤としてカルナバ天然ワックス(軟化温度85℃)を用いた。各成分の配合比は、複合材料全体に対して、黒鉛粉末が88重量%、カルナバ天然ワックスが0.2重量%となるようにし、残部がクレゾール型のフェノール樹脂となるようにした。そして、このような配合比とした配合物を万能混合機に投入し、均一に混合して複合材料とした。
この複合材料を85℃の二軸ロール機にて加熱混練した後、この二軸ロール機よりシート状に掻き取り樹脂シートを得た。そして、この樹脂シートを燃料電池用導電性セパレータ1つ分の大きさに切り分けた後、この切り分けられた樹脂シートを40℃の空気循環型の加熱乾燥機内に入れ、12時間加熱して硬化反応を進め、半硬化状態の樹脂シートとした。
この半硬化状態の樹脂シートを65℃に加熱してから、ガス流路形成用パターンが形成され、30℃に維持された対向する上金型および下金型により冷間プレスを行い、ガス流路を形成し、燃料電池用導電性セパレータとした。
(実施例
参考例1と同様にして得られた複合材料を90℃の二軸ロール機にて加熱混練した後、この二軸ロール機よりシート状に掻き取り樹脂シートを得た。この二軸ロール機から掻き取った直後の柔らかい樹脂シートをパットに入れた黒鉛粉末中に両面を押しつけ、その両面に黒鉛粉末を付着させた。そして、この黒鉛粉末を付着させた樹脂シートを金属板状に置き、金属棒にて引き延ばし気味に上面から圧力を加え、表面に黒鉛粉末を固定させて表面処理を行った。
この表面処理された樹脂シートを燃料電池用導電性セパレータ1つ分の大きさに切り分けた後、参考例1と同様に加熱処理を行い半硬化状態の樹脂シートとし、さらに加熱してから冷間プレスを行って燃料電池用導電性セパレータとした。
このようにして製造された実施例1、参考例1、2の燃料電池用導電性セパレータについて、目視により外観を観察しボイド等の欠陥の有無を観察するとともに、表面抵抗率を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0004896488
表1に示す結果から明らかなように、本発明の製造方法によれば、従来の圧縮成形、移送成形、射出成形等で用いられるような複雑な金型を用いずに、ボイド等の欠陥がなく平坦性に優れた燃料電池用導電性セパレータを製造できることが認められた。また、特に樹脂シートの表面を導電性材料で表面処理することにより、燃料電池用導電性セパレータの表面抵抗率を低減できることが認められた。
本発明における冷間プレス工程の一例を示した概略図。
符号の説明
1…半硬化状態の樹脂シート、2…冷間プレス機、3…加熱部、4…成形部、5…上金型、6…下金型、7…ガス流路形成用パターン(上金型)、8…ガス流路形成用パターン(下金型)、9…冷却部(金型)、10…冷却部(下金型)、11,12,13,14…搬入ゴムロール、15,16…ガス流路、17…後処理部、18,19…搬出ゴムロール

Claims (2)

  1. 主として平均粒子径が0.5〜25μmの黒鉛粉末と熱硬化性樹脂とを含む複合材料を得る複合材料調製工程と、
    前記複合材料からなる半硬化状態の樹脂シートを40〜50℃の温度で2〜120時間の加熱処理によって得るシート調製工程と、
    加熱された前記半硬化状態の樹脂シートに対して、ガス流路形成用パターンが形成された一対の対向する金型により前記半硬化状態の樹脂シートよりも低い温度で冷間プレスを行い燃料電池用導電性セパレータを得る冷間プレス工程と
    を有する冷間プレス法による燃料電池用導電性セパレータの製造方法であって、
    前記シート調製工程における前記半硬化状態の樹脂シートは、黒鉛粉末中で両面を押し付けられ、前記両面に黒鉛粉末が付着されることにより表面処理されていることを特徴とする冷間プレス法による燃料電池用導電性セパレータの製造方法。
  2. 記熱硬化性樹脂はフェノール系樹脂もしくはエポキシ系樹脂を主成分とするものであることを特徴とする請求項1記載の冷間プレス法による燃料電池用導電性セパレータの製造方法。
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