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JP4897507B2 - 地盤の改良方法 - Google Patents
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Description

本発明は、地盤の改良方法に関するものである。
国土交通省では、平成11年以来、建設廃材の再資源化促進を目指して、種々の施策を行っている。従来、伐採材の再生利用技術としては、(1)チップ化した伐採材を種子、堆肥成分などと混練し、斜面等に吹付け、撒き出しなどの方法で設置し、植生基盤材として用いる方法、(2)結束線などで束ね、法枠などとして用いる方法、(3)工事現場内に仮置きし、堆肥化させて有価物とする方法、(4)チップ化した伐採材を舗装資源として使用する方法、(5)伐採材の破砕物と土砂とを混合し、法面の補強に用いる方法(例えば、特許文献1参照)など、様々なものが開発・適用されてきた。
特開2003−171936号公報
しかしながら、例えば(1)の方法で設置する植生基盤材は厚さ50cm程度、(4)の方法で設置する木質材舗装は厚さ30cm程度が限度である。(2)、(3)の方法においても、限られた箇所への小規模利用に留まる。そのため(1)から(4)の方法は、大量の伐採材をリサイクルできるまでには至っていない。
また、(5)の方法では、長期経過後に木質が腐朽することで、地盤の強度増加効果を喪失したり、体積減容を生じたりする可能性がある。
これらのことから、既往技術は社会的ニーズに対応しきれておらず、木質系廃材のリサイクル率は、平成14年次で約40%であり、ほぼ横ばいの推移となっている。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは産業廃棄物として処分されていた伐採材を大規模に再生利用できる地盤の改良方法を提供することにある。
前述した目的を達成するための本発明は、木質系廃材の小片を被覆材で被覆する工程(a)と、前記小片と地盤材料とを混合して混合材を得る工程(b)と、前記混合材を地盤に設置する工程(c)と、を具備し、前記工程(c)で、前記小片の混合率が異なる複数の前記混合材を用い、前記複数の混合材のうち、前記小片の混合率が大きいものを浅部に、小さいものを深部に設置することを特徴とする地盤の改良方法である。
被覆材とは、高粘性セメントペースト、高粘性アスファルトエマルジョン、化学樹脂等の遮水性の高い材料である。高粘性セメントペーストは、例えば、高炉セメントB種に特開2004−175608号公報に化合物(α)、(β)として記載されている特殊混和剤を配合したものである。高粘性セメントペーストの配合は、一般的なポーラスコンクリートで用いるモルタルの配合とする。高粘性アスファルトエマルジョンは、例えば、ゴム入りアスファルトエマルジョンとベントナイトからなる。高粘性アスファルトエマルジョンは、既製品のアスファルト乳剤や、これにセメントや水を投入したものとする。
混合材に対する小片の混合率は、体積比で30%以下とするのが望ましい。(削除)工程(c)では、小片の混合率が異なる複数の混合材を組み合わせて用い、小片の混合率の大きい混合材を浅部に、小さい混合材を深部に設置する。
工程(c)では、例えば、混合材を、地盤材料単独である盛土材料を用いて形成した盛土の法面に設置する。または、混合材を、地盤材料単独である盛土材料を用いて形成した盛土の法面および上面に設置する。工程(c)では、小片の混合率が小さい混合材を用いて形成した盛土の法面および上面に、小片の混合率が大きい混合材を設置してもよい。工程(c)では、混合材を地盤の表層に設置し、混合材の上面に地盤材料単独である盛土材料を設置する場合もある。
本発明によれば、産業廃棄物として処分されていた伐採材を大規模に再生利用できる地盤の改良方法を提供できる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明の実施の形態では、まず、伐採材などの木質系廃材を、長さ10〜100mm程度の小片にチップ化する。次に、チップ化した小片を、被覆材で被覆する。被覆材の種類や被覆方法については、後述する。そして、土壌などの地盤材料に被覆した小片を混入して混合材を得て、混合材を盛土材料として用いる。
図1は、盛土材料の応力〜変位曲線を示すグラフ、図2は、盛土材料とせん断強度との関係を示すグラフ、図3は、盛土材料の強度定数を示す表である。図1から図3は、盛土材料を用いて幅、長さ、高さがそれぞれ300、300、650mmの試験体を製作し、一定のひずみ速度Δγ=1.0%/minで大型一面せん断試験を行った結果である。
図1に示す盛土材料の応力〜変位曲線を示すグラフでは、横軸が水平変位(mm)、縦軸がせん断応力τ(kN/m)である。図1の(a)図は、盛土材料として小片を混入しない海老名産ロームを用いた場合の試験結果を示す。実線1は、拘束圧σv=50kN/mの場合の応力〜変位関係、破線3は、拘束圧σv=100kN/mの場合の応力〜変位関係、破線5は、拘束圧σv=300kN/mの場合の応力〜変位関係である。
図1の(b)図は、盛土材料として小片とロームとの混合比を体積比で1:9とした海老名産ロームを用いた場合の試験結果を示す。実線7は、拘束圧σv=50kN/mの場合の応力〜変位関係、破線9は、拘束圧σv=100kN/mの場合の応力〜変位関係、破線11は、拘束圧σv=300kN/mの場合の応力〜変位関係である。
図1の(c)図は、盛土材料として小片とロームとの混合比を体積比で3:7とした海老名産ロームを用いた場合の試験結果を示す。実線13は、拘束圧σv=50kN/mの場合の応力〜変位関係、破線15は、拘束圧σv=100kN/mの場合の応力〜変位関係、破線17は、拘束圧σv=300kN/mの場合の応力〜変位関係である。
地盤材料であるロームに伐採材などの小片を混入した混合材では、図1に示すように、ローム単独と比較して靭性が高くなる。なお、ローム単体では、図1の(a)図に示すように、材料の降伏点が明確にわかるが、混合材では、図1の(b)図および図1の(c)図に示すように、明確な降伏点は確認されず、変位の進行に伴ってせん断強度が増加する。
図2に示す盛土材料とせん断強度との関係を示すグラフでは、横軸が上載圧σv(kN/m)、縦軸がせん断応力τ(kN/m)である。実線19は、小片を混入しない海老名産ロームのせん断強度と拘束圧との関係、破線21は、小片とロームとの混合比を体積比で1:9とした海老名産ロームのせん断強度と拘束圧との関係を、破線23は、小片とロームとの混合比を体積比で2:8とした海老名産ロームのせん断強度と拘束圧との関係を、破線25は、小片とロームとの混合比を体積比で3:7とした海老名産ロームのせん断強度と拘束圧との関係である。
図3に示す盛土材料の強度定数を示す表は、チップ混入率27がそれぞれ0%、10%、20%、30%となるように小片とロームとを混合した盛土材料を用いて製作した試験体について、粘着力c(kN/m)29、せん断抵抗角φ(deg.)31をまとめたものである。
地盤材料であるロームに伐採材などの小片を混入した混合材では、図2に示すように、ローム単体と比較して強度が上昇する。また、図3に示すように、粘着力c(kN/m)29、せん断抵抗角φ(deg.)31が大幅に増加する。なお、粘着力c(kN/m)29は、試験体のチップ混入率27が10%以上となると、ほとんど変化しない。せん断抵抗角φ(deg.)31は、試験体のチップ混入率27が20%以上となると、ほとんど変化しない。
図1から図3に示すように、地盤材料であるロームに伐採材などの小片を混入した混合材では、ローム単体と比較して材料の変形性能(靭性)やせん断強度が高まる。しかし、木質系廃材を土木用資材として恒久的に用いようとする場合、有機物である木質系廃材が分解され、材料の強度が低下したり、体積が減少したりすることが懸念される。
腐朽は、木材を分解利用して生育する菌類(木材腐朽菌)によって発生し、その腐朽菌が生育するには、生育に適した「水分」、「酸素」、「温度」が必要である。言い換えれば、この3条件のうち、いずれかが欠ければ、木材は腐朽しないと言える。よって、地中では、酸素の供給量が少なくなるため、木材の腐朽は地表付近よりも進行しにくくなると推測できる。
しかしながら、地盤条件によっては、水分供給量が増加し、さらに腐朽が促進される可能性も示唆される。この問題は、適切な材料を用いて木材の小片にコーティング処理を施すことにより、水分供給を遮断することにより解決できる。コーティングには、(1)高粘性アスファルトエマルジョン、(2)高粘性セメントペースト、高粘性モルタル、(3)化学樹脂等を用いることが考えられる。
図4は、腐朽促進試験の結果を示すグラフ、図5は、腐朽促進試験の結果を示す表である。図4、図5は、JIS K 1571の腐朽試験方法により、20mm×20mm×10mmの木片をコーティングした試験体を腐朽させた結果である。
図4は、試験体の初期33の全炭素量に対する3ヶ月後35の炭素残存率を示す。図5は、試験体の初期33の炭素含有率と3ヶ月後35の炭素含有率とを示す。
試験に供した試験体は、木質系の小片を高粘性セメントペーストでコーティングした高粘性セメント39、小片を高粘性アスファルトエマルジョンでコーティングした高粘性アスファルト41、小片を酢酸ビニルでコーティングした化学樹脂43、コーティングを施さない通常チップ37の4種類である。
高粘性セメントペーストは、例えば、高炉セメントB種に特開2004−175608号公報に化合物(α)、(β)として記載されている特殊混和剤を配合したものである。高粘性セメントペーストの配合は、一般的なポーラスコンクリートで用いるモルタルの配合とする。
高粘性アスファルトエマルジョンは、例えば、ゴム入りアスファルトエマルジョンとベントナイトからなる。高粘性アスファルトエマルジョンは、既製品のアスファルト乳剤や、これにセメントや水を投入したものとする。
コーティングに高粘性セメントペースト、高粘性アスファルトエマルジョンのような高粘性材料を用いるのは、通常の粘性の材料では、チップと材料の付着が確保できず、十分なコーティング性能を期待することができないためである。
図5に示すように、4種類の試験体の初期33の全炭素含有率(%)は同じであるが、3ヶ月後35の全炭素含有率(%)は、高粘性セメント39、高粘性アスファルト41、化学樹脂43とも、通常チップ37を上回る。図4のように全炭素残存率(%)で示すことにより、この現象はより明確になる。図4、図5から、木質系の小片にコーティングを施すと、腐朽進行が鈍く、木材の腐朽を抑制できることがわかる。
一方で、アスファルトエマルジョン、化学樹脂などでは、紫外線によるコーティング材の劣化が生じることも予想されるが、コーティングされた木質系の小片を土中に埋設することによって、コーティング材の紫外線劣化の問題は解決できる。
図6は、盛土材料とせん断強度との関係を示すグラフ、図7は、盛土材料の強度定数を示す表である。図6、図7は、図1から図3と同様に、盛土材料を用いて幅、長さ、高さがそれぞれ300、300、650mmの試験体を製作し、一定のひずみ速度Δγ=1.0%/minで大型一面せん断試験を行った結果である。
図6、図7で試験に供した試験体は、盛土材料として小片を混入しない海老名産ロームを用いたローム45、盛土材料としてコーティングを施さない小片とロームとを体積比で3:7で混合した混合材を用いた無対策チップ47、盛土材料として高粘性セメントペーストでコーティングを施した小片とロームとを体積比で3:7で混合した混合材を用いた対策型Aチップ49、盛土材料として高粘性アスファルトエマルジョンでコーティングを施した小片とロームとを体積比で3:7で混合した混合材を用いた対策型Bチップ51の4種類である。
図6に示す盛土材料とせん断強度との関係を示すグラフでは、横軸が上載圧σv(kN/m)、縦軸がせん断強度τf(kN/m)である。実線53は、ローム45のせん断強度と拘束圧との関係、破線55は、無対策チップ47のせん断強度と拘束圧との関係、破線57は、対策型Bチップ51のせん断強度と拘束圧との関係、破線59は、対策型Aチップ49のせん断強度と拘束圧との関係である。
図7に示す盛土材料の強度定数を示す表は、ローム45、無対策チップ47、対策型Aチップ49、対策型Bチップ51の4種類の試験体について、粘着力c(kN/m)61、せん断抵抗角φ(deg.)63をまとめたものである。
図6、図7において、対策型Aチップ49の試験体では、無対策チップ47の試験体と比較して、せん断強度τf、粘着力c(kN/m)61、せん断抵抗角φ(deg.)63が上昇しており、高粘性セメントペーストを小片のコーティング材に用いることで、盛土材料の強度増加効果がさらに高まることがわかる。また、腐朽による強度低下はあまり顕著でない。
図8は、盛土65の断面図を示す。図1、図2、図6を用いて説明したように、地盤材料に木質系の小片を投入した盛土材料は、材料のせん断強度が増すため、高強度の盛土(急勾配、高盛土)の施工に適している。図8では、地盤67上に地盤材料単独である盛土材料69を用いて形成した部分の法面73に、地盤材料に伐採材などの小片を混合した混合材である盛土材料71を設置して、盛土65を形成する。
盛土65では、盛土材料71として混合材を用いることにより、せん断抵抗の増加や、表面侵食の防止などの効果を期待でき、擁壁への作用土圧低減、地震時の起動モーメント低減に有効である。また、木質系の小片を投入した混合材を用いることにより、盛土材料71の単位体積重量を低減させ、盛土65の軽量化を図ることができる。
盛土65では、盛土材料71の層を厚くすることにより、大規模な小片のリサイクルが可能である。図1から図3に示す予備的な試験では、伐採材等の小片を体積比混入率で30%まで投入可能であり、例えば、出来型1万mの盛土であれば、3000mの小片を投入することが可能である。
図9は、盛土75、盛土85の断面図を示す。図3、図7を用いて説明したように、盛土材料の強度定数は、小片の混入率やコーティング材の種類によって変化させることが可能である。この性質を利用して、例えば、盛土内において高い強度が要求される部位(盛土表層、或いは設計上弱部とみなされる箇所)には比較的高い小片混入率を有する混合材を盛土材料として使用し、そうでない箇所には比較的低い小片混入率を有する混合材や地盤材料単独を盛土材料として使用するなどの方法で、高強度な盛土を構築することができる。
図9の(a)図は、盛土75の断面図である。図9の(a)図では、地盤77上に地盤材料単独である盛土材料81を用いて形成した部分の表面79に、地盤材料に伐採材などの小片を混合した混合材である盛土材料83を設置して、盛土75を形成する。または、地盤材料に伐採材などの小片を混合した混合材である盛土材料81を用いて形成した部分の表面79に、盛土材料81よりも小片の混合率が大きい混合材である盛土材料83を設置して、盛土75を形成する。
通常、土質材料は、拘束圧が高い深部ではそれなりの強度を有するが、拘束圧が深部より小さくなる浅部では、粘着力のみが強度に寄与する。盛土75のように、浅部に用いる盛土材料83への小片の混合率を、深部に用いる盛土材料81への小片の混合率よりも大きくすると、浅部での材料の粘着力を増加させることができる。これにより、表層滑りに対する安定性を維持できるようになる。
図9の(b)図は、盛土85の断面図である。図9の(b)図では、地盤87の表層に、地盤材料に伐採材などの小片を混合した混合材である盛土材料89を一定厚さで設置し、盛土材料89の上面に地盤材料単独である盛土材料91を設置して、盛土85を形成する。これにより、盛土材料91を用いて形成した部分の滑りを防止することができる。
本実施の形態では、地盤材料であるロームに伐採材などの小片を混入した混合材を用いることで、盛土材料の変形性能(靭性)が上昇するので、仮に変形が生じても、非常に壊れにくい盛土を構築することができる。また、小片を高粘性セメントペースト、高粘性アスファルトエマルジョン、化学樹脂等でコーティングすることにより、小片の劣化を防ぐことができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明にかかる地盤の改良方法の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、図8、図9の(a)図では、盛土65、盛土75の補強に混合材を用いる例を示したが、切土の補強に混合材を用いてもよい。
盛土材料の応力〜変位曲線を示すグラフ 盛土材料とせん断強度との関係を示すグラフ 盛土材料の強度定数を示す表 腐朽促進試験の結果を示すグラフ 腐朽促進試験の結果を示す表 盛土材料とせん断強度との関係を示すグラフ 盛土材料の強度定数を示す表 盛土65の断面図 盛土75、盛土85の断面図
符号の説明
27………チップ混入率
29、61………粘着力
31、63………せん断抵抗角

Claims (4)

  1. 木質系廃材の小片を被覆材で被覆する工程(a)と、
    前記小片と地盤材料とを混合して混合材を得る工程(b)と、
    前記混合材を地盤に設置する工程(c)と、
    を具備し、
    前記工程(c)で、前記小片の混合率が異なる複数の前記混合材を用い、前記複数の混合材のうち、前記小片の混合率が大きいものを浅部に、小さいものを深部に設置することを特徴とする地盤の改良方法。
  2. 前記工程(c)で、小片の混合率が小さい混合材を用いて形成した盛土の法面および上面に、小片の混合率が大きい混合材を設置することを特徴とする請求項1記載の地盤の改良方法。
  3. 前記被覆材が、高粘性セメントペースト、高粘性アスファルトエマルジョン、化学樹脂等であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の地盤の改良方法。
  4. 前記混合材に対する前記小片の混合率が、体積比で30%以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の地盤の改良方法。
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