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JP4896744B2 - 使用済み水素化処理触媒の触媒活性を回復させる方法、回復された触媒活性を有する使用済み水素化処理触媒および水素化処理方法 - Google Patents
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JP4896744B2 - 使用済み水素化処理触媒の触媒活性を回復させる方法、回復された触媒活性を有する使用済み水素化処理触媒および水素化処理方法 - Google Patents

使用済み水素化処理触媒の触媒活性を回復させる方法、回復された触媒活性を有する使用済み水素化処理触媒および水素化処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、使用済み水素化処理触媒の触媒活性を回復させる方法、その結果得られた水素化処理触媒および水素化処理方法におけるその使用に関する。
国際公開第01/02092号には、使用済みの添加剤をベースとする触媒を再生するための方法が開示されている。この再生ステップは、使用済み添加剤をベースとする触媒を500℃を超えない温度で酸素と接触させることによって実行される。その結果得られた再生された触媒は、有機添加剤と接触させられることによる活性化ステップに供される前に、1重量%より低い炭素含有量を、より好ましくは有する。この公開の方法は、添加剤をベースとする触媒に限られており、またこの公開は、活性化からより良い恩恵を得るために、再生触媒上の炭素濃度を特定の範囲内に調節する必要があることを認識していない。実際に、この公開では、再生触媒が活性化処理を受ける前には、再生触媒の炭素含有量はできる限り低いことが最善であることを示唆している。この公開は、触媒活性化ステップにおいては、乾燥前の熟成期間の間、有機添加剤が触媒上に留まる必要があることを開示していない。
欧州特許出願公開第0541994A1号には、残留コークス含有量を0.5重量%未満に低減させず、0.5から10.0重量%の範囲内に調節するために、コークスの酸化燃焼を調節することによって、支持体、VI族金属およびVIII族金属を備え、その上にコークスを堆積させた水素化触媒を再生するための方法が開示されている。この公開は、酸化条件が厳しすぎると、触媒の細孔構造、表面積、および活性サイトを悪い方に変化させうることに特に言及している。この公開は、再生触媒の活性と新しい触媒の活性とを比較する実験データを示しておらず、2つの触媒の一定の物理特性の比較データを示すのみである。また、キレート剤を用いた使用済み触媒の再活性化、および炭素除去とキレート処理との関係に関しては、何も開示されていない。
米国特許第6239066B1号には、キレート剤により処理することによって、触媒の活性を改善するための方法が開示されている。また、この処理方法は、使用済み触媒の活性を改善するためにも使用することができることが、特に述べられている。実施例において示された例示的データは、再生され、次いでエチレンジアミン四酢酸(EDTA)により処理された使用済み触媒では、再生されただけの使用済み触媒よりも、相対容積活性(RVA)がより良好に改善されていることを示している。使用済み触媒、または再生触媒、または再生され処理された触媒上の炭素濃度の記述はない。
国際公開第95/31280号には、触媒活性金属を含浸させられた、γ−アルミナ基材をベースとする触媒およびそのような触媒を製造する方法が開示されている。また、その特許には、触媒組成物をキレート剤によって濡らし、そのように濡らされた基材を熟成させ、次いで、乾燥および仮焼することによって、そのような触媒組成物の活性を改善するための方法も開示されている。
欧州特許出願公開第1043069A1号には、水素化処理触媒にスルフィド化ステップを受けさせて、スルフィド化された水素化処理触媒を調製するための方法が開示されている。水素化処理触媒は、少なくとも50%のアルミナ、水素化金属および有機化合物を含む担体を備えている。
米国特許第6218333号には、含浸された支持体の揮発性成分が、硫黄含有化合物の存在下で低減される、触媒を調製するための方法が開示されている。
特に、触媒が、使用済みの高活性水素化処理触媒の場合、使用することにより活性を失った触媒の活性を回復させるための、よりよい方法を見つけ出す必要性は引き続き存在している。
したがって、発明の一方法においては、第1の炭素濃度が約3重量%を超える使用済み水素化処理触媒が提供される。使用済み水素化処理触媒上の炭素濃度は低減され、それにより、約0.5重量%から約2.5重量%の範囲にある第2の炭素濃度を有する、炭素が低減された使用済み触媒をもたらす。使用済み水素化処理触媒上の炭素濃度を低減することは、炭素が燃焼する条件下で、使用済み水素化処理触媒を、酸素を含む気体に接触させること、および使用済み水素化処理触媒から除去される炭素の量を調節して、第2の炭素濃度を有する炭素低減使用済み触媒を提供することによって行われる。炭素低減使用済み触媒は、その後、キレート剤によって処理され、再活性化触媒をもたらす。
別の発明の方法によれば、低減されたRVAおよび堆積された炭素濃度を有する、使用済み高活性水素化処理触媒の触媒活性が、最大化された再生RVAに回復される。この方法は、低減されたRVAおよび堆積された炭素濃度を有する使用済み高活性水素化処理触媒をもたらすことを含む。使用済み高活性水素化処理触媒は、炭素がその上に堆積されて、堆積された炭素濃度をもたらす水素化処理条件下で、高活性水素化処理触媒を使用することにより得られる。使用済み高活性水素化処理触媒は、炭素が燃焼する条件下で酸素を含有する気体と接触させることによって熱処理され、それにより、低減された炭素濃度を有する、熱処理された使用済み高活性水素化処理触媒が作製される。低減された炭素濃度は、炭素燃焼条件を制御することにより、最大化された再生RVAを有する熱処理された使用済み高活性水素化処理触媒をもたらすように調節される。
さらに別の発明によれば、回復された活性を有し、失活させる濃度の炭素をその上に堆積させた使用済み水素化処理触媒を含む触媒がもたらされ、ここで失活させる濃度の炭素の一部は、酸素含有気体の存在下で使用済み水素化処理触媒を熱処理することにより除去して炭素の最適化された濃度がもたらされ、その後、このように熱処理された使用済み水素化処理触媒は、既にキレート処理されている。
回復された活性を有する触媒および前述の方法によって製造された触媒は、水素化処理条件下において再活性化された水素化処理触媒を、炭化水素供給原料と接触させることを含む、水素化処理方法において使用することができる。
本発明の他の目的および利点は、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から明らかになるはずである。
本発明は、使用したために使用済みとなった水素化処理触媒の触媒活性を回復させる方法に関する。本発明は、さらに、使用済み水素化処理触媒の回復された触媒活性の量を最大化する方法に関する。また、本発明は、本明細書に記載の本発明の方法を使用して、使用済み水素化処理触媒を処理することによって製造された、再活性化された水素化処理触媒およびその他の触媒組成物に関する。さらに、本発明は、本発明の回復された触媒活性を有する、再活性化された水素化処理触媒およびその他の使用済み触媒を利用する水素化処理方法に関する。
本発明の水素化処理触媒は、支持材料上に金属成分を含む従来の水素化処理触媒を含む、任意の適切な水素化触媒でありうる。金属成分は、VIB族金属成分またはVIII族金属成分、または両方の金属成分を含むことができる。水素化処理触媒は、VIB族金属成分およびVIII族金属成分の両方を含むことが好ましい。また、水素化処理触媒は、リン成分などの助触媒を含むこともできる。
水素化処理触媒組成物のVIII族金属成分は、触媒組成物のそれ以外の成分と一緒になって、水素化処理触媒を適切に提供する、VIII族金属または金属化合物である。VIII族金属は、ニッケル、コバルト、パラジウムおよび白金からなる群から選択することができる。好ましくは、VIII族金属は、ニッケルまたはコバルトであり、最も好ましくは、VIII族金属はコバルトである。
水素化処理触媒組成物に含有されているVIII族金属成分は、元素の形態または、例えば、酸化物、硫化物などの、金属化合物の形態でありうる。水素化処理触媒組成物中のVIII族金属の量は、水素化処理触媒組成物の全重量を基準にして、約0.1から約6重量%の金属元素の範囲にありうる。好ましくは、水素化処理触媒組成物中のVIII族金属の濃度は、0.3重量%から5重量%の範囲にあり、最も好ましくは、この濃度は0.5重量%から4重量%の範囲にある。
水素化処理触媒組成物のVIB族金属成分は、水素化処理触媒組成物のそれ以外の成分と一緒になって、水素化処理触媒を適切に提供する、VIB族金属または金属化合物である。VIB族金属は、クロム、モリブデンおよびタングステンからなる群から選択することができる。好ましいVIB族金属は、モリブデンまたはクロムであり、最も好ましくは、VIB族金属はモリブデンである。
水素化処理触媒組成物中に含有されているVIB族金属成分は、元素の形態または、例えば、酸化物、硫化物などの、金属化合物の形態であってもよい。水素化処理触媒組成物中のVIB族金属の量は、水素化処理触媒組成物の全重量を基準にして、約5から約25重量%の金属元素の範囲にあることができる。好ましくは、水素化処理触媒組成物中のVIB族金属の濃度は、6重量%から22重量%の範囲にあり、最も好ましくは、この濃度は7重量%から20重量%の範囲にある。
水素化処理触媒の支持体材料は、水素化処理触媒の金属水素化成分を担持する支持体を適切に提供する任意の材料であることができ、多孔性耐火性酸化物を含む。可能性のある適切な多孔性耐火性酸化物の例には、シリカ、マグネシア、シリカ−チタニア、ジルコニア、シリカ−ジルコニア、チタニア、チタニア−アルミナ、ジルコニア−アルミナ、シリカ−チタニア、アルミナ、シリカ−アルミナ、およびアルミノケイ酸塩が含まれる。アルミナは、さまざまな形態をとることができ、例えば、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、δ−アルミナ、η−アルミナ、θ−アルミナ、ベーマイト、またはこれらの混合物でありうる。好ましい多孔性耐火性酸化物は、非晶質アルミナである。利用できる非晶質アルミナの中では、γ−アルミナが最も好ましい。
多孔性耐火性酸化物は、約50Åから約200Å、好ましくは、70Åから175Å、最も好ましくは、80Åから150Åの範囲にある平均細孔径を、一般に有する。標準水銀多孔度測定法により測定された多孔性耐火性酸化物の全細孔容積は、約0.2cc/gから約2cc/gの範囲にある。好ましくは、細孔容積は、0.3cc/gから1.5cc/gの範囲、最も好ましくは、0.4cc/gから1cc/gの範囲にある。B.E.T.法により測定された多孔性耐火性酸化物の表面積は、一般に約100m/gを超え、典型的には、約100から約400m/gの範囲にある。
本発明の方法の1つは具体的には、使用済み触媒となった高活性水素化処理の処理を対象としており、通常は使用したために、またはその上に炭素が堆積したために、またはその両方のために、失われてしまった触媒活性の一部を回復させるようにする。この使用済み高活性水素化処理触媒は、新しい状態の時の相対的体積活性(RVA)より低いところまで低減されたRVAを有することができ、堆積された炭素のある濃度を有することができる。
本明細書において使用される用語、「相対容積活性」(RVA)は、同一の特定触媒の触媒活性に対して新しい未使用状態の使用された特定触媒の水素化脱硫(HDS)または水素化脱窒素(HDN)に関する触媒活性を指す。したがって、新しい、未使用の参照触媒のRVAは、定義により1である。評価された触媒のRVAは、以下の式によって表される:
RVA=(評価された触媒の速度定数)/(新しい参照触媒の速度定数)
であり、水素化脱硫(HDS)RVAの場合は、速度定数は、1.3のHDS反応次数を仮定して計算され、水素化脱窒素(HDN)RVAの場合は、速度定数は、1.0のHDN反応次数を仮定して計算される。
高活性水素化処理触媒は、多孔性耐火性酸化物および金属水素化成分を含む硫黄処理された水素化処理触媒であり、高活性およびその他の望ましい特性を与える特別な方法によって調製される。高活性水素化処理触媒は、最初に多孔性耐火性酸化物支持体材料および少なくとも1種の金属水素化成分を組み合わせることにより調製され、揮発性化合物を含み、それによって触媒前駆体をもたらすようにすることができる。揮発性化合物は、触媒前駆体の形成時に使用される化合物であり、水、有機溶媒(例えば、脂肪族および芳香族炭化水素、アルコール、ケトン、有機配位子およびこれらの任意の組合せなど)からなる群から、一般に選択される。したがって、触媒前駆体は、多孔性耐火性酸化物支持体材料、金属水素化成分、およびある濃度の揮発性化合物を含むことができる。この触媒前駆体は、次いで、硫黄処理ステップを受けさせられ、硫黄(元素状硫黄もしくは硫黄化合物のいずれか、または両方の組合せ)を触媒前駆体に取り入れ、それによって、硫黄処理された触媒前駆体をもたらす。硫黄処理された触媒前駆体をもたらすために使用される硫黄処理ステップは、触媒前駆体中に存在する揮発性化合物の濃度を、硫黄処理と同時にまたはその後で低減させ、高活性水素化処理触媒をもたらすことができる。
多孔性酸化物支持体材料および触媒前駆体の金属水素化成分は、このような触媒成分を組み合わせるための、適切な、知られている、任意の方法を使用して組み合わされるのであり、含浸、共混和、および共沈などの方法を含むことができる。しかし、多孔性耐火性酸化物支持体材料が、最初に粒子、例えば、押出し物、丸薬およびその他の凝集粒子などに成形され、金属水素化成分が、知られているインシピエントウェットネス(incipient wetness)含浸法によって粒子中に取り込まれることが好ましい。
金属化合物または金属化合物類を多孔性耐火性酸化物支持体中に取り込むために使用される金属含浸溶液は、揮発性化合物の供給源でありうるのであり、上述のように、水、またはアルコール化合物、または有機溶媒またはこれらの組合せを含むことができる。金属含浸溶液は金属化合物の水溶液であることが好ましい。金属含浸溶液を形成するために使用するのに適した金属化合物は、含浸溶液を形成するために使用される特定の溶媒に溶解し、さらなる処理により金属硫化物に変換しうる化合物である。
金属含浸溶液に使用することができるVIII族の金属化合物には、例えば、VIII族の金属炭酸塩、VIII族の金属硝酸塩、VIII族の金属硫酸塩、VIII族の金属チオシアン酸塩、VIII族の金属酸化物およびこれらの任意の2種またはそれ以上の種類の混合物が含まれうる。
金属含浸溶液に使用することができるVIB族の金属化合物には、例えば、VIB族の金属酸化物、VIB族の金属硫化物、VIB族のカルボニル化合物、VIB族の酢酸塩化合物、溶液中のVIB族の元素状金属およびこれらの任意の2種またはそれ以上の種類の混合物が含まれうる。モリブデンの好ましいVIB族の金属化合物については、モリブデン酸塩およびリンモリブデン酸塩が使用することができる。
金属含浸溶液における金属化合物の濃度は、最終触媒組成物における所望の金属濃度を実現するように選択される。通常は、含浸溶液中の金属化合物の濃度は、溶液1リットル当たり、0.01から100モルの範囲にある。
硫黄処理ステップを、さらに受けることになっている触媒前駆体は、触媒前駆体の全重量を基準にして、0.5重量%を下回らない濃度の揮発性化合物を有するべきであり、一般に、触媒前駆体中の揮発性化合物の量は、0.5重量%から25重量%の範囲になければならない。触媒前駆体中の揮発性化合物の好ましい濃度は、2重量%から25重量%の範囲にあり、最も好ましくは、4重量%から10重量%の範囲にある。
硫黄処理に先立って、触媒前駆体は、触媒前駆体中の揮発性化合物の濃度を前述の範囲内に調節するために、場合により乾燥することができるが、硫黄処理ステップの前に仮焼温度条件にかけられてはならない。したがって、触媒前駆体は、その中に硫黄または硫黄化合物を取り入れる前に、仮焼されることはない。仮焼温度条件は、400℃または400℃を超える温度であり、通常、400℃から600℃の範囲にある。したがって、触媒前駆体は、硫化ステップの前に400℃未満の温度に曝してもよい。ただし、温度条件は、その結果得られた触媒前駆体中の揮発性化合物の、その結果得られた濃度が、上で言及されたごとき所望の濃度範囲にあるような温度ではないという条件付きである。典型的には、触媒前駆体は、環境温度から400℃、しかし、より典型的には30℃から250℃の範囲の乾燥温度において、空気の存在下で乾燥することができる。
上述のごとき範囲内にある揮発性化合物の濃度を有する触媒前駆体は、硫黄処理ステップにかけられ、それにより硫黄または硫黄化合物が触媒前駆体に取り入れられ、それにより、高活性水素化処理触媒をもたらす。当業者に知られている適切な方法はいずれも、触媒前駆体を硫黄または硫黄化合物により処理して、高活性水素化処理触媒を製造するために使用することができるものであり、例えば、知られているin−situおよびex−situ硫化およびスルフィド化方法を含む。本明細書において使用される硫黄処理あるいは硫黄による処理または硫黄処理されたあるいはその他の同類の術語などの用語は、そのような方法が、in−situ(すなわち、プロセス反応器領域内で)またはex−situ(すなわち、プロセス反応器領域外で)またはin−situまたはex−situ処理方法の任意の組合せによって実施されようとも、硫化方法およびスルフィド化方法ならびに硫化およびスルフィド化の両方の組合せを含む方法を指し、包含するように意図されている。
典型的なin−situスルフィド化方法においては、触媒前駆体は、反応領域を画定する反応容器内に置かれる。硫黄化合物を含有する流体流れは、触媒前駆体の上を通過させられ、スルフィド化触媒、したがって高活性水素化処理触媒をもたらすのに適切な温度条件下で、触媒前駆体と接触させられる。硫黄化合物には、硫化水素、石油炭化水素供給原料に通常存在する有機硫黄化合物、およびその他の有機硫黄化合物(例えば、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、ジメチルスルホキシド、ジメチルメルカプタン、ブチルメルカプタン、および二硫化炭素など)などの任意の、知られている適切な、スルフィド化剤が含まれうる。スルフィド化流体流れが触媒前駆体と接触させられる典型的な温度は、150℃から400℃、およびより典型的には、200℃から350℃の範囲にある。
ex−situスルフィド化方法においては、触媒前駆体は、反応容器に充填される前にスルフィド化される。ex−situスルフィド化方法は、例えば、上述のように触媒前駆体をスルフィド化剤と接触させること、または高温条件下で硫化水素含有流体と接触させ、その後で場合により不動態化ステップを受けさせることを含む、任意の数の適切なスルフィド化方法を含むことができる。
好ましい硫化ステップは、昇華により、融解により、または両方の組合せにより、硫黄が触媒前駆体の細孔中に取り入れられる条件下で触媒前駆体を元素状硫黄と接触させることによって、硫黄が触媒前駆体中に取り入れられることを実現する。この硫黄を取り入れるための適切な硫化方法は、米国特許第5468372号において詳細に記述されている。
触媒前駆体の元素状硫黄による硫化を実行するための、2つの一般的な方法がある。第1の好ましい方法は、元素状硫黄が昇華および/または融解により触媒前駆体の細孔中に実質的に取り入れられる温度において、触媒前駆体を元素状硫黄と接触させること、および引き続いて、こうして硫黄を取り入れた触媒前駆体を、約150℃を超える温度において液体のオレフィン炭化水素の存在下で、加熱することを含む。
第2の方法は、触媒前駆体を、粉末の元素状硫黄と液体のオレフィン炭化水素との混合物に接触させること、およびその結果得られたオレフィン、硫黄と触媒前駆体との混合物を約150℃より上の温度に加熱することを含む。この手順において、オレフィンが反応し、ストリッピングによる除去に対する硫黄の抵抗を高める温度に到達する前に、硫黄が昇華および/または融解により触媒前駆体の細孔に取り入れられるよう、加熱速度は十分ゆっくりしている。
好ましい硫化方法においては、触媒前駆体は、硫黄が昇華および/または融解によって前述の前駆体に取り入れられる温度において、元素状硫黄と最初に接触させられる。触媒前駆体を溶融状態の硫黄と接触させることができるが、まず、触媒前駆体を粉末の元素状硫黄と混合し、次いで、その結果得られた硫黄と触媒前駆体との混合物を、硫黄が昇華する温度より高い温度に加熱することが好ましい。
一般に、触媒前駆体は、約80℃を超える温度で、粉末の元素状硫黄の存在下で加熱される。好ましくは、この硫黄含浸ステップは、約90℃から約130℃またはそれ以上、例えば、約445℃の硫黄の沸点までの範囲の温度で実行されることになる。触媒前駆体および硫黄は、約105℃から約125℃の範囲の温度で、一緒に加熱されることが好ましい。通常、触媒前駆体および粉末の硫黄は、振動または回転混合機内に置かれ、硫黄が触媒前駆体の細孔中に取り入れられることができるのに十分な時間、所望の温度に加熱される。加熱時間は、通常、約0.1時間から約10時間またはそれ以上の範囲にある。
使用される硫黄の量は、触媒前駆体に存在する、硫化物に変換されなければならない触媒金属の量に依存する。通常、使用される硫黄の量は、触媒前駆体に存在する金属のすべてを硫化物の形態に変換するのに必要な硫黄の化学量論による量を基準として算出される。例えば、モリブデンを含有する触媒前駆体は、モリブデン各1モルを二硫化モリブデンに変換する毎に硫黄2モルを必要とすることになり、その他の金属についても同様に算出される。
硫黄が取り入れられた触媒前駆体は、次いで、オレフィンが反応する高温で、時間をかけて液体のオレフィンと接触させられ、高活性水素化処理触媒をもたらす。典型的には、接触温度は約150℃を超え、より典型的には、接触温度は約150℃から約350℃、好ましくは、約200℃から約325℃の範囲にある。接触時間は、オレフィンの温度および蒸気圧に依存することになり、温度が高いほどおよび蒸気圧が高いほど、必要な時間は短くなる。一般に、接触時間は約0.1時間から約10時間の範囲にある。
オレフィンは、高温の接触温度において液体であることが重要である。オレフィンは高級オレフィンであること、すなわち、6を超える、好ましくは8を超える炭素数を有するオレフィンであることが好ましい。
好ましい硫化方法の一実施形態においては、触媒前駆体は、元素状硫黄、好ましくは粉末形態のもの、とオレフィン炭化水素との両方に同時に接触させられる。この方法によれば、粉末の元素状硫黄とオレフィン炭化水素の溶媒との混合物が、最初に製造される。約1:1から約4:1の範囲にある、油と硫黄の重量比率が適切であり、約2:1が好ましい比率である。混合物は、特に、オレフィン炭化水素が環境条件で液体でない場合は、成分を均一に混合することを促進するために、加熱することができる。トルエンまたはその他の軽量炭化水素の溶媒は、混合物の粘度を低下させるために添加することができる。また、加熱を増すことにより同様の効果を達成することになる。オレフィンと硫黄との混合物は、次いで、予め秤量された触媒前駆体に添加され、それと共に混合される。触媒前駆体、オレフィンと硫黄との混合物は、次いで、約150℃より高い、オレフィンの反応温度に加熱される。好ましくは、この温度は、約150℃から約350℃、より好ましくは、約200℃から約325℃の範囲にある。加熱時間は、約0.1から約10時間の範囲にある。
硫化触媒前駆体は、また、in−situまたはex−situまたはこれらを組み合わせてスルフィド化を実施することにより、硫黄によってさらに処理することができる。
本発明の方法の重要な態様は、例えば水素化処理条件下での使用など、水素化処理触媒を使用した結果、またはその上に炭素が堆積した結果、失われてしまった高活性水素化処理触媒を含む水素化処理触媒の触媒活性を回復させることを対象とすることである。本明細書において使用される用語、水素化処理触媒は、詳細に上述したように、高活性水素化処理触媒を含むように広く定義されていることが理解される。したがって、本明細書において水素化処理触媒に言及する場合、高活性水素化処理触媒も含まれ、包含される。本明細書に記載の本発明の方法は、これらの独特な、固有の特性により、高活性水素化処理触媒の加工処理に特に適用できることが認識される。
水素化処理触媒は、適切な水素化処理工程条件下で炭化水素供給原料の水素化処理に使用することができる。典型的な炭化水素供給原料は、石油由来の油、例えば、常圧留出物、減圧留出物、クラッキング留出物、ラフィネート、水素化処理油、脱歴油、および水素化処理することができるその他すべての炭化水素を含むことができる。より典型的には、水素化処理触媒により処理される炭化水素供給原料は、直留留出物またはクラッキング留出物などの石油留出物であり、水素化処理は、炭化水素供給原料からの、硫黄含有化合物から硫黄をまたは窒素含有化合物から窒素を、またはその両方を除去することである。
より具体的には、炭化水素供給原料は、例えば、ナフサ(通常、100℃(212°F)から160℃(320°F)の範囲で沸騰する炭化水素を含有する)、ケロシン(通常、150℃(302°F)から230℃(446°F)の範囲で沸騰する炭化水素を含有する)、軽油(通常、230℃(446°F)から350℃(662°F)の範囲で沸騰する炭化水素を含有する)、および350℃(662°F)から430℃(806°F)の範囲で沸騰する炭化水素を含有する重質軽油さえも含めた流れを含むことができる。
水素化処理触媒が曝される水素化処理条件は、決定的に重要なものではなく、処理される炭化水素供給原料の種類および炭化水素供給原料に含まれている硫黄および窒素汚染物質の量などの因子を考慮して、必要に応じて選択される。一般に、炭化水素供給原料は、通常、約150℃(302°F)から約538℃(1000°F)、好ましくは、200℃(392°F)から約450℃(842°F)、最も好ましくは、250℃(482°F)から425℃(797°F)の範囲にある水素化処理接触温度などの水素化処理条件下で、水素の存在の下に水素化処理触媒と接触させられる。
水素化処理の全接触圧力は、一般に、約3447kPa(500psia)から約41369kPa(6000psia)の範囲にあり、約3447kPa(500psia)から約20685kPa(3000psia)の範囲にある水素分圧、約89m/m(500SCFB)から約1781m/m(約10000SCFB)の範囲にある、炭化水素供給原料の体積当たりの水素添加速度、および約0.2hr−1から5hr−1の範囲にある、時間基準の水素化処理液空間速度(LHSV)を含む。好ましい水素化処理の全接触圧力は、3447kPa(500psia)から17237kPa(2500psia)、最も好ましくは3447kPa(500psia)から13790kPa(2000psia)の範囲にあり、5516kPa(800psia)から13790kPa(2000psia)、最も好ましくは6895kPa(1000psia)から12411kPa(1800psia)の好ましい水素分圧を有する。LHSVは、好ましくは、0.2hr−1から4hr−1、最も好ましくは、0.2から3hr−1の範囲にある。水素添加速度は、好ましくは、107m/m(600SCFB)から1425m/m(8000SCFB)、より好ましくは、125m/m(700SCFB)から1069m/m(6000SCFB)の範囲にある。
使用済み水素化処理触媒は、1未満の相対的体積活性(RVA)に反映されているように、新しい状態にある触媒の触媒活性より低い触媒活性を有する。一般に、水素化処理触媒は、RVAが0.65未満の場合に使用済みと見なされるが、経済的および工程的考慮から、触媒が使用済みであると見なされる時点が、通常、決定される。したがって、使用済み水素化処理触媒のRVAは、0.5未満および0.4未満でさえありうる。
水素化処理触媒は、上述のような水素化処理条件下で使用されることにより、使用済みとなりうる。触媒活性を失う1つの原因は、使用された結果として水素化処理触媒の細孔構造の中に炭素含有材料が堆積するためであり、使用済み水素化処理触媒は、通常、3重量%より大きい炭素含有量を有することができると一般に考えられており、水素化処理触媒上に堆積された炭素およびその他の成分を含む使用済み水素化処理触媒の全重量を基準とする。ここで、重量%は典型的には、使用済み水素化処理触媒の炭素含有量は、5重量%から25重量%の範囲にあり、より典型的には、炭素含有量は6重量%から20重量%の範囲にある。
使用済み水素化処理触媒の触媒活性の回復を最大化するための、本発明の方法の重要な特徴は、第1ステップの炭素低減により、使用済み水素化処理触媒上に調節された濃度の炭素がもたらされ、使用済み水素化処理触媒が、本発明に従って引き続きキレート剤により処理される際には、所望の回復された触媒活性を有する、再活性化された触媒が提供されることである。
キレート剤による処理から最善の恩恵を得るためには、炭素低減ステップの後で、使用済み水素化処理触媒上に留まっていなければならない炭素の最適な量が存在することが、思いがけず発見された。キレート処理により、触媒活性を回復させる際に最善の改良をもたらすためには、使用済み水素化処理触媒は、最初に、炭素含有量を、約0.5重量%を下回らない濃度水準にまで低減させ、それによって炭素低減触媒を実現するべきであり、一般に、炭素低減触媒の炭素濃度は、0.5重量%から2.5重量%の範囲になければならない。キレート処理の後で大量の回復された触媒活性をもたらすためには、炭素低減触媒上の炭素濃度は、0.75重量%から2重量%の範囲であるべきであり、好ましくは、炭素濃度は、1重量%から1.75重量%の範囲である。
炭素低減触媒の炭素濃度が、本発明の方法に従って必要とされる濃度範囲内に調節される場合は、触媒活性は、回復された触媒活性の最適または最大水準が得られるようなやり方で、使用済み水素化処理に対して回復することができる。この最大化された再生RVAは、使用済み水素化処理触媒の低減されたRVAを超え、好ましくは実質的に超える。したがって、一般に、炭素低減触媒の最大化された再生RVAは、0.65を超えうる。しかし、最大化された再生RVAは、できる限り高いことが最も望ましく、したがって、そのRVAは0.7を超え、および0.75を超えさえもすることができる。大抵の場合、最大化された再生RVAの実際上の上限は、0.9である。
当技術分野で知られている、適切などの方法を使用しても、使用済み水素化処理触媒上の炭素濃度を低減させ、それにより、炭素低減触媒を実現することができるが、好ましい方法は、使用済み水素化処理触媒を、適切な炭素燃焼条件下でおよび制御された方法で、酸素を含む酸素含有気体に接触させることによって加熱処理し、使用済み水素化処理触媒上に存在する炭素を、燃焼、または焼却、または酸化させ、使用済み水素化処理触媒上の炭素濃度未満の、低減された炭素濃度を有する炭素低減触媒を実現することを含む。
炭素低減触媒上の炭素濃度が、上述のように特定の範囲内に調節され、炭素低減触媒が、引き続きキレート剤により処理される場合に、回復された触媒活性が最大化されることは、本発明の方法の特に重要な態様である。
必要な炭素燃焼条件は、使用済み水素化処理触媒上の炭素量および炭素低減触媒上の所望の炭素濃度に依存しうる。一般に、使用済み水素化処理触媒は、使用済み水素化処理触媒の温度が500℃を超えない条件下で、酸素含有気体と接触させられており、適切な熱処理、または炭素燃焼の温度は、約300℃から約500℃の範囲にある。好ましい炭素燃焼温度は、320℃から475℃、最も好ましくは、350℃から425℃の範囲にある。
酸素含有気体の酸素濃度は、所望の炭素燃焼温度条件をもたらすように調節することができる。酸素含有気体は、好ましくは空気であり、他の気体、例えば窒素などの不活性気体によって希釈され、酸素含有気体中の酸素濃度を調節することができる。炭素燃焼は、使用済み水素化処理触媒が置かれ、酸素含有気体が導入される燃焼領域内で実行することができる。炭素燃焼を実行するための時間の長さは、決定的に重要なものではなく、所望の炭素濃度を有する炭素低減触媒をもたらす長さであり、一般に、約0.1時間から48時間、またはそれ以上の範囲にある。
具体的に定義された炭素濃度を有する炭素低減触媒は、キレート剤による処理を受け、それにより回復された触媒活性を有する再活性化触媒をもたらす。1つの適切なキレート処理方法は、米国特許第6291394号において詳細に記述されている。好ましい処理方法においては、炭素低減触媒は、キレート剤が炭素低減触媒中に十分に取り入れられることを確実にするようなやり方で、好ましくは、液体担体に溶解されているキレート剤と接触させられ、または濡らされる。次いで、この接触に続いて熟成期間があり、その間、キレート剤は炭素低減触媒上に留まることができ、熟成触媒をもたらす。この熟成触媒は、次いで、乾燥または仮焼、または両方を含みうる熱処理を施され、引き続き硫黄処理され、回復された触媒活性を有する触媒をもたらす。
本発明の方法のキレート処理ステップにおいて使用するのに適したキレート剤、またはキーラント(chelant)は、炭素低減触媒中に含有されている金属成分、例えば、VIII族金属およびVIB族金属のどれでもと錯体を形成することができる化合物を含む。キーラントが、炭素低減触媒において触媒活性の回復をもたらす性質を有することは、本発明の方法にとって特に重要である。
特定のどの理論にも束縛されるつもりはないが、それでも、キレート剤は、炭素低減触媒中に含有され、以前に使用されたこと、および水素化処理触媒の炭素燃焼条件に曝されることを含めて、高温に曝されたことにより凝集されてしまった活性金属と、炭素低減触媒が誘導される誘導体とを再分散させることによって、触媒活性の回復をもたらすものと考えられる。金属の再分散の量は、電子顕微鏡写真により、立証され、観測することができる。
キレート剤は、炭素低減触媒の凝集された金属との錯体を形成するキレート剤を含有する溶液を、好ましくは使用することにより、液体状態で炭素低減触媒に添加される。したがって、錯体は、錯体の移動性をもたらし、炭素低減触媒の至る所で金属の移動を助け、それにより金属の再分散を実現する液相中に存在する。
本明細書に記載の本発明の方法によって必要とされる、回復された触媒活性の恩恵を適切に与えるキーラント化合物は、いずれも、炭素低減触媒のキレート処理において使用することができる。これらのキーラント化合物の中に、炭素低減触媒の金属と錯体を形成するための電子供与原子としての機能を果たしうる、少なくとも1つの窒素原子を含有するキレート剤がある。
可能性のある窒素原子を含有するキレート剤の例には、アミノカルボン酸、ポリアミン、アミノアルコール、オキシム、およびポリエチレンイミンとして分類することができる化合物が含まれる。
アミノカルボン酸の例には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、およびニトリロ三酢酸(NTA)が含まれる。
ポリアミンの例には、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、およびトリアミノトリエチルアミンが含まれる。
アミノアルコールの例には、トリエタノールアミン(TEA)およびN−ヒドロキシエチルエチレンジアミンが含まれる。
本発明の方法において使用するための好ましいキレート剤は、以下の式で表することができるアミノカルボン酸である。
Figure 0004896744
式中、R、R、R、RおよびRは、10個までの炭素原子を有するアルキル、アルケニルおよびアリルから、それぞれ独立に選択され、カルボニル、カルボキシル、エステル、エーテル、アミノ、またはアミドから選択された1種以上の基により置換されていてもよく、RおよびRは10個までの炭素原子を有するアルキレン基から、それぞれ独立に選択され、nは0または1であり、R、R、R、RおよびRの1種以上は、次式を有する。
Figure 0004896744
式中、Rは、1から4個の炭素原子を有するアルキレンであり、Xは水素または別のカチオンである。
好ましいキレート剤には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、およびジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)が含まれる。最も好ましいキレート剤は、DTPAである。
いずれの適切な手段または方法でも、炭素低減触媒を、キレート剤またはある濃度のキレート剤を含有する溶液と接触させるために使用することができる。ただし、そのような手段または方法によって、炭素低減触媒の細孔内に、キレート剤を適切に取り入れるまたは含浸させることが実現されることを前提としている。キレート剤またはキレート溶液を、炭素低減触媒に適用する適切な方法の例には、浸漬法または噴霧法がある。炭素低減触媒をキレート剤またはキレート溶液と接触させるための好ましい方法は、当業者に知られている任意の適切な含浸法、例えば、インシピエントウェットネス法による含浸法であり、炭素低減触媒に添加されたキレート溶液の量または体積は、添加されたキレート溶液の全体積が、キレート溶液によって含浸させられるべき炭素低減触媒のほぼ全細孔容積までの範囲に収まる体積である。
キレート溶液は、キレート剤およびキレート剤を適切に溶解する溶媒を含む溶液でありうる。可能性のある溶媒は、水および、例えば、メタノールおよびエタノールなどのアルコールであり、キレート剤の好ましい溶媒は水である。炭素低減触媒に適用されるキレート剤の量は、本明細書に記載されたように、所望の回復された触媒活性をもたらすものでなければならず、一般に、その量は、炭素低減触媒中に存在する活性金属、すなわち、上述のVIII族およびVIB族の金属1モル当たり、約0.005モルキーラントから約1モルキーラントの範囲にあるキレート剤を、炭素低減触媒中に取り入れる量である。炭素低減触媒中の水素化金属1モル当たり、添加されたキレート剤が0.01から0.5モルの範囲に存在する量のキレート剤を炭素低減触媒に添加することは、より好ましい。最も好ましくは、炭素低減触媒に添加されたキレート剤の量は、水素化金属1モル当たり、添加されたキーラントが0.05から0.1モルの範囲にある量である。
本発明の重要な態様は、明確な限界範囲内に調節された、炭素低減触媒上の残留炭素濃度をもたらす炭素除去ステップおよびキレート剤処理ステップを組み合わせることにより、使用済み水素化処理触媒を処理するための代替方法を使用して実現されるものよりも高水準の回復触媒活性を有する再活性化触媒を提供しうることであることが理解される。加えて、使用済み水素化処理触媒から調節された量の炭素を除去するステップと、引き続き、その結果得られた炭素低減触媒をキレート剤処理するステップとを組み合わせたステップからの恩恵を実現するために、キレート剤処理ステップは、炭素低減触媒の十分長時間にわたる熟成またはソーキング(soaking)を含むことが不可欠であることが発見された。この時間が十分長くない場合は、目に見える恩恵は何ら認められない。
キレート剤を内部に取り入れた炭素低減触媒は、したがって、回復された触媒活性の増強を図るのに必要な熟成時間をかけて、熟成される。キーラントが炭素低減触媒の金属と反応することができて、それによりキレートを形成し、金属を再分散させることができるためには、十分長い熟成期間が必要であることが、理論づけられる。いずれにしても、キーラントにより処理された炭素低減触媒の回復された触媒活性に、大幅に増加した恩恵が現れるまでには、熟成期間に必要な最低限の時間が存在する。この最低限熟成時間は、炭素低減触媒に対して、熟成が実行される温度および使用したキーラントの種類および量に依存しうる。
一般に、好ましいアミノカルボン酸キレート剤が、熟成からどのようなものであれ大きな恩恵を得るためには、熟成時間が約10時間を超えることが、不可欠とはいわないまでも、重要であるが、好ましくは、熟成期間は、20時間、および最も好ましくは、40時間を超えなければならない。回復された触媒活性が大幅に増加しなくなる、熟成時間の最大限も存在する。最大限熟成時間は、一般に、1200時間を超えない。好ましい最大限熟成時間は、1000時間未満であり、より好ましくは、最大限熟成時間は750時間未満である。従って、炭素低減触媒を接触させるための熟成期間または炭素低減触媒の細孔内に取り入れられたキレート剤が触媒上に留まるか、ソーク(soak)することができるための熟成期間は、約10時間から約1200時間、好ましくは、20時間から1000時間、最も好ましくは、40時間から750時間の範囲にある。
熟成が実施される熟成温度は、炭素低減触媒の金属が少なくともいくらか再分散している熟成触媒をもたらす任意の温度であることができ、一般には、ほぼ環境温度から、例えば、約10℃から約37℃、約50℃または60℃の範囲でありうる。
熟成触媒は、次いで、乾燥もしくは仮焼、または両方を含みうる熱処理を受ける。しかし、熟成触媒は仮焼条件に曝されないことが好ましい。熟成触媒の乾燥は、熟成触媒上のキレート剤の少なくとも一部、好ましくは大部分を残しながら、熟成触媒からキレート溶液の溶媒の少なくとも一部を除去することである。本発明の好ましい実施形態においては、乾燥熟成触媒が、高活性水素化処理触媒の調製または製造に関して上述した硫黄処理と、同一ではないにしても、類似の硫黄処理を受ける場合は、その中に、ある量またはある濃度のキーラントを含むことが重要である。
熟成触媒の乾燥においては、熟成触媒から実質的にできる限り少ないキーラントを除去することが望ましく、したがって、炭素低減触媒中に取り入れられたキーラントの全重量を基準として、炭素低減触媒中に取り入れられたキーラントの約50重量%超が、その結果得られた乾燥熟成触媒中に留まることになる。乾燥熟成触媒が硫化処理を受ける場合は、好ましくは、乾燥熟成触媒上に留まるキーラントの量は、75重量%を超え、最も好ましくは、炭素低減触媒に最初に添加されたキーラントの90重量%超が、炭素低減触媒中に留まる。したがって、キレート処理において炭素低減触媒に最初に添加されたキーラントの約50重量%未満が、乾燥ステップの間に熟成触媒から除去されなければならない。所望とあれば、炭素低減触媒中に取り入れられたキーラントの、好ましくは、25重量%未満、最も好ましくは10重量%未満が、熟成触媒から除去される。
乾燥は、当業者に知られている適切な任意の方法により実施することができる。通常、熟成触媒を乾燥するために、高温空気または、窒素および二酸化炭素などの、その他の適切な任意の気体を熟成触媒の上を通過させる。乾燥温度は、200℃を超えてはならず、一般に、90℃から180℃の範囲である。好ましくは、乾燥温度は、175℃未満であり、100℃から175℃の範囲である。乾燥ステップは、キーラントまたはキレートが蒸発または変換することを回避するように注意深く制御する。
本発明の好ましい実施形態においては、上で考察されたように、その中に留まっているキーラントまたはキレートを含有する乾燥熟成触媒は、酸化物の形態で存在している水素化金属成分を再び硫化するために、硫黄処理される。乾燥熟成触媒の硫黄処理は、高活性水素化処理触媒の調製または製造における触媒前駆体の硫黄処理に関して、上述されたものと同一の硫黄処理方法である。
本発明の再活性化触媒は、RVAが0.80を超えるような回復触媒活性を有するはずであるが、より詳細には、再活性化触媒のRVAは、0.85を超える。使用済み水素化処理触媒の回復活性の量を本発明の方法によって最大化することは好ましく、したがって、再活性化触媒のRVAは0.90を超えることが好ましく、最も好ましくは、RVAは0.95を超える。
本明細書に記載の方法によって処理された水素化処理触媒は、以上に十分に記述されている水素化処理条件下で、炭化水素供給原料を水素化処理するために、適切に使用することができる。
以下の実施例は、本発明を説明するために提示されるが、これらは、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
実施例1には、留出物供給原料の水素化処理において使用されたことにより、使用済みとなった市販の水素化処理触媒の触媒活性を再活性化および回復するために、使用される実験室の方法を記載している。
使用済みの、CENTINEL(商標)DC−2118高活性水素化処理触媒の試料を、触媒の商業的利用者から入手した。CENTINEL(商標)DC−2118は、アルミナ支持体上に担持されたコバルトおよびモリブデンの水素化金属成分を含有する高活性水素化処理触媒であり、Criterion Catalysts & Technologies、ヒューストン、テキサス州によって市販されている。個々の試料A、B、C、D、E、F、GおよびHの炭素濃度を、それぞれ、下の表2に示す。
400℃未満の温度で試料上に空気を通過させることにより、それぞれの試料を炭素燃焼させた。燃焼条件を注意深く制御し、各試料上の炭素の一部のみを燃焼させ、その結果得られた熱処理された使用済み触媒、または炭素低減触媒上に、残留量の炭素を残すようにした。個々の炭素低減触媒試料A、B、C、D、E、F、GおよびHの炭素濃度を、それぞれ、下の表2に示す。
試料A、B、C、F、GおよびHに、それぞれ、本発明によるキレート剤処理を施した。試料Dには、キレート剤処理を施さず、試料Eには、キレート剤による処理をしたが、本発明による熟成は実施しなかった。
炭素低減触媒試料を処理するために使用したキレート溶液は、一(1)重量部のDTPA、0.11重量部の水酸化アンモニウム、および10重量部の水から構成されていた。炭素低減触媒試料に、標準のインシピエントウェットネス法によって、キレート溶液を含浸させ、炭素低減触媒の利用可能な細孔容積のほぼ98体積%が、キレート溶液で満たされた。含浸された炭素低減触媒のそれぞれの試料を、次いで、よく混合し、密閉容器内で室温において、2週間の熟成期間の間、熟成するに任せ、熟成触媒を提供した。
次いで、熟成触媒試料を約150℃の温度で、空気中で約2時間の間乾燥させた。この乾燥は、その結果得られた乾燥触媒上に、DTPAキレート剤の大部分が留まるように、および水の大部分が熟成触媒から除去されるように、実施した。
次いで、乾燥触媒を硫化ステップにかけた。乾燥触媒を硫化するために、元素状硫黄13.5重量部を乾燥触媒100重量部に添加し、混合した。混合物を、次いで、約120℃の温度の状態にさせ、硫黄を乾燥触媒の細孔内に取り入れるのに十分な時間、維持した。
硫黄を取り入れた後で、14から30個の炭素原子を有するα−オレフィンを含有するα−オレフィンブレンドを、インシピエントウェットネス法により、硫黄を取り入れた乾燥触媒の細孔中に取り入れた。硫黄を取り入れた乾燥触媒に添加されたα−オレフィンの量は、利用できる細孔容積のほぼ90体積%を充満するのに十分であった。こうして調製された触媒を、次いで、熱処理にかけ、乾燥再活性化触媒をもたらすのに十分な時間、約260℃の温度において、気流中で試料を加熱した。
試料A、B、C、F、G、およびH(すなわち、本発明の方法により処理された再活性化試料)のそれぞれ、キレート剤処理を施さなかった試料D、およびキレート剤による処理をしたが、本発明による熟成を実施しなかった試料Eを、実施例2に記載の手順によって、触媒活性について試験した。
この実施例2では、新しいCENTINEL(商標)DC−2118高活性水素化処理触媒の触媒活性に対して、実施例1に記載の再活性化触媒試料の触媒活性を試験するために使用した実験室の試験手順および供給原料を記述する。
活性試験を実施する際に使用された供給原料の性質を、表1に示す。活性試験を実施するために、問題にしている触媒試料50ccを、水素化処理反応条件下で操作されている試験反応器内に置いた。反応条件には、約355℃の反応温度、4137kPa(600psia)の全圧力、時間基準の液空間速度が1hr−1になるような供給速度、214m/m(1200SCF/バレル)の水素対油の比率、および500時間の操業時間が含まれていた。
Figure 0004896744
この実施例2に記載の活性試験の結果を、表2に示し、図1は、結果のグラフを示す。この結果の提示から分かるように、特に図1のグラフの提示によって劇的に立証されているように、キレート処理する前に、炭素含有量が特定の範囲内に調節されている場合は、キレート処理後の、使用済み水素化処理触媒の触媒活性の回復が最大化される。
Figure 0004896744
使用済み水素化処理触媒が、その上にある炭素の一部を除去することにより最初に処理され、次いでキレート処理によって処理される、本発明の方法によって調製された再活性化された水素化処理触媒の相対容積活性を、炭素除去ステップ後の、使用済み水素化処理触媒の残留炭素含有量の関数としてプロットしたグラフを示す図である。

Claims (9)

  1. 使用済み水素化処理触媒の触媒活性を回復させる方法であって、
    3重量%を超える第1の炭素濃度を有する前記使用済み水素化処理触媒を提供すること;
    前記使用済み水素化処理触媒上の炭素濃度を低減させ、それにより、重量%から1.75重量%の範囲にある第2の炭素濃度を有する炭素低減触媒を提供するために、炭素燃焼条件下で前記使用済み水素化処理触媒を、酸素を含む酸素含有気体と接触させ、前記使用済み水素化処理触媒から除去される炭素の量を調節することによって、前記第2の炭素濃度を有する前記炭素低減触媒を提供すること;
    前記炭素低減触媒を、キレート剤および溶媒を含む溶液と接触させることによって、前記キレート剤を前記炭素低減触媒中に取り入れること;
    前記溶液を内部に取り入れた前記炭素低減触媒を、熟成時間の間熟成させて、それにより、熟成触媒をもたらすこと(ここで、前記熟成時間は、前記炭素低減触媒に回復された触媒活性を付与するのに十分なものである。);
    前記熟成触媒を乾燥して前記溶媒の一部を前記熟成触媒から除去し、それにより、乾燥熟成触媒を提供すること、及び
    前記乾燥熟成触媒を硫黄処理し、こうして、再活性化触媒を提供することを含む、前記方法。
  2. 前記キレート剤が、アミノカルボン酸、ポリアミン、アミノアルコール、オキシム、およびポリエチレンイミンからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  3. 前記溶液の前記溶媒が水である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、およびジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)からなる群から選択される請求項3に記載の方法。
  5. 前記熟成時間が10時間を超える請求項4に記載の方法。
  6. 前記第1の炭素濃度が、5重量%から25重量%の範囲にある請求項5に記載の方法。
  7. 前記炭素低減触媒中に取り入れられた前記キレート剤の50%超が、前記乾燥熟成触媒中に留まる、請求項6に記載の方法。
  8. 前記キレート剤が、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)であり;前記熟成時間が、20時間を超え;前記第1の炭素濃度が、6重量%から20重量%の範囲にあり;前記炭素低減触媒中に取り入れられた前記キレート剤の75重量%超が、前記乾燥熟成触媒中に存在する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記炭素低減使用済み触媒中に取り入れられた前記キレート剤の50重量%未満が、前記乾燥ステップの間に前記熟成触媒から除去される、請求項1に記載の方法。
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